PL1人用シナリオとして作ったものをまとめました。
難易度そのものは高くありませんが、KPPL共にアドリブ力を求められます。
アドリブやRPの練習用にどうぞ。
推奨技能:医学、精神分析、心理学(なくとも何とかなると思いますのでKPさんに任せます)
所要時間:6~9時間(テキセの場合。またアドリブによってかなり時間が変化すると思われます)
あらすじ
貴方は親しい間柄にある「友禅暁」が、ある夜貴方の夢に現れる。
貴方は少ない手がかりを頼りに「友禅暁」を探すことになる。
注意事項
このシナリオクリアに対してPLへの難易度は高くありません(おそらく簡単にクリアできます)
シナリオクリアだけでなく、楽しもう・盛り上げようとする場合は、
KP、PLともにアドリブ力、RPをかなり求められることになります。
苦手な方には負担の大きいシナリオになります。
といいつつも、苦手な場合はRPやアドリブが必要な部分を軽くしてしまえばいいので
KPPL間で適宜話し合いながら行うと良いでしょう……
以下シナリオネタバレ注意です。
「友禅暁」は医学部教授の「能村尚子」の研究を手伝っていた。
能村尚子の研究は「動物の感覚、認識を操作することで人間の可能性を広げること」である。
「認識」を操作すること(簡単に言うと思い込み)で医学のみならずあらゆる人間の可能性を広げることを目的としている。
「友禅暁」は「能村尚子」の実験に「治験」という形で協力していたが暁はその実験の最中、アストラル体が肉体から抜け出して物質世界から潜在意識の世界「アストラルプレーン」に飛ばされてしまう。
「アストラルプレーン」は霊的存在が住まう場所である。そこにはヒュドラが巣くっており、下手に動くと捕まって殺されてしまう。
アストラルプレーンに飛ばされた暁を保護しているのが「慧」であり、
アストラルプレーンに飛ばされた探索者を出迎えるのが「由希」である。
由希は天使的な存在であり、人類にアストラルプレーンに存在する「アカシックレコード」が渡ることを阻止するためにアカシックレコードを探している。
その「アカシックレコード」こそ、「慧」である。
能村尚子(のうむらなおこ) 医学博士(研究者)
友禅暁(ゆうぜんあきら) 被験体
ヒュドラ(頭大好き旧支配者さん) 神話生物
由希 天使
慧(けい) アカシックレコード
ある夜。貴方は布団の中で眠りについている。その夢の中で、貴方に声が聞こえる。
「――えますか」
「○○さん、聞こえ――」
探索者のリアクション次第で反応は臨機応変に。
・名前
・アストラルプレーンっぽい場所の説明(視覚的な情報)
・近くにいる怪物の話(ヒュドラの説明)
・今は安全な場所にいるが、動けなくて帰れない
以上の情報を渡しましょう。適当なところで探索者の目が覚めます。
・友禅暁に連絡
→連絡が取れない。
・友禅暁の友達・別の知人に連絡
→友禅暁の近況についての情報が手に入る。
・最近「修零大学」の医学部で治験のアルバイトをやっているらしい。
・「能村 尚子」研究室を尋ねると良い。
私立の総合大学。医学部は郊外の丘の上に立地している。
評判は普通。
「認識」「認知」について研究しているらしい(ネットからの情報でもここまでわかる)
分野としては精神科神経科。
隠れているわけではないので、面会は昼間ならいつでもできる。
能村尚子は研究室にいる。能村研究室は清潔感溢れる空間になっている。衝立とカーテンで部屋の奥が仕切られているようだ。
能村尚子は基本的に変人である(研究馬鹿と言ってもいい)
研究第一であり、研究に興味を持っているといえば好意的に接してくれる。
能村尚子の研究は「動物の感覚、認識を操作することで人間の可能性を広げること」である。
「認識」を操作すること(簡単に言うと思い込み)で医学のみならずあらゆる人間の可能性を広げることを目的としている。
例として「プラシーボ効果」や治療における医療者との信頼関係のもたらす効果などを話すと良い。
友禅暁は尚子の元患者である。友禅暁は昔尚子に借りがあり、恩を感じている。そのことから尚子の研究に協力するようになった(尚子から暁に協力を頼んだわけではない)
これ以上の情報(9:友禅暁の行方、10:友禅暁の治験)を得るためにはRP(もしくは信用or説得で判定に成功)が必要
友禅暁はカーテンの奥にあるベッドにいる。
友禅暁は眠りについており、何をやっても目が覚めない。
ただ脳波の計測から、長い夢を見ている状態であることが推測される。
栄養などは点滴などから直接摂取させているが、この状態が長引くと命に係わるという。
尚子は暁に一種の催眠状態(トランス状態)にすることで、意識や感覚を平常の人間から拡張しようと試みた。
そのための薬剤を投与(経口投与)したが、投与された薬剤は「通常市販されている睡眠薬、精神安定剤」でありこのように長い睡眠状態になることは通常考えられない。
(心配ならば薬学、医学で判定を行うことが可能。成功すると使用薬剤は貴方も知っているほどごくありふれたものであることがわかる)
医学的には不明。手の施しようがない。
ただ何らかの方法で暁の意識に呼びかけるしかないと推測する。
アイデアロール成功
→暁と同じ薬を飲めば、彼と同じところへたどり着けるのではないかと思いつく。(因みにこの場合は身体の方は尚子が暁と共に保護してくれる)
薬を飲んだ場合→14:アストラルプレーンへ
謎のNPC(由希)が探索者に話しかけてくる。
謎のNPC
・姿は性別がわからない。性別不明。
・二十歳くらいに見える
・何かお困りですか?と話しかけてくる。
・自称占い師。
・会いたい人に会いに行くために、「来栖大聖堂」の「聖母の絵」に触れなさいと「十字のアミュレット」を手渡す。
(十字のアミュレットは門の通行費MP23pt分を肩代わりしてくれる)
大学近くの大聖堂(カトリック教会)
祭壇の奥の壁には大きな聖母の絵が掲げられている。
どの時間帯に行っても人気がないのか、とても静かである。
目星成功→聖母の絵に何か違和感を覚える。
聖母の絵には≪門の創造≫の魔法陣が一見するとわからないように描かれている。
絵画に触れる
→正気度1pt MP23pt 消費
光に包まれたと思えば、貴方はアストラルプレーンに移動している。
身体は水の中にあるかのような浮遊感で漂っている。
周囲には暗黒の海に星々が輝いている。
正気度喪失 0/1D4
進もうとすると、後ろから引っ張られる。
「闇雲に進もうとすると危険ですよ」
貴方の背後には幼子が同じように浮かんでおり、貴方の服の裾を掴んでいる。
Q:貴方は誰?
A:「由希」と名乗る。
由希はここを案内できる。
心理学or目星成功で、自称占い師と同一人物であることがわかる。(占い師と出会っていれば)
目的は「友禅暁を保護して元の世界に送り返すこと」
そのために貴方(探索者)に協力したい。
Q:ここはどこ?
ここは「アストラルプレーン」と呼ばれる。
意識のみが存在する高次空間であり、霊的存在が集う場所。
ここにはヒュドラという怪物が棲みついており、捕まると殺されてしまう。(精神体では精神を吸われ、肉体では頭を食われて脳を吸われる)
ヒュドラとは知識的な部位を吸い取る吸血鬼のようなもの。
由希の案内に従うかどうかを選ぶことができる。
→由希に従う(ヒュドラに会わずにこの世界を歩ける)
→由希に従わない(移動のたびに幸運で判定を行い、失敗するとヒュドラに遭遇する)
移動できる場所
赤い星 暁と慧がいる場所
青い星 死者の魂が集う場所。死者との因縁があれば、再会させてもよい。
黄色い星 天使や神獣が集う場所。探せば会いたい生き物と会えるかもしれない。
このあたりは自由にイベントを起こしてOKです。寧ろイベントを起こして「慧」に認められやすくすると良いでしょう。
青い星と黄色い星は完全にアドリブに任せます。
友禅暁と1人の幼子がいる。
1人の幼子は自らを「慧」と名乗る。
慧は性別がよくわからないが、不思議な雰囲気を纏っている。
・友禅暁との会話
尚子のことや現実の友達、家族のことを気にかけている。
Q:今までどうしていたか。
A:ここで彷徨っていたところを慧に助けられた。
Q:慧について
A:とりあえずいい子で、この場所について詳しい。
・慧との会話
慧は表情が読めないが、優しい雰囲気を纏っている。
Q:ここについて
A:アストラルプレーン。面白い生き物やものがあるよ。
Q:「慧」について
A:自分もここにいる幽霊みたいなものなのだという。
・由希は慧に対して積極的に話しかける。
→慧はあまり相手にしない
(慧は「由希」の正体を知っているから)
慧が説明してくれる。
地球のような星まで移動すれば、なんとかなる。
しかしそこに移動するまでにヒュドラの巣の14前を通らなければならない。
ヒュドラの巣では黒いバスケットボールのようなものや植物の蔦のようなものが点在している。
よくみればそれが人の頭部であることがわかる。
その頭部が浮かべている顔はどれも苦痛に歪んでおり
よく調べると 鳥や植物の頭部らしきもの浮かんでいることがわかる。
移動は(INT+POW)*2で判定を行う。
2回成功すればヒュドラの巣を抜けられる。
失敗したら幸運で判定を行う。幸運の判定に失敗するとヒュドラが現れる。この時点では背後に現れるため、振り返らなければ正気度喪失は発生しない。
次の移動の判定に成功すればそのまま逃げ切ることができる。
失敗した場合、捕まる(この時フォローが入れば助けてもよい)
フォローがなければ戦闘になる。
この場所にたどり着くことで、元の世界に帰ることができる。
魔力は慧が肩代わりをしてくれる。(門の創造)
これまでの経緯から
・「慧」への接し方
・助け合いの精神
・魂の高潔さ、誠実さ
などの探索者と暁の行動から総合的に「アカシックレコードを手にするに値する人間かどうか」を判断する。
(この判断材料や根拠のためにここまでのアドリブをガンガン入れるとここで理由づけしやすいと思います)
→値する人間であると判断した場合。
慧は自分の正体を明かし、「アカシックレコード」を手に入れたくはないかと持ち掛ける。
Q:アカシックレコードとは?
A:万能の叡智であり、望めばすべてを理解することができる。
世界の全てが記されたものであり、逆説すればアカシックレコードの改変により世界の理を改変することが可能であるかもしれない。
(後者は独自解釈です。このシナリオではアカシックレコードの書き換えによって事象改変が可能となっております。その代償などはお任せします)
Q:アカシックレコード=慧を所有すると?
A:SAN強制0、EDUが∞になり、すべての知識を知るものとなる。
貴方にわからないものごとは存在せず、
それゆえに貴方を理解できるものは独りも存在しない。
貴方は正常なまま、狂っている。
貴方自身は正気であるが、この叡智を正気の人間が手にすることはできないのだ。
(正気度強制0になることは、事前にKPから伝えてください)
Q:所有しない。が、慧にいくつかの質問をすると?
A:すべての質問に正しく、真実を答える。
Q:アカシックレコードを書き換えると?
A:歴史改変や事象改変などを望めばそれも可能である。
ただし、「慧」はそれによっておこる不幸についてはなにも説明しない。
由希が「慧」の正体に気づく。
慧を強制的に手に入れるために襲撃を仕掛ける。
・由希が正体を現す
その中には四つの生き物の姿があった。
それは人間のようなもので、それぞれ四つの顔を持ち、四つの翼をおびていた
その顔は人間の顔のようであり、右に獅子の顔、左に牛の顔、後ろに鷲の顔を持っていた
生き物のかたわらには車輪があって、それは車輪の中にもうひとつの車輪があるかのようで、それによってこの生き物はどの方向にも速やかに移動することができた
全身、すなわち背中、両手、翼と車輪には、一面に目がつけられていた
一対の翼は大空にまっすぐ伸びて互いにふれ合い、他の一対の翼が体をおおっていた。
またその翼の下に、人間の手の手の形がみえていた
正気度喪失 1/1D8
・由希の目的について
由希は天使であり、アカシックレコードを狙っている。
由希は自分の信じる神が全ての知識を独占すればよいと思っている。
vs由希(レイス)
抵抗表で由希のPOWと対象のCONを競わせる。
負けた場合、
霊体ならINTを
肉体ならCONを
[1D6-1]pt喪う。
成功した場合
由希はPOWを
[1D6-1]pt喪う。
POWが半分以下になると撤退する。
もしくは、何らかの魔術的攻撃を1回でも与えると撤退する。
(時間がかかりそうであれば慧に魔術を使わせる)
由希を退けると帰還できる。
(このあとアカシックレコードの取引をしてもよい)
各方面に報告してED。
EDはご自由に。
・シナリオクリア 1D10
・暁救出成功 1D4
・青い星に行った 1D2
・黄色い星に行った 1D2
・アカシックレコードを由希から守った 1D6
「慧」の使い方によっては探索者(PC)がかなり強化されることが予想されるので
継続探索者として使う場合はよくKPと相談の上、継続なさってください。
名前:能村 尚子(のうむら なおこ) (性別♀) 職業:医者
年齢:EDU+6以上
STR:10 DEX:8 INT:12 アイデア:60
CON:7 APP:17 POW:7 幸 運:35
SIZ:15 SAN:35 EDU:16 知 識:80
H P:11 M P:7 回避:22 ダメージボーナス:+1D4
――――――――――――――――――――――――――
医学:89%(5+84) 心理学:89%(5+84) 精神分析:89%(1+88)
ラテン語:3%(1+2) 生物学 :29%(1+28) 薬学:21%(1+20)
[職業選択技能]
図書館:39%(25+14)
――――――――――――――――――――――――――
[プロフィール]
医学部教授
名前:友禅 暁(ゆうぜん あきら) 性別:(変更可)
職業:学生 年齢:18
STR:16 DEX:15 INT:14 SIZ:15
CON:11 APP:17 POW:13 EDU:12 DB:+1D4
耐久力:13 MP:13
――――――――――――――――
[プロフィール]
探索者の知人。技能値は好きに決定して構いません(投げやり
名前:由希(ゆき) 性別:(変更可)
職業:天使 年齢:18(外見年齢)
STR:-- DEX:-- INT:10 SIZ:--
CON:-- APP:-- POW:14 EDU:-- DB:--
耐久力:-- MP:14
[プロフィール]
天使。(マレモンP268 レイス参照)
名前:慧(けい) 性別:不明
職業:アカシックレコード 年齢:不明
STR:11 DEX:15 INT:14 SIZ:12
CON:11 APP:15 POW:13 EDU:∞
耐久力:13 MP:13
[プロフィール]
アカシックレコード。知識系、情報系の判定は全て自動成功する。
全てを知っており、すべての魔術を知っている
(ただし知っていることと実行することは違うため、魔術を行使する際の判定は行う)
ヒュドラ
STR:該当せず CON:59 SIZ:783 INT:100 POW:50
DEX:該当せず HP:421 ダメージボーナス:該当せず
武器:飲み込み90% ダメージ 首を刈り取る
装甲:なし ただし生きた粘着質の塊であるため物理的なダメージは受けない
魔術、魔力を付与された武器、火、電気、及び化学物質は通常のダメージを与える
呪文:ハイドラはどんな呪文も使用できるが普段魔術は使わない
目撃による正気度喪失は1d8/1d50
「ハイドラについて」
この生物は知的種族の頭部と脳を吸収することによって生きる
吸血鬼的存在である。通常の次元には住んでおらず異界の次元の中に潜んでいる
(マレモンP232 ハイドラ参照)
Q:何故あの薬でアストラルプレーンに行けたのか
A:薬そのものは普通の市販薬。ただプラシーボ効果が加わり、
おまけに暁も探索者もアストラルプレーンに行ける才能があったので行けました。
因みに導入の「夢」が探索者が「アストラルプレーン」とリンクしやすい体質であることの表れです。
(暁は色んな人に連絡しようと試みていました。その中で唯一交信できたのが「探索者」です)
Q:由希はどうして探索者に近づいて来たのか。
A:アカシックレコード=慧に近づくため。
そもそも慧は「アカシックレコードを所有したい」という欲をもつ存在の前には現れませんし、
どんな存在もその正体を慧(全知)から隠すことはできないので
回りくどいですが「慧」に近づけそうな存在に近づくしかありませんでした。
(慧は初めから由希の正体に気づいていたので、由希に近づこうとしません)
Q:「慧」はなぜ人型?
A:概念存在です。知識の集合体であり、知識であるがゆえに使われたがっています。
ただ使われ方くらいは選びたい(特に由希のような「知識独占」は大嫌い)
その他質疑応答などはコメントにてどうぞ。
シナリオご利用の際は一言頂けると嬉しいです(強制はしませんが)
CoC(主に時代物)やマギカロギアなど。 ざっくばらんなシナリオが多いので適宜アドリブや改変お願いします。
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