『ソードワールド2.5』基本ルールブック1だけを使用して作ったシナリオです。初心者でも遊びやすいように出来る限りの手を尽くしました。
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本作は「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA
使用ルルブ:『ソードワールド2.5 Ⅰ』
推奨プレイヤー人数:4~6人
推奨レギュレーション:初期作成
君達は冒険者になった経緯や理由は違えど、同じチームで活動している冒険者である。
その日、君達はファルア村というやや辺境の村、そこの村長からの依頼を受けることになった。概要は以下の通りである。
『村近くの森に居付いたディーラが村の数少ない子供たちを拐ったため、手段を問わず解決してもらいたい 報酬は一人辺り500ガメル』
ここで、PCにはディーラ(p.466)の弱点を除いた魔物知識判定をしてもらっても良い。
魔物知識判定に成功したプレイヤーには、ディーラという幻獣は温厚であり、普通では子供を拐うなどの行為を行うはずがないという違和感に気付いたと伝えよう。
ゲームマスターは任意で冒険者達がファルア村に到着した際に、村の人々は何か後ろめたいものを隠し持った様子の無い温厚な気質であると伝えても良い。
村から森までは一般人の徒歩であっても四半日(6時間)も掛からない場所にあります。冒険者であるPCたちであれば急がなくても3~4時間ほどで到着できるでしょう。
森の前に着くと、森の外周部で飛んでいるディーラと出くわします。君達が何か行動するよりも早く、ディーラは森の中へと逃げて行き、君達は慌てて追い掛けて行くでしょう。幸い、森の中には獣道が出来ており、ディーラを追い掛ける上で木々が妨げになることは殆どないです。
数分ほど追い掛けると、君達の視界は開けます。そこはディーラ達の棲む、森に隠された村でした。村にはディーラ以外にも拐われたはずの子供たちが元気に遊び回ってる姿も確認できます。
君達が元気な子供たちの姿に多少困惑すると、1体のディーラが君達の前に出て、たどたどしい交易共通語で話を聞いてほしいと告げます。ここで、プレイヤー達には以下の選択肢のどちらかを選んでもらいます。
>了承する(ミドルフェイズの『シーン3』へ)
>断る(クライマックスフェイズの『シーン5』へ)
君達は各々の思惑はあれど、ディーラに対して話を聞く事を伝えると、ディーラは花が咲いたような笑顔になる。そして、以下のように告げるだろう。
「わたしたちは今、蛮族のせいであぶない。だから、冒険者に助けてもらうため、村のちかくに棲んで、この子をもっていった」
そう言って、ディーラは子供たちに視線を向ける。子供たちは空腹に苦しむ様子や怪我をした様子もなく、至って健康体であると分かるだろう。
「おねがいします。わたしたちを助けてください、えっと……『いらい』という形式でも、かまいません」
そう言って、ディーラはズタ袋を出します。そこには、紫色に染まった石……〈魔晶石(3点)〉が[PCの人数]個ほど入っています。
君達がその依頼を受けるならば、ディーラはその蛮族が村を攻めてくるであろう時間を伝え、子供たちを一度君達に引き渡します。そして、ファルア村で待っていてくださいと伝えます。
もし、冒険者でエルフ語或いは魔法文明語の会話ができるキャラが居た場合、蛮族の詳しい特徴を聞くことができ、弱点を除いた魔物知識判定が行えるようになります。
上記の処理も終え、君達の準備が整ったならば、クライマックスフェイズの『シーン4』に移ります。
君達はディーラに伝えられた日、ディーラ達の村に再び来ていた。外は夕日によって橙色に染まり、やがて日が沈む……その時だ! 見張りに立っていたディーラがけたたましく鳴く。蛮族がやってきたのだ。
蛮族とディーラは激しく応戦し合う。君達の元にも蛮族がやって来るだろう。君達が準備を整えたと同時、蛮族も襲いかかる。戦闘開始です。
この戦闘は基本戦闘ルール(p.126)に準じます。
敵軍後方エリア:アローフッド(p.437)×1
前線エリア:サーベルフッド(p.439)×2
シールドフッド(p.440)×1
レッサーオーガ(p.442)×1
なお、この戦闘において、レッサーオーガは〈剣のかけら〉4個によって強化されています。それによるデータの変更についてはp.425を参照ください。
プレイヤー側が戦闘に勝利した場合、以下の文章を読み上げてください。
君達が無事相手側の蛮族を討伐し、周囲を見渡すとディーラ達の戦闘も終わっていた。軽傷であったり、重体であったり、はたまた亡くなっていたり……ディーラ達の状態に差はあれど、相手側の蛮族は全滅していた。君達の勝利である。
やがて、1体のディーラは君達のもとにやってくる。彼女は、君達に依頼として助けを求めたディーラであった。
「ありがとう、ございます……あなた達が無事で、よかった。あの村には迷惑をかけたのでわたしたちはここから去りますが……この恩は、忘れることないでしょう」
そう言って、そのディーラは報酬である〈魔晶石〉、及び君達に対して〈救命草〉を3つと〈魔香草〉を1つ渡しました。そして、仲間に対して一鳴きすると、ディーラ達はみな空高く飛んで行き、遥か彼方に去っていきました。エンディングフェイズの『シーン6』に移行してください。
君達が話を聞くことを断り臨戦態勢に入ると、ディーラ達は悲しそうな表情となり「意地でも、話を聞いてもらいます」と告げて臨戦態勢に移ります。戦闘開始です。
この戦闘は基本戦闘ルールに準じます。
敵軍後方エリア:ディーラ×1
前線エリア:ディーラ×3
なお、この戦闘において、敵軍後方エリアに居るディーラには〈剣のかけら〉3個によって強化されています。
この戦闘で勝利した場合、エンディングフェイズの『シーン7』に移行してください。
蛮族軍を退けた君達は帰路についていた。あの時の戦いが嘘のように、帰りは穏やかな時間を過ごすこととなっただろう。
暫くしたある日、君達が冒険者ギルドに入ると、一人の職員が君達を呼び、一通の封筒を渡した。
その封筒を開くと、ファルア村の村人たちからの感謝の手紙、そして子供たちが描いたであろう絵が入っていた。子供の描いたであろう絵の出来ははっきり言って拙いものであった……それでも、あの日果敢に立ち向かった君達を描いているであろうこと、そして子供たちはそんな君達に憧れを抱いたであろうことは伝わる。
君達の頬が綻ぶ。しかし、君達にはまだ次なる冒険が待っている。君達は冒険者としての日常に戻り、また冒険に出掛けるのだ……。
報酬や経験点の配布、そしてPCの成長などの処理を済ませたら、このシナリオは終了となります。お疲れさまでした。
戦闘を終えると、残りのディーラ達は逃げ去ります。君達はディーラの村に残された子供たちを捕まえると、ファルア村に引き渡すことになるでしょう。
ファルア村の村長からお礼の言葉と報酬が与えられますが、子供たちの君達を見る目は厳しいものです。
やがてその気まずさに耐えられなくなった君達は、日を開けず自らの街へと帰ることになった。
街に戻り、暫く経ったある日。君達のもとにファルア村が蛮族に襲われて壊滅的な被害が出たという話が舞い込んで来る。
もしかしたら……。君達の脳裏に浮かぶのは、あの時のディーラの悲痛な顔。君達の心に、決して弱くない痛みを感じた。
報酬や経験点の配布、そしてPCの成長などの処理を済ませたら、このシナリオは終了となります。お疲れさまでした。
フッド族は美しいものを忌み嫌い、レッサーオーガは自らの戦力を強めるために武器や防具、或いはそれを揃える金が欲しかった。そこでレッサーオーガは策を考えた。
それは『美しいもの(ディーラ)をより苦しめる方法があるぞ』とフッド族に持ち掛け、ディーラを奴隷にして金に換えるというもの。そのため、ディーラを襲ったのだ。
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