2021年11月12日更新

【10分間クトゥルフ】夜道の屋台

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:1時間(ボイスセッション)

【基本情報】
所要時間:10分間程度
人数:基本一人(一応複数人可能)

・探索よりダイス運が探索者の命運となるシナリオです。

※探索者について
PLに探索者を作らせるのが面倒な場合最低限「性別」「職業」「年齢(成人していることが条件)」「POW(SAN値)」「STR」だけ決めてもらい、目星と聞き耳を50で回して下さい。その他の技能はKPの判断に任せます。

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ストック

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https://jyasu.booth.pm/items/3117855

↑ BOOTHにレイアウト等を編集したPDF版を出しました。お好きな方でキーパリングしてください。
(リンク先のページに飛びます)

【シナリオ概要】

探索者は仕事帰り(もしくは大学やバイト帰り)の夜道に、怪しげなバーの屋台を見つける。そのバーで探索者は「初めて来た方に必ず無料で提供する物」と言われ『シュブ=ニグラスの乳の酒』を出される。探索者はその酒の正体について知らないが、その酒はシュブ=ニグラスが人間を自分の子供にするために作り出したものだった。それを飲んだ探索者は酒の虜になり、何度も飲むうちに体が化物に変化しシュブ=ニグラスの子供となってしまう。
探索者は酒の誘惑に打ち勝ち無事に屋台から離れることがミッションになる。

【導入】

あなたは仕事帰り(もしくは大学やバイト帰り)、夜道の通りを一人歩いている。しかし、あなたがいつも通るこの道は普段よりずっと人が少ないように見える。
あなたが不思議に思っていると、ふと目に見慣れない屋台があることに気がつくだろう。その屋台はなかなか小洒落ていて、柔らかな灯りが心地よい光を放っている。どうやらそれは珍しい、バーの屋台のようだ。

・屋台に入る→
【バーの屋台】へ
・入らず通り過ぎようとする→
屋台の中にいるバーテンダーの格好をした美しい女性が「そこの方、お疲れのようですね。どうぞ一杯、ここで疲れを癒していきませんか?」と声をかけてくる。
ここで断り立ち去ろうとした場合、探索者は柔らかく甘い匂いがバーから漂ってくるのを感じる。その匂いを嗅ぐとバーに行きたくてたまらなくなり、自然と足がバーに向いてしまう。

【バーの屋台】

シックな雰囲気の漂うお洒落なバー。客はまだおらず、カウンターにはバーテンダーの服の綺麗な女性が立っている。彼女は「どうぞ、お座り下さい」と探索者に声をかける。

・女性について→
バーのマスター。名前は湯島春日。28歳。屋台でバーを開き各地を転々としている。彼氏はいない。(KP情報:湯島春日は黒き仔山羊が人間に化けた姿です)
目星で、女性とバーに寒気のするような浮世絵離れした雰囲気を感じ取ることが出来る。
・メニューを見る→
様々な酒やカクテルのメニューが書いてあるが、探索者が頼もうとするとマスターが乳白色の液体の入ったグラスを差し出してくる。「これは初めてこられた方にウェルカムサービスとして出しているオリジナルのカクテルです」
・乳白色のカクテル→
美しい乳白色の色をしたカクテル。甘い匂いがする。美味しそうだ。カクテルの材料を彼女に聞いても「企業秘密なので」と隠される。言いくるめに成功で「あまり手に入らない珍しいものを使っている」ことは教えてくれる。
・酒を飲む→
POW×5の対抗ロールに失敗した場合、探索者はカウンターに立つマスターの後ろに何かがずるずる蠢いているのが見えてしまう。それは闇の中でもはっきりと分かるほど巨大な、粘着質に光るどす黒い触手だ。この世のものではない醜悪な化け物の姿を垣間見た探索者はSAN値チェック1/1d4
探索者がはっと我に帰ると触手は無く、どうやら幻覚であったことが分かる。
酒を飲んだ探索者は、もっと乳白色の酒を飲みたいという欲望が湧き上がってくる。(欲しいと言えばマスターはまた酒をくれる)


(※KPは探索者が酒を飲んだにせよ飲んでいないにせよ適当なタイミングでシナリオを進めて下さい)
中年のくたびれたサラリーマンが屋台に入ってくる。
「いつものくれよ…」とサラリーマンが言うと、彼女はにこりと笑って探索者に出されたものと同じ乳白色のカクテルをサラリーマンの前に置く。サラリーマンはビールを飲むようにそれをグイッと煽って一口でグラスを空にしてしまった。

・サラリーマンについて→
カクテルを煽った後、空のグラスを見て酔ったようにぼーっとしている。
聞き耳に成功で、サラリーマンがぶつぶつと「たりねぇよ……もっとくれよ……たりねぇ……おかしくなる……たりねぇ……もっとだ……ほしい……ほしい……」と呟き続けているのが聞こえてしまう。明らかにおかしい様子にSAN値チェック0/1
サラリーマンに話しかけても上の空で返事をするだけである。

※探索者が乳白色のカクテルを持っていた場合
ぎろりと血走った目で探索者の方を向き、そしてカクテルに釘付けになる。サラリーマンは「その酒飲まねえならくれよ……いいだろ…」と探索者に聞く。渡そうとしてその酒を手に取った場合、POW×5の対抗ロールを行い、失敗した場合探索者は酒を飲みたい欲望が強くなりサラリーマンに酒を渡せない。更に出目がPOW×5より10以上大きかった場合酒をその場で飲んでしまう。(※酒を手に取らない場合この処理は行わない)
サラリーマンに関して何を聞いても答える様子はない。
(※これまでで飲んでいない探索者にどうしても乳白色のカクテルを飲ませたいKPは再びカクテルを出しても構いません)

・酒を飲む→
酒を飲んだ場合、先にサラリーマンとの話でPOWの対抗ロールを行った探索者は更にPOW×3の対抗ロールを行う。話をしていない場合はPOW×5で行う。
※後の処理は前述の酒を飲んだ場合と同じ

【帰り道】

探索者は一通り酒を飲んで時間を過ごしてから、そろそろ帰ろうかと思い席を立つ。
※サラリーマンを連れ出そうとする探索者がいればてこでも動かないことを伝える。

席を立って帰ろうとしたところで、探索者は後ろから低く、人間のものとは思えないような呻き声が上がったのが聞こえる。振り向くと、あの中年のサラリーマンが苦しそうに地面に蹲っている。すると突然サラリーマンの体が泡立ちながら黒く変色し始め、みるみるうちにおぞましい怪物の姿に変わっていくのを目にしてしまう。
あなたは間近でその化物の姿を目にした途端、このバーに立ち寄ったことを後悔するだろう。象のように太い四本の足。頭と思しき頂点から突き出た触手が何本も揺らめいており、ぶよぶよと身体を覆う皮膚のようなもののところどころ裂けた所から、鋭利な牙を持った口が唾液と舌を垂らしている。おぞましさを、恐怖を、忌々しさを体現したかのような生物だった。SAN値チェック1/1d4

・酒を飲んでいる場合→
酒を飲んだ際のPOW対抗に失敗している探索者は、足が自分の意思に反して化物の方へ向かっていってしまう。STR対抗で足を止めることが出来る。ただし酒を2杯以上飲んでいる場合、一杯ごとにSTR値を1下げた状態でのロールとなる。
足を止められた場合、さらに幸運ロールに成功でその場から逃げることが出来る。

・酒を飲んでいない場合→
幸運ロールに成功でその場から逃げることが出来る。

【エンディング】

・逃げられなかった場合→
探索者は化物の触手に足を取られたのか、それとも抗えない「何か」に囚われてしまったのか、このおぞましい怪物の元から逃げることが出来なかった。
化物がこちらへ向かって太い足を一歩踏み出す。揺れる触手の向こうでバーのマスターが笑っているのを目にしたのが、探索者が意識を保っていられる最期だった。

《ロスト クリア報酬なし》


・逃げられた場合→
(※酒を飲んでいない場合)
一心不乱に探索者は家へ駆け出した。後ろからなにかが呼んでいる声が聞こえるのも振り払い、探索者は走り続けた。
はっと目を覚ますと、そこは紛れもなく自宅のベッドの上。まるで昨日の夜が嘘のように、セットされた目覚ましも、自分の部屋も、全てがいつも通りだった。
あの夜のことを現実だと証明するものは何一つない。探索者はまた、変わらない日常に戻っていくだろう。

(※酒を飲んでいる場合)
酒に酔ってしまったのか覚束無い足取りで、後ろから聞こえる何かの呼び声も無視して探索者は走り続けた。
そしてふと気がついた時には、探索者は自室のベッドの上に横たわっていた。僅かな倦怠感と、それをはるかに上回る「あの酒をもう一度飲みたい」という強い欲望が自分を支配している。何かが足りない。あの酒をもう一度飲みたいーーーその欲が頭から離れないまま起き上がった探索者は気が付くだろう。枕元に置いたスマートフォンの横に、いつもは無いはずの白い名刺が置いてあることに。

『またのご来店をお待ちしております。

湯島春日』

《生存 クリア報酬:SAN値回復3》

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