2018年11月06日更新

命に嫌われている者たちへ

  • 難易度:★★|
  • 人数:1人~上限なし|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

◇1.レギュレーション
舞台:現代日本、タイマン
プレイ時間:RPによる。RTAするなら2時間もかからないだろう。
推奨技能:無い
あらすじ:朝日が差し込んで目覚めると、そこは過去のあの夏だった。大切な存在(友人または恋人)が死んだ、あの夏の日に、戻って来ていた。
ピンポン、とチャイムが鳴る。
ドアスコープを覗けば、まるであの日と同じように、死んだはずのあの人が、微笑んでいた。
※このシナリオは、カンザキイオリ氏が作ったボーカロイド曲『命に嫌われている。』をモチーフとしている。

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ストック

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◇命に嫌われている者たちへ

◇1.レギュレーション
舞台:現代日本、タイマン
プレイ時間:RPによる。RTAするなら2時間もかからないだろう。
推奨技能:無い
あらすじ:朝日が差し込んで目覚めると、そこは過去のあの夏だった。大切な存在(友人または恋人)が死んだ、あの夏の日に、戻って来ていた。
ピンポン、とチャイムが鳴る。
ドアスコープを覗けば、まるであの日と同じように、死んだはずのあの人が、微笑んでいた。
※このシナリオは、カンザキイオリ氏が作ったボーカロイド曲『命に嫌われている。』をモチーフとしている。

◇2.KPCの作成
 KPCがどのようなキャラクターであるかは、このシナリオの最大の肝だ。KPは事前に、セッション前の擦り合わせをしてPCにとっての大切な存在をしっかりと作り上げる必要があるだろう。
 まずPLには“親しい友達あるいは恋人がいる”というハンドアウトでPCを作って貰う。あくまで大切な存在であれば何でも良いので、ある一定の年齢であれば肉親でも問題ないだろう。例えば死んだ双子の兄や、死んだ一人娘などでも良いということだ。PCに大切な存在がいたらどういう人物かという視点で作り始める。
ある程度作り上げたら幾つかのPCとの思い出を作る。例えば、出会いはどのようなものだったか、仲を深めたきっかけはあるのか、どんな場所へ一緒によく行ったのか、喧嘩はしたことがあるのか、KPCが死んだときにどんな思いをしたのか。思い出は様々あるだろう。
 注意する点としては死亡時刻20××年8月15日18時31分に矛盾の無いように作成しなければならないということくらいだ。
 であるので、死亡原因などについても改変してしまって構わない。例えばPLを事故から庇おうとして死んだとか、何らかのセッションで一緒に探索したがロストしたとかでも構わない。その場合は改変に沿って整合性を整える作業が必要となるだろうが、問題はさして多くない。
 このシナリオは、KPCがPCにとって魅力的であれば何でも、何だって良い。
 KPがKPCをする必要も無い。サブKPを置いて、PC2を作製し、まるで普通のセッションのように回しても良い。物語が進行するうちに、実はSKPであると種明かしをする。そういう回し方でも構わないのだ。無論、そういうことを受け入れてくれそうなPLを選択する必要はあるが。

 以降、シナリオ。
 探索者については“PC”の表記とさせていただく。

◇3.冒頭
 眩しい光と頬に暖かな陽気を感じて目覚めると、朝だった。酷く暑苦しく、汗で寝間着はじっとりと湿っており、喉が異様に乾いている。そして、どこか違和感があった。記憶にある、紛れもなく自分の部屋なのに、何かがおかしい。一体、何がおかしいというのか。

>PCが《強制:アイディア》に成功すると、今現在、自分が住んでいる部屋ではないと分かる。昔に使っていた部屋だと分かる。失敗では何も分からない。

>部屋を見回ると、日時の分かるものがある(カレンダーやスマホなど)。それを見やると20××年×月×日とある。明らかに過去にいる。SANC≪1/1d3≫
更によく考えると、この日付はKPCが死んだ日であることに思い至る。SANC≪1/1d3≫

>KPCが死んだ過去にタイムスリップしてしまったことに気付いたPCは以下の情報を思い出す。
①KPCが死んだのは20××年8月15日18時31分。
②今日は朝から遊ぶ約束をしていた。
③20××年8月15日18時31分、電車の脱線事故に巻き込まれ、PCの大切な存在であるKPCは死ぬ。

 PCが考えあぐねているとチャイムが鳴る。ドアスコープを覗くと、そこにはKPCがとても嬉しそうな、約束を楽しみにしているような微笑みを浮かべて、ドアの向こうに立っている。SANC≪1/1d6+1≫

※重大なKP情報:KPCの記憶について
 KPCは自分がPCの願いによって自分が死ぬ日を繰り返すことになっていると知っている。しかしそのことはPCには告げない。無暗に傷ついて欲しくないからだ。
 また、KPCは生き返ったことに喜びと感謝を感じており、PCが望むなら会いたいと強く願っている。
 基本的な行動原理は“KPCと共に過ごしたい”である。しかしながら最も強い気持ちは“KPCに幸せになってほしい”である為、会わないという選択肢も、KPCは受け止める。

 ドアを開けると、あの日と同じように「おはよう」とKPCは挨拶をする。
 PCが幾つか質問をするかもしれないがKPCは「なんのこと?」と答える。
 PCは混乱した様子となるかもしれない。PCの混乱が長く続くようならばKPCに「今日は遊ぶのを止めようか? 具合悪い? 病院に行こうか?」とPCの体調を気遣うようなRPをさせる(病院に行くという選択をしてその日を終えても良い。どちらにせよ出会った時点でKPCは死ぬという運命は変わらない)。

 もしもここでそもそもPCがKPCと会わないという選択をするようであれば、KPはPCに≪アイディア≫を振らせる。成功したら「会わなかったら二度と会えないかもしれない。あの日と同じように」と思い至る。
 それでも初日から出会わないという選択をPCがする場合は、エンディング『生者の行進』へと移行すること。

◇4.一日の過ごし方
 ここからは自由に過ごすことが出来る。この日が再び訪れた理由を探ろうとしても情報などはない。クタクタになるまで探し回るかもしれないが、KPCに接触を測った時点でフラグが立ち、必ずその日の黄昏時にKPCは死ぬ。その事実は揺らぐことは無い。
 遊園地に行っても良いし、ショッピングに行っても良いし、アクティビティを楽しんでも良い。KP判断に任せる。
 グーグルの地図を広げて、観光スポットへ行き、色々ダイスを振って自由に対応する。

 例として、水族館に行くとすると以下のダイスが振れるだろう。
①大型水槽:≪目星≫に成功すると目当ての魚を見つけられる。
②ふれあい水槽:≪DEX×5≫に成功すると魚にタッチできる。
③イルカショー:≪幸運≫に失敗するとイルカジャンプで水が全身にかかる。
④くじ引き:≪幸運≫に成功すると大きな緑のタコのぬいぐるみが貰える。

◇5.KPCへの追及
 PCによってはKPCを疑い≪心理学≫を行う者もいるだろう。≪心理学≫に成功した場合、KPCは何かを隠しているということが分かる。
 そこからPCがRPでKPCを追求し続けた場合、KPCの性格に準じて行動をさせる。全てを告白させてしまってもいいし、喧嘩をさせてもいいだろう。
 全てを告白させる場合は以下のとおり。
「ごめん。内緒にしていることがある。PCは今、死に掛けている。現実の世界では時間が止まってて、僕ら(私たち)は神様が作った変な空間に閉じ込められているんだ」
「PCはお腹を刺された」
「PCは神様を呼んだんだ」
「立てこもり事件が起こって。男が沢山の人を殺して。殺した人々を生贄に、男は魔法陣を書いて神様を呼ぼうとした」
「でも、神様は男じゃなくてPCの願いを叶えたんだ。魔法陣が不完全だったから」
「PCは願ったんだ、僕(私)に会いたいって。死に掛けてるって言うのに、思ってくれたんだ、僕(私)のことを」
「もしこの世界を終わらせたいなら、朝になっても僕(私)に会わないで。最初から僕(私)を嫌って。拒絶して」
 告白を終えたら、KPCは隠し持っていた果物ナイフで自分の首を刺して死ぬ。SANC≪0/1d6≫

◇6.死の回避を試みる
 死の回避を試みるかもしれない。以下の流れを行う。
①KPCが死んだ時間が近づくと、KPCは予定通りに電車へと乗ろうとする。見送ると予定通りKPCは脱線事故で死ぬ。
②KPCが電車に乗るのを回避しようとすると、走ってきたサラリーマンに突き飛ばされ、走行する電車に接触しKPCは死ぬ。
③駅に近づかないようにすると、自ら車道へと飛び出したり、高いところから飛び降りたり、持っていた果物ナイフで首を切ったりなどをして自殺する。
④PCが自殺した場合「君が死んでも、僕(私)を想い続ける限り、会いたいと望む限り、同じ日は繰り返される」という声を聴く。
⑤KPCを殺した場合「同じ日を繰り返したくないんだね。じゃあ、殺すんじゃだめだ。最初から、僕(私)を嫌って」
 ①~⑤の後に同じ日がやってくる。これは何度でも繰り返される。「会わない」という選択をしない限り。

◇7.記憶の混入
 PCはある男の魔術に巻き込まれて、この状況を自ら引き起こしている。現実の状態とリンクする情報と接触すると、記憶が視界に混ざり込む。都度、SANC《0/1》
①血を見る
「たくさんの死体。男が包丁を持って歩き回る。あの人は何本も刺さってる。また一人、殺された」
②七色、或いは星のようなものを見る
「虹色の何かが光っている。空中に何かが蠢いている。宇宙だ。宇宙がそこにある。なにか奇妙な音が聞こえる」
③包丁、果物ナイフなど(とがったもの)を見る
「痛い。腹を刺された。誰に? この男だ。知らない。誰だ」
④縛るものを見る
「縛られている。人々が次々と縛られていく。何をするんだ」
⑤医療機関を見る
「クリニック。そう、風邪をひいた。だから行った。いつ? 思い出せない」

◇8.会わない
 朝になってKPCが尋ねて来ても、会わないことを選択すると、周囲がどろどろと解け、肉の壁となっていく。やがて肉の壁さえも溶けて、足元は血の海だ。どこまでも広がる血の海に、狂いそうなほどの悪臭に、耳鳴り。しかしながら天空には、誰もが心奪われるような美しい星々、銀河が広がっている。
SANC≪0/1d3≫
 気付くと目の前にKPCがいる。
 PCは否が応でも悟る。別れの時が来たのだと。
「君は今、死に掛けている。頭のオカシイ人に刺されて、黒魔術の道具にされたんだ」
「だけど、神様は黒魔術を使った男ではなく、君に目を付けた。魔術が不完全だったのも、あると思う」
「死に掛けているのに君は、僕(私)のことを思い出していた。もう死んでしまった人間に会いたいと。この僕(私)に会いたいと」
「神様が君の願いを叶えて、この刹那の世界が生まれて、僕(私)は再び生を受けた。君の望みを叶える為に。だけど」
「もう僕(私)は必要ないよね。大丈夫だよね。君はようやく、僕(私)に会わないことを選んでくれたんだ。これで僕(私)も、役割を終えられるよ」
「会いたいと、僕(私)を求めてくれてありがとう。本当にうれしかった」
「僕(私)は先にいく。もし君が生きて、生きて、その先に終わりが来たら、今度こそちゃんと迎えに行くよ。たとえ君がどんな姿でも、たとえヨボヨボのおばあちゃんでも、必ず見つけるよ」
「またね」
「大好きだよ(愛しているよ)」
 やがて血の海がせり上がり、PCは溺れる。
 溺れた瞬間に、PCは瞼の裏に魔法陣を見る。それは脳に焼け付いたように、記憶に刻まれる。

※永遠に会い続ける、永遠に20××年8月15日を繰り返すという方法もあるだろう。その場合はエンディング『君が生きていればそれでいい』へと移行する。

◇9.魔術の終わりに
 次に目覚めると、目の前である男の頭が吹き飛ぶところだった。
 PCは思い出す。自分を拘束した男だと。
 とあるクリニックに風邪で来たところ、男がやってきて、職員を刺したのだ。そして、立てこもり事件を起こした。
男は「誤診がなければ」「俺は叶える」「ここのやつらの命を使って、彼女を蘇らせる」と、ブツブツ呟きながら、人々を刺しながら、脅しながら、拘束した。
 そして人々の血を使って、魔法陣のようなものをかいて、何かを呼び寄せたのだ。
 男の頭を割れたスイカのように破壊したのは警官の狙撃だろう。このクリニックはもう1時間以上、警官に包囲されているのだから。
 薄れゆく意識。目の前には魔法陣がある。待合室の長椅子をどけて曝された床一面に描かれた魔法陣だ。正確な円形に、奇妙な記号と見知らぬ文字の羅列。それらは内臓と血で描かれており、悪臭を放っている。

>PCはここで、ただひとつだけ行動が出来るだろう。

※魔法陣を完成させることが出来るかといった質問があれば、先ほど瞼の裏にみた魔法陣と僅かに異なり、足りない部分があると気付かせる。手を伸ばして、三角形を足すだけで良いとPCに告げよう。また、魔法陣を発動することも可能だろうと。ただし、魔法陣を発動する代償はあると伝えること。

以下、エンディング分岐。

◇エンディング
①エンディング『死が二人を分かつとも』
>条件:最後、そのまま何もしない。或いは魔法陣を破壊するような動作を試みる。これは1ページ目にあった正規ルート。
>以下、描写例
 血が失われていく。心臓が早鐘のように打ち、全身から冷たい汗が流れていく。手足が冷え切っている。刺された腹だけがやけに熱い。それなのに、死ぬようには思えなかった。傍にKPCがいるような気がした。ただ傍に、寄り添っている。そして、微笑んでいるような気がした。
「大丈夫ですか! こっちは息があるぞ! すぐに運べ!」
 次々と警察官や救急隊員が走り込む。PCの傍にも救急隊員が走り寄り、「トリアージレベル赤! 先に運べ! まだ間に合う!」と叫ぶ。酸素マスクが付けられ、腹の応急処置をされる。
 もうあの夏を繰り返すことは無いだろう。KPCと会うことも、もう無いだろう。
 この体が枯れ葉のように朽ち果てる、その日まで。
※生還

②エンディング『生者の行進』
>条件:初日からKPCと会わない
>以下、描写例
 ドアの向こうからKPCの声が聞こえる。
「……それで良いよ。僕(私)は死んでいるから、それで良いんだ」
「僕(私)も一目会えたらなんて少し思ってしまったけど、間違いだったね」
「死者は生者に会ってはいけないんだ」
「ごめんね。PCより先に死んでごめんね。ずっと一緒にいたかったよ。悲しい思いをさせて本当にごめんね。」
「幸せになってください」
 その瞬間、周囲がどろどろと解け、肉の壁となっていった。やがて肉の壁さえも溶けて、床さえも抜け落ちて、落ちていく。狂いそうなほどの悪臭に、耳鳴り。しかしながら上空には、誰もが心奪われるような美しい星々、銀河が広がっている。銀河が遠ざかり、PCは血と肉の海へと落ちていく。
SANC≪0/1d3≫
 次に目覚めると、そこは見知らぬベッドの上だった。激しい痛みが腹部に走っている。沢山の管が全身に繋がっており、傍に心電図モニターがあった。
「あ、分かりますか?」
 白衣を着た人物が声をかけてくる。どうやら病院のようだ。一体何が起こったのか。記憶が混濁している。ただ、たったひとつ分かっていることがある。
 もうあの夏を繰り返すことは無いだろう。KPCと会うことも、無いのだ。
 死が二人を分かち、KPCは死に、自分は生きている。その事実が、ただそこにあるだけなのだから。
※生還

③エンディング『ほかの人間などいらない』
>条件:魔法陣を昇華させKPCを生き返らせると願う
>以下、描写例
 その行動をした瞬間、魔法陣を構成する血や内臓がブクブクと泡立ち、煙を立ち上げ始めた。その煙は集合し、膨れ上がり、周囲を包み込んでいく。
SANC≪1d10/1d100≫
 白む視界の中に蠢く巨大な何かが現れた。巨大な黒いヒヅメだ。黒山羊の足のような、しかし太すぎて丸太のようにも思える。足なのだろうか、それはムカデように無数に生えて、煙に隠れてはいるが辛うじて巨大だと分かるその体を支えている。
それはヒモのような黒い触手を伸ばすと、PCの腕を掴み取った。PCは軽々と持ち上げられ、腹部からはらわたが零れる。そのはらわたを、巨大な何かが啜っている。
 周囲から呻き声や絶叫が聞こえる。恐らくPCと同じように内臓を啜られ、貪り食べられている者たちが煙の向こうにいる。
 だが、後悔は無いだろう。
 瞼を閉じると、KPCが泣いていた。それは、あの夏の日の夜の自分と、重なった。
 夢も明日も何もいらない。KPCだけが生きていればそれでいい。KPCが生きてさえいれば、他の人間などいらないのだから。
※クリニック内及び周辺の人間が全員シュブニグラスに食べられる。KPCは蘇生。KPはKPCを探索者として作成する。SANは固定で20下げる。

④エンディング『君が生きていればそれでいい』
>条件:すべてを受け入れ、死亡日を永遠と繰り返す
>以下、描写例
 すべてを受け入れ、夏の日を繰り返す。そう提案すると、KPCは目を丸めて拒絶しようとした。それでも、PCは諦めなかった。諦める理由などどこにもなかったからだ。
 やがてPCが納得したように、頷いた。
 時計の針などいらない。そう、彼(彼女)も決めたのだ。
 君が生きていればそれでいい。そう、お互い思っているから。
 この夏を、繰り返そう。
 そう、永遠に。
※ロスト

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クトゥルフ神話TRPGを主に「オンセンsns」さんでやっております。 基本的には物語の中身はシリアスだけど、救いのあるものが好きです。 宜しくお願い致します。

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Shizuku 2018年11月11日

もうちょっとわかりやすくした方がいいかもしれません。
○○をしたら○○に行く等もした方がいいかもしれません。

後、報酬あった方もいいです

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