2019年01月15日更新

ハンドカフト!

  • 難易度:★★★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:3~4時間(ボイスセッション)

あらすじ
 探索者ふたりは気付くと3ヶ月分の記憶を失っていた。その瞬間、鳴り響く電話。
「よく覚えて。隣に立ってる人の手を握り、すぐに走り出して。生きたければ」
 互いに手を握り、走り出した瞬間に現れた化け物。
 指示を出され導かれた先で告げられる死の宣告。
 果たして化け物から逃れられるのか。
 運命の手錠をかけられて辿り着く、2人の行く末とは――。

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ストック

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handcuffed!(ハンドカフト)

あらすじ
 探索者ふたりは気付くと3ヶ月分の記憶を失っていた。その瞬間、鳴り響く電話。
「よく覚えて。隣に立ってる人の手を握り、すぐに走り出して。生きたければ」
 互いに手を握り、走り出した瞬間に現れた化け物。
 指示を出され導かれた先で告げられる死の宣告。
 果たして化け物から逃れられるのか。
 運命の手錠をかけられて辿り着く、2人の行く末とは――。

▼レギュレーション
 時代・舞台:現代日本シティ
 参考:基本ルールブック準拠、サプリメント2010、2015使用可
 PL:1~2名(KPCとのタイマンか、バディ)
 技能について:KPが自由に改変して構わないが、DEXが高めだとロストしにくいだろう
 茶番要素あり
 プレイ時間:3~5時間程度

▼概要
 まず、探索者ふたりが数百万年前のイスの偉大なる種族2体に精神交換によって肉体を乗っ取られるところから始まる。3か月間の間、肉体を乗っ取ったイスの偉大なる種族は現代日本を研究すると、更なる未来へと旅立っていく。
 飛ぶイス人、跡を汚しまくり。イスの偉大なる種族は探索者ふたりに時代を移動した際の歪みを全て押し付けて立ち去った。その為に、探索者達は目覚めた瞬間に次元の管理人でもあるティンダロスの猟犬に襲われることとなる。
 しかしながら、未来の探索者達はそのことを知っていた。彼らはイスの偉大なる種族が残した時間通信機を用いて、覚醒したばかりの探索者、アーティファクトを持つ占い師、ティンダロスの猟犬を撃退できるオカルト研究家へ連絡を取り、指示を出す。
 探索者達はティンダロスの猟犬に命を狙われながらその事実に辿り着き、生き残る為に、過去の自分達へ電話をかけるのだった。

▼NPC紹介
①占い師:深海シロ
 占いの館「アトランティス」にいる、ボンキュッボンな美貌の占い師。30歳くらい。祖父母が元探索者で沢山のアーティファクトを持っているが、その使い道をあまり知らない。探索者にアーティファクト「分霊錠」を渡してくれる。
②オカルト作家:岡ルート
 それなりに名の知れたオカルト作家兼オカルト研究家。30歳くらい。眼鏡に茶色い天然パーマで、どこか子供っぽい。本名は岡通。
 正気度ゼロの元探索者で、アーティファクトを用いて他人の正気度とMPを吸収して魔術を使っては好きに生きている。だいぶオカシイ言動がみられるものの、元々の性格が正義の塊だった為、面白がりながらも探索者達を魔術で助けてくれる。

▼1:導入
 探索者達は学業或いは仕事を終えて就寝するところだ。何もすることがなければ、普段通りに眠ることとなる。
 次に目を覚ますと、見知らぬ路地裏に突っ立っている。そして隣には上下白いスエットを来た別の探索者がいる。全く覚えのない顔である。
~RPどうぞ~
 ある程度のRPが入った所で、《強制:アイディア》を振る。成功するとスマートフォンを持っていることに気付く。失敗すると「今の時刻は?」と気になる。
 所持しているスマートフォン或いは時間を確認すれば(近くに日付入りの時計があるとしてよい)、就寝したはずの日から3か月も経っていることに気付く。
『〇〇年△△月××日◇◇時□□分』である。
 時間が飛んだことにより正気度を《0/1d3》喪失する。
※後ほどこの時間はシナリオクリアに必要な時間である。KPはメモをしておくこと※

▼2:突然の電話
 探索者達のスマートフォンが同時に鳴る。電話の表示は奇妙なことに『Future』とある。
 電話に出れば切迫した声で以下のように話す。
①今から言う指示を覚えていること
②隣にいる人物(他の探索者)の手を繋ぎすぐに走り出すこと
③生きたければ指示に従うこと
④走り出したら走り終わるまで後ろは見ないこと
例「よく覚えろ。隣に立ってる人の手を握り、すぐに走り出せ。生きたければ。振り向くな」
 ここで《強制:アイディア》をかけて振る。成功すれば「これは隣にいる人物の声だ」と気付く。失敗した場合は年代と性別だけ分かるだろう。
 その電話の最中、探索者達が質問する間もおかずに、激しい悪寒が背筋に走る。“ぴちゃぴちゃという水音、ハァハァという大型動物のような息遣い、何かが腐ったような異臭”が背後から感じられる。

⇒ティンダロスの猟犬
 STR17、CON30、SIZ17、INT17、POW25、DEX10
 耐久23 装甲2
 死なない限り1Rごとに耐久力が4自動回復する
 前足:90% 1d6+1d6のダメージ
 舌:90% 1D3のPOW吸収
 腐敗と死の匂い:100% 吐き気
※もし探索者たちが振り向いた場合、そこに恐ろしい四足獣を目にする。黒い靄で覆われた巨躯、長く曲がりくねった舌、青い膿に似た腐敗した液体を垂れ流し、吐き気を覚えるような死臭を漂わせた化物が、探索者を見下ろしている。ティンダロスの猟犬を見た場合の正気度喪失は≪1D3/1D20≫である。

▼3:走れ!
 背後を見ずに走り出した場合は自動で距離を取って走り出すことが可能である。
 背後を見た場合はDEX10との対抗ロールから始まる。失敗した場合は前足で背中を切り裂かれ自動的に1d6のダメージが入る。
 電話からは矢継ぎ早にこのような指示が入る。
「道を曲がれ。右、左、右、右、左」
 指示に従わない場合は《DEX10との対抗ロール》となり、失敗すると追いつかれて戦闘となる。戦闘を脱する為には《DEX10との対抗ロール》に成功するしかない。

▼4:走り切れ!
 探索者達の前に大きな四車線の国道が見える。信号は青で、ごうごうと車が走っている。
「交差点の前で止まり、3秒数えろ。そして走り出せ」と指示が入る。
 指示に従って走り出すと、走る車が急ブレーキをかけ、クラクションを鳴らす。その中をすり抜けて上手く走り抜けることが出来る。
 指示に従わない場合はティンダロスの猟犬に追いつかれるか、道路を無理矢理に渡る場合は《回避》に成功しなければ即死である。
 指示に従い渡り切ると、背後で激しいクラクションの音と、ドンという轟音が鳴り響く。
 死の恐怖と怖気が不思議と収まり、スマートフォンから「そして、アトランティスへ向かえ」と告げられて、音声が途切れる。
 背後を見れば1台の大型トラックの側面が大きく凹んで止まっている。運転手がエアバックから顔を外に出して「大きな犬が…! 大きな犬を轢いたんだ…!」と叫んでいる。
※運転手はティンダロスの猟犬を轢いてしまった。ここでティンダロスの猟犬は一時的に消失する。

▼5:ティンダロスの猟犬ロール
 以降、ティンダロスの猟犬が数時間につき5%の確率で現れる。現れた場合は《回避》ロールに2回成功しないと逃げ切ることは出来ない。不死身であり、魔術で退散させる以外に探索者達が生き残る方法はない。
 ただしアーティファクト「分霊錠」があれば、3日間だけティンダロスの猟犬が出ない。3日後はティンダロスの猟犬しか出ない毎日が始まる。
 一時的に分霊錠を外す場合は《幸運》を振らせ、失敗した場合はティンダロスの猟犬に追われることとなる。

▼6:アトランティス
 探索者達がスマートフォンに折り返しの電話をかけても繋がらない。“アトランティス”という言葉に着目して周囲を見渡せば、ギンギラギンに輝くピンク色のライトでパチンコと書かれた大きな看板を見つける。しかし、パの字だけ消えている。その看板の横に小さく、「地下1階 占いの館アトランティス」とあるビルを見つけるだろう。
 ビルの地下に入って行けば、鬱蒼としたアマゾンのような、びっくりドンキーのような店構えの占いの館がある。奥に入れば、ボンキュッボンの見目麗しい女占い師がおり「あら。本当にいらしたわ」と微笑む。
 占い師は深海シロと名乗ると、こう告げる。
「ついさっき、知らない人から電話が来たの。おじいさんから受け継いだモノを二人組に付けて欲しいって。いつか必ずお礼をするからって……」
 そう言って、シロはあるものを取り出す。それは手錠であり、シロは探索者ふたりを繋ぐように手錠をかける。
「これは分霊錠。おじいちゃんが残した手錠。私の家、こういうのが沢山残っているの。これをかけていると、ふたつの魂が少しだけ溶けあって、悪いモノに気付かれにくくなるのよ。昔、おじいちゃんとおばあちゃんが使っていたの。あと3日分だけ使えるって、おじいちゃんとおばあちゃんが言っていたわ。鍵は無くしてしまったのだけど」
 そして「あ、これを使わないと、死ぬそうよ」と微笑む。
※探索者ふたりがお互いを見れば、ちょっとお互いを好きになっているだろう。魂が少し溶けあっているからだ。
 その他のことを尋ねようとしてもシロは「ごめんなさいね。よく分からないの。私は“探索者”という存在ではないのよ。誰から電話があったかも分からないし……」と言って、『名刺』だけをくれる。

▼7:取り合えず茶番
 ここから自由なシティ探索(勿論、手錠はついたままで)が始まる。しかしながら、探索者ふたりは手錠をかけられ、尚且つ、生きているので生理現象に襲われる。
 その為、KPは好きなタイミングで以下のイベントを起こす。
①トイレに行きたい
 大なり小なりトイレに行きたくなる。手錠はかかったままだ。お判りいただけるだろうか。
②御飯が食べたい
 お腹が空くが、《幸運》ロールに失敗すると、手錠が掛かっているのは利き腕である。利き腕でご飯が食べられない。手錠がかかっているから。お判りいただけるだろうか。
③お風呂に入りたい
 お判りいただけるだろうか。
④眠りたい
 お判りいただけるだろうか。
※つまり夕方くらいからこのシナリオを始めると良いんじゃないか? と思います。突然のゲリラ豪雨や激しい疲労感など、イベントの挿入は強制的で良いですし、その他のイベントはKPが自由に製作して盛り込んで良いでしょう。警察の職務質問を受けるだとか、探索者の元恋人や両親にバッタリ会ってしまうだとか、手錠の効果によって互いを見るとドキドキしてしまうとか、探索者の設定に合わせ物語を広げて構いません。

▼8:ティンダロスの猟犬に辿り着く
 探索者達はシティにおいて自由である。シティ探索開始と同時に「自由に行動して下さい」と都会の街に解き放つ。
 まず事件を解決する為にどうすべきかを探索者達に考えらせ、“襲っているものについて調べる”ということにゆっくりと行き着かせると良いだろう。様々な探索を自由にさせ、難渋するならヒントを出す。道すがらのNPCが「最近人付き合いが上手くいってなくて。相手のことがよく分かってないのかな」と電話で誰かに相談している様子を見せたり、「困難にぶち当たったら、敵を探れ!」など書かれた自己啓発本のポスターを街中で見つけるなど、ヒントの出し方もまた自由で良い。

▼探索イベントの挿入
 探索イベントを濃くする場合は、以下のようなイベントを挿入して良い。
▽事故について調べる
 セッション開始時の逃走イベントで起こるトラック事故について調べても詳しい情報は出てこない。
▽分霊錠について調べる
 分霊錠について調べるなら、そのものを調べるには《クトゥルフ神話技能》となる。成功で「素材が分からない。地球上にある物質で作られていない」と分かる。失敗で「素材さえ分からない」と分かる。
ネットや図書館などで調べるなら、《図書館》に成功すれば「分霊という単語は祭神の霊をわけて、他の神社にまつることと分かるが、その他の意味合いを見いだせない。もしかしたら分霊錠とは何らかの造語なのかもしれない」と分かる。
▽占い師に占ってもらう
 占い師からヒントを得ようとした場合は《幸運》ロールとなる。成功で「相手を知ろう! って言葉が浮かぶわ」というヒントを得る。失敗では何も分からない。中には“相手”とは別の探索者のことだと思うPLもいる。その場合はある程度のRPを終えてから《アイディア》を振らせ成功した場合に「お互いの共通点で重要なものはないことに気付く。相手とはお互いのことではなく、化物のことなのでは?」と思い至らせると良いだろう。

 最終的に大型書店や図書館に行き《図書館》ロールに成功する、丸1日かけて調べるなどすれば、「ぴちゃぴちゃという水音」「ハァハァという大型動物のような息遣い」「何かが腐ったような異臭」「大きな犬」といった単語からある人物の書籍に辿り着く。それは岡ルートという名前のオカルト作家の書籍で、以下のように書かれている。
『日本怪奇忌憚 著:岡ルート カーニヴァル出版』
『振り向くと、そこに恐ろしい四足獣がいた。黒い靄で覆われた巨躯、長く曲がりくねった舌、青い膿に似た腐敗した液体を垂れ流し、吐き気を覚えるような死臭を漂わせた化物が、僕を見下ろしている。あの時空の猟犬に、眼を付けられてしまったのだ』
 読み進めると岡ルートは魔術によってそれを撃退したことが分かるだろう。
▽岡ルートの連絡先を調べる
 岡ルートの連絡先を調べようとしてもネット上に彼の個人情報はない。出版社に問い合わせ《説得》などに成功すると「岡先生は住所や連絡先がコロコロ変わり、なかなか連絡がつかないし最新の連絡先も分からない。ただ、明日の昼頃に打ち合わせのため出版社に来る」という情報を得るだろう。直接、出版社へ会いに行くしか彼に会う方法はない。

▼9:カーニヴァル出版
 出版社に向かえば、出版社の前でとある人物が立っている。
 小柄の30歳くらいの男性で、眼鏡に茶色い天然パーマが特徴的なその人物は「あぁ、本当に来た。」と言うと、まずこう告げる。
「僕の名前は岡ルート。さっき電話が来た。つまり、〇〇時頃にね。覚えておくと良いよ」
※この時間は後ほどクリアに必要な時間である。KPはメモをしておくこと。
「で、さっきの電話なんだけど。君たち、ティンダロスの猟犬に追われているんだって? それを、助けて欲しいって言われて。で、本当に助けて欲しいの?」と岡ルートはニヤニヤと笑う。
 助けて欲しいと話せば「分かった。その代わり、後で君たちの話を聞かせてね。」と言って「お祓いは真夜中に、少し広いところが良いな。えっと、夜に肉祭小学校の校庭に来てくれる?」と話し、名刺をくれる。
 詳しい話を聞こうとしても「知らないよ。ティンダロスの猟犬だって、そんなに詳しく知らないし。」といって、基本ルールブックに載っている情報程度は教えてくれる。
 また、3か月間意識が無かったことに関して尋ねた場合「もしかしたら誰かに体を乗っ取られたかもしれないね」と言って、首を傾げる。
※お祓いは夜。つまり、夜まで茶番をして良いです。
▽占い師に占ってもらう
 占い師からお祓いが上手くいくヒントを得ようとした場合は《幸運》ロールとなる。成功すると「足が早くなるようなものを身に着ければ補正がつく、という言葉が浮かぶわ」とメタいヒントをくれる(手錠をしているのでローラースケートなどが良いだろう)。

▼10:夜の校庭にて
 肉祭小学校に行くと、小学校の門は固く閉ざされている。《登攀》をし、成功すればすんなりと入ることが出来る。失敗した場合は一度転落し《1d3》の耐久力が減少するが、なんとか上ることが出来る。
▽校庭にて
 校庭に行くと、暗闇の中、うっすらと校庭に大きな魔法陣のようなものが描かれており、そのど真ん中に岡がおり、右手に斧、左手にビール瓶を持っていると分かる。
 彼の前には木で組まれた格子のようなものがある。格子の上には人型の紙が2枚とボールペンが置いてある。
 ここで《聞き耳》に成功すると、どこからか灯油のような匂いと、火薬やニンニクのような匂いがすると気付く。
「やぁやぁ君たち。ようこそ来てくれました。さぁ、岡ルートのお祓いのお時間です。準備が出来たら、そちらの紙にサインを下さい。嘘の名前書いたら死ぬよ」と言って、視線を人型の紙の方に落とす。
 何をするかと尋ねても、灯油のような匂いについて尋ねても、サインについて尋ねても、岡ルートは「内緒だよ」とニヤニヤとするだけだ。
 探索者達が準備は出来たと宣言しサインしたなら、岡は斧でちょんちょんと探索者達を軽く突く。
 探索者達は斧で突かれたことに驚いた瞬間、僅かに疲労を感じるだろう。探索者達は各々1D4+3のマジックポイントを減少させる。
 岡に何をしたと問う前に彼は目の前でビール瓶を叩き割る。そして「アハハ! アハハ! アハハハハハハ!」と高笑いしながら足で細かく割り始める。
次いで、斧を手にして探索者達に振り下ろす。探索者達の錠と錠とを結んでいた鎖を斧で断ち切る。
 岡は流れるような動作で斧を投げ捨てると、胸元からマッチを取り出し、火をつけ、魔法陣のようなものに落とす。途端に、魔法陣が燃え上がり、割れたビール瓶の破片を光らせる。
 やがて燃え盛る魔法陣ではなくビール瓶の欠片の方、鋭くとがったその先端からもうもうと黒い霧のようなものが立ち現れた。霧は集まり、異臭を放つ霧の塊となる。正気度を《1/1d4+1》喪失させる(完全なティンダロスの猟犬ではない為、この程度の正気度減少でよい)。
 岡は目を輝かせると「さぁ、君たち! ティンダロスの猟犬の獲物は君たちだ。僕のお祓いが完成するまで、ティンダロスの猟犬から1分ほど逃げ回っていてくれ! その魔法陣の中で!」と声たかだかに叫び、魔法陣から出ていく。

▽岡ルートのお祓い
 彼が唱える呪文は「イーデ・エダドの放逐」である。基本ルールブック第6版p251参照のこと。アーティファクトを用いて行ったという設定で、やや改変あり。

▼11:逃げろ!
 ここから3R、ティンダロスの猟犬に追い回されることとなる。
 まず《DEX×5》を行う。失敗するとティンダロスの猟犬との戦闘となる。もしも足が速くなるようなものを装備していた場合は、補正を付けて良いだろう。例えばローラースケートなら+10の補正をつけてよい。
戦闘とならない場合は、3R分《DEX×5》を振る。失敗した場合は戦闘となる。
※難易度をあげる場合は《DEX×4》でも構わない。
▽ラウンドの処理
 1R目、岡ルートは呪文を詠唱し、踊るようにして円の外で何かを描いたりする。
 2R目、内側に入っては何かを描いたりしている。終始、楽しそうである。
 3R目、ティンダロスの猟犬が楽しそうにしている。
 3Rが終わったら、岡は「僕の名前は岡ルート!」と叫びながら魔法陣の中央へと走り出すと、落ちてた斧を拾い上げて自身の髪の毛を切って格子に投げてそのまま着火する。ごうごうと格子が燃え上がり、キャンプファイヤーのような様相である。
 その瞬間、ティンダロスの猟犬が呻き声をあげて、動きを止める。激しい苦痛の吠え声を出しながら、霧が少しずつ縮んでいく。
「さぁ、後はキャンプファイヤーだよ」と言って、岡ルートは格子の前で体育すわりをすると、探索者達に「座りなよ、そしてこの炎をじっと見るんだ。死にたくなければ」と促す。
 探索者達が座ったのを横目にすると、岡は朗々と再び、呪文のようなものを詠唱し始める。すると、探索者達の唇もまた勝手に動き、同じような呪文を詠唱し始めた。
 炎が燃え上がり、化物の呻きが響き、正体の分からない呪文が煙と共に天へと昇っていく。炎の光に紛れて、探索者達の名前が書かれた人型の紙が踊っている。
 奇妙な時間が10分ほど続くと、次第に炎は弱まり、やがて灰となった格子は微々たる炎と共にガランと壊れた。
 気付けば辺りには、あの化物の姿はない。
「さぁ……帰ろう」と、岡がすっくと立ちあがる。遠くからサイレンの音が鳴り響いている。ここで《聞き耳》に成功すれば、パトカーの音だと分かる。ここで《目星》に成功すれば、パトカーの光が遠くに見える。
 失敗した場合は「こんなことして通報されてない? されてるよね?」とだけ思う。
「うん、逃げよう」
 岡ルートは全力でその場から逃げ出す。探索者達も逃げることとなるだろう。

▼12:夜明けと共に探索者達は消える
 その夜は岡ルートと共に警察から逃げ出すこととなる。岡は快く探索者達を自宅(高層マンションの上階、オカルトなものが沢山ある3LDK)に招くし、探索者達は自身の自宅に帰っても良い。
 どちらにせよ翌朝、奇妙なことに気付くだろう。それは、探索者達の体が消えかかっているということだ。体が半透明な、まるで、ミジンコのような状態となる。
 岡にそのことを尋ねれば彼は「もしかして、君たちは本当に消えかかっているのかもしれないね。ねぇ、なにか、見落としていることはないかい? あの化物だけが不可思議な存在だったろうか? そういえば僕は、一体誰から電話を貰ったんだろう?」という返答を得るだろう。
 探索者達はここで《アイディア》を振っても良いし、KPは時間を与えて気付かせても良い。
ポイントは、
①自分たちを助ける為に誰が電話をしたのか
②自分たちは最初、どこにいたのか
 ということである。

▽ポイントおさらい
 探索者達は探索者達が最初にいた場所に戻り、過去の探索者達に時間通信機を用いて電話でアドバイスを送らねばならない。
 この事実に気付けなかった場合、1日で探索者達の存在は無かったものとなる。つまり、ロストである。

▼13:最初の場所へ
 探索者達が(透明人間状態なので着込むか全裸となって)自分たちの記憶を辿って最初に立っていた場所に戻るなら、路地裏の先は袋小路になっており、奥に4階建ての廃ビルがあると分かる。
 廃ビルを巡っても廃墟のような状態でめぼしいものはまずない。4階の奥にただひとつ、奇妙な小さなオブジェのような、フィギュアのようなものを、見つける。
 奇妙なオブジェは円柱にデコボコした突起があり、一見して岡本太郎氏の「太陽の塔」を崩したような形をしており、ブロンズ製で、上に赤い色の宝石がふたつくっついている。
 触っていると赤い色の宝石がふたつとも煌いて、空中にホログラムのような映像を映し出す。それは虹色の円錐形の、頭の先から奇妙な円筒用の器官を伸ばした、茶色いカバンを肩らしきところにひっかけた化物2体である。イスの偉大なる種族のリアルなホログラム映像を目の当たりにし、正気度を《0/1d3》喪失。
 その存在はこう告げる。
「我々はイスの偉大なる種族。お前たちが生きているということは、あの次元と時間の猟犬から逃げおうせたということだろう。」
 探索者達が自身に起こったことなどを述べると、イスの偉大なる種族は淡々と以下のように述べる。
「我々は数百万年以上前の過去からやって来て、3か月ほどお前たちの肉体を借りた。おかげで幾つかの研究がまとまったことについて、お礼を言う」
「我々は精神を未来に飛ばし、時間に歪みを作った。肉体を我々に貸した人間はティンダロスの猟犬によって捕食され、時間の歪みは戻る定め。それをお前たちは書き換えたのだろう。それもまた、定めということか。しかし、どうやらお前たちは透明なようだ。」
「つまり、お前たちはこのまま消えてしまうのだろう。恐らく、お前たちは死ぬ定め。それを覆すとしたら、時間通信機しか方法はない。恐らくお前たちは時間通信機でお前たちに生き残る為の連絡をしたのだ。お前たちはお前たちの生きる定めを作り上げるしかない。恐らく、その道筋は消えかかっているが、まだ望みはある」
「我々の映像を出しているものが時間通信機。これにスマートフォンをBluetoothで接続するのだ。電話は2回ずつ4回だけかけることが出来る。ただしそう時間は多くないし、なるべく過去に近い内容で話さなければならないだろう。慎重にな」
 そう説明し、映像は途切れてしまう。

▼14:運命の電話
 スマートフォンのBluetoothを立ち上げると、自動的に時間通信機と接続され、アプリがダウンロードされる。そのアプリを立ち上げると「時間電話」とある。
 そこには「電話番号と時間を入力し、通話ボタンを押してください」という案内と、入力できる空欄で
「電話番号:  時間: 年  月  日  時  分」と表示されている。
 ここからKPはどの時間に何と電話するかを訊ねる。それが正しくなかった場合、ロストすることを宣言する。KPは難易度を下げるなら十分にヒントを出して良いし、描写を再度伝えても良い。
 難易度をあげるなら、ノーヒントでどうぞ。

▽第一の電話(2回分の通話消費)
 誰が誰に:探索者が別の探索者に
 時間:セッション冒頭提示の時間に
 どのように:
①今から言う指示を覚えていること
②隣にいる人物(他の探索者)の手を繋ぎすぐに走り出すこと
③生きたければ指示に従うこと
④走り出したら走り終わるまで後ろは見ないこと
 例「よく覚えろ。隣に立ってる人の手を握り、すぐに走り出せ。生きたければ。振り向くな」
 更に大切なポイントとして、
「交差点の前で止まり、3秒数え、走り出す」
「道を曲がれ。右、左、右、右、左」
「アトランティスに行くこと」ことを指示。

▽第二の電話
 誰が誰に:探索者がアトランティスの深海シロに
 時間:深海シロに電話したであろう時間帯(セッション冒頭の提示時間など)
 どのように:おじいさんから受け継いだモノ(分霊錠)を二人組に付けて欲しい。
※深海シロの名刺をもっているはずである。手錠を使わなければ死ぬという話、お礼の件はなくても大丈夫である。

▽第三の電話
 誰が誰に:探索者が岡ルートに
 時間:岡ルートに電話したであろう時間(岡から覚えるようにと提示した時間)の少し前
 どのように:
①ティンダロスの猟犬に追われている二人を助けて欲しい
②○○月××日○○時(少し前)にカーニヴァル出版の前で待ち合わせ
※尚、大切なポイントとして、岡ルートの移動時間を踏まえ、出版社で接触した時間よりやや前でなければならないというひっかけがあるので注意。引っかかっているようならば《アイディア》を一度振らせ、成功したならば違和感を覚えさせる。

▼ロストエンディング
▽ティンダロスの猟犬から逃げられなかった
 この場合は、バリバリと捕食されてロストする。探索者達は自分たちの骨が割れ、肉が舌で転がされる音を聴きながら、激しい痛みと共に絶命するだろう。
▽指示に従わなかった
 その時点でティンダロスの猟犬に一瞬で捕食される。
▽通信に失敗した
 探索者達は通信に失敗したことに気付く間もなく、一瞬で消えてしまう。二人の人間が行方不明になったというニュースが街に流れ、まるで何事も無かったように探索者達のいない日常が流れていく。

▼エンディング
 通信に成功した瞬間、探索者達の姿は元に戻る。通信機はボロボロに壊れてしまう。手錠も無く、命の危険も無い。もう探索者達を縛るもの、繋ぐものは何一つない。
 最後のRPを、どうぞ。
 そうして、探索者達は日常へと帰ることとなるだろう。
 アトランティスの深海シロにお礼をするかもしれない。彼女のもとに行けば二人の運勢を占ってくれる。1d100で10以下なら結婚を進められ、90以上なら離婚を進められる。
 岡ルートに連絡を取れば、彼から「君たちの話をきかせてよ」と言われる。聞かせた場合、後日、大型書店の店頭にこのようなタイトルの小説が平積みされる。著者は岡ルート。
そしてそのタイトルは、――handcuffed!

▽生還報酬:
 正気度回復1d10
 効果を失った手錠
 もしかしたら、あなたのバディ 

Default dc97b68ac5e45fe6e796100df0104bd212cb6cb56de14e1772ab29062c337ef0

クトゥルフ神話TRPGを主に「オンセンsns」さんでやっております。 基本的には物語の中身はシリアスだけど、救いのあるものが好きです。 宜しくお願い致します。

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