2022年06月02日更新

【CoCシナリオ】拝啓、名前も知らない英雄へ

  • 難易度:★★★|
  • 人数:3人~4人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

初投稿です。初心者によるシナリオなのでおかしな部分があるかと思いますが、罵倒しながらプレイしていただけると喜びます。
このシナリオはPLがMTS協議会という秘密結社に所属しているエージェントとなって探索する、というものです
(MTS協議会は某SCP財団のパクリ…いや、リスペクトです。)
登場する神話存在はシアエガ、ゾンビで、内容はあまりお遊び要素の無いシリアス系になっています。
時代設定は現代ですが1693年の夏の地中海あたりに飛ばされるところから始まります。
なるべく読み進めるだけでプレイできるようにしているのでよろしくお願いします
リプレイ作品等を作る場合、コメントして頂けると助かります。

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ストック

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拝啓、名前も知らない英雄へ

注意

・推奨プレイ人数 3,4人
・時代設定は現代
・所持品はポケットに入る程度の大きさの物を許可してください。(拳銃など)
・推奨技能は「目星」、「追跡」です。
・PCには全員、「世界 神秘・伝承・魔術 協議会」(MTS協議会)に所属しているという設定を付けてください。面識はあってもなくても良いです。
・MTS協議会とは・・・魔術的、神話的脅威から人類を護る、世界的秘密組織であり、数多くのエージェントを擁していて探索者はそのうちの1人です。探索者たちは魔術的知識を少なからず有しています。協議会のエージェントはその首筋に協議会のシンボルである鴉のタトゥーが刻まれています。
・あらすじ・・・封印が弱まり解き放たれたシアエガによって破壊されつつある世界を救うために、探索者たちが協議会のタイムリープ技術を使い歴史を変えようとするが、未完成な技術は探索者たちの記憶を一部喪失させてしまう。探索者たちは人類の滅亡を止めるため、恐怖との戦いに身を投じる…
・続編を作る予定ですので期待して頂けると幸いです

導入

探索者たちは全員、暗く、深い、海の底にいる様な、しかし寒さや暑さを一切感じない、不思議な感覚を覚えます。辺りには自分以外に知覚できるものはなく、自分の手や足、身体までも触れることはおろか、感じることすら出来ません。そして何かを思いつくよりも先に、声が聞こえてきました。

「深層領域の定着化に失敗しました!F層に負荷がかかっています!」
「アンカー打て!絶対に見失うな!」
「テンポボラチャートシステムの準備が完了しました!」
「バイタルチェック!」
「基準値割ってます!」
「やるしかないな・・・NO.1からNO.4までシステム起動! 続けてNO.5からNO.7まで――」

聞こえていた声は次第に小さくなっていき、それと同時に自分が溶け出していくような、
より深く深く沈んでいくような感じを抱いた次の瞬間、一気に視界が晴れ、体の感覚も戻ってきます。
体の感覚を確かめ、辺りを見回してみると、そこには青い、青い海が果てしなく広がっていました。
そこで探索者たちは自分の足が地に着いていないことに気がつきます。そう、探索者たちは落下しているのです。
水面まで約5m、探索者たちは為すすべなく落ちていき、強い衝撃を受け着水しました。
水中に沈んでしまい、息をするために、もがこうとしますが、意識が混濁し手足に力が入らず、探索者たちは海に沈んでいきます。意識がだんだんと無くなっていき、そこで探索者たちの意識は途切れます。

目を覚ますと探索者たちは全員、質素な部屋でベッドに寝かされていました。ベッドと言っても積まれた藁の上にシーツを敷いただけの粗雑なものです。その部屋にはドアがひとつ、ドアとは別の壁に窓がそれぞれ 1つずつ、計3つあります。棚やテーブル等は無く、天井にランプがひとつあるだけです。
そして自分の体を見ると、ゆったりとした長い胴着にこれまたゆったりとしたズボン、その上から長くぴっちりとした靴下を履いていました。その服装は中世ヨーロッパで使われていたものと特徴が一致することに気がつきます。

-

質素な部屋

 窓からは光が差し込んでいる 覗いてみると人影があまり見えないが海や船が見えたことから港町だと分かります。
 (この部屋には重要な情報となるようなものは無い。自己紹介などがすんだら次へ行こう。)

自己紹介を終え、全員の首筋に見知った、鴉のマークが刻まれていることに気付き、その場にいる全員がMTS協議会に所属していることを知りました。さまざまな疑問が浮かびましたが、それらの疑問は解決されること無く、とある異変に気付き消え失せました。その異変とは、ここ数ヶ月間の記憶がまったく思い出せない。ということです。全ての記憶がそっくりそのまま抜け落ちた訳ではなく、記憶がバラバラになり強い靄がかかった様な印象を受けます。このような記憶の異変により探索者たちは困惑します。

ふと腕を見ると、ブレスレットを付けていることに気がつきます。そのブレスレットは光沢の入った真っ黒な紐に直径3cmほどの大きな宝石が繋がれているものです。宝石は青いオパールのようで、表面には金文字が彫られています。

<オカルト>を振る  成功で下記の情報を取得

ブレスレットの宝石

 彫られている金文字は古代北欧の祈祷師が儀式に使用していたとされる祝詞であり、その意味は「祓」を意味していることが分かります。宝石に金文字を刻むことで神に祈りを捧げ、神の力を借りるという伝承のようです。宝石の力は不明です。

ブレスレットを眺めていると、部屋のドアが開き、筋骨隆々の大男が入ってきました。手には探索者たちの服を持っています。大男は全員が起き上がっていることに気付き安堵した表情を浮かべ話しかけてきました。
「おお!気がついたか!よかったよ…海のど真ん中で溺れているお前さんたちを見つけたときは度肝を抜かれたよ。それに港に帰ってきてもなかなか起き上がらなかったからなぁ。嵐にでも襲われたのか?この服からしてこのあたりの人間じゃないようだが、いったいどこから来たんだい?」

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筋骨隆々の大男

Name ガス・トーマス  Age 49  Job ベテラン船乗り
船で漁をしていたところ、探索者たちを見つけ救出した。
大柄な体格の割には温和でこころ優しい性格の持ち主。
ここは外れの港町であることを説明し、大きな街であるパルタバン王国の王都リバーンへ向かうことを勧める。

いくつか会話をして、王都に向かうことを伝えると少しばかりの銀貨(25枚)と王都までの地図を渡され、「北にある馬小屋で馬車を借りてくるといい。それなら半日でつくだろう。」と伝えられます。

! どんなことをするにしても、必ず探索者たちを王都へ向かわせるようにすること。


これから

目を覚ました探索者たちは以下のような行動が取れるでしょう
・ このまま王都へ向かう
・ この町で聞き込みを行い、情報を集める

このまま王都へ向かう場合、まっすぐ北の馬小屋に行き、馬車代銀貨3枚、御者代銀貨10枚払い王都に向かう(<乗馬>を成功させるつもりなら御者は使わなくてよいだろう)

この町で聞き込みする場合、<信用>等を振らせ、成功したら次のような情報を与える。
・ 今は1698年の9月4日であること
・ この町はパルタバン王国に属するクリーグル港であること
・ 戦争が何度も起こっていてパルタバン王国が兵を募集していること
聞き込みが終わったら北の馬小屋に行き、馬車代銀貨3枚、御者代銀貨10枚払い王都に向かう
(<乗馬>を成功させるつもりなら御者は使わなくてよいだろう)

王都リバーン

馬車に乗ってからは特に何事も無く王都につきます。
王都は30mはある高い城壁に囲まれており、城門の前には列ができていて、おそらく王都に入るための検疫を待っている列だと分かります。

列に並び始めてから3時間ほどが経過したとき、探索者たちの番がやってきた。
「ようこそ!旅人の方ですね?この街は初めてですか?」愛想よく兵士が対応してくれます。
「ここはパルタバン・ミカエル・ラードン国王が直接治める王都リバーンです。」一人の兵士が検査し、もう一人が話しかけてきます。
「王都リバーンには、食べ物や芸術だけでなく職や宿まで、たくさんのものがあるんですよ!旅人さんもどうぞ楽しんでいってください!それとパルタバン王国は戦争中で民兵も募集してるんですよ、大量の報酬も約束されているので身銭に困ったときは良いかもしれません。」
そう説明し荷物を探索者たちに返してくる。
「それでは!ご協力ありがとうございました!」
検査が終了し、城壁の中へ入ることができました。
王都は人が溢れていて、その活気も先ほどの町より幾分かあるようです。しかしそろそろ日が落ちそうになってきており、馬車での疲れなどを取るために宿を取ったほうが良さそうです。
探索者たちが辺りを見回すと「リードラン宿屋」と書かれた質素な看板が見えます。その宿屋は賑わっている様子はありませんが、随分と昔からあるような渋さが感じられます。ふと看板の右下に小さな文字が書かれていることに気がつきます。それは「飯なし 1泊 銀貨10枚」というものです。

 ここで宿に泊まらず、野宿等をしようとするなら兵士等を使い止めさせてください。(この宿にいる事が必要になってきます)お金がない等の理由で泊まらないなら、お金を渡してあげてもいいかもしれません

「リードラン宿屋」に入ると、「いらっしゃい。」と人のよさそうな老人がカウンターの奥から挨拶してくれます。その老人は白く長い髭を蓄えており、藍色のカーディガンを着て、頭に髪はありません。
「1泊銀貨10枚だよ」と優しく伝えてくれます。
.
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探索者たちがお金を払おうとしたとき、老人は腕のブレスレットの宝石を見て目を丸くしました。そしてカウンターから身を乗り出し、どこで手に入れたのかと食い気味に聞いてきます。

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宿の老人(リードラン)

この老人は魔力を感じることができ、探索者のブレスレットの宝石からとても強い魔力を感じたので気になって探索者たちに話しかけた。この老人は探索者たちが未来から来たということを信じることのできる唯一のNPCであり、探索者たちから未来の話をしきりに聞こうとします。
その際、老人は探索者たちになぜ未来からやってきたのかを尋ね、記憶が無いことを探索者たちが説明すると老人はまた明日時間があるときに話しかけてくるよう探索者たちに伝えるでしょう。
この国では魔術等は全く伝わっておらず、一般人や一般兵士に聞いても魔術については何も答えられないだろう。

探索者たちとひとしきり話し満足すると老人は、楽しませてくれたのでお金は要らないと言い2階の一番奥の部屋に案内してくれる。部屋は広すぎず狭すぎない広さで人数分のベッドが置いてあり、ひとつしかない窓からは街が見えた。
油がもったいないから早めに寝るよう老人は言って、その部屋を後にする。

二日目

太陽が顔を出し、朝日が窓から差し込む時間になると探索者は起き始めます。重いまぶたをこすりながら少ない荷物をまとめて部屋を出、階段を下りてゆく。カウンターにはあの老人はいないが、大きないびきが聞こえるので寝ているのだろうとわかる。

探索をする

聞き込みで得られる情報

・兵士から 
 金稼ぎなどについて聞いた場合
 戦争が激化していて、戦闘だけでなく技術に長けた人間でも、国の軍部は欲しているということを伝えてくれる。そして戦争に参加した場合多くの報酬が約束されているということも。
国の状況について聞いた場合  <信用>などで取得
 実のところ戦況は良くなく、むしろかなり不利な状況が続いているのだという。そしてそれは国民には伝えられておらず、常に好調だと国王は発表しているのだということを伝えてくれる。

・宿の老人から
 最近の記憶が無いことを話した場合、
  老人はカウンターの下から青紫色の液体が入ったガラスのつぼを取り出します。
この液体は「釜王の霊薬」であり、失った思い出を鮮明に思い出させるという物だと説明をしてくれる。老人は小さなグラスにその液体を注ぎ探索者たちに勧めてくる。
探索者たちがそれを飲むと直ぐに激しい頭痛と吐き気を感じ、記憶にかかっていた強い靄が薄くなり、記憶が戻るのを感じます。

・ 2020年、強大な古き神の封印が風化により解かれてしまい、世界が危機に瀕した。オカルトの権威であるMTS協議会はその神を再度封印しようとしたが、神は肥大を続け彼らの策は全てが水泡に帰した。そこでMTS協議会は最後の策として、神が封印されたときよりも更に前、神が召喚された時に協議会のエージェントをタイムリープさせ、神の召喚そのものを阻止しようとした。
そこで選ばれたのが探索者たちである。
しかし、MTS協議会のタイムリープ技術は未完成であり、対象者の精神面に影響を及ぼしてしまう可能性がある上、帰る方法が無いという重大な欠点を抱えていた。

! 古き神とはシアエガのことです。このシナリオでは、シアエガは何億年も前、他の神々によって別の次元へ追い出された。そして16世紀にとある狂信者に召喚され、破壊の限りを尽くしたが、強力な魔術師によって今度はドイツのフライハウスガルテンという村にある丘に封印される。しかし、2020年、その封印が風化により弱まってしまい、シアエガが復活してしまった。という設定になっています。

! PLが、自身のキャラクターが帰還不可の旅に出るという決心をしたことが納得できないのであれば、その動機を以下から選択するか、ダイスで決めると良いだろう。

1. 探索者は膨大な借金をMTS協議会にしており、返済するためにエージェントとなったが、今回、その借金を理由に半ば強制的にチームに入れられた。
2. 探索者にはとても親しい関係にあった人がいた。しかしその人はシアエガの破壊行動に巻き込まれ、帰らぬ人となった。シアエガに憎悪を抱くこの探索者は自ら進んでチームに入った
3. 探索者には夢があった。子供のころからの夢で、それはヒーローになること。世界は危機に瀕している!いまこそ闘う時だ!
4. 探索者はこの世界に飽き飽きしていた。社会の歯車になることを嫌い、ここでは無いどこかへ逃げ出したいと考えていた。タイムリープならばその願いを叶えられるだろう。

・街行く人から 
 国の状況について聞いた場合
  戦争によって市場は潤っており、みんなが儲かっていることを教えられる。
  自分の息子が戦争に徴兵されていることと、戦争は順調だと国王のパルタバン様が仰っている。
  ということを聞く。(徴兵されていることも、戦争のこともまったく疑問に思っていないような明るい感じで伝える。)
 パルタバン国王について聞いた場合
  とても優しいお方で、国民のことを第一に考えておられる。と聞かされる。
  今年で60歳になり最近は戦線に立たなくなったが、若いころはよく最前線に立ち、数々の戦果を挙げてきたと自慢そうに語ってくれる。

・市場で商人から 
 この国について聞いた場合
  この国は商売に対してとても寛容であり、小額の場所代を支払えば誰でも店を開くことができると伝えてくれる。
 買い物をする場合
  食料品など一般的なものが売っています。

・城に行く
 城に近づくと高い塀が見えてきます。どうやら城は堀と塀に全面が囲まれているようです。
  城の外壁は真っ白に塗られており、半円状の窓がよく映えます。城のいたるところに先のとがったまっすぐな尖塔が建てられていて、そのひとつひとつに細かい装飾が施されていることに遠くからでも気付くことができます。屋根はすべて深い青で塗られておりそれはどこか冷たく突き刺さるような色でした。

 入ろうとした場合
  当然門番に止められる<言いくるめ>等を使っても入ることは出来ない
  塀を登って入ろうとした場合も、周りの人におかしな目で見られるだろう。
 城を観察した場合  <目星>に成功で取得
  最も南にある一番高い尖塔の一番上の窓に人影が見えます。目を凝らしてみるとそこには、白く長いまっすぐな髭と髪を生やした老年の男性がどこか遠くを見つめているのが見えます。しばらくの間そうしていましたが何かに呼ばれたように後ろを振り返り窓のそばを離れていきました。

 探索者が<歴史>などでこの城を調べようとしても何も分かることはありません。この城も国も歴史に名を残すことなく消えていったのでしょう。

・ほかの旅人に聞く
 街には旅人らしき風貌の人たちはまれに見かけます。話しかけると気軽に挨拶してくれます。
 この国について聞いた場合
  この国は旅人にはとても優しい国だということを教えてくれる。ここの国民はほとんどがよそ者に寛容で色々助けてくれるということも教えてくれる。
 旅について聞いた場合
  旅は獣や盗賊がよく出るのでそれなりの装備が必要であるはずといわれる。旅人は鍛冶屋で武器を購入することを勧めてくる。

・鍛冶屋に行く
 鍛冶屋は常に煙を吐き出しており、遠くからでもその場所が鍛冶屋であることが分かる。鍛冶屋に入ると忙しそうに沢山の人が作業をしていましたが、1人の厚い作業服を着た男が近づいてきました。その男は厚ぼったい唇に髭面で、頭のてっぺんはきれいに禿げていた。「・・・何用だ。」とだけ探索者たちに言い、その髭をこすった。

 鍛冶屋について聞いた場合
  鍛冶屋は戦争に使う武器や防具、兵器などの依頼が大量に国から入っており、1日中作業をしなければならないことを説明してくれる。
 鍛冶屋に依頼をする場合
  聞いた話のとおり鍛冶屋は国からの依頼で忙しい。依頼は出来ないが、いくつか失敗作を安く売ってくれると言う。
  ここでPLが失敗作を購入する場合、PLが求めた物の劣化品を購入させること。(耐久を減らす、ダメージを減らすなど)

 十分な情報を手に入れ、探索者たちが宿に帰り、寝て起きたときに次の処理を開始してください。


良い知らせ

 探索者は街のお祭りのような騒がしさを耳にします。外を見ると大通りでけたたましいラッパや太鼓の音と共に兵隊達が行進していて、端に並ぶ街の人々が楽しげな様子で兵隊達に歓声を送っています。それは、さながら大きな戦果と共に凱旋する軍隊のように見えました。

!PLは行進に対し近づくなどの行動を起こすでしょう。そうしたら全員に以下の情報を与えよう。

 探索者たちは行進に加わっていない、王都内にいた兵士達の話し声を聞いた。
「いったい、どうしたんだ?昨日までは劣勢と聞いていたのに一晩で敵を全滅させるなんて。」
「聞いた話によると魔術師団が化け物を召喚して戦わせたらしい。」
「へえ、いったいどんな化け物なんだい?」
「なんでも、巨大な真っ黒な身体に4本の大木の様な足と、空に向かって伸びる無数の触手が生えていて、これまた巨大な口が幾つも胴体についていたそうだ。」
「そりゃあおっかねえな…それにその魔術師団っていうのは何だい?」
「10年以上前からある国王直属の部隊らしいが、何をやっているのかは分からん。胡散臭い奴等だよ。」
「なるほど・・・しかし勝ったならどうでも良いな!そうだ、今日はパァーっとやろうぜ!」
「そうだな!隊長が奢ってくれるかも知れんぞ!」
そうして兵士達は笑いながら酒と料理の話を始めました。

! この後、探索者たちはそのまま聞き込みを続けるでしょうか、それとも市場に行くでしょうか、
はたまた一度宿へ帰るでしょうか。どんな事をするにしても、探索者たちが宿に帰ったとき、話が動き出します。

恐怖の予感

探索者たちが宿に入るとカウンターの明かりが消え1階全体が暗くなっていることに気がつきます。そして不思議な匂いが鼻を通り抜けました。それは生暖かいようでどこか腐ったような、鉄の匂いの様です。不快な匂いを感じた直後足元でピチャッという水音を聞き、足元を見てみるとそこには、大量の赤黒い液体が床一面に広がっています。そして液体に浸った床の中心に人が仰向けに倒れているのが分かります。よく見なくとも、その人は探索者が良く見知ったこの宿の店主である老人だと分かります。老人の目は白く濁り、口は半開きで、その胸には大きな裂け目ができていました。探索者たちは床に広がる液体の正体は老人の血液であり、その量と傷から確実に死んでいるであろうことが分かります。

 探索者たちが老人の死体を確認したと同時に宿の扉が勢い良く閉まりました。押しても、押しても、ビクともしません。扉を開けようとしていたとき、唸り声のような、呻き声のような言葉にならない声が老人から聞こえてきました。老人を見ると細かく痙攣しており動き出しているのが分かります。老人はおおよそ知性があるとは思えないような動きで這いずりながら起き上がりました。
 意味不明の超常的な光景を目にしたあなたは0/1D8のSAN値チェックです
老人は探索者を見つめると叫び声を上げ襲い掛かってきました。

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老人との戦闘

リードラン(ゾンビ)
   STR:60 CON:65 SIZ:60 POW:5 DEX:40 
   耐久力:14 装甲:なし DB:0 装備:なし ビルド:0
攻撃手段:<噛み付き>成功率:50%(25/10) ダメージ:1D4 
     <ひっかき>成功率:50%(25/10) ダメージ:1D4

リードランは魔術的な方法によって、ゾンビにされているので耐久力が0以下になるまで動き続けます。

!もし探索者たちが2階に上がるなどして逃げようとした場合、老人を使って阻止してください。
 老人を倒した後、探索者たちの行動にあわせてそれぞれ以下の処理を開始してください。

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老人を調べる

探索者たちが老人を調べたところまだ暖かく、探索者たちが宿に入る数十分ほど前まで生きていたような風に思えます。

<目星>or<医学>に成功で取得
探索者たちが老人の胸の傷を良く見ると肋骨まで裂けており心臓が抜き取られていることに気付きます。そして心臓があった所には10cmほどの小さな木の板が入っています。
抜き取る場合、その探索者に1/1D4のSAN値チェックを行い、以下の情報を与える。
 小さな木の板
 血に濡れているが、表面に文字が書いてあることが分かる。それは

  “星辰が正される 我等の神は破壊を渇望する
   狂喜せよ 乱舞せよ  我等の神の降臨を
     欣喜せよ 雀躍せよ  我等の神の再誕を
    我等の神が甦る 絶望の恐怖が始まる 終焉の刻は近い”

 と書かれています。裏面には大きなひとつの目とそれに絡まる触手が描かれており、なんともいえない不気味さを感じます。

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宿を調べる

 カウンターや床など隅々まで調べたが、特に老人を殺したと見られる凶器や犯人の手がかりはおろか、老人が抵抗した跡すら見つからなかった。

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宿を出る

 探索者たちドアを壊して外に出たなら、外にいた人たちが探索者たちと血の海に倒れる老人をみて悲鳴を上げ逃げ出すでしょう。その悲鳴を聞いた10人ほどの衛兵たちがすぐさま駆けつけ惨状を目の当たりにし血の気を引かせながらも探索者たちが犯人だと断定して捕まえようとしてきます。

探索者が説得を試みても衛兵たちは無視し牢屋に運ぶため縄で縛ろうとしてきます。KPはPLに何をするのかを聞き、ダイスロールなどで処理をして下さい。行動に失敗した探索者は衛兵たちに捕らえられ、牢屋につれていかれるでしょう。

 裏口や窓などから宿を出るなら犯人にされることは無いでしょう。

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怪しい人影

 探索者は全員、宿を出るとき視界の端に怪しげな人影を捉えます。その人物は裾が地に着くほどの長い真っ黒なローブを着ていて、ローブと一体となっているフードを目深に被っており、こちらを見ています。

! 探索者たちがその人影を追っても直ぐに見失ってしまい、追跡することはできない。
落ち着いたあたりで次に進みましょう。

動乱の予感

これから探索者たちは自由に行動します。以下のような選択肢があるでしょう。
・ 捕まった仲間を助ける
・ ばれないよう変装等をする
・ 魔術師団について聞き込みを行う
・ 黒いローブの人影について調べる
・ 国王について調べる

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捕まった仲間を助ける

 宿の事件にて捕まった探索者たちは王都の北にある衛兵本部の牢屋に入れられています。
 牢屋には窓は無く、壁のうち3面が石壁で残りの1面がドア付の格子になっています。ドアには鍵がついていますがその構造は単純で時間を掛けずに開錠できそうです。
牢屋の中からは<鍵開け>等で脱出でき、牢屋の外からは<説得>や賄賂などの方法で脱出の手伝いができるでしょう。

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聞き込みを行う

戦争で魔術師団がおぞましい術により戦果を挙げたことで、一般人にも「魔術師団」の名が根拠の無い噂と共に広まった。


・街行く人などの一般人に聞く
魔術師団について聞いた場合
 ただの市民では機密である魔術師団のことなど知らないでしょう。
しかし、「満月の夜に変身し人を襲っている」「小さい子供を攫って食べている」などの根拠の無い噂を話してくれる
魔術師団と国王を関連付けて聞いた場合
 22年前、王は妻が死んだとき病床に臥せ、民に姿を見せなくなったが、数年の歳月の後に、公の場に姿を現すようになった。それと同時に国王は魔術師団を作り国王直属とした。と話してくれる。
魔術師団の目撃情報等について聞いた場合
 魔術師団の姿を知らないので、魔術師団の格好を聞いてくる
 黒い大きなローブを着ていることを伝えると、壁の外にある共同墓地で見かけたことがあると教えてくれる


・兵士に聞く
 魔術師団について聞いた場合
  魔術師団は国王直属の部隊であるが、何人いるのかも、どれだけの戦力を有しているのかも全く知らされていないと教えてくれる。そして魔術師団と国王の関係には悪い噂が流れており、国王が魔術師団に税金の一部を横流ししているという噂を教えてくれる
魔術師団はいつも黒くて長いローブを身に着けており、個人の判別がほぼ不可能だと教えてくれる。

魔術師団の目撃情報等について聞いた場合
 魔術師団か分からないが、最近墓地で複数の怪しい人影がいたと通報されていることを教えられる。
 事件性も無いので放置されている。ということも
 更なる情報を探索者が欲しがったなら、兵士は墓地に行って墓守に直接聞くことを勧めるでしょう。
 墓地は東門の外にあり、道なりに少し進むと着くと教えてくれる。




・墓守に聞く
!探索者がドアを叩くなどすると、直ぐにドアが開かれ、もじゃもじゃの髭と髪を生やした無骨な男が顔を出す。友好的に話しかけるとその男は話をしてくれるでしょう。
この男が大きな墓地の墓守であり、名をドルマンという。

 怪しげな人影について聞く
  ドルマンは何十年も墓守を続けており、魔術師団のことなど知らないでしょう。しかし怪しげな人影について尋ねると、半年ほど前から墓荒らしが度々起きていて、真夜中に3人の黒いローブを着た人が墓を掘り返しているのを見た。と教えてくれ、その場所に案内してくれる。墓はきれいにされているが、ドルマンはこの中には何も無いと説明する。同じような被害にあっている墓がいくつかあり、それらも見せてくれるでしょう.

 <目星>に成功で取得
  荒らされた墓を見るとそれらにはひとつの特徴がある。それは全てが新しいものであるということです。そして探索者は今日新しく埋葬された墓をみつける。

  ・怪しい人影を待ち伏せる
 探索者たちが怪しい人物を墓地にて待ち伏せるなら<グループ隠密>を振らせ、次に進もう。

 太陽が沈み、辺りが真っ暗になったころ、墓地に3人の人物が入ってくる。その人たちは真っ黒なローブを着てフードを深く被っていて、手にはシャベルのようなものを持っていた。墓地を歩き回り、ある墓碑の前で止まるとその墓を掘り始めた。
 しばらく経って、彼らは掘った穴から真新しい死体を取り出し、そのまま死体を運んでいった。

 探索者たちがローブ姿の人たちに襲い掛かるなら、戦闘がはじまります。
探索者たちがローブ姿の人たちの後を隠れて追いかけるなら、追跡が始まります。

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ローブ姿の人たちとの戦闘

 事前に行った<隠密>が成功していたのなら奇襲が成功し、失敗していたのなら奇襲を見破られる。
!ローブ姿の人たち
  STR CON SIZ DEX INT APP EDU POW 耐久力 DB ビルド 回避
A 45  50  60  70  55  50  50  50   11  0   0  35(17/7)
B 40  30  45  75  85  50  65  40   07  0   0  37(18/7)
C 20  60  45  30  75  35  60  60   10 -1D4   -1  15(7/3)
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)40%(20/8) ダメージ:1D3+DB
シャベル 30%(15/6) ダメージ:1D4+DB

ローブ姿の人たちを戦闘不能にし、捕まえたのならアジトの場所を聞きだすことができる。

ロールを必要とするが、成功するとアジトの場所が分かり、向かうことができる。
(準備をさせ、魔術師団のアジトへ進む)
ロールに失敗すると、探索者たちは全員後ろから何者かに殴られ、気絶してしまう。
生贄の儀式へ進む)

-

ローブ姿の人たちを追跡

 ローブ姿の人たちは死体を運びながら王都の南東の森に入っていく。
 <追跡>を振る
 先ほどの<グループ隠密>とあわせて両方成功したとき、探索者たちはその人たちが大きな松の木の根元に開いた穴に、入っていくのを見る。(このまま進むなら魔術師団のアジトへすすむ)

どちらかでも失敗したとき、探索者たちはローブ姿の人たちを見失ってしまい、その直後何者かに殴られ気絶してしまう(生贄の儀式へ進む)




国王と魔術師団との関係に疑問を持ち、調べようとしたなら次の処理を始めてください。

・千の貌
 突然、探索者たちにある男が話しかけてきました。
 「国王の秘密を知りたいかい?」と。
その男の肌は褐色で、長い髪を後ろで束ねていて、ニヒルな笑みを浮かべたその顔は誰もが振り返るような美しさです。

 この男はニャルラトテップの化身であり、探索者の手助けをしようとします。
ニャルラトテップは探索者たちがMTS協議会の人間であり、とある任務のためにタイムスリップをしていることを知っています。
褐色の男は探索者たちに「ニプ」と名乗り、話を進めます。
・ 探索者たちの知りたい情報は城、それも国王の寝室にあるということ
・ 城のフロアマップを探索者たちにあげるということ
・ 探索者たちに残されている時間は少なく、急いだほうがいいということ

その男は用が済むなり、「協議会もこれを送ってくるのか・・・かなり必死だなぁ。」と楽しげにいいのこし探索者たちの前からいつの間にか消え失せました。

ニャルラトテップは混沌を望みます。ただ探索者たちを手助けするのではなく曖昧に惑わすように探索者たちを導くでしょう。

・国王の寝室へ行く 

 探索者たちが何らかの方法で城に入り、<ナビゲート>を成功させると、褐色の男に渡されたフロアマップから誰にも見つからないように国王の寝室へいける道を割り出し、何事もなくその場所へたどり着けるでしょう。
部屋には誰もおらず鍵もかかっていません。探索者たちは簡単に部屋の中に入れます。
探索者たちが部屋の中を探索しようとしたとき、扉がひらき、豪華な服を着た白髪、白髭の老人が入ってきました。その老人こそは国王パルタバン・ミカエル・ラードンです。
国王は探索者たちを見るなり青ざめ、腰にさしていた煌びやかな宝石が埋め込まれた剣を引き抜き構えました。

国王は急な侵入者に驚き警戒しています。探索者たちが国王の警戒を解かせることができたなら、国王は落ち着き剣を仕舞うでしょう。(国王と話をするへ進む。)
しかし探索者たちが武器を出すなど、刺激をすると国王は混乱し探索者たちと戦闘するでしょう

国王との戦闘
国王パルタバン・ミカエル・ラードン
   STR:70 CON:65 SIZ:75 POW:50 DEX:70
   INT:60 APP:65 EDU:40
   耐久力:14  DB:+1D4  装備:王家の宝剣  ビルド:1  回避:35(17/7)
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)30%(15/6)、ダメージ:1D3+1D4
王家の宝剣 35%(17/7)、ダメージ;1D6+1D4
描写:やせている。手や顔には多くのしわができていて、老衰を感じさせる。
特徴:温厚で優しいが、生気が感じられずいつもどこか遠くを眺めている。ため息を良くつく

探索者たちが国王を何らかの方法で行動不能にさせ、国王を落ち着かせ説得したとき、国王と話をするへ進む。探索者たちが国王を殺すなどして口を聞けなくさせたとき、部屋を探索するへ進む。

国王と話をする
 国王はやつれた様子で探索者たちと話し始めます。

 国王と魔術師団との関係
  国王は22年前、不治の病により最愛の妻を喪った。妻が死に、そのショックからさまざまな病気を患い国王は寝込んでいた。妻が死んでから2年後、国王の前に1人の男が現れた。病床に臥せっていた国王に、突然現れた男は「グレイ」と名乗りこう言った。
  「お后さまにもう一度会いたいですか?」
  国王はその男の言葉に「会いたい」と声にならない叫びで答えた。
  その後、国王はその男と血の契約を結び、魔術師団としてその男とその男の部下を迎え入れ、研究をさせた。

 魔術師団について聞く
  魔術師団はシアエガという神を信仰していて、その神の復活こそが彼らの真の目的でありその成就のために人やその一部を集めそれらで日々実験・研究しているということを教えてくれる。
  リードラン宿屋の店主を殺したのも魔術師団の仕業であり、死者蘇生の魔術を施したのだろうと教えてくれる

 魔術師団のアジトについて聞く
  魔術師団のアジトは王都の南東の森にあり、その森の一番大きな松の木の根元に入り口があることを教えてくれる。
  入り口からは下に階段が続いていて、長い階段を下りると広い部屋に着き、そこで実験が行われている。その部屋の先には更に部屋があり、そこでは神を信仰するための祭壇があると説明してくれる。

実のところ魔術師団には国王との約束を守る気は無く、国王の妻を生き返らそうとはしていない。国王はそのことに気付いているが、魔術師団が彼らの大願を叶えつつあり、自分の助けを必要としていないことを悟ってしまい、探索者たちにためらいも無く実情を話してくれる。

探索者たちは国王の話を聞いた後、アジトへ向かうでしょうか、向かうなら準備をしてから行くことを勧め、準備の後、魔術師団のアジトへ進んでください。

部屋を探索する
 <目星>に成功で取得
 国王の部屋を探索すると、本皮に金の刺繍がされた日記帳を発見する。そこには
・ 20年前グレイと名乗る男が国王と血の契約を結び、国王の妻を生き返らせることを条件に魔術師団という研究場所を用意させた
・ 魔術師団はシアエガという神を信仰しており、その神の復活が真の目的である
・ 魔術師団のアジトは王都の南東の森にあり、その森の一番大きな松の木の根元に入り口がある
ということが書かれていた。



終わりの始まり

生贄の儀式

 探索者たちは頭に痛みを感じながら目を覚まします。そのまま動こうとしますがロープで縛られており、身動きができません。あたりを見回すとそこはとても広い、ホールのような空間で、ローブを着た沢山の人がひざをついてうずくまり、同じ方向を向いて祈りのようなものを唱えています。
彼らが向いている先には少し高くなったステージがあり、そこには人一人が寝転がれそうな台が置かれ、周りを囲む蝋燭の明かりに照らされています。そしてその台の前には白いローブを着た男が座っていました。
 白いローブの男は探索者たちが目を覚ましたことに気がつき、近寄ってきます。その男は白髪で短く切られており、整った顔立ちをしています。探索者たちに、
「光栄な子羊の役目を背負った者達よ、時は満ちた。」
と告げ、探索者の内の1人を掴み引きずって行ってしまいます。(KPがダイス等で自由に決める)
白いローブの男は連れてきた探索者をステージの台にのせ、ナイフを取り出し叫びました。
「ああ神よ!我等の供物を受け取りたまえ!」


 ここから探索者たちはそれぞれ儀式を止めるためにターン制で行動することができます。行動はDEX順であり、1ターンにつき1度行動できます。
 白いローブの男は連れて行った探索者を1ターンにつき1度ナイフで刺します(1D4のダメージ)。連れて行かれた探索者は毎ターン<回避>をできますが、ロールの難易度はすべてハードとなります。


 探索者たちが無事、儀式を阻止することができたなら、白いローブの男は激怒し探索者に襲い掛かるでしょう(魔術師団団長との戦闘へ進む)

 連れて行かれた探索者を助けることができず、白いローブの男によって殺された場合、邪悪な存在が召喚されることでしょう(邪神召喚へ進む)

魔術師団のアジト

 探索者たちがアジトの入り口に入り、長い階段を降りていくと、木のドアがあります。
ドアを開けると肉が腐ったような不快な匂いが溢れてきます。
中に入るとそこにはおぞましい光景がありました。人の臓器をつなぎ合わせたもの、人と動物の死体をくっつけたもの、人の死体に意味不明な紋様が彫りこまれたもの。それらが大量にそして乱雑に置かれています。それらはどういう訳か小さく蠢き呻き声をあげています
命を弄んだ凄惨な光景を見たあなたは1/1D10のSAN値チェックです。

辺りを見回すと蝋燭によって照らされ、かなり広い空間であることが分かります。奥のほうにはまた木のドアがあり不思議な声が奥から聞こえてきます。

 ここには人はいない。そしてこれらの肉塊たちも探索者たちを襲ってくることは無いでしょう。

探索者たちが奥のドアを開けると、そこはとても広い、ホールのような空間で、ローブを着た沢山の人がひざをついてうずくまり、同じ方向を向いて祈りのようなものを唱えています。
彼らが向いている先には少し高くなったステージがあり、そこには人一人が寝転がれそうな台が置かれ、周りを囲む蝋燭の明かりに照らされています。そしてその台の前には白いローブを着た男が座っていました。

白いローブの男は白髪で短く切られており、整った顔立ちをしていて20歳ぐらいに見えます。その男は探索者たちに気付き、近づいてきて、
「神聖な子羊たちよ、降臨の時は近い。聖別をはじめよう」
といい、探索者たちに手を差し伸べてきました。

 !探索者たちが質問するなどしてその手をとらないでいると、白いローブの男は突然怒りだし、ナイフを探索者たちに向け戦闘態勢をとりました。(魔術師団団長との戦闘へ進む)

邪神召喚

 連れて行かれた探索者の胸にナイフが突き立てられ、絶命すると、辺りの空気が張り詰める。
数多の魂と引き換えに、祈りを聞いた太古の時代の神が目覚めるのだ。
空間に大きなひびができ、それはだんだんと広がっていく。ひびが繋がり空間の一部が崩れ落ちると、  そこには大きな目があった。緑色をした巨大な目だ。その目に絡みつくように触手が伸びている。

偉大なる古い支配者を直視してしまったあなたは1D100のSAN値減少です。

神は解き放たれてしまった。人に、世界に、果てしない憎悪を抱くこの神は肥大を続け、その触手で文明を破壊しつくすだろう。探索者たちは失敗してしまった。人類を終わらせてしまったのだ。
生命の灯火は古代の神によって無慈悲に消されてしまうだろう。
BAD END

魔術師団団長との戦闘

白いローブの男 グレイ
   STR:70 CON:60 SIZ:50 POW:75 DEX:50
 INT:80 APP:80 EDU:60
   耐久力:11  DB:0  ビルド:0 回避:40(20/8)  MP:15  装備:儀式用のナイフ
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)40%(20/8)、ダメージ:1D3
儀式用のナイフ 50%(25/10)、ダメージ;1D4+DB
描写:顔立ちはかなり若く見え、20歳くらいに思われる。
特徴:狂っており、話は全て通じない。

 白いローブの男が死亡や気絶により行動不能になった時、全ての行動を止め、以下の処理を行う

   化け物への変身
   白いローブの男の体が激しく痙攣し始める。それと同時にその男の周りに黒い霧が集まり、その男を包み込む。するとその男の体は見る見るうちに変化して行き、4mはある巨体に、大きく膨れ上がった筋肉、目は白く濁り、口からはよだれが滴り、その顔には怒りの表情を浮かべた、おおよそ人とは思えない化け物になった。
恐ろしい化け物への変身を見たあなたは0/1D4のSAN値チェックです。
その人型の化け物は大きな咆哮を上げると探索者たちに襲い掛かってきました。

化け物との戦闘
 人型の化け物
  STR:170 CON:160 SIZ:150 POW:- DEX:50
  INT:- APP:- EDU:-
  耐久力:31  DB:+2D6  ビルド:4  回避:しない  装備:なし
1ラウンドの攻撃回数:3
突進 30%(15/6) ダメージ:2D6+DB
パンチ 50%(25/10) ダメージ:1D8+DB
キック 40%(20/8) ダメージ:2D4+DB
食事 100%(50/25) 1D6の回復 :祈っている狂信者を1人掴み上げ、丸呑みにする。


 耐久力が0になると人型の化け物はその場に倒れ動かなくなります。
  落ち着いたらエンディングに進みます。

エンディング

BADEND グレイに敗北
薄れゆく意識の中で探索者たちは護ろうとしたものを思い出した。歴史は正されること無く進んでいく。人類の夢を託された探索者たちは敗北し、絶望の未来がやってくる。美しきこの惑星は遠い未来、死の星へと変貌するだろう。

GOODEND グレイに勝利
 探索者たちは人型の化け物を倒し、魔術師団の野望を打ち砕いた。探索者たちは勝利したのだ。
探索者たちの偉業を讃える者も、勇姿を謳う者も居らず、その名は歴史の海へと沈んでいく。しかし、名も無い英雄たちは終わった未来を書き換えた。人類を護ったのだ。
傷ついた身体を無理やり動かし、探索者たちは王都へ帰還する。
人類を救ったヒーローたちの静かな凱旋である。


シナリオクリア報酬
 グレイを倒し、その野望を打ち砕いたのなら、クリア報酬として探索者は1D10のSAN値回復、
国王から話を聞いたのならさらに1D8回復

シナリオ補足
 最初に出てきたブレスレットにお守り以上の意味はありません。それ以上の意味を持たせたいなら最終決戦のときに、「投擲して当たったら爆発して聖属性の1D10のダメージ!」などの方法で、発動させると良いでしょう。

 探索者たちがタイムリープした時、シアエガはヨーロッパ全土と地中海を再興不能なまでに破壊しつくしており、核でさえもシアエガを止めることはできなかった

 帰れないと言ってはいますが、続編として探索者たちが現代へ帰還するシナリオを想定しているので生き残ることを目標にさせてください。

NPCの能力値

!宿屋の主人 リードラン (72歳)
   STR:30 CON:55 SIZ:70 POW:50 DEX:50
 INT:80 APP:55 EDU:65
   耐久力:14  DB:0  ビルド:0 MP:10 正気度:35
1ラウンドの攻撃回数:なし(リードランは平和主義な上、年をとっているので戦闘できない。)
技能:医学50%、 オカルト75%、 クトゥルフ神話5%、 心理学40%、 目星40%、
   精神分析46%、 説得55%
描写:いつも藍色のカーディガンを着ており、大事そうにしている。
特徴:魔術についてかなりの知識があるが、才能がなく使うことはできない。世界中で魔道具を探し集めていた。
RP:リードランは探索者たちの知識に興味津々である。魔術師団については何も知らない。



!国王パルタバン・ミカエル・ラードン (60歳)
   STR:70 CON:65 SIZ:75 POW:50 DEX:70
 INT:60 APP:65 EDU:40
   耐久力:14  DB:+1D4  装備:王家の宝剣  ビルド:1  回避:35(17/7)
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)30%(15/6)、ダメージ:1D3+1D4
王家の宝剣 35%(17/7)、ダメージ;1D6+1D4
描写:やせている。手や顔には多くのしわができていて、老衰を感じさせる。
特徴:温厚で優しいが、生気が感じられずいつもどこか遠くを眺めている。ため息を良くつく
RP:全てをあきらめており、裏切った魔術師団への復讐なども望まない。



!褐色の色男 ニプ (――歳)
   STR:60 CON:65 SIZ:85 POW:―― DEX:70
 INT:―― APP:99 EDU:――
   耐久力:15  DB:+1D4  ビルド:1 回避:60(30/12)  正気度:――
1ラウンドの攻撃回数:0(戦闘に入り攻撃されるとその体は塵となって霧散し、
辺りに笑い声が響き渡る)

描写:絶世の色男であり、所作の全てが美しい。
特徴:終止楽しげであり、笑みを浮かべている
RP:探索者たちの状況を完全に把握しており、探索者たちを翻弄し煽りながら情報を与える。



!白いローブの男 グレイ  (173歳)
   STR:70 CON:60 SIZ:50 POW:75 DEX:50
 INT:80 APP:80 EDU:60
   耐久力:11  DB:0  ビルド:0 回避:40(20/8)  MP:15  装備:儀式用のナイフ
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)40%(20/8)、ダメージ:1D3
儀式用のナイフ 50%(25/10)、ダメージ;1D4+DB
描写:顔立ちはかなり若く見え、20歳くらいに思われる。
特徴:狂っており、話は全て通じない。
RP:神の召喚が第一であり、達成のためにはどんな手段もいとわない。



 !人型の化け物
  STR:170 CON:160 SIZ:150 POW:- DEX:50
 INT:- APP:- EDU:-
  耐久力:31  DB:+2D6  ビルド:4  回避:しない  装備:なし
1ラウンドの攻撃回数:3
突進 30%(15/6) ダメージ:2D6+DB
パンチ 50%(25/10) ダメージ:1D8+DB
キック 40%(20/8) ダメージ:2D4+DB
食事 100%(50/25) 1D6の回復 :祈っている狂信者を1人掴み上げ、丸呑みにする。
描写:4mはある巨体に、大きく膨れ上がった筋肉、目は白く濁り、口からはよだれが滴り、その顔には怒りの表情を浮かべた、おおよそ人とは思えない化け物
特徴:人格が消え去っているわけではなく、シアエガを召喚しようという意思がある



!ローブ姿の人たち
  STR CON SIZ DEX INT APP EDU POW 耐久力 DB ビルド 回避
A   45  50  60  70  55  50  50  50   11  0   0  35(17/7)
B   40  30  45  75  85  50  65  40   07  0   0  37(18/7)
C   20  60  45  30  75  35  60  60   10 -1D4   -1  15(7/3)
1ラウンドの攻撃回数:1
近接戦闘(格闘)40%(20/8) ダメージ:1D3+DB
シャベル 30%(15/6) ダメージ:1D4+DB

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