本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION
今シナリオはシティシナリオである。時間が関係するものもあるため、時間は厳格に管理してほしい。シナリオ内で2日3日程度の解決を想定している。
探索者たちはとある街に住む一般市民である。ここ数日、あなた達が住む街は深い霧に包まれており、テレビでも連日異常気象として取り上げられている。
警察は無闇に外出しない事を求めているが、じきに食料も無くなり、買い物に出かけなくてはならない。シナリオは、探索者たちが買い物に出かけようとする所から始まる。探索者たちが懐中電灯やスマホのライトを使うと宣言した場合、あまりにも深い霧で光がかき消されてしまう事を伝えること。
家を出て店へと歩く探索者たちは視線を感じる。周囲を見渡しても、深い霧のせいで何も見えない。しかし、確かに何かが自分を見つめている。san(0/1)
その奇妙な感覚は店に入ると無くなる。店で買い物をしたあと(基本的にスーパーマーケットのような店舗を想定している。探索者が欲しいものは有りそうな範囲で認めること)来たときの奇妙な感覚は無いまま無事に帰宅する。この霧の中では携帯電話やメールなど、電波を発して連絡を取り合う手段が使えないが、ラジオは問題なく使用できる。(ラジオは受信専用であるため、災害時にも使用できることが多い。一家に一台は用意しておきたいものだ)
探索者(医者であればなお良い)が家に戻ると、手紙が届いていることに気がつく。友人である清家亮介(きよいえりょうすけ)からだ。彼もこの霧の中に住んでいるため、手紙で連絡してきたのだろう。
「突然ですまない。この手紙を見たら直ぐにうちまで来てくれないだろうか。娘のことで頼みたいことがあるんだ」
当然、探索者は行っても良いし、行かなくても良い。
探索者がいる地域で殺人事件が発生したことを告げている。警察もかなり力を入れており、街を用もなく歩き回るのは大変危険な状態であるという。
アイデアーあの、奇妙な視線は、もしやその殺人犯のものだったのでは?san(0/1)
図書館で情報収集をする。ここにはオカルト、気象、街の歴史、悪霊に関する本がある。それぞれ探索者がジャンルを宣言すると〈図書館〉で情報が入手できる。ただし、KPはジャンルを探索者に伝えてはいけない。情報を用意していないジャンルに対して〈図書館〉を試みることはできない。KPはそのジャンルの本に情報が用意されていないことを伝えて良い。
殺人鬼に関する本を見つける。世界には様々な殺人鬼がいるが、英国の伝説的殺人鬼である切り裂きジャックこと『ジャック・ザ・リッパー』の名が目に入る。深い霧の中で殺人事件を起こした殺人鬼としてあまりにも有名だ。彼によって作られた遺体の臓器は、綺麗に抜き取られて縫合されていたことから、正体は医療従事者や解体に慣れた肉工場の人間ではないかと言われている。
気象に関する本を見つける。霧のページを見てみると、空気中の水蒸気が地表付近で凝結したもの、という説明がなされている。詳しいことはわからないが、兎に角異常気象であることは間違いない。(博物学などの技能があるならば、間違いなく異常気象だと理解して良い)
街の歴史に関する資料を見つける。百数年前、死亡者が急に増えた年がある。
霊に関する本。悪霊にはいくつかの種類が存在することが書かれている。取り付いてくる悪霊の場合、媒介となる生物を心臓を貫いて殺す必要があるらしい。死霊であるなら、それに関連している物で無ければ効果がないとされている。人間が取り憑かれたとき、狂ったようになる場合と、眠って動かなくなる場合が確認されている。
不審者がうろついているらしい事を呼びかけている。できる限り家で過ごすように言われる。警官がひとりついて家まで送ってもらうこともできる。KPはその旨を確認すること。
不審者の情報を教えてくれる。紳士風の男性で、同時に数箇所での目撃証言があることから、複数いるのでは無いかと考えられているらしい。
警官と他愛のない話をしていると、前の方に人影が見える。紳士風の男性だ。杖をつきながら、ゆっくりと近づいてくる。警官はすぐに逃げるように探索者に伝え、拳銃を構える。
男性が消えたかと思うと、次の瞬間には警官の後ろにいた。警官の首に杖をあてがっているのだろうか。
いや、違う。あれは杖ではなく刀だ。警官の首にあてがわれているのでもなく、首を貫いているらしい。男性が刀を抜くと、暗赤色が地面に散らばる。地面に突如として現れた赤い花は、とても美しいとは言えなかった。san(1/1d8)
その後紳士は姿を消す。
清家亮介の家につくと神妙な様子で迎え入れられる。亮介の妻である碧依(あおい)がお茶と菓子を出したところで本題を話し始める。
曰く、ここ数日娘である清家結芽(ゆい)が目を覚まさないらしい。この霧の中では医者も来てもらえず、おまけに殺人事件が起こったこともあり、早く娘に目を覚ましてもらい、安心したいのだという。探索者たちを呼んだ理由として、娘を起こす手段を探してきてほしいこと。あるいは、そういったことを生業としている人を紹介するだけでもいいらしい。
数日前。ちょうど霧が出始める直前。
ただ目を覚まさないだけ。発熱やうなされるなど、他の症状は今のところない。安静に眠っている。
見覚えはないが、何代か前の世代に、同じような症状が起こったことがあるらしい。
詳しくはわからない。知りたいなら、実家の神社に話を通しておくから、行って資料を見てみてもいいかもしれない。
部屋まで案内してもらえる。
女の子らしい部屋だ。部屋に置かれたベッドの上で結芽が眠っている。ベッドの横に、部屋には不釣り合いな無骨な椅子が置かれていることから、普段は両親がそこに座って看病しているのだろうとわかる。
医学ーただ寝ているだけだろうことがわかる。しかし、数日感眠ったままというのはおかしな話だ。何か極度のストレスや、あるいは不思議な力でも働いているのだろうか?
狭い部屋の壁に資料や本が並んでいる。ジャンルを指定させること。
本棚の下の方に綴じられていた清家家の資料を見つける。家系図や、それぞれの代で起こったことなどが事細かに書かれている。6代ほど前の記述に、結芽と同じような症状を見つける。しかし、対処法やその患者がその後どうなったかまでは、この資料には書かれていない。
(図書館で百数年前に死亡者が増えたことを知っていた場合)アイデアーこの時期は丁度症状が出た時期と一致している
この家系にいたとされる犯罪者についての資料。家から勘当され、家系図からも存在が抹消されたと書かれている。怪しげな術の研究をし、殺人を犯したとして逮捕された。ナイフで心臓を貫かれて絶命したという。そのナイフの行方は不明。埋められたのではないかと記述されている。
この街の博物館でナイフを見たことがあるのを思い出す。この処理は一時間おきに行って良い。
また、一枚の紙を見つける。
これは古語で書かれた呪文のようなものらしい。(KPが適当に作り出しても構わないし、PLにまかせても良い)人を守るために作り出された清家家の秘宝である。呪文の詳細な効果は後に記す。
街にある唯一の博物館。街で発掘されたものの展示を行っている。
展示品の中にナイフを見つける。10世紀頃のものと考えられているらしい。琥珀でできているとのこと。
この博物館では書類を提出することで、一時間程度で貸し出してもらえる。一週間に一度学芸員が貸出品の確認にやってくる。
昔この街の悪霊の封印に使われたナイフとされているらしい。
上記の内容はナイフの説明文にも書かれている。
紳士に出会うために待機すると宣言した探索者は、霧の中であれば10分程度、外であれば1時間程度で遭遇する。外にいた場合も、少しずつ霧が立ち込めることを描写する。
シナリオ内で一日が経つたび、死者が一人ずつ増えていく。外を歩いたとき、幸運で判定を行い、失敗すると殺害現場に遭遇する。無残にも切り刻まれた死体を作り上げたであろう紳士に恐怖する。sanチェック(0/1d4)
結芽の心臓にナイフを突き立てれば封印は完成する。封印は大体10分程度で終了する。ナイフによるダメージは一回分の耐久力減少として扱う。清家宅にたどり着く前には紳士との戦闘になる。
儀式を行った上で清家結芽の心臓に博物館のナイフを突き立てたとき
結芽の心臓にナイフを突き立てる。ナイフは怪しげな、それでいて神々しい光を放つ。確かに突き立てた感覚があるのに、結芽からは一滴も血が流れてこない。
やがて光が消えると、あなたはナイフを抜いてもいいのだと悟る。外の霧は数時間で晴れ、紳士を倒したはずのところに、彼はいなかった。数日ぶりの晴天に人々は湧き、空を仰ぐ。あの恐怖はもう去ったのだ。
儀式を行わずに清家結芽の心臓にナイフを突き立てたとき
結芽の心臓にナイフを突き立てる。ナイフは怪しげな、それでいて神々しい光を放つ。清家結芽から流れ出た暗赤色がシーツを黒く染めていく。やがて光が消えると、あなたはナイフを抜いてもいいのだと悟る。しかし、手からは確かに、命の喪失を感じた。外の霧は直に晴れるだろう。人々は沸き立ち、晴天を仰ぐかもしれない。しかし、ここに確かに、命の喪失はあった。
儀式を行わず、博物館のナイフ以外で清家結芽の心臓を傷つけた場合
結芽の心臓を傷つける。結芽から流れ出た暗赤色が、シーツを黒く染めていく。彼女は目を覚まさず、そのままそっと息を引き取る。何が間違っていたのか?今のあなたに、それを知る由はない。
・清家亮介
清家家の大黒柱。30代後半くらい。探索者たちと友人関係にある。戦闘はしないので能力値はなし。
・清家碧依
清家亮介の妻。一度しか名前が出てこない可愛そうな人。若いイメージ。紅茶を入れるのがうまい。
・清家結芽
清家夫妻の一人娘。お母さんの手伝いとかしてそう。紅茶を入れたときにお菓子を持ってくるのは結芽の仕事。今回の被害者
・紳士
霧の中で殺害を繰り返す老紳士。一種の悪霊であり、人を媒介にして現界する。霧を操り、霧の中で移動する。霧の中であれば瞬間移動が可能であり、瞬間移動するまでにかかる時間は霧の濃度による。シナリオ中では一切喋らないが、KPの好みで饒舌にしても良い。
武器は仕込み杖。刀を杖に仕込んで歩いている。瞬間移動で歩きを省略する癖がある。実は割と面倒くさがりなのかもしれない。
紳士
STR 18
CON 12
SIZ 15
INT 16
POW 13
DEX 10
耐久力 14
装甲 紳士服の中に何かしら着込んでいるらしい。+1.
失う正気度(1/1d8)
攻撃手段
本来は同じ神話生物を目撃したとき、一度に失うことがある最大値までしか減少しないのがルールだが、今シナリオでは1日が経過するとリセットされることとする。
また、霧の中では瞬間移動が可能であるため、1ターンの最初と最後に1回ずつ行動できるものとする。(3回行動ではなく2回行動)この効果は霧の外では発生しない。
耐久力の半分が削れると瞬間移動で直ちに退散し、次に出現したときは耐久力が全回復する。ただし、封印のために清家家に向かうときはこの限りではない。
呪文「清家の秘法」
清家家に伝わる秘法であり、人を守る結界を作り出す呪文である。
呪文の効果を現出させるには一時間かかる。
呪文によって守られた人は、一回分の耐久力減少を無効化する。使用するMP×5%が成功率となる。
この呪文の使い方を理解したPCはsanチェック(1/1d6)
メリーと申します。投稿したシナリオは設定の矛盾だけ第三者の目から確認しています。バランス調整はご連絡頂ければ。 いろいろなシステムのシナリオを投稿していきたいと考えています。どうぞお気軽にご使用ください。 (無いとは思いますが)動画やリプレイでの使用は一言ご連絡と作者の明記をお願いします。
https://mobile.twitter.com/Merryshan49
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