2018年10月08日更新

美しきインボウのAdamas

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~3人|
  • プレイ時間:3~4時間(ボイスセッション)

◇東京都立博物館にて開催された「世界の宝石展覧会」に参加した探索者たちは、宝石に宿った神話の悪意のもたらす惨劇に巻き込まれてしまいます。惨劇から脱するために、探索者は展覧会で出会うNPCと協力し凶悪な暗黒の意思と対決しなければなりません。◇◇当シナリオは「一筋縄ではいかない物語」を趣旨にしており、シンプルですが雰囲気を重視した緊張感のある内容を目指しております。探索者は非常に危険な状況に置かれますが、決して致命的というわけではありません。ただし、優柔不断や軽率短慮は必ずや探索者を追い詰めていくことでしょう

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このシナリオはフィクションです
実在する人物・団体とは一切関係はありません

<目次>

真相‥‥シナリオの全貌と核心に触れます
進行‥‥シナリオのフローチャートとシーン毎の詳細に触れます
資料‥‥文中の『』←で囲われたキーワードに触れます
後書‥‥作者からひとこと(あるかも)

<真相>

『Adamas』とは、ギリシャ語で《不屈、征服されぬもの》ラテン語で《鋼鉄、硬いもの》だと言われており
現在のダイアモンドの語源になったと言われる古語でございます

さて、本シナリオのキーワードとなるのが《美しき陰謀》と《ダイアモンド》
この二つはシナリオの最も大事な部品であり、シナリオの根幹と言っても過言ではございません

まず《ダイアモンド》でございますが、これは実在の宝石『ホープ・ダイアモンド』のことでございます
このダイアモンドが、日本の『東京都立博物館』に持ち込まれたことで、探索者たちは惨劇に巻き込まれることになるのです

世界に名高いダイヤモンド・シンジケート『デ・ビアス社』が主催する『世界の宝石展覧会』
ここでは厳選された数々の宝石や宝飾品、直営バイヤーによる即売会にアマチュアによるマーケット、おまけで宝石の国タイアップ企画などが一ヶ月催されます
ホープ・ダイアモンドが公開されるのは展覧会の開催期間中のほんの3日間のみ
その初日のチケットを携えた探索者たちは、世界最高峰のダイヤモンドのひとつであるホープ・ダイヤモンドと邂逅し
そして、ダイヤに潜む暗黒の気配の片鱗を探索者たちは垣間見ることになるのです

ホープ・ダイヤモンドに潜むのは、サプリメント《マレウス》に登場する神格『キーザ』でございます
キーザに関する詳細はここでは省かせていただきますが、この邪神が顕現したが為に、会場にいる人間すべて(探索者とNPC以外)が宝石へと変わり果ててしまいます
そして、徐々にその宝石化は探索者とNPCを蝕んで行くことになり、何も手を打たねばいずれは完全に宝石化してしまうことでしょう


~~閑話休題~~
実は作者はキーザが登場する短編小説《An Early Frost》を読んだことがございません
なので、この邪神に関する情報はマレウスに依存せざるを得ず、しかしあまりにも断片的で曖昧なため
やむなく作者の《空想》を織り交ぜることに致しました
詳しくは<資料>をご一読いただきますよう、お願い申し上げます


あらためましてホープダイヤモンドを介して邪神が顕現するという事件でございますが
決して偶然発生したものではなく、それは意図されてものであり
即ちそれが《美しき陰謀》というキーワードとなるのでございます

《美しき陰謀》とは、遥か暗きムトゥーラの超自然的な意思《キーザ》による、光の下にて狂わんばかり輝かんとする宝石の宿業そのものです
そんな《キーザ》の意思は、ときに心弱い人間のイマジネーションと結びついてしまうことがございます
展覧会のマーケット・ブース、その一角で探索者たちは『黒い宝石屋の店主』と出会すでしょう
店主は黒い石の魅力に取りつかれており、やがて黒い石を通じてキーザの福音を受けてしまいます
洗脳を受けた店主は、やがて訪れるであろう救済の日を夢見て世界の宝石展覧会へと参加致しました
こうして邪神が顕現するための舞台は揃ってしまったのでございます

美しき陰謀はホープ・ダイヤモンドを通じて成就してしまいます
それを阻止せんが為に行動していた二人のNPC『ライトとエル』の奮闘も虚しく
ライトは完全に宝石化する直前まで追い込まれ、エルは両足を宝石化されて動けなくなってしまう
二人は風前の灯火となってしまうのでございますが、しかし探索者たちの命運は未だ尽きてはおりません
この二人と出会い、協力し合うことで惨劇の根源を打倒することができるのでございます

しかし、ライトは途中で力尽きてしまいます
全身が美しい宝石と化してしまった彼は、まるで彼という為人を表したかのような宝石へと変じておりました
無色透明のダイヤモンド‥‥Adamas
それは、キーザ顕現のための鍵にほかなりませんでした
探索者と共にたたかった者が邪神を宿す寄り代となる‥‥非情な現実を前に、しかし探索者は選ばなければなりません
残り少ない魔力で邪神退散の儀式を行うか、寄り代となる美しいAdamasを破壊するか
この残酷な選択が、この物語のクライマックスとなります

探索者の選択に、間違いはありません
ただし、完全に宝石化してしまった人間を、元に戻す術は存在せず、砕けた宝石を修復する術も存在しません
ですが、なにがライトとエルの救済となるのか?なにが探索者の心の救いとなるのか?
それを導くのが、エンディング前の最後のGMの大仕事と言えるのでしょう


本シナリオのポイントについて
①中盤からの【正気度】判定ラッシュ
②探索者たちを蝕む【宝石化】判定
③二回ある退散の儀式
④肝心なものが救えない物語
⑤コンパクトにまとまった分かりやすい筋書き

お気に召していただけましたら幸いでございます

<進行>

シナリオ進行のための手順や必要な情報について
まずはシナリオの全体の流れを説明すると、シナリオは全8シーンで構成されております

◆フローチャート◆

第①シーン:展覧会の前夜(20分前後、あまり時間をかけない)
物語のはじまり
探索者は明日の展覧会を控え、前夜を過ごします

第②シーン:展覧会当日(30分前後、探索はほどほどに)
展覧会に入場します
探索者は会場の探索を行うことができます
重要人物であるNPCと接触するイベントもございます

第③シーン:ホープダイヤモンド(30分前後、メインイベントになります)
探索者がダイヤモンドを観覧します
瞬間キーザが顕現し、会場の人間が宝石化し始めます
惨劇の最中、重要人物「ライト」と遭遇することになります

第④シーン:共闘(20分前後、宝石化判定を忘れずに)
ライトから、重要人物「エル」を探しに行くよう求められます
探索者は展覧会の探索を行い、エルを探します
以降、探索毎に探索者の身体を侵食する判定を怠らないように

第⑤シーン:対決(30分前後、エルと合流~キーザの戦闘まで)
エルと遭遇します
エルからキーザを退散するための術を与えられます
探索者はキーザを退散する儀式を行うことになります

第⑥シーン:不穏(20分前後、探索はほどほどにしましょう)
キーザ退散後、ライトに会いにいくとライトが宝石化しています
そしてライトの体に邪神が宿っていることが分かり
ふたたびキーザと対決する必要がでてきます

第⑦シーン:選択(30分前後、宝石化したライトに宿るキーザとの対決です)
クライマックス
ライトを破壊するか、ライトに宿る邪神をふたたび退散させるか
探索者は選択をしなければなりません

第⑧シーン:エンディング(20分前後、ゆるやかにセッションを閉めましょう)
邪神の脅威は去り、探索者たちも日常へと戻っていくことになり
また後日、エルからお礼の手紙を受け取ることになります

◆シーン詳細◆

以下、それぞれのシーンについての詳細をまとめます

第①シーン:展覧会の前夜

[描写]
季節は初夏を迎えつつございます
昼の日差しは容赦なく、夜は未だに寒さが残る
そんな夕方頃
みなさんは自宅へと戻り、一息吐いたところです
今日一日の出来事を振り返るなか、みなさんは手元にある一枚のチケットを眺めております
そのチケットには「東京都立美術館 世界の宝石展覧会 入場券」と記載がされていました

[判定]
すべての探索者は【知識】で判定をする
○失敗した場合(以下のように描写)
いまから一週間前、東京都立博物館にて世界中の貴重な装飾品や珍しい宝石が展示されているということを、探索者はあらかじめ知っております
○成功した場合(上述に加えて以下のように描写)
明日から三日間限定の特別展示品として幻のダイヤが展示されることを、探索者はあらかじめ知っておりますが、詳細までは分かっておりません

[描写]
さて、みなさんは明日
この東京都立博物館で催されるイベント「世界の宝石展覧会」へと向かうことになります
みなさんがどのようにしてチケットを手に入れたのか、そしてみなさんがどのような理由でこの展覧会へと向かうのか
それは各々が自由に決めていただいて構いません
またみなさんの探索者の関係性についても、自由に考えていただいて構いません
ではみなさん、いかがされますか?

[探索]
各探索者は「世界の宝石展覧会」について、最大1回まで情報収集を行うことができる

[進行]
このシーンは本編に於ける前日譚となります
RPで盛り上がるのも結構ですが、このシナリオは第③シーンからはじまると言っても過言ではありません
意識して簡潔になるようまとめる工夫が必要です
PLが「世界の宝石展覧会」について情報を求めるのであれば、ほぼ自動で提示してしまっても問題はありません

[情報]
◇世界の宝石展覧会について(会場マップ、主催・スポンサー、評判・クチコミ、幻のダイヤetc)
基本的に怪しい情報はありません
変な噂も、オカルト的な話も、なにもありません
PLには、潔白であることを伝えましょう
◇チケットについて
入手した経緯は基本的に自由で問題ありません
◇幻のダイヤについて
事前情報はありません
公式HPにも詳細は伏せられており、ネットでは様々な憶測が飛び交っておりますが、確定情報はありません

第②シーン:展覧会当日

[描写]
それでは、みなさんは当日を迎えます
(入場時間は午前10時から 終了時間は午後17時となります)
休日ということもあり、人の数は多いことでしょう
入場券を提示し、入場したあとすぐにみなさんは館内マップや展示品の詳細が書かれたパンフレットを手に入れることができます
館内マップによると、会場はぐるっと円を描いており
入場口があるのが南エリアで、ここには企業・アマチュアと様々な人々による宝石や装飾品のマーケットがあります
東エリアは総合案内所や迷子センター、警備員の詰所などがあるようです
北エリアはフードコートと休憩所を兼ねており、西フロアは装飾品や貴金属また鉱物などに関する資料が展示されています
そしてそれぞれのエリアのゲートから入場できる中央エリアがこの展覧会のメインとなる展示エリアとなっているのです
さて
みなさんには、これから中央フロアにある展示エリアへと向かっていただくことになるのですが
それまでにどこか一箇所、東西南北のフロアを散策いただいて結構でございます
それではみなさん、いかがなさいますか?

[探索]
各探索者は「中央エリア」以外の4つのエリアから1つ選択し、最大3回まで情報収集を行うことができる

■東エリア
特別な情報のあるエリアではない
しかし警備員の数が異常に多く、少しでも挙動不審な行動(目星・聞き耳など)をしていると「何かお困りですか?」と声をかけられてしまいます
下手に逃げようとすると、チケットの提示を求められたりとかなり不快な対応をされるかもしれませんが、それだけ警備員たちは神経質になっていることが分かるでしょう

■西エリア
資料が展示されているエリアで《宝石》や《装飾品》や《ホープダイヤモンド》の情報を得ることが出来ます
特別な情報こそありませんが、このエリアを探索することで重要人物『エル』と遭遇することができます
〔エルの描写〕
気づけばその男はあなたのすぐ隣に立っていました
ぼさぼさの髪にだぼだぼのシャツとズボン、曲がった背筋に不気味なギョロ目がなんとも印象的な男です
〔エルの特徴〕
エルは飄々とした態度で口調も軽薄ですが、基本的に謙った丁寧な喋り方をします
エルは《宝石の国タイアップ限定商品》を求めて遊びに来たと探索者に説明しますが、それはあくまで建前です
エルは決して真の目的を探索者に話すことはありません
【心理学】を使っても、エルの表情はまるで能面のようで嘘か本当か判ずることは出来ないでしょう
※基本的に好青年とした印象を心がけてRPするのが望ましいです

■南エリア
宝石や宝飾品の即売会が行なわれております
特別な情報こそありませんが、このエリアを探索することで重要人物『黒い宝石屋の店主』と遭遇することができます
〔黒い男の描写〕
マーケットの一角、そこだけ空気が違うようでした
そのテーブルには黒いテーブルクロス、陳列された商品もすべてが黒く、そして異様なのは亭主の黒ずくめの衣装でした
黒いベロア調のローブに口元まで覆うフードは、まるで中世の魔術師かおぞましい死神か悪魔のようで、あなたは奇妙な寒気すら覚えることでしょう
〔黒い男の特徴〕
黒い男は物静かで必要以上のことを喋りませんが、終始丁寧に会話をしてくれます
黒い石や宝石について言及すると、どこか高揚感のある声色と口調でその美しさをかるく語ってくれます
ちなみに店で扱っているのは『モリオン』です
男の顔は探索者には決して見えません、なので【心理学】も通用致しません
探索者が男に無体を強いることがあれば、すぐに異変を察知した警備員を登場させましょう
男の年齢については、肌を観察すると推察が可能です
〔男を観察する〕
男の身体はほっそりとしているようだが、座っているせいで身長までは分からない
わずかに覗く皮膚をよく観察するのであれば、皮膚は異様なまでに青白くやつれ気味なシワこそあれ、肌のツヤは悪くないことが分かる
すると、男はテーブルの隅に置かれていた小ぶりにりんごを手に取っておもむろに一口齧った
‥‥男の歯は、真っ黒であった
それは塗料によるものではないのだと、あなたにはすぐに分かる
歯はエナメル以上の光沢を持ち、何よりも光をかすかに透過していたのだ
男の、異常なまでの黒い宝石への執着を垣間見たあなたは【正気度】判定を行う{1/1d3}
※基本的に静かで丁寧、そしてどこか不気味な印象を心がけてRPするのが望ましいです
〔商品の購入〕
商品はだいたい3000円~5000円で、様々な装飾品が並べられています
どれでも自由に購入することが可能です
購入した黒い宝飾品は、後々MPタンクとして利用することもできますが、この場では伏せておきましょう

■北エリア
フードコートがあります
また、宝石の国のキャラクターのコスプレをしたひともいます
周囲の客の話を聞いていると《ホープダイヤモンド》の情報や、ほかにも《世界の宝石展覧会》に関する情報が得られるかもしれません
また、もしかすると南エリアの《黒い宝石屋の店主》の話が聞けるかもしれません
特に特別なイベントや情報はございません

[進行]
このシーンは、重要な第③シーンの余興のような場面となります
重要人物に接触するという、ある程度は重要なシーンなのでございますがすべては前座でございます
来るべき第③シーンに備えて、緩急を探索者に与えるよう心がけましょう

[情報]
各エリアを参照
◇宝石の国コスプレイヤー
撮影は許可制でOK

第③シーン:ホープダイヤモンド

[描写]
さて、みなさんは会場の中央にあります展示エリアへとやってまいりました
入るとそこには、世界各国の様々な宝飾品、また希少な鉱物や宝石がいくつも展示されているのでございます
入口から既に目を奪われるような光景ばかりが広がっているのでございますが、その更に中央には一段と賑やかな人だかりが出来ておりました
あれが、パンフレットにも記載されていた本日の特別展示品なのでございましょう
みなさんのの足は、いつしかそのひとだかりの方へと向かっていくのでございまいました
特別展示物
それは多くの警備員と頑強な鉄柵に阻まれた1mほど先にありました
深さ12.6ミリ、長さ25.6ミリ、幅21.9ミリ
世界最大のダイアモンド『アフリカの星』には及ばないものの、その美しさには確かに唯一無二の迫力がございました
人間であれば、一目見ただけでしばらくその視線は外せなくなる
それは悪魔か天使か、そのようなこの世のものとは思えない魅力がみなさんには感じられたのでございました

[判定]
すべての探索者は【POW×5】判定を行う
○失敗した場合(以下のように描写)
美しいものに心を奪われる
心地良い呆けた感覚に揺蕩っていたところ
突如、違和感が襲いかかった_
それは、なんとも言えない奇妙な寒気であった‥‥
○成功した場合(以下のように描写)
あなたは胸のなかに奇妙な違和感を感じられる
それは例えるなら美しい風景画、そこに突然黒いシミが生じたのだ
そのシミは徐々に、徐々に大きく広がり、やがて美しい風景画はただの真っ黒な一枚絵へと変貌するのであった‥‥
このような奇妙で不可解、そしてなによりもおぞましい得体の知れない感覚に、探索者は【正気度】判定を行う{1d2/1d10}
※これによる一時的発狂は発生しない

[描写]
まもなく、周囲がざわつきはじめました
みなさんがふと目をやると、空中がきらきらと煌めいていたのでございます

[判定]
すべての探索者は【目星】判定を行う
○失敗した場合(以下のように描写)
美しい光の舞い散る姿、戸惑いこそ覚えるものの、しかしその美しさにため息が漏れるばかりでございました
○成功した場合(以下のように描写)
あなたは注意深くそのきらきらと光るものを観察しました
まるでミラーボールを反射したような光が、そこら中にちらちらと舞踊っております
ですが、それはただの光などではないようでした
それは、塵のように小さな、なにかのようでした
まるでそれはダイヤモンドダストのように空中に輝き、床や展示物のケース、衣服へと付着し、きらきらと輝いていたのでございます

[描写]
みなさんが美しい光の舞いに目を奪われたときでした
あなたの隣に立っていた人間が、突然ぴたりと静止する
表情は停止し、まばたき一つもしない
不自然な様子の人間に、更なる異変が生じた
人間の皮膚、肌色の表面が徐々に、色彩を失いはじめる
かわりに硬質で光沢のある、透明なものへと変じていくのだ
隣の人間も、また隣の人間も
展示フロアにいる人間がひとり、またひとり
人間としての色を失い、代わりに淡い人ならざる色彩を滲ませて
最後には、物言わぬ彫像へと変じていく‥‥
そのような悍ましい光景を目撃した探索者は【正気度】判定を行う{1d3/1d6}

[判定]
すべての探索者は【アイデア】判定を行う
○失敗した場合(以下のように描写)
「探索者たちはひとりの若い警備員に声をかけられる」
「お前たち、無事なんだな!?はやくこっちへ!!」
探索者たちの手を引く若い警備員は、しかし片足をぎこちなさげに引きずり、何故か左腕が奇妙に折れ曲がったまま動かないでいた
○成功した場合(上述に加えて以下のように描写)
探索者たちは周囲の異変に気がついた。きらきらと舞う輝く塵にくわえて、天井床壁に奇妙な蔦が張り巡らされていて、どうやら少しずつ広がっているようなのであった

続けて、すべての探索者は【1d6】判定を行います
この結果については、今のところ探索者たちには伏せておいてください
この判定は今後も定期的に行われるものになります
要は、探索者たちの身体の《宝石化の進行度》です
宝石化の進行度は、蓄積型となっており《50》に到達すると完全に宝石化してしまいます
ですが、滅多なことではこれによるロストは発生しないと予想されます
そして重要なのは、最初にでた《数字》が宝石化が広がる最初の部位となります
1→首背、2→右腕、3→左腕、4→右足、5→左足、6→腹腰、となる
宝石化の進行度の目安ですが
10→最初の部位がほぼ動かなくなる
20→最初の部位が完全に宝石化する
30→身体の半分が宝石化し、ほぼ動かなくなる
40→身体の半分以上が宝石化し、もはや自分から動くことが出来なくなる
50→完全に宝石化してしまう(ロスト)

[進行]
このシナリオの最重要シーンです
描写が多く、探索者の行動が少ないシーンになりますが、PLが退屈しないよう描写には力を込めましょう
シーンの最後に重要人物『ライト』と遭遇し、彼によって惨劇の現場から逃亡を行います
この勢いを殺さぬまま、次のシーンに繋げましょう

[情報]
◇このシーンでは原則、探索はできません

第④シーン:共闘

[描写]
会場は大混乱に陥りました
周囲の人間は悲鳴を上げて逃げ惑いますが
しかし残酷にも、その人間はそのままの形を保ったまま
うめき声を漏らし透明な彫像へと変わり果ててしまうのでした
みなさんは、そんな地獄絵図の中から、ひとりの若い警備員によって
東エリアの警備員の詰所へと誘導されます
小さな詰所には誰もおらず、いまは若い警備員とみなさまだけです
若い警備員は一息つくと、静かに話かけます
「まったく‥‥とんでもないことになってしまった‥‥」
「だが、とにかく無事で良かった。どこか、身体に異常はないか?」

[判定]
すべての探索者は【1d6】(宝石化の進行)を判定する
また、探索者が変じる宝石について調べるのであれば【鑑定】【目利き】【INT×1】で判定する
成功することで、探索者たちがなんの宝石になっているかが判明し、また若い警備員の宝石も判明できる
探索者たちは「モリオン」「ダイヤモンド」以外の宝石であればなんでも良い
若い警備員は「ダイヤモンド」であることがわかります

[描写]
探索者たちの様子を見た若い警備員は軽く落胆の表情を浮かべますが、すぐにあなたたちに力強い眼差しを向けてきます
「どうやら、君たちに頼むほかないようだ」
「君たちに頼みたい、この会場のどこかにエルという男がいるはずだ」
「実は、ぼくはエルと会ったことがない。だが、間違いなくこの会場のどこかにいるはずだ」
「この状況を打開できるのはエルだけだ‥‥頼む、ぼくはもう動けない、ぼくの代わりにエルを探してくれ」
「ぼくの名前はライト‥‥頼む、どうかエルを‥‥」

[探索]
各探索者は、重要人物エルを探すために会場の中を探すことになる
会場はすでに探索者以外の人間はすべて宝石化してしまっており、そこらじゅうに鉱物の蔦が張り巡らされ、また輝く塵もきらきらと舞っている
会場の各エリアで探索行動を一回行うたびに、宝石化の進行判定を行わなくてはならないが、この情報は探索者には伏せること
エルを探すためには【目星】や【聞き耳】では見つけられません
エルは西エリアで【エルを呼ぶ】という行動をすることで、エルが返事をしてくれます
エルは西エリアのトイレに隠れており、トイレの中は安全地帯となっております

[情報]
◇宝石化について
宝石化の原因は、周囲に舞っているダイヤモンドダストです
発生源があるわけではなく、霧か靄のように空間を満たしています
風の影響を受けず、漂う動きは変則的です
ダイヤモンドダストは皮膚に付着すると爪で引っ掻いたくらいでは剥がれません
ただちにナイフで1mmほどの深さを抉れば、ダイヤモンドダストを引き剥がすことができるかもしれません
衣類や植物や水や土などは宝石化の影響を受けにくいです
動物も影響を受けにくいです
◇外と連絡を取ることについて
奇妙なホワイトノイズが響き渡る
【聞き耳】に成功すると、ノイズが甲高い金属か鉱物が掠れる音だと分かる
そして直ちに【宝石化】判定を行う
◇宝石化した人間を破壊する
破壊を宣言した探索者のみ【幸運】判定を行う
失敗した場合、割れた瞬間に甲高い悲鳴か絶叫のような音が響き渡り、砕けた宝石の中から血が溢れ出す
目撃したすべての探索者は【正気度】判定を行う{1d2/1d4}
◇出入り口について
出入り口は宝石の蔦が絡みつき、人間数人だけの力では開けられない
工事用の重機でもなければ破壊することは難しいでしょう

第⑤シーン:対決

[描写]
西エリアの男子トイレの中、床に体育座りをする不気味な男がおります
男はそのギョロ目をみなさまへと向けて微笑み話しかけてきます
「あなたたちのなかにライトくんはいますか?」
「そうでしたか、まったくライトくんも詰めが甘いですねぇ」
「まあこうなっては仕方ありません、是非ともぼくたちに協力してくださいませんか?」
「まずは、この薬を何も言わず飲んでください」
エルが取り出したのは、透明な赤い錠剤です
錠剤を飲み下すと、途端に腹の中がねじれるような強烈な違和感に襲われます
腹の中から体内をもみくちゃにされるような悍ましい感覚により、探索者は正気度を{1d10}強制で減少させます
そして減少した数値分、宝石化の進行度が減少し、更にこの初回のみMPが増加する(以降はMPの増加はしない)
「ふむ、どうやら『アグラオフォティス』はちゃんと効いているみたいですね」
「その毒薬げふんげふん、クスリは服用した人間の魔力を高める効力がありまして、副作用もありますが直ちに影響はないので問題ないですよ(たぶん)」
「さて、あとはこれを預けます」
エルがみなさんに渡したのは『手のひら大の金属の円盤』で、中央にはいびつな星の絵と目のような模様が彫られております
「それはこの現象の元凶を打ち払うために必要な道具です、それを使って、元凶を打ち払ってください」
「おそらくは、中央の展示エリアにあるホープダイヤモンドに元凶が宿っているはずです、近づけばメダルが光ますからすぐ分かるとおもいますよ」
「方法は簡単ですよ、メタ的に言えば元凶のPOWとあなたたちのMPを合わせて対抗ロールすれば言いんです、わかりましたか?」

[探索]
西エリアから展示エリアに行くためには、東エリアのゲートをくぐるか、西エリアのゲートに蔓延る鉱物の蔦を破壊するしかない
鉱物の蔦を破壊することは決して困難ではない(なんなら宣言をしてもらえれば破壊することができる)蔦を破壊するペナルティも基本はない
展示エリアへと入れば、この惨劇の元凶との対決となる

[描写]
静寂に包まれた展示エリア、物言わぬ人間の成れの果てが周囲に佇むなか
それは静かにみなさんを待っておりました
不気味に鎮座するホープダイヤモンド
それをみなさんが認めた途端、背筋に氷を差し込まれたような、この世ならざる存在の悍ましい気配を感じ取りました
みなさんは【正気度】判定を行う{1/1d6}

[戦闘]
探索者たちはホープダイヤモンドに潜む神話生物と対決します
本来のキーザのPOWは25であるが、不完全な顕現として20に設定しても結構です
キーザとの対決は二度あり、重要なのは二度目なのでございます
この一回目のキーザとの戦闘で重要なのは、二回目のキーザとの戦闘で探索者のキーザ退散成功率を《30~40%》に設定することです
GMは《探索者全体のMP》と《黒い宝石のMP(3~6)》と《アグラオフォティスのMP増加(1~10)》
そして場合によっては《エルのMP(10~15)》をしっかりと管理し、調整する必要があります
一回目のキーザ退散は、おそらくPLは成功率80%以上を狙っていくことでしょう
そのために消費するMPと、今後必要になるMPをしっかりと見極めてください
ちなみに、ホープダイヤモンドを破壊することはできません

[情報]
◇ライトとエルから話を聞く
基本的に嘘は言わず、知らないことは知らないと正直に答えます
二人は決して独断で行動していたわけではなく、とある組織に所属しているのだが
これについては決して説明をしない
ちなみにカルト的な組織ではなく、ベテラン探索者による有志の組織になります
◇ホープダイヤモンドについて
あくまでもキーザを招き寄せているアンテナのようなものに過ぎない
ちなみに破壊することはできません

第⑥シーン:不穏

[描写]
不気味な静寂の中、みなさんは手にした円盤に意識を集中する
身体の奥底から、何かのエネルギーのようなものが湧き上がるのを覚えるだろう
そしてそのエネルギーは少しずつ円盤えと集約し、何かの波動を放つのを感じ取った
静寂すら押し殺されるような沈黙
一分、十分、二十分、一時間‥‥。
どれほどの時間がたったのだろう?
みなさんの意識がふたたび展覧会の会場に戻ってきたとき、会場を漂っていた輝く塵はもうどこにも見当たらなかった

[探索]
ホープダイヤモンドを調べても、もう嫌な雰囲気を感じられません
どうやら、ホープダイヤモンドに宿っていたものは、完全にいなくなったのだと分かります
輝く塵はもう完全に見えなくなっている
ただし、壁床天井の鉱物の蔦はそのままであり、また宝石化した人間も元には戻らない
事実を確認するためにエルかライトを訪ねるかと思います
エルを訪ねれば、エルはまず探索者たちを心から労う言葉を伝えてきます
宝石化した人間について尋ねれば《完全に宝石化した人間は、絶対に元に戻せない》と冷静にぴしゃりと伝えてきます
ライトを訪ねるのであれば、このシナリオのクライマックスを迎えます

[描写]
ライトが待つ警備員の詰所へと入ったみなさまは、美しい青年の彫像と対面した
若々しく凛々しい整った顔立ちに、思わずため息が漏れるだろうか
しかし、どこか見覚えのある顔だと気がつくのに、時間はかからなかった
それは変わり果てた、ライトの姿であった‥‥

[判定]
すべての探索者は【アイデア】で判定をする
○失敗した場合(以下のように描写)
彼の表情は凛としていて冷静そのものだった
彼がどんな気持ちで宝石化していったのか‥‥想像しがたい体験だっただろう
しかし、引き結ばれた唇が、彼の覚悟のようにもみえるのだった
○成功した場合(以下のように描写)
彼は非常に美しい宝石と成り果てた
目利きがあるわけではないが、彼がそんじょそこらへんの宝石なのではないのだと思える
そうそれは喩えるなら、ダイヤモンドのように美しいのだ

[描写]
ふと、視界になにかが過ぎった
それはきらきらと視界全体に輝くベールのようだった
床壁天井に、霜が伸びるように美しい結晶が静かに伸び上がる
みなさんの胸に、ふたたび暗い闇が点った
そして、みなさんの身も心も押しつぶすようなプレッシャーが、あろう事か宝石化したライトから放たれた
周囲を輝く塵が漂い、みなさんの身体が加速度的に宝石化していくのが見て取れる
みなさんは確信します
ふたたび、宝石に宿る悪夢キーザが顕現したのだと

[判定]
すべての探索者は【正気度】判定を行う{1d5/1d20}
※これによる一時的発狂は適応しない

続けてすべての探索者は【宝石化】判定を行う{1d6}

最後に、探索者たちは直ちに【アイデア】判定を行う
○失敗した場合(以下のように描写)
ダイヤモンドと化したライトを触媒にしてキーザが再臨する、その事実が否応なくあなたの精神を叩きのめした
あなたはこの部屋から逃走を図ろうとするだろう
○成功した場合(上述に加えて以下のように描写)
現状を打開するためには、一端ここを離れたほうがいい
ここに居続ければ、間違いなくあなたもライトと同じ末路を辿るだろうと確信できた

[探索]
キーザとふたたび対峙することになった探索者ですが、このまま対決しては敵いません
まずは警備員の詰所を脱出し、エルのもとへと向かいましょう

第⑦シーン:選択

[描写]
戻ってきたあなたたちを見て、エルは首をかしげます
話を聞けば、エルはふむっとひとつ頷いて
「分かりました、ライトくんを破壊しましょう」
「ご存知かもしれませんが、完全に宝石化してしまった人間を元に戻す方法なんてありません」
「あなたたちの状態を見るに、どうやらキーザは先程よりも強い力がある状態で顕現しています」
「退散のための魔力も十分にはありません」
「ならば、手っ取り早くキーザが顕在化するための触媒を破壊してしまいましょう」

[探索]
エルはライトの破壊をあっさりと勧めてきます
これはエルに血も涙もないというわけではなく、こうなることも覚悟の上での決断となるのです
二人は対面したことこそありませんでしたが、強い信頼関係を築いています
エルの胸の内を【心理学】で判断することは困難です
強いて言うなら、あの不気味なギョロ目には、意思の力強さを伺えることぐらいなら、分かるかもしれません
キーザとの対決のためにエルの力を借りることでしょう
エルはまず、指の腹を噛み切って、滴る血でみなさんのうなじに何かを描きます
エルは「これでおそらくキーザの影響を少しの間抑えることができるはずです」と告げてきます
探索者たちはキーザに近づいても問題はなくなりました
あとは、どうやってキーザを退治するか、となります
エルを連れていく場合、エルの両足が宝石化していることが分かります
(ちなみに、エルはルチルクウォーツです)
連れていく方法は自由ですが、丁寧に運んであげましょう

[戦闘]
さて、クライマックスです
探索者はあの手この手でMPを手に入れようと尽力をすることでしょう
しかし、どんなに豊富なMPを入手しても、キーザの退散は《30%~40%》が望ましいです
このシナリオのテーマのひとつである《一筋縄ではいかない物語》というのは《決して救えるばかりではない》ということです
展覧会にいた大勢の客、探索者を助けたライト、すべて助けられない物語のなかで、探索者は選択しなければなりません
ライトを破壊するか
キーザを退散させるか
ちなみに、ライトの破壊についてですが
探索者が【ライトを破壊する】と宣言すれば、どんな破壊の仕方でも破壊可能です
また、キーザの退散を試みたあとに、気絶していなければライトを破壊するという選択肢を取ることもできます

第⑧シーン:エンディング

[描写]
◆キーザの退散に成功した場合
ふたたび、キーザを打ち払うために意識を集中したみなさまは、だんだんと悍ましい気配が遠のいていくのが分かります
しばらくすると、部屋のなかの輝く塵のベールは消えており、もうライトの中から嫌な気配もしなくなっていました
「やれやれ一時はどうなるかと思いましたよ」
ぼそりと呟いたエル、どうやらその言葉はみなさんに向けたというよりも、ライトに向けた言葉のようでした

※ここで探索者はエルと数言会話ができます、自由に会話をしてみてください

まもなく、外が賑やかしくなってくる。どうやら、救助隊が到着したようだ
エルはみなさんに向かって
「後日みなさんの宝石化を元に戻すクスリをご自宅までお送りいたします」
「今回はご協力いただき、本当にありがとうございました」
と早口に告げた
まもなくみなさんは救助隊によって近くの病院へと搬送される
治療を受けるが、宝石化していた身体を見た医師たちはただただ言葉を失うしかないようだった
数日後、退院したみなさんは、少しずつ日常を取り戻していった
身体に残る美しい輝きに、時折頭を痛めることはあったが、それでも日常は津波のように容赦なくみなさんを押し流していくようだった
そんなある日のこと
小包がひとつ届けられる
その宛先を確認し、中身をあらためた
中には赤い液体の入った綺麗な小瓶、そして、質素な手紙が一通
「先日はありがとうございました、またいずれお会いしましょう エルとライトより」


◆ライトを破壊した場合
ぱーん、それはいままで聞いたこともない甲高く、どこか切ない音だった
そんな音を響かせながら、かつてライトという青年であった宝石の彫像は無残にも粉々に砕け散った
瞬間、ライトの中に潜んでいた悍ましい気配が、消え去るのをみなさんは確かに感じ取った
美しい粉々のダイヤモンド
それをじっと、エルは黙って見つめていた

※すべての探索者は【幸運】判定をする
○失敗した場合(以下のように描写)
一瞬、あなたの横を誰かが通り過ぎたような気がした
思わず振り返ると、ゆっくりと歩き去っていくライトの背中が見えた気がした‥‥
○成功した場合(以下のように描写)
砕けたダイヤモンド、それを見下ろす青年がひとりいた
青年は、ぼんやりとエルのほうへと顔を向け、彼になにかを呟いたようだ
「あとは頼んだ」
砕けたダイヤを見下ろすエルに向かって、そう言ったような気がした‥‥

まもなく、外が賑やかしくなってくる。どうやら、救助隊が到着したようだ
エルはみなさんに
「後日みなさんの宝石化を元に戻すクスリをご自宅までお送りいたします」
「今回はご協力いただき、本当にありがとうございました」
と早口に告げた
まもなくみなさんは救助隊によって近くの病院へと搬送される
治療を受けるが、宝石化していた身体を見た医師たちはただただ言葉を失うしかないようだった
数日後、退院したみなさんは、少しずつ日常を取り戻していった
身体に残る美しい輝きに、時折頭を痛めることはあったが、それでも日常は津波のように容赦なくみなさんを押し流していくようだった
そんなある日のこと
小包がひとつ届けられる
その宛先を確認し、中身をあらためた
中には赤い液体の入った綺麗な小瓶、そして、質素な手紙が一通
「先日はありがとうございました、またいずれお会いしましょう エルより」

<資料>

『ホープ・ダイヤモンド』
詳細はWikipediaを参照されますよう
呪いのエピソードについて、実際このエピソードは現在ではデマであるのですが
展覧会までは、探索者にささやかな警戒心を与えるためにもデマであることは隠しておき
当日の展覧会の資料展示エリアにて種明かしをしてあげれば、ほどよい良い緩急を生むかもしれません

『東京都立博物館』
架空の博物館となります
本館と複数の別館からなる博物館でございまして
展覧会は円形状の建物で全体がガラス張りの別館「玻璃」で行われることになります
その他の仔細につきましては、ご想像におまかせ致します

『デ・ビアス社』
詳細はWikipediaを参照されますよう
世界のダイヤモンドを独占販売する組織になります
ダイヤモンドが金や銀のように一定の価値基準を持つのは、こうした独占市場があるお陰でもあります
あえてこの名前を出したのは、探索者が展覧会の主催に疑いの目を向けても「何もない」ことを証明する一手でございまして
必要なら、展覧会のスポンサーの東京都知事や日本有名企業の名前を出しても良いのです
要は「裏に怪しい動きがあるなら調べたい」というプレイヤーの心理に対抗するための手段として考えてもらえれば十分なのでございます

『世界の宝石展覧会』
デ・ビアス社主催の展覧会
探索者たちはこれが東京都の東京都立博物館で一週間前から開催されることを知っておりますし、チケットも所有しております
展覧会の詳細は当日現地でも分かることではございますが、事前に知りたい場合は「公式HP」がありますので、そこから事前にある程度の情報は公開しても問題はありません

『キーザ』
宝石の持つ神秘の実在性について、これは「信じるものにのみ実在する」のであり、決して実在が証明されているわけではない
しかし宝石の持つ神秘を信じて疑わず、ましてやその神秘には絶大な力があり、使い方次第では病を治し精神を整え、果ては宇宙との交信すら可能にすると嘯くものもある
確かに宝石とは美しいものだ
その美しさには、何か人間を惹きつける力のようなものを感じずにはいられない
だが、そこに幻想や妄執を抱き、宝石の魅力に屈した人間を貪るものがあるとすれば、それが暗き彼方のムトゥーラに在る
キーザ、もしくはクィス=アズと呼ばれるこの思念体は、地球より遠くのムトゥーラに存在し、常に何かの宝石か鉱物に宿っている
ムトゥーラの主であるキーザの力は、光に依存すると言われる
光がなければ何も見えない
見えないということは、それは存在しないことも同然
そして美しい宝石を堪能するためには、光は必要不可欠であると言える
その光がムトゥーラへと届き、キーザへと注がれた暁には、その光のもとへとキーザの福音があまねく広がり渡ることだろう

『黒い宝石屋の店主』
キーザは虎視眈々と光を求めている
光とは、単にlightというわけではなく
「石に秘められた力を求める心」も含まれる
そもそも神秘の石「パワーストーン」とは和製英語であり、その流行は2000年からとだいぶ真新しい
おそらくは占い師がテレビ進出を果たし、スピリチュアルという言葉が大衆メディアを通じて流布したことによる
拡散されたスピリチュアル商法の一端に過ぎないことは自明の理であるが「そう思うのなら、そうなのだろう」
だが少なからず、パワーストーンの効力について洗脳されるケースもあるぐらいに、心の弱い人間は実在する
そんな心の弱さがキーザを招き寄せ、そしてキーザの健在に一役買ってしまうという事態になってしまった
間違いなく彼が今回の事件の元凶ですが、悪意はありませんでした

『二人のNPC:ライトとエル』
どこかで聞いたことがある名前ですが「デ○ノート」の彼らとは一切関係はありません
ただ彼らのキャラクター性としては、しっかりと演じるのであれば原作の彼らを少し意識した演じ方が望ましいでしょう
しかしあくまでも必要なのは『NPCとしてシナリオの役割を果たす』ことでありますので
そのためにどんな人間を用意するべきかは、GMにすべてお委ねいたします

『モリオン』
詳細はWikipediaを参照されますよう
スコットランドのケアンゴームから産出される光をほとんど通さない真っ黒な水晶です
強力な魔除けのパワーストーンとして有名
黒水晶にはその黒さにランクがあり、うっすらと黒い「スモーキークオーツ」と、わずかに透明度のある「カンゴーム」がある

『アフリカの星』
詳細はWikipediaを参照されますよう
南アフリカのカリナン鉱山で発掘されたダイヤモンドで、通称は《The Cullinan》
または《偉大なアフリカの星 (The Great Star of Africa)》とも言われる
尚現在の世界最大のダイアモンドの地位は第二位となっている

『アグラオフォティス』
かつて古代ギリシャにはペダニウス・ディオスコリデスという人物がおり、彼は薬草学の父と呼ばれます
彼が執筆編纂した「薬物誌」に記載された薬で、アラビア砂漠産の赤芍薬を使った解熱鎮痛剤の効果があります
ちなみに「ネクロノミコン」にもアグラオフォティスの記述があるとか、ないとか‥‥
当シナリオのオリジナルアイテムになります
正気度1d10と引き換えに魔力を感じ取り使用する力を覚えます
また、侵食性のある毒や呪いを和らげます

『手のひら大の金属の円盤』
当シナリオのオリジナルになります
エルお手製のエルダーサインであり、退散の儀式を簡略化してくれる便利アイテム
今回はキーザにのみ効果を発揮します

<後書>

ぬしトロンと申します
TRPGは12年ほど、CoCは8年ほど遊ばせてもらっております
今回が初投稿になりますが、今後需要があれば自作シナリオがいくつかございますので
こちらに投稿させていただければとおもいます、よろしくお願いします

追記:06月29日、一部内容修正いたしました
追記:06月30日、一部内容修正いたしました
追記:07月01日、一部内容修正いたしました
追記:07月04日、一部内容修正いたしました
追記:07月06日、一部内容修正いたしました
追記:07月07日、一部内容修正いたしました
追記:07月11日、一部内容修正いたしました
追記:07月25日、一部内容修正いたしました
追記:10月08日、一部内容修正いたしました


当シナリオについて不明点がございましたら以下までお気軽にご連絡くださいませ
Twitter
https://twitter.com/JVX69_nushitron



今後シナリオを公開用に執筆するのに際しまして、シナリオの記述についてまとめたいとおもいます

◇推奨職業・技能はなし
シナリオをクリアするための条件は「探索者としての役割を全うする」ことだけです
◇GMはセッションの演出家・脚本家を意識してください
シーンの描写や演出はシネマティックに、ドラマティックになるよう心がけてください
◇シナリオの調整・改変は自由に
GMがセッションでやるべきことは<真相>に記述した物語をベースにすることです
必要な【判定】やRPはGMの自由に手を加えても問題ありません
◇<真相>だけ読み込めばなんとかなるシナリオです
<真相>はシナリオの全貌であり核心です、その他の情報は<真相>の補足になります



当シナリオの運用について、ご不明点がございましたら作者までご連絡ください。
当シナリオは【物語】【真相】に明記したことが全てであり【フローチャート】は目安に過ぎません。
シナリオを読み込み、どのように回すか、どこにスポットを当てるか、どう運営するのかは、KP自身の持ち味を存分に活かしてください。
端的に言えば【フローチャート】は普段の作者がセッションを運営するスタイルそのものです。真似をするのも結構ですが【物語】【真相】から読み解き、あなた自身が一番回しやすいよう改変を行ってください。
以上を踏まえて、当シナリオをご活用くださいませ。

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TRPGをはじめて十数年、最近はCoCメインで遊んでおります ご連絡はコメントか、URLのTwitterまで セッションのお誘いもOKです

https://twitter.com/JVX69_nushitron

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