クローズド系シナリオ
プレイ時間:1時間~2時間程度
探索者人数:1~2人推奨
推奨技能:探索系
邪神に操られた少女が営む旅館に宿泊することになった探索者。
生贄として気付かないうちに体を喰われていく中、邪神様が暇潰しに用意した仕掛けによって
旅館の過去や未来へと移動する。
SANCやロストの危険は少なめだと思います。
謎解き要素の仕掛けは単純なものなので、時間旅行・停止モノが好きな人は直ぐに分かるかと。
神話生物の独自解釈、設定が含まれます。
戦闘はほぼ無し。邪神本体との遭遇無し。
タイトル言うと若干ネタバレなので言わずに始めた方がいいかも
PLの元へ『自然に囲まれた静かな旅館で日々の疲れを癒しませんか?』というチラシが届く。
それには旅館の名前、場所と電話番号、上記の宣伝文句が書かれているのみで差出人などは
不明ですが、何故かPLはとてつもない魅力を感じすぐに電話で予約をし宿泊することになった。
備考
・謎解き系シナリオ
・職業、年齢、性別は自由
・PL同士は知り合い(友達とか)で同じ部屋を予約した設定
・探索系技能推奨。戦闘はほぼ無い。
・想定使用技能:探索系、言語(英語)
シナリオ概要
登場する神話生物に関しては作者独自の設定と解釈が含まれます。
友達のアイホートに子育ての手伝いを頼まれたチャウグナー・フォーン。
信者を利用してアイホート保育園を作ろうと思い立つ。
ちょうどいい感じの旅館があったので女将を洗脳・信者化。人間を誘い込みアイホートの雛の
餌にすることにした。
順調に計画は進んでいたが、生贄がただ雛に喰われるのを眺めているのに飽きたチャウグナー。
旅館にちょっとした細工を加えて生贄の反応を観察してみることにしました。
PLの元には操られた女将が適当に配っている”魅了”効果付きのチラシが偶然届く。
このチラシを見た者は旅館に宿泊したくてたまらない。PLは生贄として旅館に招かれてしまった。
謎解き要素は難しいものではなく単純なもので、『時が止まっている世界で何故か動いている
時計』を見つけるというもの。そこまでいけばクリアは同然。
シナリオの流れを簡単にすると『旅館で宿泊すると未来や過去に移動できる』→『その先で入手
する情報から寝なければ時が止まった世界に入れる』→『あらゆる物が動いていない中、ただ
一つ動いているものがある』→『異変の中の異形の中に、真実へとたどり着く鍵がある』という
感じ。
※チャウグナーに時間操作の能力(呪文)が使えるかどうかは作者の個人的な設定です。
別にチャウグナーである必要はないです。
※ティンダロスイベントの設定も独自のモノです。
※アイホートの雛の見た目についてもルルブには蜘蛛の様な、とありますが蛆虫の方がより
気持ち悪いと思ったので独自にry
PLへの事前情報
・旅館『紫陽花館』
山奥の僻地にあり敷地内に咲く大量の美しい紫陽花を一年中見ることが出来る旅館。
知名度は低く地元の人間でも一部しか知らない。
穴場旅館サイトでは知る人ぞ知る、という感じで美味な食事と美しい景色が見られると最近好評
導入
予約当日、PLは周囲に咲く美しい紫陽花に感動しながら旅館の玄関を開く。時刻は朝。
(旅館へは車などで移動。描写としては、麓からはとても徒歩ではたどり着けない様な距離)
旅館は三階建ての木造の建物で築数十年は経過している様に見える。
玄関から中に入ると石造りの土間の先に木造の床が続いていて壁際に下駄箱がある。
下駄箱は全部で九つ。ネームプレートのような所にPLの名前が書かれたものと、もう一つ
”徳田祢子様”と書かれているものがあり、それ以外は空白となっている。
下駄箱の中は広く複数の靴を収納できる作りで、扉の内側に”101号室”と書かれたタグが
付いた鍵が掛けられていた。
扉の外側には鍵穴が付いていて中に入っている鍵でロックすることが出来る。
{徳田祢子の下駄箱には鍵が掛けられていて開かない。それ以外は開き中に鍵が入っている}
★扉に部屋番号は書かれていないが消去法で徳田祢子は303号室だと分かる。
★この時点で他の部屋の鍵も入手することが可能
以降PLは自由行動。(普通は部屋に行く)どの部屋に入ってもデスクの上にメモが置いてある。
一日に朝、昼、夜の三回行動出来る。寝ない宣言などにより午前0時まで起きていると
特殊時間帯になりさらに三回行動できる。その後、就寝か一回行動するかを選択できる。
朝→昼→夜→(寝ない場合:特殊1→特殊2→特殊3→深夜)→朝→昼…
夜以降は月明りのみで薄暗いため目星に-補正。光源使用宣言で補正無し。
ただし特殊時間はライトなどを「点ける」ことは出来ない。
朝、昼、夜行動前に食堂に行って料理を食べるかどうかをPLに尋ねる(行動回数は消費しない)
料理を食べない場合、どこにいても『食堂の方からとても食欲をそそる匂いが漂ってくる。PLは
CON×5に成功しないと誘惑に負けて料理を食べてしまう。食べなければ空腹の影響で技能値
にマイナス補正がかかるかもしれない』といった表現でKPはPLに食事するように促す。
どうしても食べない場合、抵抗ロールの成功値を下げていく。食事をせずに旅館から帰った
場合はシナリオ終了で。それだと面白くないので魅了効果の影響など適当な理由で無理やり
食べさせるのもあり。一度食べれば十分。何度食べてもPLに(雛寄生以外の)デメリットは無い。
PLが所持しているスマホや時計などの日付表示は”予約した日”以降進まないようにする。
〇旅館マップ
≪一階≫ Urd ウルド【過去】
・玄関外敷地
・玄関(下駄箱)
・大浴場
・101客室
・102客室
・103客室
・↑階段
≪二階≫ Verdandi ヴェルダンディ【現在】
・↓階段
・食事室
・調理室
・201客室
・202客室
・203客室
・↑階段
≪三階≫ Sculd スクルド【未来】
・↓階段
・301客室
・302客室
・303客室
・倉庫
・書斎
【シナリオ内日数イベント簡易表】
・過去四日目
ティンダロスの猟犬に襲撃される。ロストエンド。
・過去三日目
過去移動就寝前にティンダロスの猟犬の気配を感じる(警告)
203号室に正気を失っているNPCが存在している
NPCのノートを読める
・過去二日目
203号室にNPCの死体がある。
NPCのノートを読める
・過去一日目
203号室に肉片がある。
・シナリオ開始日(一日目)
303号室に徳田祢子が宿泊している。
203号室に血痕がある。
・未来二日目
303号室に徳田祢子が宿泊している。
特殊時間内に徳田祢子がいる。
・未来三日目
203号室に徳田祢子が宿泊していて、アイホート嘔吐イベントが発生する。
未来移動就寝前にティンダロスの猟犬の気配を感じる(警告)
・未来四日目
ティンダロスの猟犬に襲撃される。ロストエンド。
【一階の部屋・共通】
過去に移動する部屋
ベッド、デスク、クローゼット、大きな古時計があり壁には絵が飾られている。
絵に関しては素人が書いたような画力で、腰が曲がり杖を突いている女性が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。英語技能成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Urd / Chaugnar Faugn
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい
自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にて
ご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
どの部屋にある絵もチャウグナーが少女を操って描かせたもの。作品名/作者
【二階の部屋・共通】
時間移動しない部屋
ベッド、デスク、クローゼットがあり壁にはアナログ時計と絵が飾られている。
絵に関しては素人が書いたような画力で、特に特徴のない女性が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。英語技能成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Verdandi / Chaugnar Faugn
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい
自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にて
ご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
【三階の部屋・共通】
未来に移動する部屋
ベッド、デスク、クローゼットがあり壁には絵が飾られている。デスクの上にデジタル時計がある
絵に関しては素人が書いたような画力で、小さな女の子が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。英語技能成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Sculd / Chaugnar Faugn
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい
自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にて
ご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
【玄関】
1日目昼【徳田祢子との出会い①】発生
下駄箱があり各部屋の鍵を入手できる
【大浴場】
男女分かれている浴場
時が止まった世界では水の動きがない有り得ない光景を見ることになる(SANC 0/1)
【101号室】
PLが最初に泊まる部屋
【102号室】
PLが最初に泊まる予備部屋(どうしても分かれて宿泊したいPLがいた場合の予備)
【103号室】
特になし
【201号室】
時間移動したPLが目覚める部屋
【202号室】
時間移動したPLが目覚める予備部屋
【203号室】
・過去三日目【過去の犠牲者③】発生
瀕死のNPCと出会う。正気を失っていて会話をすることが出来ない。
『喰われる、喰われる』と体を震わせながら呟き続けている。
・過去二日目【過去の犠牲者②】【まさかこんなところで】発生
NPCの死体を発見する。目星で体の内側を何かが這いずっているのに気づく。
NPCの日記を読むことが出来る。
この部屋で寝ると雛に捕食される
・過去一日目【過去の犠牲者①】【まさかこんなところで】発生
死亡したNPCがアイホートの雛に捕食されている。
NPCの日記があるが血塗れで読むことが出来ない。
この部屋で寝ると雛に捕食される
・シナリオ開始日(一日目)
鍵がかかっている。玄関にある鍵を使用することで解錠できる。
床を目星、または過去で肉片を見ている場合うっすらと血痕を発見できる。
・未来二日目
特になし。血痕は消えている。
・未来三日目
【徳田祢子との出会い④】発生
【食堂】
1日目食事時間【徳田祢子との出会い①】発生
数人が座れるテーブルが複数置かれた部屋
奥に扉があり調理室に続いている。
食事時間にその場所にいると目の前にいきなり料理が現れる。SANC 0/1
【調理室】
調理器具(鍋)や冷蔵庫がある
冷蔵庫には普段見慣れた食材のほかにアイホートの卵がある。
袋に入れられた得体のしれない複数の小さな肉の塊を見つける。
それはよく見ると脈動していてとても気味が悪い。
鍋の中には肉塊を煮込んだ料理が入っている。
アイデア成功で旅館の食事にこのようなものが入っていたことを思い出しSANC 1/1d3
袋を開けるとPLに反応し孵化した複数の(1d10)アイホートの雛が襲い掛かってくる。
時が止まった世界では肉塊は脈動していない。袋を開けても反応しない。
【301号室】
特になし
【302号室】
時が止まった世界で動き続けているデジタル時計がある。
壊せば中から書斎の鍵を入手できる。
【303号室】
1日目朝【徳田祢子との出会い①】発生
2日目昼・夜【徳田祢子との出会い②】発生
2日目特殊時間【徳田祢子との出会い③】発生
3日目【徳田祢子との出会い④】発生
【倉庫】
本棚や金槌、鋸などの工具類が置いてある。
工具類はデジタル時計を壊すときに使用する。
本棚には北欧神話:時女神に関しての書籍(日本語)と時をかける少女:批評本がある。
Verdandi ヴェルダンディ【現在】
Sculd スクルド【未来】
Urd ウルド【過去】
ノルン三姉妹について書かれている。概要省略。
読み終わると本から一枚のメモが落ちてくる
『止まるんじゃねぇぞ。俺は止まんねぇからよ。お前らが止まんねぇ限り、その中に俺はいるぞ』
裏を見ると『俺は止まんねぇからよ』『その中に俺はいるぞ』の文字がはっきりと写っている。
時をかける少女:批評本
『時をかける少女』という映画作品に対し、ある評論家が独自の観点から評価を書いている本
見出しには時間旅行は危険!潜む猟犬の恐怖!と書かれている。
要約すると、時空間には”ティンダロスの猟犬”という恐ろしい化け物が潜んでいて過去や未来に
移動をすると襲われる危険があるという。
遭遇の危険を避けるためにはそもそもタイムリープを行わないことが最善であるが、予兆として
この世のモノとは思えない悪臭を感じたときは猟犬が存在している時空間軸が近づいている
証拠である。その場合は過去に飛んでいたのなら、未来へ移動し離れるなどするしかない。
発見されない限り追われることは無いので猟犬はそこから動くことは無いだろう。
※ティンダロス襲撃は過去4日目、未来4日目以降のイベントを作っていないので移動されると
困る作者の事情で発生するイベント。
【書斎】
1日目夜【徳田祢子との出会い①】
鍵がかかっていて入れない。書斎の鍵を使うと入ることが出来る。【エンディングへ】発生
扉は鍵を使う以外では何をやっても開けることはできない
〇イベント発生
【時間移動】
★発生条件:二階層以外の部屋で宿泊した翌日
起床し部屋の内装、または出た際に寝る前と宿泊した部屋、階層が違っていることに気付く。
目が覚めたPLはアイデア成功で、違和感に気付く。『ベッドの感触、同行人、自分の荷物、寝る
前と同じ状態であるのに何かが違うような違和感がある』
部屋を目星または時計や絵を宣言によりそれらが寝る前とは変わっていることに気付く。
部屋を出たPLは(目的地が食事室なら)しばらく廊下を歩いた後ハッと気が付く。
食事室はもう目の前にあることに。
【アイホートの雛】
★発生条件:一日経過
睡眠中であれば悪夢を見る。体力‐1。『悪夢に慣れた』宣言後は1d2~1d6調整
起きているなら体の中を何か別の生き物が蠢いている不快な感覚に襲われる。体力‐1
アイホートによる体力の消費は雛を駆除するまで回復することが出来ない。
【過去の犠牲者①】
★発生条件:過去一日目203号室部屋の前を通る(強制聞き耳)
『グチュ、グチュ』という音が聞こえる。それは203号室の中から聞こえる。
203号室で何かの肉片(NPC)を見つける。医学or生物学で人間の肉だと判別できる(SANC 0/1)
医学やアイデアなどで腐っていないことに気付く。
目星で肉片の周辺に何かが這いずったような跡が複数あることに気付く。
血だまりの中にノートのようなものを発見するが、血まみれで書かれている内容は判別できない。
【過去の犠牲者②】
★発生条件:過去二日目203号室に入る
ベッドの横に人が倒れているのを発見する。
死んでいるのを確認するとSANC 0/1d3
死体を目星、医学などで詳しく調べようとすると皮膚の内側を何かが這いずっている事に気付く
死体のそばにノートを発見する。中を見ると日記のようだ。
『この旅館に来て正解だった。仕事で疲れた体が癒されていくようだ。たっぷりと休みは取って
来たし、思い切って携帯電話の電源も切り仕事の事は忘れてのんびりしよう』
『今日は恥ずかしい思いをした。宿泊している部屋を間違えて他の客の部屋に入ってしまった。
まさか三階と二階を間違えるなんて。しかしあの部屋の客、やけに顔色が悪かったな。やはり
この旅館は疲れた人間がよく利用するんだろうか』
『さすがに景色にも見飽きてきたし、料理も毎回同じような肉を出されて飽きてきた。予定より
早く帰ろうかと思い家内に迎えを頼もうとしたが、そういえばここ圏外だったな。どうしたものか』
『今日は何日だったろうか?数日間圏外の場所で電源を切っていたせいか、携帯電話の時計が
狂ってしまったようだ。日付が進まない。こんなことなら腕時計をしておくんだったな』
『必要になるまで気にしなかったが、今までここで働いている人間を見たことが無い。
旅館のスタッフに車で麓まで送ってもらおうと思ったがなかなか会うことが出来ない』
『どうなっているんだこの旅館は。一日中スタッフを探しても会うことが出来ないなんて。
食事は毎回時間通り出て来るのに調理室はいつも無人。気が付いたら目の前に料理が並んで
いる。私は夢でも見ているのか?』
『何日この旅館にいるのか分からなくなってきた。そろそろ頼んでいた迎えが来てもいい頃だ。
足が悪い私は車でもないとこの山の中から帰れないのに』
『だめだ。不安のせいか寝るたびに恐ろしい夢を見てしまう。誰でもいいからはやく来てくれ』
『寝るのが怖くてずっと起きていると、一日がとても長く感じる。夜とはこんなにも長かったのか』
『はやく、明日に。あしたになれば迎えが』
『だめだ、もう、ねないと、ねむい、ねたくない、こわい』
捜せばNPCが所持していた携帯電話を発見できるが、壊れていて起動しない。
【過去の犠牲者③】
★発生条件:過去三日目203号室に入る
ベッドの側で俯き体を抱えて座っている人がいる。
近づいてもPLには反応せず体を震わせながらブツブツと何かをつぶやき続けている。
精神分析では完全に正気を失っている状態であることが分かる。
医学では体力が極限まで下がっていて非常に危険な状態であると分かる。
近くにノートがあり読むことが出来る。
【まさかこんなところで】
★発生条件:過去1・2日目の203号室で寝る
寝ている間に、NPCから孵化したアイホートに捕食される(ロスト)
【孵化(自分)】
★発生条件:PLの体力が0になった時点で発生。
『体の中で蠢いていた感覚が突如、まるで皮膚の下を複数の虫が激しく這い回る様な強烈な
不快感に変わったかと思うと体のあちこちから皮膚を食い破り白い蛆虫の様な何かが飛び出し
てくる。激痛に倒れ伏したあなたは見てしまう。食い破られた皮膚から見える自分の中に
それらが大量に存在し、今もまさに血肉を捕食している様子を。もう助からない。
あなたは理解した瞬間意識を失った。』 ロストエンド
【孵化(他人)】
★発生条件:自分以外のPLまたはNPCの体力が0になった時点で発生。
『突如、PLが悲鳴を上げ、その身のものと思われる血を撒き散らしながら倒れた。
何が起こったのか理解できずにいたあなたはやがて気付いてしまう。PLの体から
白い蛆虫の様な何かが肉を食い破り飛び出してきていることを。そして傷口の中には大量の
同じものと思われるモノがウネウネと蠢きながら頭を覗かせている。PLが喰われている。
そう理解した時にはもはや生きているような気配は無く、ただそこに肉片があるだけだった。』
SANC 1d6/1d10
孵化したアイホートはPLを気にせずに食事し続ける。食事が終わるとどこかへ立ち去っていく。
攻撃した場合、何匹か(1d100)が反撃してくる。
アイホートの戦闘ステータスはKPの自由に。
【ティンダロスの猟犬】
★発生条件:過去四日目、未来四日目に到達する
部屋で寝ていた場合、PLはとてつもない悪臭を感じ目を覚ます。
元を辿ろうと部屋の中を見渡すと、辺りは青い霧のようなものに包まれていた。
部屋の隅の方に一際濃い霧と、おそらくそこから発せられているだろう悪臭に気が付く。
そこに何かの影が見え、目を凝らそうとした瞬間、そこにいた何かが自分の顔に向かって跳び
かかってきた。PLは反応する暇もなく意識を失ってしまう。ロストエンド
【ティンダロスの猟犬(警告)】
★発生条件:過去三日目、未来三日目にそれ以上先の時間に移動しようとする
寝ようとすると、この世のモノとは思えない不快な臭いを感じた気がした。
【徳田祢子との出会い①】
★発生条件:一日目祢子と出会う
食事時間であれば食堂。朝は303号室。昼は玄関外敷地。夜は書斎前にいる。
『こんにちは。私は雑誌記者の徳田祢子と言います』
『最近穴場旅館として話題に挙がっているこの旅館の記事を書く為にきました』
『景色もいいし料理もおいしい。後は女将さんに取材できれば良い記事が書けそうなんですけど
どこにもいないんですよねぇ。困りました』
『この旅館は最近代替わりしたようで、今は若い先代の娘さんが女将をしているようです』
書斎前:書斎の扉に聞き耳を立てている徳田祢子がいる
『女将さん、いや旅館の方を探してるんですけど誰一人見てないんです。客室以外は
見て回ったんですけどね。後はここぐらいなんですけど、ノックしても反応ないし、鍵がかかってて
開きません。でも、何か物音はするんですよ』
PLにとって何回目の接触であっても一日目であればこのイベントが発生する
PLが書斎に聞き耳すると、かすかに何かの音が聞こえる(クリティカルなら人の声)
【徳田祢子との出会い②】
★発生条件:未来二日目祢子と出会う
食事時間であれば食堂。朝は203号室。それ以外は303号室でイベント。
『こんにちは。昨日は結局誰にも会えませんでしたよ。とりあえず、今日もう一日探してみて
居ないようであれば一度帰ろうと思います』
『そういえば、不思議な事がありまして』
『私昨日は303号室で寝たはずなんですが、起きたら203号室にいたんです。手持ちの鍵も
203号室のものに変わっていて。さっき玄関でもう一度303号室の鍵を借りて部屋を調べてみたら
やっぱり中の絵とか時計とかが昨日と同じもので今日の203号室とは違いました』
『何が起こったのかよく分からないんですが、他にお客さんもいないようですし今日はもう一度
303号室で寝てみようと思います。203号室の鍵は下駄箱に戻してネームプレートも差し替えて
おきました。勝手なことしてますけど、やっぱり気になるじゃないですか』
『寝てる間に誰かが私と私の荷物を移動させた・・・なんて有り得ないと思いますが、一応警戒
して今日はちょっと夜更かししてみようかな、なんて。』
心理学:言葉に嘘は含まれていないように思える。
PLに対し警戒はしていないが、姿を見せない旅館の人間の事は怪しんでいる。
朝のみ203号室から303号室に荷物を運んでいる祢子と出会う。
【徳田祢子との出会い③】
★発生条件:未来二日目特殊時間内で祢子と出会う
基本的に303号室にいる。
『いったいどうなっているんでしょうか?部屋でスマホを弄っていたら急に何の反応もしなくなって、
パソコンも起動しない。部屋にあるデジタル時計も止まってるし。電磁波か何かで電子機器が
壊れたのかと思ったんですが、隣の部屋を見たら何もおかしなところは無かったので、やはり
この部屋に何かあるのかもしれません』
PLが部屋を調べようとすると
『調べるのは構いませんが、私の私物には触らないようにしてください』
『隣の部屋の鍵は私が持っています。必要ならどうぞ』
祢子の腕時計はデジタル表示。特殊時間中は動いていない。
※隣の部屋を見たら何もおかしなところは無かった→祢子は時間停止に気付いていない為
隣の部屋のデジタル時計は動いているのが当たり前だと思っている。他の部屋は見ていない。
【徳田祢子との出会い④】
★発生条件:未来三日目203号室で祢子と会う
体調不良を訴えていて1日中部屋にいる。部屋を訪ねると話を聞ける。
朝・昼『また気が付いたらこの部屋にいるし、もうわけがわからない』
『なんだか気分が悪くて、体を動かすのがつらいのでしばらくこの部屋で休もうと思います』
『とりあえず手持ちの携帯薬で効きそうなやつを飲んでみました。この状態で山道を運転する
のは危ないので明日まで帰るのは様子を見ます』
体調不良について詳しく『内臓をかき回されるような不快感・全身のだるさ』
夜のみ、苦しそうな表情で話していた祢子が当然嘔吐し始める。吐しゃ物には蛆虫の様な
何かがウネウネと蠢いていて、それは間違いなく祢子の口から吐き出されたものだと分かる。
祢子は悲鳴を上げて気を失ってしまう。PLはSANC 1/1d3
出てきた雛はしばらく動いた後、人気のないところに向かって去っていく。
襲い掛かっては来ないが、攻撃すると倒せる(特に意味は無い)
【時が止まった世界】
★発生条件:夜になっても寝ないと宣言した場合
三階層以外の部屋では時計の音、部屋の外や三階層の部屋では虫の声など0時丁度になると
環境音が一切しなくなり無音状態になる。
部屋の中(1、2階層)『外から聞こえていた虫の声や風の音、時計の針が動く音が突然聞こえ
なくなった。時計を見てみると秒針も、おそらく長針も0時丁度で停止している。
スマホは画面が消えている場合は点かない。付いている場合は画面が固まったまま動かない。
以降、PLが触れば動くものはあるが水道や電気などは使えなくなる。
特殊時間として3回まで行動できる
特殊時間中は旅館の外に出ることが出来ない。旅館全体が時間の狭間に閉じ込められている
ため、無理に出ようとすると時空間に落下する。(ロスト)
【動き始める世界】
★発生条件:特殊時間行動終了後
PLが何をしていたとしても瞬間的に目の前の景色が変わり、午前0時にいた場所へと戻っている
このタイミングで時間移動が発生する。
未来か過去の部屋にいた場合は現在の部屋(201号室)に移動している。
初回SANC 0/1
【止まんねぇからよ】
★発生条件:302号室のデジタル時計を調べる。
この時計に表示されている時間は進んでいる。
特殊時間は夜中0時(デジタル表示上は12:00)から12時間後の0時(これも表示上は12:00)
特殊時間中の探索回数に応じて時間を進ませて情報を教える。
この時計にはAMやPMなどの表示は無い
時計を持って振るなどすると、内部に何か異物が入っている事が分かる。
耐久値(3)を削りきると中の書斎の鍵を手に入れることが出来る。
【エンディングへ】
★発生条件:書斎の鍵を使用し部屋に入る
部屋の中には奥の壁際に横長のデスクがあり、その前に椅子に座った人の姿が見える。
左右には本が隙間なく並べられた本棚がある。
PLが声をかけるか進もうとすると座っていたものは立ち上がり、こちらにゆっくりと振り向く。
振り返った人物の姿は、まるで10代の少女の様な幼さでありながらも異様な、異質な雰囲気を
していた。
アイデア成功でPLは直感的に理解してしまう。これは人ではない何かだと。SANC 1/1d6
『お客様、申し訳ありませんがここは立ち入りをご遠慮ください』
そう言って部屋から出るように促してくる。
時間移動、アイホートの雛、自分の正体などそれっぽいキーワード※1を含み問いかけると
『なるほど。気付いてしまわれたのですね。それでここに来たと』
少女は一瞬考える動作をしたのち本棚から一冊の本を抜き取り、PLへ向き直ります。
『我が主の言葉を伝えます。ここまで来た褒美だ。その体に巣食う異形を取り払ってやる。
それがすんだら旅館から立ち去るがいい。なかなか楽しませてもらった』
そういった後、手に持った本を開き言葉とは違う何かをつぶやき始めます。
少女が”アイホートの雛の駆除”をPLに詠唱
しばらくおとなしく待っていると少女は本を閉じ『お疲れ様でしたお客様。お帰りはこちらです』
と言って部屋の出口から旅館の玄関へとPLを促しながら先導していきます。※2
その時、デスクの上には白い布を被せられた何かがある。チャウグナー・フォーンの像。
PL視点では覗き込もうとでもしない限り像が視界に入ることは無いが、見てしまった場合
この世のモノとは思えない様な不快な感覚に襲われるSANC 1d6/1d20
少女『それには触れないように。我が主の怒りに触れますので』
この像が少女を操っている元凶なので破壊すれば少女は正気に戻る。破壊する際は布の上
からでも可能。耐久値10。像を壊そうとすると少女は庇うように妨害しようとする。
一応戦闘扱いにしてもいいが少女は操られている負担により弱っているため引き剥がすのは
簡単なことにする。
像を破壊すると少女は気を失って倒れる。驚くほど痩せ細っている少女の体は、簡単に
運ぶことが出来る。PLの車に乗せて共に病院へ連れて行ってあげてほしい。
※1 キーワードを言わない場合、不思議な力で部屋の外へと押し出される。
少女の詠唱を攻撃行為だと思うPLもいるかもしれない。その場合は少女と戦闘。
少女は無抵抗で詠唱を続ける。どのような威力であってもPLの攻撃が当たった時点で少女は
気を失う。少女の持っていた本を調べると”アイホートの雛の駆除”するための呪文を覚えること
が出来るがSANC 1/1d10
像を破壊せずに旅館から出た場合【エンディング(生還)】発生
像を破壊して少女と共に脱出した場合【エンディング(少女)】発生
像を破壊したが少女をそのままにして脱出した場合【エンディング(生還)】でSAN回復を1d10に。
※2 少女に促されるまま旅館を出た場合玄関の扉は固く閉ざされ中に戻ることはできない
【エンディング(生還)】
★発生条件:寄生しているアイホートの雛を駆除し旅館から脱出する
いつもの日常に戻れます。クリア報酬SAN回復1d6 クトゥルフ神話技能3%
旅館の外に出て車でしばらく走っているとやがて電波を受信できるところまで来ていた。
スマホの日付を見てみると、それは宿泊を予約した日付になっていた。
あの旅館で確かに過ごした数日間は何だったのか。PLはもはや知ることは無い。
【エンディング(少女)】
★発生条件:チャウグナーの像を破壊し寄生しているアイホートの雛を駆除し旅館から脱出する
生還ルートとの違いは、少女と共に旅館から脱出すること。
後日少女からPLへお礼と事情を教えてもらえる
クリア報酬SAN回復1d10 クトゥルフ神話技能3%
少女の祖父である先代の主人が無くなり、旅館を受け継ぐことになった。
祖父は骨董品集めが趣味でチャウグナーの像も祖父が手に入れたもの。
遺品を整理しているときに邪神像を見てしまい操られ始める。
チャウグナーは丁度、友達のアイホートに子育ての手伝いを頼まれていたため、少女を操り
紫陽花館をアイホート保育園として利用する。餌が足りなくなると魅了の魔力を込めた手紙を
適当に飛ばし獲物を引き寄せていた。
本来なら雛入りの食事を食べさせ寄生した段階で終わりだが、ちょっとしたゲーム感覚で
謎解きをさせて自分のところにまでたどり着けるか観察していた。
少女からのお礼は紫陽花館無料宿泊券とかで。
像が無くなった旅館は普通の旅館に戻っている。
補足
※旅館内と旅館の外の時間
過去や未来に変わっているのは旅館内だけで旅館外に出ると現実時間に戻ります。
例えば未来の徳田祢子を旅館の外に連れ出した場合その時間にはそこに存在していないので消失します。
※特殊時間中に書斎突入
時間停止中でも少女は動いていて会話もできます。
『なかなか楽しませてもらった』のタイミングで時間停止解除。
※徳田祢子について。
時間軸や世界線などを考えると非常にややこしい話になるので、このNPCの結末については各KPの自由ということで。
作者的にはPLが過去の旅館であれ未来の旅館であれチャウグナー像を壊したのならアイホートに寄生された事実が無くなる
→ただ宿泊しただけ→生きている。
壊していないのならアイホートが孵化し死亡していると思っています。
細かい設定、追加はKPにおまかせで。
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