2018年10月21日更新

永遠のアリス

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~3人|
  • プレイ時間:

幼女と戯れるクローズド一本道シナリオです。子供好きなPC推奨。
普段通りの生活を送っていたはずの探索者達は、気が付くと見知らぬ広い食堂にいた。そして自分たちを何故か『にいさま』『ねえさま』と呼ぶ、可愛らしい少女の奇妙な誕生日会に巻き込まれる。

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2018/09/17 一部改変、ミス修正
 
 

『永遠のアリス』

 幼女と戯れるクローズド一本道シナリオです。子供好きなPC推奨。
 普段通りの生活を送っていたはずの探索者達は、気が付くと見知らぬ広い食堂にいた。そして自分たちを何故か『にいさま』『ねえさま』と呼ぶ、可愛らしい少女の奇妙な誕生日会に巻き込まれる。
 

=シナリオの使用について=

 改変、作品化(動画や小説など)、常識の範囲内であれば何でもOKです。こちらの許可などもとくに必要ありません。
 作品化の際、元シナリオの作者名(ますじ)をどこかにひっそりと表記していただけたら幸いです。
 改変したシナリオを配布する場合、どこかに元シナリオと作者名を明記してください。
 

=概要=

想定時間:未知数(テストプレイしていません)
形式:クローズド
エンディング:トゥルーエンド、バッドエンド各1種ずつ
PL難易度:★ (よほどのことがなければ生還できる)
KP難易度:★ (一本道なので簡単に回せる)
 
戦闘:あり
SANチェック:厳しめ。後半で怒涛のSANチェックがあるため、不定に入る可能性あり。分析持ちがいたほうがいい。
 
探索者について:知り合いでもそうでなくても構わない。ただしPOWとDEXが低いと難易度が上がる。さくさくクリアしたいなら二桁は欲しい。幼い兄妹や子供などがいるPCはSANにダイレクトアタック
推奨技能:目星、図書館、拳銃、精神分析
推奨職業:とくになし
 

=背景=

 この洋館は偶然にも興味を持って手を貸してきたニャルラトホテプと、シスコ…妹想いの青年、ケリーの執念が作り上げた『アリスのための永遠の誕生日会』だ。
 ケリーには何より愛していた可愛い妹、アリスがいた。しかし病弱だったアリスは6歳の誕生日を迎える前にこの世を去ってしまう。残された兄は妹の死を受け止めきれず、偶然出会った男(ニャルラトホテプの化身)に「ミ=ゴの研究対象となる代わりに妹を蘇らせてあげよう」と唆される。ケリーはニャルラトホテプの力によって自分や両親の体を犠牲にし、アリスの魂と、この館を作ることに成功する。祝うことが出来なかったアリスの6歳の誕生日会を開くことができたのだ。
 しかしその代償として、ケリーとその両親はミ=ゴの脳缶にされてしまう。さらにミ=ゴの洗脳状態になったケリーは、館に人間を拉致してミ=ゴに提供しはじめる。脳缶となった人間はミ=ゴの研究材料となると同時に、アリスの『にいさま』『ねえさま』になるのだった。
 ここでは永年に何度でもアリスの6歳の誕生日が来る。アリスは成長することもなく、沢山の『にいさま』『ねえさま』の『脳』に囲まれて幸せに暮らすのだ。
 

=導入=

 探索者達はそれぞれ、通勤や帰宅などで通い慣れた道を歩いている。するとふと、迷子らしい一人の少女と出会う。彼女は兄を探しているようだ。探索者が少女に声を掛けるか、あるいは少女が探索者を見つけると、彼女は嬉しそうに「にいさま!(ねえさま!)」と叫び探索者に駆け寄る。
 そこで探索者の意識は途切れる。
 
 気付くと探索者達は見知らぬ洋館の食堂に腰かけていた。持ち物は普段身に着けているもの以外はない。異様な状況に0/1のSANチェック。
 目の前には豪華な料理と赤ワイン(未成年にはジュース)の注がれたグラスが並んでいる。これらの食事に手を付けた場合、終盤のPOW抵抗値にマイナス補正がかかるため、KPはチェックしておく。
 そしてお誕生日席には一人の愛らしい少女の姿がある。彼女の前には大きなバースデーケーキ。困惑する探索者達にアリスは嬉しそうに声をかける。
「にいさま、ねえさま、早くハッピーバースデー歌って!」
 
 歌わなかった場合、アリスがぐずる。盛大に泣く。「歌って歌って!」「にいさま(ねえさま)のいじわる! うわ~ん!!」彼女は歌うまで泣き止まない。あまりの激しい泣き声にSAN-1。
 

【NPC/アリス】

 STR4 CON6 POW9 DEX16 APP17
 人形のように整った容姿をした快活な少女。探索者達のことを「にいさま」「ねえさま」と呼ぶ。
 彼女に何を尋ねてもまともな返答はない。彼女が知っていることは
・探索者はアリスにとっての「にいさま」「ねえさま」である
・今日はアリスの誕生日
・「にいさま」「ねえさま」はたくさんいたほうがアリスも「(本物の)にいさま」も嬉しい
 ということと、ある程度のちょっとした知識(絵本の内容など)だけ。彼女は自分の歳も分からない。見た目からは5、6歳程度のように見えるが、言動はそれよりも幼い。
 また「本当のにいさまはどこ?」などと聞いてもキョトンとして、「にいさま、ここにいるよ?」などと答えて探索者自身を指す。
 もし見つけた写真を見せながら「この写真のにいさまはどこ?」などといった聞き方をした場合、アリスはしょんぼりとして「ジョニーがいなくなっちゃったから、お部屋にはいれないの……」と答える。
 

=探索=

〇1F

【食堂】
 大きく豪華なダイニングテーブルと沢山の椅子が並ぶ。頭上には豪華なシャンデリア。どの家具も高価そうな、ヨーロッパの豪邸を思わせる内装だ。
 
・料理……美味しそうな料理だ。とくに何も異常はない。
・ケーキ……『Happy Birthday Alice』というプレートと、沢山のろうそく。クマやウサギの砂糖菓子もある。とても美味しそうだ。
・机の下に<目星>で写真が落ちている。アリスと少年が映った写真。アリスに見せると「にいさまだよ!」と教えてくれる。ただし探索者のことも「にいさま」「ねえさま」と呼ぶ。
・部屋に<目星>で折り紙を見つける。アリスに見せると「アリスね、折り紙が得意なんだよ!」と言って、ハートの折り紙を折りはじめる。「いつもね、アリス、お誕生日に折ってるの! プレゼントのお礼なんだよ!」
 
【アリスの部屋】
 子供用の勉強机、小さな本棚とベッドがある。女児らしい可愛らしく飾られた部屋だ。沢山のプレゼントが置かれている。
 
・勉強机……<目星>引き出しの底のほうから書きかけの手紙を見つける。
『にいさまへ。きょうは、アリスの--さいのたんじょうびです。きょうも、にいさま(ねえさま)が、おいわいしてくれます。きょうのにいさま(ねえさま)↓』
 それと一緒に探索者達の名前が書き綴られている。ぞっと寒気を感じてSANチェック0/1
 更に机からは同じような手紙と、名前の書き連ねられた紙が見つかる。
 
・ベッド……<目星>枕の下に何かがある。二つ折りにされた可愛らしい便箋だ。
『にいさまへ。もうすぐ、アリスの6才のたん生日です。迷ってるにいさまに、だいヒント! アリスのほしいものリストだよ↓
・ジョニー(にいさまがくれたジョニー、どこかへかくれちゃった。ごめんなさい)
・おけしょうセット
・おえかきセット
・おはなのずかん
・あひめさまのドレス』
 
・本棚……<図書館>アルバムと絵本がある。
アルバム:アリスと両親、そして兄の姿が映っている。幸せそうな写真ばかりだ。
絵本:ひまわりの兄/ひまわり畑でかくれんぼする兄妹の話。かくれんぼの最中に兄がいなくなってしまい、妹は置いていかれたのだと勘違いして泣きじゃくる。実際はただ妹がひまわりの影に隠れた兄を見つけ出せないだけだった。すぐに妹の泣き声を聞いた兄が駆けつけて、二人は手を繋ぎ家に帰った。
 
・部屋全体……沢山のプレゼントがある。<目星>で子供用の化粧セットと真新しいドレスを見つける
 
【ケリーの部屋】
 鍵がかかっていて開かない。ぬいぐるみの鍵で開く。アリスに尋ねれば素直に教えてくれる。(ジョニーが見つかっていない場合は「ジョニーがいなくなっちゃって入れないの」)
 中は机とベッドがあるだけの殺風景な部屋。長らく使われていなかったようだ。
 
・本棚に<目星>で、本棚の上に布を被ったケースのようなものが二つ並んでいることにきづく。
 布を取れば、そこにあったのは……脳の入った、透明な容器だ。1/1d3のSANチェック。
 アリスはそれを見ると、「パパ! ママ!」と嬉しそうに声を上げる。
 どういうことかと尋ねても、アリスは何を聞かれているのか分からず首をかしげるばかりだ。脳じゃないか、などと直接的なことを言われてもキョトンとしている。彼女はそれを「パパ」「ママ」としか認識していないようだ。いつからこうなのかと聞いても、「パパはずっとパパだし、ママはずっとママだよ」などといった調子だ。
 
 <図書館>で、古風なバインダー綴じの古びた本を見つける。
 表紙には『The Revelations of Glaaki XII』と書かれている。読むには<言語(英語)>ロールが必要。
 そこに書かれていたのはおぞましい知識だ。触れてはならない何かに触れようとしているのに、読み進めるのが止まらない。本来ならば読み解くのに膨大な時間がかかるが、ここでは強制的に内容を叩きこまれる。1d6のSAN減少。クトゥルフ神話+7%
 さらに≪ミ=ゴとの接触≫呪文を習得。それのほかに、以下のうちから一つの呪文を習得する。
 ≪アザトースの招来/退散≫≪ザエダ=グラーの招来≫≪シャンを追い出す≫≪シャガイからの昆虫との接触≫≪ザイクロトルからのものの召喚/従属≫
 
・机に<目星>で散らかった引き出しの奥から日記を見つける。日記はどれもアリスの誕生日を祝う内容だ。途中から空白ページが続き、6歳の誕生日を祝うページから筆跡が酷く乱れている。
「今日はアリスの4歳の誕生日だ。プレゼントは迷ったけれど、クマのぬいぐるみにした。よろこんでくれるといいなあ」
「今日はアリスの5歳の誕生日だ。プレゼントを沢山買ってきたけれど、気に入って貰えるか自信がない。困ったなあ。アリスの一番好きなものはなんだったろう」
「早く元気になってね、僕のアリス」
(空白ページ)
「いかないで」
(しばらく長い空白ページが続く)
「今日はアリスの6歳の誕生日だ。アリスが目覚めないので、プレゼントだけ置いていくことにした。ぬいぐるみと、新しいドレスと、女の子らしいアクセサリー、それからおませなアリスのために、子供用の化粧セット……あとは何が必要だろう……」
「今日はアリスの--歳の誕生日だ。アリスは目覚めない。アリスはきっと、プレゼントが気に入らないのだろう。アリスが好きなものはなんだったかな。どうして思い出せないんだろう……」
「今日はアリスの--歳の誕生日だ。ごめんねアリス、君が寂しがっていることにずっと気付けなかったよ。今日はアリスに、とびっきりのプレゼントを用意したからね。アリス、これから君に沢山の兄様と姉様が出来るよ。あの人がいいことを教えてくれたんだ。これでもう寂しくないね。アリス、君は一人じゃない。兄様と姉様がいる。君はもう寂しくない。君のことは僕がずっとずっと守るから。沢山の兄様と姉様もいるから。君はもう大丈夫。一人じゃない。僕はずっと君と一緒だ。決して君を一人ぼっちにはしないよ」
 これ以降、日記は書かれていない。
 
・ベッドに<目星>でその下に一枚の扉のようなものがあることに気付く。SIZ9以下で潜り込むか、ベッドを動かすにはSIZ8と探索者のSTRでの対抗。扉には鍵がかかっている。この鍵はアリスだけが持っていて、尋ねれば素直に開けてくれる。
 
※アリスに全てのプレゼントを渡すと、彼女は自主的に兄の元へ案内してくれる。
「にいさま(ねえさま)に見せたいものがあるの。ついてきて!」
 彼女は兄の部屋に入ると、ベッド下にあった扉の鍵を開く。
 梯子を下りるとこの先は薄暗い隠し通路になっている。暫く進むと一枚の鉄の扉が見えてくる。
 
【階段下の収納】
 階段下には小さな収納スペースがある。
 
・全体に<目星>で、埃を被ったクマのぬいぐるみを見つける。それをアリスに見せれば、「ジョニー!」と言って嬉しそうに受け取る。アリスにジョニーを渡せば、お礼と言ってハートの折り紙をくれるだろう。
 またほかのプレゼントを渡していない場合、それをねだってくる。「パパとママがきっと隠しちゃったの! アリスに見つけさせようとしてるのよ。一緒にさがして!」
・ジョニーに<目星>で、首輪に鍵がぶら下がっているのを見つける。
 

〇2F

【両親の寝室】
 綺麗に整理された寝室。埃が被っていて長らく使われていないのが分かる。ベッド、クローゼット、ナイトテーブルが並ぶ。
 
・ベッド
 サイドボードに写真立てがあるのを見つける。誕生日会で撮ったと思われる家族写真だ。中央にはアリス、ろうそくが5本立てられた大きなケーキ、その隣に兄、背後には三十代くらいの男女が微笑んでいる。写真立ては外すことが出来る。<目星>で気付かせてもいい。裏面にはメモ書きがある。
年2月1日 アリス5歳』
 
・クローゼット
 <目星>で衣類の中からラッピングされたプレゼントを見つける。
 中を見るとカラフルなペンとスケッチブックのセットのようだ。メッセージカードには『Happy Birthday, Alice!』
 これをアリスに渡せば、お礼と言ってハートの折り紙をくれる。
 
・ナイトテーブル
 一冊のアルバムが置かれている。主に兄妹の写真と一緒に、短いコメントが添えられている。
(アリスの手を引くケリー)『転んで膝を擦りむいても、お兄ちゃんが手を引けばアリスはぴたりと泣き止むのよ』
(一緒に寝ている幼い兄妹)『またアリスがお兄ちゃんのベッドに忍び込んだみたい。本当にお兄ちゃんが大好きなのね』
(ドレス姿ですまし顔のアリス)『将来の夢はなあに?って聞いたら、「にいさまのお嫁さんになる」だって(^^)』
(クマのぬいぐるみを抱くアリス)『お兄ちゃんから貰ったジョニー。アリスの一番の宝物よ』
(ひまわり畑とアリス)『「ひまわりより大きくなれたら、にいさまのお嫁さんになれるかなあ?」……アリスはきっと、このひまわりより大きくなれるわ。神様が守ってくださるもの』
(ベッドに眠るアリスと、手を握るケリー)『早く元気になって、またお兄ちゃんとひまわりを見に行こうね。今度はきっと、あのひまわりより大きくなって』
(静かに眠る少女の姿)『おやすみなさい、アリス。愛しているわ』
 
【父の書斎】
 沢山の本が並んだ本棚と机がある。
 
・本棚に<図書館>もしくは<目星>で父親のものらしい日記を見つける。
先生と話をした。アリスが6歳の誕生日を迎えるのは厳しいそうだ。妻にはもう話はしている。ケリーには……何と言えばいいのだろう』
『アリスの誕生日会は家族だけで開くことにした。お友達を呼んでやれないのは可哀想だが、アリスの体のためには仕方がない。いつか沢山の友達と一緒に、賑やかな誕生日会を開いてやりたい』
『ケリーがアリスの誕生日プレゼントに迷っているらしく、妻に相談したらしい。アリスはアリスで、迷っているだろう兄のためにヒントの手紙を書いた、なんて言っている。今度こっそり手紙のことを教えてやってほしいと言われたが、さて、いつ話そうか』
『アリス、あと少しだ。あと少しだけ、どうか頑張ってくれ』
(空白ページ)
『アリス、君は旅立ってしまったんだね。プレゼントは神様に届けてもらうよ』
(また空白ページが続く)
『誕生日おめでとう、私達の天使、アリス』
 
・机に<目星>で、机と壁の隙間に隠されていたラッピングされた本を見つける。植物図鑑だ。メッセージカードには『Happy Birthday, Alice』
 これをアリスに渡せば、お礼と言ってハートの折り紙をくれる。
 
 

〇地下

 ケリーの部屋にある梯子を下りていくと、その先は薄暗い隠し通路になっている。そこを暫く進んでいくと、一枚の扉が見えてくる。
 
【隠し部屋】
 扉の先にあったのは、赤い絨毯が敷かれ美しい装飾の施された広い部屋だ。そしてその中央には、透明な容器に収容された『脳』がびっしりと並んでいる。その異様な光景に1/1d3のSANチェック。
 アリスはその中のひとつに駆け寄ると、それを手にして探索者達へ嬉しそうに見せびらかす。
「にいさま見て! 新しいにいさま(ねえさま)だよ!」
「プレゼントもたくさんくれたの。アリスのほしいものばっかり!」
「ジョニーのことも見つけてくれたのよ」
 アリスが兄の脳缶に触れれば幻覚がとけ、美しかった洋館は血と臓物で出来たおぞましい空間へと変わる。鼻の曲がるような悪臭が漂い、探索者が動くたびにぐちゃりねちゃりと嫌な音がする。1/1d4+1
 
 アリスの姿は恐ろしい肉塊の怪物へと変わり、地面に転がった脳缶の前で悪い呻き声をあげている。やがてその脳から、探索者達に声が流れ込んでくる。
「アリスと遊んでくれてありがとう」
「可哀想なアリス、もう君はこれ以上大きくもなれないし、小さくもなれない。でもね、大丈夫だよ、君はここで老いることも忘れられることもなく、僕と、新しい沢山の兄様や姉様と、ずっとずっと永遠に、幸せに暮らすんだ」
「ありがとうみんな、僕とアリスの幸せのために犠牲になってくれる心優しい兄弟達」
「今日はアリスの6歳の誕生日だ。さあ、誕生日会の続きをしよう」
 肉塊は探索者達に向かって這いずってくる。ここから戦闘ラウンド処理となる。
 

@アリス(怪物)

 STR9 CON11 POW15 DEX10 APP- SIZ8 INT- HP9
 <回避>15% <組み付き>40% <引っ掻き>50% ダメージ1d4
 アリス(怪物)は地面に這った状態で移動するため動きは遅い。彼女が探索者に追いついた場合、<引っ掻き>での攻撃、もしくは<組み付き>でとびかかってくる。<組み付き>の場合ダメージ算出はないが、STR抵抗に成功し抜け出さない限り1ターン毎に1d3のSANを奪う。
 
*アリスに捕まった探索者
 探索者の瞳には、怪物はあの美しく愛らしい少女の姿に映る。そんな彼女が嬉しそうに探索者の腕にしがみつき、「にいさま(ねえさま)」と呼びかけてくる。アリスとのPOW対抗ロールに失敗すると、少女を突き飛ばす罪悪感によりSTR対抗の成功範囲に-10の補正がかかる。※最初の食堂で食事や飲み物に手を付けた場合、ここでのSTR対抗ロールの成功範囲に+10の補正がかかる
 それでも彼女を引き剥がすのなら心が痛み、POW対抗に成功していた場合0/1、失敗していた場合1/1d3のSANチェック。
 
*アリスに捕まり逃げきれず、SANがゼロとなった場合
 探索者は精神を壊し、アリスの『にいさま(ねえさま)』となる。ロスト。ただしその場で他の探索者が生存している場合、精神を壊した探索者を連れ帰ることは可能。ただし永久発狂と同じ状態となるため、事実上ロストである。置いていった場合は、ミ=ゴに回収され脳缶にされる。
 
*死亡した場合
 死亡した探索者は、突然盛り上がった地面に呑み込まれていく。他の探索者がいくら阻止しようとしても無駄だ。やがて彼はミ=ゴに回収され実験材料となる。ロストだ。
 
*アリスを殺そうとした場合
 その探索者の瞳には、怪物があの美しく愛らしい少女の姿に映る。それでも攻撃すると少女が悲痛な声を上げて泣きじゃくる。「いたいよぉ、にいさま(ねえさま)いたいよ」SANチェック0/1d3
 アリスを倒すと探索者の視界は暗転、探索者達はひまわり畑に倒れている=部屋4に移動
 
*アリスと一緒に行動しようとした場合
 探索者の誰か一人でも怪物のアリスに優しく接するのなら、彼女は組み付きもSANを奪うこともなくなるだろう。
 そしてその探索者の傍で、怪物の姿のままちょこんと座り「ほんとう? アリス、いっしょにいていいの?」と尋ねてくる。
 怪物のアリスを受け入れ一緒に行動するのであれば、以降彼女は一切探索者に攻撃はしない。大人しくあとを付いてくるだろう。出口は知っているか尋ねれば、優しい探索者を彼女は案内してくれるかもしれない。
 ただし兄のいる部屋1の場合、兄の言葉で彼女は再び探索者に襲い掛かる。兄のいない場所で再び彼女に優しく接すれば、攻撃はやむだろう。
 
 
【地下の移動と探索】
 辺りは肉塊で塗りつぶされているが、扉や家具などの輪郭はかろうじて分かるようになっている。
 
@部屋1
 異変の起きた隠し部屋。鬼ごっこのスタート地点である。脳缶である兄はこの部屋から動かない。
 背後には自分達が入ってきた扉が一枚ある。扉を抜けると先程のトンネルはなくなり、部屋2に繋がっている。
 
@部屋2
 部屋1から進むことが出来る。物置のような狭い部屋だが、いたるところに女児向けのかわいらしい玩具などが置かれている。<目星>で欲しいものを見つけられる。応急セットや、掻き分ければ武器もあるかもしれない。
 この部屋ではどくどくと規則的な音が聞こえてくる。<アイデア>で、まるで人の心音のようだと気付くだろう。また、長くここにとどまっていると意識がぼんやりとしてくる。<目星>を振れるのはせいぜい一人2回までだ。それ以上の<目星>ロールには-30の補正がかかり、加えて頭がぼんやりして、動くのを億劫に思い始める。それでもとどまるのであればPOW×5ロール。成功で危険を感じてすぐここを出なければと思うが、失敗するとここを動きたくない、なんだか心地よい、むしろ眠ってしまいたいと思う。敵対状態のままの怪物アリスが傍にいればすぐに捕まるだろう。
 
@部屋3
 部屋2から続く部屋。少しだけ広くなっている。強烈なすっぱいような臭いと腐敗臭がする。黄色く濁った液体が広がっていて、夥しい数の白骨や、溶けかけた人間の死体が浮いている。1/1d3のSANチェック
 底は見えない。<薬学>でそれが強い酸性の液体で、触れるのは危険であると分かる。
 また、部屋の隅に人一人ずつであれば辛うじて通れそうな道と、その奥に扉があるのが見える。
 この部屋では必ず背後にアリス(怪物)の姿が追いついている。
 アリス(怪物)をこの中に突き落とすと、突き落とした人間にだけ怪物の姿が少女のアリスに見える。そして酸に溺れてもがきくるしむ姿と悲鳴が聞こえる。突き落とした人間はSANC1/2
 
@部屋4
 部屋3から続く部屋。
 中に入ると、そこには雲一つない青空と、一面のひまわり畑が広がっている。その奥には手を繋いだ兄弟がいる。アリスとケリーだ。
 
 ここに出ると、探索者の背後に人の気配が立つ。振り返るとそこには12歳くらいの少女の姿。その体は透けていて、青空に滲んでいる。<アイデア>で、彼女が『アリス』の成長した姿ではないかと思う。
 
「にいさまは優しいわ。たくさんプレゼントをくれた。たくさんのにいさまとねえさまも出来たわ。でも私が本当に欲しいものは、こんなものじゃないの」
「何回6歳の誕生日が来たって、私はあのひまわりより大きくなれない。私の願いは、ずっと叶わないの」
「にいさまはどうして気付いてくれないのかな」
 それだけ言って彼女は姿を消してしまう。辺りの景色は再び変わり、目の前には長いトンネルがある。
 入り口には一輪の枯れたひまわり。傍には1つの拳銃とメモが落ちている。この拳銃を使う場合のみ、拳銃技能に+50の補正がかかる。
『偽りの陽を撃てば、少女の恋慕は花開き、想いが実るだろう』
 ひまわりはどこか指し示すように首を折っている。その先は、トンネルの向う側だ。
 
 トンネルをくぐった探索者は、異様な光景を目にする。トンネルの左右にはいくつもの『脳』の入った容器が並び、それらが一斉にハッピーバースデーの歌を「うたっていた」。その歌声はいびつで、時折悲鳴や、呻き声なども混ざっている。あまりにも異様で、不気味で、吐き気を催すような音だ。SANチェック1/1d3
 トンネルを抜けるまで、延々とそれは続く。
 
@トンネルの向う
 トンネルを抜けると、そこに広がるのは赤黒い不気味な空と、色彩のおかしい花畑の中央に咲く、一輪の巨大な「ひまわり」だ。しかしそれはひまわりというにはあまりにも毒々しく、脈打つ臓物や肉塊で出来たおぞましい何かだった。SANチェック1/1d3+1
 さらにその周囲を旋回しているのは、ピンクがかった甲殻類のような図体に、膜のような翼と、巨大なハサミを持った怪物……2匹のミ=ゴだ。0/1d6のSANチェック。
 中央には一人の少女が蹲り眠っている。その周囲には探索者が集めて渡したプレゼントが置かれていた。
 近づこうとしたり攻撃をしようとした場合、ミ=ゴが探索者に襲い掛かる。ミ=ゴは少女とひまわりを守るように探索者に攻撃をしかけてくるだろう。ここから戦闘ラウンド処理となる。
 

@ミ=ゴ

 マレウス・モンストルムp109を参照。
 DEX4d6 <ハサミ>30% ダメージ1d6 および組み付き(難易度を下げるために組み付きはなしにしてもいい)
 

@ひまわりの怪物

 DEX3 HP16 装甲なし 回避なし
 <悲鳴>100% 全員のSANを1d3+1奪う
 
 脱出するには、ひまわりを銃で撃ち抜くか、戦闘技能で折るしかして倒すしかない。
 ひまわりに攻撃しようとした探索者の目には、その怪物が少女を膝に抱いた青年の姿に映る。
「アリスを一人ぼっちにしてしまうの?」
「君は大切な妹を悲しませるの?」
「ここにいればアリスは寂しくない。出来なかった誕生日会も、貰えなかったプレゼントも、沢山の兄様と姉様が叶えてくれる」
 
 兄(ひまわり)を倒した場合→エンディング1
 探索者が全滅した場合→エンディング2
 

【エンディング1/トゥルーエンド】

 兄(ひまわり)を倒すとその姿は肉塊となって崩れ落ち、少女を残して消えてしまう。そして周囲の景色がみるみるうち変わり、再びひまわり畑の中にあなた達は立っていた。
 眠っていたアリスが目を覚ます。アリスは何かに気付くと、探索者達のほうへ向かって「にいさま!」と声をかける。そしてこちらに駆け出してくると、探索者達の体をすり抜けていく。アリスに触れることはできない。探索者達は自分の身体が透けていることに気付くだろう。
 振り返るとそこには青年とアリスの姿。二人は手を繋ぐと、ひまわり畑を歩きだす。
「にいさまあのね、もうすぐアリスの6歳のたんじょうびだよね」
「アリスね、プレゼントはいらないから、にいさまにお願いがあるの」
 アリスは兄の耳でコソコソとなにか囁く。兄はきょとりとした顔をして、照れたように笑う。
「もちろんさ。でもそれは、君がこのひまわりより大きくなってからかな」
 その直後、探索者達の視界は突如として炎に包まれる。幼い兄妹の姿もみるみるうち炎に呑まれていった。
 
 そして気付くと、よく知った道の真ん中に立ち尽くしている。少女の姿はどこにもない。日常に戻ってきたのだと探索者は理解するだろう。
 ただ、アリスから「おかえし」を貰った探索者の手には、あのハート形の折り紙が握られている。(「おかえし」を貰っていなくとも、アリスに友好的に接していた探索者の手にもある)折り紙の中には固い小さな感触があった。開いてみると、折り紙の内側には『Thank you』の文字。そして中には、ひまわりの種を模したペンダント(もしくはキーホルダーなど)が包まれていた。
 あれは夢か何かだったのだろうか。不思議に思いながら、探索者は日常に戻っていく。
 シナリオクリアです。
 

【エンディング2/バッドエンド】

 最後の一人が倒れると、どこからともなく無数のミ=ゴが集まり、探索者の体を持ち上げる。そのままミ=ゴは研究室まで探索者を運んでいき、実験の材料とするだろう。
 死んだかと思った探索者は気付くとあの長いトンネルの中で目を覚ます。脳だけの姿となって、アリスのために、永遠の誕生日を祝い続けるのだ。
 ロストです。
 
 
 

【報酬】

SAN報酬
・生還報酬1d10
・アリスから「おかえし」を貰った 受けっとった探索者のみ1d6
・アリス(怪物)を殺さなかった 1d3
・アリス(怪物)を受け入れて一緒に行動した 1d3
 
その他報酬
・ひまわりのペンダントorキーホルダー/オリジナルAF
持っているとPOW+1の補正(SANの変動はなし) ※オリジナルAFにつき、使用はKPに要確認
・クトゥルフ神話技能 +3%
 
その他KPがふさわしいと判断した報酬
 
 
シナリオ作成者:ますじ

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