2019年07月16日更新

【CoC】山◼️神の住む獣道

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~4人|
  • プレイ時間:3~4時間(テキストセッション)

〈あらすじ〉
長期休暇ながら時間を持て余していた探索者たちは、友人に誘われキャンプへ行くことになる。彼の運転する車に揺られ、目的のキャンプ場へ向かっていたのだが……
【クローズド、2〜4人用シナリオ】
「とにかくシークレットダイスが振りたい!」というKPの為のシナリオです。シーンごとのイベントは、KPが任意で追加したり削ったり、好きに改変してもらってOKです。ホラー要素がやや多めなので、SAN値チェックや狂気ロールもお楽しみいただけます。

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【山◼️神の住む獣道】

長期休暇ながら時間を持て余していた探索者たちは、友人に誘われキャンプへ行くことになる。彼の運転する車に揺られ、目的のキャンプ場へ向かっていたのだが……

ルール:クトゥルフ神話TRPG(基本ルルブ)
形式:クローズド
推奨人数:2〜4人
推奨技能:目星、聞き耳、戦闘技能
戦闘要素:あり
想定時間:3〜4時間(テキスト)
舞台背景:現代日本
PL難易度:☆☆
KP難易度:☆☆

本シナリオは、プレイヤーに探索を楽しんでもらいつつも、KPの振るシークレットダイスに恐怖してもらう為に作成したものです。
戦闘ありですが、プレイヤーの機転によっては戦闘自体を回避する事も可能です。リアルINTをフルに活用して、理不尽な死を避けるのも良いでしょう。

※一部、独自解釈が含まれる事がありますので、ご了承ください。

◇導入◇

長期休暇中のある日の事。
特に予定もなく時間を持て余していた貴方に、一通の電話が入る。
発信者は貴方の友人で、白石智紀(しらいし とものり)という好奇心旺盛でノリが良く、車いじりが趣味で、行動力を具現化したような男である。
電話の内容は「もし今晩暇してるんなら、遠くまでキャンプに行かないか? 俺が車出すからさ」との事だった。
断る理由も無かった貴方は、白石の誘いに乗ることにする。
同夕刻、貴方は彼の指示した待ち合わせ場所で、他の同行者達と顔を合わせる。
(探索者同士の会話ロールプレイ)
貴方達の語らいが盛り上がって来た頃、白石が車に乗って現れる。
彼に促され、それぞれ席に乗り込むと、目的地へ向けて走り出した。
カーステレオから流れる音楽、そして白石と貴方達の談笑が、車内を賑わせている。
出発から二時間ほど経っただろうか、という頃、山道の上り坂で突然車が停止した。
「あれ、おかしいな」と言いながら白石が何度もエンジンを掛けようと試みるが、車が動き始める様子は無い。
「ちょっと待っててくれ」
そう言って彼は車から降り、ボンネットを開けて作業を始めた。

※下記よりキーパー向け内容


◇キーパーの情報◇

本シナリオでは、NPCの白石智紀と共に、森の中を奥へ奥へと進んでいくシステムになっています。

『全プレイヤーが先に進む意思表示をする毎に、次のシーンへと進行していきます』

〈チャート〉
'画像'

森の中では、外なる神「シュブ=ニグラス」を崇拝する黒いローブを纏う老父が3人、そして「黒い仔山羊」が1体徘徊しています。
(各種ステータスは◇戦闘◇の項を参照)

崇拝者たちは神への供物として、周辺の住民を殺しては、森の最奥にある石の祭壇へと清めの血を注いでいます。
(シュブ=ニグラス招来については、基本ルールブック P262参照)
なお、ゲーム内では招来の条件に合った新月の日になっていますが、シュブ=ニグラスが登場する事はありません。
(KPが「キャラクターを全ロストさせないと気が済まない」と判断した場合は登場を許可します)

探索者たちの目的は、第一に全員無事ここから下山する事、第二にこの凶行を止める為に三人の内で首謀者となる崇拝者を無力化する事、です。

老父達が根城にしている小屋を訪れると、白石がカーバッテリーを発見するので、それを持って車まで戻る事が出来れば、とりあえずはクリアとなります。

◆白石 智紀(しらいし とものり)◆
男 大学生(理工学部・ラグビー部) 22歳
STR:12 CON:14 POW:12 DEX:08
APP:13 SIZ:14 INT:11 EDU:10
SAN:65 HP:14 MP:12 db:+1D4
《幸運》60% 《アイデア》55% 《知識》50%
《運転》70% 《機械修理》70%
《電気修理》40% 《ナイフ》30%

〈所持品〉
[リュック]
両肩で背負うタイプのリュック。縦50cmくらいのサイズで、結構頑丈である。
使い方によっては、これを盾にしても良い。その場合は装甲1を得る。
[ナイフ]
キャンプ用に白石が持参したもの。食材を切ったり、缶詰を開けたりと、用途は様々。
 命中率:30% ダメージ:1D4+db 耐久力:9

〈人柄〉
探索者たちの共通の友人で、車の所有者・運転手。車の修理も一通り可能。
好奇心の塊のような男であり、正義感も強い。ただ、他人の意見を聞く前に行動しがち。
交友関係が広いので、いかなるプレイヤーとも友人になれる。

〈キャラクター保管所 URLリンク〉
白石智紀

技能については、白石の生死次第で結末も変わるので、難易度調整や探索者のステータスに応じて、KPが自由に補正を掛けて良い。

同様に、ゲーム中でのシークレット・ダイスの確率やイベント内容は、難易度調整の為に自由に増減・改変して構わない。

◆記号解説◆
◇◇:大見出し
◆◆:小見出し
【】:重要事項
『』:KPが把握しておくべき情報
「」:セリフや文書
〈〉:例示など(描写例は//まで)
():補足
《》:探索技能
[]:アイテム
 ※:注意事項

※下記より探索本編


◇車内◇

四人乗りの乗用車。探索者の人数によっては、六人乗りのワゴンなどに変えても良い。
探索可能箇所は、ダッシュボードと車体後部のトランク。他を調べても特に収穫は得られない。
車窓から《目星》を使う者がいた場合は、成否に関わらず、そこが山沿いの公道上で、片側が森、もう一方が崖になってる事を伝えても良い。
白石の修理を《機械修理》などで手伝う事も出来るが、故障原因が分かるのみで、車の修復は不可能。
また、この山は圏外の為、携帯もカーナビも一部機能が使えず、現在地は分からない。

◆ダッシュボード◆
《目星》に成功した場合[発煙筒]と[懐中電灯]を見つける。
明かりになる物を利用して調べた場合は自動成功で良い。
どちらも通常用途で使用可能である。

◆トランク◆
《目星》に成功した場合[三角表示板]と[金属レンチ]を見つける。
以下同上。
(三角表示板は一般的な車の常備品というだけなので、無くても良い)

[金属レンチ]
イギリス英語ではスパナ。棒状ハンドルの先が輪型になっている。バールよりは短め。
 命中:25% ダメージ:1D6+db 耐久力:20

〈シーン進行描写〉
停車してから30分は経っただろうか、という頃、白石が車に戻る。
「どうやらバッテリーが壊れたらしい。替えが無いと動きそうも無いな、こりゃ」
そう言ってスマホを確認し「ゲッ、圏外かよ」と呟く。
途方に暮れていると、白石が車の前方に何かを見つける。
それは公道から山の木々を引き裂いて分け入ったような、幅の広い獣道のようなものであった。「ここで立ち往生してても暇だし、キャンプ改め肝試しにしようぜ!」と白石は車を飛び出していく。
このまま車に残っていても仕方ないだろうと思い、貴方達は彼について行く事にした。 //

※頑なに車に残ろうとするプレイヤーがいる場合は、KPは時間経過後にその者を黒い仔山羊に襲わせても良い。

◇獣道1◇

〈シーン状況描写〉
白石に追いついた貴方達は、周囲に目を向ける。
静まり返った森の中を突っ切るように、獣道は真っ直ぐ続いている。
この獣道は何か重たいものを引きずったような削られ方をしており、周囲の木々は強引に薙ぎ倒されたような様子である。
道の脇には木で作られた簡素な看板が立っている。 //

主な探索可能箇所は、看板のみ。
足元の地面や木の状態を《地質学》や《目星》などで調べても良いが、特に情報は得られない。
《聞き耳》を使った場合も情報無しでも良いが、探索者を怖がらせる為に、生き物の気配を感じさせても良い。

※ここからは、参加者全員が次シーンへの移行に同意するごとに、獣道1→獣道2→獣道3→…と進行していく。

◆看板◆
調べた場合《目星》を振る。
・成功でも失敗でも「この先、私有地につき立ち入り禁止」と荒々しい筆跡で書かれていることが分かる。
・成功の場合はさらに、この看板がまだ立てられて新しい事が分かる。
・クリティカルの場合は、ここ数ヶ月以内に立てられた物だと察する。

◇獣道2◇

シーン開始前にKPは【シークレット・ダイス】を振る。
【1D100で40以下】ならば、探索者の内ランダムに一人が足元の木の枝に躓く。
躓いた探索者は《幸運》でロールし、失敗した場合は1ポイントのダメージを受ける。

前シーンとの状況の違いは、折れた木の幹や枝が多く散乱しているのみ。
転がっている枝などを調べた場合は、それが振り回して使うには丁度良い長さだと判断できる。
探索者が提案するなら、武器として所持して良い。

[木の枝]
それほど太さは無いが、簡単には折れなさそうな見た目。
 命中:25% ダメージ:1D4+db 耐久力:6

◇獣道3◇

シーン開始前にKPは【シークレット・ダイス】を振る。
【1D100で30以下】ならば、探索者の内ランダムに一人がヘビに襲われる。
襲われた探索者は《回避》でロールし、失敗した場合はヘビに噛まれ1D3ポイントのダメージ。毒は無い。

前シーンとの状況の違いは、木の陰から大きなヘビが現れた事のみ。

◆ヘビ◆
調べる場合《生物学》か、《知識》の半分でロールする。
・成功した場合は、このヘビが毒を持たないアオダイショウという種類だと理解する。
・失敗した場合は、ヘビに噛まれ1D3ポイントのダメージを受ける。
・クリティカルが出た場合は、本来この種は人間を襲わないはずで、見たところ何かに怯えているのか、かなり興奮している、という事が分かる。

◇獣道3◇

シーン開始前にKPは【シークレット・ダイス】を振る。
ただし振るだけで、特にイベントを起こす必要は無い。望むなら、状況にあったイベントを発生させても良い。

前シーンとの状況の違いは、足元がぬかるんでいて、少し足を取られる事のみ。

足元を調べる場合《目星》でロールする。
成功した場合、探索者は巨大な足跡を発見する。動物のものにしては、明らかに大きい、大き過ぎる。馬の足、いや、象の足、それより更に一回りも大きいのである。有り得ない痕跡を発見した探索者はSANc 0/1D3の減少。

なぜ土がぬかるんでるか詳しく調べるのであれば《地質学》か、《アイデア》の半分でロールする。
成功ならば、かなり重い生き物が通った事で地下水が染み出した為だ、と察する。

◇獣道5◇

【シーン開始前に全探索者に《目星》で強制ロールさせる】
懐中電灯などで照らしている場合は、+20%の補正を掛けて良い。
・成功した者は、獣道から枝分かれした細い道を見つける。
・クリティカルが出た場合は、その細道が人の足跡によって出来たものだと推察できる。
・全員失敗だった場合は、シーン◇獣道6◇へ進む。

探索者たちは、発見した脇道へ進んでも良いし、そのまま獣道を進んでも良い。別行動も可能だが、させたくない場合はNPC白石のロールプレイ等で団体行動を誘導しても良いだろう。

・脇道を進む場合は◇脇道◇へ進む。
・そのまま獣道を進む場合は◇獣道6◇へ進む。

◇脇道◇

シーン開始前にKPは、探索者一同に隊列を決めさせてください。
鋭い探索者は戦闘を予感するかもしれませんが、特に何も起こりません。
ブラフでシークレット・ダイスを振るのも良いでしょう。

〈シーン状況描写〉
人一人がようやく通れる幅の細道を進むと、正面に小さな木造の小屋が見えてきた。
窓から灯りは漏れておらず、中には誰も居ない様子である。
また、細道は小屋の脇を通ってまだ先に続いてるようだ。 //

小屋の扉に《聞き耳》を試みても良いが、成功しても何も聞こえない。
クリティカルの場合は、微かに発電機の稼動音が聞こえる。
あるいは、小屋の周囲を調べた場合に《目星》成功で発電機が稼動している事を発見しても良い。
小屋の扉に鍵は掛かっておらず、引くと簡単に開く。

・小屋に入る場合は◇小屋◇へ進む。
・そのまま細道を進む場合は◇獣道7◇へ進む。

◇小屋◇

小屋の内部は真っ暗で何も見えない。
懐中電灯で照らすか、小屋内の照明スイッチを押す事で、小屋内部を探索できるようになる。照明のスイッチは、扉側の壁を手探りで見つけられる。

〈画像参照〉
'画像'

〈シーン状況描写 例〉
小屋は正方形をしたワンルームで、出入り口は探索者達が入ってきた一箇所だけで、左右の壁には人の頭がギリギリ通るくらいの大きさの小窓がある。
中央には木製の四つ足テーブル、正面の壁には本棚が、入り口から見て右手側にはキッチン、左手側には腰の高さより低い木製の戸棚がある。
と、何かを見つけた様子の白石が部屋の隅へ駆け出した。
「おぉい、見てくれ、カーバッテリーだ!」
振り向いた彼の両腕に、機材が抱えられている。パッと見でも、それが新品だと分かる。
「俺の車のと同じ型番だし、これと交換すれば故障も直せそうだ」 //

ここで、誰がこの[カーバッテリー]を持つか探索者たちに話し合わせる。
これを持つ探索者は、重たい為、持っている間はDEXが2ポイント下がる。
白石のリュックに入れて持たせる事も出来るし、無論、持っていかない、という選択をしても良い。

[カーバッテリー]
白石の車と同タイプの物。所持者はDEX -2の補正を受ける。
当然だが、投擲など乱暴に扱えば壊れる危険性がある。

その後、小屋内部の探索パートに移行する。
『KPは、各探索者が何回技能ロールを行ったかメモしておく事』

◆中央のテーブル◆
マグカップが3つ乗ってるのみで《目星》を振っても他に情報は得られない。
マグカップには何かを飲み干したような黒いシミが残っている。匂いを嗅げば、それがコーヒーだろうと察せられる。カップはすでに冷たい。

◆正面の本棚◆
A4サイズのファイルがズラリと並んでいる。
調べる場合は《図書館》か《目星》の半分でロールし、成功した場合は血に濡れた文献を見つけSANc 0/1D3の減少。
他の者も文献を見た場合は、同様にSANcを行う。
〈画像参照〉
'画像'
〈テキスト原文〉【秘匿情報】
我らが山羊神、シュブ=ニグラス様への供物は、
決して一日たりとも欠かしてはならぬ。
我らの元に、かの神を招来する為には、十五人
以上の贄を用意しなければならぬ。贄の血を
石の祭壇に振り撒き、そして信仰を誓う呪文を
唱えるのだ。さすれば神の召した仔山羊様が、
我らの忠誠を彼女に伝えてくれるであろう。 //

探索者への情報を抑えるため、KPが任意で伏せ字を増やしても良い。

◆右手側のキッチン◆
上部には流し台とガスコンロ、側面は戸棚になっている。
このキッチンに目を向けた探索者は、流し台の内部にこびり付いた大量の赤い液体に気付くだろう。《アイデア》ロールを行い、成功した場合はそれが血液だと気付いてしまう。SANc 0/1D2 。血液はまだ凝固し切れておらず、ドロリと粘り気がある。
調べる場合は《目星》を振り、成功した場合は[コーヒーパック]と[睡眠薬]の梱包箱を見つける。
成否を問わず、[鍋][フライパン][ヤカン]を発見する。

[コーヒーパック]
市販の物。三角錐型のパックをお湯に浸して使うタイプ。いくらか消費されてるようで、外箱記載の内容量より数が少ない。

[睡眠薬]
6袋入り。詳しい取扱説明書は入っていないが、水に溶かして飲むタイプの物だと分かる。POT:6(基本ルールブック P63参照)

[鍋]
金属製の寸胴鍋で、使い込まれた様子は無い。装甲3を持つ。

[フライパン]
鍋同様、あまり使われた形跡は見られない。慣れた探索者なら、きっと誰かしらが本来の用途以外の目的で所持するはずである。
 命中:25% ダメージ:1D8+db 耐久力:20

[ヤカン]
漢字で書くと「薬缶」。皆さんが想像する通りの形状。詳しく調べた場合、底が少し焦げ付いており、かなりの頻度で使用されてる事に気付く。振り回すのは難しいが、投げるくらいは出来るだろう。
 《投擲》ダメージ:1D4+db/2 耐久力:15

◆左手側の戸棚◆
戸棚に近付いた時点で、引き戸に南京錠で鍵が掛けてある事に気付く。
《鍵開け》に成功するか、STR20との対抗ロールに成功すれば開けられる。
中には獣狩り用の[猟銃]が入っている。弾薬数は12発。

[猟銃]
銃器に詳しい者なら、これが「レミントンM1100」と分かる。ガス圧作動式セミオートマチック・ショットガン。側面のレバーを引き、開き口に一発、さらに下部から一発の、計二発を同時に装填できる。(基本ルールブック P70の12ゲージ・ショットガン(二連式)の項も要参照)
 命中:30% ダメージ:4D6 装弾数:2

◆その他◆
部屋全体を調べるか、小屋を出る際に、扉側の壁に「今週のノルマ:三人」と書かれた張り紙を見つける。文献が見つけられなかった場合のヒント。
上記以外を調べても、特に変わった様子は無い、と説明して良い。

※全員の探索が済むか、合計10回以上の技能ロールを終えた所で、KPは【全員の小屋内でのダイス・ロール合計回数 ×5%】として1D100のシークレット・ダイス・ロールを行う。
・失敗した場合、何も起こらない。
・成功した場合、崇拝者三人が小屋に接近する。
 その場合、さらに探索者全員に《聞き耳》強制ロールをさせる。
 ・成功した場合は、足音でその接近を感知する。
 ・全員失敗した場合は、無条件で戦闘となり、シーン◇戦闘◇へ移行する。

崇拝者が小屋に近付くまでに、ボイスセッションなら1〜3分、テキストセッションなら各探索者1行動までの制限を設ける。
・【小屋の中の明かりを消さなかった場合】それに気付いた崇拝者が小屋に突入し、《説得》等の余地なく戦闘となる。◇戦闘◇へ進む。
・灯りを消していた場合は、崇拝者たちは小屋の脇を通り過ぎて行く。
窓から様子を窺った場合は、三人の黒いフードを被った後ろ姿と、その内の一人が赤い液体を滴らせた大きな麻袋を背負っているのが見える。

崇拝者との戦闘にならなかった場合、探索者たちは細道の先に進むか、カーバッテリーを持って車に戻るか選択できる。
・細道をさらに進む場合は◇獣道7◇へ進む。
・車に戻る場合は◇結末◇へ。

◇獣道6◇

KPはシークレット・ダイスを振っても振らなくても良い。振る場合は、状況に応じたイベントを追加しても良い。

ここまでの獣道と違い、幾分か開けた場所に出る。

【全探索者に《目星》の強制ロールを行う】
・成功した者は、道の隅に転がる、上半身の無い生き物の死骸と血溜まりを発見する。SANc 1/1D3の減少。
・失敗した者も、成功者からの情報共有で死骸を見た場合は同様にSANcを行う。

死骸を調べる場合は《生物学》か《アイデア》あるいは《目星》でロールする。
・《生物学》に成功した場合、その死骸がヒグマだと分かるだろう。
・《アイデア》に成功した場合、傷口の状態から何者かに食い千切られた跡だと気付く。
・《目星》に成功した場合、太いロープのような物で締め上げられたような痕跡が身体に残されてる事に気付く。
上記いずれかでクリティカルが出た場合、死骸に少量ながら緑色の悪臭を放つ液体が付着していることも発見できる。

このルートは敵の情報を少しでも得るための救済シーンなので、参加者の能力・経験に応じて、黒い仔山羊についての情報を増やしても良い。

◇獣道7◇

※ここへ◇脇道◇から分岐して来た場合は、探索者に元の獣道に戻った旨を状況説明で伝える。

〈シーン状況描写 例〉
足元を見ると、何度も人が行き来したような足跡を見つける。
どうやらこの奥に見える広場に続いているようだ。
広場からは、ほんの微かに、鉄の臭いと、何かが腐ったような臭いが鼻に付く。 //

※ここへ◇獣道6◇から来た場合は、KPの裁量次第で、足跡を辿れば◇脇道◇を発見できる事にしても良い。

◇広場◇

〈シーン状況描写 例〉
さっきまでの獣道とは打って変わって、頭上の星空がよく見渡せる広場に出る。
奥に見える大きな筒形の台座の周囲には、こちらに背を向けた黒い影が三つ。
全身をローブで覆っており、彼等のおおまかな背格好くらいしか窺えない。
そして台座の上には、何かの塊が乗っている様子だが、ここからでは遠くてハッキリと見えない。 //

真っ直ぐ近付く場合はそれぞれ《忍び歩き》でロールする。
・一人でも失敗したら、崇拝者に発見され戦闘になる。◇戦闘◇へ進む。
・全員成功するか、周囲の森に隠れながら接近した場合は、さらに全員《聞き耳》で強制ロールを行う。
 ・成功した場合、黒ローブの者の声、男性のしゃがれ声で、次のような言葉を唱えているのが聞こえてくる。
「イエ! イエ! シュブ=ニグラス! 千匹の仔を連れた森の黒山羊よ!」
一心不乱、何かに取り憑かれたように同じ台詞を繰り返し、手に持つ杖を天高く掲げている。

さらに、声が聞こえる距離まで接近したなら、台座に乗ってる物が何なのか視認する事が出来る。
台座の上の物を見る場合は《アイデア》でロールする。
成功した場合は、台座の上にあるのが首を落とされた人間の胴体が数人分積み重なったものだと気付いてしまう。SANc 1/1D6の減少。

ここで、その場を離れて来た道を引き返す場合は、全員が《幸運》でロールする。
・一人でも失敗した場合は、不用心にも足元の木の枝を踏み折ってしまい、不幸にもその音が彼らの耳に届いてしまう。◇戦闘◇へ進む。
・全員が成功した場合、無事に車まで辿り着く。◇結末◇へ進む。

儀式の様子を見続ける場合、再び状況描写を挟む。

〈シーン状況描写 例〉
狂信者のように叫び続ける黒ローブの影たち。
すると、台座の奥、森の中から音が聞こえてくる。
バキ、バキバキ、と堅い木の枝、木の幹が悲鳴をあげる音を聞く。
ズグン、ズグン、と鈍い地鳴りが貴方の両足から這い上がってくる。
貴方は暗い木々の狭間から、不協和音の奏者、大地を揺るがす者の姿を見るだろう。
それは夜の闇より黒く、生い茂る樹木よりも高く、巨象よりも太い異形の大木。
しかしそれは、確かに二本の蹄を持っている。
意思を持って、その蹄がこちらへ向かって交互に前進する。
鞭のように振り回される触手が、まるで枝のように無数に拡がっている。
幹を思わせる体躯の皺は、あちこちが口のように二つに割れ、緑の液体を滴らせている。
その冒涜的な姿を目の当たりにした貴方は、成功で1D3、失敗で1D10のSANチェックです。
(全員のSANcを行う)
(ここで発狂した者がいれば、それが原因で崇拝者に発見され、戦闘に移行する場合もある)
現れた怪物に、黒ローブたちは口々に「仔山羊様! 仔山羊様!」と声を荒げて讃えている。
”それ”は石の台座に積まれていた肉塊を頭上の触手で掴み上げると、縦に割れた口へと放り込む。
肉を割く音、骨を砕く音が、その裂け目から漏れ出る。
グロテスク極まりない捕食が済むと満足したのか、樹の化け物は再び森へと帰っていった。
狂信者のうちの一人、ずっと呪文を唱えていた者が、グッタリした様子で他の信者に肩を支えられながら、獣道を戻っていった。
先程までの光景が嘘だったかのように静まり返った広場には、探索者たちだけが残っていた。 //

このシーン後、崇拝者たちは小屋に戻り、以降そこから出てくる事は無くなる。

崇拝者が去った後ならば台座を調べる事も可能である。
《目星》に成功すれば、その台座には古い血もこびり付いている事を発見する。
成否を問わず、台座の材質が石である事が察せられる。
他は調べても特に情報は得られない。

・このまま車に戻る場合は、◇結末◇へ進む。
・崇拝者たちの後を追う場合は、探索者たちの行動に応じて、◇戦闘◇へ進むか、[睡眠薬]等で崇拝者を無力化・連行して◇結末◇へ進むか、になる。

探索者達が「黒い仔山羊の後を追う」と言うのであれば、KPは探索者と仔山羊を戦闘させても良いし、どれだけ探しても出会えなかった、という事にしても良い。


◇戦闘◇

※KPは戦闘終了までに何ラウンド経過したかを計測しておく事

◆崇拝者◆
男 三人とも同ステータス 60代
STR:08 CON:08 POW:06 DEX:07
APP:08 SIZ:12 INT:12 EDU:08
SAN:30 HP:10 MP:06 db:なし
《幸運》30% 《アイデア》60% 《知識》40%
〈所持品〉
[杖]
 命中:30% ダメージ:1D4 耐久力:15

『KPは崇拝者三人の内から一人を「リーダー」と決める。決め方は自由。探索者にリーダーが誰かを教える必要は無い』
リーダーだけが【黒い仔山羊を呼ぶ呪文】を毎ターン唱える事が出来る。
成功率は25%、消費MPは1ポイント。
ロールプレイで下記文言を唱えさせ、成功判定は【シークレット・ダイス】で行う。
「イエ! イエ! 森の黒き仔山羊よ! 我らを助けたまえ!」

広場で儀式を終えた後の戦闘の場合、リーダーはHP半分で戦闘開始となり、呪文を唱えることは出来ない。

リーダーが攻撃される場合、他の崇拝者二人がそれぞれ50%の確率で攻撃を庇う事が出来る。

黒い仔山羊が呼ばれていない場合、リーダーが戦闘不能になった時点で戦闘終了となり、残っている崇拝者はその場から逃走する。
その場合【戦闘ラウンド数 ×5%】としてシークレットダイスで1D100のロールを行う。
成功した場合、黒い仔山羊が現れる。
黒い仔山羊と遭遇しなかった場合は、車に戻る選択をした時点で◇結末◇へ進む。

◆黒い仔山羊◆
シュブ=ニグラスの眷族
STR:35 CON:13 POW:13
DEX:12 SIZ:39 INT:09
HP:26 MP:13 db:+4D6
正気度喪失:1D3 / 1D10
〈触手〉命中:80% ダメージ:+db
〈踏みつけ〉命中:40% ダメージ:2D6+db
特性により、火器による攻撃は1ポイントしか受けない。貫通で2ポイント。
黒い仔山羊は目を持たないので、暗闇による命中補正は無い。
(基本ルールブック P177を要参照)

〈招来時の状況描写 例〉
バキ、バキバキ、と堅い木の枝、木の幹が悲鳴をあげる音を聞く。
ズグン、ズグン、と鈍い地鳴りが貴方の両足から這い上がってくる。
貴方は暗い木々の狭間から、不協和音の奏者、大地を揺るがす者の姿を見るだろう。
それは夜の闇より黒く、生い茂る樹木よりも高く、巨象よりも太い異形の大木。
しかしそれは、確かに二本の蹄を持っている。
意思を持って、その蹄がこちらへ向かって交互に前進する。
鞭のように振り回される触手が、まるで枝のように無数に拡がっている。
幹を思わせる体躯の皺は、あちこちが口のように二つに割れ、緑の液体を滴らせている。
その冒涜的な姿を目の当たりにした貴方は、成功で1D3、失敗で1D10のSANチェックです。 //

リーダーに招来されたラウンドは、戦闘に参加しない。

白石が生きてる限り、攻撃対象は必ず白石になる。

逃走する場合は、探索者と黒い仔山羊との【DEX対抗ロール】を行う。
白石を含めた探索者の半数(端数切り上げ)が成功した時点で、全員逃走成功とする。
戦闘不能の者は人数に含めない。
逃走成功した場合、◇最終シーン◇へ進む。
逃走失敗した場合、次ラウンドで逃走再挑戦が可能。

◇最終シーン◇

車のある崖道まで戻ってきた探索者たち。

[カーバッテリー]を持っている場合《機械修理》か《電気修理》を用いて車の修理が可能。
白石が生きているなら、白石に修理を任せても良い。
ロールに成功した時点で◇結末◇へ進む。
[カーバッテリー]を持っていない、あるいは《機械修理》《電気修理》を合計三回失敗した場合、◇結末◇へ進む。


◇結末◇

条件によってエンディングが分岐する。

・車修理済み、白石生存、リーダー無力化済み
【True End】
修理を終えた白石が運転席に駆け込んでくる。
車のキーを挿すと、大きなエンジン音が響く。
白石は即座にアクセルを踏み込んだ。
窓の外の風景が後ろへと流れていく。
車はぐんぐんスピードを上げて山道を駆け下りていった。
その道中、車窓から異様な黒い大木が立っているのを見た気もしたが、きっと恐怖心から見た幻だろう。
無事に帰路へ着いた貴方達は、それぞれの家に帰り、それぞれの生活へと戻っていった。
後日、白石からの連絡で、あるニュースを知った。
あの山中で出くわした狂信者たち、その痕跡が警察により発見された、との事だ。
どうやら、あの呪詛を唱えていた者がグループの主犯だったらしい。
しかし山中の捜索も行われたようだが、血痕が発見されたのみで、他には何も見つからなかったらしい。
あの夜に見た怪物は、一体何だったのだろうか。
本当に恐怖心から見た幻覚だったのだろうか。
謎は残るものの、これであの一件は全て片付いたはずだ。
奴らが追ってくるのでは、という恐怖にもう怯えなくていいのだ。
そう、きっと……

〈報酬〉:1D10のSAN回復、5%のクトゥルフ神話技能【黒い仔山羊】


・車修理済み、白石生存、リーダー生存
【Normal End1】
来た道を息を切らしながら引き返した貴方達は、車のバッテリーを取り換え、無事に下山することが出来た。
その道中、車窓から異様な黒い大木が立っているのを見た気もしたが、きっと恐怖心から見た幻だろう。
貴方たちはそれぞれの家に帰り、それぞれの生活へと戻っていった。
しかし、時々ふとその夜の事を思い出してしまう。
あの山で、今でもまだ狂乱の儀式が行われ、誰かが犠牲になっているのではないか、と……

〈報酬〉:1D6のSAN回復、3%のクトゥルフ神話技能【黒い仔山羊】


・車修理済み、白石死亡
【Normal End2】
修理を終えた探索者が車内に駆け込んでくる。
車のキーを挿すと、大きなエンジン音が響く。
即座にアクセルを踏み込む。
窓の外の風景が後ろへと流れていく。
車はぐんぐんスピードを上げて山道を駆け下りていった。
その道中、車窓から異様な黒い大木が立っているのを見た気もしたが、きっと恐怖心から見た幻だろう。
無事に帰路へ着いた貴方達は、それぞれの家に帰り、それぞれの生活へと戻っていった。
あの一件以来、白石もあの怪物も、どうなったのか知る由も無い。
いや、きっと知らない方が幸せなのだろう。
触れてはならない、踏み入ってはならない世界がある、それを身を以て知ることになったのだ。
二度とあんな世界と接点を持つことが無いように、ただ祈ることしか出来ないのだ……

〈報酬〉:1D3のSAN回復、3%のクトゥルフ神話技能【黒い仔山羊】


・車未修理、白石生存
【Normal End3】
「うわ、うわぁ!」
白石の悲鳴が夜闇をつんざく。
見ると、森から現れた黒い大樹のような怪物、その触手が白石の身体を捕らえ、高々と持ち上げていた。
彼はもう助からない。
そう悟った探索者達は、暗い山道をとにかく駆けた。
息を切らしながら、それでも走り続けた。背後で聞こえていた声は、何かが裂け、折れる音が聞こえると同時にプツリと途絶えた……
その後、命からがら下山した探索者達は、どうにかそれぞれの帰路に着いた。
白石もあの怪物も、どうなったのか知る由も無い。
いや、きっと知らない方が幸せなのだろう。
触れてはならない、踏み入ってはならない世界がある、それを身を以て知ることになったのだ。
二度とあんな世界と接点を持つことが無いように、ただ祈ることしか出来ないのだ……

〈報酬〉:SANc 1D3、3%のクトゥルフ神話技能【黒い仔山羊】


・車未修理、白石死亡
【Bad End1】
貴方たちは夜闇の山道を駆けた、がむしゃらに駆け続けた。
だが、恐怖による心拍数の上昇もあった為だろう、ついに走る体力が尽きる。
背後からは、地響きを起こしながら巨大な影が迫る。
そして、貴方の身体は怪物の触手に掴み上げられた。
ふと、脳裏に白石の無邪気に笑う顔が思い浮かぶ。
嗚呼、これが走馬灯というやつなのだろうか。
貴方の視界は暗闇に染まり、もう何も感じなくなった……

〈キャラロスト〉


・戦闘で全滅
【Bad End2】
気を失っていた貴方は、目を覚ます。
だが、眼前に広がる光景を目の当たりにして、いっそ目覚めなければ良かった、と後悔する。
周囲には身体を縄で縛られ、口を塞がれ、硬い土の上に転がされている。
貴方もその例外では無い。
そして、ローブの男が貴方の前に歩み寄ってきた。
いかにも重そうな斧を抱えている。
「我らが山羊神様の為ため、その命を捧げられることを誇るがいい」
貴方の首へと斧が振り下ろされた。

〈キャラロスト〉

◇あとがき◇

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
このシナリオは「ホテル・クローバー」よりも前に作成した処女作で、かつ初KP時に使用したものです。
いろいろとブラッシュアップしたい点もあったので、二作目としての公開となりました。
作成にあたって「とにかくクトゥルフらしいホラー要素増し増しなシナリオにしよう」と考えた結果、神話生物の描写に力を入れたり、その片鱗を道中に散りばめたり、とにかくシークレット・ダイスを振りまくったり、といった内容に仕上がりました。
まぁ、シークレット・ダイス振りたかったのが本音です。
クトゥルフ神話TRPGのルールブックを初めて読んだ時、自分は「黒い仔山羊」にとにかく心打たれました。
ヒヅメの付いた二本足、その上に広がる触手、圧倒的なサイズ、それでありながら「仔山羊」と形容するセンス。
その時から「いつかこの神話生物を自分のシナリオに登場させたい」と切に考えておりました。
あいにく、初セッション時は遭遇する前に探索者に逃げ帰られましたが……
自分がシナリオを作り続けるのであれば、きっとまた「黒い仔山羊」を出演させる事になるでしょう。
その時は、このシナリオの続編かもしれませんね。
ではでは、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

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CoCのKPメインで活動しております。たまにシナリオを作る人です。

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