▼事前準備
[俳優監督含めて4人の場合]
監督はトランプから各スートのKと、同じく各スートのQを抜き取り、[Kの四枚組]と[Qの四枚組]の2セットを作成します。それぞれを裏向きで、よくシャッフルしてください。
シナリオ開始前、監督・俳優たちは自分の担当するシースの分として、[Kの四枚組]からそれぞれ一枚ずつを引きます。シースはそのカードのスートを確かめ、覚えておいてください。確認後は裏向きに伏せて手元に置き、指示があるまで公開してはいけません。
次に、監督は[Qの四枚組]からカードを一枚、裏抜きのまま抜きます。内容は監督も見てはいけません。指示があるまでは誰にも見えないように隔離しておいてしてください。これを[星を掴んだQ]と呼びます。
残りの3枚のQも、裏向きのまままとめておき、指示があるまで誰にも(監督にも)見えないように隔離してください。
[俳優監督含めて3人の場合]
上記の手順からクラブのKとQを除外し、[Kの三枚組][Qの三枚組]に変更してください。
[俳優監督含めて5人の場合]
上記の手順にジョーカー二枚を加え、[Kの五枚組][Qの五枚組]に変更してください。
▼第一章「星は密かに」
描写:
少し前、流星群が夜空を飾った。
アーセルトレイでは珍しい天体ショーを人々は歓迎し、君たちもまた大切なパートナーと流れ星を見上げたことだろう。
それから数日経ったある夜、シースは夢を見る。
頭上には暗い夜空、足元には願いの決闘場。
空には小さな流れ星が、たったひとつ。
流れた先を追いかけて、受け止めようと手を伸ばす。
手のひらの中に、星はあるのか――目が覚めてしまった今はもう、思い出せない。
ステラバトルが予告されたのは、そんな時だった。
解説:
彼(彼女)は、星を掴めたのでしょうか。それはまだわかりません。
願いの決闘場は不思議な霧に覆われていて、あなたたち以外の花は、よく見えませんでした。
あなたたちの胸には、じわじわと、不安が広がっていくことでしょう。
【特記事項1】
第一章を演じた後、ブリンガーたちはそれぞれ、d66を振ってください。全員が第一章を演じた終えたら、その数値を比べます。
最も出目の高かったブリンガーの俳優は、[星を掴んだQ]のカードを見ることができます。
[星を掴んだQ]と同スートのKのシースが、星を掴んだ者であり、そのシースたちのペアが、エクリプスとなります。
それ以外のブリンガーの俳優は、選ばれなかったQのうちの一枚だけを見ても構いません。「少なくともこのスートはエクリプスではない」という後の判断材料にはなるでしょう。
ただし、いずれの場合もまだ、あなたが見たカードの内容を公開してはいけません。
▼第二幕「星に惑いを」
描写:
星の夢は、不吉の前触れか、それとも、しあわせの予兆か。
君たちは、やがてこんな疑念を抱く。
『星の夢は、星喰の因子を植え付けられたことを暗示するのではないか』
『星を掴んでしまったステラナイツは、エクリプスになるのではないか』
解説:
ブリンガーとシースは、自分たちが星喰の因子に侵されているのではないかという不安を抱きはじめたことでしょう。
二章では、自分たちが見たトランプのスートを、パートナーへのみ公開できます。
お互いに事実を共有し合うもよし、隠し通すもよし、安堵するもよし。
漠然とした不安のなか、あなたたちはパートナーとどう過ごすのでしょうか。
【特記事項2】
「夢の続きを思い出した」などのRPで、シースは自分の持つKのカードを、パートナーにだけこっそり見せても構いません(見せなくても構いません)。
それを見たブリンガーは、自分たちがエクリプスかどうかがわかるかもしれません。ブリンガーもまた、自分の見知った情報や推測をパートナーに伝えても構いません(伝えなくても構いません)。
各俳優・監督の中には、ブリンガーとして得た自分のカード情報とシースとして得た情報、そしてパートナーから聞いた情報によって、誰がエクプリスかが特定できてしまった人もいるでしょう。そうしてペアの枠組みを越えて得た情報もまた、ロールプレイのスパイスとして自由に反映し、推理に役立てて下さって構いません。ステラバトルに導かれた騎士たちの間には、不思議な絆と感応が働くのです。
▼幕間「影星のタンゴ」
描写:
君たちは知っている。この勝利なくして、明日はやってこないのだと。
さあ、星を受け取りし騎士は、果たしていずれの花か。
解説:
幕間開始前、監督は[星を掴んだQ]を公開してください。
そして各シースの俳優は、自分の持つKをそれぞれ公開してください。
[星を掴んだQ]と同じスートのKを持つペアが、エクリプスとなります。
【特記事項3】
エクプリスとなったブリンガーは、残念ながら獲得したブーケを使用できません。
そのかわり、通常の「舞台の恩恵」に加えて、ボーナスとして[シナリオによる恩恵]を反映できます。これらの処理はステラバトル開始までに行ってください。
通常の「舞台の恩恵」
【ステラナイトが4人いる場合チャージダイス+1、5人で+2】
[シナリオによる恩恵]
【耐久力さらに+5】
【アクションルーチンの順番をランダムに変更してもよい】
【修得スキルのうち二つまでを、未修得スキルと入れ替えてもよい(エネミー専用スキル含む)】
【ステラバトル中、一度だけダイスをリロールしてもよい(チャージ・アクション問わず)】
▼ステラバトル
よき戦いを。勝利すれば【影星の勲章】を獲得できます。
解説:
エクプリスとして戦うブリンガーは、ルールブックP202-203を意識して動いてみてください。
ステラナイツが敗北すればこの階層世界は消滅してしまいますが、手加減の必要はありません。
▼カーテンコール「夜明けの空に」
描写:
無事にステラバトルを終えれば、やがて夜が明ける。
君たちは思い思いの夜明けを過ごすことだろう。
解説: 思い思いにどうぞ。
以下は俳優が読んでも問題ありません。
▼真相
前作「星降ル夜ニ」(リンク先)の真相を参照してください。
▼備考
流れ星はアーセルトレイのあちこちに散りました。星を受け取ってしまったステラナイトは、他にもいることでしょう。
PCを入れ替えて何度も遊んで頂くことも可能かと思います。監督レスの突発セッションなどに。
▼推奨事項
舞台の恩恵の処理、ルーチンの順番組み換えなど、エクリプス担当者には相応の負担がかかることが予想されます。このため、幕間とステラバトルの間には充分な休憩時間を挟むことを推奨します。
また、エクリプスの俳優がルールに不慣れな場合は、戦闘の進行や処理などでも、監督が積極的にサポートしてあげてください。
▼カードについて
俳優・監督含めて4人で遊ぶことを想定して書いています。
人数が5人になる場合は、KとQの組にそれぞれジョーカーを一枚ずつを加えるなどして、適宜調整してください。
要は人数分の区別ができるマークのついたカード×2セットさえあれば役割を果たせますので、必ずしもトランプを使う必要はありません。
自作のカード、くじ等でも充分に代用できるかと思います。二組用意するなどの工夫でタロットなどでも。
▼アレンジについて
エクリプスを担当した俳優も楽しめるように、エクリプスにも十分に勝機の望める、ややハードな構成になっています。少しステラナイト側に厳しすぎると感じる場合は適宜調整してください。幕間の項にある[シナリオによる恩恵ボーナス]を減らすのが最も手軽でしょう。
そこには満天の星もない。月明かりもない。
あるのは荒涼たるクレーターと立ち煙る霧、どこまでも暗い闇空。
ただ時折、流星が遠く過ぎて消えるばかりの、寂寥の果て。
▼セットルーチン
ラウンド1・セット 【星喰の加護】
描写: 身体の奥に眠るロアテラの力が、暗い輝きを見せる。
効果: このラウンドが終了するまで、エネミーの防御力はさらに1点上昇する。
ラウンド2・セット【星喰の饗宴】
描写: 誰が星を受け取った? 隣にいるのは本当にステラナイト? 煙る霧は騎士たちを疑心暗鬼へと誘う。
効果: このラウンドが終了するまで、ステラナイツは自分のアクション時、隣接するガーデンにステラナイトがいればそれを対象に、チャージされている任意の攻撃スキルを、必ず実行しなければならない。対象が複数いればその人数分実行する。
ラウンド3・セット【星喰の祝福】
描写: 追い込まれてなお、ロアテラの力は輝きを増す。
効果: このラウンドが終了するまで、エネミーのアクション判定ダイスはさらに1個増加する。
※ラウンド4以降は、1~3セットルーチンを繰り返す。
▼アクションルーチン
※ランダムの場合は、毎アクションの予兆ごとに1d6を振り、出目に呼応したアクションルーチンを実行する。重複した出目は振り直し。1~6のすべてを実行し一周したら、以降は同じ順番で繰り返す。
No.1 【メテオアタック】
描写: 到来する隕石。大地に新たなクレーターを幾つも作っていく。
効果:この効果が実行される時点で、エネミーと同じガーデンとそこに隣接するガーデンにいるステラナイツは、[アタック判定5+ラウンド数ダイス]を受ける。
No.2 【星をまとうもの】
描写: こぼれた流星の光は、星喰の因子に惹かれ、まといついて、力となる。
効果: エネミーの耐久力は2回復する。エネミーは任意のスキルに1ダイスをチャージし、即座にそれを実行する。
No.3 【メテオストライク】
描写: 到来する無数の隕石。全てのステラナイトを撃たんと堕ちる。
効果: この効果が実行される時点で、全てのステラナイツは[自分のいるガーデンの番号]と同数のダメージを受ける。
No.4 【星を食むもの】
描写: 矢のような流星は星喰の得る糧となり、光の残滓を振りまいて駆け抜ける。
効果: この効果が実行される時点で、エネミーは1d6を振り、出目分の耐久力を回復したあと、同じ数号のガーデンに移動する。また、この出目と同じ数のアタック判定が、この効果が実行される時点で最も耐久力の高いステラナイトに実行される。
No.5 【幸運の星】
描写: ささやかに流れ堕ちる幸運の星。果たして誰にとっての幸運か。
効果: この効果が実行される時点で、最も耐久力の低いステラナイトは1d6を振る。その出目と自分のいるガーデン番号とが同じ数値であれば、そのステラナイトの耐久力が3回復する。それ以外の出目なら、エネミーの耐久力が5回復する。
No.6 【蜜色の星】
描写: 流星は騎士を甘く呼ぶ。誰かの不幸は蜜の色。
効果: この効果が実行される時点で、すべてのステラナイツは自分のいるガーデンの色と自分の花章とを確認し、同じ色であれば、耐久力を1回復する。回復したナイトが一人でもいれば、エネミーは任意のスキルに1ダイスをチャージし、即座にそれを実行することができる。(いなければ無効)
※専用シチュエーション表はありません。ルールブック記載の表を使用してください。