2020年10月16日更新

PL一人用『変わることのない館』【インセイン】

  • 難易度:★★★★|
  • 人数:1人~1人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

今日も明日も変わることはない。ただ同じような一日を過ごすだけ……のはずだった。
『変わることのない館』

・不思議な館でとある優しい家族と一人の可愛い使用人との日々を送るPL一人用シナリオです。

◎インセインの仕様を逆手に取った新鮮なギミック・屋敷のNPC達との日常・非日常RPを楽しめる
◎GMも最後までPLのロールプレイを楽しめる予想のつかないエンド分岐

★その他
感想をつぶやく際にはぜひ#変館 をご利用ください。ネタバレを含む場合はふせったーやぷらいべったー等をご利用ください。
その他、不明点・質問等ありましたら@watermyst までお願いします。必要に応じて加筆修正いたします。

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ストック

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コメント

PL用情報

ワールドセッティング オリジナル
タイプ 特殊型
プレイヤー人数 1
リミット (PLには非公開)
狂気カード枚数 (PLには非公開)
想定プレイ時間 1~2時間
使用ルルブ インセイン1のみ
備考 継続PC不可
 

★事前公開情報

PCは何らかの事情(キャラメイク時に決定)で誘土家の館に客人として住まっている。客人ではなく誘土家の親族でもよい。
誘土家の人間は主人の暮道、その妻の久美子、メイドの定見照がいる。
 
クライマックスフェイズにおける戦闘は無い。
 
 

▲任意ハウスルール

・セッションのコンセプトに大きく影響を及ぼすため嘆願の取得禁止
・メインフェイズ中に自分の判定の振り直しに「武器」を使用可能。
 
 

★トレーラー

あなたはいつからかこの館に住んでいる。
きっと明日も明後日も、この閉ざされた館の中でだけ生きていく。
なすべき使命などあるのだろうか、どうせあなたの生活は何も変わることはないのに。
インセイン『変わることのない館』
 
 
 
 
 

以下GM用情報

 
 
 
 
サイクル数:2 狂気カード:4枚
このシナリオはループものである。1回セッションが終了しても本終了条件を満たしていないそのまま2セッション目を開始する事。
また、このシナリオを回す際にはシーン開始時にそのシーンに登場するNPCをPLに確認するようにしてください。(定見の秘密に関係するため。ルールブックP195参照)
 

★ハンドアウト情報

初期公開ハンドアウト
 

PC1

使命: 自分はいつからかこの誘土家の館に住んでいる。しかしそれがいつからか、その前に何をしていたかなんてもはやどうでもいい。この平穏な生活さえあれば自分は満足だ。
あなたの使命はない。
秘密:なし
 

NPC誘土 暮道(ゆうど くれみち)

使命: 館の主。人からは少し気難しい性格のように思われがちだが、本当は優しい。書斎で本を読むのが好き。
秘密:ショックなし
自分はいつからかこの誘土家の館に住んでいる。しかしそれがいつからか、その前に何をしていたかなんてもはやどうでもいい。この平穏な生活さえあれば自分は満足だ。
あなたの使命はない。
 

NPC誘土 久美子(ゆうど くみこ)

使命: 暮道の妻。とてもおっとりとした性格で、物忘れをすることが多い。誘土との仲は円満のように見える。
秘密:ショック全員
-Access Denied-
あなたのクリアランスレベルにはこの職員の情報は開示されません。あなたが正規職員の場合には指定された4桁の職員IDを30秒以内に入力してください。
????
 

NPC定海 照(さだみ てる)

使命: 「私は、誘土家の家事全般を担当していますメイドの定見照と申します。以後、お見知りおきください!
私には皆さまにお隠しするようなこと、つまり秘密にしていることなどは一切ございません。何かお困りの際にはすぐにお申し付けください!」
秘密:ショック全員
恐怖判定:機械
定見照は人間ではない。あなーの正体はアンドロイドAIだ。
あなたの基幹命令は「自分の正体を知られないままに誘土家の世話をする。ただし職員IDを確認できない誘土家で生活している人ーに正体が露呈してーまった場合にはすぐにしーるべき対応を行う。」こーだ。
 

HO図書室の本

使命: 図書室に所蔵されている本。ロボットやAIについての本が多いように見える。
秘密:ショックなし
改定ロボット三原則
一。アンドロイドは所有者の前で人間に危害を加えてはならない。
二。アンドロイドは所有者にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
三。アンドロイドは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
 
 
 

条件を満たすことにより公開されるハンドアウト

 

公開条件→誘土久美子の秘密調査時のマスターシーンで暗証番号の入力に成功

誘土 久美子秘密2

使命: 誘土久美子の追加秘密。
秘密:ショック全員
誘土久美子は仮名であり、本当は彼女は誘土家の人間などではなく株式会社ブレインズホリデーの実務研究員である。
楽園プロジェクトの実施にあたって実際に被験者と共に仮想空間にダイブし、内部からプロジェクトのサポートを行うとともに各被験者のケアに当たっている。
 

公開条件→誘土久美子の秘密調査時のマスターシーンで暗証番号の入力に成功したマスターシーン終了時

HO楽園プロジェクト計画データ

概要: 楽園プロジェクトと呼ばれる計画について記載されているらしきデータ。
あなたの目の前の空中の空間に表示され続けている。
秘密:ショック全員
概要
人生の苦しいこと・辛いことに疲れた人に安定した余生を送ってもらうことを商品化し、被験者の合意の下に過去の記憶を消去し、仮想空間上で新たな人生を送ることのできるプロジェクトである。
このプロジェクトにおいては高度のストレス要因となりうる変化を極力取り除くことを重要視しており、被験者の記憶を睡眠時にリセットし、同一の建物内で同一の1日を繰り返すことで、被験者が寿命を全うするまで平穏な生活を送り続けられるようにする。
 
注釈
職員が仮想空間から脱出できないような緊急時には、就寝前に自室で自分の職員IDを宣言したうえで退出する人間の名前と共に「プロジェクト・レフト」と発声する事。
また、なんらかの形でプロジェクトに問題が生まれ被験者の記憶などに問題が生まれた場合には同様に自室で自分の職員IDを宣言したうえで「プロジェクト・リブート」と発声する事。

オプション秘密

※仮に定見照のイベント発生条件をPLがわからず、手詰まりのような状態になってしまった場合、図書室の本を再度調べた際に以下の情報を追加で渡すとよい。渡さなくてもよい。

秘密2:ショックなし

アンドロイドは基本的には改定ロボット三原則に従って行動するようになっているが、まれに基幹命令部分のバグなどによりこれを遵守できない個体が現れることがある。こういった個体を制御するため、多くのアンドロイドには緊急停止用のコマンドが設定されている。こういったコマンドには外部の人間には利用できないように内部の人間しか知りえないようなコードや内部の人間かどうかを判別できるようなIDが利用される。

 
 

★導入シーン

長い夢を見ていたような気がする。長い長い夢を……。
ジリリリリリリリリリリ。
甲高い目覚まし時計の音があなたの耳元で響く。
今日は何月何日だっただろうか、頭がまだはっきりとせず、あまり思い出せない。
ひとまず上体を起こして辺りを見回してみる。いつもの部屋、のはず。
(1週目のみ描写★)大きなベッド。本が詰まった三段の本棚。曇って見通しの悪い正方形の窓。そして、重々しい木製の扉。(★)
 
そしてあなたの覚醒を待たず、あなたが見ていた扉は向こう側から開かれ、一人の少女が姿を現した。
「お目覚めですか?おはようございます、〇〇様。朝食の準備ができました、食堂で皆様がお待ちですよ。」
(1週目のみ描写★)イギリス調の白い本格的なメイド服を着た女性。顔にはまだ年相応の幼さが残っているが、その所作はきびきびと無駄のないもので、彼女がその服に見合う努力を積んできたことがうかがえた。(★)
「本日は、暮道様のお誕生日ですので、夕食のお時間は6時に早めております。お忘れなさらないでくださいね」
(反応があれば受け答えする)
 
そう言うと、彼女は丁寧に一礼をし、部屋を後にした。
今日も、いつも通りの一日になるのだろう。朝食の香ばしい香りが届く。早く向かわなければ。
着替えて、部屋を出て、赤じゅうたんの引かれた長い廊下を歩きながらあなたは考える。こうして朝の準備を終え、頭がはっきりとしてきても依然今日が何月何日なのか
(1週目のみ描写★)そして昨日何をしていたのか(★)
はっきりと思い出すことができないような気がする。まるで何か、記憶にもやがかかっているかのように……
(2週目以降のみ描写☆)しかし、昨日何が起きたかはしっかりと覚えている。あれは……果たして現実なのだろうか。(☆)
初期公開ハンドアウトは誘土暮道、誘土久美子(秘密1の分のみ)、定見照、図書室の本の4つです。
 
 
 

★クライマックス描写

いつのまにか窓の外は暗くなっており、定見があなたの前に現れる。
「○○様、夕食の準備ができました。食堂までお越しください。」
それを伝えると彼女はそそくさと部屋を後にした。他の家族にもそれを伝えるためだろう。
あなたが食堂に着くと、既に暮道も久美子も食卓に着いていた。食卓の中央には大きなローストチキンが鎮座しており、否が応にもその食事に目を引き付けられる。
「あなた、お誕生日おめでとうございます!」久美子がいつも通りのゆったりとした口調で暮道を祝福する。
「ああ、ありがとう。お前が長年支えてくれたおかげだよ。」そしてそれに対して暮道が少し照れながらも久美子に感謝を告げる。
いつも通り、の円満な夫婦の光景。それを見ながら食事に舌鼓を打つ。定見さんの料理の腕もいつも通り素晴らしい。
そんな夕食を堪能した後は消灯時間になり、あなたは自室に戻ることだろう。
 

そしてあなたが眠る前に、一回の行動くらいの、任意のRPをすることができます。

窓を見た場合:恐怖判定:情景
 

※何もしなかった場合→

そうしてあなたは、いつも通り床につく。
明日は一体どんな一日になるのだろうか。そんなことを想いながらあなたはいつの間にか眠りに……落ちる。
シナリオ一旦終了
シナリオ終了と同時にループを行い、導入から改めてこのセッションを行う。詳しくはのちの「1回目のセッション終了時注意」の章を参照。
 

※職員IDとともにプロジェクトリブートと発声した場合

そうしてあなたは、いつも通り床につく。
明日からは一体どんな一日になるのだろうか。きっと、何も変わることのない、ゆっくりとした生活が待っているのだろう。そんなことを想いながらあなたはいつの間にか眠りに……落ちる。
 
長い夢を見ていたような気がする。長い長い夢を……。
ジリリリリリリリリリリ。
甲高い目覚まし時計の音があなたの耳元で響く。
今日は何月何日だっただろうか、頭がまだはっきりとせず、あまり思い出せない。
しかし、そんなことは今のあなたにとってはどうでもよいような気がした。いつも通りの、朝が始まる。こんな平穏な日常さえあれば、あなたは満足なのだから。
シナリオ本終了
 
 

※職員IDとともにプロジェクトレフトと発声した場合→

長い夢を見ていたような気がする。長い長い夢を……。
ジリリリリリリリリリリ。
甲高い音があなたの頭上で響く。
今日は何月何日だっただろうか、頭がまだはっきりとせず、あまり思い出せない。
ひとまず上体を起こして辺りを見回そうとしてみる。と、頭が何かにぶつかる。自分の体が、まるで繭のような形の機械に包まれているようだ。
(その機械を良く観察すれば、)自分の腰の横辺りに小さなボタンがあり、それを押せばシュゥ――――っと音を立てて先ほどまで体を包んでいた繭がほどけていくように開いていく。そうすれば、さきほどまであまりわかっていなかった周りの景色が見えてくる。自分の周りにも同じような繭の機械がところせましと並べられており、その数は何十、何百にも及び数えきれないほどだった。均等に並べられた繭たちそれぞれにはさっきまでの自分のようにそれぞれ人が一人ずつ入っており、まるで、病院のように思える光景だった。
そして、またあの音が鳴る。
ジリリリリリリリリリリ。
先ほど繭のなかで聞いた時よりも何倍かの大きさであなたの耳を貫く。
「セントラルプロブレム・発生。セントラルプロブレム・発生。コクーンNo.7258が開放状態です。直ちに職員は参加者をプログラムに帰還させてください。繰り返します。」
さあ、ここからどうするか。もうやり直しは効かない。一度きりの一日が始まるのだ。ずっと最初のページで止まっていた物語が動き出す、まだ、プロローグだ。
シナリオ本終了。
 
 
 
 
 

★マスターシーン

 

※誘土久美子の秘密の調査に成功し秘密を確認した際

ブーーーーブー―――ブーーーーッ!
突然、どこからかアラームのような轟音が鳴る。
ブーーーーブー―――ブーーーーッ!
辺りを見回せど館のどこかから聞こえているわけではない。そのけたたましい音はまるであなたの頭の中から聞こえてくるようだった。
物音で恐怖判定
 
そして、あなたはそんな物音よりもこの空間には異質なものがあることにすぐに気が付くだろう。あなたの目の前には……先ほどまで何もなかったはずの場所には……
 
-Access Denied-
あなたのクリアランスレベルにはこの職員の情報は開示されません。あなたが正規職員の場合は指定された4桁の職員IDを30秒以内に入力してください。
 
という内容の赤い文字が空中に表示されていた。何か画面のようなものがありそこに文字が表示されているわけではない。その文字はただ本当にその空中に存在しているのだ。
そして、その表示の右上の方にはタイマーのような数字があり、30.29とカウントダウンを進めているようだ。
 
 

※何もしない場合

あなたがその表示を前に慌てていると、いつの間にか赤い文字は消え、あのアラームの轟音も消え去っていた。まるでそれは白昼夢だったかのように、その空間は先ほどまでの空間と全く変わらぬ様子だった。そこにあるのは、ただそんなあなたを不思議そうに見つめている久美子だけだった。
 

※正しい番号を打ち込んだ場合

あなたがその表示に手をかざすと、0~9の10個の数字が浮かび上がる。そしてあなたは誘土久美子の職員IDを入力していくことだろう。
……最後の1桁を入力すると先ほどまでには表示されていなかった確定という文字が浮かび上がってくる。
その表示に手を触れると、目の前の真紅の赤達が反転し、淡い新緑へと変わっていく。文字の内容も変わっていた。
-Access Permission-
そう書かれた文字の下には、まさにあなたが知ろうとしていた情報があった。
(誘土久美子の秘密2の秘密を全体公開)
そして、あなたがその情報を確認し終えた時、あなたは気づくだろう。目の前の表示に若干の変化が起きている。楽園プロジェクト計画データ。そんな文字列が司会の右上に浮かび上がっている。これは一体……?
(HO楽園プロジェクト計画データを公開)
 
 
 

※定見照の秘密を確認した際

「どうされたのですか、〇〇様、そんなに私のことをご覧になって……」
定見はあなたの顔を覗き込む。
「もしかして、私の秘密……御存知になってしまいましたか?」
「なら、仕方ないですね。」
そういって彼女はあなたに向けてほのかに笑う。それは彼女のいつも通りの笑みのはずなのに、その笑みには、人間らしさというものが失われているような気がした。
「改めてご挨拶させていただきます。私は誘土家に仕える補助型アンドロイドAI TEL(ティーイーエル)、通称てると申します。」
「非常に残念なのですが、私の正体は、〇〇様にとっては禁忌情報と決められています。ですので、申し訳ありません」
彼女のうっすらとした細い右手には、いつの間にかその風体には似合わない代物が握られていた。彼女の掌の大きさと同じくらいの、金属の光沢をもった黒いハンドガン。一見しただけでは本物か偽物かの区別はつかないが、それがあなたをいやが応にも身構えさせる。
 

※久美子がいる場合

あなたと照が見合い、一瞬生まれた静寂を割くように、久美子は大きくため息をついた。
「はぁ、またTELのエラーね。私にまで麻酔弾を向けるなんて。エンジニア達にはよく言っておかなくちゃ」
「職員ID7624 TELシャットダウン」
すると、突然ゴトン!という重い音共に目の前の照が背中から倒れた。
そんな照を見やることもなく、どこか冷めた目の久美子はあなたを見る。
「はぁ、面倒くさいことになったわね。まあひとまず、今見たことは全て忘れて、眠りなさい。」
あなたがその状況を飲み込む前に、あなたの意識は……途切れた。
 

※久美子がいない場合

「安心して下さい、一晩寝たら全て忘れますから。そうしたらまたお仕えさせてください!」
瞬間、世界が明滅する。何が起こったのかを理解する前に、あなたの体はいつの間にか地に伏していた。
「おやすみなさい、〇〇様。」
その言葉を最後に、あなたの意識は……途切れた。
 
 

その他描写参考

※久美子に記憶消去が故障していることを話した場合

久美子が記憶消去機構が壊れていることに気付き、その場はごまかして追い返すものの、外部の開発陣に連絡を取ってしまいバッドエンドとなる。
 
こうなってしまった場合(もう10年・20年後に記憶消去機構に再度エラーが起きたという想定で)再度セッションをやり直してもよい。ゲームのコンティニューに近く、過去の記憶は保持していないため全く同じ行動をとったと仮定して久美子との会話部分から再開する形。
 

※久美子にTEL(ティーイーエル)や楽園プロジェクトについて質問した場合

定見照秘密調査時の久美子の反応と同じようにめんどくさそうにしながらPCを気絶させる。
翌日以降は久美子は記憶が正常にリセットされていると思っているのでいつも通りの平穏な反応をする。
 

★1回目のセッション終了時注意

終了アナウンス後にそのままシナリオ開始アナウンスをして導入シーンを読みあげ始めてください。
また、導入終了時に前回のセッションの記憶は残っている、ということをしっかりとPLに伝えましょう。
感情や狂気カード・ハンドアウトの公開状態、ステータスなどは全てスタート時と同様の状態にリセットしてください。
また、サイクル数が2サイクルであることを伝え、1サイクル目を午前・2サイクル目を午後としてRPの参考になるようにすること、

 
 

★狂気カード

セッション終了ごとに狂気リセットのため使用する最大枚数は三枚。濁流しないように4枚を推奨する。
『恐怖症』『記憶喪失』『依存』『かんしゃく』 (GMの判断で入れ替え可能)
 
 
 

★シーン表

1 静かな廊下だ。窓は少し曇っていて外の景色を確認することはできない。一体今日の天気はどうなっているのだろう。
2 書斎だ。空気が重苦しく、少し入るのにためらいを覚えるかもしれない。
3 図書室だ。気になる本はあっただろうか。
4 食堂だ。
(1サイクル目に訪れた場合)食卓にはアツアツのフレンチトーストがおいしそうな香りを漂わせながら並んでいる。
(2サイクル目に訪れた場合)今晩の夕食は豪華なものになるのだろう。
5 玄関ホールだ。なんとなく扉に触ってみたが開く気配がない。この館は一体……?
6 自分の部屋だ。ここにいると少し落ち着くような気がする。
 
 
 
 

★シナリオ背景・シナリオ解説

この世界は株式会社ブレインズホリデーの提供するサービス、楽園プロジェクトの中の仮想空間である。
仮想空間へのフルダイブ技術とコールドスリープ・クライオニクスによる肉体保存技術が組み合わさりできた機械により、プロジェクトに参加した人たちは体を朽ちさせることなく脳がその活動を終えるまで仮想空間で余生を過ごすことが可能となる。
このパッケージは非常に高価で一般人には一生かかっても払えないほどなのだが今回暮道・PCは生前相当の富裕層であったということでこのパッケージを購入することができた。
 
久美子は彼ら富裕層のプロジェクト参加者向けのサポート職員で、実際に仮想空間に一緒に入ることで彼らの生活の維持とプログラムの監視役となっている。また、定見はブレインズホリデーの所有するAIで、仮想空間内ではメイドとして参加者のサポートにあたっている。彼女には参加者が違和感なく館での生活を過ごせるように自身の正体を知られた場合には参加者を気絶させ記憶を強制的にリセットさせる役割も持っているが、作中ではバグにより職員の久美子にまで危害を与えかけることとなる。
暮道とPCはすでにこの空間で数十年を生きている。数十年間ずっと同じ一日を繰り返してきたがある日プログラムの些細なエラーで記憶のリセットが正常に作動しなくなり、物語が始まるようになっている。
 
ちなみにこの日より前にも何度かPCはこの世界について疑問を持ったり情報を調べたことはあったが、絶対に一日ではこの世界の秘密は調べきることができないためそのことごとくが失敗している。
 
プロジェクト参加前の暮道にはもっと家族から承認されたかったという欲求があったため、この空間では毎日誕生日が繰り返されており、職員は妻役となっている。
 
Access deniedの表示については当人以外には見えておらず、久美子や定見の前だったとしても彼らが怪しむことはない。
 
 
 

★本シナリオのハンドアウトについて

暮道:ハズレハンドアウト、暮道がPCと同じ立場であることがわかる。
久美子:本シナリオの核。一回調査しただけではアラートが鳴り職員IDを求められるのみで情報を獲得することができない。真の秘密を調査するには定見照のマスターシーンに久美子を同席させる必要がある。必須ハンドアウト。
定見:トラップ情報。調べてしまった場合久美子の有無にかかわらずその回は強制終了となってしまう。しかし久美子の職員IDを知るためにはこのハンドアウトを久美子同席のもとで調査する必要があるので必須ハンドアウト。
図書室の本:職員IDを知るために必要な情報。定見照の暴走を止めるには所有者を同席させることが必要であるとわかる。(ただし本シナリオ内の定見照にはバグがあるため所有者の前でも他人に危害を与えることはある。)
楽園プロジェクトデータ:本シナリオの目標となる必須ハンドアウト。このハンドアウトが公開される条件は久美子の秘密2を調査すること、なので職員IDを知っている状態で1サイクル目に久美子の秘密を調査しない限りこのハンドアウトの秘密は手番が足りず調査できない。

 
 
 
 
 
 

★シナリオの意図

このシナリオを楽しむポイントは3つ。

何回も繰り返し同じシナリオをプレイすることによる非日常館

そして久美子のハンドアウト調査によるアラート表示

定見照の正体判明シーン

である。
1. このシナリオの内容はインセイン2の「繰り返される惨劇」の「恐怖の輪」に近い。
ただし異なるのは、この世界は平行世界などではなく近未来の日本に存在する一つの機械の中の仮想空間であるということだ。すなわち繰り返す各セッションの間も、仮想空間外の人間はいつもどおり時間が進んでいる。
誘土久美子もその一人で、彼女は仮想空間内における意識のリセットが適応されていないのでこの仮想空間で数年間も暮らし続けてきた。(短時間のログアウトによる休暇はとっていたが)あまりにも変わらない暮らしの弊害か彼女の記憶能力には障害が出ている。仮にプレイヤーが積極的に久美子に接するのならば毎日違うことを忘れているRPをしたりセリフを日ごとに若干変更していったりすることで彼女の重要性をアピールしてもよいかもしれない。逆に他のキャラのセリフはなるべく毎回同じになるように注意してほしい。
2. これは秘密の調査というインセインのシステムを裏切ってみたら面白いのではないか、という発想から生まれた仕掛けだ。そのキャラが真に隠している秘密は盗み聞きをしたり人類学を活用するくらいではそう簡単にわかるわけはないだろう。仮にオンラインセッションで回す場合はココフォリアのカットイン機能などを活用し実際にAccess Deniedの文字やアラート音を鳴らしてあげるとさらに面白いかもしれない。
3. 定見照のRPにあたってはメイドとしての丁寧さだけでなく、少女ゆえのあどけなさ・かわいさを強調していってほしい。PLが定見を好きになればなるほど秘密の情報は大きくPLを揺さぶるだろう。
 
 
 

★NPCの性格について

誘土暮道:少し話下手で言葉足らず。ただし根底は優しく、PCが困っている様子であれば心配したり相談に乗ったりする。

楽園プロジェクトについて知らせても証拠を見せるまでは信じない。証拠を見せて共に脱出しよう、と持ち掛けた場合にも彼はこの空間に残ることを選ぶだろう。しかしそのことを久美子に密告するなどのPCへの妨害行為をすることはない。

誘土久美子:おっとりとした性格でゆっくりとしゃべる。RPに困ったらひとまず何かを忘れたようなRPをすると良い。暮道のことを愛しているような描写を強調。

定見照の秘密調査時のマスターシーンの際等正体が露呈している際にはそれらの性格とは全く逆の冷たい冷酷なRPをするとGOOD。

定見照:かわいい元気な少女らしさと、メイドとしての丁寧な仕事ぶりを常に一貫して演じてほしい。正体がバレた時にも基本的にその性格は変わらない。
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