2021年02月04日更新

サンチ

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~4人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

【概要】
・現代日本半クローズドシナリオ
・第6版に対応、7版対応ver.は別途投稿予定
・推奨人数2人〜4人
・PCは成人しており何らかの職についている
・一部戦闘に特殊処理あり
・旧支配者の一柱あり
・推奨技能 通常の探索技能及び回避
・神話生物に独自解釈を含む
 
【注意】
・回避が低いとロスト率が高くなります。
・親族や恋人などのNPCが確定でロストします。
・PCの数に応じてNPCが増え敵の数も増えます。
・探索パート少なめです。
 
【あらすじ】
不思議な夢に導かれるままにとある村に集まった探索者たち。探索者たちは自身に定められた運命を乗り越えて見事生還することはできるのか。

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ストック

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コメント

【CoCシナリオ】

「サンチ」

 
 

KP向け情報

・寓羅村(ぐうら)村
 PCたちが黒幕「グラーキ」の夢引きとそれに操られている「グラーキの従者」たちの工作により集められる山形県△市の山中にある村。高い山々と寓羅湖に囲まれた小さな村である。
寓羅湖にはグラーキが潜んでおり、日本中から夢引きにより従者候補を村に引き寄せて洗脳している。
 
・システム上の注意
 このシナリオでは開始直後各々に1D4のダイスロールを行ってもらいます。これは最初に見る夢の内容を決めるとともに各PCの{大切な人}を決めるロールでもあります。ダイスロールの仕様上、PLの数が多いと状況が被ってしまう場合があるかもしれません。その場合は多少状況を弄ってみたりしてください。またNPCの名前は一例ですので自由に変えてもらっても構いません。
 


本文

〈金曜の早朝〉

探索者は夢を見ている。
(1D4で夢の内容を決める)
 
1:同僚の佐々木が会社のデスクで電卓を打っている後ろ姿を眺めている。こちらの様子など一切気にする様子もなく、ただひたすらに電卓を叩いている。
そんな風景をしばらく眺めていると佐々木に姿に変化が起こる。
肌がだんだんと青白く変色していき、生気というものがみるみるうちに失われていく。背中からは棘のようなものが生えてきて、骸骨のような手にその指には信じられないくらい長くヒビ割れた爪がついていた。
探索者はアイデアロールを行う。
成功するとこの惨状を認識して正気度喪失0/1D3
失敗するとこれは夢であると認識して正気度減少はなし。
佐々木“だったもの”がこちらを振り返ろうとしたその時、目が覚める。
 
2:鬱蒼とした森の中を歩いている。周りに人の気配はない。自身がなぜここにいるのか、そもそもここはどこなのか、一切の心当たりがない。
しかし何か不思議な力に導かれるかのように自分の意志とは別にその歩みが止まることは無い。
しばらく歩くと大きな湖が現れる。深い霧に包まれその全貌は見通すことができない。湖畔に無限に押し寄せるさざ波の音だけが不気味に反響している。
その時湖の中央で巨大な水しぶきが上がる。湖の奥底の方から何かものすごく嫌な瘴気を纏った物体が浮上してくるのを肌で感じる。その"何か"が水面に顔を出そうとした瞬間に跳ね起きる。
 
3:インターホンを鳴らす音がする。届いた荷物の差出人の欄には妹の名前が書かれている。
箱の中には大量の林檎が入っていて、林檎の品種は見てわかるだけでもさまざまである。
そのうち林檎が箱の中から勝手に溢れ出し、部屋をどんどん埋めつくしていく。視界が林檎の大群で埋めつくされて、真っ暗となった時に目が覚める。
 
4:見知らぬ場所にいる。テレビ局のセット…のような場所。と言うかまさにそのものだ。テレビでよく見るような華やかなスタジオ。撮影用の大きなカメラにライトなど。
しかしそれらはすべて異様なまでに荒らされて散らかっている。
その時天井にぶら下がったスポットライトの明かりがつき、探索者を照らす。その明かりは非常に眩しく、思わず目を瞑ってしまう。
次に目を開けた時、そこは自室のベッドの上であった。
 

〈金曜の朝〉

1→嫌な夢を見てしまい気分が憂鬱であるものの、仕事はサボるわけにはいかない。今日が終われば明日から連休である。
会社に着くと隣の席の佐々木は彼のデスクで電卓を打っていた。今朝の夢を思い出し、しばらくその姿を見つめるも特に何も起こらない。視線に気がついた佐々木は不思議そうな表情を浮かべている。

そのまま何事もなく1日を終えようとしていたとき、上司が慌てた様子でやってきて話しかける。どうやら営業先で重大な失態を犯してしまったようで、明日の朝一番に佐々木と一緒に謝罪に行ってほしいとのこと。彼は渋々ながらも了承している。指定された新幹線の時間は朝の9時。また営業先の住所は山形県△市寓羅(ぐうら)村。ちなみに上司は上司で別のところへ謝罪に行くらしい。
 
 
2→奇妙な夢を見て、早朝からどっと疲れた気分がする。スマホを見ると彼女からメッセージが届いていた。
内容は明日からの連休を使って行くことになってる、彼女の実家への訪問について。最近両親が引越しをしたらしく、手伝いに来て欲しいとのこと。
『明日の朝9時の新幹線に乗るんだからね!寝坊しないでよ!』
 
 
3→林檎にうもれる不思議な夢を見て決して気持ちの良い目覚めとは言えないだろう。
仕方なく今日も仕事へ向かうこととする。

仕事終わり、帰宅してポストを覗くと手紙が入っている。妹からであった。
封を開けるとそこには新幹線のチケットが入っている。妹は去年の春にど田舎の「寓なんとか村」へ引っ越した。妹は昔からかなりの寂しがり屋でことあるたびに会いたがっている。新幹線の時刻は明日の9時である。
 
 
4→まだ意識が曖昧としている。

適当に午前中を過ごしたのち、午後昼休憩の間に大学時代の友人からメッセージが届く。
名前は八代。テレビなんかによく出ている最近話題のタレントだ。どうやら最近悪夢に悩まされているらしく、解決を手伝ってほしいとのこと。八代によると解決の鍵は山形県△市の寓羅村にあるという。また八代は今日はずっと仕事があるようで、明日の朝から行きたいと言っており、集合は朝の9時だ。
 
 
 

〈金曜の夜〉

探索者たちは夢を見ている。

見知らぬ道を歩いている。1人だ。周りには誰もいない。
ここは村?なのだろうか、道の脇には民家が立っている。しかし人の気配はなく扉も開けることができない。
一本の長い道がある。自身の向く方向には大きな湖が見える。反対側は引き摺り込まれるようなただ深い暗闇。立ち入れば二度と帰ってこられなさそうだ。
 
しばらく歩くと湖のほとりにいくつかのモニュメントのようなものが乱立しているのが見える。
もう少し近くと自身の背丈より少しばかり高い十字架であった。あのイエス・キリストの絵でしか見たことのないような十字架である。
十字架は{PLの数}個あり、見知らぬ人に混じって{導入に出てきた人}が磔にされている。(1の人なら同僚、2なら彼女。3は妹、4は依頼主。
なお、PCたちは見ている夢の内容が同じなだけでその場に全員がいるわけではない。同僚も彼女も磔にされているが、1の人から見れば同僚は知り合いに当たり彼女は見知らぬ人に当たる。なお以下「大切な人」と記す。)
 
十字架から降ろそうとさらに駆け寄ってみたところで絶望を目の当たりにする。真正面から見ると十字架から突き出た針状のものが磔になっている人々の胸元を貫いているためだ。到底生きてはいないだろう。
<アイデア>に成功するとその様子を間に受けてしまい正気度が1/1D6減少する。失敗するとこれは夢であると認識し、正気度ロールを回避できる。
 
 
 

〈土曜の朝〉

汗だくで目が覚める。
起きるには少しばかり早いがまたあの夢を見るのかと思うと寝付けない。
 

〈土曜の昼〉

探索者は紆余曲折ありながらも全員が寓羅村へ集まるのであった。
各々に面識があるかどうかはわからない。しかし面識がない場合においても、こんな辺境の村で同じ日に明らかに出身でない都会の人に会い興味を抱くであろう。
※この寓羅村に外部から人が訪れるのは年に数回程度
 

<アイデアor目星など>で各PCの隣にいる人物が昨晩夢に出てきて磔にされていた人物であることに気がつく。
自分たちの出会いは偶然ではないようだ。
 
 
寓羅村
寓羅村は三方を山に囲まれ、残り一面を寓羅湖と接した自然豊かな村である。また盆地になっているため夏は比較的暑くなる。しかしそんな気温や降水量の条件などが相まって果実の生産には長けている。この村は主に山の斜面での「林檎」の生産が盛んのようだ。
また村の構造について
村への唯一の入り口である峠の道から一直線に寓羅湖まで道が伸びており、その道の脇にはいくつかの民家が建っている。
 
もし道中に村についてネットで調べたり村の中でも例えば文献を漁ってみたりした場合には上記の情報を与えるほか、
「この村が一度滅び、再び作られた村である」雰囲気を醸し出すため『ある一時期の記述だけがすっぽりと抜け落ちている』や
「従者候補を積極的に呼び寄せている」雰囲気を醸し出すため『移民や観光客などを積極的に呼び寄せている』などといった描写をつけるとよい。

PCらの用事がある程度済んだ時点でイベントが発生する。
探索者らは村の構造上何度か中心の道ですれ違ったりし、今回もその道にいる。

現在の季節は夏。平地に位置している東京と違い、かなり暑い。またこの季節はりんごの収穫の時期でもあるという。
それもあって、一年の中でもこの村が活気にあふれる時期でもある…のだがやけに静かである。
メインストリートとも言えるであろうこの道に村人と言える人の影が1人たりとも見当たらないのだ。
 
すると、どこから現れたのか探索者らの脇を腰を深く曲げ覚束ない足取りでヨボヨボと歩く老人が通り過ぎていく。
老人は探索者らに目もくれず、一直線に湖の方へと向かっていく。
その老人はこんなにも暑いというのに目深に唾の広い帽子を被り、明らかに真冬用のダッフルコートを羽織っている。まるで日光に当たるのを避けているかのようだ!
また聞き耳(聞き耳の成功は五感の鋭さも含む)の成功により老人とすれ違った時、吐き気を催すようなひどい腐敗臭がするのを感じる。声をかけても反応はしない。ただ一心に湖の方角へ歩いていく。
 
肩を叩いたり進行方向を塞いで呼び止めると老人はゆっくりと顔を探索者の方に向ける。
その顔はまさにゾンビ映画で見るような腐った死体そのものであった。顔の皮膚はところどころがただれ、そこから覗く体組織は腐敗し変色している様子が読み取れる。この未知の怪物と遭遇した探索者は1/1D8の正気度を喪失する。
 
その老人…に見えた“何か”は探索者の姿を認めると敵意をむき出しにして襲いかかってきた。
戦闘開始。

Enemy
グラーキの従者、下級の奉仕種族
STR 12 CON 20 SIZ 13 INT 13 POW 11 DEX 3
耐久力 17 DB +1D4
武器:組み付き 20% ダメージ:特殊
   小鎌 40% ダメージ:1D6+1+DB
装甲:なし
呪文:なし
技能:忍び歩き 35%

 
戦闘後動かなくなった“何か”の遺体を探る。
まず<目星>を行い以下の情報を得る。
・着ていた服がはだけ日光に晒された部分が崩壊しつつあるのがみてとれる。日光の元で解剖などを試みた場合遺体はすぐ塵となって消えてしまうだろう。
なお目星に失敗した場合日光の元で解剖を試みることになってしまい、服などを脱がした瞬間遺体は消えてしまいなんの情報も得られない。
 
以下追加情報
・体の内部器官、臓器などは全く機能している様子がない。特定のロールに成功すれば死んでからかなりの時間が経っていることがわかる。
・腹部から胸部あたりにかけて青白く変色した手術痕ようなものが見て取れる。といってもその痕はひどく適当でとても太い注射で刺された後に、素人がその痕を縫い直したかのようである。
・その他グラーキの洗脳を受けたと思わしき証拠などがあれば適宜。
 
 
もし検死後、探索者らが湖の探索へ行こうとしている場合その場にいる各NPC(彼女や同僚など。各々の大切なひとたちはついてきている想定をしている。)がもう襲われたくないから、とりあえず誰かの家に避難しないかと言う。(ここでは3のPCの妹の家に行くと仮定して描写する。各々の状況に合わせて調整してほしい。)

 

〈土曜の夕方〉

家に入りお茶を出されるも、あんな怪物を目撃した直後飲む気にならない。お互いに何も言い出せずただただ重い沈黙の時間が流れていく。

また会話の話題として先ほど襲われた話を持ち出すと各大切な人が非常に嫌な顔をする。どうやらその話題を持ち出して欲しくないようだ。会話を逸らしたがる素振りを見せてもよい。
  
ここで改めて各PCにこの村へ来た手段を確認する。ちなみにバスなどの公共交通機関は通っていない。大体は自家用車かタクシー、もしくは徒歩となるだろう。もし自家用車を使って帰ろうとしたPCがいるならば、車が壊されていることに。
徒歩で山を下るのは現実的ではない。特にあの怪物に襲われた直後。
その夜は村に泊まっていくしか選択肢がないだろう。
 
 

〈土曜の夜〉

探索者たちは夢を見ている。
 
昨日と同じ、見知らぬ道を歩いている。いや、違う。この道は知っている。今日の昼に歩き、怪物と出会った道だ。
なおPC全員が同じ夢の世界に集結している。改めて自分たちが同じ村で同じ日に出会ったのは決して偶然ではなかったと認識できるだろう。
真っ直ぐ湖に続いている。反対側は相変わらず戻ってこられなさそうな深淵である。
 
昨日と同じ湖畔に出る。曖昧になりつつあった記憶を頼りに昨夜十字架のあった場所へと歩いていく。
そこにはやはり昨日と同じように十字架にかけられた大切な人、に加え新たに{PCの数}の無人の十字架が立っていた。
 
目が覚めろ、目が覚めろ、これは夢なんだ。と心の中で祈るが何も起こらない。
その時激しい揺れとともに湖の中央に巨大な水柱が現れる。
そこから生じた巨大な波はPCたちを飲み込んで…
 
 
目が覚める。時刻は午前3時。
探索者たちは同時に目が覚めて跳ね起きる。全く同じ夢を見て意識を共有していたことに正気度減少を課しても良い。
 
と、ふと異変に気がつく。それぞれ行動を共にしてきた大切な人がいない。
家を出る。あたりは耳鳴りがするほど静かで街灯などはないために真っ暗だ。
 
 

〈土曜の深夜〉

あの夢に何か意味があるのであれば、寓羅湖になにか鍵があると考えるのは自然である。
 
寓羅湖
寓羅湖。何度か夢の世界で見てはいるものの実際にこの目で見るのは初めてだ。夢で見ていたよりも遥かに広くて対岸は完全なる闇に包まれて全く様子が窺えない。そよ風が湖の水面にさざ波を立てる。いつもは気持ちよく感じる夏夜の風も今日はなぜか不気味に感じる。

目星などに成功しても特に情報を得られない。逆に不自然だと感じるほどなにもないのだ。強いて言うならば、真夏というのに虫等を含めた生き物の気配が全くしない。
 
しかし、しばらく歩くとそれはあった。
そう、十字架。
そして改めて探索者達は絶望を味わうこととなる。磔になっている大切な人たち。今度は夢じゃない。頭の中では否定していても肌に伝わる感触は現実そのものだ。
SAN値チェック1/1D6
 
夢の内容を必死で思い出す。次に起こるのは…そう、水柱だ。目を湖の方向へ向けると『それ』はもうそこにいた。
 
その姿は巨大なナメクジのようだ。しかし顔と思わしき部分からのびた三本の管の先には黄色い目玉が付いており、こちらの様子をギョロリと睨みつけている。また体の上部には無数の棘が生えており、下部には白い三角形状のものが付いている。あえて一般的な生き物に当てはめて推察するならば差し詰め足といったところだろうか。
明らかに人智を超越した存在との遭遇に探索者達は1D3/1D20のSANチェックを行う。
 
その巨大なナメクジは湖の中央に浮かんでいたが、突如体を震わせて奇妙な音を発した。
すると、磔にされている死体の一つが目を開ける。それに続きそこにあった死体が続々と目を開け、十字架から降りてこちらへ向かって歩き出す。確かに意識はあるようだが、その瞳に意思はない。まるで操られているかのようだ。死んだ人物が再び動き出す、及びそれが探索者にとって大切な人であったことより、探索者は1/1D8の正気度を喪失する。
意思を失ってしまった傀儡どもは迷うことなく探索者たちに襲いかかってくる。
 
戦闘開始。
この戦闘では特殊ルールを採用する。
1ターンで約30分経過するとし、現在の午前3時から朝日が登る午前6時まで計6ターン生き残ることで勝利できるものとする。
またその場にいる{PCの数}体の従者を全て倒し切ってしまった場合においても戦闘終了とする。グラーキ本体には攻撃が多分届かないし、届いたとしても倒しようがない。
また攻撃行動を取った後に回避したりしても良いものとする。
(ターン数に関しては目安。KPの裁量やPCの数によって適宜調節してください。)

Enemy
グラーキ、湖の住人
STR 30 CON 60 SIZ 90 INT 30 POW 28 DEX 10
耐久力 75 DB なし
武器:棘 50% ダメージ:3D10
装甲:40点の外皮。それぞれの棘は、4点の外皮と、6点の耐久を持っています。
呪文:キーパーが適切と思うもの全て。

 
グラーキは毎ターン棘で攻撃してきます。
3D10のダメージに耐えた場合のみ生存が可能です。
また3D10のダメージで対象が死亡してしまった場合、次のターンを従者化の液体の注入に費やします。
 
 
グラーキの従者、下級の奉仕種族
STR 12 CON 20 SIZ 13 INT 13 POW 11 DEX 3
耐久力 17 DB +1D4
武器:組み付き 20% ダメージ:特殊
装甲:なし
呪文:なし

グラーキの従者は探索者らに組み付きをしてグラーキの棘が当たるよう誘導する。組みつかれた探索者はグラーキの攻撃を避けられない(適宜難易度の調節をお願いします。即死がほぼ免れない状況になりかねないので回避の難易度が上がるとかでも結構です)。
 
 

〈日曜の朝〉

 
時刻は朝6時。携帯電話のアラーム音が鳴り響く。湖の水平線から明るく輝く太陽が昇ってくる。その光を浴びた人間大の怪物らは苦しみだし段々と歩みが遅くなったかと思うと遂には一歩も動かなくなる。そのまま倒れ込むとその体は灰となって消え去ってしまう。
 
湖の怪物は魔力の供給源が尽きたことで苦しみ出す様子を見せる。そして再び湖の中へ大きな渦を発生させながらその大きな体を沈めていく。
この時湖畔にいる探索者は<幸運×5>を行う。失敗した場合、沈みゆく巨大生物の起こす渦に巻き込まれ湖の中へと引き込まれてしまう。
 
 

エンディング

もし途中逃げ出す探索者がいた場合村に潜んでいる他のグラーキの従者の大群に殺されていてください。
 
またグラーキの針に刺され死亡した者は従者として蘇りグラーキに遣えることとなるでしょう。
 
探索者らが全滅してしまった場合も全員が従者として蘇りグラーキの従者として、また別の人物をこの村に呼び込む役目を担うこととなるでしょう。
 
なんとか生存を果たした探索者らは昇りゆく朝日の光に包まれて意識を失いその場に倒れ込むのであった。
 
目が覚めると白い天井が目に入る。山形市内の病院へ搬送されたようだ。
生き残ったPCらしか生存者はいないようで、各々の大切な人の行方はわからない。
 
後日インターネット等で寓羅村を検索してもても該当がない。
万が一、再び訪ねようとした探索者がいても村に入る唯一の道であった峠の道は閉ざされ立ち入ることは叶わない。

生存を果たした探索者らはもう悪夢に悩むことはなくなった。が、一連の事件が探索者らに与えた精神的ダメージは計り知れないだろう。もしかしたらあのままあの時棘に刺されて死んでいたら…?永久に時間を共有できたのかもしれない。
 
 
クトゥルフ神話TRPGシナリオ「サンチ」 完


 
 
以下Q&A
 
Q.寓羅村とは
グラーキが自身の信仰者を作るために創り出した村。恐らく数百年前には別の名前の普通の農村として存在していたのだと思われる。それを湖に潜んだグラーキが乗っ取り、村人全員が従者へと変貌。事実上村が滅んだこととなる。
しかし魔力不足に悩むグラーキが従者や夢引きを使い各地から移住者や旅行客を呼び寄せていた。
最近老後の安定を求めた移住なんかは珍しくないし、逆にベンチャー系企業なんかが田舎の農村にオフィスを構える例もあったりする。
ただ村に入ったが最後従者にされて終わっていたので存在を知るものはほとんどいなかった。
新たに従者にしたものを使って新たな人を呼び寄せる。そうして芋づる式に信仰者を増やしていた。
 
今回生還者がいたことで、グラーキは存在が口外されるのを恐れ寓羅村に見切りをつけたものだと思われる。
 
 
Q.彼女らはいつから従者に
PCらの前日。朝会った時にはすでにアンデット化していた。
気づいていない(ただの悪い夢としか思っていない説)のだと思われる。ただ潜在意識的に日光を避けるようになっており、何かにつけて日陰を歩いたり室内へ入ろうとする。
 
ちなみにWikiなどではグラーキの従者が日光に弱くなるのは60〜70年後とあるが、参考した文献によって「緑の崩壊」のことを従者が自然に崩壊することであるとしたり、太陽光によって崩壊することとしたりとさまざまであったので、
今回は独自解釈を織り交ぜて出来て1日の従者でも日光に弱いとしました。ご了承ください。
 
 
Q.なぜりんご
たべるんごのうたの旧支配者のキャロルアレンジにインスピレーションを受けて構想を思いついたため。
 
 
Q.タイトルの意味
例の動画のコメント「産地直送」に絡めて冒頭で4つの「サンチ」に関わる夢引きを行い、それを含めて伏線にする予定ではありましたが、理想通りにはなかなか書けるものではありませんでした。


最後に
そのうち後日談的なシナリオ書くかもしれないです。
初投稿につき、拙い部分などあるかもしれませんが多めに見てもらえると助かります。

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