ある日、探索者達はいつもの様な日常を過ごし、いつもの様に1日を終える。…ただ一点を除いては。
どうやら今日は流星群が見えるらしく、ひと目見ようと夜遅くまで起きる人もいた。探索者達もそのうちの1人である。
流星群がもうすぐ降り注ごうとするその時、探索者達に睡魔が襲いかかる。
寝ずに待っていたせいか、抗う余地も無く、探索者達は眠りについた…。
次に探索者達が目を覚ますと、そこは見知らぬ花畑だった。
探索者達はそこに転がっており、服は寝る直前に着ていたもので、持ち物は一様に無くなっている。
目星:辺り一面に花々が咲き誇っており、奥の方には小さな丘のようなものが、近くには森や小屋が見える。
→花に知識やアイデア:よく見ると咲いている花の季節感がてんでバラバラな事がわかる。冬の花であるクリスマスローズの隣で秋のネリネが咲き誇り、足元には夏のアスターが顔を覗かせている。
聞き耳:風の音も、花の揺れる音も不自然なほど聞こえない。
小屋は古びた木製で、ぱっと見手入れをされている様子はあまり無い。
中は外観通りの木製だ。
机や棚、その上に花瓶が置いてあり、ある程度の生活の跡が見える。しかし、最近は使われていなかった様だ。
目星orアイデア:生活の跡は確かにあるが、食料や水といったものは無く、またベッドの様な寝具もない。
机:日記が置かれてある。
日記を読む→図書館
「■■月■■日
目が覚めたら、いきなり変な花畑に横たわっていた。
寝る前に何をしていたかはよく思い出せないが、流星群を見ようとしていた事は覚えている。
花畑に咲いてる花には季節感が無く、夜の筈なのに異様に明るい。
此処がどんな場所かまだ分からない。しかし、こんな不気味な所からは一刻も早く抜け出したい」
「■■月■■日
恐らく1日が経ったので、再び日記を書いている。
しかしどうやら、この空間では寝る事ができないらしい。
また、食糧や飲める水も見当たらない。だが不思議な事に空腹や渇きは感じない。この空間は謎だらけだ。
今日はこの家を探し回ったが、花瓶と本棚しか無く、生活の跡は無さそうだった。
本棚に入っていた本も読もうと思ったが、どうにも読む気になれなかった。
明日は以前から見えていた岡に行こうと思う。」
「■■月■■日
昨日書いた通り、今日は岡に行った。
上を見上げると、星空が手に届きそうなぐらい近くに見えた。
また、岡からはこの辺りの光景が一望出来た。森と花畑と小屋と、森の奥に海が見えた。
海には人影のようなものがあったので、もしかしたら他に人間がいるのかもしれない。
だが、海をずっと見ていると言い知れぬ恐怖心が襲って来たので、今日の所は小屋に帰る事にした。
明日は海に向かおうと思う。」
「■■月■■日
だめだだめだだめだ
海にちかづいてはいけない
あれは人じゃない さかなだ
さかながあしで歩いていた
海がこわい、星がこわい」
「■■月■■日
今日は本を読んだ。
何の文字で書いてるのか分からない筈なのに、内容は理解出来てしまった。
思い出したくも無い
海にいきたい」
「■■月■■日
海にいった
アイツらはいなかった
ほこらがあった
ほこらにはあの本にかいていた奴の像が
中にいしが落ちていた
まるで星のようだった
いあ、いあ」
これ以上は何も書かれていないか、破り捨てられている様だ。
半ば狂気じみた内容にSANC0/1d3
本棚
図書館成功で本を2冊見つける
1冊は見たことの無い文字で書かれてあるが、どういうわけか内容は理解できる。
読む:
題名:夢見し父よ
「いあ いあ
我らの父■■■■■よ
水底の都市■■■■にて
夢見て待ちし
いあ いあ
星々が揃うとき
彼の者は目覚めよう」
他のページにも同じ様な事が延々と書き連ねてある。
本を読み終えたとき、目星か図書館で最後に掠れた文字で「けして星をそろえるな」と書かれてある。
また、他のページは読もうとしても読めないような状態である。
もう1冊は普通に読める言語で書かれてある。
題名:花のお星さま
「ある日、1人の少女がある花園で遊ぶ夢を見た。
その花園に咲く花はよりどりみどりで、少女はその花で花冠を作るなどしていた。
ふと、少女が空を見上げると、綺麗な星々が瞬いていた。
少女は、その宝石のような輝きにしばらく見惚れていた。
すると、アスターの花が囁きかけた。
『ねえ、星が気になるの?』
『ええ、とても綺麗よ。でも、あんなに綺麗なのだから、もっと近くで見てみたいわ』
少女がそう呟くと、アスターは答えた。
『じゃあ、近くに行こうよ』
『見に行きたいけど、遠くて見に行けないよ』
『なら、手に取ってみればいいじゃないか』
アスターがそう言うと、少女は可笑しくなって笑い出した。しかしアスターは真面目な口調で続けた。
『空に近いところで、僕に宝石を包んで空に投げたら、きっとあの宝石みたいな星になるよ!』
少女は言われた通りに、アスターに懐の小さな宝石を包んで空に投げた。
すると、宝石を内包した花は、夜空を星のように舞った。
少女は、お星さまが一つ増えたみたい、と言葉にする事すら出来ずに、心の中で呟いた。」
ある程度歩くと岡の頂上に辿り着く。
岡の上にも花は満ち満ちており、色とりどりの花弁が辺りを華美に飾っている。
上を見るとやはり星空が先程よりも近く見え、下を見ると花畑と小屋と森が広がっている。
目星:よく見ると、森の奥に海が見える。
また、海には人影のようなものも見える。
森の中の木々にもやはり季節感は無く、春の桜が舞う中で黄色くなった葉が落ちている。
しかし、何処となく不気味な雰囲気を感じる。
目星:草木に紛れて両生類の様なものの足跡を複数見つける。
聞き耳:近くから水の匂いがする。
匂いに従うと湖に出る。
湖は星の光をそのまま反射させ、煌々と静かに揺らめいている。
目星:湖の中に何かを掘り出した跡がある。
森での目星成功している場合→足跡が一つだけになっている。
足跡に着いていくと砂浜に出る。流石に数は少ないが、それでも花が所々に咲いている。
しかし、それよりも真っ先に目につく、ついてしまうものが、探索者の目の前に広がる。
海から、緑色の魚の様な人型の、酷く忌々しい者共が這い出てくる。首にはエラが、手には水かきがあり、しわがれた唸る様な声がその冒涜さを引き立てる。それらを見て探索者は直感的に思うだろう、これらはこの世に存在してはいけない者だと。
冒涜的な者共を見て、SANC0/1d6
目星:石造りの小さな祠が見える。
聞き耳:びちゃびちゃという不快な足音と共に、少し聞き取り難いがこんな言葉が聞こえる
「ホシガソロッタ」
「アトハメザメヲマモルダケダ」
「アア、コレイジョウカケテモフエテモイケナイ」
それ以上は何と言っているか聞き取れなかった。
祠に行くには隠れるか忍び歩きが必要。
誰かが失敗すると見つかり、戦闘に入る。
それは石でできた小さな祠だ。
粗末なもので少し苔むしているが、最近使われた形跡も見える。
目星:戸の中に石像の様なものが見える。
その石像はタコの様な造形をしているが、少し見ただけで寒気がしてくる。
また、石像の近くに光る何かが見える。
鍵開けorDEX*5で戸を開ける:石像が完全に見える。それは大まかにはタコだが、人間には到底成し得ない様な冒涜的な造形で、見ただけでも言い知れぬ恐怖心が襲ってくる。SANC0/1d4
また、石像の側に綺麗な石を見つける。石は宝石と見間違う程で、心を奪われるほどに美しい。
アスターを摘み、宝石を包んで岡の上で投げると視界が暗転する。
目を覚ますと、今度は花園で目を覚ます前に、星を見ようとした場所だ。
周囲の人々は歓声を上げ、テレビ等も流星群についての感想を言い合っているところだ。
どうやら夢を見ていたのはほんの少しの間だった様だ。しかし、先程までの光景は夢とは思えない程だった。
空を見上げると、満天の夜空だった。