家族、仲間、地位、誇り、平和、自分しか知らない場所
何かを守り続けるため、人々は生きている。
それは神子(アマデウス)も例外ではなく、
世界を怪物から守るため、神子は戦い続けている。
神話創世RPGアマデウス 対なる守護者
あなたの守りたいものは何ですか?
※PCの予言は最後に記載しております。
・シナリオ概要
プレイヤー人数を二人、PCのレベルは全て1であることを想定しています。
プレイヤー人数が二人だけなので、ある程度怪物の本体や脅威に
ダメージが与えられるキャラクターを作成することを推奨します。
「相対せし守護者」のリミットは3です。
・導入フェイズ
PC達の日常からシナリオが始まります。
神子たちが普段の生活を謳歌していると
突然、親神から夢を通して任務があるからと万神殿(パンテオン)に向かうよう指示をされます。
PC達は全国コーヒーチェーン店・カカオを経由して万神殿に到着します。
集合場所の部屋に入るとそこには北欧の英雄・ジークフリートと
十代半ばの男の子が会話をしています。
※ここでPLから少年に対してコンタクトを取った時は
RPは一言二言程度にしておきましょう。
「これで全員だな。来て早速だが依頼の話をさせてもらう」
GMは以下の内容をPL達に伝えて下さい。
・天築(あまつき)市の東部にある「みんなの丘」という場所が絶界(アイランド)になった。
・絶界となった丘には世界樹ユグドラシルが生えている。
・ユグドラシルの中を通れば絶界に入ることができる。
・ここにいる男の子は今回同行するクトゥガの神子「穂村あきら」であること。
依頼内容の説明が終わったら冒険の準備を行ってください。
PL達の準備が終わったらジークフリートは
「じゃあ、後は頼んだぜ。」といい、君たちの前から姿を消します。
GMはPLから質問がなければ、導入フェイズを終了してください。
・マスターシーン『闇に包まれた世界へ』
タイミング:導入フェイズ終了後
穂村あきらとともにPC達は絶界「みんなの丘」に赴きます。
報告された丘の周りは黒い霧のようなものに包まれいる。
これが絶界を覆う絶望の闇であることを、PC達は親神から聞かされているでしょう。
あなたたちは意を決して、丘を絶界から解放するため、
ユグドラシルの中に入っていきました。
ユグドラシルの中を進み、絶界につくのは大変困難な道のりです。
「危険な旅」となるでしょう。
GMはここで「危険な旅」の処理を行ってください。
判定に失敗した場合、PCは「北欧神群試練表」を使用してください。(02収録、P.209)
「危険な旅」の処理が終わったら冒険フェイズに入ります。
・冒険フェイズ
PC達がユグドラシルを抜けると、大昔の西洋の街並みを思わせる場所に出ます。
賑わうお店、石畳の上で遊ぶ子供達。
絵本のお話のようなファンタジーの世界をあなたたちは目にします。
少ししてあなたたちは気づきます。
共に絶界に向かっていたはずの穗村あきらの姿が見当たらないことに。
ここから冒険フェイズに入ります。
ここでGMは予言「みんなの丘」を場に出してください。
このシナリオはリミットは三サイクルです。
GMはPLにリミットについて話しておきましょう。
シーン表は1サイクル目は使用しません。
上記のような街の中をPC達は捜索するとPL達に伝えてください。
2サイクル目以降から「吹雪の丘シーン表」使用します。
タイミング:冒険フェイズ開始時
暗示:みんなの丘
今は絶界となった天築市にある小さな丘。
みんなの遊び場として開放していた私有地だったが、
近々別の所有者に権利が移り、集合住宅の工事が入るようだ。
この真実は【日常】でも調査判定をすることができる。
【真実】
この絶界は北欧神話に出てくる人間の国ミズガルドと
霜の巨人と丘の巨人の住処と言われているヨトゥンヘイムを再現している。
絶界を起こした怪物と関係があるのだろうか……。
この【真実】が二サイクル終了後に公開されなかった場合、
この【真実】が公開され、怪物の力が強まり、怪物本体の防御値が一点上昇する。
トリガー:青の覚醒段階が二段階以上になる。
・マスターシーン:『最後の一人』
タイミング:第一シーンが終了した後シーンとシーンの間
登場するPCは全員です。
PC達は【日常】で判定してください。
失敗した場合、突然空から穗村あきらが降ってきてPCはけがを負います。
失敗したPCは二点のダメージを受けます。
成功した場合、PCの目の前に穗村あきらが降ってきます。
「すみません!遅れました!」
彼の話によるとロキにお使いを頼まれたり、ベルセルクに戦いを挑まれたりしたため
絶界に到着する時間が遅れたと説明します。
「遅れた分きちんと仕事はしますのでよろしくお願いします!」
彼はそういうと懐からPC達に詫びの品として食料を二つ渡します。
GMは場に『穂村あきら』の予言カードをだしてこのシーンを終了して下さい。
タイミング:一サイクル目一シーン終了後
暗示:穂村あきら
あなたたちと今回の任務をともにするクトゥガの神子。
彼の扱う炎はとても暖かい。
【真実】
「僕の火なら怪物の力を弱めることができるかもしれません」
彼は親神のクトゥガから予言を受けていた。
この神話災害を発生させたのは北欧神話に出てくる巨人の怪物ヨトゥンだ。
そしてクトゥガの火が君たち運命共同体の力になるということを……。
この【真実】が公開された時、毎サイクル終了後
ギフトのパトスにチェックが入っているものを一つ消すことができる。
また行為判定を行うとき、赤のインガが二つ多いものとして扱う。
トリガー:『穂村あきら』との交流判定に成功し、プラスの想いをもつ。
※PC、穗村あきらのどちらがプラスの想いをとってもトリガーは満たします。
『凍り付く町』
タイミング:第一サイクル終了後と次のシーンの間
登場PCは全員です。
PC達がしばらくこの絶界を探索していると、突然猛烈な吹雪が吹き荒る。
町にいた人たちは一瞬で凍り付き、動かなくなった。
絶えず吹き続ける吹雪にPC達の体も芯から凍え、動かしづらくなってきている。
PC達は【技術】もしくは【霊力】で判定してください。
失敗したPCは、ランダムにギフトにパトスチェックをつけてください。
吹雪が吹く中、あなたたちは過去を幻視します。
幼い北守まもりとPC2が夕日が照らす「みんなの丘」で追いかけっこをしている。
二人の表情はとても楽しそうだ。
しばらくすると幻視は終わり、あなたたちを襲っていた吹雪が収まります。
だが町が、人が凍り付き、これ以上この町を探索するのは不可能と察します。
「東から風が吹いていました。もしかしらそっちに怪物がいるのかも知れないですね。」
穗村あきらがPC達に話します。
東の方角には広大な丘が広がっているようだ。
PC達は怪物を探すため、東へ進んでいきます。
『想いは吹雪に乗って』
タイミング:第二サイクル終了時と次のシーンの間。
雪が積もる広大な丘を進むPC達に再び猛吹雪が襲い掛かります。
先程よりも強く、小手先の技術ではどうすることもできないだろう。
PC達は【霊力】で判定を行ってください。
失敗したPCはランダムにいずれかのギフトにパトスチェックをしてください。
あなたたちは過去を幻視します。
まもりが父親から丘を売却することを告げられる。
まもりは家を飛び出し、「みんなの丘」にある森の中に閉じこもった。
しばらくすると猛吹雪は収まり、雪がしんしんと降り始めます。
穗村あきらが君たちを親神の熱の権能を使い、体を温める。
「さっきの吹雪より強かったですね。このまま怪物が見つからないとなると
僕達が凍え死ぬかもしれません。急ぎましょう!」
彼は君たちに告げると東の方角へ急ぎ足で向かっていきます。
クライマックスフェイズ
君たちが東の方角へ進んだ先には首が痛くなるほど高い石造りの壁までやってくる。
おそらく巨人がいるであろうとわかる大きな壁だ。
壁には大きな門がついており、そこはすでに開け放たれている。
中に入ると大きな城が真っ先に目に入る。
おとぎ話に出てくるような石造りの城だ。
一歩進もうとした次の瞬間、あなた達を猛吹雪が襲ってきます。
この中を進んで行くには危険が伴うでしょう。
GMは「危険な旅」の処理を行ってください。
失敗したPCは「吹雪の丘試練表」を振ってください。
1:焦っていたのか足元に気づかなかった、氷の地面で滑りそうになる【技術】で判定を行う。
失敗すると転んでケガをしてしまう。PCの生命力を三点減少させる。
2:あまりの寒さに体温を奪われそうになる。【霊力】で判定を行う。
失敗すると活力が二点減少する。(活力の減少により、生命力の現在値が最大値を上回っていた場合、その分減少させる)
3:大量の雹が降る。捌ききるために【武勇】で判定を行う。
失敗すると、あまりの痛さにこの先のことが不安になる。「臆病2」の変調を受ける。
4:建物の上から雪が落ちてきた。どうにかして逃れなければ【頭脳】で判定を行う。
失敗すると、雪に呑まれてしまう。PCは「重傷2」の変調を受ける。
5:親神から話をしようと声がかかる。猛吹雪の中で。【日常】で判定を行う。
成功すると親神からの想いが一点上昇し、パトスマークがついてるならチェックを消すことができる。
6:吹雪の中、雪の結晶を見つける。とても美しくつい見とれてしまいそうになる。
【愛】で判定を行う。失敗すると「堕落」の変調を受ける。
処理が終わったら以下の文章を読み上げてください。
猛吹雪の中、あなたたちは過去を幻視する。
暗い暗い闇の中で北守まもりに対して巨人が手を差し伸べている。
その差し伸べた手を彼女は手に取る。
巨人の手を取った彼女は少しずつ巨人と同化し、消えていく。
そこで幻視は終わった。
そして吹雪は止み、目の前には入口の開いた城がたっている。
城の中まで入ると、目にはいる光景はいくつかの城を支える大きな石柱と
巨人が座るであろう椅子に「北守まもり」が座っている。
うつろな瞳をした彼女が神子たちに顔を向け言葉を発する。
「帰って。」
彼女の言葉には拒絶の意志がこめられている。
神子たちが声を掛けるも、彼女には届かない。
「私がこの丘を守る。誰にも渡さない!!」
彼女が突如黒い霧に包まれる。
そこから現れたのは城の天井につくほどの大きさを持つ霜の巨人。
巨人は現れるや否や城の壁や部屋を支える支柱を次々に破壊していく。
城が破壊されていく最中、降り注ぐ瓦礫が神子たちを襲う。
PC達は【武勇】で判定してください。
失敗したPCは「重傷2」の変調を受けます。
瓦礫の落下がしばらく続いた後巨人が城の破壊をやめる。
君たちが周りを見渡すと、穗村がいないことに気づく。
「俺は大丈夫です。お二人はあの巨人をやっつけてください!」
瓦礫の山からさっきまで聞いていた穗村の声が聞こえた。
雪が飾られた城の跡はすでになくなり、吹雪が君たちの体温を徐々に奪っていく。
巨人は君達に目を向け、怒りの咆哮を上げる。
GMは決戦フェイズの開始を宣言してください。
戦闘のルール、決戦フェイズの処理に従ってGMは進行してください。
怪物の本体と脅威の配置は以下のようになります。
本体:ヨトゥン(02収録、P.228)生命力を35に調整
パラグラフ1 体当たり(02収録、P.219)
パラグラフ2 なし
パラグラフ3 挑発(基本収録、P.278)
パラグラフ4 なし
パラグラフ5 氷の息吹(02収録、P.228)
エピローグ
PC1
PC1は事件後、自身の親神から自神群の聖域に呼び出されます。
あなたの親神は事件での功績を褒め称え、今後の活躍を期待するでしょう。
その後、今回の事件について話したり、北欧のお話などするかもしれませんし、別の話をかもしれません。
GMは良いところでシーンを終えてください。
PC2
次の日、PC2は北森まもりに公園に呼び出されます。
公園につくと、まもりが椅子に掛けており、PC2を見つけると手招きして呼び寄せます。
「昨日はごめんね。迷惑かけちゃったみたいで。」
そう彼女は話を切り出す。
昨日、自分が見つかりにくい丘の場所で寝てしまい、探すのが大変で迷惑をかけてしまったこと。
父親と話し合いをして、記念碑を建ててもらうことにしたことを話します。
「ありがとう、本当に感謝してる。」とても穏やかな顔で彼女は話した。
しばらく談笑した後
「あ、もう行かなきゃ!それじゃあ!」
彼女はその場を去った。
その直後、PC2の親神から依頼があるから万神殿にむかってくれという連絡が来る。
あなたの足はとあるコーヒーチェーン店へと向かっていく。
共通エピローグ
・PC達はまた親神から依頼があるから万神殿に向かってくれと言われます。
万神殿につき、PC達は指定された部屋に向かいます。
部屋に向かう途中、同じく部屋に向かっているであろう「穂村あきら」と出会います。
「また一緒ですね。よろしくおねがいします!」
彼と一緒に万神殿の一室につく。
部屋に入るとそこにいたのはギリシャの英雄ヘラクレス、そして
神子(アマデウス)に覚醒した「北守まもり」だ。
彼女との記憶の海をたどる旅が始まる。
PC1
暗示
あなたは未来を幻視する。
大吹雪の中、運命共同体とともに怪物と戦う自分の姿を。
寒さに凍え、震えながらも勇敢にも怪物に立ち向かう自分の姿を。
あなたの【任務】は怪物を倒すことである。
【真実】
またあなたは北欧神群の主神オーディンから予言を授かる。
「この冒険でお前は新たな力を得るだろう」
この【真実】が公開された時、自分の中の力が覚醒し、
好きなインガの領域に3つ配置し、活力の振り直しを行うことができる。
トリガー:判定に三回以上成功する。
PC2
暗示
「まもりが行方不明になった。」
あなたの友人「北守まもり」の父親から電話がかかってきた。
その直後、あなたの親神から万神殿に来てほしいと夢を通して連絡をもらった。
こちらもこちらで忙しいというのにどうしてこんな時に。
あなたの【任務】は絶界を開放することである。
【真実】
大きな城の謁見室、体の大きさにとても合わない大きな玉座に座るうつろな目をした「北守まもり」
そして彼女に憑依している怪物の影をあなたは幻視した。
あなたの本当の【任務】は彼女をこの絶界から救い出すことだ。
この【真実】が三サイクル終了時まで公開されなかった時、絶界が氷の世界になり、魔界となる。
この【真実】が公開されたとき、クライマックスフェイズに移行することができる。
トリガー:怪物の正体が判明しており、丘の【真実】が公開される。
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