▼導入
アーセルトレイの夜空に、流星群が訪れる。
誰も彼もが、そんな噂で浮足立っている。
いつも穏やかなアーセルトレイの空に、こんな天体ショーがあるなんて。
これはきっと、ふたりの女神さまの恩恵。
ささやかに暮らす人々への、ささやかな贈り物。
「ねえ、知ってる? 星降る夜に大切な相手を誓うと、ふたりの絆は永遠になるの」
――銀剣のステラナイツ「星降ル夜ニ」――
※監督は上記を最初にナレーションし、「このシナリオは流星群の来訪を前にしたアーセルトレイのお話です」の旨を説明してください。
▼第一章「星より密かに」
描写:
流星群の噂は、日常を送るステラナイツの耳にも届き始めている。
ロマンチックな話題を好む女の子たちは、大切な人との絆を誓う「星降る夜」の話で持ちきりのようだ。
解説:
星降る夜に、大切なひとと流れ星を見ると、二人の絆は永遠になるという噂。
あなたはパートナーとそんな話題で盛り上がるかもしれないし、根拠のない噂だと一蹴してしまうかもしれません。
ともあれ、今はまだステラバトルの予告されていない、穏やかな日常です。
▼第二章「星に願いを」
描写:
――異端の騎士が現れる。
――心と願いを歪ませた、星喰の騎士が現れる。
――此度の決闘、願いの決闘場に咲き乱れるは、(PCたちの花)。
――そして舞台の中央に咲くは一輪の歪な、(エクリプスの花)。
君たちが夢に見た光景は、君たちの花が咲く「願いの決闘場」だった。
そう、君たちは、ステラバトルの予告を受け取ったのだ。
しかしステラバトルの開幕は、星降る夜の直前だと言う。
――願いあるならば剣を取れ。
――二人の願い、勝利をもって証明せよ。
解説:
ステラバトルと星降る夜とは、何か関係があるのでしょうか。
そしてあなたたちは、無事に星降る夜を迎えられるのでしょうか。
▼幕間「星影のワルツ」
描写:
星降る夜を目前に、夕暮れの街はどこか楽しげな喧噪に包まれている。
早くも星を探して空を見上げる人々のシルエットが、黄昏色に浮かぶ。
だが、君たちは知っている。この勝利なくして、今宵はやってこないのだ。
解説:
ステラバトルが始まれば、どこにいても自動的に決闘場へと転送されます。それまでにキーワードを唱えましょう。
そしてステラナイツが敗北すれば、この階層世界は消滅してしまうでしょう。
▼ステラバトル
よき戦いを。勝利すれば【星影の勲章】を獲得できます。
▼カーテンコール「星降る夜に」
描写:
無事にステラバトルを終え、夜がやって来た。
大切なひとと互いに寄り添い、誰もが星降る夜空を見上げる。
君たちはこの星夜をどこで過ごすだろう。そして、流れ星に何を誓うだろう。
解説:
各ペア思い思いに演出してください。
以下は、プレイする予定のある俳優は読まない方が楽しめると思います。
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▼真相
かつての地球の平穏な空を投影しているだけのアーセルトレイの空に、流星群は本来見られないものです。
この流星群の正体は、粉々に砕けた、地球という惑星のかけらたち。かつてロアテラがこの星を喰らってしまった時の、地球の記憶とでも呼ぶべき、幻です。
この幻は人々のうちに眠る星喰の因子を揺さぶり、強い影響を与えました。そんな中の一人が、今シナリオのエネミーです。彼(彼女)は、流星群の到来を予兆したことで、星喰の因子を発露させてしまったのです。
果たしてステラナイツの活躍により、星降る夜は無事に訪れました。しかし皮肉なことに、 空に映し出された流れ星たちは、次の災禍の種をあちこちに撒いてしまったことでしょう。
▼シナリオアレンジについて
・イレギュラー形式を想定して作成しています。エネミーをエンブレイスにする場合は二章の描写など適宜アレンジしてください。
・戦闘難易度は適宜調整してください。 各ルーチンの調整が手軽かと思います。
▼続編
流星によって星喰の因子が発露したエクリプスのシナリオセッティング
「星散ル夜ニ」(リンク先)を連作しました。
こちらは完全に監督なしで進行する少し変則的なシナリオセッティングになります。宜しければあわせてどうぞ。
頭上には星屑、足元には願いの決闘場。
満天の星々が、騎士たちの戦いの行く末を見守る。
▼セットルーチン
ラウンド1・セット 【星のきらめき 】
描写: 空の星々が一斉に瞬き、戦士たちに祝福を降らせる。それは等しく、味方にも敵にも。
効果: このステラバトル終了まで、ステラナイト、エネミー問わず全員の「チャージダイス数」が1増加する。
ラウンド2・セット【ほしの記憶 】
描写:突如として、天を噛み砕くあぎと。そこから天は砕け散り、屑星となって暗闇に流れてゆく――これは、ロアテラに喰らわれた、ある惑星<ほし>の記憶。記憶は何度でも遡り、とうに砕けて消えたその<ほし>に、夢を見せる。
効果: エネミーは、任意のスキルに1ダイスをチャージし、即座にそれを実行する。 さらにこのラウンドでは、全員の行動順がラウンド1と逆回転になる。
ラウンド3・セット【ほしのゆめ 】
描写:降り注ぐ流星群。この<ほし>―― 地球のみる夢は、いずれアーセルトレイの空にも映し出されるだろう。それはきっと、そう遠くない未来。例えばほんの数刻後、星降る夜に。
効果: エネミーは1d6を振る。出目に対応したガーデンにいるステラナイトは、[アタック判定:2+現在のラウンド数]を受ける。
※ラウンド4以降は、2、3のセットルーチンを繰り返す。
▼アクションルーチン
No.1 【ベガの誘い】
描写: あやしく輝く織姫星。それは騎士たちを死地に誘う。
効果: この効果が実行される時点で、2、4、6のガーデンにいるステラナイト全員に[アタック判定:4ダイス]を行う。
No.2 【アルタイルの囁き】
描写: さみしげに光る彦星。それは騎士たちを死地に誘う。
効果: この効果が実行される時点で、1、3、5のガーデンにいるステラナイト全員に[アタック判定:4ダイス]を行う。
No.3 【デネブの憂鬱】
描写: 白鳥の群れのように、突如襲い来る流星の矢の雨。逃れられる場所は少ない。
効果: ステラナイツは全員、1d6を振る。4以下の出目を出したステラナイトは、その数字に呼応するガーデンに移動し、1ダメージを受ける。5以上の出目では何も起きない。
No.4 【ベガの誘い、再び】
描写: あやしく輝く織姫星。それは騎士たちを今一度、別の死地に誘う。
効果: この効果が実行される時点で、1、2、3のガーデンにいるステラナイト全員に[アタック判定:4ダイス]を行う。
No.5 【アルタイルの囁き、再び】
描写: さみしげに光る彦星。それは騎士たちを今一度、別の死地に誘う。
効果: この効果が実行される時点で、4、5、6のガーデンにいるステラナイト全員に[アタック判定:4ダイス]を行う。
No.6 【デネブの嘆き】
描写: 白鳥の群れのように、突如襲い来る流星の矢の雨。逃れられる場所は少ない。
効果: ステラナイツは全員、1d6を振る。4以下の出目を出したステラナイトは、その数字と等しいダメージを受ける。5以上の出目では何も起きない。
▼おまけ・専用シチュエーション表
1 朝の通学路。もちろん、一緒に行こ?
2 プラネタリウムでデート。なんだか眠くなる…。
3 こんぺいとうがひとつ、ふたつ。二人で分けっこしよう。
4 クラスの女子が騒いでる。「ねえ、星降る夜の噂ってきいた?」
5 カフェテラス。流星群の噂が耳に入ってくる。
6 一緒にお買い物。星のかたちのマスコットをみつけたよ。
7 夕方の帰り路。空には星が瞬きはじめている。
8 プラネタリウムでデート。天の川がきらきら。
9 はじめようか天体観測。望遠鏡も準備万端。
10 深夜、こっそり待ち合わせ。さあ、どこに出かけよう?
11 夜の帰り路。真っ暗だから、手をつなごう。
12 いつの間にか、夜明け。あれって、明けの明星?