2024年02月05日更新

【Coc】タブーコントラクト

  • 難易度:★★★★|
  • 人数:2人~2人|
  • プレイ時間:

【シナリオコンセプト】クトゥルフでヒーロー物を作りたいなと思って製作しました。またこのシナリオは神話やホラーではなく、SFや宇宙人とのバトル物と思って製作しました。バトル中心です。
【内容】数日の戦いの記憶。化け物に襲われた探索者は人ならなざる力を手に入れて、化け物たちと戦うことになる。それは自分の意志か、それとも誰かに強制されたものか。
【備考】新クトゥルフ神話TRPG(7版)対応。タイマン。シティ。戦闘系のため近接戦闘(格闘)や回避技能推奨。オリジナルの神話生物が黒幕。オリジナルの不調・後遺症あり、能力技能等の強制修正あり。ロスト率高し。どうあがいても探索者に救いなし。シナリオ長い。

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コメント

☆はじめに

このシナリオは、キーパー1人とプレイヤー1人による戦闘メインのタイマンシナリオです。
キーパーは、重要NPC4人+αのある程度のロールプレイが必要です。
変身ルールや能力の代償ルールが複雑である為キーパーの難易度少々高めです。
が、絶対こうでないといけないというわけではありませんので、キーパーとプレイヤーが納得すればある程度変更や削除などは頂いても構いません。
シナリオとしては長め(説明も含めて、ワードソフトで約50ページほど)なので、プレイ時間もそこそこかもしれません。戦闘メインなので、戦闘でどれほど時間がかかるかでも変わるでしょう。
探索者は強制的に「異形に変質してしまった」人間となり、その力を使用した後遺症などはシナリオを完走しても回復することはありませんので、ご注意ください。
また後遺症によってキャラクターシートの能力値や技能値を永久的に強制変更する可能性が高いです。なので、書き込みや変更用にキャラクターシートは二枚作成しておくことを推奨します。
このシナリオは戦闘メインの話となり、強制戦闘が複数回発生しますので、近接戦闘(格闘)と回避が推奨技能となります。
選択による確定ロストが存在し、ロスト(死亡)はしなくとも後遺症で継続して探索者として活動するのは難しい状態となると思います。なので、プレイヤーに探索者作成時に「ロスト率が非常に高いので、このシナリオ限りの探索者を作って下さい」と伝える事を推奨します。
タイトル通り、「禁忌の契約(タブーコントラクト)。その手を取った時点で全てが終わっていた」がテーマです。知らないといえ、神話生物の力を使って、神話生物のために戦う絶望。その上、どの終わりを迎えても探索者に救いなしです。
NPCのイラストは気分が向いたら追加するかもしれません。追加された場合は、このシナリオを回す場合は使用フリーです。他の用途に使う場合は、使用不可としておきます。
 

☆舞台

現代日本。
関東圏にある「根古都市(ねことし)」という架空の街です。
大都会と言う程ではないが、駅前にはオフィス街、商店街などがあり、穏やかに賑わっています。
ただ不思議な事に、この街は時折未確認生物が目撃されることがあります。
また街の一角に数十年前に有毒ガスによって一部閉鎖された山があります。
※特定の街や国を舞台にしたいとキーパー・探索者にあれば、その街で起こった話として変更・改造されても構いません。
 

☆あらすじ

その日探索者は根古都市の一角にある山「根古都山」で、化け物に出会ってしまった。
化け物に追われ逃げた先で出会った青年。
青年に「ここで死にたくないなら僕の手を取ってよ。君は死なずに、この土地で化け物を倒す存在になって欲しい」と伸ばされた手を探索者は取った。
すると探索者の姿は変化し、化け物を圧倒する力を手に入れた。
探索者の日常はその日から急変した。
化け物との戦いが続く中出会った、化け物を憎む邦久、化け物の存在を知っている警察官悟、根古都山で研究をするななは。
彼らは化け物を中心に様々な思惑を巡らせていた。
探索者は誰を信じ、誰に協力し、何を目指すのか。正しい悪いはない、それが探索者の選択だ。
 

☆組織

・レッド

 過去に神話生物などが関わった・起こした事件によって、理不尽に自身や身の回りの人間が危険にさらされた人間が集まり出来た非営利の秘密組織です。
 運営理念としては、神話生物を目の敵にしており、神話生物を殲滅したり、神話生物事件に巻き込まれた人々を助けたいと思う活動をしています。
 抜身の両刃の剣と背景に燃える赤い太陽をシンボルにしています。
 レッドという組織名は、Redress(リドレス)を略したものと言われています。

・蒼鳩の翼(そうきゅうのつばさ)

 神話生物信仰組織(カルト)や通常の捜査では解決できないと判断された超常現象事件を主に調査している警察庁 公安総務課 第五公安捜査 第11係が主体となっている組織です。
 警視庁の公安第11係が主力なので第11係のことだと思われていますが、蒼鳩の翼という組織は警察庁の管轄で対神話生物信仰組織組織を調査している者たちの総称です。
 理念としては、秩序と世界平和を思想として掲げているが、その実情は大衆を救うために一を切り捨てるテロ組織すれすれの判断をすることがよくあります。
 青白い鳥と背景に棘のある植物の輪をシンボルにしています。

・ヴィヴリオ・マギアス

 地球外生命体(神話生物)を研究し、その驚異から世界を守ろうとしている防衛省管轄の宇宙研究組織です。
 表向きは国営の宇宙飛来物対策研究機関を中心として運営されている研究集団ですが、その一部には魔法使いや地球外から来た知識者が紛れ込んでいます。
 黒い分厚い本と背景に一本の尻尾に頭が3つある蛇をシンボルにしています。
 

☆背景

始まりは数十年前、隕石が地球の根古都市の根古都山へと飛来した。
『それ』は地球を支配しに来たエイリアンだった。
隕石の調査に来た自衛隊を皆殺しにした『それ』は山中のどこかへと姿をくらました。
事の重大性や正体などは知らない国は、確認されなかった何かや殺された自衛官をなかったことにして、有毒ガスが噴出したとして周囲を立ち入り禁止にするだけに留めて事実自体を隠した。
その話は国の一部の人間にしか知らされず、人類の中ではなかった事として扱われ現在までの時が流れることとなる。
その一方、地球に隠れ住む神話生物は『それ』が別の惑星を食いつくした存在であると知っており、地球も同じようにされては困ると排除するべく、下僕や支配種族などに『それ』の破壊を命じた。これが根古都市でたびたび目撃される未確認生物の正体である。
『それ』は姿を隠し力を蓄えながら、自らの力の一部を貸し、自らを守る者を選ぶことにした。
そして、『それ』に不運にも選ばれてしまったのが探索者だったのである。
 

▽黒幕について(の言い訳)

黒幕の神話生物は、イメージに合った神話生物がいなかったのでオリジナルです。
一応『宇宙からの色』の一種のようなもので、『シャン』のように寄生し、本体は『ヨグ=ソトース』のような球体(眼球)と触手の集合体であり宇宙に本体があります。見た目としては、『シアエガ』のようです。
今回落ちてきた欠片でも、数百年程かかって最終的には地球の養分を吸い尽くすかもしれない危険な宇宙生物というような設定です。
貸し与える力は、異形に体を変質させて超人的な力を発揮させます。
本体の能力は、他者から魔力や精神力などを栄養分として吸収することです。
 
 

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☆探索者に貸し与えられる力

黒幕『それ』に力を貸し与えられた探索者は、力を解放する時に以下のイラストのような異形の姿に変身することができます。
『それ』との契約の証として、「お前」の手を取った方の手の甲に目のタトゥーのような痣が現われます。

▽容姿描写

シルエットは人のようですが、
血に濡れたような光沢のある赤黒に染まった触手(うじ)が幾千幾万も蠢きながら体を形作っている。
時折見える白は骨がむき出しになったようだ。
顔は骸骨のような形状をしており、頭には三つの角、口には触手のようなものが覗いていた。
(※このイラストはイメージですので、キーパーによって変身体の容姿は変更しても構いません。条件としては、顔が隠れているもしくは人相がわからず、人とは似つかない姿になっていることです)
'画像'
 

▽特殊能力(能力値の上昇)

・探索者の耐久力+30になる。
 +30は変身の外装の耐久力となるため、30ダメージ以上を受けない限り、探索者の生身の耐久力は減らない。
 また、外装の+30は変身する毎に回復する。(変身を解かずに連戦した場合などは回復しない。探索者自身の生身の耐久力は回復しないので注意。ただし、怪我でのペナルティなどは変身状態では発生しない)
・生身の探索者の耐久力+30が0になった時点で、変身が解除され、<CON>による気絶判定をしてもらうことになる。(失敗して気絶してしまうと、神話生物相手ならばほぼゲームオーバー決定です)
・ビルドが1段階上がる。
・ダメージボーナスが1段階上がる。
・身体能力が上がるため、素手(近接戦闘 格闘)でのダメージが2D6+ダメージボーナスとなる。
 木刀・木の棒・ナイフなどを使用したい場合は、武器が力に耐え切れず折れると思うので、基本的に一回使用すると壊れて使用できなくなる。また探すのに1ターン消費して幸運判定が必要。ダメージは通常の2倍になるとし、1D◯+DBのところを2D◯+DBに変更して使用してよい。
 刀剣類・銃火器・ひも・投擲などの武器攻撃は、腕力によるダメージ増加が発生しないと思われるため、ダメージは据え置きとする。銃火器以外の武器は、一回の使用で壊れる。
 ※刀剣もナイフと同じ扱いではと思われるかもしれないが、刀剣技能は技術によって斬りつけるものであると思うので据え置きとした。キーパーがナイフと同じとして扱うとするのならば、それでも構わない。
・力の代償で発生した異変の「身体的異常」が解消される。
 ※手足が動かない、目が見えない、耳が聞こえない、倦怠感、痛みなどでのペナルティが変身中のみ回復します。基本的に戦闘に必要な技能が回復すると思ってください。
・変身中は、重症と気絶が発生せず、影響を受けない。
・神話生物を倒すと、特殊スキルを使用することができるようになる。
 

▽変身時の攻撃方法のダメージ例

 以下の攻撃方法以外でも、キーパーの判断で行えるとして構いませんが、基本的に1つの判定で行った場合のダメージは2D6+ダメージボーナスで、2つ以上の複合判定で行った場合はダメージの追加(1D6)か他の効果を付与できるとしています。
①素手攻撃(殴る、蹴る)
 使用技能:近接戦闘(格闘)
 ダメージ:2D6+ダメージボーナス
②武器攻撃(木刀、棒、ナイフなど)
 使用技能:近接戦闘(格闘・刀剣)
 ダメージ:ルールブックの基本ダメージの2倍 1D◯+DBのところを2D◯+DBに変更
 特記:1回使用すると武器が折れて使用不可になる。次に何か見つけるためには、1ターン消費して幸運判定が必要。
③複合攻撃(ジャンプキック、突撃体当たりなど)
 使用技能:跳躍+近接戦闘(格闘)またはDEX+近接戦闘(格闘)
 ダメージ:3D6+ダメージボーナス
 特記:1回のロールで2つの技能に成功すれば、技が発動する。どちらかが失敗すれば技は不発になる。(ルールブックp53組み合わせ技能ロール参照)
 跳躍やDEX以外にもキーパーが許可するならば他の技能でも可能。
④飛行状態の敵に対しての攻撃(複合攻撃)
 使用技能:跳躍+近接戦闘(格闘)
 ダメージ:2D6+ダメージボーナス
 特記:1回のロールで2つの技能に成功すれば、技が発動する。どちらかが失敗すれば技は不発になる。(ルールブックp53組み合わせ技能ロール参照)
 飛行状態の敵に対して、飛び上がり攻撃を行う。
⑤一時的に行動を阻害する攻撃(投げ、転倒狙い)
 使用技能:近接戦闘による対抗ロール(ビルド適用)
 ダメージ:2D6+対象者に次行動時にペナルティダイス1つ追加
 特記:相手の体勢を一時的に崩すことができる。ただし、この攻撃では拘束できるわけではないので、行動不可ではなくペナルティダイスの追加となる。
 特殊効果が発生する代わりに、ダメージボーナスが発生しません。
⑥投擲
 使用技能:STR+投擲
 ダメージ:2D6+1~3D6+2(何を投げるかによって、キーパーの判断でペナルティダイス追加やダメージを変更可能)
 特記:投擲で神話生物に投げつけられる物は比較的大きい物(自動販売機や岩)だと思われるので、STRで持ち上げてから投げるイメージである。
 飛行状態の敵にも攻撃可能。
⑦拘束
 使用技能:探索者は近接戦闘と対象は回避で戦闘マヌーバー
 ダメージ:拘束の場合は、ダメージは与えられない。
 特記:相手の次行動時の行動を阻害する、または、拘束状態の相手に対する攻撃を行う時に探索者や同行者の攻撃にボーナスダイスを1つ追加することができる。
 探索者が攻撃を選択した場合は、拘束状態が解除される。(殴るにしても蹴るにしても、1人で拘束しながら攻撃は難しいと思われるので。拘束し続けるか、攻撃するか選ぶ。拘束し続けるの場合は、新たに判定は必要ない)
 探索者は拘束状態にしている間、探索者も拘束状態を行っている相手のみにしか攻撃ができない。
 相手は探索者が拘束を解除していない場合、自行動ターンで振り払う(近接戦闘)ことができる。探索者はロールの結果が出る前ならば自ら手を離す、結果が出た後は回避を振る権利がある。もし、探索者が手を離さず回避も失敗すれば探索者がダメージを受ける。
⑧狂戦士化
 使用コスト:使用したターン×MP2、1D10の正気度。
 効果:同戦闘中、ビルドが1上がる。近接攻撃のダメージに更に+2D6される。耐久力が0になっても、変身を解除するまで死亡しない。
 この効果は、一度発動すると、変身を解除するかMPが0になるまで継続される。(MPが0またはマイナスになった場合は、耐久力が残っていても変身が解除され強制気絶する。特殊ルールとして、この能力は耐久力0になっても継続できるため、耐久力でMPの代用は出来ないものとさせてもらう)
 代償:変身が解除された時に、内臓が潰れるような負傷を受け、ダメージ2D3。加えて、STR、CON、DEXを10%減少させる。この効果は使用するたびに重複する。
 ※これは、変身自体の異変とは別物です。
 ※これは生身で受けるダメージとなるため、重症・気絶などが発生します。
 

▽特殊スキル

神話生物を倒すことで魔力(魂?)を吸収をして、特殊スキルを使用できるようになる。
任意に宣言することで使用可能。
基本的にはMPをコストとするが、MPがマイナスになった場合は耐久力を消費することで使用することができる。(※ルールブックp172の「マジックポイント」の項目を参考)
取得したらいつでも見れるように、プレイヤー用メモを作成しておくこと推奨。
※④⑤のスキルはほぼ取得する探索者はいないと思われます。
①瞬間移動
 『次元をさまようもの』を倒すことで取得した、瞬間的に数cmだけ瞬間移動できるスキル。
 使用コスト:1回の判定にボーナスダイス1つ追加する毎にMP2。
 効果:回避の判定にボーナスダイスを1つ追加することができる。
 1判定につきボーナスダイス3つまで重複させることができる。
②身体能力アップ
 『狩り立てる恐怖』を倒すことで取得した、瞬間的に身体能力を上昇させるスキル。
 使用コスト:1回の判定にボーナスダイス1つ追加する毎にMP2。(複合攻撃はMP4)
 効果:近接戦闘判定に、ボーナスダイスを1つ追加することができる。
 1判定につきボーナスダイス3つまで重複させることができる。
 複合攻撃に使用する際は、ボーナスダイス1つ追加する毎にMP4消費される。(※判定は同時に行うが、2回の判定をしているという計算です)
 複合攻撃でも、追加上限はボーナスダイス3つまで可能。
③攻撃力アップ
  『崩壊する奴隷』を倒すことで取得した、体の一部を棘に変化させるスキル。
 棘に変化できるのは体の一部分で、大きさや数は変化させる部位の面積や体積によって変化する。(殴るなら5cm程の棘が複数生えるや、刺すなら15cmの棘が1本生えるなど、演出上考えてもらえば良い。ただし、飛んでいる敵に対し2mの棘を生やして地上から攻撃するなどはできない)
 探索者が意識を集中させ変化させるため、複数か所を同時に変化させることはできない。(※複数の棘を生やすので、ダメージを更に追加させたいとかはできない)
 使用コスト:1ラウンド使用につきMP3。
 効果:武器を使用しない近接攻撃(格闘)からのダメージに、固定で+2される。
 複合技能のジャンプ攻撃などでも使用可能。
 この効果は、重複しない。が、⑤の火属性とは同時に使用することができる。
④跳躍確定成功
 『ビヤーキー』を倒すことで取得した、一瞬だけ空気を足場にできるスキル。
 使用コスト:跳躍判定で使用する毎にMP3。
 効果:跳躍を確定成功とさせることができる。
 ジャンプ攻撃の場合、通常の近接攻撃(格闘)の成功のみで攻撃ができるようになる。
⑤火属性
 『 長井 邦久の 炎のような赤の大二十面体のクリスタル』を破壊することで取得した、攻撃に火属性を付与するスキル。
 ※長井 邦久を殺したとしても、大二十面体のクリスタルを壊すという宣言がなければ取得できない。またこれを破壊してしまうと、長井 邦久とどのような関係を築いていたとしても協力は望めなくなる。
 使用コスト:1回攻撃を行う毎にMP2。
 効果:『それ』に対する武器を使用しない近接攻撃(格闘)からのダメージに、固定で+3される。
 複合技能のジャンプ攻撃などでも使用可能。
 この効果は、重複しない。が、③の攻撃力アップとは同時に使用することができる。
 
 

▽特殊反応

力の源である『それ』に攻撃することに拒絶反応を起す。
この拒絶反応を振り切り攻撃するためには<POW>と<攻撃技能>判定の2つ共の成功が必要。どちらか一方が成功しても攻撃することは出来ない。
この拒絶反応はななはによって解除可能。
 

▽力の代償

探索者は変身するたびに力の代償として、1D6を振ってもらい以下の表から1つ異変が発生する。
力の代償は、変身を解除した時に発生する。
ないとは思うが、変身し続けるとプレイヤーが宣言した場合は、1日経過する毎に力の代償が発生する。なので、1日2回変身する状況ならば、変身し続けていた方が若干お得。
発生した異変は、シナリオ中・シナリオ完走しても回復する方法はないため、キャラクターシートを2枚作って変更、書き込みを行ってもらうと良いかもしれない。(変身時は一時的に戻るので、元のキャラクターシートを書き換える場合は、メモや数値の横に書き込むことをおススメする)
異変は変身軽度、中度、重度が存在し、重度に近付く程体が『それ』や変身体に近い存在へと変質していっている。
重度以降の変身での異変は、重度の異変の表を使用すること。もし重度の表のダイスが重複してしまった場合は、振り直しを行う。
もし、軽度、中度、重度、と同じ場所に異変が現れた場合、軽度より中度、中度より呪度の異変が優先される。なお、ペナルティでの数値変動は上書きされる。
違う場所に異変が現れた場合は、数値変動がそれぞれに発生する。
(例 軽度で足に異変、中度も足に異変の場合は、減少する数値は中度の数値に上書きされ、軽度と中度を足すようなことはしない。軽度で足に異変、中度に腕に異変の場合は、それぞれの部位で能力値でそれぞれの減少が発生する)
キーパーの判断によって、書かれている技能全てを減少させるのは面倒だと判断されるならば、どれか1つの能力が下がる、戦闘技能・交渉技能などのように○○技能にペナルティダイスがいくつ追加されるなどと変更しても良い。
代償で発生した身体異常は、変身状態では適応されないとする。(腕の痺れ、石化、変化なども一時的に治ります。というか、これは人間が人間のまま変身体に近付いていることで起こる不具合なので、変身して人間でなくなれば不具合が不具合ではなくなるという解釈です)
 

◇変身 軽度の異変(1回目の変身での異変)

①利き足の痺れ
 片足であるし、完全に動かない訳ではないが、移動するのは苦労する。
  DEX、回避、跳躍、登攀、その他足を使う技能を10%減少させる。加えて移動率を1減少させる。
②利き手の震え
 完全に動かない訳ではないが、手の震えが止まらず細かい作業や字を書いたりするのは困難だ。
 STR、射撃、投擲、医学(治療)、手さばき、鍵開け、登攀、その他器用に手を使う技能を10%減少させる。
 ※医学に関しては知識的なものは変化しないので、手術などの治療に使う時のみ。
③片頭痛
 耐え切れない程ではないが、絶え間なくずきずきと頭が痛く、頭を使うのが億劫だ。
 INT、科学、心理学、経理、その他考え込む必要などがある技能を10%減少させる。
④片耳の耳鳴り
 耐え切れない程ではないが、片耳の耳鳴りが酷く、気が散るし耳を澄ませるなどは出来そうにない。
 言いくるめ、聞き耳、説得、心理学、その他耳を使う・会話する技能を10%減少させる。
 ※会話は耳が遠いので、上手く相手が言っていることがわからないとの判断です。
⑤物忘れ
 深刻と言う程ではないが、突然記憶が思い出せない、覚えられないような気がする。
 EDU、アイデア、鑑定、オカルト、経理など、その他記憶を思い出すことを必要する技能を10%減少させる。
 ※アイデアは出た情報を思い出す行動を示すので、INTを下げるではなくアイデアが下がるとなる。
⑥目のぼやけ(近眼)
 目の前がぼやけて輪郭や色などは問題なく見えるのだが、細かな場所などが見にくい。
 目星、図書館、追跡、隠密、その他目を使う技能を10%減少させる。
 

◇変身中度の異変(2,3回目の変身での異変)

①倦怠感
 絶対動けない訳ではないが、布団から起き上がるのも億劫になる程の倦怠感が身を包んでいる。正直、体調が悪い。
 CON、近接戦闘、回避、水泳、登攀、跳躍、その他運動技能を20%減少させる。加えて移動率を1減少させる。
②吐血
 激しい咳に見舞われて気がつくとごぽりと口から泡交じりの血が大量に滴り落ちていた。息が苦しく、胸の鈍痛が引かない。
 耐久力1D3の減少。加えてCON、水泳、その他持久力が必要な技能を20%減少させる。
 ※以降ロールプレイとして吐血や咳こむは可能だが、耐久力減少はこの時のみで良い。この耐久値減少は、肺が損傷したダメージ。
③利き腕が石こうのように白い石になる
 利き腕の肘くらいから下が石こうのように白くなり固まってしまう。肘はぎこちないが何とか動かせるので、腕を持ち上げるくらいは可能だが、固まった指先などは動かない。痛覚も感覚もない。
 STR、射撃、投擲、医学(治療)、手さばき、鍵開け、登攀、その他器用に手を使う技能を20%減少させる。
④利き足が石こうのように白い石になる
 利き足の膝くらいから下が石こうのように白くなり固まってしまう。膝はぎこちないが動かせるので、足を引きずるくらいは可能だが、素早く動くなどは出来そうにない。利き足は痛覚も感覚もない。
 DEX、戦闘技能、回避、跳躍、その他足を使う技能を30%減少させる。加えて移動率を1減少させる。
⑤感情の欠如
 大切だった物、信じていた物、楽しみ、悲しみ、怒り、美味しさ、ときめき、何故だか全てが無味乾燥に感じる。悲しみも忘れた探索者は、何か胸に穴が開いたような空虚な感覚が広がる。
 POW、精神分析、心理学、言いくるめ、説得、その他心の強さ、共感性などが必要となる技能を20%減少させる。
 ※POWは減少するが、正気度が減る訳ではない。
⑥加虐衝動・破壊衝動
 何かを破壊したい、何かを殴り血を見たい、ふつふつと闘争心とも破壊衝動とも言える激情が湧き上がってくる。我慢すれば表面に出さないことも出来るが、頭の片隅ではその欲望が渦巻き離れない。
 POW、応急手当、医学(治療)、戦闘技能、その他血や何かを破壊する技能を20%減少させる。
 ※POWは減少するが、正気度が減る訳ではない。
 ※血や破壊する時に発動すると言うのは、欲望を抑えきれず制御が利かなくなるので、失敗しやすくなると判断しました。
 

◇変身重度の異変(4回目以降の変身での異変)

①上半身の変質
 腕を中心とした上半身が蠢くような感覚を感じた探索者が見てみると、生々しい赤黒い肉の繊維が露出して蠢いていた。その光景は、変身をした時の体のようだった。腕などを動かした感覚は、空気を掴むかのように感覚が遠く、力もほとんど入っていない。
 STR、射撃、投擲、医学(治療)、手さばき、鍵開け、その他手の器用な技術が必要になる技能を30%減少させる。
 ※何か掴んでもふわふわとしていてすぐに取り落としてしまう感じです。
 ※上半身と書いていますが、首くらいまでで顔は変質していません。
 ※シナリオ完走後は時間経過で蠢く感覚はなくなり爛れたようになったとして良いでしょう。
②顔の変質
 顔を中心とした部分に違和感を感じた探索者が見てみると、顔の半分が崩れ骸骨がむき出しになったかのように白い色が見えていた。それは変身した時の顔のようだった。何時も通り声を出そうとしたが、舌がなくなったのか声が上手く出ない。
 APP、説得、言いくるめ、信用、精神分析(治療)、その他対人技能を30%減少させる。
 ※声は聞き取りにくく言葉を理解し難いですが、完全に意思疎通が不可能ではありません。
③激痛
 全身に鈍痛が走り続けており、動くたびに更なる激痛が走る。激痛は蹲ってしまう程のものだが、やせ我慢すれば動けないことはない。
 DEX、戦闘技能、回避、跳躍、登攀、その他運動技能を30%減少させる。また移動率を1減少させる。
④記憶喪失と刷り込みの使命
 自分を形作っていた全てに対する記憶を失ってしまう。その記憶は忘れていることに気づいて思い出そうと努力すれば思い出せる。けれど、少しするとまた忘れてしまう。その中でも1つだけわかっていることがあり、探索者は変身をして戦わなければいけないと言う使命ははっきりと憶えている。
 EDU、アイデア、鑑定、オカルト、経理など、その他記憶を思い出すことを必要する技能を30%減少させる。
 ※アイデアは出た情報を思い出す行動を示すので、INTを下げるではなくアイデアが下がるとなる。
 ※症状としては、脳の記憶野に異常が出て、名前も生い立ちも自分の大切な人など全てが強く思いだそうと意識しない限り思い出せなくなっている。
 ※シナリオ完走後は記憶喪失だけが残るのか、使命も残るのか、プレイヤーが判断して良いでしょう。
⑤疑心暗鬼、幻聴、幻覚
 全ての人間、動物、神話生物が敵に見える。それは今まで大切だった人や信用していた人も、ペットも、全員、全部、自分に悪意を向けているように感じる。
 POW、説得、言いくるめ、信用、心理学、その他対人技能を30%減少させる。
 ※POWは減少するが、正気度が減る訳ではない。
⑥自虐
 探索者は自分の体に強い違和感を感じて、その皮膚を肉をはぎ取らなければいけないような脅迫観念に駆られる。変身した体が自分の本当にあるべき姿だと思う。違和感が気持ち悪くて、近くにあった包丁、カッターナイフ、フォーク、爪、を突き立てようとした。その時にはそれが正しいと思い込み、痛みも感じない。
 耐久力を1D6減少させる。
 その後、違和感を感じるロールプレイをする毎に幸運ロールを行い、失敗すると1D3のダメージを受ける。
 ※この異変は技能が減るではなく、不定の狂気のような扱い。継続ダメージ扱いなので技能減少はなしとしました。
 
 

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☆NPC

NPCは役割を変えなければキーパーの判断によってある程度の設定の変更や改造を行っても構いません。
のちのち気が向いたらイラスト描くかもです。描いた場合はこのシナリオを回す分にはフリー。
 

◯長井 邦久(ながい くにひさ)

レッドのメンバーである二十歳くらいの男性。
気が短く口が悪く手が早い不良っぽい。
職業としては、引っ越し屋のアルバイトなどで身を立てているフリーター。
高校生の時大切にしていた妹の純花(すみか)が神話生物の事件に巻き込まれ昏睡状態となってしまった。
その時邦久も巻き込まれていたのだが、何もできなかったことと妹を助けられなかったことなどを悔やんで、レッドに入った。
神話生物に対抗するために、レッドが独自開発したマジックアイテム(大二十面体)を使用し、身体強化を行うことができる。今回の探索者と違うのは、見た目などを変えず人としての身体強化を行うという点だ。
このアイテムは長井邦久自体は知らないが、神話生物のミ=ゴが開発した物であり、レッドはミ=ゴが地球の利益を守るために自分たちに都合の悪い神話生物を潰す目的で作った組織である。
 
▽ステータス
・能力値
STR 70(35/14) CON 70(35/14) POW 55(27/11) DEX 70(35/14) APP 55(27/11) SIZ 60(30/12) INT 55(27/11) EDU 45(22/8) 幸運 50
正気度 20(元々は55) 耐久力 13 MOV 9 MP 11 ダメージボーナス +1D4 ビルド 1 装甲なし
マジックアイテム使用時の素手ダメージ 2D6+1D4(火属性) 肉体装甲 3
※正気度が減っているのは、妹が昏睡になった事件などに遭遇したことで削られてしまっているからです。
 不定として情緒不安定(感情爆発)を患っています。突然笑い出したり泣き出したりしてしまい、自分の感情を上手くコントロールできなくなったりしています。(キーパーがロールプレイしたい場合はどうぞ程度)
所持品 炎のような赤の大二十面体のクリスタル(特殊能力を使用するためのマジックアイテム)
 
・技能値
近接戦闘(格闘) 80% 回避 60% 投擲 40% 応急手当 30%(初期値) 威圧 70% 信用 20% 跳躍 70%
※元キックボクシング部で、パンチ、キックを得意とする。
 基本的に探索者や小さい神話生物などには回避はせずに応戦を選ぶが、巨大神話生物の高火力の攻撃には本能的に回避を選ぶ。
 
・特殊設定
マジックアイテム(大二十面体)を使用することで、体に赤黒い炎のような異様な痣が浮かび上がり、利き腕から炎のようなオーラが立ち上がり、火属性の攻撃を与えることができる。その間近接戦闘(格闘)で与えるダメージが『2D6+1D4(DB)』となる。
また痣が浮かび上がっている間は、筋肉が強化され装甲3。一回の攻撃ダメージで3以上でなければ、本人の耐久力は減らない。
一応マジックアイテムを使用するコストとして、1ラウンドあたりMP2を消費し続けているため、最長6ターンしか活動できない。(5ターンで苦しくなり、6ターンで気絶します)
『それ』や探索者に攻撃した場合弱点となりますので、基本的な近接戦闘ダメージ『2D6+1D4(DB)』に+3されます。
 

◯小田 悟(おだ さとる)

黒スーツに黒サングラスをかけた怪しい三十歳くらいの男性。
口が軽そうでぺらぺらと余計な事を話している胡散臭そうな印象な人物。
実は警察で、警察庁 公安総務課 第五公安捜査 第11係(蒼鳩の翼)の人間だ。(自己紹介としては、警察と言うだけで公安とかは言いません)
蒼鳩の翼はイス人と交流があり、イタコ(降霊師)としてイス人が必要な時に蒼鳩の翼が体を貸す人間を用意したり情報操作することを条件に、知識や未来に起こる事件の情報の一部を教えてもらっている。
レッドの邦久とは違い、特殊能力は使えないため、銃などで戦闘を行う。
 
▽ステータス
・能力値
STR 65(32/13) CON 65(32/13) POW 70(35/14) DEX 55(27/11) APP 70(35/14) SIZ 65(32/13) INT 70(35/14) EDU 75(37/15) 幸運 35
正気度 50(元々は70) 耐久力 13 MOV 8 MP 14 ダメージボーナス +1D4 ビルド 1
装甲  6(服の下に着られる防刃チョッキ。胸や胴体付近への刃物による攻撃のダメージを軽減する。ただし頭部、四肢などへのダメージや、打撲・衝撃・銃弾などは軽減できない)
武器 拳銃9mmオートマチック(H&K USP) 装弾数15(1戦闘で使用できるのは15発までだが、次の日になったりすると15発まで回復して良い)
 最終決戦のみ、ライフル「M1903A4 (30-06口径ボルト・アクション・ライフル)」を使用。
 NPCのため、1ラウンドに撃てる回数は1発のみとさせていただく。
所持品 10cm×10cm×10cmの大きさの銀色の立方体の箱(停滞キューブ。使用した場所から半径10kmの範囲の全ての時間を停止するアイテム)
 『それ』が手に負えないと判断した場合、停滞キューブを使用して、悟が犠牲になり根古都市ごと時間停止をするようにと命令されている。
   そこに穴があるかのような、光を全く跳ね返さない真っ黒い直径5cmくらいの球体(『磁壊の球体(じかいのきゅうたい)』(※自作アイテム)。MP10と正気度1をコストとして、球体を中心に超磁界を発生させ、半径3m程の空間を凝縮・圧縮して消滅させるアイテム。一度しか使用できない)
 
・技能値
近接戦闘(格闘) 70% 回避 70% 射撃(拳銃) 70% 射撃(R/SG) 70%(35/14) 応急手当 30%(初期値) 説得 50% 信用 40%
※警察なのである程度戦闘の心得がありますが、基本的には拳銃で対応します。
 レッドの邦久や探索者とは違い、特殊能力のない生身で戦うため、攻撃は回避で対応。
 

◯巳川 ななは(みかわ ななは)

白衣に眼鏡をかけた研究者らしき三十歳くらいの女性。
目の前で人が死んでいても笑っていたり、苦しんでいる人間が居ても蹴ったりする程に、人間に無関心。
ヴィヴリオ・マギアスの人間で、 『それ』を支配する方法を研究しており、『それ』が飛来してから数十年の間で『それ』に合わせて調薬した支配血清を開発した。
実は蛇人間の血族で、眼鏡の下は金の目で、舌が細長くスプリットタンである。更に顔以外の体には、緑色の鱗のような物が張り付いており、夏場でもハイネックに長袖、長ズボンを愛用している。
探索者の体を調べることで、『それ』に対しての拒否反応を抑える薬を開発してくれる。
 
▽ステータス
・能力値
STR 60(30/12) CON 55(27/11) POW 60(30/12) DEX 75(37/15) APP   60(30/12) SIZ 55(27/11) INT 90(45/18) EDU 80(40/16) 幸運 25
正気度 ∞ 耐久力 11 MOV 9 MP 12 ダメージボーナス 0 ビルド 0
装甲  1(うろこの装甲。顔はうろこなし)
呪文 蛇人間の支配の呪文(支配血清を使用した後に使用すると判定なしの確定成功で『それ』を支配することができる。『それ』以外に使用する場合は呪文だけで発動し、POW対抗が必要となる)
所持品 『それ』用の支配血清が入ったナイフ型注射器(ペーパーナイフのような形で、中に紫色の液体が入っている。刺さると液体が注入される。ただし、『それ』の耐久力が0にならない限りは刺すことができない)
武器 拳銃 麻酔銃に改造したハイスタンダード・デリンジャー(25口径デリンジャー) 装弾数 麻酔薬2(1戦闘で使用できるのは2発までだが、次の日になったりすると2発まで回復して良い) 1ラウンド中に1発ずつ撃つことができる。
 人間に当てればダメージ1D3に加え、1D6ラウンド中行動不能となる。※一応麻酔銃でも死ぬことがあるため、ダメージがあるとします。
 ただし、探索者の変身状態ではダメージも麻酔も通らない。
 
・技能値
近接戦闘(格闘) 30% 回避 40% 射撃(拳銃) 60% 医学 80% 応急手 80% 科学 90%
※戦う時はボディーガードを連れているので、麻酔銃を使用するくらいで、直接攻撃に出ることはほぼない。
 

◯ボディーガード×2

ななはが連れている黒服の男達。
ななはに支配の呪文をかけられている国からの人間で目は虚ろ。
ななはの危機であったり命令に、命を容易に投げ出してしまうほど深く洗脳されている。
※ボディーガードはAとBの2人ついているが、キーパー判断によっては人数を変更しても良い。なお、能力値が高いのは探索者が変身している状態を相手取るためである。設定としては、生粋の軍人で、位の高い人間につく担当の人間であるためマナーなどは心得ている。
 ステータスは同様のものが、2人出現するとする。ステータスはキーパーの判断によって多少変更しても良いが、軍人なので身体能力が高め。頭脳に関しては、ほぼ0になるので元々のINTやEDUを高くしてもあまり意味はない。
 
▽ステータス
・能力値
STR 75(37/15) CON 80(40/16) POW 35(17/7) DEX 45(22/9) APP   40(20/8) SIZ 80(40/16) INT 0(元々60) EDU 0(元々70) 幸運 25
正気度 0 耐久力 16 MOV 7 MP 7 ダメージボーナス +1D4 ビルド 1
武器 警棒(小さい棍棒)
・技能値
近接戦闘(格闘) 70%
※洗脳されているため、回避はできない。その代わり、気絶はせず、物理的に攻撃できなくなるまで攻撃を行うことができる。
 

◯研究員×2

宇宙研究所の職員であり、ななはが洗脳し従えている人たち。
ななはの研究室にいる研究員はななはに洗脳を受けているが、肉体的には普通の人間である。
ボディーガードと違い、研究するための知能を利用するため、ななはに狂信しているが完全に虚ろという訳ではなく人間性も少し残っている。
※研究員はAとBの2人としているが、キーパー判断によっては人数を変更しても良い。
 ステータスは同様のものが、2人出現するとする。ステータスはキーパーの判断によって多少変更しても良いが、研究員なので頭が良く身体的にはあまり数値が高くない。
 
▽ステータス
・能力値
STR 60(30/12) CON 60(30/12) POW 40(20/8) DEX 70(35/14) APP   40(20/8) SIZ 55(27/11) INT 85(42/17) EDU 75(37/15) 幸運 40
正気度 0(40) 耐久力 11 MOV 8 MP 8 ダメージボーナス 0 ビルド 0
武器 スタンガン(射出型。1発のみ)
 
・技能値
近接戦闘(格闘) 25% 射撃(拳銃) 30%
※洗脳されているため、回避はできない。ボディーガードと違い、気絶する。
 

◯お前

『それ』がテレパシーで見せている男性の姿。
姿かたちは、数年前に根古都山に迷い込んだ記者の青年の姿をしている。
名前がお前となっているが、探索者が最初にかけた言葉や名前を付けるとそれが名前となる。
契約者として探索者を変身体に変えてしまう。
契約した探索者と『それ』は繋がってしまっているので、どこにでも現われる。
探索者が変身体で攻撃しても避けられてしまう(と感じてしまう)。
 

◯それ

数十年前に根古都山に落ちた、今回の黒幕である地球外生命体(神話生物)。
片目の目玉に無数の触手を生やした姿で、2m~3mほどの高さで空中に浮かんでいる。触手の長さは浮いていて地面につくかつかないか位の、2m~3m程。
根古都市宇宙研究所では、「研究対象 IT091284」と呼ばれている。
他の惑星で他の神話生物に敗れ宇宙に逃げた後、地球に落ちた時に調査に来た自衛隊を殺し、更に他の神話生物が来たのを感じて根古都山の山奥に気配を消して隠れた。更に気配を隠すために、自らの気配を薄く根古都山の全体、広範囲にばら撒いた。
根古都山から吸い上げる栄養がどこに行っているのか目立ってしまうのを恐れ、細々と栄養を吸い上げていたため、完全に力を取り戻すまでに百年程かかることになってしまった。数十年経った当日も、まだ完全に力を取り戻していなかった。
根古都山の閉鎖地区では生物から栄養が吸い上げられているため、木々が枯れていたり、生き物が全然いなかったり、山に入った人間は眩暈や体調不良に襲われたりする。なので、フェンスやゲートで閉鎖された。
※『それ』とシナリオ上の登場人物たちからは呼ばれることはほとんどなく、シナリオ説明上の名前である。
 
▽ステータス
・能力値
<本体>
STR 200 CON 150 POW 120 DEX 80 SIZ 250(5,6mくらい) INT 70
耐久力 40 MOV 7/飛行10 MP 24 ダメージボーナス +5D6 ビルド 6
装甲 6
(※他の神話生物のステータスを参考に作りました)
<触手×6本>
耐久力 1本につき10(触手攻撃で、破壊された触手の数を引くことができる)
※あくまで触手を破壊する耐久力なので、本体の耐久力を0にすれば触手の耐久力が残っていても、『それ』を倒すことができます。また触手×6本と書いてありますが、触手自体が6本という訳ではなく、システム上攻撃できる触手が6本としているだけです。
 
・技能値
近接戦闘(格闘) 60%(30/12) 攻撃回数 1ラウンド1回
◯攻撃方法
**攻撃方法は、近接戦闘技能を振る前に決めてください。触手攻撃の場合、判定により攻撃できるダメージが違います。

ダメージボーナスは、基本的には適応していません。(※適応してしまうと、変身していてもほぼ即死圏内です)
①触手で叩く攻撃
 ダメージ レギュラーで2本攻撃(2D6)。ハードで4本攻撃(4D6)。イクストリームで6本攻撃(6D6)。触手が破壊されていた場合、攻撃の本数が減るが、残りの触手がハードでは4本以下、レギュラーでは2本以下でなければ攻撃本数が減ることはない。邦久の装甲は1本ずつの値で攻撃を軽減できる。
②掴み上げる
 判定に成功し回避されなければ、触手で巻きつき投げたり、高い所から落したりできる。(投げると落すは、演出としては変えて良いが、ダメージなどは同じとして扱います。触手を全て壊したとしても可能)
 ダメージ 先に1D4(1=3m、2=6m、3=9m、4=12m)で高さを決定し、出た数値D6する。(この攻撃をされた場合、<跳躍>に成功すればダメージを半分に軽減することができる。スキルも使用可能)
③締め付ける
 近接戦闘で成功すれば捕まえて締め付けることができる。次ラウンドの『それ』のターンで無判定で『拘束状態を維持したまま、ダメージ2D6(締め付ける)を行う』か、『拘束状態が解除されるが、ダメージ3D6(叩き付ける)を行う』かを選ぶことができる。拘束状態が続く限り、継続できる。ただし、拘束をしている間は、拘束をしている対象のみにしか攻撃が出来ない。
 拘束状態は、拘束されているPCのターンで回避を行うことで抜け出すことができる。回避を再度行う毎にボーナスダイス1つずつ、最大で3つまで追加して良い。また、スキルによる能力アップをしても、ボーナスダイスの最大は3つまで。
(※マヌーバーにするとビルドが3つ以上開く可能性が高く抜け出すことができなくなりそうなので、マヌーバーではなく<近接戦闘>と<回避>で判断できるようにさせてもらいました)
 
・特殊設定
元々3m程浮いている状態なので、<近接戦闘+跳躍>でジャンプ攻撃か、<投擲>や<遠距離攻撃>をしなければならない。
ジャンプ攻撃をハード以上で成功させた時に地面に落すと宣言されていれば、次の『それ』の行動ターンになるまで通常近接攻撃で攻撃が可能となる。
『それ』は次のターンになれば、ターン消費無しに浮かびあがることが可能とする。(※『それ』にとっては浮いているのが通常状態なので、特別浮かび上がる動作にターン消費は必要ないとの判断です)
回避はしない。
山にガソリンをまいたりして燃やして攻撃できないかと提案された場合は、ジャンプ攻撃を成功させて地面に落とした状態のみラウンド終了時に装甲貫通の継続ダメージ1D3を発生させられる。が、探索者に対しても、ラウンド終了時に1D3のダメージが発生する。
 
『それ』用の支配血清が入ったナイフ型注射器を<投擲>で投げられても装甲で跳ね返してしまうので、耐久力0にならない限り使用できない。耐久力0になって刺す場合は、判定なしで刺せる。
 
耐久力が0になっても完全に滅することができないので、トドメの一撃が必要となり、邦久の火の攻撃で止めを刺す、悟から渡される『磁壊の球体』をぶつける、ななはからの支配血清を投与することができる。この時、判定は必要がない。また、耐久力0になる際の攻撃で、このトドメの宣言を行っても良い。
トドメを刺すという宣言がされないまま戦闘を終わらせて帰ってしまった場合や他のNPCと戦闘を始めてしまった場合、『それ』は宙に浮かび上がりいずこかへ逃げてしまい、探索者はいずれ神話生物に落ちてしまうので、トドメの宣言を確実に行ってもらうこと。
 

◯その他の神話生物

・次元をさまようもの(ルールブックp285参照)
・狩り立てる恐怖(ルールブック280参照)
・崩壊する奴隷(ルールブックp283参照)
・ビヤーキー(ルールブックp298参照)
 
 

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☆導入(1日目)

探索者は根古都市にある標高500m程の根古都山の麓の道を夜に歩いていました。
舗装された道路には忘れた頃にぽつりぽつりと灯る街灯がありますが、それ以外は真っ暗です。
探索者は根古都市に住んでいるのか、それとも何かの関係で根古都市にやってきた人間かはプレイヤー次第です。
山にやって来た理由は、用事があったのか、普段から通り道として通っている道かもしれません。
暗闇の中、耳を澄ましてみますが、不思議な程鳥の声も虫の声も聞こえません。
薄らと浮かび上がる周囲の木はどこか元気がなく、昼に通った時を思い出せば葉っぱが色あせ乾燥したような物が多かったような記憶があります。
少し不気味な雰囲気の山道のためか噂のせいか、その山道を使う者は少なく、特に夜である今は人の気配は見渡す限りではありません。
しばらく歩いている(車で走っている)と、山道に沿うように立てられた立ち入り禁止のフェンス越しに青年(お前)が1人立っているのが目に入りました。
根古都市に住んでいる探索者ならば、フェンスの中に立つ青年を不思議に思い、同時に街で囁かれている噂を思い出します。
 

▽噂

数十年前、根古都山の山頂付近に隕石が飛来し、その衝撃で地下にあった有毒ガスが噴出したらしく、山は一部が閉鎖されていました。
立ち入り禁止のフェンスは、その時閉鎖された地区を指し示す物です。
 
街の人たちはフェンスまで近付こうともしませんが、その青年はもしかしたら関係者か何かなのかもしれません。
(探索者が声をかけようとした場合は、その声に気づかず青年は山の奥に消えて行き、声をかけることができません)
 
気にせず道を急いでいた探索者が行く先から不意に、重低音の風が洞窟を通る笛のような音のような、動物の遠吠えのような、不気味な音が聞こえてきました。
音に顔を上げた探索者は、少し遠くに見える街灯の下でチカチカと点滅する大柄な人影に気付くことでしょう。
街灯の明かりがチカチカしているのだろうと思えたが、チカチカしているのは電気の方ではありません。街灯に照らされた人物自体がチカチカしているのです。
姿がハッキリと見え始めると、その不気味な姿にも気がつくでしょう。
 
2m近い身長の大柄な巨体のそれは、一見背中を丸めた人のようにも見えたが、その腕は異様に長く甲殻類を思わせます。ゆらりと顔が動き、探索者を見ました。同時に明かりに照らされた顔は、皺だらけの爺さんのようにも見えます。その目は、明かりを捉える役割を放棄したように白く濁り、黒目がないそれはどこを見ているのかわかりません。
 

☆よくわからない化け物に遭遇してしまった探索者は、正気度ロール 0/1D10。

 
探索者に気付いた化け物(次元をさまようもの)は、「オォォォ!!!」と咆哮を発しました。それは、先ほど聞こえた重低音の不気味な音でした。どうやら、先ほど聞いた音も目の前の化け物が発した物だったようです。
次の瞬間、化け物は探索者に鋭い鉤爪の付いた前肢を振りかぶりながら、駆け寄ってきました。
(※探索者が車で通っていた場合は、化け物が車のボンネットに乗りフロントガラスを割って事故らせたり、化け物を目撃した瞬間に事故を起こして外に出るように誘導しましょう)
 

『次元をさまようもの』1体との戦闘開始。

次元をさまようもののステータスは、ルールブックp285の平均値を使用して下さい。
この次元をさまようものは次元間旅行はできるが、他の呪文などは持っていないとします。
戦闘中は次元間旅行(瞬間移動)は使用しません。
 
探索者は、無条件で①逃げることができますし、②生身で戦いたければ戦うことができます。
 

☆次元をさまようものへの対応

①逃げるを選んだ
逃げるを選んだ探索者は、踵を返し闇雲に山道を走り出しました。
(もし、次元をさまようものの横をすり抜けて、行きたい方向に逃げても同じ。車で逃げるのは出来ないとし、事故で動かなくなったとしましょう)
後ろから追いかけてくる化け物は、苛立ったように咆哮を上げながら、ドシドシと巨体に相応しい重い足音を立てて探索者の後ろを追いかけてきます。
時折、鉤爪が付いた前肢を振り、風きり音が鳴ります。前肢は次元をさまようものの行く手を阻む、枝を吹き飛ばし、横にある大木に深い傷をつける。そんな攻撃を受けたら、生身の人間であればひとたまりもないでしょう。
 
(①-1)
そんなことに気を取られていたせいか、探索者は足を斜面に取られてしました。
気付いた時には体が傾き、斜面を転がり落ちてしまいます。
斜面は緩やかで落ちたら死ぬほどではありませんが、体を打ち付ける程には高さがありました。

☆落下ダメージ 1D3。

 
走りつかれたのか、落ちた衝撃で急には立てず、寝転がっている探索者の意識の端に、化け物が動く音や気配を感じます。
落ちることで多少化け物と距離は出来ましたが、そのまま待っていれば化け物が追い付いてしまうでしょう。
その時、「生きてるかい?」と緊張感の欠片もない声が探索者にかけられました。
探索者がそちらに目を向けると、見たことない青年(お前)が立っていました。(もし、探索者が寝ころんだままならば、ひょこりと覗き込むように視界に映り込みます)
よくよくその青年の姿を観察すると、先ほどフェンスの向こうにいた青年の姿に似ています。
 
青年(お前)は化け物の音がする方へ視線を送り、「大変そうだね。ねぇ、君は死にたくない?」と探索者に聞いてきます。
探索者が死にたくないなどと言うと右手を差し出し、「ここで死にたくないなら僕の手を取ってよ。その代わり、この土地であれらを倒す存在になって欲しい」と言います。
 
探索者が手を取ることを迷っていれば、化け物(次元をさまようもの)が追いついて来て、戦闘開始です。
☆手を取らずに死亡したら、死亡します。
 ここでキーパーがシナリオ終了したくないと望むならば、青年に会ったところまで時が戻り、これから起こる未来を見たような演出にしましょう。
 ただし、やけにリアルに死ぬ光景をみた探索者は正気度ロール1/1D4。
 
→手を取った後は、変身(チュートリアル戦闘)へ。
 

②生身で戦う

化け物(次元をさまようもの)と生身で戦うことを選んだ探索者は、戦闘開始。
基本的に武器は、現代日本で普段から持っていてもおかしくない、シチュエーションとして持っていても不思議ではない範囲の武器は持っていても良いです。(例えば最初から剣道場から帰るところでしたなどと言っていれば、木刀を持っていても不思議ではないでしょう。その辺はキーパーの判断に任せますが、銃を持っているなどは不可とします)
その後逃げると、→①の逃げるへ。
探索者の耐久力が5以下になった後の攻撃は、ダメージではなく吹っ飛ばしとなり、①の逃げるの(①-1)の斜面を落ちた後へ。自分で落ちたのではなく、吹っ飛ばされて落ちて、青年に会います。
 
※もし、生身で倒してしまった場合は、倒した後にもう1体次元をさまようものが森にいたのか姿を現わします。
 

☆変身(チュートリアル戦闘)

青年(お前)の手を取った探索者は、手から不思議な力と悪寒が体を包むのを感じました。
手からは黒いオーラのような触手が吹き出し、探索者の体に巻きつくと、ジュワジュワと体を溶かしていきます。
体を解かされる感覚が生々しく、皮膚が解けむき出しとなる肉に、恐怖と激痛が走り抜けます。
その感覚が収まることはないまま、更に変化が訪れます。
まるで体の中がかき回される感覚の合わせて、骨が肉をかき分けて露出し、顔も頭蓋骨が浮かび上がり視線が暗く閉じます。
体が変化する気持ち悪さのせいか、激痛のせいか、それとも自らがわけのわからない物に変わってしまう恐怖のせいか、絶叫が森に響き渡るでしょう。
 

☆望まないまま体を書き変えられてしまった探索者は、正気度ロール 0/1D10。

もし、ここで発生した狂気が戦闘の邪魔になるものであった場合は、変身解除後に発症しても構いません。(例えば、失神や逃亡など)
 
その声に引き寄せられてきたのか、元々そこに辿り着いていたのか、化け物(次元をさまようもの)が目の前の探索者に鉤爪を振り下そうと、前肢の片方を高く振りかぶりました。
その攻撃は空を切っていた、もしくは受け止められました。
(この攻撃は確定で当たりません。探索者はその攻撃をどうさばいたのかは、自由に決めて良いです。カッコいい変身を演出しましょう)
 
無意識に化け物の攻撃を避けていた、もしくは受け止めた探索者。
激痛が過ぎ去り、探索者が気付いた時、探索者の体は変わっていました。
どのような姿に変わっているのか探索者には正確にはわかりませんが、視界に見える体は血に濡れたような光沢のある赤黒に染まった触手が幾千幾万も蠢きながら体を形作っています。時折見える白は骨がむき出しになったようです。
顔に触れれば骸骨のような形状をしており、頭には三つの角、口には触手のようなものが覗いています。
シルエットは人から大きく変わっていませんが、明らかに人間離れした姿へと変わっていました。しかし、何故か探索者は違和感なく、そのすべてが自らの体の一部であると認識することができます。
探索者は今までにない程軽い体と、溢れる力を感じることができるでしょう。
 
☆チュートリアル戦闘 次元をさまようもの1体との戦闘開始です。
次元をさまようもののステータスは、ルールブックp285の平均値を使用して下さい。
この次元をさまようものは次元間旅行はできるが、他の呪文などは持っていないとします。
もし、生身でダメージを与えられた場合は、その分耐久力が減っています。
 
探索者の変身後の戦闘は、「☆探索者に貸し与えられる力」の「▽特殊能力(能力値の上昇)」や「▽変身時の攻撃方法のダメージ例」を参考にして下さい。
(※キーパーはこの辺は別紙で作っておいた方が無難です)
 
次元をさまようものは1体しか現れないので、余程のことがなければ余裕で勝利することができるでしょう。
なお、青年(お前)を探した場合は、いつの間にか消えています。
 

☆戦闘終了

化け物を倒し切った途端、野球ボールほどの大きさの半透明な淡い紫色の光が、化け物から立ち上り、それは探索者に吸い込まれるように消えて行きました。
特別な衝撃や感触はありませんが、探索者は不思議とある力が使えるようになったことを確信しました。
それは、ほんのわずかですが瞬間移動ができるだろうという確信でした。
 

☆ここで「特殊スキル ①瞬間移動」の説明をして下さい。

この力は、一瞬で数cmだけ瞬間移動できる特殊スキルです。
メタ的な説明をしますと、
回避を行う判定で、ボーナスダイスを1つ追加することができます。
使用コストは、ボーナスダイスを1つ追加する毎にMP2。
重複は、1判定につきボーナスダイス3つまで可能です。
 
探索者は、誰かに説明されるでもなく、体の変化(変身)を解こうと思えば元の人間に戻ることができるとわかるでしょう。
出てきた時と同じように体を包んでいた黒い触手が緩み、青年の手を掴んだ方の手に吸い込まれて消えて行きました。
消えて行った探索者の手の甲には、見慣れない目のようなタトゥーだか痣だかが刻まれていました。
その時、探索者の体に小さい異変が起こりました。
 
☆ここで、1D6を振ってもらい、「◇変身 軽度の異変」表から選びましょう。
 
それは化け物から逃げた疲れでしょうか。それとも、このわけのわからない状況に陥ったからでしょうか。(もしかしたら、化け物に傷を受けた傷のせいかもしれません)
探索者は体の異変を感じましたが、それは気のせいで片付けられる程度の異変です。
なお、汚れや怪我は、変身をする前に負った物は残っています。
わけがわからないまま、探索者はその場を後にする事でしょう。
家に帰ったのか、それとも元々行こうと思っていた場所に歩き出したかもしれません。
 
▽化け物について
探索者がしばらくそこにいると、化け物はすぐに石化し、パラパラと崩れ去って行きます。
また、探索者が警察などに連絡し、現場に来てもらった場合、そこに倒れていたはずの化け物は消えています。
 
▽もし、変身後に応急手当できないかと聞かれたら、応急手当できてもいいです。
 
☆この後ロールプレイをしても良いですし、このまま家に帰って寝ましたでも良いです。
寝ると、1日終了。耐久力1回復。一時的狂気の回復。
 
 
_________________________

☆2日目~

◯2日目朝
一晩寝て起きた探索者は、昨日のことは夢だと思っていたかもしれないが、手の甲には目の痣が刻まれていました。
昨日起こった小さい異変も、一晩寝ましたが回復しません。
 
ここで探索者が希望すれば、以下のことをスマートフォンやパソコンなどで検索することができます。
この時に判定は必要ありません。

▽情報

・化け物について
根古都山近辺では、時折UMAが目撃されています。
その目撃情報には統一性がなく、人間大の虫のような姿だったという者もいれば、羽根が生えた竜のような姿だったという者もいるようです。
証拠だと貼り付けられた写真は、小さい部分を拡大したのかボヤけており更にジャギーなどで、シルエットが何となく見えるくらいの写真でした。
それが、探索者が見たものと同じかどうかなどはわかりません。
・根古都山について
情報まとめサイトの情報。
根古都市の北に位置する標高500m程の山。
数十年前に隕石が落ちたことで地中に埋蔵されていた毒ガスが噴出したとして封鎖されています。
隕石に関連してか、関連サイトとして「根古都市宇宙研究所」という施設のサイトが出てきます。
・根古都市宇宙研究所について
根古都市宇宙研究所のサイトに飛びますと、隕石についてだとか星についてだとか様々な説明がされています。
住所や電話番号などは書かれていますが、展示や見学などは行っていないようです。
 
もし、昨日のことを警察に言ったので、それがニュースになっていないか調べたいと言われた場合、それらしいニュースは見つかりませんでしたと答えてください。
 

▽探索

ここから探索者は1日を午前、午後とわけて探索することができます。
探索と言っていますが、まずはただ日常を過ごすために出掛けるでも構わないでしょう。
午前、午後が終わると1日が終了し、寝る時に耐久力1回復、一時的狂気の回復が行われます。
MPは、1時間でMP1回復するので、午前で消費した分も午前が終了した時点でMP5回復しても良いでしょう。一晩が経過すればほぼ全回復することができることでしょう。
 
☆キーパーへ
シナリオとして必須ではありませんが、探索後の夜や朝などでプレイヤーが日常ロールプレイを行いたい場合は、ロールプレイの時間をとっても構いません。
また、シナリオとして探索者が1日中探索するように強制する理由がありませんので、探索時間は探索者の設定やキーパーの捉え方で多少変更しても構いません。
例として、探索者が学生や仕事がある場合は「午前を登校(出勤)前、午後を下校(出勤)後」としても良いですし、「下校(出勤)後を、夕方と夜の2つの時間扱い」としても良いですし、「1日で1行動にして、リミットを10日間(最終決戦が12日目)」としても良いです。
 

▽探索場所

①根古都山山道
②根古都山フェンス内
③図書館
④商店街
⑤病院
⑥警察署
⑦宇宙研究所
⑧街の外
⑨自宅
 
(キーパーへ
 探索は午前と午後で動いて、2日目~6日目までの10行動です。7日目は最終決戦となります。
 意味のない場所に行ってしまうと10行動以上になってしまう場合がありますが、全ての情報が出なくても、ななは、悟、邦久のいずれかから7日目に最終決戦があることさえ聞ければ問題ないと思います。
 プレイヤーがこれ以上探索しなくても良いと宣言すれば、その時点で最終決戦まで時間を飛ばしても構いません)
 
まず行く場所の候補としては、
化け物と遭遇した場所をもう一度見に行く→①山道、
根古都山に何があったのか詳しく調べに行く→③図書館、
日常を過ごすために買い物→④商店街、
化け物にやられた傷が痛いもしくは変身の後遺症を治したい→⑤病院
などが、最初に行く場所の候補となると思います。
 
 
_________________________

①根古都山 山道

探索者が化け物に遭遇した山道に訪れました。
あの日遭遇した化け物の跡は道にはありませんでした。
しかし、少し道から外れ探索者が落ちた斜面は落ちた時のままで、逃げた道にはあれが本当だったと証明するかのように、人ならざるものの鉤爪の痕が残っていました。
 
探索者が化け物の痕跡を辿った場合は、化け物を倒した場所に、
探索者がただ山道を通っている場合は、化け物が現れた街灯の下に、
化け物に襲われた時に見た青年(お前)が立っていました。
青年(お前)は探索者に気付き、振り返ります。
 
☆青年(お前)には、色々と質問することができます。
 キーパーの判断や、プレイヤーが振りたいと言うのならば、対人技能を行っても構いません。
・青年(お前)が何者か聞く
 「僕は僕だよ」。
・お前の名前は?と聞く
 「名前。お前の名前……。好きに呼んでくれていいよ。なんて呼べばいいのかわからないなら、お前で良いかな」などと話します。
・化け物について、化け物は何だったんだ?などと聞く
 「あいつらは敵だよ。君と僕達の敵。君には彼らを察知することができる。それはすぐにわかるはずだ。もし、もう遭っていれば感じたんじゃないかな」。
・探索者に起こっていることについて聞く
 「あの時も言ったけれど、この土地であれを倒す存在になってもらうために、君に力を貸した」。
・変身の代償について聞いたり、代償が重すぎるなどと聞く
 「死ぬか、僕の手を取るか、選んだのは君じゃないか。あの時、あのまま死んでいればよかったのかな?」。
・変身、借りた力を無くす方法などを聞く
 「君に貸した力を返してもらう方法はないよ。君が死ぬか、戦い続けるか、2つに1つだ」。
・根古都山にあるものについて聞く
 「この山に眠る存在ね、さあ、僕は心当たりがないけれど?」と知らない様子です。
 
その他に、青年(お前)に探索者が聞きたいことがあれば答えてくれるでしょう。
しかし、青年(お前)はあくまで『それ』が投影している幻影なので、人間としての過去や組織の認識であったり、善悪は持ち合わせていません。
 
ある程度話すと、青年(お前)が何かに気付いたのか急に山頂の方に目を向け歩き出します。
そのまま、すぐに森の木々に青年(お前)の姿が隠れ、消えていきます。
もし、探索者が追いかけようとしても、追いつくことなく、確定でその背中は消えます。
 
※ここで殴りかかろうとしても、幻影の「お前」には絶対当たりません。
 
 
_________________________

②根古都山 フェンス内

根古都山の山道近くにある立ち入り禁止フェンスゲートまで来ました。
フェンスゲートは鉄製の南京錠がかかっており、そのままでは通れません。
フェンス越しに奥をよく見てみれば、数十年前に封鎖されたフェンスの向こう側も舗装がされ、車が問題なく侵入することができそうです。
封鎖されてからも、人の出入りがあり手入れされているのでしょう。
 

▽フェンスを越える

フェンスを越える方法は、①悟から貰った鍵を使う、②技能で鍵を開ける、③フェンスを乗り越える、④通れそうな場所を探す、⑤フェンスゲートを壊す。
 
①悟から貰った鍵を使う
 悟に協力を求められると、根古都山の山頂に行くために「フェンスゲートの鍵」を貰って、フェンスゲートを開けることができます。
②技能で鍵を開ける
 鍵は簡単な構造の南京錠のため、<鍵開け><機械修理>などの技能で開けることが可能です。
 また、南京錠は耐久力10なので、戦闘技能で開けることも可能です。
③フェンスを乗り越える
 フェンスを乗り越えるには、<SIZ>と<跳躍>の両方に1度の判定で成功すれば乗り越えられるとします。(ルールブックp53組み合わせ技能ロール参照)
 縄を商店街で購入して来たり、<目星>で足場になりそうな物を手に入れた場合は、ボーナスダイス1つを追加して構いません。
④通れそうな場所を探す
 フェンスの壊れている場所を探すには、<目星>と<幸運>の両方に1度の判定で成功すれば見つけられます。(ルールブックp53組み合わせ技能ロール参照)
 ただし、どちらか一方が失敗した状態の場合は、壊れかけている場所(フェンスの耐久力が半分となり、耐久力10で破壊できる)を見つけられたとしても構いません。
⑤フェンスを壊す
 フェンスの耐久力は20です。武器攻撃を行えば、壊すことも可能でしょう。
 

▽立ち入り禁止区域(山頂付近)

フェンスを越えて立ち入り禁止地区へと足を踏み入れた探索者。
しばらく山道を道なりに歩いていると、探索者は周囲の木々が徐々に枯れ、視界が寂しくなっていくことに気づくでしょう。
完全に枯れた木々もなくなり開けた場所に出ようとした時、探索者の契約の証である目のタトゥーが疼き痛みを感じます。
(※すでに他で化け物に会っている場合は、それが神話生物が近くにいることを知らせるものと知っているかもしれません)
視線を戻した先に、3つの影が立っていることに気がつきました。
1人は白衣の女性(巳川 ななは)で開けた土の真ん中あたりを眺めており、その後ろに控えるように立つスーツ姿の男(ボディーガード)が2人。
 

☆①探索者は逃げる、②その場に居続けるかを選択してください。

 
①探索者が気づかれずに逃げるためには、<隠密><DEX>などの何かしら技能が必要です。
成功すると、ななはと関わることがないまま逃げられます。→次の時間の探索へ。ただし、ここで逃げると、ななはとの接点を失くしてしまうことになります。
失敗すると、ななはが探索者に気づきます。→②へ
 
②その場に居続けると選択した探索者に、ななはが気づきます。
ななはの瞳に捉えられた探索者は、その時ぞわりと何か得体のしれない嫌悪感が湧き上がりました。
その嫌悪感は、蛇に睨まれた蛙のように足をすくませる、または戦わなければいけない使命感のようなものを感じさせます。
探索者を見つめたななはは何かを感じ取っているのか、「ふぅん」と何かに納得したように頷き「貴方、この場所で何も感じないの。興味深いわね。あなたたち、アレを捕まえなさい」とボディーガード2人に探索者を捕えるように合図を出します。
ボディーガードはゆらりとした動きで前に出て、探索者に襲い掛かろうとします。
 

☆逃げる

逃げようとする探索者ですが、何故かそこから足が動きません。
恐怖で足が動かないのか、探索者は何故か目の前の化け物に闘争心や戦わなければいけないような使命感が湧き上がるのを感じているからかもしれません。

☆POWロール。POWに成功すれば、ななはに背を向けて逃げることができます。

ここで逃げると、ななはとの接点を失くしてしまうことになります。
(なので、できれば探索者は逃がさないように構成されていますが、どうしても逃げたいというプレイヤーの選択も大事にしたいので、成功したら逃げても良いです)
 

☆戦闘

ボディーガード2人とななは、3人との戦闘開始です。
ここでは変身は強制ではありませんが、変身をしなければ負傷はするでしょう。
ボディーガードは警棒での近接戦闘を行い、ななはは麻酔銃でのみ攻撃を行ってきます。
探索者がななはを狙った場合、まだ同ラウンド中で行動していないボディーガードが居た場合、行動を消費して確定で庇い代わりにダメージを受けます。
(※庇う等はルールブックには無いので、キーパーが使用できないとするのであれば、それでも構いません。洗脳しているのだから、ななはは肉の壁にするだろうなとの判断から、そういう処理とさせて頂こうと思いました)
 
探索者は戦闘前にならば変身が可能で、戦闘中に変身する場合は自ターンでなければ変身できません。また変身したターンは、攻撃が出来ずに消費されます。
 
探索者が戦闘不能になったり、麻酔銃を生身で撃ち込んで倒れてしまった場合、ななはに宇宙研究所に連れていかれ、次の時間は強制的に「宇宙研究所」のシーンが発生します。もし、耐久力0になっていたとしても死亡はせず、ななはによる応急手当が発生します。→⑦宇宙研究所の⑦-2へ
 
探索者がななはを戦闘不能にすると、ボディーガードが倒れて戦闘不能になります。
※ななはを殺してしまうと、ななはに協力することができなくなります。
ななはが耐久力を0にしても殺すという宣言がない限りは死亡はしません。しばらくすると目覚めるでしょう。目覚めると、ななはの誘いが始まります。
 
探索者がボディーガードを倒すと、ななはは麻酔銃を下ろし、「貴方、思ったよりもできるのね。それに、その格好(変身姿)も興味深いわ。どう?私に協力しない。悪いようにはしないわ。話だけでも聞いてみない」と探索者を誘います。
探索者が了承するか、悩んでいると、「私の話を聞く気があるなら、ここに訪ねて来て。私、巳川 ななはに用があると言えば、通れるようにしておくわ」と、ななはの名前と宇宙研究所の地図が書かれた名刺のような物を渡されます。
そのままななはは携帯電話を取り出し部下を呼びつけながら帰って行きます。
呼び止めると「話があるなら一緒に宇宙研究所に来るかしら?私はそれでもいいわよ」と言います。探索者が行くと答えると、次の時間は強制的に「宇宙研究所」に行くことになりますと伝えてください。
午後にこのイベントを発生させた場合も、次の日の午前中まで時間が消費されます。
 
☆変身を解除したら、1D6を振ってもらい、「◇力の代償」表から選びましょう。
 中度、重度は変身した回数により変化します。
 

☆2回目以降、もしくは先に宇宙研究所に行っている場合

ななはと出会うことはありません。
(どうしてもななはを出したければ「また会ったわね」「貴方も下見に来たの?」などと言うだけです)
立ち入り禁止禁止区域(山頂付近)を見て回ることはできますが、隕石が落ちたと思われるクレーターを発見するくらいしか出来ません。
(※『それ』は姿を隠して眠っているため、見つけられません)
 
 
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③図書館

図書館では、インターネットや新聞などで情報を入手することができます。
調べられる情報は、探索者が調べたい情報を先に聞いて判定を行い、成功したら渡してください。
情報を入手する技能は、新聞のバックナンバーを探す場合は<図書館>、インターネットの場合は<EDU><パソコン>、の他に司書に対人技能で情報が載っている新聞を特定したりすることができるでしょう。
判定で取得できる情報は、全て一度に調べることができ、1回ずつ判定を振る権利があります。失敗した場合は、再度半日消費すれば調べ直すことができます。
 
☆一回目調べ終わって外に出ると、化け物(狩り立てる恐怖)との戦闘が発生します。
 

▽判定なしで入手できる情報

・化け物について
根古都山近辺では、時折UMAが目撃されています。
その目撃情報には統一性がなく、人間大の虫のような姿だったという者もいれば、羽根が生えた竜のような姿だったという者もいるようです。
証拠だと貼り付けられた写真は、小さい部分を拡大したのかボヤけており更にジャギーなどで、シルエットが何となく見えるくらいの写真でした。
それが、探索者が見たものと同じかどうかなどはわかりません。
・根古都山について
情報まとめサイトの情報。
根古都市の北に位置する標高500m程の山。
数十年前に隕石が落ちたことで地中に埋蔵されていた毒ガスが噴出したとして封鎖されています。
隕石に関連してか、関連サイトとして「根古都市宇宙研究所」という施設のサイトが出てきます。
・根古都市宇宙研究所について
根古都市宇宙研究所のサイトに飛びますと、隕石についてだとか星についてだとか様々な説明がされています。
住所や電話番号などは書かれていますが、展示や見学などは行っていないようです。
 
もし、初日の化け物のことがニュースになっていないか調べたいと言われた場合、それらしいニュースは見つかりませんでしたと答えてください。
 

▽判定成功で入手できる情報

①根古都山に隕石が落ちた時の記事

数十年前に根古都山に大きな影が落ち、直後山に入った人々は行方知れずとなりました。
数日後、山は閉鎖され、自衛隊が出動するほどの騒ぎになったようです。
数回に渡り数十人単位で自衛隊が投入されましたが、途中発生した山火事により安否不明。
数日燃え続けた山火事が鎮火はしましたが、有毒ガスが発生しており山に入った人間は全員死亡したものと発表されました。
(☆根古都山の立ち入り禁止区域(山頂付近)にすでに足を踏み入れている場合は、<アイデア>で判定することができます。成功すると、「毒ガスで封鎖されているはずなのに、そういえば苦しくならなかった」と思うことができます)

②根古都山で失踪した人物

根古都山で失踪した人物を調べていると、数十年前に撮られたらしい白黒写真に目が止まります。
そこに映っていたのは、根古都山で手を差し出してきた青年(お前)の姿がありました。
数十年前に撮られた(掲載された)写真のようなのに、不思議な事に青年(お前)の姿は変わっていません。
記事としては、カメラマンだったらしい青年(お前)は撮影に根古都山に入り行方不明となり、死体は見つかっていないと続きます。

③長井 邦久・純花 の事件

先に病院で長井 邦久で会っていたり、小田 悟が長井 邦久について何か言っているのを聞いた場合、長井 邦久の事件を調べることができます。
2年前に根古都市のある高校で爆発事故が起こったというニュースで、爆発に巻き込まれた当時1年生の長井 純花、三年生の長井 邦久、の兄妹が重症で病院に運ばれたということが書かれています。
 

▽一回目図書館を訪れ、外に出る。

調べ物を終わらせ図書館の外に出た探索者は、空が曇っている、もしくは日が落ちていることに気付きます。
(※ここで出て来る神話生物は日光が苦手のため、周囲を暗くしてください)
その時突然、契約の証である目のタトゥーが疼き痛みを感じます。
(※すでに他で化け物に会っている場合は、それが神話生物が近くにいることを知らせるものと知っているかもしれません)
痛みを感じたと同時に探索者の真上に大きな影ができ、通り過ぎて行きます。
空を見上げると、一瞬飛行機かとも思える大きな飛行物体が目に入るのですが、それは飛行機ではなく、かといって蝙蝠でも鳥でもありません。
周りにいる人々はその飛行物体にとりわけ気にする様子もなく、日常を続けています。
飛行物体は、どうやら根古都山の方に飛んで行こうとしています。
探索者は何故かその飛行物体を追いかけなければならないような衝動に駆られます。
 

☆逃げる

逃げようとする探索者ですが、何故かそこから足が動かず、目も飛行物体が飛んで行った方に釘付けとなっていました。
恐怖で足が動かないのか、探索者は追いかけなければと使命感が湧き上がるのを感じているからかもしれません。

☆POWロール。POWに成功すれば、追わずに逃げることができます。

 

☆飛行物体(狩り立てる恐怖)に追いつく

飛行物体(狩り立てる恐怖)を追いかけた探索者は、街の片隅にある人気のない駐車場で追いつくことができました。
その飛行物体は明らかに常識を逸脱しており、体長4m以上はある巨体でゴムのような質感の翼で飛行しています。
その体は細長く蛇や竜のようでしたが、頭がある部分は醜く歪んでおり鋭い牙が覗く切れ目が口だということくらいしかわかりません。
手には大きな鉤爪を持ち、普通の人間ならばあれに引っかかれただけでひとたまりもないでしょう。
 

☆化け物に遭遇してしまった探索者は、正気度ロール 0/1D10。

 
探索者に気が付いた飛行物体(狩り立てる)は、探索者に気付くと頭上から舞い下り、威嚇するように大きく耳障り声で叫び周囲の空気を震わせました。
あまりにも強烈な恐怖や不気味さに通常の人間ならば気を失ってしまいそうな声です。
 

『狩り立てる恐怖』1体との戦闘開始。

狩り立てる恐怖のステータスはルールブックp280の平均値を使用してください。
ですが、ルールブックのままですと苦戦する(グダる)可能性がありますので、攻撃回数は1ラウンド1回、装甲6に変更させて頂きます。
 
狩り立てる恐怖は2,3m飛行状態から戦闘を開始しますので、攻撃は変身後にジャンプ攻撃(変身の攻撃例④飛行状態の敵に対しての攻撃(複合攻撃)参照)を行うか、投擲などで何かを投げるなどの遠距離攻撃をしない限りは攻撃が不可能です。
ただし、キーパーの判断で、通常攻撃でもハードやイクストリームが出れば攻撃可能に変更にしても構いません。
飛行状態から落下させたい場合は、ジャンプ攻撃でハード以上が出れば、1ターン落下させられて再度飛ばない限りは通常攻撃でも可能としても構いません。(※通常攻撃で攻撃を行った場合は、基本的には落下させられないとします)
他にも飛び上がれそうな場所、物を<幸運>で見つければ通常攻撃でも届くとしても良いでしょう。
その辺は、キーパーの采配に任せます。
狩り立てる恐怖を落下させた場合、狩り立てる恐怖は1ターンを消費して再度飛び上がることができます。飛び上がる判定は必要ありません。
 
探索者は生身や逃げることも可能ですが、生身ではほぼ勝てないでしょう。
探索者は戦闘前にならば変身が可能で、戦闘中に変身する場合は自ターンでなければ変身できません。また変身したターンは、攻撃が出来ずに消費されます。
逃げる場合は、POW判定でハード以上の成功が必要となります。
 

☆小田 悟登場

2ラウンド目の最初に、小田 悟が「援護しよう」と言って登場します。
ここから小田 悟が戦闘に参加しますが、狩り立てる恐怖は基本的には探索者を攻撃対象にします。
小田 悟は遠距離武器の銃を使用するため、飛んでいる狩り立てる恐怖に通常で攻撃を当てることができます。ただし、小田 悟の判定がどれ程良くても地上に落下させることはできません。
(※戦闘は探索者の見せ場のため、NPCの小田 悟は基本的には1ラウンド1発ずつしか銃を撃たない設定ですが、キーパーの判断によっては3発まで撃てるようにしても構いません)
 

☆戦闘終了

化け物を倒し切った途端、野球ボールほどの大きさの半透明な淡い青い光が、化け物から立ち上り、それは探索者に吸い込まれるように消えて行きました。
特別な衝撃や感触はありませんが、探索者はまた新たな力が使えるようになったことを確信しました。
それは、ほんのわずかですが体を軽く動かせるできるだろうという確信でした。
 

☆ここで「特殊スキル ②身体能力アップ」の説明をして下さい。

この力は、瞬間的に身体能力を上昇させるスキルです。
メタ的な説明をしますと、
近接戦闘判定に、ボーナスダイスを1つ追加することができます。
使用コストは、ボーナスダイスを1つ追加する毎にMP2。
重複は、1判定につきボーナスダイス3つまで可能です。
複合攻撃をする場合は、コストMP4に上がりますが、複合攻撃でもボーナスダイスを3つまで追加可能です。
 
戦闘が終了すると小田 悟が話しかけてきます。
小田 悟は初対面でも変身した状態の探索者のフルネームを知っており、「君を探していたんだ。今回の出来事を解決できるかもしれない特異点である君をね」と意味深な言葉を言います。
小田 悟が何者かと聞くと「警察の小田 悟だ。よろしく頼むよ」と警察手帳の表だけを見せてくれます。
「良かったら、話を聞いて欲しい。時間がもらえるなら、同行してもらえるかい?」と言って警察署に案内しようとします。→次の時間は警察署へ行きます。もし、警察署が嫌だと言うなら、喫茶店などで警察署の話をしても良いです。
拒否するならば、「それなら仕方ないね。話をする気になったら、警察署においで。いつでも待っているよ」と警察の名刺を渡して去っていきます。
小田 悟はどれ程敵意を示しても、基本的には険悪になりません。
 
一度会ったことがある場合は、「また会ったね」「少しは俺もやるだろう」「協力考えてくれたか」などと言います。
 
ここで詳しいことを聞きたい場合は、⑥警察署で教えてくれることを参照して答えてもらっても良いです。
 
☆変身を解除したら、1D6を振ってもらい、「◇力の代償」表から選びましょう。
 中度、重度は変身した回数により変化します。
 
 
_________________________

④商店街

探索者は昔から続く商店街へとやってきました。
八百屋や肉屋といった食べ物屋から、スポーツ用品店や文房具店といった専門店まで様々な店が並び、そこそこの賑わいを感じられます。
ここでは日常のロールプレイの他に買い物などができます。
買い物は現代日本で手に入る物ならば、売っているでしょう。
常識で買える範囲の値段の物は判定なしで買うことができますが、高額商品の場合<信用>などの判定が必要です。
また値段交渉する場合は、<信用><威圧><説得>などで判定が必要です。
その他にも店の人に話しかければ、インターネットで判定なしで入手できる根古都市の噂程度ならば教えてくれるでしょう。
 

▽一回目の商店街で化け物に遭遇

ある程度ロールプレイまたは買い物をした後に、契約の証である目のタトゥーが突然疼き痛みを感じます。
(※すでに他で化け物に会っている場合は、それが神話生物が近くにいることを知らせるものと知っているかもしれません)
周囲を見渡すと人々が普通に生活していますが、その中で探索者の目に不思議と止まる人物が居ました。
その人物はボロボロの服をまとい顔までフードを被り、猫背のように背を丸めて、ふらふらと泥酔したようなふらふらとした足取りで歩いている浮浪者のようです。
その口からは聞き取りにくい小さな声でぶつぶつと何やら呟いています。
それだけならば人であっても不思議ではないのですが、探索者は何故か気になります。
 

☆気にしない

気にせず帰ろうとする探索者ですが、何故かそこから足が動かず、そのふらふらとした人物に目が釘付けとなってしまいます。
探索者は追いかけなければと使命感が湧き上がるのを感じているからかもしれません。

☆POWロール。POWに成功すれば、追わずに逃げることができます。

 
気になる人物(崩壊する奴隷)を追いかけて探索者は、店の裏手に繋がる裏路地に入り込みました。
裏路地の先にある空き地に辿り着いた探索者は、次の瞬間それが罠であったことに気がつくことでしょう。
追いかけていた人物は元々そこにいたのだろう2人を加えた3人に増え、探索者の到着を待ち構えていました。
探索者を捉えているはずの目は白く濁り、生気を感じられない顔はところどころ腫れて崩れ、不揃いな汚い歯が並ぶ口から「あー」とも「うー」とも聞こえる呻き声らしきものがこぼれていました。
明らかにそれはもう生きてはいないモノでしょう。
 

☆化け物に遭遇してしまった探索者は、正気度ロール 1/1D8

『崩壊する奴隷』3体との戦闘開始

崩壊する奴隷のステータスはルールブックp283の平均値を使用してください。
武器は所持しており、角材やパイプ(大きい棍棒)を手にしています。
 
化け物を倒し切った途端、野球ボールほどの大きさの半透明な淡い紫色の光が、化け物から立ち上り、それは探索者に吸い込まれるように消えて行きました。
特別な衝撃や感触はありませんが、探索者はまた新たな力が使えるようになったことを確信しました。
それは、ほんの少しの間ですが体の一部の形状を棘状に変化させられるだろうという確信でした。
 

☆ここで「特殊スキル ③攻撃力アップ」の説明をして下さい。

この力は、体の一部を少しの間棘に変化させるスキルです。
メタ的な説明をしますと、
武器を使用しない近接攻撃(格闘)からのダメージに、固定で+2することができます。
使用コストは、1ラウンド使用につきMP3。
複合技能のジャンプ攻撃などでも使用可能です。
この効果は、重複しません。が、他のダメージ増加スキルなどと同時に使うことは可能です。
 

スキルを実感していると、長井 邦久が登場します。

「覚悟しやがれ、化け物が!」と叫びながら長井 邦久が殴りかかって来る、もしくは「仲間割れか、化け物ども。今度は俺が相手だ」と言いながら歩いて来ても構いません。
殴りかかるというのは演出のみとしても良いですし、奇襲判定にしても構いません。
長井 邦久は、探索者の変身体の弱点である火(灼熱)の攻撃をしてくるため、ダメージが『2D6+1D4+3』となります。
 
探索者は変身状態のまま逃げる、変身状態のまま説得する、変身を解除して説得する、邦久と戦うことができます。
 
長井 邦久は、探索者が説得しようとしても聞く耳を持とうとせず変身状態を解除して人間だと言って見せても「化け物が、人間に変身できるのか!だが俺は騙されない」と取りあってくれません。
ただし、変身解除状態を見せておくことで、病院で遭遇した時に話を聞いてくれることになります。
 
長井 邦久との戦闘は、自身の耐久力が10以下になると、「憶えてろよ。次は必ず倒す」と捨て台詞を残して去っていきます。
もし、長井 邦久をこの時点で死亡させてしまった場合は、これ以降登場しなくなります。
 
邦久とすでに協力関係の場合は出てこない。もしくはキーパーがどうしても出したいなら、「お前がやったのか。少しは使えるみたいだな」とふんと鼻を鳴らしたりします。
 
☆変身を解除したら、1D6を振ってもらい、「◇力の代償」表から選びましょう。
 中度、重度は変身した回数により変化します。
 
 
_________________________

⑤病院

探索者は根古都市の中でも大きい総合病院に訪れました。
もしくは、変身解除後に倒れて運ばれたかもしれません。
変身解除後に倒れて運ばれた場合も、次の時間が消費されます。
ここでは、長井 邦久に会って追いかける、もしくは治療だけ受けることが可能となります。
 

▽長井 邦久にすでに会っている場合

長井 邦久にすでに一度でも会っている場合、長井 邦久を病院の受付や廊下で見かけることができます。
 
☆ここで邦久を追いかける場合、<追跡><隠密><ナビゲート>などで気づかれずに追いかけることができます。失敗した場合は、見失います。
その他に、近くの看護師に声かけたり、ナースセンターで長井 邦久について聞くことができ、<言いくるめ><信用><説得><魅了>などの対人技能で、長井 邦久がどこに行くのか聞くことができます。失敗した場合は怪しまれ、話を聞き出すことはできません。
 
邦久は、昏睡状態の妹の病室に行きます。
☆ここで邦久と妹の話を聞きたい場合は、<隠密><聞き耳>で話を聞くことができます。
昏睡状態の妹に「純花(すみか)、元気だったか?兄ちゃんが来たぞ。お前を絶対目覚めさせる方法を見つけるから、待っててくれ」と独り言をつぶやいています。
 
探索者が声をかけるならば、①探索者の変身状態を知っている、②探索者の変身状態を知らないで反応が変わります。
 

①探索者の変身状態を知っている

知っている場合は、「お前は!?」と声を荒げて飛びかかろうとしてから、昏睡状態の妹を思い出し、「ちょっとこっちに来い。ここで騒ぎを起したら、お前を殺す」などと言って移動しようとします。
もし、逃げる場合は逃げられても構いません。
 
邦久について行くと、屋上へと出ました。
非常階段から鍵のかかったフェンスを乗り越えてきた屋上には人の気配はありません。
屋上の手すりに背を向け、「お前、なんでこんなところまで来たんだ?話次第では殺すぞ」と敵意はむき出しですが、化け物と戦った後よりは落ち着いて話を聞いてくれます。
 
☆邦久に探索者が人間であり、化け物を倒そうとしている方だ、仲間だと説明する場合、<言いくるめ><信用><説得><魅了>などの対人技能が必要です。
 またリアル説得で、キーパー判断でこれは邦久も納得するだろうと思えば、リアル説得で説得できても構いません。
 逆に邦久は納得しないだろうと思えば、技能判定の難易度を上げたりしても構いません。

邦久を説得した場合、連絡先を交換してくれます。また誘えば「敵が同じなら、利用し合うのも悪くねぇか」と最終決戦で加勢してくれます。

 
もし、ここでファンブルやロールプレイとして邦久と対立した場合、戦闘開始。1ターン目は生身で殴りますが、次のターンで「化け物の本性を現せ」とマジックアイテムを使い、炎の拳を振り下そうとするでしょう。
探索者は逃げる、生身で戦う、変身して戦うか選ぶことができるでしょう。
ここで完全に仲違いする、変身して倒してしまうなどをすると、邦久に協力を仰ぐことができなくなってしまうでしょう。
長井 邦久は、探索者の変身体の弱点である火(灼熱)の攻撃をしてくるため、ダメージが『2D6+1D4+3』となります。
 
☆変身を解除したら、1D6を振ってもらい、「◇力の代償」表から選びましょう。
 中度、重度は変身した回数により変化します。
 

☆邦久への質問答え例

・化け物について
 「奴らは、絶対に倒さないといけない存在だ。神だとか、悪魔だとか、宇宙から来た宇宙人だとか言われているが、そんな大層な物じゃない。奴らはただの人類の敵。それだけで十分だ」と忌々しげです。
・邦久は何故神話生物と戦っているのか
 「理不尽な化け物に復讐するためだ。正義のためだなんて、生っちょろい話じゃねぇ。ただ殺す。それが俺の目的だ」
・邦久は何故戦うのか?
 「純花をあんな目に合わせた奴をぶっ殺して、純花を目覚めさせてみせる。絶対にな」
 純花を本当に目覚めさせられるのかとか聞くと、「そうだ」と返すが、そう邦久が思い込んでいるだけで確証はありません。そこはこのシナリオとしては関係ない部分なので、ある程度で切り上げましょう。
・小田 悟(警察)について
 「あいつらは信じられない。あいつらが守るのは国であって、人じゃねぇ。国を守る為なら、多少の人間の犠牲はなかったことにする奴らだぜ」と良い印象を持っていない様子です。小田 悟についてというよりも、警察について語っています。
・根古都山にいるものについて
 「俺達にもよくわかってねぇ。だが、数十年前からあの山の一部は国によって封鎖されている。隕石とか毒ガスが原因だと言われているが、奴らの何かあるのかもしれないな」と根古都山の方を睨みます。
・俺達とは、仲間がいるのか?
 「俺と同じような、化け物を倒したいって奴らで情報を共有してる。だが、あの力を使えるのは俺くらいだ。誰がどうやって作ったのかは知らねぇが、あいつらを潰せるならどんな力でも使う」
 

②探索者の変身状態を知らない

探索者の変身状態を知らず生身では初対面の場合、「あんた、誰だ?何の用?」と警戒心は見せますが、世間話位はできます。
ただし、探索者が化け物(神話生物)のことについて聞いたりすると、「なんであんたが、あいつらを知っているんだ」と険悪な空気になってしまうかもしれません。
 
探索者の変身状態を知らないが化け物(神話生物)に襲われたことを知っている場合は、「あんた、あの時の……また会ったな」と話しができます。
その時、☆邦久への質問答え例で答えてくれますが、変身状態を知らないので一般人として、ある程度ぼかして話されることになるでしょう。
また、探索者の変身状態を知らない状態では連絡先を貰っても、最終決戦で共闘することは難しくなるでしょう。
 
 

▽治療を受ける

怪我を受けた探索者は、医療による治療を1回分受けることができます。
力の代償での異変や、正気度を精神科で治療などはできません。
邦久を見かけて追いかけない場合などは治療を行えますが、邦久と話した後に治療を受けたい場合は次の時間帯になります。(※邦久と話すだけで半日、1回治療するだけで半日かかるとしますので、2つとも行いたい場合は1日消費します)
邦久に会っていない状態では、こちらのみが発生します。
※ルールブックでは1回の治療は1時間以上かかるですが、このシナリオ中では半日単位にしてありますのでわかりやすく半日かかってしまうとします。
 
◯NPC医者
応急手当 90% 医学 70%
回復をしてくれる普通の医者です。
医学を使用する場合、変身後にすぐに病院に運ばれた、もしくは怪我を受けた同日中に病院を訪れた場合は、レギュラー判定です。
午後に戦闘を行い変身解除後にすぐに病院に運ばれた場合は、病院シーン自体は次の日の午前時間に行われますが、判定はレギュラー判定で行ってください。(治療は、夜の間に受けたと判断します)
次の日に探索者が訪れ、治療してもらった場合は、ハード判定となります。
(この辺りは、ルールブックp116参照・参考)
 
変身の異変や狂戦士化で身体的に患った不調を目にした医者は「どうしてこうなったんだ」と驚きますが、検査をしても原因や治療法はわかりません。
変身の異変の重度の化け物に変質していることを見せた医者は叫んで半狂乱になるか、馬鹿にしてくるかで、治療してくれません。
切り傷や銃などによる攻撃を受けた場合、警察に行くことを勧められるかもしれません。
耐久力が5以下の場合は、心配され「このまま入院していきますか」と問われたりすることでしょう。
 

▽入院する

医者に入院を勧められた場合、次の時間に病室で敵の力を感じ、探索者の契約の証である目のタトゥーが疼き痛みを感じます。
(※すでに他で化け物に会っている場合は、それが神話生物が近くにいることを知らせるものと知っているかもしれません)
同時に探索者は使命感のような義務感のようにその敵のいる場所に行きたいと感じてしまいます。
☆もし、抗う場合は<POW>判定に成功することで神話生物を無視し、入院し続けることが可能です。失敗した場合は神話生物が出現するポイントに強制的に移動してしまいます。
 
屋上に出た探索者は、はるか上空からバサバサと規則的な羽音を発てて舞い下りる、その姿を目撃します。
翼が付いたそれはカラスのような部分もあり、モグラのような部分もあり、ハゲタカのような部分もあり、アリのような部分もあり、はたまた腐乱死体のような部分もありました。
一言で言い表すことのできない、ただ見たことのない不気味な生物が2体、空中で停止し、探索者を見下しカチカチと口らしき気管で威嚇しています。
 

☆化け物に遭遇してしまった探索者は、正気度ロール 0/1D6。

 

『ビヤーキー』2体との戦闘開始。

ビヤーキーのステータスはルールブックp298の平均値を使用してください。
変身状態では吸血はできないと思うので、噛みつきと押さえ込みをされてもダメージのみ発生とさせて頂きます。
 
ビヤーキーは2,3m飛行状態から戦闘を開始しますので、攻撃は変身後にジャンプ攻撃(変身の攻撃例④飛行状態の敵に対しての攻撃(複合攻撃)参照)を行うか、特殊スキル跳躍確定成功を使用するか、投擲などで何かを投げるかしない限りは攻撃が不可能です。
ただし、キーパーの判断で、通常攻撃でもハードやイクストリームが出れば攻撃可能に変更にしても構いません。
飛行状態から落下させたい場合は、ジャンプ攻撃でハード以上もしくは最高ダメージが出たら、1ターン落下させられて次は通常攻撃でも可能としても構いません。(※通常攻撃で行った場合は、基本的には落下させられないとする)
他にも飛び上がれそうな場所、物を<幸運>で見つければ通常攻撃でも届くとしても良いでしょう。
その辺は、探索者の跳躍の能力を見て判断すると良いでしょう。
ビヤーキーを落下させた場合、ビヤーキーは1ターンを消費して再度飛び上がることができます。飛び上がる判定は必要ありません。
 
探索者は生身や逃げることも可能ですが、生身ではほぼ勝てないでしょう。
探索者は戦闘前にならば変身が可能で、戦闘中に変身する場合は自ターンでなければ変身できません。また変身したターンは、攻撃が出来ずに消費されます。
逃げる場合は、POW判定でハード以上の成功が必要となります。
 
化け物を倒し切った途端、野球ボールほどの大きさの半透明な淡い緑色の光が、化け物から立ち上り、それは探索者に吸い込まれるように消えて行きました。
特別な衝撃や感触はありませんが、探索者はまた新たな力が使えるようになったことを確信しました。
それは、僅かな間だけ空気を踏んで飛び上がることができるだろうという確信でした。
 

☆ここで「特殊スキル ④跳躍確定成功」の説明をして下さい。

この力は、一瞬だけ空気を足場にできるスキルです。
メタ的な説明をしますと、
跳躍判定を行う時に、確定成功とさせることができます。
使用コストは、跳躍判定で使用する毎にMP3。
複合技能のジャンプ攻撃の場合は、近接攻撃(格闘)の成功のみで成功となります。
 

スキルを実感していると、長井 邦久が登場します。

「こんなところにまで来やがったか、化け物が!」と叫びながら長井 邦久が殴りかかって来る、もしくは「仲間割れか、化け物ども。好都合だ。ここで倒してやる」と歩いて来ても構いません。
(※もし、長井 邦久と病院で和解を先にしている場合は、長井 邦久はここでは登場しません)
 
探索者は変身状態のまま逃げる、変身状態のまま説得する、変身を解除して説得する、邦久と戦うことができます。
長井 邦久は、探索者の変身体の弱点である火(灼熱)の攻撃をしてくるため、ダメージが『2D6+1D4+3』となります。
 
長井 邦久は、探索者が説得しようとしても聞く耳を持とうとせず変身状態を解除して人間だと言って見せても「化け物が、人間に変身できるのか!だが俺は騙されない」と取りあってくれません。
ただし、変身解除状態を見せておくことで、次に病院で遭遇した時に話を聞いてくれることになります。
 
長井 邦久との戦闘は、自身の耐久力が10以下になると、「憶えてろよ。次は必ず倒す」と捨て台詞を残して去っていきます。
もし、長井 邦久をこの時点で死亡させてしまった場合は、これ以降登場しなくなります。
→長井 邦久と会った次の時間帯に入院をまだしていた場合、『長井 邦久が妹の病室に行くのを目撃する』が発生します。
 
邦久とすでに協力関係の場合は出てこない。もしくはキーパーがどうしても出したいなら、「お前がやったのか。少しは使えるみたいだな」とふんと鼻を鳴らしたりします。
 
☆変身を解除したら、1D6を振ってもらい、「◇力の代償」表から選びましょう。
 中度、重度は変身した回数により変化します。
 
◯入院
POW判定を成功し、入院し続けることのメリットとして、このシナリオ中に負った怪我ならばどれ程時間が経ったとしても医療での治療がレギュラーで判定できるとします。
ただし、治療できる最大回数は探索者の生身の耐久力を削った攻撃の回数のみとします。(+30の外装装甲で削られた分は除外)
入院し続ける場合も1か所の回復判定につき半日経過してしまいますので注意が必要です。
 
 
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⑥警察署

根古都市の中央にある根古都警察署に訪れました。
大通りに面した五階建ての目立つ建物です。
中に入ると制服を着た警察の人たちがいます。
 
警察で出来ることは、①初日に通報している場合話を聞きに行く、②初日に車で襲われている場合事情聴取、③小田 悟を訪ねる、④小田 悟に連れて来られる、⑤その他にも神話生物に会ったことなどを話したりすることはできます。
 
①②⑤の場合、小田 悟以外の警察官が取調室で最初話を聞いていますが、神話生物などのことを話しても取り合ってくれません。
途中で小田 悟が登場し、対応してくれていた警察官と交代し、小田 悟と探索者以外は取調室から追い出して2人で話をしようとします。
 

▽小田 悟との会話

①②⑤から小田 悟が登場した後、もしくは小田 悟の名前を警察署で出すと発生します。
小田 悟は初対面でも探索者の名前を知っており、「気楽に話をしようか」と軽い調子で話をします。
制服姿の警察官が多い中、小田 悟はスーツにサングラスという出で立ちです。
 
小田 悟は「俺は君にとても興味があるんだ。君は、この街で起きている一連の怪現象……UMA、化け物が現れる原因が何か知っているかい?」と話を切り出してきます。
探索者が化け物に会った、いることを否定するならば、「君は知っているはずだ。いや、実際に目にしたんじゃないかい?」と探索者が神話生物に会ったことを知っている口調です。
 
③④の小田 悟とすでに会っている場合は、「何から話そうか。そういえば、君は先日に見た不思議な生物……UMA、化け物が現れる原因が何か知っているかい?」と切り出します。
 

☆悟が自主的に語ること

「UMA(化け物)が現れる原因は、根古都山に眠る存在に関係がある。詳しい理屈はわかっていないが、その存在がUMA(化け物)をこの街に呼び寄せている。この街にUMA(化け物)の目撃証言が昔から多いというのもそのせいだろう」
「君の力は、その眠る存在を打破するのに重要な戦力となる。だから、我々に協力してくれないか。君の協力が、世界……少なくともこの街に住む沢山の人間を救うことになる」
 
探索者が協力を承諾したら、「(決戦の日までのリミットまでの日数なり、日付を教える)の正午に計画を実行しようと思っているんだ。その存在は根古都山の奥にいる。今はフェンスで封鎖されているようだから、これを使って当日入ってくれ」と立ち入り禁止フェンスゲートの鍵をくれます。
 
「具体的に君にして欲しいことは、当日根古都山に眠る存在と戦い、弱らせて欲しい。そして、動かなくなるまで弱らせて、この道具を投げつけてくれ。この道具でとどめを刺さない限り、その眠れる存在を滅することは難しい」と、 そこに穴があるかのような光を全く跳ね返さない真っ黒い直径5cmくらいの球体(磁壊の球体(じかいのきゅうたい))を渡します。
磁界の球体について質問すると、「簡易ブラックホール……人智を超えた存在にも多少なり対抗できる可能性がある爆弾のような物だ。投げた後は出来るだけ逃げた方が良い」と笑います。
 

☆悟への質問答え例

・UMA、化け物について
 「UMAとか化け物と言った方がわかりやすいと思ったんだが、詳しく言うと彼らは紙や精霊に近い存在だと言われている。まあ、人智を超えた人ならざる者たちという点では、化け物も神も同じかな」と他人事。
・邦久が言っていた仲間(レッド)とは何か
 「色のことでないのなら、あの組織のことだな。人ならざる者たちについて調べたり、世間に知らせるべきだと騒いでいるみたいだな。アイツらの気持ちも分かるが、あんな事をしていても世間では頭のおかしい人間にしか見られないだろうな」と同情と呆れ混じり。
・悟について
 「警察官だ。でも、そうだな、警察の中でも人ならざる者を調べたり、どうにかするように動く人間は存在しているってところだ。まあ、これも仕事だ」と諦めた様子。
・悟が決戦当日に何をするのか
 「少し離れた場所でライフルで援護をしようと思っている。悪く思うな、俺は普通の人間だからな。それくらいの援護で勘弁してくれ」
・根古都山に眠る存在について
 「『眠れるもの』に名前はついていない。けれど、『それ』は周囲から栄養を吸い取り、いずれは地球の全て吸い尽くす存在だと言われている。山が枯れているのは、毒ガスのせいではなく、『それ』に栄養を吸い尽くされたからだという話だな。あ、これは他言無用で頼むよ」
・宇宙研究所について
 「根古都宇宙研究所だな。あの研究施設も国に属している。俺達も情報の提供を受けているな」
・ 巳川 ななはについて
 「根古都宇宙研究所の所長だな。名前だけは聞いたことがある」
・長井 邦久について
 「昔、事件に巻き込まれた少年がそんな名前だったな。確かまだ妹の方は病院で眠り続けているとか」
・探索者の力が『それ』の力だと言う
 「なんだ、知っていたのか。けれど、その力は非常に強力だ。我々には今、それに頼るしかない。それに力と言うのは、その力がどういう力であるかより、どう使うかが重要じゃないかい」と知っていた様子。
・探索者が特異点とは?
 「君は未来が決まっているとか運命とかを信じるか?今、この場は混沌としていて、複数の未来が同時に存在している状態らしい。そして、その未来を決める特異点が君と言われている。まあ、信じられないだろうから、与太話程度に聞いてくれればいい。俺も話半分だ。ただ、君に協力してもらうことで、少しでもマシな道が開ける可能性があるのなら悪くない」
 
 

☆ななはとの協力を告げる

先にななはとの協力関係を先に築いている場合、それを悟に話すと「あの研究所が何をしようとしているのかは知らないが、眠る存在に対抗する薬か……。それで本当に眠る存在の脅威を取り除けるのなら問題はない。君は俺より、あの研究所に協力するのか?」と問うてきます。
悟にもななはに協力することを説得するには、<対人技能>で説得することが必要です。
説得が出来なければ、「俺は俺で努力するとしよう」と協力関係を結ぶことができなくなります。
 
その後、警察署へ小田 悟を訪ねれば、話をすることができます。
 
 
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⑦宇宙研究所(根古都市宇宙研究所)

根古都山の麓にある白い大きな四角いコンクリートの建物。
塀が周囲を囲っており、中に入るには警備員が立っているゲートを抜ける必要があります。
 

▽ななはに出会う前に入ろうとする

警備員に話しかけても、関係者以外立ち入り禁止だと言われ、中に入ることができません。
この警備員に対して対人技能などを行っても「無理だ」の一点張りで通してくれません。
 
無理やり宇宙研究所に入る方法は、①<変装>で入り込む、②<パソコン>で身分証を偽装する、③<SIZ>と<跳躍>の複合技能で囲っている塀を乗り越える、④<隠密>で荷物に紛れるなどがあると思います。
フェンスを乗り越えられても、建物に入るには<パソコン>で電子ロックを外す、もしくは<幸運>でゲートに入る研究者を見つけてアプローチを行う必要があります。
この時点で変身を行えば、力ずくで扉を壊すことも可能でしょう。ただし、扉を壊してしまった場合は、非常ベルがなり、ボディーガードが出現してしまいます。
ボディーガードについては、ななはのボディーガードのステータスを使用してください。
静かに建物に入った場合でも、虚ろな目をした研究員に見つかり戦闘開始します。
→戦闘に負けると、立ち入り禁止地区でななはに倒された時と同じく⑦-2へ。
→戦闘に勝った場合は、探索者の契約の証である目のタトゥーが疼き痛みを感じます。
(※すでに他で化け物に会っている場合は、それが神話生物が近くにいることを知らせるものと知っているかもしれません)
 そして、ボディーガードを従えたななはが登場し、「貴方、思ったよりもできるのね。それに、その格好(変身姿)も興味深いわ。どう?私に協力しない。悪いようにはしないわ。話だけでも聞いてみない」と誘ってきます。 
 

▽⑦-1 ななはを訪ねて来る

警備員に、巳川 ななはに呼ばれた事と探索者の名前を伝えると話は聞いていると通してくれます。
ななはに同行している場合は、無条件で通してくれます。
 
通された殺風景な部屋のデスクに、ななはが座って待っています。
「いらっしゃい。どうぞ、座って、コーヒーでも淹れさせるわ」と目の前の椅子をすすめ、飲み物を用意してくれます。
 

☆ななはが自主的に語ること

「まずは私たちの研究について話しましょうか。私たちが長年研究しているのは、根古都山に飛来した隕石……いいえ、飛来した生物ついての研究なの。アレは野放しにしていたら将来地球規模の脅威となる生物だと判明しているわ。ただ、滅するだけでは勿体ない、有効活用できるなら有効活用したいと考えるのが普通でしょ。そこで研究の結果、アレを従える方法を見つけたの。それを是非試したいのよ」
と言うと、白い箱に入ったペーパーナイフのような形で、真ん中にはガラスに入った紫色の液体が見えます。
「この中に入っている薬が、私たちの研究の結晶。貴方には、この薬を打ち込むためにアレを弱らせて欲しいの。この薬は弱らせてから打ち込まないと真価を発揮しないわ。貴方のあの力を使えば十分可能だと思うのよ。協力してくれるわよね?」と誘います。
探索者が了承すれば、「計画は(決戦の日までのリミットまでの日数なり、日付を教える)の正午に行おうと思っているわ。それまでに戦う準備をしておいて。私たちも出来る限り手を貸すわ」と、リミットについて伝えます。
「あと貴方の体も調べさせて。貴方の力がどういうものなのか、知っておいた方がいいでしょ」と体について調べさせてほしいと迫ります。
 

☆探索者について調べる

探索者について調べるためには半日がかかります。
次の時間帯になるとカプセルの中で目覚める探索者。
「お疲れ様。貴方の力について色々と判明したわ。貴方の体の一部にアレと同質の物質が検出されたわ。どうやら貴方の力はアレの影響を受けて変質してしまったみたいね」
「同時に貴方はアレに対して攻撃をすることに極度な抵抗を感じるようにプログラムされているようだと判明したわ。それは刷り込みや暗示、心理的な拒絶反応のようなものね。それを感じると、攻撃する手を一瞬止めてしまったり、足が動かなくなってしまったでしょう。貴方の意思の持ち次第で振り切ることも出来るでしょうけど、処置をすることで一時的に抑えることもできる。この薬を使いなさい。数時間ほどは効果を発揮するはずよ」と薬を渡されます。

※『それ』に対しての拒絶反応がなくなります。

 基本的に『それ』に対して攻撃を行う時の拒絶反応のみを無効化しますが、敵前逃亡や街外逃亡もできるのかはキーパー判断でお願いします。街の外に逃亡した場合は、薬が切れ数日後には変質が進み、結局神話生物に代わり、『それ』に支配されてしまいます。
 
探索者が治療のために宇宙研究所に訪れた場合でも、調べていない場合は治療1回目の時に発生。
 

☆ななはへの質問答え例

・化け物について
 「彼らは地球の先住者。侵略者はどちらのかしらね」と笑う。
・レッドについて
 「興味ないわね」
・決戦の日にななははどうするのか
 「私も立ち会うわ。けれど援護はあまり期待しないで頂戴。私にもするべき用意があるの。ああ、でも、戦うお膳立てはしてあげるわ」
・『それ(アレ)』の弱点
 「アレの表皮は高温に少しだけ弱いわね。とはいえ、火であぶる程度だと焼け石に水程度の効果しかないわ。もっと効率的に、直接高温の何かをぶつけるとかできたら、少しは効果があるかもしれない。まあ、それを考えるよりも、貴方の力で押した方が早いと思うけれど」と語ります。
・薬について
 「アレ用に調薬した特別製よ。主成分や製造方法については秘密」
・探索者が『それ(アレ)』の影響を受けていて大丈夫か
 「完全に支配されているわけではないようだし、大丈夫でしょう。アレが私たちの計画を貴方を通してどうにかできるのなら、すでに私は殺され、この研究所も破壊されているわ」と笑います。
・『それ(アレ)』を倒せば探索者は人間に戻れるのか、元に戻るのか
 「貴方が望むのならば、アレの因子を消して、人間に戻してあげても構わないわ」
 「だけど、アレの因子を消しても、人間のもう変質してしまった体(異変、後遺症)は元には戻らないと思うわ。それはもう変質してしまった物だから」
 「元に直すことは出来ないけれど、その変質が不自由ではないようにはしてあげられるかもしれないわ」
__ ※ななはは、解決後に人間に戻せなどの念押しをしていない限りは、『それ』を支配し、同時に探索者の意識も支配して眷属にしようと考えています。なお、変質(異変、後遺症)を不自由ではないようにと言うのは、完全に変質化させるか、変身を解けないようにすることで実現可能だろうと考えています。 __
 

☆悟との協力を告げる

先に悟との協力関係を先に築いている場合、それをななはに話すと「最後にこの薬を打ち込んでくれるのなら、誰が手伝ってくれても歓迎よ」と歓迎するような事を言います。
 
その後、宇宙研究所にななはを訪ねれば、話をすることができます。
また宇宙研究所で治療することができます。
 
 

▽⑦-2 囚われた探索者

根古都山立ち入り禁止地区でななは達に敗北したか、研究所で敗北すると発生。
見覚えのない白い部屋で目覚めた探索者は、手足に枷が嵌められ身動きが取れない状態になっていました。
探索者が目覚めたと同時にスライド式の扉を開きました。
扉の先から現れたのはボディーガードを引きつれたななはでした。
ななはは「お目覚めかしら?貴方について色々と調べさせてもらったわ。とても興味深いわ。アレが選んだ守護者というところかしら。その力、今度は私のために使ってみる気はない?協力してくれるなら、解放してあげる」と提案してきます。
ななはに協力すると言えば解放してくれます。
 
その後は⑦-1と同じ流れになりますが、⑦-2を通ると探索者は自主的に協力するではなく、脅されて協力させられている感じでななはは対応します。
 
☆協力しないと言えば、そのまま放置されます。
 次の時間帯に変身すれば枷を壊して逃げたり、またななはが現われ「これが最後」と協力を提案します。
 それでも拒絶するのなら、支配の呪文を唱えられ、探索者の意識が途切れシナリオが終了です。
 
枷の耐久力20。
その後、ボディーガードが3体が登場します。
それを退けて逃げることができます。
この逃げるを選んでしまうと、ななはは以降出現しなくなり、協力することが不可能になります。
 
 
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⑧街の外

探索者は根古都市の外に出ようとしました。
が、どういうわけか途中で足が止まり、それ以上進もうとしても進めません。
電車に乗って出ようとしても、乗る事さえできません。
それはどうすることもできず、あまりにも必死に出ようとすると、途端力が抜け、座り込んでしまうでしょう。
 

▽変身を4回以上行っている。変身の重度の異変発生以降。

(※借りた力にある程度馴染んだ探索者なので、「それ」の影響力や洗脳が強まり、根古都山でなくとも「お前」が見えるようになってしまっています)
 
探索者の後ろから、「お前」が声をかけてきます。
もし、周囲に誰かいる場所だった場合、「お前」以外の人が消えてしまいます。
駅などでは明らかに不自然に誰の気配もありません。
「どこに行くのかな?君は、この土地を守らなければいけない。どこにも行けない。それが僕との約束だよ」
※ここで殴りかかろうとしても、幻影の「お前」には絶対当たりません。
 
※もし、探索者が「それ」に対して疑念を抱いている場合、変身4回未満であってもキーパーの判断で「お前」が出現しても構いません。
 
 
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⑨自宅

探索者は自宅で、気持ちの整理や体を休めることにしました。
または、化け物や自分自身が怖くて自宅に閉じこもろうとしたのかもしれません。
自宅でできることは、体を休める、自分で治療することです。
自宅の他に、探偵ならば事務所、開業医ならば自身の病院などでも構いません。
 
その他に、もしハッカーなどの場合は、家のパソコンの方がハッキングしやすいなどの理由があれば、図書館で取得できる情報などを知ることができても構いません。
 

▽体を休める

気持ちの整理や体を休めようとしました。
重症でない限り半日の休息による耐久力1の回復、または医学を振る権利があります。
耐久力1は重症でない限り判定なしで回復することができます。
医学の場合は、耐久力が減った日ならばレギュラー成功で、耐久力が減った当日でなければハード以上の成功が必要となります。(この辺りは、ルールブックp116参照・参考)
 
 
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☆6日目の夜

探索が全て終了した6日目の夜に、ななは、悟にリミットのことを聞いていない場合、長井 邦久から電話がかかってきます。
電話は「化け物の情報が手に入った。根古都山の山頂だ。明日の昼に倒しに行こうと思う。お前も来るなら来ても良いぞ」と言います。
探索者が邦久と協力すると答えると、決戦に邦久が共闘してくれます。
 
また、ななは、悟にリミットの事を聞いており、長井 邦久の連絡先を取得していると、任意の時に電話をかけて協力を仰ぐことができます。
その他に、長井 邦久に出会った時にリミットについて話していると、決戦で共闘してくれます。
 
 

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☆7日目(最終決戦の日)

▽①『それ』と戦わない

7日目までに誰にも最終決戦に誘われない(リミットを聞かない)、もしくは最終決戦の7日目の正午に根古都山の立ち入り禁止地区(頂上付近)に探索者の意思で行かない、何も知らないふりをして日常に戻ろうとしたのか、もう戦うことを諦めたのかもしれません。
探索者が最終決戦に行かないと最終決戦で勝つことは難しくなるため、小田 悟が停滞キューブを発動させます。
それは、ななはや邦久と協力関係を築いていたとしても、この選択肢では停滞キューブによる街の停止となります。
 
探索者は正午に、急激に探索者の契約の証である目のタトゥーが疼き、それは次第に蹲ってしまう程の痛みを感じます。
それはこれまでも神話生物が近くにいることで感じたものと同じものだと思えましたが、今までに感じたことのない程の激痛に襲われます。
痛みに耐えていた探索者でしたが、その時根古都山から強烈な光が街を包むように広がっていました。
光に巻き込まれた探索者はその時点で意識が停止しました。
(※停滞キューブの範囲外である10㎞より遠くには『それ』の影響を受けていて行けないと思うので、基本的にはこの選択をした場合、街全体が停止して終わりです)
 
「臨時速報です。本日正午頃、◯◯県根古都市根古都山にて大きな揺れが観測されました。大規模な火山活動が発生したのが原因と見られ、地震と同時に有毒な火山ガスが半径10kmの範囲で噴出した模様です。政府は迅速に非常線を張り、事態の収拾に当たっています。市内ではガスと火山活動による電波障害で確認作業が遅れており、市民の安否が心配されます。繰り返します」と、テレビでニュースが放送されましたが、真実は隠され根古都市という街は次第に世間から忘れられ、地図から消えることになるでしょう。
(→バッドエンド①「逃走」)
 

▽②『それ』と戦う

探索者は、正午頃にフェンスを越えて立ち入り禁止地区へと足を踏み入れました。
しばらく山道を道なりに歩いていると、探索者は周囲の木々が徐々に枯れ、視界が寂しくなっていくことに気づくでしょう。
完全に枯れた木々もなくなり開けた場所に出ようとした時、約束をしていた相手の姿を視界に捉えました。

①長井 邦久のみの場合

長井 邦久はクレーターを睨むように見ています。
「来たか。あいつは今、あのクレーターの下で眠りについてるらしい。けれど、俺の力があればおびき出すことができる」と、クリスタルを握り炎のオーラを出します。
「準備が出来ているなら、行くぞ」と良い、戦いに行こうとします。
そんな情報どこから手に入れたのか?など聞くと、「仲間に聞いた?お前にはわからねぇだろうが、仲間にはアイツらのことを良く知る人物がいる」と話します。

②小田 悟のみの場合

小田 悟が、車の中でライフルを組み立てながら待っています。
話しかけると車の外に出て、「よく来てくれた。来てくれないのかと心配したよ。ターゲットはここから200mほど先にあるクレーター付近にいる。作戦を開始したら、設置した花火をお見舞いして、おびき出す。この花火の威力はあまり期待しないでくれ。大規模な工作をして、逃げられてしまっては元も子もないからな」とリモコンを振って見せてくれます。
「こちらの準備は出来た。君も準備ができているのなら、作戦を開始する」

③巳川 ななはのみの場合

巳川 ななはは、白いバンの近くで指揮をとっていました。
白いバンのトランクは開いており、中にはバンの半分以上を占める大きさの機械が詰まっています。
「待っていたわよ。こちらの用意は整っているわ。この装置で電波を発して、あぶり出す手筈よ。効果の程は安心して頂戴。私が保証するわ」と微笑みます。
「お膳立てはするけれど、実際の戦闘は貴方に任せるわ。貴方用に調合してあげた抑制薬はもう打ったのかしら?」と、宇宙研究所で渡された『それ』に対する拒絶反応を抑制する薬を打つように促します。
「もう打った」、「必要ない」などと言っても、無理にでも打とうとは言いません。

④悟、またはななはと協力状態で、邦久を呼んでいる場合

悟、ななはが『それ』をおびき寄せる話をしてから、邦久が登場します。
悟、ななはは「誰だ?」と邦久に話しかけますが、邦久は「胡散臭そうな奴だな。信じられるのか?」と疑いの眼差しを向けます。
邦久は最終的には「まあ良い。アイツらをぶっ殺せるなら、何でもいい」と戦闘を開始させようとします。

⑤悟とななはと協力関係の場合

③のななはとの会話が終わってから、悟が登場します。
(※悟はななはが先に着ていたことで爆弾を設置はしていないようです)
悟は『それ』の脅威がなくなれば良いと思っているので、ななはが『それ』を支配しても日本や世界の脅威にならなくてもいいと考えています。
また、ななはは国とつながっているため、悟は国からななはが支配することを許可したと知っているのかもしれません。

⑥全員と約束している

約束の場所に来ると、ななはが『それ』をおびき寄せる機械を持って来ており、邦久と悟が合流します。
(※悟はななはが先に着ていたことで爆弾を設置はしていないようです)
 

▽『それ』との戦闘

邦久がクレーターの地面に向けて攻撃する、悟の爆弾を起動、ななはが電波を発生させる機械を起動すると、耳が痛くなるほどの悲鳴のような金切り声が大気を震わせ地面が大きく揺れます。それは爆弾の爆発音よりも大きく、耳障りです。
砂埃が舞い上がり、一瞬周囲の視界が悪くなりました。次に目を開けた時(砂埃が薄れた時)、探索者の周りが闇に包まれているのに気付きます。
空を見上げると、一瞬太陽が黒くなったのかと思ったことでしょう。
砂埃が掻き消え、空に浮いている黒い球体の輪郭がはっきりとしてきます。それはまるで太陽の絵のように、無数の触手を宙に広げていました。
黒く塗りつぶされた太陽の真ん中に横に亀裂が走り、その下からぼんやりと光る大きな目が探索者を見下しました。
 

☆思わず生理的恐怖を感じる程の圧迫感と不気味さに、探索者と邦久は、正気度ロール 1/1D10。

邦久も狂気に陥ることがあります。
なお、悟は離れている為、正気度ロールが発生しません。(※キーパーの判断で悟も正気度ロールをしても構いませんが、逃げるや気絶などすると、場合により不便が出るのでおすすめはしません)
 
途端、頭が痛くなる耳鳴りを百倍したような感覚と共に、怒りの感情を含んだ禍々しい声が頭の中に直接響きました。
『 ジャマスル オロカ ワレノチカラ カシテヤッタ コロセ カラセ ササゲヨ 』と探索者に語り掛けてきます。
探索者は湧き上がる使命感や激情に支配され、近くに居るNPCを攻撃したくなります。

☆POWロール発生。

失敗すると最初の1ターンは、邦久がいれば邦久に、邦久が居なければななはに、攻撃します。
ななはを攻撃した場合は、ボディーガードがななはを庇うのでダメージなりません。
邦久、ななはが居なければ、誰にも攻撃はせず、ターン消費だけします。
※邦久以外には、基本的にダメージは入りません。
 

☆『それ』との戦闘開始

『それ』のステータスは、『それ』の項目を参照してください。
邦久がいる場合は、邦久の攻撃が「2D6+1D4+3(基本ダメージ+DB+弱点効果)」。
悟がいる場合は、ライフル「M1903A4 (30-06口径ボルト・アクション・ライフル)」を使用しようし、1ラウンドに1回狙撃してダメージを与えてくれます。が、少し離れた場所(200m)から狙撃している為、悟はハード以上でないと攻撃を与えることができません。代わりにダメージを受けることがありません。
ななはは、攻撃のサポートはしてくれません。クレーターから50mほど離れているため、基本的に『それ』からのダメージは受けません。(※ななはは探索者の拒否反応を抑える薬をくれるため、攻撃としてのサポートはなしとしました)
 

◯戦闘中に探索者の耐久力0になる

戦闘中に、狂戦士化していない探索者の耐久力が0になり、もう戦えない状態になると、小田 悟が「ここまでか。やっぱり運命はそう簡単に変えることはできなかったか」と諦めたように呟きます。
これは、小田 悟に協力をしていない状態でも発生します。(※悟だけは死んでいない限りは、全ての選択肢でこの場の近くまでは来ています)
そして、取り出したのは手のひらほどの銀色をした立方体の箱(停滞キューブ)でした。
一度深い溜め息のような深呼吸をした悟は、キューブを掲げ「時よ、停滞せよ」と叫びました。
すると、強烈な光が街全体を包み込み、探索者や『それ』を含めて半径10㎞にいた数万人の人々を巻き込んで時間が停止しました。
その後、根古都市は火山活動による有毒ガスが街中に発生し、調査するのに入るのも危険と全域が封鎖され、行方不明者の数に騒然となりました。が、それを探索者が知ることはないでしょう。
(→バッドエンド②「停止した街」)
 

◯小田 悟がこの時点で死んでいる状態で、探索者の耐久力0

小田 悟がこの時点で死んでいる状態で、探索者が最終決戦で耐久力0となった場合、『それ』は空に逃げて行きます。
その後、どこかに消えた『それ』はまた養分を世界から吸い続け、数千年の未来には世界の全てを吸い尽くして地球を破滅に導くかもしれないが、それはここで力尽きた探索者には知る由もないだろう。
 

▽とどめ

『それ』の体力が0になるととどめを刺すことができます。
  
巨大な体を地面へと落下させた『それ』は、まだだというように触手を蠢かせ、「ワレノチカラ ナゼ サカラウ ジャマ コロセ カラセ ササゲヨ 」とまだ探索者を支配する気でいます。
ですが、探索者はもう何の影響も感じません。
これから探索者は
①邦久にとどめを刺してもらう
②悟に言われた通り『磁壊の球体(じかいのきゅうたい)』を投げつける
③ななはに言われた通り『『それ』用の支配血清が入ったナイフ型注射器』を刺す
の中からとどめを選ぶことができるでしょう。
基本的には、協力をしている人物が「今だ」と言って、促してくるでしょう。
 

①邦久のとどめ

探索者がとどめを刺そうとした時に「ちょっと待ってくれ。ここは俺にとどめを刺させてくれ」と言って邦久が前に出てきます。
「これで終わりだ。このクリスタルの力、全てお前にくれてやる」と叫んで、邦久の体全体を大きな炎に包むかのようなオーラを発して、クリスタルの出力を最大限に上げた攻撃を叩き込みます。
叩き込んだ瞬間、邦久のクリスタルはパリンと割れてしまいます。「やったか」とMPを使い果たし、倒れます。
MPを全て使い果たしただけなので死んではいません。(※キーパー判断でダメージ発生させたいなら発生させても構いません)
もし、探索者がどうしてもとどめを刺したいと言うのならば、キーパー判断で邦久から火のクリスタルを受け取ってPOW判定からの、MP4と正気度1をコストに火のとどめをしても構いません。
その時、探索者の体に異変が発生します。ドクンと心臓が跳ねると、急激な激痛と共に猛烈な熱を感じ、思わず膝をついてしまうでしょう。
激痛の中で紛れてしまいそうなのに、そこだけははっきりと体が溶けるような感覚がして、ボトリボトリと変身の体を形作っていた赤黒い触手が体からはがれて行きます。
そして、激痛が去った時、探索者の体は人の姿へと戻り、手の甲からは目のようなタトゥーの印が消えていました。
探索者が変身を試みようとしても、うんともすんとも言いません。
これで探索者を縛っていた不思議な力は消えました。
けれど、探索者がこれまで負った異変(代償)は原因を消しても治ることはなく、これからも付き合っていくしかないのでしょう。
 

②悟の『磁壊の球体(じかいのきゅうたい)』を投げつける

光を全く跳ね返さない真っ黒い直径5cmくらいの球体(磁壊の球体)を探索者が『それ』に向かって投げつけると、瞬間猛烈な突風がNPCの髪や服、周りの砂や少し遠くにある枯れた木の葉などを巻き込んで、探索者が投げた球体に向かって吹き抜けました。
(※磁壊の球体使用にはMP10と正気度1が必要なので、MP使いすぎ注意。もしMPで補えない分は、耐久力減少。この耐久力は変身体の耐久込みで構いません)
その風が自然のものではないことが、強さからでもですが数秒しても収まらないことからもわかるでしょう。
『それ』もしくは球体を投げつけた場所をずっと凝視していると、次第に光を全く返さない黒い球体が大きくなっていき、しまいには『それ』を飲み込むほど大きくなります。
『それ』は抵抗するように地球の言語ではない言葉を高い声で叫んでいましたが、最後には『それ』を包み込むほどに巨大化した黒い球体に触手も吸い込まれて消えて行きました。
『それ』を吸い込んだ黒い球体は数秒すると、ひゅんっという音を立てて唐突に掻き消えました。
その時、探索者の体に異変が発生します。ドクンと心臓が跳ねると、急激な激痛と共に猛烈な熱を感じ、思わず膝をついてしまうでしょう。
激痛の中で紛れてしまいそうなのに、そこだけははっきりと体が溶けるような感覚がして、ボトリボトリと変身の体を形作っていた赤黒い触手が体からはがれて行きます。
そして、激痛が去った時、探索者の体は人の姿へと戻り、手の甲からは目のようなタトゥーの印が消えていました。
探索者が変身を試みようとしても、うんともすんとも言いません。
これで探索者を縛っていた不思議な力は消えました。
けれど、探索者がこれまで負った異変(代償)は原因を消しても治ることはなく、これからも付き合っていくしかないのでしょう。
 

③ななはの『『それ』用の支配血清が入ったナイフ型注射器』を刺す

『それ』の耐久力が0になると、ななはが「今よ。これを打ち込みなさい」と白い箱をあけて、中身のペーパーナイフのような形の注射器を投げる、もしくは渡します。忠先の中には、真ん中にガラスの容器があり紫色の液体が入っています。
(※もし、研究所ですでに貰っている場合は、ここでななはは「今よ、打ち込みなさい」と言うだけです)
受け取り、力任せに注射器型のナイフを突き立てると『それ』は地球の言語ではない言葉を高い声で叫びましたが、すぐにぐったりとします。
それ以上の変化はありません。
探索者が不思議に思ったり何か行動を起こそうとしたその時、ななはの口から人間の発音とは全く違った耳慣れない不気味な言葉が紡がれました。
それは先ほど『それ』が上げていた言語とは違っていましたが、人間には発することができない不気味な言語という部分では同じでした。
探索者がななはに何か言おうとする、またはななはの方を振り返ろうとした、何か行動しようとすると、何故か体が動きません。
(※ここで邦久がいる場合、邦久も固まっているようです)
ななははそんな様子の探索者に不思議に思うこともなく、「ありがとう、貴方のおかげよ。やっとアレを支配できた」と穏やかで微笑みでも浮かべているのだろう柔らかな口調で声をかけてきます。
 
☆ここで、ななはに事前に人間に戻れるのかなどと追及していない場合は、探索者の目の前にきたななはは顔を見せ、「貴方も疲れたでしょう。少し休憩しなさい。これからも手伝ってももらうのだもの」とにやっと耳まで避ける程の不気味な微笑みを浮かべました。その口からはちらちらと2つにわかれた蛇のような舌が見えました。探索者はどうにかしようと思うかもしれませんが、急激な眠気が襲い、意識が闇に落ちて行きました。それ以降、探索者の意識が探索者として浮上することはありませんでした。
 
異変(後遺症)が不自由でない体になることを望んでいれば、「大丈夫よ。その体なら、不自由はないのよね」と言い、探索者は変身したまま操られ続けます。
 
☆ななはに事前に人間に戻れるのか、戻りたいなどと話していると、支配を受けた後動けない探索者の顔を覗き込みながら、「貴方は人間に戻りたいのよね。貴方の力はもっと私たちの力になったとは思うのだけれど、残念だわ。それでも約束だもの。今度目覚めたら、人間の体に戻っているわ」と探索者に言います。
(※邦久と共闘している場合は、この時にななはは邦久を見、「そういえば、丁度ここに代わりがいるわね」と呟きます)
そこまで聞くと、探索者は急激な眠気が襲われ、意識が闇に落ちて行きました。
探索者は数日後病院で目覚めることができました。
目覚めた探索者は人間に戻ったのか、手の甲に刻まれていた目のタトゥーのような印は消えており、変身しようとしても変身はできませんでした。
けれど、変身の異変(後遺症)で負った変異は変わらず体に刻み込まれていました。
人間に戻れたと安心するのか、後遺症に苦しむのかは、探索者次第でしょう。
ただ、生きている限りこれからも後遺症と付き合っていくしかないのでしょう。
 

▽後日談

『それ』を倒した探索者は、人に戻りましたが、生きている限り後遺症と付き合っていくことになるでしょう。
キーパーやプレイヤーの希望によっては、邦久や悟と会話しても良いでしょう。
 
邦久はこれからどうするのかと聞くと、「アイツは関係なかったのか、倒しても純花が目覚めてないからな。まだ戦い続ける」。
クリスタルを失くしても戦うのかと聞くと、「あんなものがなくても、俺は戦い続ける」。
そして、探索者との絆が出来ていれば「良かったら、お前も俺達の仲間になるか?俺達と戦っていれば、お前を治す方法があるかもしれない」とレッドに誘います。
 
悟は、「君も災難だったね。けれど、君がこの街を救った、それは誇って良い事だ」と慰めるようなことを言います。
これからどうするのかと聞くと、「俺の今回の任務は終わったからな。すぐにこの街を去ることになると思うよ。もう会う事もないだろう」とあっけらかんと言います。
話し終われば、「それじゃあ、元気でな」と手を振って去っていきます。
 
※ななはについての後日談は、とどめの部分で書いてあります。
 
 
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☆NPCの考え方

キーパーが、NPCのロールプレイする時に、どういう考え方をしているのか参考にしてもらえると良いかもしれません。
作者としてはシナリオとしてNPCはこう考えて発言していると設定していますが、セッションの流れや、キーパーのロールプレイで多少変化はするかもしれません。
 

①長井 邦久の考え方

目に映る神話生物(化け物)全てが倒すべき敵。
探索者も変身体はどう見ても、神話生物(化け物)。
自分は人間だと言っているが、神話生物(化け物)を信じられるか。
けど、良いだろう、お前が本性を現すまで利用してやる。
仲間の話だと、この街の神話生物(化け物)の原因は根古都山にいるやつらしい。
あいつが、純花の敵なのか。絶対殺してやる。
最終決戦を超えて、探索者は後遺症だけが残った。
人間だって言うのは本当だったんだな。あいつも被害者だったのか。
俺と同じなのかもしれない。
基本的には猪突猛進で、神話生物だと思ったら人の話は聞かないが、悪い人物ではない。
 

②小田 悟の考え方

上司から根古都市の調査を頼まれた。
どうやら、未来を知ると言うイス人の助言から、おかしなことが起こっているらしい。
資料は貰ったが、イス人が言うことはいつもわかりにくい。
未来は、物事が観測されるまでは決まっていないって言うことだろうか。
複数の未来が重なる特異点の日と場所が、根古都市の根古都山にあるのか。
世界をいずれ破滅させるかもしれない根古都山に眠る存在、未来を決める特異点の人物(探索者)、解決するための道具。
これだけあるのなら、俺達のような人間を使うのではなく、イス人とかいう奴らが動けばいいのに。
上司は不確定要素があるなら、街を犠牲にして停滞キューブを使えと言うが、それを使えば俺自身だけでなく、ここに住んでいる数千、数万の人間が巻き込まれる。
少しは希望って言うのにかけてもいいかもな。
ダメだった場合は、すぐに停滞キューブを使えばいいんだ。これは最終手段として使おう。
未来を決める特異点の人物(探索者)も巻き込まれて可哀想だな。自分の力についても、何も知らないのか。あえて言う必要もないか。
けれど、大勢のためには、身を削ってもらおう。こいつが倒れたら残念だが、それでもこいつの犠牲だけで数千、数万の命が助かるのなら、安い物じゃないか?
イス人の知識によって、ある程度最初からすべてを知っているが、自己完結をしてあまり語らない人。
 

③巳川 ななは

偉大なるのは蛇の王。
そして、私たちは偉大なる蛇の王に連なる賢者。
日本という国が何かを言っているけれど、『それ』を邪魔だと思った私たちと利害が一致しただけよ。資金も提供してくれるし、設備も手配してくれるし、研究に集中できたわ。
あとは『それ』にこの支配の呪文を聞きやすくする薬を打つ手段だけね。
研究の結果『それ』に打ち込むのは容易ではないわね。本体は姿を見せないし、上手く本体に刺せたとしても、あの外皮(装甲)では内部にまで投薬できないわ。
あら、探索者、あれは使えそうね。
調べたら『それ』の一部が検出されたけれど、そんなのは些細な問題ね。使えるなら問題ないわ。
同士打ちしてしまっても私たちには被害がないもの。
人間に戻すのは難しいわね。私たちは偉大な蛇の王の血族だけれど、まだ全能ではないから。でも、『それ』が支配できたら、『それ』の因子を取り出すくらいはできるわね。
変身の異変(後遺症)を元に戻す方法はないけれど、変身している状態で症状が出ないのなら、変身したままにしてしまえば不便を感じないでしょ。
本当は、『それ』と一緒に、貴方(探索者)も支配できたら、駒が増えて嬉しいのだけれど。
ななはは、神話生物のため、善悪という感情が欠落しています。研究結果は色々と知っていますが、悟のように未来を知っているとかはありません。
 
 

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ルルブは読んでいるが、未プレイヤーのド素人。 シナリオもイメージで書いているため、破綻してたり、ルール間違っている可能性あり。 実卓する場合は、勝手に改造・修正推奨。 あまり世界観であったり、敵の情報までは読み込んでおりませんし、テストプレイ等もしておりません。 苦情やクレームは受け付けておりません。 2作品1000閲覧超えありがとうございます。ストックもありがとうです。