時は第二次世界大戦の真っ只中、敵国である日本が超大型決戦兵器を導入し、実戦配備が行われつつあるという情報を得たある国の軍事司令部は日本に向けてスパイ作戦を企てた。国の各地方でスパイとして活躍していたPC達が集められ、研究所と兵器の破壊と実験データの押収を任務として言い渡し、とある研究施設に諜報活動を行うように促す。しかし各PC達には、その任務とはまた別に、所属していた諜ギャングから別の任務を言い渡され、各PC達にその任務を気が付かれないように諜報活動をすることになる。このスパイ作戦の結果やいかに。
PDFでも公開してます。印刷する場合や見にくい場合はこちらもごらんください
またセッション中に使う地図もPDF内で公開してます。
スパイ大作戦-Episode.0-
またこのシナリオは前作スパイ大作戦のすこし前のシナリオになっております。
プレイされてない方もプレイは可能ですが、よければ続編となるシナリオもプレイされてみてください!
スパイ大作戦
大きく分けて7つのセッションルールがあります。
ステータスとダイスはこのゲーム独自のものを採用しますが、TRPGの中でも人気のあるクトゥルフTRPGのキャラを流用できるよう調整してあります。以下に具体的なステータスの振り方について説明します。
[STR]:3D6でステータス決め。主に力系のダイス判定に参照します。
[POW]:3D6でステータス決め。主にスキルの判定に参照します。
[DEX]:3D6でステータス決め。主に器用さ・注意力・俊敏性の判定に参照します。
[LUC]:3D6でステータス決め。主に幸運の判定に参照します。
[INT]:3D6でステータス決め。主にアイディアの判定に参照します。
[残機]:2D6でステータス決め。文字通りPCの残機です。
※クトゥルフTRPGのキャラから流用する場合、LUC・INT・残機を独自に振ってステータスを決めてください。それ以外はクトゥルフTRPGと同じなのでそのまま流用してもらって大丈夫です。
特段この行動はこれで判定しなきゃダメ!というのは指定以外ではスキルを使うPOW参照くらいなので、GMが適宜参照して判定してもらえたらと思います。
ダイスは20面ダイスを使います。1D20をしてステータス以下の出目なら判定成功、ステータス以上なら判定失敗です。ステータス最大値の場合でも18なので確率は最大90%になります。またクリティカル・ファンブルはありません。
GMとPLは個人チャット経由で他のPLにバレないよう意思疎通を行うことが出来ます。例えばスキルを使う場合や、隠密にある部屋に入って自分だけその情報を仕入れたい、などといった場合に有効です。他PLに対し隠密に行動する場合、技能判定前にDEXで一度判定を行い、隠密に行動が出来たかどうかを判定してください。失敗した場合、その行動はGMを通じて何をしていたかを他PLに伝えてください。
このセッションの時代背景は第二次世界大戦中の日本で、PC達はスパイ活動をしています。外から入ってきたものがコソコソ活動をしていたら目立つことこの上ない、とスパイ活動を命じられた上官から奇妙な「腕輪」をもらい、その腕輪の効果により日本人風の風貌に変化します。また、仮に力尽きてもその場で復活する蘇生機能付きではありますが、その使用回数は限られています(残機)。と同時に、お互いが裏切らないようにするための密告装置でもあります。セッション中、日本に着いた段階から外国語は禁止で、うっかり喋り他のPLにバレた場合はその場で燃え盛り処分されます(残機-1)。また一緒の任務を受けた仲間を裏切る行為を告発されても同様の処分を受けることになります。GMからのペナルティは極力避け、PLが気がついて告発をしている場合にのみ適正な処分を下してください。
各PCには一人一つずつ特殊能力が使えます。上にも書いた通りPOWで判定します。この特殊能力はPLが独自で考えたものを出来れば採用してもらった方が戦略と卓の幅が広がるのですが、思いつかない・扱いきれない等の問題がありましたら、各プレイヤーに任務と合ったおすすめスキルを書いておくのでそれを採用してください。特殊能力は失敗すると残機が1減り、その場でドロドロに溶けてPCは死んでしまいます。が、その後上記の「腕輪」の力によりその場に復活します。
今回のセッションではHPの概念がありません。PCの何らかの攻撃がヒットした場合、その時点で相手を死亡または気絶させてください。死亡気絶判定はその時のPCの攻撃具合に応じて変えてください。(銃で打つとかなら即死など)
※あくまでPL同士の戦いがメインなので、あまりこの戦闘で長引かせたくないためです。
またPCに攻撃が当たった場合、その場で残機を-1させてください。NPCからの攻撃に当たると基本的に即死させてください。素早さ・回避はDEX判定(ただし回避は1ターン一度のみ)、パンチなど肉弾戦はSTRで判定してください。
シナリオ終了後、国に帰って軍の上官へ任務の報告会があります。報告会では
・上官の任務をきちんと遂行することが出来たか
・痕跡を残さず任務をこなしたか
を主に聞いて、その原因を追求し、誰かに責任を負わせてください。
同時に、他PCの特殊能力の推理をしてもらってください。
最終的に一番任務失敗に加担し、特殊能力がバレてしまった者を上官が処分(ペナルティ残機-3)します。
任務がある程度片付いたら帰国し、結果を報告するという形。表向きは軍事司令部の任務を遂行することになりますが、PC達は所属しているギャング内の別の任務を他のPC達に知られないように遂行することが目的となります。帰国し成果を報告する際、任務に失敗した場合、任務に失敗した原因をあら探りし、一番任務に貢献出来ていないと判断されるPCに対して重いペナルティを受けてもらいます。結果として残機が0にならず、ギャングの任務を全て遂行出来たPCの勝ちです。残機が0になった者はその場でキャラロストになります。
4人分作っていますが、人数の関係上増えたり減ったりした場合は適宜任務を減らしたり増やしたりしてください。増やす場合は上官の命令に背くような任務であること、他のPCの妨害をしなければ達成が難しそうな任務であることが望ましいです。
またスキルに関しては任務発表後に変更しても構いません。セッション中は変更不可です。
PL自身で特殊能力を考えてもらうのがベターですが、思いつかない場合はおすすめスキルを使わせてください。PL自ら特殊能力を考えてきた場合、あまりにも強力なスキルにするとゲームバランスが崩壊するので、GMは以下のおすすめスキルを見つつ、ゲームバランスを調整してください。
今回ペアの任務とスキルを新設しました。難しい場合は個別の任務とスキルを設定してください。
<プレイヤー1>
[任務]与えられた任務を完璧にこなす、反逆者を見つけ目的と能力を把握する
[おすすめスキル]テレパシー
⇒もう1人同じ任務についている相棒といつでも隠密チャットで会話が可能になる。
⇒また、他PCの直前のGMとの隠密チャットを覗くことができる
<プレイヤー2>
[任務]与えられた任務を完璧にこなす、反逆者を見つけ目的と能力を把握する
[おすすめスキル]テレパシー
⇒もう1人同じ任務についている相棒といつでも隠密チャットで会話が可能になる。
⇒また、他PCの直前のGMとの隠密チャットを覗くことができる
<プレイヤー3>
[任務]3つある実験データの奪取(複数あるということは他PLは知らない)
[おすすめスキル]テレポート
⇒一度見たことがある場所に瞬間移動できるスキル
⇒屋内にいる場合、屋外の場所には移動出来ない。屋外から屋内も同様である。
<プレイヤー4>
[任務]施設と兵器の破壊の阻止、不可能ならば兵器を実験場から脱出させる
[おすすめスキル]形体変化
⇒無機物のみ有効。触れた状態で使うと無機物をカードにできる。
⇒カードは投げると再び物質化する
→またこのPCにのみ特別支給品として、軍から支給される爆弾の威力を弱める装置を渡される
(爆弾弱体化装置について)
・サイリウムのような形をした棒状の装置。
・棒を振ることで棒の色を変えることができるが、変わる色はランダムである。
・一度色を変えたら再び振るまでは色は変化しない。
・赤色にした状態で爆弾の取手を叩くことで威力を抑えることができる。
→色のランダム性について:1D20で5の倍数が出たら(5,10,15,20)赤色になる。
※この前説は本編を始める前、PLとGM1対1で行ってください。
※また以下の文章は例です。この通り進めてもいいですが、いくらでも改変してもらって構いません。ここで必要なことはギャング内任務を伝えることと特殊能力を決めることです。
第二次世界大戦中、某大陸の小さな国でスパイ活動をしていたPCはその腕を見込められ、国の軍の特殊作戦に参加することになった。これはPCが軍に招集される数日前の話である。久しぶりの休暇を満喫していたPCに突如連絡が届く。自分が所属しているギャングのボスからであった。
「ようPCよ。前の任務はご苦労だった。お陰で有利に事を進めることができたよ。その腕が認められたかなんだか知らねえが、軍に招集されたってな?ちょっとそのことで話があるんだ。休暇中悪いがアジトに来てくれ。」
PCはその連絡を受け取った後すぐアジトに移動し、ボスの所まで行きます。
「おーPCよ、よく来たな。休暇中すまなかった。さっそく本題に入らせてもらおう。今回の作戦は風の噂程度に耳に入ってきたくらいなんだが、どうやら敵国の巨大兵器に関する任務らしいな。我らのギャングもこの任務で手に入る物で力をつけたいと考えている。だから軍の任務には従わず、我々ギャングの任務を遂行してほしい。お前ならできるはずだ。」
「任務の内容は、(事前に決めた任務内容を伝えてください)」
「ただ、腕が立つお前でも軍の任務に反して遂行するのは難しいとは思う。しかもどうやら今回はお前単独ではなく他のギャングから複数人のスパイチームを構成するらしいからな。妨害されちゃ敵わん。そこでといっちゃ何だが、一つ餞別だ。いつぞやのゴタゴタで回収した特殊能力が発現する薬があっただろ?あの中から一つ選んで自分の力にしてくれ。」
(PLに特殊能力を選ばせるなり、考えさせるなりしてください。)
「この特殊能力は強大だ。強大なものにはリスクを伴う(残機-1)。そのリスクを重々理解して、ここぞという時に使ってくれ。あと他のギャングのスパイ達にお前がその特殊能力を持っているということをバラしてはならないぞ。今後の活動にも不利益が生じるし、軍から目をつけられる可能性もある。気をつけて使ってくれ。」
「任せたぞPC。いい知らせを待っている。」
時代は第二次世界大戦の真っ只中、敵国である日本が超大型決戦兵器の導入に先駆け、兵器の実験を行うという情報が入ってきた。研究所への侵入を伺っていた軍の司令部はこの機に乗じて実験施設を事故にみせかけ破壊し、研究所内部への侵入のチャンスを作る作戦を企てることとなった。国内のギャングで活躍していたスパイであるPC達は、その腕を認められ軍に招集されることになった。
軍の上官が今回の作戦の説明を行う。
「よく来た優秀な諜報員達よ。私が軍の司令部副部長のプーチン・プリンという者だ、さっそくだが今回の任務についての話をさせてもらおう。我が軍の優秀な同胞達の働きにより、敵国日本には今までに存在しえない強大な力を持つ兵器を開発しているということを掴んだ。しかしながら兵器の実態は未だ情報が入ってきていないものの、本丸である研究施設の場所と不自然に広大な実験場の存在は確認することができ、近日中にその実験場において兵器の実験をするということが分かった。今回、その実験場での兵器の実験を行う機に乗じて実験場に潜入し、実験の事故に見せかけ兵器および実験場の破壊をすることと実験データ等記述してある書類を確保することがお前達の任務だ。これは今後本丸である研究施設への潜入任務の第一歩となる大事な任務だ。確実に成果を上げ、本国へ戻ってきて欲しい。」
さらに上官は話を続ける。
「幸い、実験場は広大とはいえ現在実験場にはさほど人はいないようである上、最終目標が実験場を破壊することであるため、諸君らが侵入した痕跡はある程度消し飛ぶものと思われる。しかしながら厳戒態勢である日本の懐に潜り込むことになるのには間違いないだめ、無駄に警戒されるのは避けたい。いつも以上に注意を払って任務にあたってほしい。そこで我々も諸君らの任務を成功に導くための支給品を配布する。」
上官が部下に合図をすると、どこからか木の箱を持ってくる。上官に渡されると、箱を豪快に開き、その中に入っていた鉄製の腕輪をスパイ達に見せる。
「この腕輪は諸君らの外見を日本人に見えるようにするための装置であり、かつ致死的ダメージを食らった場合、その場で再び蘇生し、任務を再開出来るようにするための装置である。しかし回数制限があるから使用回数には十分注意しろ。」
上官は腕輪を配り、右腕に装着させる。PC達は日本人風の人間に早変わりした。
「これで諸君らは日本人になれた。しかし言動や行動には注意しろ。日本人らしくない行動や言動を行った場合は任務を失敗する恐れがある。また相手は超大型の兵器を作り出す技術を持った国だ。人格を乗っ取られ任務に支障をきたす場合があるかもしれない。今の日本でふさわしくない言動や行動を取ったもの、または任務に背くような行動を取った物がいたらすぐに諸君らにつけられている腕輪に『ギルティ!』と叫べ。腕輪がそれを認識し、正しく裁くだろう。」
「なあに心配はいらんよ。任務を忠実にかつ正確にこなせばいいだけの話だ。本来蘇生機能なんざ必要ないはずだからな。万が一不幸にも死んでしまった場合でも、その腕輪が復活させてくれた新しい自分が任務を遂行してくれるさ。」
「さらに今回は広大な敷地を確実に消し飛ばしてもらいたいため、我が軍から高性能の爆弾を準備させてもらった。兵器の近くで起爆させれば実験事故のようにみせかけることができるだろう。有効活用してくれ。」
スーツケース大の木の箱が彼らの前に置かれる。上部に取手が着いており持ち運びは容易そうだが、軽くはなさそうだ。
(ここで誰が持つかを決めてください。)
「操作自体も簡易なものにしてある。詳しくはこの説明書を日本に行くまでに読んでいてくれ。」
(※GM情報:下記に説明書の文章あり)
「さほど難しくない任務とはいえ十分注意して取り掛かってくれたまえ。成功してくれた暁には莫大な報酬を用意している。ただし、失敗した場合は、覚悟しておけよ?」
「さあ諸君たちの検討を祈る。」
慣れない腕輪と風貌に戸惑いながら、スパイ達は日本へ向かうのであった。
(爆弾の取扱説明書)
※GM情報:爆弾を運ぶ人だけに渡してください。それを公開するかどうかはPLの自由で。
・起動して10分経つと直径1kmの広範囲を爆破できる爆弾。
・中を開くとモニターとボタンがある。ボタンを押すと作動し、モニターにカウントダウンが表示される。
・カウントダウンはどんなことをしても止まらず、一度作動したら必ず爆発する。
・取扱には注意。爆弾を内蔵している木箱に強い衝撃が伝わると、保護システムが作動し爆弾は使用出来なくなる。
→強い刺激について:木箱の耐久として対抗値4を設定する。強い衝撃が木箱に伝わったとGMが判断した場合にシークレットダイスで判定(4以上が出たら保護システムが作動する)
・保護システムが作動するとボタンを押してもモニターにカウントダウンが表示されなくなり、爆発が起きなくなる。
日本に到着すると、先に日本で暗躍していた同胞達の軍用車らしき車に乗り込み、市街地を抜け山へ抜けていく。どれだけ走っただろうか永遠にも感じるでこぼこ道を進んでいくと、山道の途中で車が止まる。
「任務の実験場はこの先の道をまっすぐ進んだ所にある。これ以上近づくと怪しまれる可能性もあるから車での輸送はここまでだ。任務が終わる頃合いになったらまた迎えに来るから、ここで落ち合おう。それじゃ、幸運を祈るよ同胞達よ。」
運転手はそう言うとPC達を車から降ろさせ、けたたましいエンジン音を上げながら山道を下っていく。空は晴天。ちょうど昼頃だろうか。PC達は足取り重く山道を登っていくのであった。
ここからPC達は行動が可能になる。
しばらく山道を進んでいくと、大掛かりに開けた場所に出た。目算1kmほどはあるだろうか、生い茂る木々はそこだけすっぽりと無くなっており、半球状に窪んでいる。なんといっても目を引くのは半球の中央に存在する自分たちの10倍はあろうかとも思われる人形の大型兵器の存在である。足元は灰色の土台と金属により固定されており、その土台から伸びる左右二本の大きな鉄柱から伸びる鉄骨と足場によって体の部分を支えてあった。ちょうど腰辺りからケーブルが伸びており、そのケーブルをたどるとPC達がいる場所の対岸、半球の中腹辺りにある白い四角い建物につながっている。窓があり、その中で研究員が2人作業をしているのも確認できた。また半球状の窪みにそって反時計回りに目線を移すと、小さな小屋が建っているのも分かった。
(※GM情報:詳しくはシナリオ末尾うえmap参照)
「第三実験場建設管理室」と書かれてある。どうやらこの実験場を作った工事関係者が使っていた小屋らしい。中には誰もおらず不用心にもドアに鍵もかかっていない。
中に入ると長机が一つとパイプ椅子が6脚あり、その机の上には書類が散乱していた。また壁にはロッカーが複数個あり、ロッカーの上にはヘルメットがある。
(ロッカー)
ロッカーの中を調べると建設作業員が使ったであろうつなぎがしまわれていた。サイズも大小様々よりどりみどりで数も人数分はある。
(机の上)
よく机の上を漁ってみると、実験施設の設計図や工事進捗表、緑色のカードが見つかった。(マップはシナリオ末尾実験施設設計図参照)
(工事進捗表)
ここ二年ほどでこの場所の開拓と建築が進められていたことが分かる。今日は作業員達は休みで、工事自体も終了しており、あとは作業場を解体して撤収作業が残るのみであるのが分かった。また実験は三日後に行われる予定なのも分かった。
遠くからでもその存在感に圧倒されるものであるが、足元まで来るとその大きさは果てしないものであった。これが起動し、自分たちの故郷で破壊の限りを尽くすとなると背筋が凍る思いだ。左右の鉄骨にははしごがついており、ちょうど人間で言ううなじの部分までいけるようである。
(※GM情報:巨大兵器付近でPC達が取れる行動は少ないです。兵器の破壊に取り掛かるか、兵器を詳しく調べるかですが、描写すること以外の情報は特に出さなくて大丈夫です。攻略ルート的には実験施設を制圧後、兵器の破壊のためここに訪れることになるのですが、制圧前の時点でここに訪れた場合は問答無用で下記の実験施設制圧前の警戒シーンへ移行してください。先に作業員事務所に赴き、作業員に変装していても今日は作業員は休みであり、かつ研究員の許可なく兵器に近づくことは出来ない事になっているため、施設にいる研究員にPC達が兵器に近づいたことを発見され、強制的に警戒イベントが発生します。施設制圧後はこのイベントは起こらないので上記の描写のみしてください)
探索を行っていたPC達の周りを突如として大音量の警報が鳴り響いた。そのあまりの音量に耳を塞ぎながら音の出る方向に目を向けるとどうやら研究施設からの警報のようだ。施設の中の人間は突然の侵入者に慌てながら侵入者の対処に奔走しているようであった。
徐々に警報も鳴り止んで、辺りに再び静寂が訪れる。実験施設から人が出てくるかと思いきやそのような様子もなく建物からこちらを監視しているようであった。その直後、再び建物から放送が聞こえる。
「緊急発射5秒前、4、3・・・」
ここで各PC達は一回だけ行動をすることができる。
「発射!!」
その号令と同時に兵器を支えていた金属と鉄骨が離れ、その場に崩れ落ちる。と、同時に兵器の足元からジェット噴射が起き、足元付近にいたPC達はそのジェットに巻き込まれてしまう(残機-1)
難を素早い行動によって逃れたPC達や、ジェット噴射をまともに食らったのにも関わらず無事な腕輪の力で復活したPC達の目に入るのは空高く飛んでいく兵器の姿だった。兵器はPC達の届かない遥か上空にその巨大な機体を運び、そのまま飛び去ってしまう。それを見届けると同時にPC達は兵器の破壊を失敗したということを身にしみて思い知る。
実験場に入ってきた小道とは反対側にその施設はあった。入り口の看板には「Narv第三実験場研究施設」と書かれてある。壁に窓はなく、入るための入り口であろう扉には取手がなく硬く閉ざされていた。その扉の左に緑色のカードリーダーがあった。
⇒聞き耳:音は何も聞こえないがこの中に人が何人かいる気配を感じることができた。
⇒カードリーダーを使って扉を開くと、入り口から見える場所には人はおらず、大げさな音を立てなければ隠密に行動が可能のようだ。
⇒聞き耳:扉のすぐ向こうで話し声が聞こえる。どうやら二人ほど扉の向こうからこちらを向いて警戒しているようだ。
⇒扉を開くと、警戒していた二人の研究員がこちらに有無を言わさず発砲してきた。
(聞き耳などで事前に二人扉の向こうにいるということが分かっていた場合回避が可能。それ以外は回避不可能全員残機-1)
そのまま戦闘に突入する。
[敵ステータス]
研究員A(六輔):STR.16 POW.11 DEX.08 INT.14 LUC.06
研究員B(紫) :STR.08 POW.12 DEX.15 INT.14 LUC.10
両方重火器を装備しているため、攻撃成功確率に+30%の補正がかかる。(ダイス数値だと+6)
研究員撃破後、体を調べるとAの方から青のカードリーダーを手に入れる事ができる。Bの方からは緑のカードリーダーが手に入る。
研究施設内部は白い壁で窓はない。その上シーンとした静寂も相まって肌寒い印象を受ける。入って右手に細長い通路とその奥には扉が一つ、さらに正面に人が二人すれ違える程度の少し広めの通路がある。正面の通路の奥には扉はない。正面の通路には左手に扉が一つ、右手に扉が3つ見える。
司令室の中は一面が大きな窓になっており、円形にくぼんだ大地と間近に迫る兵器をしっかりと観察することができる作りになっている。窓があるおかげで壁一面が白でも廊下にくらべて温かみを感じるような気がした。部屋の中には山積みになった書類と共に巨大な操作盤や機械が敷き詰められていた。
(未警戒時)
⇒聞き耳:人が二人いることが分かる。
扉をそっと開けると中で二人の研究員がそれぞれ巨大な操作盤の前で作業をしていた。二人共作業に没頭している所を見るに、隠密に行動を行えばバレることなく活動が可能そうだ。
⇒バレた時、作業員の服を着ている場合のみ作業員として騙すことも可能
(対抗値は10。以下なら成功。)
⇒バレるかつ騙せなかった場合戦闘が発生
[敵ステータス]
研究員A(六輔):STR.16 POW.11 DEX.08 INT.14 LUC.06
研究員B(紫) :STR.08 POW.12 DEX.15 INT.14 LUC.10
両者とも懐にあった拳銃で応戦してくる(判定はDEX)
研究員撃破後、体を調べるとAの方から青のカードリーダーを手に入れる事ができる。Bの方からは緑のカードリーダーが手に入る。
山積みになっていた書類をかき分けると2冊のノートを見つけることができた。
(機体の操作実験についてのノート)
機体の操作に必要なものは、機体を動かすためのエネルギーになる小型燃料と機体を制御するコントローラーである。燃料は縦10cm弱、直径3cmほどの小さな円柱状の小型燃料であるが、その能力は凄まじくまた燃料の扱いにも注意が必要である。詳しくは本部の燃料部隊から渡された燃料についての資料を参照。コントローラーは今まで採用していたレバーとトリガー式コントローラーからは大きく形を変え、より人の手にフィットしやすくかつ繊細な動きを実現できるものに改良を行った。今回は新型コントローラーのテストも兼ねての実験を行う。
⇒コントローラーは無線CGコントローラーと同じ形。操作方法はスマブラと同じ。
(兵器の起動条件実験についてのノート)
概要:有人でのみある特定の条件下ではあるものの行動を制御して操ることが可能になった。しかし、操縦者に対する被害が未知数であり、具体的な被害のメカニズムとそれの予防方法を考えると共に、無人操作を可能にするシステムの構築が求められる。これまでの研究において無人操作を可能にするいくつかのシステムが組まれてきたが、どれも暴走し制御不可能に陥った。今回の実験は、無人における新しいシステムの構築、適用によって無人状態の兵器制御を試みる。(実験責任者:氏神六輔、共同実験者:矢吹紫)
⇒以降、具体的なシステム構築方法やプログラムの組み方など専門的な内容がずらりとならんでいた。
⇒どうやら兵器自体にプログラムのインストールは終了しており、今すぐにでも操作は可能である。
⇒また万が一に備えて機体緊急射出装置も備え付けてあるとのこと。操作盤の赤いパネルを押すと近隣の連係実験場に機体が射出されるようになっている。
中には大きな机が一つと簡易的なキッチンがあり、壁に沿うように食器棚と少し大きめの冷蔵庫がある。食器棚の中には綺麗に整理された食器と調理器具があった。
⇒冷蔵庫の中を調べると食材があり、そのまま食べると残機1D2回復する。また食材を調理すると成功で1D3失敗で1の残機が回復する。
(調理の対抗値は10。以下で成功。)
(食材は食べた人のみ個別に隠密チャットで残機回復量をPLに伝えてください。)
倉庫の扉は硬く閉ざされている。扉の左には緑のカードリーダーがある。緑のカードを使うと扉を開くことができる。
地図には倉庫と書いてあったものの、中は倉庫兼電力室になっているようだ。大型の機械がゴウンゴウンと音を立てながら動いている片隅に、研究で使うものだろうか様々な道具が置かれていた。必要なものがあればLUCで判定したら見つかるかもしれない。
また機械の影に隠れるように青色のカードリーダー付きの小さな箱を見つけることができた。青のカードを使わないと開けることは出来ない。箱を開けると単一電池のような小さい筒状のものが柔らかいスポンジ状の衝撃緩衝材に包まれて入っていた。どうやら元々は2本入っているものだったらしいが、1本どこかへ持ち去られている。
また箱の近くに一冊のノートが落ちている。
(落ちているノート)
中を見ると「兵器燃料の特性・使い方」についての実験や結果がまとめられたノートのようだ。
・兵器の燃料は電気の他、特別な燃料を使う。電力は待機中でも常に供給されているが、燃料は出発ごとに装填する必要がある。
・研究施設本部で開発、生産されているが今回は実験のため2本外部に持ち出した。
・燃料は常に活性化されている状態で保存され、光を放っている。
・活性化されている燃料は兵器に充填すればすぐに使えるものの、取扱には十分注意が必要である。燃料に衝撃が伝わると一時的に不活性化され光を失い、30分後に半径1kmが吹き飛ぶ大爆発が起きる
→燃料に伝わる衝撃:対抗値2。GM判断で衝撃が伝わったと判断した場合にシークレットダイスで判定(以上なら爆発のため一時不活化する)
やや大きめの部屋に畳が敷き詰められており、入って左手には押入れと部屋の隅に小さな机が2つと三つ折りに綺麗に畳まれた布団と敷きっぱなしの布団が距離を置くように一つずつ置いてあった。
(押入れ)
布団が大量に収納されていた。仮眠室だけあってたくさんの研究員が泊まることも考えての収納だろうか。それ以外のものは特に見つからなかった。
(机)
布団が綺麗に畳まれている方の机には特に何も無かったが、万年床になりつつある布団の方の机には一冊のノートと新品のノートが数冊積み重なっていた。中を見るとここで研究をしている研究員の日記のようだった。
[日記の内容]
7/8 今日から一ヶ月間ここで一ヶ月後にある起動実験の予備実験を泊まりこみで行うことになった。まさかいつも書いている日記を持っていくことを忘れるとは。六輔痛恨の極み。他に書き込める本らしい本もないゆえ、いつも実験で使っている新しい帳面につなぎとして日記を書き留める。初日から幸先不安だ。詩乃に会いたい。
7/9 共同研究者がやってきた。よりにもよって女とは。一つ屋根の下、詩乃以外の女と共に過ごすことになるとは思ってもみなかった。しかし私は偉大なる武家の末裔。このようなことで心動じてどうする六輔。詩乃、待っていてくれ。必ずや五体満足で帰ることを誓う。
7/10 研究は実に順調、紫と名乗ったこの女も実によく働いてくれるが、まさか湯浴みしているところにかち合うとは思わなかった。湯気で肝心な所がよく見ることができなかったのは不幸中の幸いか。しかしあの女、お互い素っ裸にも関わらず何一つ声を上げぬのか。元々ほぼ話さぬ物静かな娘だとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。今でも脳裏に焼き付いて離れないというのにこの女は安眠を貪っている。くそ、詩乃が恋しい。早く終わらせて会いたい。
(※GM情報:以降少しずつ心を開く紫とちょっとした変化に動揺する六輔の生活が書かれているのだがここでは省略。お好きなGMさんはどうぞ続きを書いていってください。)
(※GM情報:回収すべき研究ノートのすり替え用のための日記。数冊積み重なっているのは回収する実験ノートが3冊あるため。)
作るスペースが無かったのか、少し狭めの空間に、箱型の機械(洗濯機)と浴室へ向かう扉、トイレへといく扉がある。近くにあったカゴには作業員のものだろうか、ドロドロになった作業服が雑多に投げ捨てられていた。
(※GM情報:生活感を出すための部屋です。特に情報もトラップもないですが、やたら近代的な内装(トイレがウォシュレットだったり、シャワーがあったり)にして探索するPL達に外来語を引き出すための部屋にしてもいいかもしれません。そこはGMさんの裁量次第でおまかせします。)
各PL達は自分の任務達成に向け、様々な行動をしてくると思います。研究所のシーンの最終的な終わりは上官に与えられた任務の機密情報の確保とパイロットの拉致の両方ともが達成、または達成が不可能になった時点で国へ帰国することになります。帰国する前にPL達にここでやり残したことはないかどうか確認をしつつ、帰国させてください。
討論会です。ルールに書いてある通り、失敗した場合はその失敗責任を誰かに負わせ、PC達の特殊能力の推理をさせてください。
各PC達は所属のギャングに帰り、ボスに報告をします。ここからはそれぞれの任務のネタばらしになるので、1対1ではなくPL全員で任務のネタばらしをしてください。
パラノイア風TRPGということもあり情報量多めかつPLとの隠密チャットの対応も迫られるため忙しくて手が回らないことも多々ありますが、PL達に協力を仰ぎつつ1つ1つ処理してください。
また今回のシナリオは任務に必要となる情報は少なめで探索範囲も狭めになっており、早い段階でPL同士の戦いを見ることができると思います。政府の言いなりスパイ対反抗勢力の2:2の形になるので数の暴力で政府スパイの方が上回るかもしれません。二人組のスキルを新たに作成する場合はバランス崩壊しないよう慎重に作成してください。
また、施設制圧前にPC達が発見されるかどうかで少しシナリオが変化します。切り替わるポイントになるのは兵器の足元なので、制圧前と制圧後間違えずシナリオ回していただけると幸いです。
最後に、今回のシナリオは前回の過去シナリオとなっております。興味がお有りでしたら、このシナリオの続編となるパラノイア風TRPGもプレイして頂けたらと思います。
閲覧ありがとうございます! なかなか遅筆で難産なのですが気長にお待ちいただけると幸いです(´・ω・`) TRPG関連のツイートは少な目ですが、TRPGフレンド募集しているのでよければTwitterフォローお願いします!
Twitter:@rill1255
Post Comment