2018年05月11日更新

キノコの森

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:1時間(テキストセッション)

非常に短くて単純な突発的ネタシナリオです。
元は、あえてPLを発狂させる目的で作成したものなので、各所KPさんで調整してください。
【推奨技能】なし 【プレイ時間】テキセ30分~1時間

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ストック

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キノコの森
 
あなたは薄暗い場所で目が覚めた。
足元には草と土が広がり、周囲は木々で覆われている。森のようだ。
空には雲も星も月さえなく、塗り潰したような黒色だった。
だが、不思議と景色は問題なく見えている。
 
★不可思議な状況 [SANチェック 0/1d3]
 
「お待ちしておりました、お客人様。さあ、こちらです」
 
と、喉の潰れたような声が話しかけてきた。
声の主はあなたの足元に立ち、こちらを見ている。
それはあなたの膝ほどの高さしかないほど矮躯で、異様に尖った耳と鼻をしている。
苔色の肌は人外であることが明白で、ギョロっとした双眸を向けていた。
 
★[知識orアイデア] 成功→あなたはそれがゴブリンではないかと思う。
★異形との遭遇 [SANチェック 0/1d3]
 
あなたが彼についていくと、案内された先は木々が開けた空間だった。
きらびやかな装飾に包まれ、森の中だというのに城のパーティを思わせる。
広いテーブルにはご馳走が所狭しと詰められ、辺りは不思議な発光体が雪のように漂っていた。
 
「やあ、ようこそ神聖なる祝祭へ。今日は楽しんでいってくれ」
 
降ってきた声にあなたは顔を上げる。
正面には、金髪を輝かせた見目麗しい長身の男が玉座に腰掛けており、優雅な手つきで歓迎のポーズをとった。
玉座の横には片方に馬、もう片方に狼が控えており、彼の肩には小さなキツツキがとまっている。
その玉座は、まるで巨大なマッシュルームのようであった。
 
「僕はロビグス。君の名は?」
 
彼の瞳を見ていると、なぜか体が浮いたように力が入らない。
夢見心地とでも言うのか、ただただその姿に目を奪われる……。
 
「さあ、お前たち出ておいで。――宴を始めよう!」
 
ロビグスが手を打つと、周りの木という木の影から、ぞろぞろと何かが出てくる。
その集団はふたつに分かれ、ひとつは玉座の近くに並び、ひとつはあなたの周囲に広く輪を作った。
 
それは、全てキノコだった。
 
エリンギ、マイタケ、ブナシメジ、エノキダケ……
馴染みある姿から、毒のありそうな色をしたもの、見たことのないもの。
それら全てが個性ある顔をもち、手足を自在に操っている。
また大きさも、普通のキノコより巨大で、人の子ほどはあると見える。
 
★不気味な動くキノコ [SANチェック 0/1d4]
 
「では、ミュージックスタート」
 
ロビグスが指を鳴らすと同時に、玉座の前に整列したキノコらが、かさを震わせて不気味なハミングを始めた。
そしてあなたを取り囲むキノコらは、曲に合わせて踊りだす。
 
「そこに座りたまえ。食事も自由に食べてよいぞ」
 
あなたの傍へ、二人のブナシメジが椅子を運んできた。
続いてシイタケが、皿とフォークを持ってきてくれる。
ロビグスの方へはマツタケが懸命に食事を運んでいく。
 
「君はどこの人間だ? ぜひ話を聞かせてくれ」
 
ふと、茂みの奥からガサガサと音がした。
一同がそちらへ目を向けると、瞳孔を鋭どく光らせたクマが、唸り声をあげていた。
 
「……すまない、どうも楽しいあまり結界が緩んでしまったようだ」
 
キノコらの歌がピタリと止まる。踊っていたキノコらも、まるで映像を一時停止したように動かない。
音のない森になった場所を、クマは無遠慮に足音を鳴らして踏み込んでくる。
 
そんなクマを見据えるロビグスは、冷ややかな表情で右手を上げた。
その途端――クマの姿は消えた。
賑やかなキノコらの音が戻ってくる。……クマが居た場所には、巨大なナメコが転がっていた。
 
「さあ、饗宴の続きを始めよう」
 
ロビグスは穏やかに微笑みかける。
輪になって踊るキノコらがナメコを引きずり、輪に加えていた。
そして輪に加わった巨大ナメコは、クマであったことなど忘れて踊りだす。
 
★怪奇現象 [SANチェック 1/1d4]
 
「君はいいね、僕は君のことをとても気に入ったよ」
 
ロビグスは膝に乗せたベニテングタケを撫でながら微笑みを向ける。
 
「僕のところにおいで。楽しい夢を、ずっと見せてあげよう」
 
発光しながら浮遊する胞子をその瞳に映し、煌めく視線があなたを射すくめる。
踊るキノコらは、心なしかその輪を縮めている気がした。
風の吹く背後へ首を回すと、小さなテールランプのような赤い光が無数にあった。
それが全てゴブリンの群れの目であると気づくのに、時間は要さないだろう。
 
★幻想的誘惑 [SANチェック 1/1d3]
 
ロビグスの右手が、ゆっくり上がる――
 
★[POW20と対抗]
※探索者が複数いる場合、誰かひとりです。視線に釘付けになってしまった探索者を助けることができます。
 
【失敗】

心臓が飛び上がって、そのまま喉から出てしまいそうだった。
一瞬の閃光のあと、眼前は闇に覆われる。
体の中心から指先まで神経が眠りについていく。
 
耳に、ドサリと音が響く。
それが自分の倒れた音なのだと気づいた時には、神経は既に起きていた。
 
「おはよう。そして、改めて歓迎するよ」
 
自分を覗きこんでくる美しい男の顔。
ロビグスの瞳には、真っ白なドクツルタケが映っていた……。
 
★今日からお前はドクツルタケだ [SANチェック 1d4/1d8]
 
※ロビグスに助けを乞う、攻撃等で機嫌を損ねる、で生還ENDへ
※何もしないとキノコENDへ
 
【成功】

パチン、と眼前で何かが爆ぜた。
右手を上げたままのロビグスが、呆気にとられ驚愕の顔を向けている。
 
※ロビグスに攻撃等で機嫌を損ねると生還ENDへ
※何もしないともう一度POW対抗に戻る
 

 
・生還END
 
あなたはハッと目が覚める。
普段見慣れた、自宅近くの道だった。
奇妙な宴から元の場所に戻されたあなたは家に帰る。
しかし家に帰ったあなたは、ここからが本当の狂宴だと思い知ることになる。
 
ベッドにキノコ、天井にキノコ、床にひしめくキノコ、流し台にはカビ。
キノコ、キノコ、キノコ、キノコ……家中がキノコで埋め尽くされていた。
それらは、動きこそしない普通のキノコであった。
だが至る所から、次々にキノコが溢れてくる……!
 
★おまえんち、キノコ屋敷 [SANチェック 1d3/1d6]
 
このキノコの襲撃は、専門業者に殺菌剤をまいてもらうまで続くのだった。
 
 
・キノコEND
 
マイタケとエリンギが歩み寄り、あなたの手を引く。
ロビグスは高々と笑い、輪になったキノコらは拍手をし、合唱団は祝福を歌う。
輪に加わったあなたの足は、なぜか知らないはずのステップを踏み始めた。
そうして周りのキノコらと同じように、宴を彩り続ける……。
 
★人間を辞めた日 [SANチェック 1d10/1d20]
 
まだあなたに正気があれば、戻るチャンスがあるかもしれない。
もしくは誰かがこの宴に招かれ、あなたを救う時がいつかやってくるかもしれない。
いつか、その時まで。
 

 
【クリアボーナス】
生還END 2d6のSAN回復
博物学 +2%
神話技能 +2%
 
【ロビグスについて】
詳細はマレウス・モンストロルムp.258を参照。
STR:30 CON:21 SIZ:15 POW:20 DEX:20 APP:18 HP:18
 
【備考】
当シナリオを使用したセッションのリプレイの公開は自由です。
シナリオの改変も制限はありませんが再配布はご遠慮ください。
ご覧いただきありがとうございました。
 

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