■はじめに
ご覧いただきありがとうございます。
このシナリオは、バディアクションRPG「ガーデンオーダー」のPL1~4人用のシナリオです。
採用しているルールの関係上、基本、上級ルールブックともに必須となります(できればGM・PC1の2人とも持っているといいです)。
ソウルエンコーダーのヒロインとPC1が仮でバディを組んで行動する、ガーデンオーダーならではのシナリオとなっています。
(PC1とヒロインのバディはあくまで仮のものであるため、今シナリオでは両者ソロスタイルとして行動することとなります)
少々変則的かつPC1の制限が多いシナリオですが、楽しんでいただければ幸いです。
■お問い合わせ
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できるだけ早く返信するようにしますが、少々お時間いただくこともございます。ご了承ください。
■プリプレイ
・シナリオスペック
推奨PC人数:1~4人
推定プレイ時間:3~4時間
・シナリオの舞台
地域指定なし、大型ショッピングモール
・シナリオの概要
思い思いに休日を過ごすPC達。町一番の大型ショッピングモールに訪れたPC1は、そこでネフィリムの強襲を受ける。
苦戦を強いられ、死を覚悟するPC1。そこにたまたま落ちていた武器―ソウルエンコーダーのヒロインは、PC1に協力を仰ぐ。
程なくして、様々な理由からショッピングモールに訪れたPC達。協力してネフィリムを撤退に追い込み、PC達は一度GARDENに帰還する。
そこでヒロインから、あの場所にいた理由と、バディである女性を探してほしいとの依頼を受けることとなる。
本シナリオは、ショッピングモールを襲撃したネフィリムを討伐すれば終了となる。
・推奨サンプルキャラクター
PC1:ソードブレイカー(基本P108)
PC2:ミーティア(基本P110)
PC3:スノウエッジ(基本P112)
PC4:クロスファイア(基本P114)
・PC間コネクション
PC間コネクションはPC1→PC2→PC3→PC4→PC1の順に取得する。
■プレイにあたって
いくつか注意点が存在する。特にPC1を担当するPLにはきちんと伝え、よく相談しておくこと。
・プレイヤーの人数が少ない場合は、PC番号の若い順にハンドアウトを選ぶ。
・シナリオの特性上、PC1は技能「近接攻撃」をメインに使用するPCを推奨する。
・PC1が扱う武器は「ソード」を推奨する(ヒロインのソウルエンコーダーが「量子化:武器」でソードを選択しているため)。
■トレーラー
平穏は、さも当然の如く崩された。
突如現れたネフィリムの軍団。為す術もなく蹂躙される人々。
一人取り残されたその武器は、そんな様子をただ見ているだけ。
一人では何もできない無力さが、無形の心を支配する。
そんな中、彼を拾い上げる一人のオーダー。
彼らは出会い、そして物語は動き出す。
彼らはどう動き、どのような結末を辿るのか。
そして、人類たちの運命やいかに。
ガーデンオーダー 「人と兵器を繋ぐモノ」
―仲間と共に、闇に蠢く彼の敵を討て!
■ハンドアウト
PC1 ソロスタイル
コネクション:一振りの武器 関係:仲間
キミはGARDENに所属するオーダーだ。
ある日、休暇を与えられたキミは街中のショッピングモールへ足を向ける。
思い思いに休暇を満喫していたその時、突如として巨大なネフィリムが出現した。
オーダーとして立ち向かうキミだったが、相手はとても強く、一人ではとても太刀打ちできない。
死を覚悟したそのとき、キミの耳が誰かの声を拾った。
PC2・3 バディスタイル
コネクション:PC1 関係:庇護
キミ達はGARDENの中でも優秀なバディだ。
ある日キミ達はGARDENに召集され、緊急の案件を任される。
なんでもショッピングモールに巨大なネフィリムが出現し、オーダーが一人で戦っているようだ。
状況を把握したキミ達は、一刻も早くショッピングモールへ向かうことにした。
PC4 ソロスタイル
コネクション:知り合い 関係:家族or友人
キミはこの街に住むオーダー、またはエキスパートだ。
何もすることがなく無為に時を過ごしていたキミの耳に、臨時ニュースが飛び込んでくる。
どうやら街中のショッピングモールに、巨大ネフィリムが出現したらしい。
そのショッピングモールにキミの知り合いがいることを思い出したキミは、知り合いの安否を探るべく現場に急行した。
■NPC
アルマス(http://charasheet.vampire-blood.net/1680888)データ編集用パスワード「Scenario」
本シナリオのヒロイン。本名は本田 一斗(ほんだ かずと)。
肉体があった頃は筋骨隆々な男性であり、氷の棍棒を作って攻撃する接近戦攻撃型だった。
ソウルエンコーダーとなってからはバディに自分を振るってもらうほか、特性能力による攻撃手段も得ている。
フラッシュレイン
本名は本田 光香(ほんだ みつか)。アルマスのバディであり、また夫婦関係にある。
ショッピングモールでネフィリムの強襲を受け、アルマスを助ける代わりに死亡。ヒントとなるペンダントを遺す。
※これ以降はシナリオ本編となります。
■オープニングフェイズ
シーン1:平穏は突如として砕かれる
PC1のOP。他PC登場不可。
休暇中のPC1がショッピングモールへ遊びに行くシーン。
ある程度好きなように演出してもらったら、突如ネフィリム出現。戦ってもらう。
この時PC1が武器を持っているPCならその武器を破壊する。
ある程度危機的状況に持って行ったところで、PC1はこんな声を耳にする。
「おっ、お前もオーダーか。運が良かったな」
辺りを見回すが、生きている人の姿は見当たらない。
その代わり、足元に一振りの武器が落ちていることを確認する。
するとそれに応えるように、武器に取り付けられた機械のようなものが点滅し、声を発する。
「おう、ソイツ。お前が今不思議そうに眺めてる武器。それが俺だ」
PCのリアクションを見た後、ネフィリムに気付かれ、咆哮する。
すると機械の点滅がより激しくなる。どうやら焦っているらしい。
「説明は後だ。お前の戦闘スタイルなら、俺をちゃんと扱えるはずだ。
まずは眼前の敵を倒し、GARDENに帰還するぞ!」
PCが彼を手に取ったところで、シーン終了。
シーン2:出動要請
PC2・3のOP。他PC登場不可。
思い思いに過ごすPC達の元へ、緊急招集の連絡が入る。
支部へ向かうと、パースエイダー(基本P232)が出迎えてくれる。
「PC2、そしてPC3。お待ちしておりました」
「用件を端的にお伝えします。この街のショッピングモールで巨大ネフィリムが出現しました」
「現在、オーダーが一人で応戦している模様。しかしそれ以外に状況が掴めていません」
「お二人には至急現場へ向かい、ネフィリムを討伐していただきたいのです」
PCが了承し、ショッピングモールへ向かったらシーン終了。
シーン3:臨時ニュース
PC4のOP。他PC登場不可。
思い思いに過ごすPCの耳に、とある臨時ニュースが飛び込んでくる。
(端末はテレビやラジオ、スマホのニュースサイトなど何でもいい)
「速報です。○○市のショッピングモールに巨大なネフィリムが現れた模様です」
「現在死者、行方不明者共に調査中。GARDENの支部も対応に追われているとのことです」
そのニュースを聞いて、キミは知り合い(家族や友人など)がそのショッピングモールにいることを思い出す。
PCがショッピングモールに向かったらシーン終了。
■ミドルフェイズ
シーン3:攻防
全員登場。PC達とネフィリムの戦闘となる。
集合し多少RPした後、ランク6ハーピー(基本P247)と戦闘。1点でも致命傷に入ったら戦闘終了、ネフィリムは逃走する。
なお、ハーピーはPC側の人数によって軽傷以降のゲージ数を調整する(調整の方法は基本ルルブ掲載のシナリオを参照)。
戦闘終了後、アルマス(ヒロイン)が喋る。
「お前ら強いな、助かったぜ」
「ああ、俺は『アルマス』。ソウルエンコーダのオーダーだ」
「詳しい話はGARDENでする。とりあえず、ここから出ねえか」
ショッピングモールを出ようとしたとき、PC番号の大きいPCが楕円型のペンダントトップを見つける。
(このペンダントトップは今後の流れで重要になってくるため、できるだけしっかり描写すること)
多少演出してシーン終了。
シーン4:捜索依頼
全員登場可。GARDEN支部内でアルマスの依頼を受けるシーン。
アルマスの身体検査が終わった後、支部長とヒロインから報告を受ける。
「お待たせしました。あなた達が救出してくださったアルマスの検査が終了しました」
「外傷もほぼ無く、行動にも問題はありません。皆さんのおかげです」
「それで、彼からお話したいことがあるそうです。聞いていただけますか?」
「さっきはスマン、おかげで助かったぜ」
「それで…話なんだけどよ。PC1、俺と即席でバディを組んでくれねえか」
「俺には正式にバディとして登録されてる奴がいるんだが…あのネフィリムに襲われて離れ離れになっちまった」
「個人的な依頼で申し訳ないが、俺のバディの捜索をしたい。頼めるか?」
「(了承する)悪いな。即席のバディだが、よろしく頼む」
了承したらシーン終了。
■情報収集
※技能については特に指定なし。PLからの提案に乗り、臨機応変に対応する。
またPLが情報収集に行き詰った場合、アルマスのRPで「アルマスのバディについて」や
「ペンダントトップについて」の情報を与えるとスムーズに進みやすい。
・現れたネフィリムについて
交戦中の外観や戦闘状況から、ランク6のキメラ級ネフィリム、ハーピーと判断する。
ネフィリム召喚には人間の死体が多数必要であるが、今回は突如現れたもののため
召喚されたものである可能性は低いだろう。
また神出鬼没のため、次いつ現れるかは不明である。
・アルマスのバディについて
コールサイン「フラッシュレイン」。アルマスとは夫婦関係にある。
ショッピングモールでの強襲後に行方不明となっているが、何か手がかりがあれば追うことができそうだ。
→アルマスにバディについて尋ねれば、「楕円型のロケットペンダントを身に着けていた」と言われる。
・ショッピングモールについて
町内で一番大きなショッピングモール。週末は多くの人が出入りする。
かつて世界大戦時に使われた巨大軍事施設の跡地に建っており、これがネフィリム出現の引き金となった可能性は高い。
・ペンダントトップについて
楕円形の、金色のペンダントトップ。
よく見ると留め具があり、開くようになっている。
→PCが開くと宣言すれば、中に筋骨隆々の男性と黒髪にポニーテールの女性が
仲睦まじそうに微笑んでいる写真が入っていることが分かる。
シーン5:残酷な真実、そして
全員登場可、情報を全て抜いた際に発生。GARDENでロケットペンダントの調査を受けるシーン。
精神投影のオーダー(PCがやってもいいかもしれない)が調査し、その結果を伝えられる。
「調査が終了しました。…その結果、残念ですが、フラッシュレインは既に死亡している可能性が高いことが判明しました」
「ネフィリムの攻撃を受け、貴方と離れ離れになった後。武器を失った彼女は、我々に連絡をしようとしたようです」
「しかしその隙にネフィリムからの強襲を受け…。読み取ることができたのはここまでです」
「…冗談だろ?アイツがそう簡単に死ぬわけねえだろ」
「頼む。なあ、嘘だと言ってくれよ」
「(PCに声をかけられる)…悪い、一人にしてくれ」
PC達が部屋を出たらシーン終了。
シーン6:武器は語る
全員登場可。アルマスが過去について語るシーン。
数時間後、様子を見に行ったPC達が部屋に戻る。ノックをすれば「PC1か?もう大丈夫だ、入ってくれ」と返答してくれる。
入ればそこには出た時と同じく、一振りの武器がそこにある。
「さっきはすまねえ。取り乱した」
「…なあ。俺のくだらない昔話になるが、聞いてくれねえか?」
「(了承する)…悪い」
「俺にとってアイツは、もう一つの魂みたいなものだった」
「俺がネフィリムにやられてこうなっちまった時、アイツ自分のことみてーに泣いてくれてよ」
「カメラ越しだったけど、その顔見て思ったんだ。…もうアイツに、あんな悲しい想いはさせねえ、ってな」
「(自嘲気味に笑って)でも現実はこうだ。俺はアイツを守るどころか、死の瞬間にすら立ち会えねえ」
「…馬鹿だよな、俺」
「(PCの話を聞いて)お前ら…。ありがとよ、慰めてくれて」
「…なあ。最後に1つだけ、頼んでいいか?」
「あのネフィリムを倒すため、もう一度協力して欲しい。アイツだけは、俺が倒さねえと気が済まねえ」
「(了承する)…ありがとよ」
PC全員が決意を固めた直後、支部内に緊急放送が響き渡る。
「ケースN、発生。ケースN、発生。ショッピングモールで巨大ネフィリムの発生を確認。
オーダーは至急、討伐に向かってください。繰り返します。ケースN、発生。ケースN、発生…」
「早速来たか。準備はいいか?」
「(了承した)よし、PC1。向かってくれ!」
PC達全員が向かったらシーン終了。クライマックスへ。
■クライマックスフェイズ
シーン8:いくつもの想いを抱えて
全員登場。シナリオボスとの戦闘シーン。
ショッピングモールに駆けつけると、あの時と同じ―いや、あの時よりも数を増したネフィリム達が現れる。
どうやらここに散らばる遺体を媒介に現れたもののようだ。遺体の中にはおそらく、彼の妻のものもあるのだろう。
「チッ、数が増えたか。まあいいか、何人来てもやることは一緒だしな」
「(PC達へ)お前ら、巻き込んですまねえな。最後まで、手ェ借りるぞ」
「(ネフィリムへ)来い、化け物!俺の大切な者を奪った罪、その身で償ってもらうぜ!」
その声に応えるかのように、ネフィリム達は咆哮し、襲い掛かってくる。
戦闘開始。全員同一エリア(望むPCは別エリアにいてもよい)で、敵と仲間同士でエンゲージが分かれている。
敵はランク6ハーピー1体、ランク2ベルクリケット(基本P245)が(PC人数)体。このPC人数にはヒロインを含む。
■エンディングフェイズ
シーン9:バディ結成、そして
全員登場。支部に戻ると、パースエイダーがにこやかに出迎えてくれる。
「皆さん、お疲れ様でした」
「PC2、PC3。貴方達に頼んで正解でした。ご協力、感謝致します」
「PC1、アルマス。お二人ともお疲れ様でした。素晴らしいコンビネーションだったと聞いています」
パースエイダーが各々に感謝を述べると、アルマスが口を開く。
「ああ、その、バディのことなんだが…」
「おや、どうされましたか?」
「これは、俺の提案ってだけで、強制力は全く無いんだけどよ。
PC1と俺を、正式なバディとして認めてくれねえか」
そう言われたパースエイダーは一瞬目を丸くした後、にこやかに微笑む。
「ええ、私はもちろん構いませんが…。
PC1、貴方はいかがですか?」
「(PC1が了承した)良かった、お前とはまた一緒に戦いたいと思ってたんだ。
それじゃあ改めて、よろしく頼むぜ、(PC1の名前)!」
PCが反応したらシーン終了。この後、個別のEDに入る場合はそれぞれ描写してもらう。
■改変について
・ヒロインについて
このシナリオで最も自由度が高いのが、ヒロインであるソウルエンコーダーのデータだと思います。
今回はシナリオ内で指定していますが、先にPC1のデータを提出してもらい、それに合わせてデータを作成してもよいでしょう。
その場合はPC1に扱う武器を指定してもらい、それを「量子化:武器」の外見に選択してデータを作成するのが良いと思います。
また技能の縛りも緩和されるので、「銃器」や「飛び道具」の技能を使用して攻撃するキャラクターでもPC1になることができます。
その場合、上級に掲載のサンプルキャラクター「レーヴァテイン」のデータが参考になるでしょう。
たまーにダブルクロスやガーデンオーダーのシナリオを書いては投げているかもしれない。 急な要件があればURL先で受け付けます。
https://twitter.com/ritokkuri
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