2021年2月に発売された商業版歯車の塔の探空士(スカイノーツ)の短いシナリオです(フライトマップ1、戦闘クエスト1)。
サンプルシナリオの約半分のボリュームです。実卓ではテキストセッションで船作り&休憩込みで5時間弱でした。
短時間でサクッとやりたい時、初心者同士でルール確認がてら遊びたい時などにどうぞ。
依頼:新たに発明された無人飛空艇の試験飛行を、発明家本人と共に見守ってほしい
プレイヤー人数:3-4人
キーワード:ドタバタ、迷発明
時間:テキストセッションで3-4時間前後(船作り込みで5時間程度)
発明ギルドの若き天才発明家が、無人飛空艇を開発した
さっそく試験飛行(という名目の、スポンサーたちを招いた盛大なお披露目パーティー)が行われるが、無人飛空艇は雷による誤作動を起こし、ヴィクトリア・シティを攻撃してしまう
何と発明家は、スポンサーである軍から大金を得るために、無人飛空艇に武器を搭載していたのだ!
君たちは無事に無人飛空艇を止めることができるか!?
発明ギルドの若き天才発明家
テンション高くちょっと常人離れしたところがあるが、そこまでマッドサイエンティストにもなりきれていない。ややドジ
(モダンタイムズ・女の想定ですが、お好きな設定でどうぞ)
・キャラクター作成
・飛空艇作成
・船長を決める
・船名を決める
「新しいこと、というのは常に胸躍るものだ
それが、皆をあっと驚かせるような新発明ならなおのこと
だけど、新しいってことは、予測がつかないってことでもある
若き発明家の挑戦がもたらすのは、夢かそれとも――
濛々と吹き上がる蒸気と黒煙の風に乗って、さあ、冒険の旅に出よう」
航空ギルドは今日も喧噪に満ちてにぎやかだ。
ギルド職員や、依頼を受けた探空士たちが忙しそうに行き交う中、技師たちが設計図を広げて議論していたり、ジャンク屋が謎のネジやパーツを売りつけようとしていたり、暇な連中が賭けカードに興じていたり、軽食屋が新聞に包んだフィッシュ&チップスを売り歩いていたり。
そんな感じでみんな自由だけど、君たちは今どんな風に過ごしてる?
(自由にRP)
そんな感じですごしていると急にギルドの扉が ばたん! と大きな音を立てて開く
ミミー「失礼する!!」
ミミー「うん!よし、君たちにしよう。光栄に思いたまえ!!!」
ミミー「自己紹介がまだだったな!失礼した。私があのミミー・パンノだ!はじめまして!!」
ミミー「あっその顔は私を知らないな!?あの殺人光線開発にもかかわった発明家だぞ!」
ミミー「実はな!君たちに頼みがあるんだ。依頼を受けてほしい」
(以下の情報を伝える。PLさんのノリで好きなように伸び縮み可)
人間が直接操縦しなくても自律駆動できる、完全無人型の飛空艇を作った
今回、出資してくれたスポンサーたちを集め、無人飛空艇の試験飛行…という名のお披露目パーティーを行うことになった
本来なら、彼女は無人飛空艇に乗り、試験飛行を観察するつもりだった
ミミー「しかし私はそこで気づいてしまったのだ!無人飛空艇は無人なので、人間が乗る構造になっていない!!!」
ミミー「そこで君たちに頼みがある」
ミミー「私を乗せて、無人飛空艇が飛ぶのを追ってほしい」
ミミー「ああ、追うと言っても、普通に飛んでくれて構わない。気流や天候に応じて、無人飛空艇が君たちプロと同レベルの判断できるかどうかのテストも兼ねているからな」
ミミー「依頼料はこれくらいだ。どうだ?今回は気前の良いスポンサーがついてくれてね!これくらいは出せるぞ!」
そう言って、相場よりかなり多めの金額を告げる
(PCが依頼を受けたら)
ミミー「ははははは!そう言ってくれると思っていたよ!!!すばらしい!感謝する!」
ミミー「いや良かった間に合って!今朝まで徹夜で電気系統と格闘していたところだからな。パーティーに間に合わなかったらどうしようかと思っていた!」
ミミー「ああ、安心してくれ!風呂にはちゃんと入ったから臭くはないぞ!!ははははは!!」
ミミー「披露パーティーは1時間後だ。すぐに港に来てくれたまえ!」
というわけで君たちは慌てふためきながらパーティー会場へやってきた。無人飛空艇を一目見ようと、出資者らしき人々が大勢集まっている。
貴族や裕福な商人らしい、身なりのいい人々に混じって、軍服姿の一団も見える。
肝心の無人飛空艇は、外から見る分には、普通の小型飛空艇だ。お決まりのあいさつや乾杯を済ませた後、無人飛空艇はプロペラを回し、滑るように空へと進みだした
ミミー「さあ、アレを追って君たちも飛んでくれたまえ!」
PCが出発したらフライトフェイズへ
※NPCはデータなし。倉庫から無人飛空艇の観察を行っている想定ですが、自由に会話してかまいません
P160 サンプルエリア ターゲットを追え!
【リミット5】
無人飛空艇を追ってしばらくたったころ、急に天気が崩れ始めた
厚い黒雲が立ち込め、ぽつぽつと落ち始めた雨は、あっという間に土砂降りに変わった
ミミー「む、雨か。まあ試験にはちょうどいいな。このまま天候悪化時のデータも取ってしまおう」
しかし
轟音と閃光と共に、無人飛空艇が大きく揺れた
「ああ!雷が当たった!」
ミミーが叫ぶ。しかし気を取られている場合じゃない。
空の猛威は君たちの船にも容赦なく襲いかかってくる!
◆雷ダメージ D/3 (回避運動不可)
ミミー「いやはや大変な目にあった…天候は空の旅の脅威だな」
ミミーは双眼鏡で無人機を確認する
ミミー「うーん……黒煙あり、少しふらついているな。雷が当たってしまったか。まあ、一応飛んではいる、と…ちゃんと修理機能が働けばいいが……こういう時、中が見えんのは不便だな」
ミミー「このままぐるっと空をまわってヴィクトリア・シティに帰るようプログラムしている。悪天候の中すまないが、もう少し頼むよ」
到着したら戦闘フェイズへ
試験飛行も終盤だ。悪天候を何とか制した無人飛空艇と君たちの前に、ヴィクトリアシティが見えてきた
帰ってくる無人飛空艇を一目見ようと、港にはまた人々が詰めかけているようだ
――と。
ヴィイイイイイイン、ヴィイイイイイン
突如、無人飛空艇がけたたましいアラームを鳴らした!
『目標地点に到達。目標地点に到達。これより、戦闘モードに移行します』
無機質な音声と共に、無人飛空艇が光線を放つ
人間には当たらなかったものの、光線が当たった塔の端、つまり港が少し焦げてしまった
港は大混乱だ。集まっていた人々が混乱して逃げ回っている様子が見える
ミミー「あー……そうか……しまった」
ミミー「すまん…ええと、いや、実はな。出資者の中に軍のお偉方がいてな。無人飛空艇を軍事転用できれば、植民塔での戦いが有利になるんじゃないかと。そういう研究目的なら倍の金を出すと言われて」
ミミー「どうせ量産化には課題も多いし時間もかかるが、まあもらえるものはもらっとこうと思って」
ミミー「武器を積んで、目的地に着いたら攻撃を開始するよう操舵プログラムを組んだんだ」
ミミー「試験飛行前にプログラムが作動しないようロックしたつもりだったんだが、おそらくさっきの雷で、その」
ミミー「すまん!想定外だ!!」と言ってミミーは君たちに頭を下げる
ミミー「報酬は上乗せする。無人飛空艇を止めてくれ。航行不能にすれば攻撃をやめるはずだ」
【敵飛空艇】無人飛空艇
定員:0 速力:9 燃費:3 耐久度:2(計算上3ですが、PC人数に応じて)
【敵キャラ】
モブ2-3体(PCより1人少ない)
モブ:作業用機器 HP10 移動力3
※初期位置は倉庫。3体以上いる場合は3体目を機関に置く
※敵が避けるとぐだるので回避運動は持たせません
【終了条件】
敵飛空艇の航行不能
ヴィクトリアシティに戻ってすぐでも、数日たってからでも
PCのキャラや戦闘の状況で、お好みで
例)
ミミー「助かったよ君たち」
ミミー「今後はもう少しスポンサーを選ぶことにする。軍からは金はもらわない」
ミミー「……というわけでだ。君たち、私の発明に投資しないか!」
(終わり)
【素材】
飛空艇シート・船パーツ:しいくとうばん https://shiikutoubann.booth.pm/items/2770420
はしご:poyo https://booth.pm/ja/items/2775281
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