SW2.5用シナリオ『サンタの洞窟』
LV3~4、3-5人向け
舞台:指定なし
レギュレーション:ソードワールド2.5、ルールブックⅠ およびソードワールド2.0 ルールブックⅠ、ルールブックⅡ
※本シナリオは2.0のルールブックに記載されているエネミーが登場するが、システムは2.5を使用するものとして記述する。
PC達が冒険者の宿でたむろしていると主人が「仕事があるんだが興味はないか」と声を掛ける。
承諾した場合すぐに依頼人と面通しが行われる、依頼人はその場に来ている。
※もしも依頼を断った場合追加で近くに住む少年が冒険者の宿に飛び込んできて「友達がサンタに連れ去られた」という展開などどうだろうか。どちらにしろあんまり渋るのであればセッションの終了を告げる事
依頼人は○○(PC達のいる地方名)地方サンタ協会の幹部のニコルと名乗る
PC達は見識判定を行う、達成値10以上であれば
「赤い帽子をかぶった男性が寝ている子供にプレゼントを贈る風習が最近根付いた」
「サンタ文化を広める為に活動する組織が存在する」
以上のことを知る。
※ニコルは純粋に地域の子供の為に活動している、もしもPC達が彼の行動を疑う様であれば『それは今の依頼と関係がない』と告げる事
ニコルは依頼の内容を説明する。重要な点は3つ
『街の外で見つけた洞窟を子供達に贈るプレゼント置き場にしていた』
『ある日蛮族が現れて洞窟を占拠してしまっていた』
『プレゼントを取り戻したい』
ニコルは蛮族の排除よりプレゼントの確保に重きを置いている。
しかし彼らがプレゼント置き場にしていた洞窟は街から馬で三十分程にあり、街に非常に近い為放置するのは危険であるといえる。
報酬は一人1000ガメル、宿の主人に「随分街に近いな……よし、蛮族を退治したら報酬に色を付けてやる」などと言わせてもよいその場合+500ガメルほどが妥当だろう
洞窟を占拠した蛮族の情報を求めるならばニコルは「小さなサンタの様な姿だった」「洞窟の中にどれくらいいるかはわからないが5体は居た」と証言する。
魔物知識判定を行い7以上ならばレッドキャップ(2.0、Ⅰ、p342)だと判明する。
PC達が求めるならば洞窟の構造についても回答する。
入り口は狭いが中は馬が通れるくらいの広さがあり、脇道が多少あるがほとんど一本道になっている。まっすぐ進むとちょっとした空間があってそこにプレゼントを置いていた。
まだ奥に続く道があったが動物の足跡などもなかったのでニコルは調べていない。
※PC達は知る由もないがニコル達が見つける前からディープグレムリンが洞窟の奥を遊び場にしていた。人間がやってきたので近くにいたレッドキャップを集めて追い出しに来たのだ。
※もしもPCがニコルの技能が知りたいと求めたら パン屋Lv5、PTALv3、サンタLv2 と告げればよい
※ニコル以外のサンタ協会会員について尋ねられたら「みんな普通に生活している」と答える。蛮族に襲われたり怪我した会員は居ない
ニコルから得られる情報で不足していると感じたPC達は神殿やギルドで聞き込みを行うかもしれないが、洞窟の存在を知るのはニコル達だけである。
※聞き込みを行うなら追加で「サンタの正体を確かめると言って帰ってこない少年」の話をしても良いかも知れない。しかし展開的に非常に暗くなってしまう可能性が高い。
洞窟につくと入り口は小さな足跡まみれになっている。洞窟の中にはヒカリゴケが生えており視界には問題がないものとする。
罠などはないがしばらく歩くと横道があり、そこからレッドキャップが二体で襲ってくる。注意する旨がなければ危険感知判定を行う。
※このレッドキャップは本シナリオのボスであるディープグレムリンが配置した見張り役である。レッドキャップの潜んでいた横穴を調べるなら汚れたぬいぐるみが打ち捨てられているのが見つけられる。
レッドキャップを倒して進むと広い空間に出るが、PC達は包装された箱を抱えている人間の子供を発見する。
子供はPC達を見ると箱を抱えたまま広間の奥に駆け出してしまう。彼我の距離は20m、ただし少年はスネアを無効にし、全力移動で54m移動する。
※この子供はディープグレムリンがディスガイズで化けた姿である。ディープグレムリンは子供に化けて人間を誘っている。
※もし万が一追いつかれそうならば、PLに頭を下げて「すいません見逃してください」とGMが言う
PC達は少年を追いかけながらダンジョンを踏破する、ここより先は
分かり易い様に地図を記載する、GMはこれをPLに提示して良い。
赤い四角がディープグレムリンの初期位置であるとする。
追い掛けて進んでいくとまっすぐ伸びた通路のように続いて突き当りを少年が曲がって行く姿が見える。
GMは追い掛けるかどうかをPC達に問い、肯定が返ってきたならば(隊列を組んでいたら前に出ていたPCに、組んでいない場合全員に)危険感知判定を行わせる。
この通路には地面に落とし穴とスパイクが仕掛けられている。落とし穴は難易度9、スパイクは12で回避する事ができる。
落とし穴の深さは2mなのでダメージは6点、スパイクは4点で装甲は有効である。
PC達が罠の道を通り抜ける頃には少年の姿は見当たらなくなっている。先に進むと昇りの坂道と下りの坂道に分かれている。
足跡判定をするとたくさんの小さな足跡が下りの道に向かっているのがわかる。ただし少年の足の大きさには合致しない。
昇りの坂道は足跡を消した様な痕跡が残っている、足跡判定の難易度は9である。
登り坂を進むと上から巨大な岩のようなものが転がってきます。
GMはPCに逃げるか防ぐかを問い、逃げるならば冒険者レベル+敏捷度で判定を、防ぐなら冒険者レベル+筋力で判定を行います。
パーティー内で対応が分かれた場合先に筋力判定を行います。
筋力判定は挑戦者の達成値の合計が25以上ならばダメージは発生せず、25未満ならば25から達成値を引いた分のダメージを全員に与えます。装甲有効
敏捷判定の難易度は15とし、失敗した場合25点のダメージを受ける、装甲有効。他のPCが筋力判定を行っていたならばその達成値分だけ受けるダメージが減ります。
岩のようなものは止まる、あるいは一番下まで転がり終わると砕けてしまいます。よく見ればそれが粘土である事がわかるでしょう。
【マナサーチ】などを使えばそれに魔力の込められていた事がわかります。
登坂を最奥まで登ったらぼろぼろのスコップ、シャベルが置いてあり、壁を掘っていたのがわかります。掘った土は壁際に、三つの山に積み上げられています
PCの中にコンジャラーが居れば判定なしでその土が「魔化された粘土」(200G)だとわかります。
下り坂を下りていくと十字路に差し掛かる。
足跡を見るならば前と左にたくさんの痕跡が見つかるだろう。難易度は特に必要ない
さらに情報を求めて聞き耳を行うならば左側から水の流れる音が聞こえてくるだろう。
右の道は行き止まりである、グチャグチャに壊れたおもちゃの人形が幾つか転がっている。
左の道は水脈につながっている。対岸に道が見えるが、流れが速い為、万が一流されたら戻ってこれない可能性を忠告しておく事。
川の無理に渡ろうとするなら筋力判定で目標は14とし、失敗した場合そのPCはこのシナリオから離脱してしまうだろう。
その場合そのPCを探すキャンペーンなどを考える事にしてこのシナリオを終わらせてしまってもいいのかもしれない。
川の向こうには薬草が繁茂しており、PC1人につき1d6×40G分採取する事が出来る
帰りも川を渡る場合は判定を忘れない様に。
十字路を前に進むと次は二手に分かれる。
左に進むとレッドキャップ達の武器庫なのか粗末なナイフなどが積まれている。
探索判定を行い、達成値に応じてアイテムを発見する事が出来る
達成値9~ バトルアックス
達成値12~ 綺羅星のインバネス(Ⅲ、P250)
達成値15~ タルワール
右に行けば広いすり鉢状の空間に出る。そこには大量のプレゼントと少年とレッドキャップがPC達を待ち構えている。
ディープグレムリンはディスガイズを解くと汎用蛮族語で『のこのこ付いてきやがった、人族は間抜けだ』と笑う
レッドキャップ×3 部屋中央 PCから5m
ディープグレムリン×1 部屋奥 PCから10m
ボールパペット×1 部屋脇 PCから5m
ボールパペットはディープグレムリンが使役する特製のロームパペットです。
手足、頭部はなく球形の胴体しか存在しません。移動用の小さな足がありますが回転が始まると自壊して止まることは出来ません
攻撃手段はすり鉢状の空間を利用しての【トランプル】です。形状突破となり、レッドキャップを巻き込む事をためらいません。
攻撃手段以外のデータはロームパペットのデータを参照してください。
PCを苦しませたいならば戦闘マップに5個ほどプレゼントを配置し、ボールパペットに潰されない様に戦わせるギミックの導入を提案します。
戦闘に勝利したら依頼達成です。
幾つか壊された品はあれどニコルさんはプレゼントが取り戻せた事に満足して報酬を払います。
レンタルしてきた魔道バイクにプレゼントを乗せたソリが街に向かって走って行く事でしょう。
※制作した感想
最初の構想では
「プレゼントは宝物、だからドラゴンがやってくる」
とか
「サンタといえば真っ赤、真っ赤といえばレッドキャップ。レッドキャップをサンタと勘違いした少年に捕獲を依頼される」
などの案がありましたが、どちらも廃案となりました。
その結果クリスマス色が減った気もしますが些細な問題でしょう。メリークリスマス
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