2019年02月02日更新

王立ハーヴェス学園~冒険者養成学校~

  • 難易度:★|
  • 人数:3人~5人|
  • プレイ時間:5~6時間(テキストセッション)

おめでとうございます!
この度、あなたは冒険者養成学校、王立ハーヴェス学園に入学することになりました。
 
本シナリオはソードワールド2.5基本ルールブック(Ⅰ/Ⅱ)を用いて作られたシナリオです。
ソードワールド2.5の世界観を踏襲しつつ、初心者GMでも回しやすい設計にしております。
キャンペーンの起点にも使えます。初心者GMでも本シナリオの続きを考えることで、シナリオ作りの練習にもなると思います。
 
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA

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ストック

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はじめに

本シナリオ中に使われているNPC画像やMAP画像は自由に使って貰って構いません。
その際、作者の名前「てむず」を明記する必要は特にありません。
ただし、別シナリオへの無断転載や自作発言をする事は固く禁じます。

レギュレーション

経験点:初期作成のみ
所持金:初期作成のみ
推奨人数:3~5人
【備考】
本シナリオではPC(プレイヤーキャラクター)を冒険者ではなく生徒、GM(ゲームマスター)を先生として扱います。
入学に際して、PCは全員「学園生徒としておかしくない年齢」であることが推奨されます。
ハーヴェス学園の新入生に年齢制限はありませんが、基本的に若年PCの方がシナリオにマッチすると思います。

学園概要

【概要】
ハーヴェス学園は、一人前の冒険者を養成するべく、’導きの王’ヴァイス=ハーヴェスの命によって作られた教育機関です。
生徒は冒険者としての戦闘技能・探索技能を身に着けるために、日々勉学と鍛錬を積んでいます。
全寮制で男女共学、入学に際して年齢制限はありません。
プレイヤーは生徒として学園生活をし、学校で起こる様々な問題を解決していきます。
 
【地理】
アルフレイム大陸のハーヴェス王国とグランゼールの間に本校舎があります。(sw2.5Ⅰ/P.386)
学園の隣には鉄道駅が建てられており、交通の便も非常に良いです。
 
【学年・クラス数】
GMが自由に設定してよい。
基本は3学年、クラス数5、1クラス40人ほど。
 
【その他】
委員会・部活動など、学園に必要だと思ったものはGMと参加者間で相談して決めてよい。

入学規定

【種族】
sw2.5ルールブック準拠が望ましいです。(アルフレイム大陸が舞台なので)
 
【技能・装備・アイテム】
技能と装備に関しても特に制限はありません。
平常のルールブックに記載されている通りに買い物をしてください。
斧を携えて教室に入っても、この学園では何も問題ありません。
ただし、パーティバランスは先生が見ていく必要があります。
先生から入学前の事前指導として、技能の取り方とアイテムの買い方(例えば、スカウトツールや聖印について等々)をレクチャーしておくといいでしょう。
 
【経歴表・冒険に出た理由表】
既存の経歴表と冒険に出た理由表(sw2.5Ⅰ/P.54,55)を使用した場合、学園の世界観にそぐわない設定が付いたりします。
その場合、振りなおすか自由に設定するかをしてもらってください。
冒険に出た理由については、学園を卒業して冒険者になってやりたい事と捉えて貰っても構いません。

シナリオの流れ

本シナリオは、入学式~最初の授業までの流れを記述しています。

1.導入

今日は、待ちに待った王立ハーヴェス学園の入学式です。
 
王立ハーヴェス学園とは、ハーヴェス王国とグランゼールの間に作られた、一人前の冒険者を養成するための学校です。
全寮制で男女共学、年齢制限も特になく、色んな種族の生徒が居るようだ。
鉄道駅と併設されており、各国から沢山の生徒がこの学園に入学してきます。
 
ハーヴェス王国の王、ヴァイス・ハーヴェスの命によって作られました。
 
【見識判定:目標値5】 ヴァイス・ハーヴェスについて
⇒成功した場合、sw2.5ルールブックⅡ/p.324の『ヴァイス・ハーヴェス』の情報を与えてください。
 
皆様はすでに入寮を済ませ、これから入学式に赴くところです。
準備ができたあなた方は、入学式が行われる講堂へ向かうのでした。

2.入学式

新入生全員がホールのような所に集められ、粛々と入学式が行われようとしています。
見渡すと、色んな種族の人達が居るっていう事が分かります。
 
教頭先生のアナウンスで、入学式が始まります。
国歌斉唱や校歌斉唱にはじまり、先生の紹介が行われた後、教頭先生が次のようにアナウンスします。
「新入生代表、挨拶。新入生代表、アイリス=ブルーミンさん、お願いします。」
「はい。」
透き通るような美しい声で返事をしたアイリスという少女が壇上へと向かっていきます。
 
'画像'
 
その少女は非常に美しく、あなた方とは年齢が近いはずだが、それでも大人びて見えるほど優雅な姿をしてます。
金色のブロンドヘアに、真っ白な肌、八頭身以上あるのではないかと思わせるプロポーションが目を引きます。
そして動作の一つ一つが華麗で、歩く姿ですら人の心をひきつける魅力をもってました。
 
【真偽判定】
・達成値9~
どこか名家の生まれか、金持ちの娘だろうなっていう位の印象を受ける。
・達成値11~
まるで貴族のような振る舞いをしているという印象を受けるでしょう。間違いなく、どこかの貴族であるという事が分かる。
・6ゾロ
化粧などで誤魔化しているが、その顔に見覚えがあるという事が分かる。
【見識判定:目標値11】成功で、アイリス=ハーヴェス(王族である)という事が分かる。
 
~~~GM向け情報~~~
この少女は学園に潜入しているアイリス=ハーヴェス(sw2.5ルールブックⅡ/p.387)です。
とある理由があり、アイリスは変装をして学園に潜入しています。(※この理由はGMが自由に設定してください)
上記の判定は、変装を見抜いた上で、アイリスかどうか認識できるかの判定です。
基本的に普通の生徒からは見破られないように上手く隠している設定です。(6ゾロじゃないと見抜けないレベルの変装です)
~~~~~~~~~~~~
 
アイリスの挨拶が終わった後、続いて校長先生の話が始まります。
校長先生の話は非常に長く、春の麗らかな陽気と相まって、あなた方の眠気を誘います。
 
【精神抵抗判定:目標値8】
失敗で眠りに落ちる。
成功で起きていられる。
(特に意味のないフレーバーの判定です。生命抵抗や精神抵抗の説明に使うのもいいでしょう。)
 
校長の話の後、祝電の披露やPTAの会長挨拶などが続き、入学式は終わります。

3.クラス分け

入学式が終わった後、校舎のロビーにクラス分けが掲示されており、周囲に人だかりができています。
人ごみをかき分けて確認すると、PC全員が同じクラスであることが分かります。
 
※代表者に1d6を振って貰ってクラスを決めてもらうのもよいでしょう。

4.教室にて

教室には既に同じクラスの生徒が居ます。
みんな初対面なため、互いによそよそしく距離を測りあっているといった感じです。
黒板には適当に席についてくださいとの掲示があるため、みなさんは手近な机に座る事でしょう。
 
そうこうしていると、先ほど新入生代表のあいさつをしたアイリスが教室に入ってきます。どうやら同じクラスみたいです。
 
アイリスはあなた方を見つけると、少し微笑みを浮かべて「こんにちは」とあいさつした後、近くの席に座りました。
※アイリスと会話を試みる事も可能
 
しばらくすると、教室に担任の先生が入ってきて、あなた方に着席を促します。
 
~~~GM向け情報~~~
担任の先生はGMが自由に設定を作ってよい。
種族・技能・担当科目など。設定を深めるために新しくキャラクターシートを作ってみるのもよいでしょう。
~~~~~~~~~~~~
 
担任の先生が黒板に自分の名前を書き出し、その後自己紹介をします。
 
担任の先生が自己紹介をした後、あなた方一人一人に自己紹介をするよう促してきます。
※ここで生徒(PC)側の自己紹介をして貰ってください。順番は名前の順、ダイスで決めるなどお任せします。
 
アイリスも自己紹介をします。
「先ほどの入学式で新入生代表挨拶をさせて頂いた、アイリス=ブルーミンです。
 この学園には父の勧めで入学しました。
 みなさんと楽しく充実した学園生活を送れたらと思います。よろしくお願いします。」
 
自己紹介が終わった後、担任の先生から
「新入生に一番最初に受けてもらう授業がある。装備を整えて校庭へ向かうように。」と、促されます。
あなた方は準備を整えて、校庭へ向かうのでした。

5.戦闘訓練

校庭に出ると、授業を担当している先生に整列するよう言われます。
※この先生も自由に設定を作ってください。ちなみに戦闘訓練を担当している先生です。
 
「はーい、それじゃぁ今から新入生向けの戦闘訓練を始めます。
 適当に○人組つくってー。」
※○人組はPCの人数に合わせてください。ここでPCが合流して一つの班になります。
 
生徒達がわらわらと合流していく中、あなた方は偶然にも同じ班になりました。
 
「そんじゃ、早速戦闘についての指南を始めます。」
そういうと、先生は奥の体育倉庫から何かの機械を引き連れてきました。
「私が色々教えますので、ためしにこの訓練用ザーレイと戦ってみてください。」
 
■戦闘:訓練用ザーレイ×(PC人数-1)
 
~~~GM向け情報~~~
ここで、初心者向けに戦闘指南をしてみてください。
sw2.5ルールブックⅠ/p.126~を確認しながら、進めるとよいでしょう。
訓練用ザーレイの魔物データは後述の「オリジナル魔物データ」に記載しております。
魔物知識判定や先制判定に失敗しても、先生の力で成功になったという風にして良いでしょう。
~~~~~~~~~~~~
 
戦闘が終わると先生が手を叩きながら、あなた方を褒めてくれます。
 
他の生徒の戦闘指南も一通り終わった所で、先生から学園北部の森にある「入学訓練修了証」を取りに行くよう命じられます。
引き続き、あなた方は実践訓練に向かう事になります。

6.実践訓練

学園北部の森にある「入学訓練修了証」を取りに行くのが目的です。
北部の森には低位の蛮族がいるが、さほど脅威ではないらしい。
早く帰ってこれた班はボーナスが貰えます。
※先ほどの戦闘訓練でダメージを受けたり、MPを消耗した場合は、先生の力で回復したという事にしてください。
 
<探索ルール>
・実践訓練では以下の画像のような9マスの探索マップを進んでいきます。
'画像'

・初期地点は⑧です。
・1マス間の移動にかかる時間は10分(移動しながらのアイテム使用は許可する)
・各マス毎に探索箇所が設置されており、特に断りが無い場合、1人1回探索行動をすることができる
・一度踏んだマスは何度も行き来することが可能。
 ただし、探索行動は各マス1回限りとする。(往復することで無限に探索できてしまう事を防ぐため)
 同じところを行ったり来たりするのは時間の無駄であるという事を伝えておきましょう。
 
以下、各マスの詳細と探索箇所について記していきます。


下段⑦~⑨

⑦~⑨の下段は植生の濃い森林地帯です。
木々が生い茂っていますが、人が2人歩けるような道が各方向に続いています。


~~⑧~~

初期地点です。
少し開けた空き地の真ん中に、木でできた大きめの箱が置いてあります。
その箱には「支給品ボックス」と書かれており、各班に1つずつアイテムが支給されているようです。
 
⇒入手:魔晶石(5点)×1

※このマスに限り探索箇所はありません。


~~⑦~~

茂みに対して探索判定をすることが可能。
なにか落し物があるかもしれない。
 
【探索判定】⇒茂み
・達成値8~:救命草を1つ入手
・達成値10~:魔香草を1つ入手
・達成値12~:活性弾【12発】(sw2.5Ⅱ/p.255)を入手


~~⑨~~

茂みに対して探索判定をすることが可能。
なにか落し物があるかもしれない。
 
【探索判定】⇒茂み
・達成値8~:救命草を1つ入手
・達成値10~:魔香草を1つ入手
・達成値12~:月光の魔符<ランク+1>(sw2.5Ⅰ/p.336)を1つ入手


中段④~⑥

中段の④~⑥に差し掛かったところで、以下の描写を1度行います。
 
森の中腹に差し掛かったのだろうか、少し道が開け歩きやすくなってきた。
地面が露出してる箇所が多く、大きめの岩が目立つようになってきた。
更に遺跡のような建物の跡が所々に見受けられます。
 
【文明鑑定判定:目標値8】⇒遺跡のような建物に対して
その遺跡が、魔法文明デュランディル時代(3000年前)の物であると分かります。


~~④~~

遺跡に対して探索判定をすることが可能
 
【探索判定】⇒遺跡
・達成値12~:消魔の守護石(1点)(sw2.5Ⅰ/p.335)を1つ入手


~~⑤~~

蛮族がキャンプをしたと思われる痕跡が見つかる。
蛮族のキャンプ跡と遺跡に対して探索判定をすることが可能。
 
【探索判定】⇒蛮族のキャンプ跡
達成値7~:食器(5G)を1つ入手
達成値9~:ヒーリングポーションを1つ入手
達成値12~:魔晶石(5点)を1つ入手
 
【探索判定:目標値7】⇒遺跡
成功で「チープストーン」が遺跡に潜んでいる事に気づく。
※この時点で気づくことができたら、先制判定に+2のボーナス。
 
■戦闘:チープストーン×(PC人数-1)
 
~~~GM向け情報~~~
チープストーンの魔物データは、sw2.5ルールブックⅠ/p.460を参照してください。
もし、遺跡への探索判定で成功者が居なかったり、キャンプ跡に気を取られて探索を怠った場合、
全員に【危険感知判定:目標値11】を行わせてください。
失敗した場合、チープストーンが奇襲を仕掛けてきます。
探索判定と危険感知判定の裁定については、sw2.5ルールブックⅠ/p.117を参考にするとよいでしょう。
~~~~~~~~~~~~


~~⑥~~

このマスに入ったら、全員聞き耳判定を行う。
【聞き耳判定:目標値7】
成功すると、③の方から何やら悲鳴が聞こえてきた事に気づきます。
 
ここでは、遺跡に対して探索判定を行うことが出来る。
※聞き耳に成功していた場合、探索判定には10分かかる事を教える。(差し迫った状況でどう判断するか考えてもらう。)
 
【探索判定】⇒遺跡
・達成値12~:消魔の守護石(1点)(sw2.5Ⅰ/p.335)を1つ入手


~~①~~

壊れかけた倉庫が見つかります。
壊れかけた倉庫と茂みに対して探索判定を行う事が出来る。
 
【探索判定】⇒茂み
・達成値8~:救命草を1つ入手
・達成値10~:魔香草を1つ入手
・達成値12~:陽光の魔符<ランク+1>(sw2.5Ⅰ/p.336)を1つ入手
 
【探索判定】⇒壊れかけた倉庫
・達成値8~:ヒーリングポーションを1つ入手
・達成値10~:アウェイクポーションを1つ入手
・達成値12~:魔晶石(5点)を1つ入手


~~②~~

このマスに入ったら、全員聞き耳判定を行う。
【聞き耳判定:目標値7】
成功すると、③の方から何やら悲鳴が聞こえてきた事に気づきます。
 
ここでは茂みに対して探索判定を行う事が出来る。
※⑥同様、聞き耳に成功していた場合、探索判定には10分かかる事を教える。
 
【探索判定】⇒茂み
・達成値8~:救命草を1つ入手
・達成値10~:魔香草を1つ入手
・達成値12~:アウェイクポーションを1つ入手


~~③~~

少し開けた場所に、小さな石造りの遺跡がある。
ここに修了証があるみたいだが、何か様子がおかしい。
⇒次項の「森の奥にて」を参照


7.森の奥にて

ここで以下の2パターンに分岐します。
●②⑥で聞き耳に成功して、すぐに駆け付けた場合
あなた方が駆けつけると、生徒が3人気絶しており、最後の1人が4体の「何か」と戦っている所であった。
その最後の1人は、どうやらアイリスのようだった。
アイリス「なんなのよこの魔物!本当に蛮族!?」
  
●②⑥で聞き耳に失敗した、もしくはすぐに駆け付けなかった場合
あなた方が駆けつけると、生徒が4人気絶していることに気づく。
その4人の中に見覚えのある顔があった……アイリスだ。
 
分岐終了
魔物たちはあなた方を見つけると一斉に襲い掛かってきます。
 
■戦闘:ゴブリン×(PC人数-2)、グレムリン、エルビレア<ボス>
エルビレア<ボス>には剣のかけらを(PC人数-1)個持たせてください。
魔物データは、ゴブリン(sw2.5Ⅰ/p.439)、グレムリン(sw2.5Ⅰ/p.438)、エルビレア(sw2.5Ⅰ/p.469)にそれぞれ記載されています
 
もしすぐに駆け付けて、アイリスが気絶してない状態であれば、アイリス(フェロー)と共闘することができます。
フェロールールは、sw2.5ルールブックⅠ/p.216を参照のこと。
※アイリスのフェローデータは後述のNPCデータを参照
 
 
戦闘後、気絶している生徒を起こしてあげましょう。アイリスが気絶していた場合も起こしてあげてください。
【応急手当判定】もしくは【アウェイクン】など。
(もし、アイリスを起こすのに失敗した場合、アイリスのポケットからアウェイクポーションが見つかったという事にしてください。)
 
その後アイリスが
「一番乗りだと喜んでいたら、先ほどのエルビレアという魔物に襲われた。」
「長居するのは危険だから、探索をさっさと済ませて先生に報告しましょう。」
といった話をしてくれます。


戦後処理とアイリスとのやりとりが終わった所で、石造りの遺跡を調べると「入学訓練修了証」を手に入れることができます。
更に探索判定をすることも可能です。
 
【探索判定】⇒石造りの遺跡
・自動:悪魔の血盤
・達成値8~:魔晶石(5点)を1つ入手
・達成値10~:アウェイクポーションを1つ入手
・達成値12~:アンチドーテポーション(sw2.5Ⅰ/p.325)を1つ入手
 
ここで悪魔の血盤について、宝物鑑定判定をしてみてください。
 
【宝物鑑定判定:目標値10】⇒悪魔の血盤
成功で大まかな情報(sw2.5ルールブックⅠ/p.335)を得る。
(※失敗してもアイリスが教えてくれます。)
どうしてこんな物がここにあるか分からないが、学校の先生なら何か知っているかもしれない、と伝えておきましょう。

8.帰還

帰還時の探索パートは省きます。
(先ほどのエルビレアの襲撃から、一刻も早く戻って報告すべきことだと判断した、という事にしてください。)
 
学校に帰還すると、先生たちが事情を聞いてくれます。
そして皆さんの無事を知り、安心する事でしょう。
 
「入学訓練修了証」を見せると、先生はあなた方の努力を称え、報酬を与えてくれます。
探索状況に応じて以下のボーナスを受け取ります。
 
修了報酬
基本:500G
探索ボーナス
最短ルート(3マスで到達):一人に+500Gのボーナス
4マスで到達:一人に+400Gのボーナス
5マスで到達:一人に+300Gのボーナス
以降、余計なマスが増えるごとに、ボーナスが-100される。(0G以下にはならない)
 
悪魔の血盤を先生に見せると、驚いたような表情をしつつも、200Gで引き取ってくれます。
悪魔の血盤と生徒達の報告を受けた先生たちが色々話し合っていることでしょう。
ここで先生たちの話し声に対して、聞き耳判定を試みることができます。
 
【聞き耳判定:目標値7】⇒先生たちの噂話
悪魔の血盤をみた先生たちが何やら話し合っています。
「まさか、あの森にこんなものがあるとは。」
「いやしかし……そんなはずはないんだが……。」
「これは引き続き調査を続ける必要がありますね……。」
など、少し不穏な話し合いをしているようだった。
 

9.エンディング

あなた方は一日目の授業を終え、寮に帰還した。
入学早々、厳しい戦いを乗り越え、君たちは一息つく事だろう。
 
しかし、いくつかの疑問があなた方の頭をよぎる
あのアイリスと言う生徒とは何者なのか、そして森で出会ったあの魔物は何なのか。
 
それらは、学園生活を送っていくうちに分かっていくのかもしれない……
 
~END~

報酬

G(ガメル)報酬については、前項の「8.帰還」を参照してください。
これに拾得物を売り払ったりした物が報酬に上乗せされます。
 
経験点と名誉点については、基本ルールブックと同じです。
sw2.5ルールブックⅠ/p.398を参照しながら、適切な経験点・名誉点を与えてください。

オリジナル魔物データ

訓練用ザーレイ

Lv2
知能:命令を聞く 知覚:機械 反応:命令による
言語:なし 生息地:学園
知名度/弱点値:9/12 弱点:衝撃属性ダメージ+3
先制値:8 移動速度:10
生命抵抗力:3(10) 精神抵抗力:3(10)
 
○攻撃方法(部位)
<体当たり>
命中力:3(10) 打撃点:2d+3 回避力:3(10) 防護点:2
HP:18 MP:-
 
○特殊能力
・マナコーティング
自信が受ける魔法ダメージを-1点する。
・光弾
前傾姿勢になり、発射筒から光弾を射出する。
この能力は手番における移動が「制限移動」でないと使えない。
また、連続した手番でも使うことが出来ない。
「射程/形状:2(20m)/射撃」で、対象1体に「2d」の純属性魔法ダメージを与える。
・ターゲッティング
乱戦エリア内に「形状:射撃」の攻撃をしても、誤射が発生しない。
 
○戦利品
自動:耐魔素材(40G)
9~:粗悪な魔動部品(100G)
 
【備考】
訓練用にデチューンされた魔導機ザーレイ(sw2.5Ⅰ/p.463)です。
強すぎると思った場合は、適宜弱体化をしてください。

NPCデータ

アイリス=ブルーミン

'画像'
シューターLv1
プリースト(奈落の盾神イーブ信仰)Lv2
セージLv1
 
フェローデータ
[1/2]:キュアウーンズ:威力10+4のHP回復
「大丈夫?」
[3/4]:キュアウーンズ:威力10+4のHP回復
「安心して、私が回復するわ」
[5]:カウンターデーモン:魔神に対する生命、精神抵抗判定+2
「奈落の盾神イーブよ……我に力を!」
[6]:ヘビークロスボウ:達成値・13 威力・[K25@10+3]
「狙いを定めて……よし!」
 
こちらのアイリスのNPCデータはあくまでも一例です。
PCのパーティ状況・バランスを考えて、改変してください。

その後の展開

このシナリオの後に、話をどう次に繋げるかはGMの人次第です。
 
アイリスの設定について深堀りして、彼女の周囲で事件を起こすのも良し。
森の奥にシャロウアビスが見つかったとして、そこに探索へ行くのも良し。
学園らしく給食のパンを奪い合うシナリオを作ってみるのも良し。
委員会や部活を考えて、そこで事件を起こしたりするのも良いだろう。
 
この辺は参加者と相談しつつ、あなただけのハーヴェス学園を築き上げて貰えればと思います。

あとがき

本シナリオを作成するにあたり、ソードワールド初心者やTRPG未経験の人にとって「世界観を理解する」ことが一番のハードルになるのではないかと考えました。
そもそも冒険者って何?種族としてこの行動ありなの?冒険者のRP(ロールプレイ)ってなにすればいいの?等々、右も左も分からない事が多い事でしょう。
 
そういう人達でも「学園」という枠組みがあれば、キャラクター設定も作りやすく、また「生徒」としてRPするのであれば遊びやすくなるのではないかと考え、この学園シナリオを思いつきました。
加えて、GM初心者でも「学園」という補助輪があれば、シナリオを回しやすくてRPもしやすいから楽しくなると考えました。
学園ものであれば、シナリオの続きも思いつきやすいですし、シナリオを作る練習にもなると思います。
 
一方で、これらのとっつきやすさと引き換えに、欠点も存在しております。
 
まず、学園ものとなると若年PCが主体になってしまうため、老練で酒好きの冒険者をロールしたい!などと言う事ができなくなります。
PTAや保護者という枠で登場させるというのも考えられなくもないですが、それ用にシナリオを組むのはすこし苦しいでしょう。
 
次に、高レベル帯になると、学園の冒険では物足りなくなるでしょう。
そうなった場合、学園を卒業してどこか冒険者の宿へ配属、みたいにすればいいかなと思っています。
 
最後に、ソードワールド世界を純粋に満喫したい層には不向きなシナリオになっております。
蛮族退治、要人の護衛、貴族間の抗争や魔神との対決、などなど。
いかにもファンタジーな世界でRPしたい人とっては、少し退屈に思えるかもしれません。
 
そういった欠点を踏まえつつも、本シナリオは初心者のソードワールド理解に一役買ってくれるのではないかと考えております。

本シナリオを通じて、たくさんの冒険者が世に輩出されることを心から願っております。

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