2020年10月10日更新

くれない伝説殺人事件 ~秋の京都に紅葉舞う!追憶の彼方に隠された真実とは一体?~

  • 難易度:★★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

ジャンル:2時間サスペンス風
必要なもの:基本ルルブ6版
推奨職業:探偵(少なくとも1人は探偵、かつ天涯孤独ではないこと)
推奨技能:〈目星〉〈聞き耳〉〈英語〉

あらすじ:
鮮やかな紅葉で染まる秋の京都。
旅行にやってきた探索者達は、山中で発見した変死体の第一発見者兼容疑者として軟禁されてしまう。
やむなく真犯人を探すことになった探索者達が辿り着く真相は、この世の常識から外れた意外なものだった。
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季節×CoCシリーズ三作目は秋が舞台です。
リアル2時間程度でクリアできる単純さとドラマ性を目指しました。
ぜひドラマの探偵になってみてください。

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2020/9/27 ver.1.0

くれない伝説殺人事件

~秋の京都に紅葉舞う!追憶の彼方に隠された真実とは一体?~

あらすじ

鮮やかな紅葉で染まる秋の京都。
旅行にやってきた探索者達は、山中で発見した変死体の第一発見者兼容疑者として軟禁されてしまう。
やむなく真犯人を探すことになった探索者達が辿り着く真相は、この世の常識から外れた意外なものだった。

仕様

PL人数目安:1~2人
プレイ時間目安:2時間
推奨職業:探偵(少なくとも一人は実績のある探偵であり、天涯孤独ではないこと)
推奨技能:〈目星〉〈聞き耳〉〈英語〉
登場神格:イゴーロナク

コンセプト

・2時間ドラマをリアルタイムで遊べる
・ドラマのようなNPCの人間模様に接し、探偵役としての切なさ・やるせなさをかみしめられる

NPC・エネミー

○秋月 もみじ(女・30歳) 黒幕・古書店店長

STR 9 CON 10 POW 1 ※ DEX 4 APP 18 SIZ 15 INT 17 EDU 16
SAN 5 ※ 幸運 5 アイデア 85 知識 80 耐久力 12.5 MP 1 ※ db 0
※度重なる呪文の使用による
市内で古書店を営む女性。
自分の店で買い取った『グラーキの黙示録』を読んで以来、イゴーロナクに半分憑りつかれている。
幼少期、容姿の事でよくない扱いを受けたことがトラウマとなった。
そのため、ある時知った呪文(《似姿の利用》基本ルルブP275)で殺した人間の姿を利用している。
しかしいくら外形が美しくなろうとも醜貌恐怖と過去の恨みは消えることがなく、自らより美しいと思える人間を殺してはその容貌を奪ってきた。
トラウマはあれど、その後の行為の邪悪さからイゴーロナクに目を付けられ、その体を完全に乗っ取ろうと目を付けられている。
持ち物(クライマックス時):なし
技能:〈クトゥルフ神話〉35 〈オカルト〉80 〈こぶし〉60 など
呪文:《似姿の利用》
 

○林 海斗(男・29歳) もうひとりの探偵

STR 7 CON 11 POW 13 DEX 9 APP 10 SIZ 13 INT 14 EDU 18
SAN 65 幸運 65 アイデア 70 知識 90 耐久力 13 MP 13 db 0
始めは不審な人物として探索者の周りに見え隠れする。
犯人と思わせるミスリード要員。
しかし、その正体は幼馴染である秋月の凶行に気付き、なんとかしたいと奔走する青年である。
秋月に昔から好意を寄せている。
持ち物:紅葉のキーホルダー、悪鬼除けの呪い人形、ほか常識的な鞄の中身
技能:〈説得〉85 〈隠れる〉80 〈心理学〉65 など
 

○磯部 十三(男・50歳) 刑事(警部)

探偵ものにつきもののおとぼけ刑事。昔気質の頑固な中年である。
 

○金井 始(男・25歳) 刑事(巡査部長)

STR 11 CON 11 POW 4 DEX 16 APP 10 SIZ 16 INT 13 EDU 17
SAN 20 幸運 20 アイデア 65 知識 85 耐久力 14 MP 4 db +1D4
磯部の相棒の私服刑事。探索者達探偵の隠れファンであり、独自の捜査に協力的で口が軽い。
持ち物:警察手帳、折り畳み警棒など
技能:〈棍棒〉75 〈組み付き〉75 〈マーシャルアーツ〉70 など
 

○イゴーロナク(基本ルルブP207参照)

STR 25 CON 125 POW 28 DEX 14 SIZ 25
移動 10 耐久力 75 db 0
『グラーキの黙示録』を読んだ邪悪な人間に接近する、悪意のある神格。
武器:〈タッチ〉100 対象は各ラウンドINTとPOWを1ずつ喪失
   〈むさぼり食う〉100 対象は治癒不能の1D4ダメージ
装甲:なし
呪文:《召喚/従属》や《接触》など(当シナリオではほぼ使用しない想定)

プロローグ

探索者はプライベートな旅行で秋の京都に来ています。
探索者同士は友人や知り合いで共に行動しているのが好ましいです。
最初のRPでひとしきり京都市内の観光を楽しむとよいでしょう。
(買い物可・今後の展開で持ち物が消えることはありません)
自由RP後、探索者の旅の目的の一つである紅葉狩りをしに郊外の山へ向かってもらいます。
入山すると探索者達は、非常に美しい、燃えるような紅葉に包まれます。
美しい紅葉を楽しんでいると、ふと行く先に何か異質なものが落ちています。
よく見る(=〈目星〉する)までもなく、それは人間であることは明らかです。
その人物は大量の真っ赤な落葉の上に倒れ伏しています。
山道にうつぶせに倒れたその人物はぴくりとも動きません。
 

●その人物をよく見る

〈目星〉成功:その人物――女性のようです――は脈が無く、死んでいるということが分かる。
そして、その死体の下に広がっていた赤は、落葉ではなく夥しい量の血液であることも……
予期せず人間の死体を目の当たりにした探索者達はSANチェック 0/1D3
 

●その人物をゆさぶる、仰向けにするetc.

露わになったその女性の首から上を目にした探索者達は衝撃を受けます。
顔があると思われたそこには、赤黒い肉塊が血を滴らせているのみだったからです。
無残な様子を間近で目撃してしまった探索者はSANチェック 1/1D4
 

●死体を調べる

〈医学〉成功:その女性の死体の顔面は刃物で出来た傷ではなく、そう大きくない動物…人間ほどの動物に食い千切られたようにずたずたになっている。傷跡に治癒した形跡はなく、その傷からの大量出血が致命傷となったとみられる。
鮮血の様子から見るに、死後3日も経過していないと思われる。
 
紅葉が見ごろの山ではありますが、死体のある道の行く先に人影はありません。
どうやら自分たちが死体の第一発見者のようです。
今いる場所は山中ですが、携帯の電波は通じます。
 

●警察に通報する

探索者達からの通報を受け、ほどなくして現場には警察がやってきます。
あわただしく現場検証が行われる横で、探索者達は刑事の磯部に事情聴取されます。
率直にあったことを話すと磯部警部は話を聞いてくれますが、第一発見者かつ重要参考人(&疑わしい人物)として探索者達に強い態度で任意同行を求めます。
麓の署での取り調べ中、取調室に若い刑事、金井がやってきます。
金井は、京都府警の重役である○○(探索者のどちらかの苗字)と探索者が近い親戚であることを磯部に耳打ちします(〈聞き耳〉成功ならこの会話が聞こえるでしょう)
すると途端に磯部は今までの強硬な態度を崩し、もみ手をせんばかりの愛想をふりまきます。
あわや捕まりそうになっていた探索者達は、見張りに金井が付くという条件のもとで、現在予約している市内の宿に軟禁という形でゆるく留め置かれることになりました。
 

●死体を無視して下山する

探索者達が宿にいると、2人の刑事(磯部・金井)がやってきます。
探索者達の直ぐ後に入山し死体を発見した人物の通報により、死体の近くにいたことが警察に知られた探索者達は重要参考人(&かなり疑わしい人物)として署に連行されます。
磯部警部による取り調べ中、取調室に金井がやってきます。
金井は、京都府警察の重役である○○(探索者のいずれかの苗字)と探索者が近い親戚であることを磯部に耳打ちします(〈聞き耳〉成功ならこの会話が聞こえるでしょう)
すると途端に磯部は今までの強硬な態度を崩し、もみ手をせんばかりの愛想をふりまきます。
あわや捕まりそうになっていた探索者達は、見張りに金井が付くという条件のもとで、現在予約している市内の宿に軟禁という形でゆるく留め置かれることになりました。
 
「すんまへんねぇ。いくら○○本部長の○(きょうだいや親子、親戚関係を任意に設定)と言えど、重要参考人であることは変わりまへん。真犯人が見つかれば、喜んで解放して差し上げるさかい、堪忍しとぉくれやす」
金井は申し訳なさそうにそう伝えます。
せっかくの休暇が台無しだ。そう肩を落としかけた探索者達の目は不思議と輝いています。
それは、怪事件に遭遇した探偵の性ともいえるものでしょう。
「ぼくが付いていれば、市内ならご自由に行動して構いまへん。……実は、貴方達のお噂はかねがね聞いて憧れてたんです。磯部警部には言わんといておくれやっしゃ。あん人はここ(頭)が硬おすさかい。
で、手腕を発揮して事件を解決したら早う自由になれる思うんです。悪ない提案やとは思いまへんか?」
金井の期待のこもった眼差しに後押しされ、探索者達は独自に事件の捜査に乗り出すことでしょう。

調査

●死体の身元について

金井に聞くと分かる。
名前は日高 美奈子。ファッションモデルを務めており、美貌の持ち主だったという。
172cmの痩せ型である。(=SIZ15)
 

●死体の状態について

金井に聞くと分かる。
死因:失血死
傷跡からは人間の唾液や歯形が発見・検出された。胴には殴打の跡もある。
DNA型鑑定は行われるものの、警察の保有するデータベースとは一致しなかったため手掛かりにはならず。
また、被害者が生きたまま食人が行われた可能性がある。
発見時、死後2日経過していた。
 

●類似の事件はないのか

金井に聞くと分かる。
最近、この近くで似た状態の変死体が発見され騒ぎになったという。
そのため、警察は一刻も早い解決を目指し捜査をしている。
類似の事件の件数は2件であり、どれも被害者は外見の良い女性である。
 

●容疑者の目星はついているのか

金井に聞くと分かる。
容疑者の身元が判明しているわけではないが、類似事件の現場で度々目撃される人物がいる。
青いコートで身を包み、顔を隠した怪しい男であるという。
 

●再び現場に向かう

鑑識官たち複数名(5名程度)が現場を調べている。
現場保存のため、近付くことは出来なさそうだ。
しかし、そこに磯部警部がやってくる。磯部に話を通してもらうことで、少しなら現場を見ることができるようになる。
 
現場で〈目星〉成功:事件現場の、鮮血に染まった落葉の下に一枚の紙(メモの切れ端)が落ちている。その紙には、日本語の鉛筆書きで得体のしれない文言が書かれている。
日本語部分を読む(判定不要)と、そこには以下の呪文が書かれている。
・《悪霊退散》(基本ルルブP219)
・《似姿の利用》(基本ルルブP275)
(魔導書から黒幕が端的にまとめたメモのため、SANチェックは不要・難易度を上げるなら0/1)
その他にも、紙の端には「Revelations of GLAAKI これだけは店に並べず自分用に買い取らねば」と走り書きされている。
メモの地にはロゴが薄く印刷されており、「書肆(しょし) くれない堂」という店名らしき名前と住所が書かれている。
 
現場から少し離れた所に立っていると、そこへ人が一人やってくる。
代々山の管理をしているというその老人、秦(はた)は探索者達に奇妙な話を伝える。
曰く、この事件は“鬼女のしわざ”だと……
「このご老人、少しばかり気がおかしいさかい、あんまり本気に聞かへんほうがええですよ」
そう耳打ちする金井をよそに老人に話を聞く場合、老人は以下の昔話を聞かせてくれる。
 “昔、京の都に住んでいた女がいた。あるとき、女は病により醜い姿になってしまった。そのせいで周りから邪険に扱われ、近々行われようとしていた結婚の話も白紙となった。そのことに絶望した女はこの山に籠り、山道を通る人間の中でも美しい者を狙って襲い顔を貪り喰う悪鬼になった。この鬼女が人を襲った跡はまるで紅葉の時期のように山を赤く染めた”
老人は、この昔話の鬼女が現代まで生き延び、また人間を襲っていると考えている。
 
一通り話を聞き終わった後、その場の探索者全員に〈聞き耳〉ロール
成功:近くの木の陰で人が動くような物音がすることに気が付く。
音のする方に近付くと、そこには青いコートの人影があった。
探索者達を視認したその人物は、森の奥へ逃げようとする。
 
DEX対抗(受動:9)で成功すれば、その人物に追いつく・捕らえることが出来る。
探索者達に捕まったその人物、林は、はじめは固く口を閉ざしています。
呪文の書かれたメモのことに言及すると、何かに気が付き、観念したように重い口を開きます。
自分の名前は林 海斗であり、幼馴染が邪悪なものに影響されて凶行に及んでいる可能性があると。
幼馴染の秋月 もみじが犯行を行っているかもしれないと勘付いた自分は、彼女の跡を付けて真実を明らかにしようと画策している。このことを打ち明けることで自分も何らかの罪に問われるかもしれないが構わない、彼女を止めてくれと林は探索者達に伝えます。
また、自分はかつて常識では信じられないような事象(=神話的事象)に巻き込まれ、そこで知識を得てしまった。今の秋月と思しき人物からは、その時に感じたような異様な気配を感じるようです。
秋月は現在古書店を営んでおり、そのメモに印字された店が彼女の店のようです。
また、成長によるものかもしれないが、幼いころの記憶にある秋月の顔と今の秋月の顔が明確に異なっていると証言します。以降、林は探索者達と行動を共にすることを望みます。
林は、秋月に彼女の落としたであろう「紅葉のキーホルダー」を渡したいようです。
これについて聞くならば、林は、それは子どもの頃に自分が秋月にプレゼントしたものであると話してくれます。
 
DEX対抗に失敗した場合も、その人物が立っていた場所に行くと足元に「紅葉のキーホルダー」が落ちていることに気が付く。これは拾うことができる。
 

●くれない堂へ行く

くれない堂は宿からも現場の山からも近く、すぐに行くことが出来る。
こじんまりとした店構えだが、マニアックな品ぞろえが期待できる専門的な店だ。
〈オカルト〉か〈知識〉成功:硝子越しに見えるのは、古今東西のオカルトに関連した書物である。
店に入ると人影はなく、カウンターの上に一冊の本が置かれている。
その本は「Revelations of GLAAKI」というタイトルの古い洋書だ。ただならぬ妖気が漂っている。
読むには〈英語〉成功が必要。その本には、邪悪な人間に憑依することもある悪意に満ちた神イゴーロナクとその教団について書かれている。
恐ろしい情報を知った探索者はSANチェック 1D3/2D3 〈クトゥルフ神話〉+7%
(短時間の流し読みで得られる情報や正気度減少・神話技能上昇はこの程度ということにします)
 
探索者が本を読み終わったor行動終了後、店の奥から物音がします。奥に行くと、長身の女性が急いで裏口から外に出ようとしている最中のようです。林を連れていた場合、彼女が秋月であることがわかります。後を追うことでクライマックスに入ります。
店に入らなかった場合、店の周囲で〈目星〉成功:裏口から飛び出していく女性を発見する。林を連れていた場合、彼女が秋月であることがわかります。秋月を追いかけていくことで下記クライマックスに入ります。

クライマックス

探索者達と金井、そして容疑者である秋月は山中の崖に立つ廃寺の、清水寺にあるような木造の舞台に辿り着きました。
秋月は美しい顔をゆがめ、悪鬼のような表情で追跡者を威嚇しています。
「この女に近寄るな!今こそ邪悪は頂点に達し、我は顕現するなれば!」
その口からは若い女性のものとは思えない恐ろしい声が発せられ、秋の野山に響きます。
そう叫び、威嚇しているかと思うと今度は自らを抑えるように胴を抱きしめ、頭を振り乱します。
「話が違う!私はただ、力を借りるだけだと…世界に復讐するだけだと……!」
今度は、外見と印象の一致する女性の声でそう叫んでいます。
一人の人間の内部で二つの意識が戦っているような様子を前に、探索者達は――
 

●《悪霊退散》の呪文を使う

本来ならば丸一日かかる呪文だが、林が仲間にいる場合、彼の持っている「悪鬼除けの呪い人形」の効果で大幅にかかる時間を短縮できる。林はこの使い方を知っており、かつPOW対抗時に自らのPOWを施術者に半分提供するアシスタントとして呪文に協力するだろう。
成功すれば①グッドエンド
 

●林が声を掛ける

「もみじさん!」
林の声を聴いた秋月?ははっと探索者達の方を見る。
「海斗君…なの?」
女性の表情から邪気が消え、驚きの眼差しで林を見る。
「憶えていてくれたんだね。顔が変わっても、やっぱりもみじさんだ。僕の…好きな」
最後の言葉を聞いた秋月は目に涙を浮かべる。
「私は…なんてことをしてしまったの。嫉妬、復讐、そんなものに身を焼かれて、挙句こんなことになるなんて……」
林は声を掛け続ける。
「まだ間に合う!僕たちが貴方を助ける。だから、こっちへ来てください…!」
その声に大人しく従う秋月。《悪霊退散》を行うことが出来る(前述同様の処理)
失敗した場合、①ノーマルエンド
 

●林不在で「紅葉のキーホルダー」を見せる

秋月は古びたそのキーホルダーを目にすると、動きを止めた。
「どうして…おまえらがそれを……」
「私、何してるんだろう?海斗君、ごめんなさい…」
女性の表情から邪気が消え、驚きの眼差しでそれを見る。
「私は…なんてことをしてしまったの。嫉妬、復讐、そんなものに身を焼かれて、挙句こんなことになるなんて……」
彼女は探索者達に罪の告白をし、崖から離れて静かに歩み寄ってきた。
ここで《悪霊退散》を行うことが出来る(前述同様の処理)
失敗した場合、①ノーマルエンド
 

●秋月を攻撃する

1ポイント以上のダメージを与えると、彼女の姿が変化する。
体格はそのままだが、顔はモデルのような美形から普通くらいの別人になる。
(《似姿の利用》の効果が解除され、本来の姿に戻った状態)
彼女はその姿を見られたことに対し怒り狂い攻撃してくることだろう。
秋月との戦闘フェイズへ。
ノックアウトした場合はそのまま《悪霊退散》を試みることが出来る(前述同様の処理)
呪文に失敗したり、ノックアウトせずに耐久値を1/3以下に減らした場合、その隙をついてイゴーロナクが彼女を完全に乗っ取ってしまい③バッドエンド

エンディング

①グッドエンド

秋月の身体から力が抜け、その場に倒れ込んだ。
その全身から、白い靄のようなものが立ち上っていく。
靄は頭部のない巨人の姿を一瞬とったかと思うと、呪詛の言葉を吐き捨て掻き消えた。
靄が消えると、秋月が目を覚ます。
その表情は穏やかだが、後悔の陰が落ちている。
「私は、かつて容姿の事で辛い目に遭ったことから外見主義の世間を恨み、また同時に自分の持っていない美貌を持っている人間を羨み生きてきました。ある日、自分の店で買い取った本の中に信じられないような呪術や邪な神のことを見つけ、気が付けば私は多くの無関係な人間を……
過去のことがあれど、邪悪な力に中てられていようと、この罪は決して許されることではありません。これから先、どれだけかかっても罪を償っていこうと思います。
……こんな望みは許されないと分かっているけれど、私の命が終わるときでいいから、その時に誰か一人でも心から祈ってほしい。そうしてもらえる可能性があるのは、海斗君、貴方だけだと信じてもいいですか…?」
後からやってきた磯部ら警察に連行されながら秋月はそう呟いた。
林の返事は、言うまでもないだろう。
秋月の背中を見送ってから、林は改めて探索者達に挨拶をする。
「皆さん、本当にありがとうございました。皆さんの運、お力が無ければ秋月…いえ、もみじさんは今頃……
幼馴染が凶行に走ってしまったことは悲しいですが、彼女が人間として罪に向き合うことができたことは不幸中の幸いと思います。
僕もこれから、取り調べを受けるため警察へと向かいます。皆さん、どうかお元気で」
探索者達は奇妙で恐ろしい出来事に翻弄された彼らを見送る。
「いやぁ、まさかこんなことになるとは思いまへんでした。ぼくの中のあなたたちの評価が、名探偵改めオカルト探偵に変わったかも…なんて。ははは冗談ですよぉ。ともかく、ここはぼくら府警に任せてごゆっくり観光なさっとおくれやす。せっかく紅葉も見ごろなんやさかいに」
金井は探索者達にそう伝えると、林の背中を押し去っていった。
 

②ノーマルエンド

増幅された悪意から一瞬解放された秋月は、自らがもはや邪神に完全に乗っ取られる寸前であり助からないことを悟るとそのまま崖から身を投げる。
器の死により顕現できなくなったイゴーロナクはその場に現れる可能性は無くなった。
しかし、真犯人の死により事件は迷宮入りし、その真相を知るのは探索者達の一行のみになってしまった。
(林がいる場合)林は恋する人を止められなかったという激しい後悔からその場に頽れ、泣き止むことは無かった。
 

③バッドエンド

秋月の身体は内部から破裂するように大きく膨らみ、探索者達の目の前で白熱する頭部のない巨体となりはてた。探索者達の方に突き出した掌には唾液を滴らせる口が二つ開いており、嘲笑と呪詛を絶えずまき散らしている。
異様な光景を目撃した探索者達はSANチェック 1/1D20
以下、イゴーロナクとの戦闘になる。
ほぼデッドエンドだが、万一逃げ延びた場合はそのような演出を行うこと。
 

④未解決エンド

条件:劇中まったく手掛かりに辿り着くことなく一定の日数(だいたい3日)が過ぎた場合
同様の事件が再び起こり、軟禁中に事件が起こったことを証拠に探索者達は解放される。
何もわからないままに京都を後にする探索者達。
帰りの電車から振り返り見た古都は、全てを燃やし尽くす情念のような紅葉の赤に包まれていた。
(秋月は人知れず完全にイゴーロナクに乗っ取られ、以降も奇怪な事件は続く)

クリア報酬

グッドエンド 正気度回復 1D6
ノーマルエンド 正気度回復 1D3
バッド・未解決エンド 無し
どのエンドでも生還した場合は、作中の物品や呪文の知識は全て引き続き持ち続けることが出来ます。

真相Q&A

Q.1 老人、秦の語った伝説とはいったい何だったのか?
A.1 作中世界において昔から細々と語られてきた鬼女伝説です。実在の伝説「紅葉伝説」から名称や女性の鬼という点をモデルにしましたが、かなり違うためほぼほぼオリジナルの伝説です。このシナリオ中で起こる事件と重なる部分があるのはたまたまであり、作中人物が作為をもってなぞらえているわけではありません。物語の補助線、「そういうこともあるかもしれない」というオカルティックな考えへの誘導のためのサブストーリーです。
Q.2 もみじと海斗の関係は?
A.2 二人は幼馴染であり、同年代の皆から冷たくされていたもみじに唯一好意を抱いていたのが同級生の海斗です。もみじは辛い境遇の中にあったためその好意にすら疑いを抱き、はっきりと向き合うことが出来ませんでした。高校以降は長らく会っていなかった二人ですが、海斗はもみじを思い続け、事件が起こってしまった時も直感的に彼女と関連付けたほどです。
Q.3 海斗の遭遇した神話的事象とは?
A.3 内容は特に決めていませんが、そのことでアーティファクトや神話技能を手に入れてしまったという設定のための背景です。掘り下げて聞かれた場合に備え事前に決めておくのもよいでしょう。
Q.4 MP消費等を考えると、秋月はそう何度も《似姿~》の呪文が使えるのか?
A.4 イゴーロナクに半分憑依された状態であったため、神格が更なる堕落を促すために自らの魔力を貸していたと考えられます。そのため、一人の人間では難しいような術や犯行が行えたということです。(オリジナル色の強い解釈です)

あとがき

クトゥルフ神話TRPGシナリオ三作目は秋のミステリードラマ風です。
春(「桜嵐の隠す村で」)、夏(「サマーキャンプ・アット・イエローレイク」)ときたら秋もせざるを得ないでしょう!冬も考えています(ネクストクトゥルフズヒント:椿)
短めに、かつNPCの人間関係をドラマティックにし、体感できる2時間ドラマ風に仕上げました。
ミステリーのお約束的な動きややるせない物語を、名探偵となってお楽しみ下さい。
方言は下記の変換サイトを参考にしましたが、ネイティブではないので間違いもあるかと思います。
その他の細かな設定も含め、大筋を変えなければ実際にプレイするKPの裁量で変更・改良して遊んでください。
また、キャラクターの立ち絵等につきましては、お手数ですが任意にご用意いただければと思います。
NPCの外見の良し悪しという要素もシナリオに関わってくる物語ですので、プレイされる方に合わせてその辺りの表現はご配慮いただければと思います。
もし動画や小説等のリプレイを作られる場合は、ご一報いただければ幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
お気に召しましたら、過去二作もチェックいただければと思います。そして次回作もご期待ください。

参考文献・HP

・恋する方言変換
https://www.8toch.net/translate/
・紅葉伝説(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%91%89%E4%BC%9D%E8%AA%AC

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小説や絵の一次創作作家活動をしています。 最近以前から計画していたTRPGシナリオの作成を始めました。 日々勉強ですが、当方のシナリオで楽しんでいただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。

https://twitter.com/daydream_blanc

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