2019年08月24日更新

もう帰ろう

  • 難易度:★★★|
  • 人数:1人~3人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

【cocシナリオ】「もう帰ろう」
 
__時々夢に見る、もし此処から出られたらって。
 
 不気味なほど殺風景な部屋で目を覚ました探索者。状況が読み込めず、不安が高まるばかり。そんな中、静かな部屋に耳障りなノイズ、そして「だるまさんがころんだ」と抑揚のない少女の声が響いた。
 
形式 クローズドシナリオ
推奨技能 生物学、図書館、聞き耳、目星
推奨人数 1~3人
推定時間 1時間30分~2時間

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形式 クローズドシナリオ
推奨技能 生物学、図書館、聞き耳、目星
推奨人数 1~3人
推定時間 1時間30分~2時間
 
【真相】
 人間の遊びにひと手間加えて遊んでみよう。そんなニャルラトホテプによって産み出された、永遠に終わりがない遊び。
 少女自身も探索者と同じく、このゲームに運悪く連れてこられた人間であり、転んだことによって逃げ遅れた少女は捕まり、鬼として長い年月を1人で過ごしていた。
 
 「だるまさんがころんだ」の音声は、少女の意思とは全く別に発せられるものであり、鬼の実体をもつ器として人間が閉じ込められているに過ぎない。因みに鬼として追いかけているとき、体の自由は利かないが、本人に意識はある。取り憑く鬼に知性はあまりない。
 
 「だるまさんがころんだ」という音声中と、この音声がなる前のノイズは動いても問題ないが、その声がやみ、まだノイズが鳴っているときに動くとペナルティ。ルールは普通のだるまさんがころんだと同じ。好みで様々なルールを付け加えるのも良し。
 
※「だるまさんがころんだ」の音声は各部屋に入るとときに1回だけ起きる。その後は何度出入りしてもアナウンスがされることはない。
 
【npc】
小暮 春(こぐれ はる) 13(16)歳 女性
 3年前に行方不明になった少女。クローズドサークルは時が止まっているので、見た目は13歳のまま。
 
【導入】
 日が暮れはじめ、汗が流れ落ちる夏の真っ只中。探索者は近所の公園の側を横切った。子供たちの笑い声や足音が聞こえる。どうやら“だるまさんがころんだ”で遊んでいるようだった。
 そんな微笑ましい子供たちの姿を見て、探索者も自身が幼かった時のことを思い出したり、思いを馳せたかもしれない。
 あまりの暑さに、陽炎が揺らめいているのが見える。
「あぁ、もう帰ろう。」
と一歩を踏み出した時、探索者の視界と体は、ぐらりと傾き、熱でべたつくアスファルトへと崩れ落ちた。
 意識はあっという間に遠退いたが、騒がしい蝉の声と子供の笑い声はやけに耳にこびりついていた。
 
【目覚めの部屋】
 探索者が目を覚ますと、そこは白で統一された、殺風景すぎる部屋だった。清潔を通り越して、少し不気味だ。
 照明の類いは見当たらないが、とても明るい。
※多人数の場合、周囲を見渡せば、自分以外の人がいることに気が付く。
 
 東西南北に白の扉がある。また、部屋の中央には破り捨てたようなメモが落ちている。
※rpを開始してください。
 
・メモ
表『さぁ、だるまさんがころんだで遊びましょう。私の元まで来れるかしら。』
裏『何かを払いのけた彼女は腕を失いました。何かを蹴り飛ばした彼は脚を失いました。何かから目を瞑った少女は目を失いました。何かから耳を覆った少年は耳を失いました。気が狂ってしまった彼らは叫びだし、声を失いました。』
 
【北の部屋】
 白い木製の扉だ。鍵はかかっていない。
開ける→扉を開けると、そこには少女、少年、女性、男性の計4名の人の姿があった。皆こちらに背を向け、微動だにせず止まっている。
 また、この部屋もひどく殺風景で不気味だ。少し離れた正面には扉がある。
 探索者が部屋に入ると、甲高いノイズが部屋に響く。その不愉快なノイズの中、「だるまさんがころんだ。」
と抑揚のない少女の声がした。
※KPはこの声がしたとき、探索者に止まるか行動するかを聞く。
 
ノイズ中行動した場合
※1d2で振り、右腕か左腕のどちらかが使えなくなる。
 探索者が行動をとると、ふと腕に違和感を感じる。動かしてみようとすると、探索者の右腕(左腕)は動かなかった。探索者の肩から垂れ下がるそれは、ただの肉塊と化してしまった。<sanc0/1>
 暫くするとノイズは消え、部屋は静まり返った。
 
行動しなかった場合
※1d2で振り、右腕か左腕どちらかに幻覚が見える。
 その場に静止した探索者。未だにノイズは空間に響いている。すると、探索者は自身の右腕(左腕)に違和感を感じた。無数の何かがうごめくような、這いずりまわるような感覚だ。視線だけを腕に落とすと、探索者の腕には何匹もの虫がまとわりつき、探索者の皮膚を撫でていた。自身の腕が見えなくなるほど、虫によって覆い尽くされていた。
<sanc0/1>
Pow5判定
成功
 気がつくと、腕を這いずる不快感と虫の姿は消えていた。また、ノイズも聞こえない。
 
失敗
 探索者は蠢く無数の虫を払いのけようと腕を大きく動かしてしまう。だが、探索者が腕に目をやると、虫の姿は一匹も見当たらなかった。少女が微かに笑ったような声が聞こえると、ノイズは次第に小さくなり聞こえなくなった。
 そして、探索者は腕に違和感を感じる。動かしてみようとすると、探索者の右腕(左腕)は動かなかった。探索者の肩から垂れ下がるそれは、ただの肉塊と化してしまった。<sanc1/1d2>
 
・4人の人間
 体は固まっており動きそうにないが、肉体は温かく柔らかい。
※sancは1番最初の1人のみ適用する。後の3人を見るときは慣れたということでsancはかけなくてよい。
 
少女
 着物を着て、頭髪に櫛のかんざしをつけた少女。瞳がおさまるはずの場所にはぽっかりと穴があいており、少女には右目がない。また、喉は横に凪いだかのように切りつけられている。<Sanc0/1>
※この櫛は脱出補助アイテムとなる。
 
少年
 動きやすい服装をした短髪の少年。鼓膜が破れているのだろうか、左耳からは血液が流れ続けている。また、喉は横に凪いだかかのように切りつけられている。
 
女性
 上品な装いの女性。右腕がない。肩と床を赤黒い血液で汚している。また、喉は横に凪いだかのように切りつけられている。
 
男性
 厳つい容姿をした男性。床を這うように倒れている男性には左足がない。床に大きな血溜まりをつくっている。
 
・正面の扉
 鍵がかけられており開かない。また、小さく文字が書かれている。
文字→『鬼は足が速い、普通に逃げるだけでは、容易に追い付かれるだろう。』
<聞き耳>
 少女の泣き声が聞こえる。
話しかける
なぜ泣いているの?→「もうこんなことしたくない。寂しい。辛い。」
どうやったらここから出られる?→「私とだるまさんがころんだで遊んで、逃げられれば帰れるわ。でも、アナウンスの声も、鬼として追いかけるののも、私の意思とは関係無しに動くから、私はあなたが無事に逃げられることを願うしかできないわ。」
君はどうしてそんなところに?→「私は捕まってしまったからここにいるの。いつからいるかはもう覚えていない。」
 
 何度が話しかけていると、以下のことを話してくれる。
「私も、元々はあなたと同じように、この可笑しな空間に連れてこられた一人だった。逃げる途中で転んでしまって、私は逃げ切れなかったの。誰も私を待ってはくれなかった。捕まったら、次に誰かを捕まえるまで、この空間からは出られない。
ここは、寒くて静かで……とっても寂しいの。早く帰った方が良いわ。」
 
【東の扉】
 白い木製の扉だ。鍵はかかっていない。
開ける→扉を開けると、そこにはロッカーが2つある以外は何もない簡素な部屋であることがわかる。
 また、探索者が部屋に入ると、甲高いノイズが部屋に響く。その不愉快なノイズの中、「だるまさんがころんだ。」と抑揚のない少女の声がした。
※KPはこの声がしたとき、探索者に止まるか行動するかを聞く。
 
ノイズ中行動した場合
※1d2で振り、右脚か左脚のどちらかが使えなくなる。
 探索者が行動をとると、ふと脚に違和感を感じる。動かしてみようとすると、探索者の右脚(左脚)は動かなかった。体を支えることが難しくなり、ふらついた体は地面に倒れこんだ。
<sanc0/1>
※dexの値を半分にしてください。
暫くするとノイズは消え、部屋は静まり返った。
 
行動しなかった場合
※1d2で振り、右脚か左脚どちらかに幻覚が見える。
 その場に静止した探索者。未だにノイズは空間に響いている。すると、探索者は自身の右脚(左脚)に違和感を感じた。ぎりぎりと骨が締め付けられるような、軋むような感覚だ。視線だけを脚に落とすと、探索者の脚には大蛇が牙をむき、絡み付いていた。鱗と瞳を光らせながら、探索者を睨み付けている。ぼたり、という音とともに、また一匹また一匹と探索者の脚に大量の蛇が絡みついた。
<sanc0/1>
Pow
5判定
成功
 気がつくと、脚を締め付ける圧迫感と蛇は消えていた。また、ノイズも聞こえない。
 
失敗
 探索者は脚に絡み付く大蛇と、床をはい回る蛇の群れを遠ざけようと、脚を動かしてしまう。だが、探索者が脚に目をやると、大蛇どころか、蛇の姿は一匹も見当たらなかった。少女が微かに笑ったような声が聞こえると、ノイズは次第に小さくなり聞こえなくなった。 
 そして、探索者は脚に違和感を感じる。動かしてみようとすると、探索者の右脚(左脚)は動かなかった。状況を理解するよりも先に、支えを失った体は床に倒れこんだ。<sanc 1/1d2>
 
ロッカー
 白く塗られている木製のロッカー。所々が掛けており、埃臭い。鍵は掛けられていない。
 
ロッカー 右
 開けようとすると、そのロッカーの中で何かが、ごとり……と動いたような音がした。
 開けると、中には手足が無く、頭部と胴体のみのマネキンがうつ向いていた。頭部をよくみると、耳と目がない。瞳が収まる部分はぽっかりと丸い穴があいている。
 
触れる
 また、そのマネキンに触れてみれば、質感は妙に馴染み深いものであることに気づく。
<アイデア>
 滑らかで柔らかく、適度に弾力のあるこの質感は、人間の皮膚なのではないか?と探索者は気づく。<sanc0/1>
 
ロッカー 左
 開けると、中には鋸などといった工具が段ボールに入れられ、保管されていた。少々錆びているが、使用するのにさほど支障はなさそうだ。また、黒の小さな鞄もある。
 ダンボールの中を調べていると、段ボールの底から小さな鍵を見つける。
 

 中には注射器などの医療セットが入っている。
 
小さな鍵
※北部屋の奥にある、少女がいる部屋の扉を開ける鍵。
 
【南の部屋】
 白い木製の扉だ。鍵はかかっていない。
開ける→扉を開けると、そこはいくつもの棚や箱が積まれた、物置部屋のようだった。
 
 また、探索者が部屋に入ると、甲高いノイズが部屋に響く。その不愉快なノイズの中、「だるまさんがころんだ。」と抑揚のない少女の声がした。
※KPはこの声がしたとき、探索者に止まるか行動するかを聞く。
 
ノイズ中行動した場合
※1d2で振り、右目か左目のどちらかが使えなくなる。
 探索者が行動をとると、ふと片方の視界だけが覆われたように暗くなる。探索者の右目(左目)は何かを捉え、うつすことを放棄してしまった。
<sanc0/1>
 暫くするとノイズは消え、部屋は静まり返った。
 
行動しなかった場合
 気がつくと探索者は見慣れた自室にいる。そこには、探索者の家族、友人、恋人など、親密な関係の誰かがいるだろう。彼らは探索者に背を向け、座っていた。探索者が近づき、声を掛けるが反応がない。ぽちゃり、と水滴が跳ねる音が聞こえ、探索者は目を見開く。
 彼らは、腹を、喉を、背中を、顔を、身体中を切り裂かれ死んでいた。赤黒い血溜まりが、嫌でも鮮明に焼き付いた。
<sanc1/1d3>
Pow5判定
成功
 気がつくと、探索者は白い部屋へと戻っていた。また、ノイズも聞こえない。
 
失敗
 探索者はその惨状に耐えられなかった。当たり前だ。探索者にとって大切な人が目の前で血を流し、無惨な姿で息絶えているのだから。
 探索者は、この光景を拒むように、そっと自身の瞳を覆った。
 少女が微かに笑ったような声が聞こえると、ノイズは次第に小さくなり聞こえなくなった。
 そして、気がつくと、探索者は白い部屋と戻っている。だが、視界がおかしい。もう目はおおって居ないのに、片方の視界だけ真っ暗だ。探索者の右目(左目)は、嫌なことも大切なことも、何もかもうつすことを放棄してしまった。<sanc 1/1d2>
※1d2でどちらの目が使えなくなるか決める。
 
棚1
 白い木製の棚の上段には、可愛らしい人間のぬいぐるみが保管されているのが見える。しかし、にっこりと微笑むそのぬいぐるみたちは、体のパーツの一部が必ず欠けていた。
 下段には引き出しが一つついている。
 
引き出し
 開けると、中には様々な布やリボン、ボタン、そして裁縫道具一式が収納されていた。また、桃色のハンカチが入っている。
 
桃色のハンカチ
 汚れのない綺麗なハンカチ。『小暮 夕(こぐれ ゆう)』と書かれている。
 
棚2
 上段にはガラス瓶が幾つか収納されている。中には実のようなものが入っているが、種類が多く、見分けがつかない。
 
※黄泉の国の情報を得た状態で<生物学or知識1/2>
成功
 桃の実が入った瓶を見つけることができる。
 

 白い蓋付きの箱。開けると、中には本が数冊積み上げられていた。
<図書館>
 一際古めかしい本を手に取り読むと、そこには日本神話“黄泉の国”の話が書かれていた。
読む→
『最愛の妻、イザナミを失い、悲しみに暮れるイザナギは、どうしてもこの思いを諦めきれず、黄泉の国まで会いに行くことを決意した。イザナギは、黄泉の国へと通じる黄泉比良坂(よもつひらさか)を訪れ、そのまま黄泉の国との境にある根の堅州国(ねのかたすくに)へと向かう。
 そして、イザナギは扉を隔てた向こう側にいるイザナミに、懸命に声をかけ続け、その気持ちを伝えた。イザナギの熱意に負けたイザナミは、彼に少しここで待つよう言い残しその場を離れる。しかし、いつまで経っても現れないイザナミに、イザナギは待ちきれず、約束を破り、扉を開けてしまったのだった。
 ようやく会えると喜んだのも束の間、そこに居たのは、かつての美しいイザナミではなく、体が腐敗し、蛆が巣食うおぞましく変わり果てた姿。その容貌に驚き、恐怖したイザナギはその場から一目散に逃げ去った。
 約束を破られたことと、変わり果てた醜い姿を見られたイザナミは怒り、逃げるイザナギを追いかけるのであった。
 迫り来るにイザナミ対し、イザナギは、つる草で出来た髪飾りを投げつけた。すると、そこから、山葡萄の実り、イザナミの注意をそらすことに成功する。イザナミは、山葡萄を全て食べ尽くすと、再び、イザナギを追いかけ直した。
 そしてイザナギは、頭髪から櫛を取り出し、そのクシの歯を折り投げ付けた。すると、瞬く間にタケノコが生え、イザナミの注意をそらし、何とか逃げ切ることができたのだ。
 生と死の境まで逃げ延びることに成功したイザナギだったが、、今度は、雷神が軍勢を率いて、イザナギへ迫った。イザナギは、その場に生えていた桃の木から実を3つほど取り、迫り来る軍勢に投げつけた。すると、彼らは、何故かその場から逃げさってしまったのだった。
 こうしてイザナギは、無事、黄泉の国から逃げることができたのだ。』
 
【西の部屋】
 白い木製の扉だ。鍵はかかっていない。
開ける→扉を開けると、そこは書庫だ。白い空間に色とりどりの背表紙がよく映える。
 
 また、探索者が部屋に入ると、甲高いノイズが部屋に響く。その不愉快なノイズの中、「だるまさんがころんだ。」と抑揚のない少女の声がした。
※KPはこの声がしたとき、探索者に止まるか行動するかを聞く。
 
ノイズ中行動した場合
※1d2で振り、右耳か左耳のどちらかが使えなくなる。
 探索者が行動をとると、片方の耳に耳鳴りが聞こえる。耳に触れてみると、ぬるりとしたものが付着する感覚があり、恐る恐る見てみれば、それが血液であることがわかるだろう。探索者の右耳(左耳)は音を遮断してしまった。
※聞き耳の値を半分にしてください。
<sanc0/1>
暫くするとノイズは消え、部屋は静まり返った。
 
行動しなかった場合
 突如、鼓膜をつんざくような絶叫が響く。その後、様々な人間の声が重なり、増幅して探索者に降りかかる。
「つまらない、嫌い、死にたい、ゴミ、いらない、嫌だ、助けて、辛い、悲しい、苦しい、痛い、裏切られた、さみしい、生きていたかった、ごめんね、なんで、なんで、なんで……。」
 そんな負の感情が溢れ、耳を伝い流れていく。何も聞き取れぬほど混ざりあった言葉たち。気が遠くなりそうになったとき、耳元で何重にもなった声が探索者に囁いた。
「__ねぇ、死んでよ。」
<sanc0/1>
Pow
5判定
成功
 次第に声が小さくなり、跡形もなく消えた。不気味なノイズも消えており、息苦しさだけがのこった。
 
失敗
 探索者は息がつまりそうな言葉の数々に窒息しそうだった。誰かを呪うような、もしくは自身を呪うような言葉の数々から逃げ出すかわりに、探索者は耳を抑え、聞こえるものすべてを遮断した。
 耳を覆ったにも関わらず、少女が微かに笑ったような声が聞こえると、ノイズは次第に小さくなり聞こえなくなった。
 片方の耳に耳鳴りが聞こえる。耳に触れてみると、ぬるりとしたものが付着する感覚があり、恐る恐る見てみれば、それが血液であることがわかるだろう。探索者の右耳(左耳)は音を遮断してしまった。
<sanc 1/1d2>
※聞き耳の値を半分にしてください。
※1d2でどちらの耳が使えなくなるか決める。
 
本棚<目星>
 本棚には何処から生えているのか、蔦のようなものが複雑に絡み合い、巻き付いていた。
取る→dex*3に成功で取れる
※脱出補助アイテム
 
右の本棚<図書館>
 黒い背表紙の本。
 タイトルは『簡易ホムンクルス(人工生命体)の製造方法』
読む→一般的なホムンクルスでは、時間がとても掛かるため、ここでは簡易的にホムンクルスを作る方法を記す。人工生命体というよりは、人形に近いものだ。
 しかし、其なりに自身の意思を持ち行動をとることだろう。過程を多く省いているため、完全な物よりは質は下がるが、使用する分に特に不便はない。
 完成したホムンクルスは、製造者を親だと思い、従順になる。
 
材料
・首と胴体のみのマネキン(皮膚は布より人間に近いものが好ましい)
・人間の腕、足、瞳、耳
・少量の血液
 
作り方
1. マネキンに人体のパーツを縫い付ける。
2. マネキンの体内に血液を送り込む。
3. 呼吸ができるよう、鼻と口を作る。
4. 名前を与える。
5. 魔力を込める。(一人あたりMP1消費)
 
左の本棚<図書館>
 赤い背表紙の本。タイトルは『救世主兄弟』
読む→『難病の兄や姉の命を救うことを目的に、生まれた子供である。免疫の遺伝子型が同一の弟、妹を出産する。』
救うためとはいえ、それは倫理的にどうなのかといった内容が書かれている。
 
【北部屋 少女の部屋】
 鍵を使うとカチャリと音がして扉が開く。真っ白な空間の遠く離れたところに、白いワンピースを着た黒髪の少女がこちらに背を向けていた。
※全てパーツを取られてしまった探索者がいる場合は、少女の側で横たわっている。
中にはいれば自然に扉が閉まり、跡形もなくその扉は消えてしまう。
 少女は振りかえると、「よくここまでこれたね。私の肩に触れて出口まで逃げられればあなたの勝ち。簡単でしょう?」と妖しく微笑む。
 少女が探索者に背を向けると、甲高いノイズと、もう何度も聞いたあの無機質な「だるまさんがころんだ」という声が聞こえる。
 
※最短Dex*5に3回成功で少女の元にたどり着ける。失敗すると頭痛がおこり、成功率がdex*4(固定)になる。この効果は脱出するまで続く。
 
 探索者が少女の肩に触れると、風が巻き上がり、後方で扉が開く音がする。(捕まっていた探索者は目を覚まし、正気に戻る。)
 少女は口角をあげながら振り返った。
※少女は2ターン経過後に追いかけてくる。
 
脱出補助アイテム
 これを少女に対し、1つ使うと、1ターンだけ時間を稼ぐことができる。しかし、ホムンクルスは人工生命体なので、これらのアイテムで怯みにくい。
 
脱出方法
 Dex* 5(dex*4)に3回成功すること。脱出アイテムをフルで使えば、3ターン稼げるため、全部で6ターン以内に脱出できれば探索者の勝ち。
 
ホムンクルスを少女の身代わりにする。
 少女にホムンクルスを捕まえさせ、鬼を少女からホムンクルスに交代する。鬼の役目から解放された少女は、脱出できればこの空間から逃げられる。
 だが、今度は鬼となったホムンクルスが追いかけてくるため、逃げきる必要がある。生身の人間でないため、脱出補助アイテムが効きづらい。
 
【エンディング分岐】
・ノーマルエンド
条件:少女から逃げきった。
 扉に向かって、一目散に走った探索者。少女は先程とはうってかわり、にこりと微笑み、口を開いた。
 
「私から逃げてくれて、ありがとう。」
 
 光に包まれ、視界が白く塗りつぶされる。暑苦しさと張り付く衣服の気持ち悪さで目を覚ますと、そこは探索者が倒れたアスファルトの上だった。日が暮れかけているのを見るに、倒れてからあまり時間は経っていないようだ。猛暑で夢でも見たのだろう。自身にそう言い聞かせ、帰路へついたのだった。
 ※障害はもとにもどっている。
クリア報酬 san回復 2d3
 
・ハッピーエンド
条件:ホムンクルスを作り、少女のかわりにして、少女と共に脱出した。
※ホムンクルスには脱出補助アイテムは効き目が悪く、全部使っても1ターンしか時間を稼げないため、4ターン以内に逃げなければならない。Dex*5(4)に3回成功で脱出。ホムンクルスも2ターン経過後に追いかけてくる。
 
 ホムンクルスが伸ばす手は空を切る。脱出間際、立ち尽くすホムンクルスは、不気味な顔を歪めて、寂しそうに探索者を見ていた。
「オどォ……サん……、おイていカナいデ……(お……かア“、さン……、おイていカナいデ……)」
 泣くのを必死にこらえる子供のような、微かに聞こえたその声は、確かにそう言っていた。
 
 光に包まれ、視界が白く塗りつぶされる。暑苦しさと張り付く衣服の気持ち悪さで目を覚ますと、そこは探索者が倒れたアスファルトの上だった。日が暮れかけているのを見るに、倒れてからあまり時間は経っていないようだ。猛暑で夢でも見たのだろう。そう思い探索者は帰路へつこうとしたとき、公園から、子供たちの声に混じって、聞き覚えのある声がする。
「もう、帰ろう。」
 白いワンピースを靡かせた黒髪の少女が、赤い夕日に照らされていた。
クリア報酬 san回復 1d10
※奪われた体のパーツは元に戻っている。
 
メリーバッドエンド
条件:ホムンクルスを作り、少女と脱出しようとしたが、脱出できなかった。
 懸命に走る探索者だったが、少女は出口の手前で転んでしまう。少女の背後にはホムンクルスが迫っている。探索者は、少女を助けるのか。それとも助けないのか。
 少女を助ければ、逃げ遅れてあなたがこの世界に閉じ込められるかもしれない。だが、彼女を見捨てれば、再びこの世界で少女は孤独に震えるのだろう。
 
助ける→str×3とdex×3の両方に成功する必要がある。
 
失敗した場合
 少女と探索者に、ホムンクルスの巨大な影が射した。探索者が捕まることを覚悟したとき、探索者の体は少女の小さな手によって、扉の方へと突き飛ばされる。
 少女は頬を涙で濡らしながらも、柔らかく微笑んでいた。
 
「鬼は、私1人で十分よ。」
 
 探索者の意識が途切れる瞬間、少女はホムンクルスに捕まった。
 はっとして目を覚ますと、そこは探索者が倒れたアスファルトの上だった。日が暮れかけているのを見るに、倒れてからあまり時間は経っていないようだ。
 子供たちの楽しげな声と、真っ赤な夕日を浴びる探索者だったが、今もあの少女は、孤独と寒さに震えながら、静かに嗚咽を漏らしているのだろうと思うと、腹の底は鉛でも飲み込んだかのように重く、冷たかった。
※奪われたパーツは元に戻っている。
クリア報酬 san回復 2d3
 
成功→ハッピーエンドへ
 
バッドエンド(ロスト)
条件:少女から逃げ切れなかった。
 少女の細く小さな手が、探索者に触れる。直後、体の自由が全て奪われる。先ほどまでニヤニヤと薄気味悪い表情を浮かべていた少女だったが、今は目を見開き、顔は青ざめている。
 
「……どうか、逃げて欲しかった。」
 
 霞む視界の中、少女は「ごめんなさい。」としきりに繰り返し、泣き崩れていた。
 
 目を覚ますと、そこは白で統一された、何もない殺風景な部屋。探索者は少女から鬼の役目を引き継ぎ、気が狂うような孤独に心を蝕まれることだろう。
※多人数の場合、逃げきれた探索者はノーマルエンド
 
特殊クリア報酬
少女にハンカチを渡した。 San回復 2d3
 
あとがき
 皆が救われる話を書こうと思ったのですが、無理でした。この一言につきます。ハッピーエンドがとても良い話になる予定だったのですが、ホムンクルスが救われないことに途中で気づきました。散々ハッピーエンドだよ!とか周囲にのたうち回ったくせにこの結末です。
 誰もが遊んだことがあるであろう“だるまさんがころんだ”と、クトゥルフ神話を掛け合わせた、大変おぞましい遊びを作ってみたのですが、どうでしたか?テストプレイはノーマルエンドであまり面白味のない終わりでしたので、皆様のエンディング結果がどうなるか楽しみです。個人的にはメリーバッドエンドの後味の悪さがお気に入りです。是非メリーバッドエンドの結末を迎えてください。そして絶望してください。
 それでは、プレイ、閲覧ありがとうございました。質問等受け付けておりますので、気軽にみむりまでご連絡ください。今回のシナリオはやや複雑な構成になっておりますので、自由に改編し、分かりやすく遊んで頂いて大丈夫です。
ではまた次回作でお会いしましょう!

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時々シナリオ投稿してます。みむりです。 後味の悪さとバッドエンドが主食。 プレイ、閲覧、動画化等してくださった皆様に最大の感謝。 何か質問などあればお気軽にどうぞ。 動画化等大歓迎です。私の名前を表示して頂ければ問題ありません。ただ一言頂けると嬉々として見に行きますので、是非声をかけてやってください。 Twitterアカウントはこちら。→みむり(@amasuba200)

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