2020年08月02日更新

シノビガミ―「さよならを言いにきた」/わ伍を弐

  • 難易度:★★|
  • 人数:3人~3人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

【同じシナリオタイトルでシナリオ書こうぜ企画】参加のシナリオです。/【レギュレーション:現代編】 【人数:基本3人。改変可。】 【形式:協力型】 【構成:1幕2サイクル】 【推奨:初心者】 【改訂版:対応可】 【改訂前:対応可】  ―――  『さよならも言えない、私だけど』『もしあなたにこの声が届くなら』『とーかちゃんを助けてください』/「本当に、優しい子。私なんかには、もったいないくらい」「……また、誰かを裏切ることがないように、しないとね」「だから、貴方には」「――さよならを言いにきた」

56

0

ストック

0

コメント

シナリオ―さよならを言いにきた/わ伍を弐

'画像'

あらすじ

 
 冬の乾いた冷たい風。灰のような山吹色の空模様。
 
『さよならも言えない、私だけど』
 
 薙ぎ倒された芒の原。そこは命も、縁もない。ただ枯れ果てた、最果ての地。
 
『もしあなたにこの声が届くなら』
 
 明確な指示も、書面上の契約もないまま、何某かに囁かれたように、彼らは集う。
 
『とーかちゃんを助けてください』
 
 せめて、最期に遺された言葉が、届くように。
 
 
 
―――
 
 
 
 脳裏に刻み込まれた恐怖のように、記憶が痛みを発する。心根に沸き立つ憎悪と嫌悪が、荒んだ精神を焼き尽くす。
 笑顔にはもう戻らない。私はここから戻れない。
 
「本当に、優しい子。私なんかには、もったいないくらい」
 
 大事なものの為に、責務も定め、矜持も誇りも投げ捨てた。
 
「……また、誰かを裏切ることがないように、しないとね」
 
 そうして、大事なものだけを抱えて尚も、守れなかった。
 
「だから、貴方には」
 
 せめて、貴方とは。
 
「――さよならを言いにきた」
 
 ――いつまでも絶えることなく、友達でいよう。
 
 

 

 
 
 

【PCキャラクター使命・秘密】

 

PC1

 

【PC1の使命】

 貴方は、ナツキと呼ばれる人物より依頼を受けて行動しているシノビである。
 貴方は依頼人の頼みに従い、此度のシノビたちを招集した。
 貴方の使命は、依頼の達成である。
 

【使命達成条件】

・全員の"使命"達成。
 
 
 

【PC1の秘密】

 貴方の此度の使命は、偽りと真実が入り混じっている。
 貴方は、ナツキから依頼を受けたわけではなく――ある少女の言葉に従って行動している。
 貴方の秘密は、願いを果たすことだ。
 

【秘密達成条件】

・■■■■■■
 
 
 

【獲得している・するプライズ】

【プライズ:少女の言葉】……初期獲得・移動しない。

【説明(フレーバーテキスト)】

 貴方は、現在では関りこそ無いが、ある少女の古い友人である。
 彼女は既に亡くなっており、こうしていまここに残っているのは、あなたが結んだ感情を縁とした言葉である。
 あなたはその言葉に従い、彼女の願いを果たさねばならない。
 
 彼女は、貴方に――
 
『さよならも言えない、私だけど』
『もしあなたにこの声が届くなら』
『とーかちゃんを助けてください』
 
 と、言い残している。
 
 

【効果】

・このプライズを所持するキャラクターは、【秘密達成条件】に、"椿冬華の生存"が追加される。(※秘密への記載は行わない。)
・このプライズを所持するキャラクターは、回想シーンを使用した際に、その効果に+1点の修正を加える。(※この修正は達成値上昇でもダメージ追加でもよい。)
・このプライズを所持するキャラクターは、回想シーンを使用した際に、このプライズの情報を開示する。(※この効果以外での情報の開示を認めない。)
・このプライズは移動しない。
 
 
 

PC2

 

【PC2の使命】

 貴方は、今回友人のPC1に招集されたシノビの一人だ。
 貴方は、依頼の内容に従い、それを達成する必要がある。
 

【使命達成条件】

・全員の"使命"達成。
 
 
 

【PC2の秘密】

 貴方は、今回の依頼を受ける中で、妖魔の気配を察知している。
 そしてそれは、おそらくは"縁喰"と呼ばれる妖魔であり、あなたはその妖魔のことをよく知っているシノビだ。
 貴方の秘密は、"縁喰"を倒すことだ。
 

【秘密達成条件】

・"縁喰"を直接戦闘脱落させるか、直接死亡させる。
 
 
 

【獲得している・するプライズ】

【プライズ:"縁喰"の伝聞】……初期獲得・移動しない。

【説明(フレーバーテキスト)】

 古来より伝わる妖魔"縁喰"。
 人と人の縁を喰らい生き延びる悪しき妖魔のその性質を、あなたは知っている。
 

【効果】

・このプライズを獲得したキャラクターは、"縁喰"の秘密を獲得する。
・このプライズの情報は、このプライズを所持するキャラクターに対しての情報判定が成功した際に、追加で公開される。(※情報判定に成功したキャラクターのみとし、この効果以外での情報の開示を認めない。)
・このプライズは移動しない。
 
 
 

PC3

 

【PC3の使命】

 貴方は、今回友人のPC1に招集されたシノビの一人だ。
 貴方は、依頼の内容に従い、それを達成する必要がある。
 

【使命達成条件】

・全員の"使命"達成。
 
 
 

【PC3の秘密】

 貴方は、古くからPC1と関わる人物であり、椿冬華の知り合い又は友人、或いは恋人である。
 貴方は、今回の依頼を受けるにあたって、椿冬華がなにか苦しんでいるように思えてならないため、その調査も並行しようと考えている。
 貴方の秘密は、椿冬華の助けになることだ。
 

【秘密達成条件】

・椿冬華の秘密達成。
 
 

【獲得している・するプライズ】

【プライズ:賜リ詞】……初期獲得・移動しない。

【説明(フレーバーテキスト)】

 いつかどこかで出会った、ある人物から聞いた詞。
 看取リ巫女と呼ばれる預言者の家系の者が伝え続ける、無縁仏を助けようとする祈りの詞。
 無数の生類に対しての憐れみや慈しみを込めたその詞は、力持つ者が唱えれば、悪鬼羅刹をも調伏するという。
 
【効果】
・自分の手番の際、妖術分野の特技の判定に成功すると、【プライズ:水面の月】の効果を1ラウンドのみ無効化する。(※この判定は補助判定とし、手番を消費しない。)
・このプライズの情報は、任意に公開してよい。
・このプライズは戦果による獲得以外で移動しない。
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

【NPCキャラクター使命・秘密・プライズ】

 

椿冬華《つばき_とうか》

 
キャラクターシートURL:https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYwYjX5wIM
 

【椿冬華の使命】

 椿冬華は、ナツキをよく知る人物であり、表の顔では教師をしている、公安隠密局の人間だ。
 彼女は今回の依頼について何も知らず、また、PC1からも何も知らされていない。
 彼女の使命は、日常的な生活を送ることだ。
 

【椿冬華の使命達成条件】

・セッションに最後まで参加する。
 
 
 

【椿冬華の秘密】

 椿冬華は、ナツキの教師だ。彼女は、一教師としてナツキのことでひどく気を病んでいる。
 彼女は、半ば自殺にも似た敵討ちの為――元凶である"縁喰"を、一人で殺そうとしている。
 
 椿冬華の目的は、"縁喰"の死だ。
 

【秘密達成条件】

・"縁喰"の死亡。
 
 
 

【獲得している・するプライズ】

【プライズ:ナツキの情報】

【説明】

"彼女は、ただ寂しくて、友達が欲しかっただけ。"
"ただ顔を知っているだけのクラスメイトではなく……楽しい話し相手が欲しいだけの子供だった。"
 
 ナツキは、私の"元"生徒だ。
 彼女はシノビの世には全く関りの無い一般人であり、私を疑いなく先生だと思っていた。
 
"だから私は――憐れみではなく、ただ彼女がそう望み、私もそうありたいと思ったから。"
"顔見知りではなく……彼女の、友達になった。"
 
 ナツキは、私の友達だ。
 彼女は、私と、先生と生徒という関係ではなく、友人という関係を望んだ。
 
"たまに、彼女を家に泊めることもあった。寂しいのだという。"
"……彼女の家には誰もいない。誰も帰ってくることはない。誰も訪れることはない。"
 
 ある日、毎日学校に来ていたナツキが、こなかった。
 
"誰も彼女を見ようとはしない。知ろうとはしない。彼女はいつも、自分の本心を抑えている。"
"……それぐらい、彼女は"普通"を装っている。心の傷は、"普通"ではないというのに。"
 
 連絡もない。遅刻にしては遅すぎる。昨日も確かに笑っていた。
 
"誰も、彼女の本心を理解することはない。彼女の領域に押し入り、その本心を解き放とうとはしない。"
"……彼女の仮面のその先の表層を、誰しもが本心だと錯覚している。"
 
 笑って、楽しんで、話していたのに。
 どうしようもない嫌な予感が、ぞわりとする悪寒が身を包んでいた。
 
"「物静かだけど温和な子」……そんな、温いものじゃない。"
"「健気で優しく素敵な子」……そんな、甘いものじゃない。"
 
 私は動揺を隠しもせず、彼女の家を訪ね、ドアをこじ開け、名を呼んだ。
 
"彼女は、孤独だ。その本心では、子供が一人で泣いている。それでも彼女は涙を見せず、"普通"と偽り、人を助けることを望むのだろう。"
"例えそれが、自らの命と引き換えになろうとも。"
 
 返事はなかった。
 
"裏切った者は、私か、彼女か、世界か?"
"――あるいは、全てか?"
 
 そこにあったのは、彼女の携帯と、妖魔の気配だけだった。
 

【効果】

・このプライズの情報は、このプライズを所持するキャラクターに対しての情報判定が成功した際に、全体公開するか否かを選択し、その選択に従う。(※この効果以外での情報の開示を認めない。)
・このプライズは移動しない。
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

"縁喰"《えにしぐらい》

 
[※エネミーです。キャラクターデータは、PC達の戦力を考慮し、ルールブックより選択してください。]
 

【"縁喰"の秘密】

 "縁喰"は、古来より存在する妖魔の一種である。人の魂と縁を喰らい、喰らった人間の姿に成り代わり、その縁を喰い破り、破滅をもたらす悪しき妖魔である―――と、伝えられているが、その正体は、人とのつながりを持つことができず、孤独に死に果てた無縁仏たちの集合体である。
 人一人殺すことは難しいが、宿主の行動を司り、人に不幸をもたらす程度のことは可能なため、十分に厄介視されている。
 
 "縁喰"の目的は、ナツキとの縁を持つ者たちに破滅をもたらすことだ。
 
 

【"縁喰"の秘密達成条件】

・クライマックスフェイズ時に自分以外を戦闘脱落させる。
・この秘密は特定の手段でのみ獲得でき、この秘密はクライマックスフェイズ終了後に開示できる。
 
 
 
【プライズ:水面の月】
【説明】
 "縁喰"の能力である、喰らった人間の姿に成り代わる力。
 
【効果】
・プロット値決定後、"縁喰"のキャラクター名をナツキに変更する。(※この効果が無効化された場合、キャラクター名はただちに"縁喰"に変更される。)
・このプライズの情報は、プライズ使用された時に全体公開される。
・このプライズは移動しない。
 
 
 
 
 
 
 
 

【進行表】

※進行表は、シナリオ進行のサンプルになります。改変して使用することも可能ですので、GMはセッション開始前に、内容を必ずご確認ください。

 
 
 
 

【導入】

 色の無い冬。雪の降りそうな曇天。
 あるシノビたちは、とある知り合い、あるいは友人、あるいは恋人に呼ばれ、とある都市に集います。
 
 がらんとした、しかしどこか懐かしく温かい喫茶店。
 冷たい空気は遮られ、緊張はあるが良く知る者たちとの再会に、僅かに心が揺らぎますが、すぐに気を引き締め直すことでしょう。
 
 招集された全員が一つの席につき、今回の依頼人は、その内容を話し始めます――
 
 
(※全員の使命公開)
 
 
 其れでは、メインフェイズを開始します。
 
 
 
 
 
(※クライマックスフェイズまでマスターシーン無し)
(※椿冬華は行動しない。)
 
 
 
 
 冬の乾いた冷たい風。灰のような山吹色の空模様。
 
 薙ぎ倒された芒の原。そこは命も、縁もない。
 ただ枯れ果てた、最果ての地。
 
 明確な指示も、書面上の契約もないまま、何某かに囁かれたように、貴方たちは集います。
 
 
 そしてそこに、椿冬華の姿はありました。
 その眼差しは、到底、教師のそれとは思えない、憎悪と嫌悪に満ちたものです。
 
「貴方たちは、一体何なんですか」
 
(※ロールプレイで応えるならどうぞ)
 
「……まあ、関係ありません。私は、こうすることでしか、彼女に応えられない」
「だから、そこをどきなさい。私は、あの妖魔を殺す義務が――」
 
 あなたたちを視界から外そうと、芒の原の奥へと目をやった椿は、言葉を失います。
 視線の先を見ますか? ……その視線の先には、ナツキの姿がありました。
 
「椿先生、おはよ」
 
 気軽で、軽薄で、まるで重みの無い言葉。
 それでも、その姿を、声を聞いた椿の手は、明らかに震えていました。
 
 その様子を見て、ナツキは――否、ナツキの姿をした"縁喰"は、椿をコケにするように、にんまりと笑い、言葉を続けます。
 
「せっかく覚悟してきたのに、殺せないんだあ」
「だって、先生だもんねえ。生徒に手を出すなんて、できないもんねえ」
 
 傲慢に、緩慢に、椿の元へ、"縁喰"はゆるりと歩み寄る。
 
「じゃあ、さよなら」
「椿先生」
 
 そう言って、"縁喰"は椿の首元へ手を伸ばして――
 
 乾いた破裂音が、芒の原に轟きます。
 
 "縁喰"はそのあごを天に向けて跳ね上げ、がくんと膝をおとしました。
 しかし、瞬く間にその銃創を再生させると、音を超える速さで距離をとり、椿を睨め付けます。
 それは、本性を隠すことをやめた、化物の目でした。
 
「あの子は、私のことを"椿先生"とは呼ばない。生徒としては問題だけどね」
「ま、殺し損ねるくらいには、ビビっちゃったけどさ……それじゃあ、皆さんすみません。さっきはああ言いましたが、手伝ってもらえますか?」
 
 
(※ロールプレイを挟むならどうぞ)
 
 
「……ありがとう」
「……本当に、優しい子。私なんかには、もったいないくらい」
「……また、誰か《友達》を裏切ることがないように、しないとね」
「だから、縁喰《貴方》には」

「――さよならを言いにきた」
 
 
 クライマックスフェイズ開始です。
(※縁喰を倒すと終了です。)
(※縁喰はルールブック内のエネミーデータを参照。PC達の戦力を考慮し、選択してください。)
 
 
 
 
 では、クライマックスフェイズ終了です。
 
 "縁喰"はその場に倒れ伏し、無様に足搔いた後、靄のように消え失せてゆきます。
 
「……これで、さよなら」
 
 やりきったように、あきらめたように、椿は呟き、その場を後にしようとしますが、その前にと、貴方たちに向き直り、頭を下げます。
 
「本当にありがとう。私一人だったら、死んでたかも」
「あの子は、本当に優しすぎるのが問題だったなあ……いい子過ぎる、というか。もっと、大事にしてあげたらよかったんだけど」
「まあ、このお礼は、必ずね。とはいっても、どうしたものか」
 
 あごに手を当てて考える椿。
 その横から、気軽で、軽薄な声がかかります。
 
「焼肉食べたいでーす」
「ああ、焼肉かあ、給料日前なんだけど……焼肉?」
「センセー安月給ですもんねー」
 
 ひょこりと、椿の背後から顔を出し、制服を着崩した様子で、当然のように椿の隣に立つナツキは、真剣な面持ちで"お礼"を考えています。
 そして、椿はというと、正しく開いた口がふさがらないといった様子で、硬直しています。
 
「というかセンセ、さっき私の事べた褒めしてヴッ」
 
 恐ろしく速い手刀により、ナツキは一瞬で意識を失います。
 
「……えっと、"縁喰"に詳しい人は、いる?」
 
 椿は、顔を紅潮させて、貴方たちに尋ねます。
 
 
 
(※"縁喰"の秘密開示を促す)
 
 
 
 その情報を聞いた後、椿は冷静に。
 
「スゥ――……なるほどね」
 
「ちょっと誰か詐術使えないマジで私がさよならしちゃうからこれ」
  
 
 
 シナリオは以上で終了になります。後日談は任意に行ってください。
(※功績点配布を行ってください。)
 
 
 

【あとがき】

 こんにちは、わわわをわをわです。
 この度は、ごきむり様の企画である【同じシナリオタイトルでシナリオ書こうぜ企画】に参加させていただきました。
 半日で書いたシナリオの為、出来が甘いですが、お楽しみいただければ幸いです。
 
 また、NPC椿冬華のキャラクターシートに、ちょっとした小話を書いてあります。
 椿とナツキ、そして少女についての関係が気になる場合には、ご覧いただければ、手掛かりになるかと思います。
 
※本シナリオは改訂後のシナリオですが、改訂前の場合でも問題なくプレイ可能です。

3f1a3c8f a276 431c 9084 6f96b208814a

 シノビガミ、SWのGMをしています。PLではクトゥルフ、アマデウスもしています。  基本的に自作シナリオを身内で回しており、このサイトでは、今まで回したシナリオの中でも、多少まともなものを投稿するつもりです。  ご使用いただけた際には、ストック・フォロー等いただけたら今後の励みになります。  シナリオの不明点等については、可能な範囲でご対応いたしますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

Post Comment

ログインするとコメントできます。