2019年06月20日更新

【CoC】ホテル・クローバー

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

〈あらすじ〉
出張、あるいは小旅行として「ホテル・クローバー」という小さなビジネスホテルを訪れた貴方。だが目を覚ますと、ベッドも、デスクも、何もかも無くなっていた……
【クローズド、短時間、1〜2人用シナリオ】
ロスト(ほぼ)無しの、推理メインなシナリオになっております。技能ロールが全部失敗しても、推理力・洞察力を駆使してTrue Endを目指す事が可能です。
とにかく探索して情報を集める事を重視したシナリオなので、初心者PLが探索の大切さを知るのにも適してる、はず、です。
KP難易度は高いですが、是非ご一読くださいませ!
※2019/6/9 一部誤りがあったので、修正致しました。

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【ホテル・クローバー】

ある冬の日のこと。出張、あるいは小旅行として「ホテル・クローバー」という小さなビジネスホテルを訪れた貴方。だが目を覚ますと、ベッドも、デスクも、何もかも無くなっていた……

ルール:クトゥルフ神話TRPG(基本ルルブ)
形式:短編・クローズド
推奨人数:1〜2人
推奨技能:なし
戦闘要素:なし
想定時間:30分〜2時間ほど
舞台背景:現代日本、冬
PL難易度:☆
KP難易度:☆☆☆

本シナリオは、プレイヤーに謎解きを楽しんでもらう為に作成したものです。
戦闘は無く、キャラロストもほぼ無く、ダイス・ロール無しでもクリアできますが『僅かな違和感に気付けるか』に焦点を当てた内容になっています。
Normal End自体は手探りにプレイしていけば辿り着けるので、推理力を働かせてTrue Endに至れるか、がこのシナリオの肝です。

※pixiv版あり〼→【リンク

◇導入◇

貴方は、仕事の出張として、あるいは一人での小旅行として、やや寂れた鉄筋ビル「ホテル・クローバー」に宿泊する事になる。
建物一階の受付で手短にチェックインを済ませて部屋のキーを受け取る。
ふとカウンター向こうの時計を見ると、短針がもうすぐ11時を指そうとしていた。
夕飯を済ませた後に、ここへ来る途中で道に迷ってしまい、ずいぶん遅くなってしまった。
受付脇の小さなエレベーターで七階へ昇る。
キーの番号を再確認し、貴方は702号室(703号室)の扉を開け、中へ入る。
部屋の内装は、ありふれたビジネスホテル然としており、シングルベッドが狭い床面積の大半を占めている。
すでに暖房が効いており、冬場とは思えないくらい快適な室温だ。
ここに来るまでの道中で疲弊していた貴方は、少し休憩しようと思い、扉を閉めてベッドに身体を投げ出した。
よっぽど疲れが溜まっていたのだろうか、瞼を閉じて数分とせずに、深い眠りへと落ちていった——

——どれほど眠っていたのだろうか。
貴方は身体の下の違和感で意識を取り戻す。
確かに寝具で寝ていたはずなのに、明らかに硬い床の上に横たわっている。
目を開けると、そこは確かにさっき見たホテルの一室だった。
服装なども、眠る前と一切変わっていない。
だが、何も無いのだ。ベッドも、デスクも、バスルームも。
窓や扉は特に変わった様子は見られない。
と、貴方の視線の先、真っさらな床の上に、絵柄の付いたカード、そしてメモ用紙が落ちているのが見えたのだった。

※下記よりキーパー向け内容


◇キーパーの情報◇

探索者のクリア条件は、彼らが閉じ込められている空間から脱出する事である。

ゲーム内の本来の時刻は【冬の午後11時】である。

また、本シナリオではトランプが重要な鍵を握ります。
探索者は『最後に触れたトランプの絵柄に応じて、知覚する時間が変動』します。
赤いカード(ハート・ダイヤ)なら午前、黒いカード(スペード・クラブ)なら午後になります。
そして描かれている数字が時刻を表します。絵札はJが11時、Qが12時、となります。
また、クラブ・ダイヤ・ハート・スペードの順に、春・夏・秋・冬と季節が変化します。

〈例〉
【クラブの6】に触れると、今が【春の午後6時】だと知覚する。 //

この状態は、探索者が別のトランプに触れるまで持続する。
探索者が二人いる場合は、二人ともが知覚する時間を共有します。

〈例〉
探索者A、探索者Bのうち、Bが【スペードの5】に触れると、Aも同様に今が【冬の午後5時】だと知覚する。 //

『プレイヤーが時間の変化を察知できるよう、キーパーは気温や窓外などの状況描写を上手く織り交ぜてください。』
状況描写については各シーンごとに例示を載せてます。

True Endの条件は『【スペードのJ】に触れ【冬の午後11時】を知覚した状態で、目覚めた時にいた部屋に一人で戻り扉を閉める事』です。
この条件に至る為のヒントは後述。
もし探索者が偶然その条件を満たした場合でもクリアとする。

探索者が二人で、別行動時に一人が条件を満たした場合は、クリア条件を満たしたプレイヤーは部屋から出られなくなり、トーク参加も不可にして良い。

このシナリオでは『裏側に書かれた情報は全てミスリード』です。
好奇心旺盛な探索者を惑わせる為に、KPが自由に内容を書き換えて良い。

キーパー覚書や小ネタ解説を最後に載せてるので、そちらも参照してください。

◆記号解説◆
◇◇:大見出し
◆◆:小見出し
【】:重要事項
『』:KPが把握しておくべき情報
「」:セリフや文書
〈〉:例示(//が終了箇所)
():補足
《》:探索技能
 ※:注意事項

※下記から探索本編


◇702号室・703号室◇

それぞれの探索者が最初に目を覚ます部屋。
直方体の形をした空間で、床、壁、天井は、多少シミなどは見られるが白塗りされている。

探索者が一人の場合は、703号室は扉が最初から開け放たれている。
探索者が二人の場合は、それぞれ702号室と703号室にいる。
EDの条件に関わるので、どちらの探索者がどちらの部屋から開始していたか覚えておくこと。

探索可能箇所は、カード、メモ用紙、窓の外、扉
(この部屋に壁掛けのアナログ時計を設置して、知覚時間に応じて時刻を変化させる事で、謎解き難易度を下げても良いです)

◆カード◆
両部屋の床にはトランプのカードが落ちており、絵柄は702号室に【クラブの6】のカード、703号室に【スペードの5】のカードがある。
カードの裏側は、市販のトランプにありがちな幾何学模様のイラストがプリントされてるだけで、特に情報は無い。

◆メモ用紙◆
カードのそばに落ちている。
用紙には以下のような文が書かれている。
「人間の世界では、このカードを使ってゲームをするようだね。私も興味が湧いたから、君を使ってゲームをする事にしたんだ。君が答えに辿り着いたなら、元の世界に戻してあげよう」
用紙の裏側を調べた場合は、
「ふふふ、君は裏を見るのが好きなんだね」
と書かれている。

◆窓◆
【秘匿情報】:窓の向きは南西。なので『午後』の場合に太陽が見える

窓から外を見る場合
〈情景描写 例〉
眼下に広がる景色に異変を感じるだろう。
ここが七階の高さである事に変わりは無いが、町の様子が明らかにおかしい。
石畳の道路に、レンガ造りの四角い建物が並ぶ。
遠くの方は霧が立ち込めていてハッキリ見えないが、この光景がどこまでも続いてる様子である。
現代日本から掛け離れた風景を目の当たりにした探索者は、SANc 0/1の減少です。 //

(トランプに触れる前なら、時刻は【冬の午前11時】とし、太陽は窓の外には見えないが明るさから推察して昼頃だと分かる、と状況描写する)
(トランプに触れた後なら、時刻は【春の午後6時】あるいは【冬の午後5時】なので、どちらの場合でも、太陽は地平線近くにあり夕暮れ時である事を状況描写する)

窓を開けた場合は『トランプによる季節に応じた気温を感じる』が、全くの無風だと感知できる。
窓外の景色は『トランプによる太陽の位置』以外は全部屋で同じである。なので、外を見た際のSANcは初回のみ。

◆扉◆
扉を調べたり開けようとした場合

〈描写 例〉
扉の内側に張り紙がしてある事が分かる。
「当館は全客室、オートロックになっております。外出の際には鍵をお忘れ無きようご注意ください。」
ここで貴方は、受付で渡されたはずのルームキーを持っていない事に気付く。 //

張り紙の裏を調べる場合は《目星》でロールする。
成功した場合、紙の裏面には赤黒い手型が一面にビッシリと付いているのを見てしまう。紛れも無く、それが血痕だと気付くだろう。SANc 0/1D2の減少。
失敗した場合、張り紙を剥がして裏側を見る、という考えに至らなかった事にする。

この扉は部屋から出てから閉めると鍵が掛かるが、ドアガードをつっかえ棒にするか、靴などをドアストッパー代わりにして、扉を開け放しておく事ができる。
あるいは《鍵開け》で開ける事も可能。

扉に《聞き耳》しても、成否問わず特に何も聞こえない。クリティカルの場合は、扉の向こうに人の気配は無い、と分かっても良い。

◆その他◆
・天井
天井には照明が付いており、発せられる白い光が部屋全体を照らしている。特に異常性は見られないが、電気を消したり、照明を取り外す事は出来ない。

・壁、床
《目星》をしても、古いホテルらしく所々シミがあるのが見て取れるくらいで、これと言った不自然な箇所は特に見当たらない。

◇廊下◇

〈描写 例〉
エレベーターから真っ直ぐ伸びており、左右均一に三部屋ずつ扉がある。
足元は赤と黒のチェック柄をしたフロアマットになっている。
突き当たりには、この階の地図が貼ってあるようだ。 //

探索可能箇所は、地図、エレベーター、各部屋の扉

◆地図◆
〈画像参照〉
'画像'
この地図は剥がしたり、裏を見る事は出来ない。

◆エレベーター◆
〈描写 例〉
このホテルに来たときに乗ったエレベーターと見かけが明らかに異なり、日本ではあまり見かけない蛇腹式の金属扉で、鍵が掛かっており開かない。
絵に描いたような鍵穴の形からして、普段よく見る平たい鍵とは全くの別物のようだ。
エレベーターはこの階で停止しているが、電気は通ってるようで、乗り込めば動きそうだ。 //

《鍵開け》を使っても開ける事は出来ない。
《目星》を行っても、特に情報は得られない。
その他技能も同様の処理で良い。

鍵を開けて中に入った場合、内部は近世西欧風な見た目になっており、ボタンは下向き三角のものが付いているだけで、階数を指定して降りたり昇ったりする事は出来ない。

◆各部屋の扉◆
各部屋の扉を調べた場合は、
右手側(701〜703号室)は全てシリンダー錠、左手側(704〜706号室)は全てカードキーになっている事が分かる。

シリンダー錠は《鍵開け》で開ける事が出来るが、カードキーは部屋番号の下一桁と同じ数のトランプを通さない限り開かない。

(以下、探索順になるであろう、706→705→704→701号室の順で表記します)

◇706号室◇

扉はカードキーになっており【クラブの6】を通す事で開く。

〈描写 例〉
706号室の内装は、702号室・703号室と変わりない。
ワンルーム、正面には窓がひとつ。
だが、壁一面にはトランプが規則性無く無数に貼り付けられている。
また、部屋の中央には、豪華な装飾のなされた木製の背もたれ付きチェアが置かれている。
そしてその座面の上にカードが置かれているのが見える。 //

探索可能箇所は、カード、チェア、壁

◆カード◆
椅子の上には【ダイヤの4】が置かれている。
カードの裏側を見ようとすると、頭の中に男性のものと思われる叫び声が響いてくる。SANc 1/1D3の減少。
カードの裏面は、市販のトランプにあるような幾何学模様のイラストがプリントされてるだけで、特に情報は無い。

また、カードの下にはメモ用紙が1枚置かれており、以下のような文が書かれている。
「エースとキングは表と裏、裏と表」
用紙の裏を見た場合は、
「四人の王は相反する。玉座は一つのみ」
と書かれているのを見つける。

◆チェア◆
木製のチェアは華美な彫刻がされており、あちこちに宝石のような物が嵌め込まれている。
他は特に情報は無い。

◆壁◆
壁に貼られたトランプは剥がす事は出来ず、触っても何も変化は起きない。
壁、あるいは貼ってあるトランプを調べる場合は《アイデア》でロールする。
成功した場合、スペード・クラブ・ハート・ダイヤのいずれも、【K】だけが無い事に気付く。

◆その他◆
・窓
702・703号室から見えた景色と変わりは無い。
『知覚する時間に応じて、季節と太陽の位置のみ変化している。』
【秘匿情報】:窓の方角は北東向き。なので『午前』の場合に太陽が見える。
(入室時は【クラブの6】に触れた直後のため【春の午後6時】になり、窓の外は太陽の見えない夕方である)
(【ダイヤの4】に触れた時点で【夏の午前4時】になり、太陽が地平線から覗く朝焼けに変わる)

◇705号室◇

扉はカードキーになっており【スペードの5】を通す事で開く。

〈描写 例〉
705号室の内装は、702号室・703号室と変わりない。
ワンルーム、白い壁に白い床、正面には窓がひとつ。
だが、部屋の中央には特別目を引くものが存在している。
そこには水洗トイレがポツンとあるのだ。
違和感の塊のようなそれの便座の上には、またカードが置かれているのが見える。 //

探索可能箇所は、カード、トイレ、窓

◆カード◆
描かれている図柄は【ハートのQ】である。
(触れる事で【秋の午前12時・正午】になる)
このカードの裏側を見ようとすると、何者かに内臓を直に握られているような不快感と猛烈な吐き気を感じる。SANc 1/1D3の減少。
カードの裏面は、市販のトランプにあるような幾何学模様のイラストがプリントされてるだけで、特に情報は無い。

◆トイレ◆
水洗トイレを調べた場合、貯水タンクに張り紙がしてある事に気付く。
「戻りたいなら、戻して、戻ること」
張り紙の裏側を見る場合は《目星》でロールする。
成功した場合は、
「進みたいなら、進んで、進むこと」
と書いてあるのを見つける。

◆窓◆
【秘匿情報】:窓の方角は北東向き。なので『午前』の場合に太陽が見える。
(入室時は【スペードの5】に触れた直後のため【冬の午後5時】になり、窓の外は太陽の見えない夕方である)
(【ハートのQ】に触れた後ならば【秋の正午】になり、窓の外は太陽が真上に昇った昼である)

※PLがこの室内のいずれかで《目星》を使い成功した時、KPは『712』という文字が書かれているのを発見した事をPLに伝えてください。

◇704号室◇

扉はカードキーになっており【ダイヤの4】を通す事で開く。

〈描写 例〉
内装は702号室・703号室と変わりないが、壁の全面が黒く塗られている。
天井に照明が無く、窓から射し込む淡い光により薄っすら照らされている。
部屋の中央には3桁のダイヤル式金庫が置かれている。

探索可能箇所は、金庫、室内全体

◆金庫◆
金属製のダイヤル式金庫で、3桁の数字を合わせれば開く仕組みになっている。
その金庫の上には紙が乗っており、以下のような文が書かれている。
「この部屋は女王の為に」
紙の裏面を調べた場合は、
「この階層は女王の為に」
と書かれている。

《鍵開け》に成功するか【712】と入力する事で金庫が開く。

金庫の中には「701」と印字された鍵と【ハートのA】のカードが入っている。
(カードに触れた時点で【秋の午前1時】の深夜になるので、室内が真っ暗になり廊下からの明かりしか見えなくなる)
【ハートのA】の裏側を見ようとすると、全身を刺すような激痛が走る。初回時のみSANc 0/1の減少し、初回含め見ようとする度に1D2ポイントのダメージ。

※KPの裁量次第で、この金庫の中に702号室・703号室の鍵も入れておいて良い。

◆室内全体◆
部屋を調べる場合は室内が暗いため《目星》に-20%の補正を掛けてロール。
【ハートのQ】に触れて室内が明るい場合は《目星》に+20%の補正を掛けてロール(探索者がカードの仕組みに気付いている場合は自動成功にしても良い)
成功した場合、部屋の隅で黒いカードを見つける。
【秘匿情報】:これは裏返ったカードで、表側は【スペードのJ】だが、触れた時点で【冬の午後11時】の深夜になる為、704号室内では〈暗過ぎて両面ともに何が書いてあるか分からない〉となる。

◆その他◆
・窓
702・703号室から見えた景色と変わりは無い。
『知覚する時間に応じて、季節と太陽の位置のみ変化している。』
【秘匿情報】:窓の方角は北東向き。なので『午前』の場合に太陽が見える。
(カードキーとして【ダイヤの4】に触れた直後のため【夏の午前4時】になり、東の空が次第に明るくなる頃合い)
(【スペードのJ】あるいは【ハートのA】に触れた時点で深夜になるので、星明かりしか見えない)

◇701号室◇

704号室の金庫で手に入る鍵か《鍵開け》でのみ開く。
扉を開けた時点で、KPは下記描写を開始する。

〈描写 例〉
扉を開けた直後、探索者の鼻腔に刺激が走る。
腐臭、そして鉄臭さだ。
ここを開けてはいけない、そんな予感がするより先に、貴方の手はすでに扉を開け切ってしまった。
眼前に広がったのは、血、血、血、おびただしい量の赤い海。
その波間に腕や脚、頭や胴体、肉片や臓器が無作為に散らばっている。
見るもおぞましい地獄のような光景を目の当たりにした探索者は、成功で1D2、失敗で1D6のSANチェックです。

——落ち着いてから見回すと、部屋全面が血液で真っ赤に染まっており、窓は無い。
部屋の中央には、四角い四つ足の机が置かれている。
その上には、古めかしい見た目の鍵と、白紙が乗っているのが見える。 //

探索可能箇所は、机、死体

◆机◆
机自体はごく普通の木製デスクである。

鍵を調べた場合は、その見た目から、エレベーターの鍵穴と合致するであろう事が分かる。

白紙の裏面を調べた場合には、
「これ は 貴方 の 未来 の 姿
 我らが 王 の 裁き を 受けよ」
と書かれているのが分かる。

◆死体◆
死体を調べる場合は《医学》で、あるいは《アイデア》の半分で、ロールする。
成功した場合、死因が転落死だと察する。
その場合、さらに《アイデア》ロールをさせ、成功したらそれが探索者自身の身体だと分かっても良い。その場合はSANc 1/1D6 。


◇結末◇

『午後11時の状態で一人で自室に戻り扉を閉める』条件を満たすか、エレベーターに乗るかで分岐する。
前者はTrue End、後者はNormal Endとなる。
なお、それ以外の脱出方法(窓から飛び降りる、など)をした場合は、KPの裁量で夢落ちEndか死亡Endか選択してください。

【True End】

貴方が部屋の中央へと歩み寄った直後、視界が眩い光に包まれる——

——ゆっくり目を開けると、貴方の正面には白い天井が広がり、背中にはシングルベッドの柔らかさが伝わってくる。
上体を起こして周囲を見回す。
何の変哲も無い、ビジネスホテル然とした狭い部屋。
どうやら元の世界に戻ってきたようである。
ホッと胸を撫で下ろした貴方は、デスクの上に何かが乗っている事に気付く。
それはプラスチック製ケースに入ったトランプ一式だった。
その下に、一枚のメモ用紙。
「貴方の惑う様、なかなか面白かったですよ。このトランプはささやかな褒美です。いつかまた私を楽しませてください」
用紙の裏には……いや、やめておこう。
どうせロクでも無い事しか書かれていないだろうから。 //

報酬:1D6のSAN回復、AF[星繰りのトランプ]
[星繰りのトランプ]:INTに関連する技能ロールをする時、一度だけINT+5の補正を得る。使用後は効力を失う。

【Normal End】

エレベーターの扉が重たい音を立てて閉まる。

ケーブルの軋む音と共に、ゆるゆると降下していく。
良かった、これできっと元の世界に帰れる……
貴方がそう思った、その時。
バツン、と突如頭上で大きな音が鳴る。
直後、貴方を乗せたエレベーターは重力に導かれるまま、地面へと落下した。
打ち付けられた全身は、衝撃で四方八方に弾け飛んだ。
薄れ行く意識の中、貴方は血の海に沈んでいく——

——目を覚ますと、貴方はベッドの上にいた。
見覚えのあるビジネスホテルのような狭い部屋。
時計を見ると、午前五時を指していた。
ああ、うつ伏せで寝た息苦しさで、嫌な夢を見たんだな。
貴方はそう思い込む事にした。
デスクの上に見えた、古めかしい見た目の鍵から目を逸らして……

結果:SANc 1D3


◇キーパー覚書◇

登場するトランプ一覧

【クラブの6】
触れると【春の午後6時】になる。夕刻。
窓を開けた場合は、涼しく感じる。
702、703号室でのみ太陽が見える。

【スペードの5】
触れると【冬の午後5時】になる。夕刻。
窓を開けた場合は、肌寒さを感じる。
702、703号室でのみ太陽が見える。

【ハートのQ】
触れると【秋の午前12時】になる。正午。
全カードの内で、一番明るい時間帯になる。
窓を開けた場合は、やや涼しく感じる。
裏側を見ようとすると、強烈な吐き気を催す。
 →SANc 1/1D3

【ダイヤの4】
触れると【夏の午前4時】になる。早朝。
窓を開けた場合は、やや蒸し暑く感じる。
704〜706号室でのみ太陽が見える。
裏側を見ようとすると、男性の悲鳴が脳内に響く。
 →SANc 1/1D3

【スペードのJ】
触れると【冬の午後11時】になる。深夜。
窓を開けた場合は、非常に寒く感じる。
どの部屋でも窓の外から見えるのは星空だけ。
裏側は一面が真っ黒。
このカードを最後に触った状態で、一人で自室に戻り、扉を閉めた時点でクリア。

【ハートのA】
触れると【秋の午前1時】になる。深夜。
窓を開けた場合は、肌寒さを感じる。
どの部屋でも窓の外から見えるのは星空だけ。
裏側を見ようとすると、全身に激痛が走る。
 →SANc 0/1、ダメージ1D2

◇小ネタ解説◇

◆最初の部屋のメモ用紙◆
「ふふふ、君は裏を見るのが好きなんだね」
用心深い探索者を皮肉る、某神格の言葉。
その用心深さを利用して遊ぶ為に、以後のカードや用紙類の裏側には、デメリットしか起きないようになっています。
KPの裁量によっては、PLがこの用紙の裏側を見なかった場合は、以降のカード・用紙類の裏側に細工しない、という形にしても良いです。

◆705号室の用紙とトイレ◆
「戻りたいなら、戻して、戻ること」
つまりは「元の世界に戻りたいなら、元の時間に戻して、元の部屋に戻ること」という意図。
トイレがあるのは【ハートのQ】の裏側を見ようとした際に吐き気を催す事から「吐いて戻す事に意味があるのでは?」と探索者のミスリードを誘う為です。

◆706号室の壁とメモ用紙◆
【K】の絵柄だけが無い壁は『1〜12しか無い=時計の数字』というヒントになっています。
「エースとキングは表と裏、裏と表」
例えば【ダイヤのA】と【ダイヤのK】なら、今回のシステムだとそれぞれ【夏の午前1時】と【夏の午前13時】=【夏の午後1時】であり、午前・午後でちょうど真逆になる事を示しています。

◆704号室の金庫とカード◆
用紙の裏面
「この階層は女王の為に」
がダイヤル番号【712】のヒントになってますが、701号室はTrue Endには不要な部屋なので、この金庫自体がミスリードになります。
また、この部屋だけ照明が無いのは、【スペードのJ】あるいは【ハートのA】に触れた途端に部屋が真っ暗になる事で、PLに時間が変化した事を気付かせる為です。
なので、KPをする場合はこの部屋でカードに触れた際の状況描写をお忘れ無きように。

◆参考資料◆
「トランプの雑学|株式会社トランプ」(外部サイト)
リンク

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CoCのKPメインで活動しております。たまにシナリオを作る人です。

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