初期経験値3000点+2500点
成長回数 2回
所持金 2500ガメル
所持名誉点 30点
所持アビスシャード 1個
本シナリオはレッサーオーガのウィークリングである村人と蛮族退治をするシナリオです。
プレイヤー冒険者たちの背中を見て変化するウィークリングの村人を楽しんでください。
ウィークリングとは生まれつき、本来蛮族が持つはずの穢れが少ない者達のこと。
ナイトメアの逆、蛮族界では「モヤシ野郎」と蔑まれれ虐待の対象になる存在です。
冒険者ギルドに来ていた村人・モルグは、ギャッキャッと特徴的な笑い声を上げる汎用蛮族語混じりの話し方をしていた。
村で聞き込み調査をすると、何かを隠しているような村長の様子と訝しむ村人達の話を聞くことができる。
村に蛮族が襲撃をかけてくるため、PC達は応戦することになる。
村人・モルグは蛮族であった。
怯えてばかりだったモルグは、PC達の活躍を見て自分も蛮族に立ち向かうことを決意する。
村人・モルグを加えて蛮族の拠点へ乗り込む。
PCたちから勇気をもらった村人・モルグと村長から感謝の声を受け、PC達はギルドへと帰るのであった。
今回蛮族に襲われることになる村の村長。
実は半年ほど前に村人・モルグの正体が蛮族であることを知って、村に匿っている。
モルグの保護者であった老人・オズとは友人同士。
モルグのことは親友の息子だと思って大切にしている。
ギャッギャッと特徴的な笑い方をする村人。
その正体はレッサーオーガのウィークリング。
普段は「人化」の能力で人間に化けている。
18歳ぐらいの青年で、蛮族らしい下卑た笑みを浮かべるたりもするが、話してみると性根は悪くない。
「ヒヒャッ!オラおでれぇただよ!」
「……オラの村を、救ってほしいだ」
普段通り冒険者ギルドに依頼が来ていないか確認をしに来たあなた達。
平和なギルド内で依頼を探していると、おもむろにギルド受付嬢から声をかけられた。
「今ちょうど依頼が入っていまして。蛮族被害の案件でして、急ぎあなたたちにご対応いただけないでしょうか?」
案内された個室に向かうと、素朴で凡庸な顔立ちの若い村人が座っているのが見えた。
村人はあなたたちの姿を見て、満面の笑顔で笑いかけてきた。
「ギャッギャッギャッ!オラはモルグ!%%%%強そうな冒険者さんたちがついてきてくれて心強いべ!」
へへ…と恥ずかしそうに頭をかいているが、言葉の一部が聞き取れなかった。
──見識判定(成功値10)──
村人の言葉の一部に混じっていたのは汎用蛮族語であることがわかる。
※※※汎用蛮族語の会話ができる場合は判定なし。
※※※「%%%%%」の部分は「とっても」ぐらいの意味合いであることがわかる。
「ななななんのことだべさ???おら、難しい話はよくわかんねぇだ!」
「とっ、ともかくオラの村が蛮族に襲われてる話を聞いて欲しいべ!!」
がばりと服が汚れるのにも構わず土下座をして、村人はあなたたちに頭を下げた。
「オラが疑わしいのはわかる。けんど、オラの大切な村が危険なのは、それだけは本当なんだべ。だから、おねげーだ、オラの村を救ってくんろ!!」
無抵抗でうずくまりダメージを受ける。
「ひいいぃぃ!うぅ、うぅ、オラの村が危険なのは本当なんだべ!!だから、だからオラはどうなってもいいから、オラの村を助けてくんろ!!」
村人・モルグが依頼の詳細を説明してくれる。
「半年前くらいから、オラの村の近くに蛮族が住み着いてしまったんだべ」
「もう村人が行方不明になる事件も起きてて……みんな不安がってるんだべ」
「村はここから半日ぐらい行った場所にあって、依頼料は1000ガメル用意できてるべ。食事と宿はこちらで提供するべさ」
※※※斬りかかられていた場合は持ってき救命草で自分で回復する。このことを想定していたようだ。
※※※もし冒険者が回復してくれたら
「ありがとうなんだべ!おら、こんなに優しくしてもらったのは村以外で初めてだべ」といって傷を押さえながら恥ずかしげに笑う。
半日ほどの道中は、蛮族の襲撃もなく実に平和だ。
あなたたちを先導する村人・モルグが話しかけてくる。
「おめさんたちはこれまでどんな冒険をしたんだべ?いろんなところに行ったべか?」
「いいなぁ、凄いなぁ!オラもそんな冒険してみたいべさ!」
「そういえば、おめさんも魔法使いなんだな!」
「オラも魔法ならちょっとだけ使えるべよ。でもあんまり上手くできなくて……」
「よければちょっとだけ教えて欲しいべよ!」
道中、村人・モルグに魔法を教えることができる。
──魔法行使判定(目標値12)──
成功すればモルグは「おお!初めて上手く行ったべさ!やっぱり冒険者さんは凄いんだべなぁ!」と大喜びする。
失敗しても「うーむ。まだまだ練習が必要みたいだべ。ありがとな冒険者さん!オラも頑張るべよ!」と笑いかける。
村へと辿り着くことができた。
村の周囲はぶどう畑が広がっていて、モルグから「この村の特産なんだべ!」と教えてもらえる。
時刻はもう夕暮れだ。
村の家々から夕食と思しき匂いが漂ってくる。
そこに現れた村長が朗らかに出迎えてくれる
「これはこれは、よく来ていただけました」
「私はエドガー。この村の村長をしております」
「どうぞこちらへ」
村長の家と思しき、他よりも少しだけ大きな家にあなたたちは案内される。
「まだ皆様をおもてなしする準備が整っておらず……今しばらくこちらの部屋でお待ちいただいてもよろしいでしょうか」
村長の孫娘らしき人物が食事を運んでくる。
「どうぞ、村の特産ワインと付け合わせのソーセージです。父は前に王都ハーヴェストで料理人をやっていまして。きっとお口に合うと思うのですが…」
「どうぞ、ごゆっくりお寛ぎください」
離れた場所から響く声が、あなたたちの耳に届くかもしれない。
──聞き耳判定(12)──
あなたたちは怒りに沸く村長の声を途切れ途切れに聞くだろう。
「このバカもんが!」
「お前になにかあったらどうするんだ!」
「お前がもし蛮族だとバレたら…殺されるのはお前の方なのだぞ!」
部屋に二人で向かい合う村人・モルグと村長の姿を確認できる。
ただし、問い詰めても何も話さない。
「さて……何の話ですかな」
「まさか。モルグが蛮族などと……ならば何故ワシらの村は蛮族に襲われているのですか」
「あの者が蛮族ならば、とっくにワシらは全て喰われているでしょう」
「もしモルグが蛮族だったとして。……あなた方はそれを退治するのですかな」
「モルグはただの村人なのです。そうあることしか出来ぬのです」
「ああ、お待たせいたして申し訳ありません」
「ええと、ここを襲ってきた蛮族の話をいたしましょう」
「恐ろしい蛮族がこの近くに住み着きまして」
「もう村のものが一人、森へ行ったっきり帰ってこなくなりました……」
「皆怯えております」
「蛮族の姿はこのような…雰囲気なのですが」
「冒険者様方はわかりますでしょうか?」
──魔物知識判定──
村長・エドガーが話しているのはボルグ、ボルグハイランダー、レッサーオーガだとわかる。
「今日はもう遅い。蛮族の住処について明日お伝えしますので、今日のところはお休みになってください」
「部屋はこちらで用意いたしました。どうかごゆるりと」
村人たちがじろじろと物珍しげにあなたたちを見に来ている。
「おぉ…あんたさんが冒険者様か!」「ようやく薪をとりにいくにも怯えなくて済むでさ!」「頼りにしとるよ!」
「ああ、あの気味の悪い…」
「あいつは去年村端の変人の爺さんに拾われてここに住み始めたんだ」
「オズは偏屈でねぇ。半年前におっ死んじまったけども」
「それからエドガーさんが面倒みてんだけど、ありゃねぇ……エドガーさんも何を考えてんだか」
「ああ、はすむかいに家族と一緒に住んでる嬢ちゃんだろ」
「若くて気立ても良くて。エルフだからかちょっぴり時間感覚が抜けてるところもあったけど」
「いい子だったよ」
「よくモルグの面倒を見ていたんだ。それで、いなくなったのが分かった途端モルグは村を飛び出して」
「お越しくださってありがとうございます!」
「もう、うちの娘がどうなっているか…心配で心配で…」
「お願いです!うちの娘を助けてください!」
「娘は金髪碧眼の美しい子で、病気がちなので冒険者をしていた祖父からもらった水晶の首飾りをいつも身につけていました」
きゃぁああああ!と朝の静けさを切り裂くような悲鳴が上がっている。
声の出所は村と森の境界あたりだ。
そこへ向かうと、村人を威嚇するように棍棒を振り回す蛮族の姿があった。
ボルグの一体は冒険者たちを見るなり、指を刺して嘲笑いながら汎用蛮族語で下卑た笑いをあげている。
「あ……あ……」と声が後ろからする。
どうやらあなたたちの後を追って村人・モルグもここに来ていたようだ。
涙目でモルグがうずくまる。
※※※蛮族語の会話ができる場合、「見ろよ!モヤシのクズ野郎だぞ!」「潜入もろくにできない奴隷がどのツラ下げて来たんだ?」「身の程ってのをわきまえるまで俺たちが教育してやるよ!」と言っているのがわかる。
ボルグ×(PC人数-1)
しばし呆然とした村人・モルグは「すっげぇ…!」と勝利した冒険者たちを目を見開いて眺めている。
すぐに駆けつけた村長が「こっこれは!何とお礼をしていいのやら…」と頭を下げる。
「今来ていた蛮族達は本隊の一部でしょう。本隊は向こうの崖沿いに本陣を張っております」
と、そこまで言ったところで村長は気まずげに村人・モルグに視線を向ける。
「もう、全てお分かりですよね」
まだ(モルグ視点で)レッサーオーガであることがバレてないと考えている場合は、秘密を告白する。
「オラ、本当は、本当はバルバロスなんだべ!凶悪な心臓喰らいのレッサーオーガなんだべ!」
「えっ!?お、オラの人化はは完璧だったべさ!?な、なして皆知っとると???」
斬りかかられたりしてバレている場合は、その旨を改めて言葉にしてくれる。
「皆、わかっとると思うけど。オラ、バルバロスなんだべ。レッサーオーガ。穢らわしい蛮族…バルバロスなんだべ……」
「……オラ、バルバロスでも生まれつきみんなと違って、モヤシ野郎って、言われて。だから鞭で打たれたり蹴られたり殴られたりはいつもの事で。これまで生きてこれたのは、運が良かっただけで」
「そんなとき。この村に潜入するように言いつけられたんだべ。ボロボロのオラを拾ってくれたオズのじっちゃんには本当に感謝してて……」
「ぐずっ」
「でもオズのじっちゃんも死んでしまって、じっちゃんと友人同士だった村長さんがオラをこれまで匿ってくれてたんだべ」
「エレナの姉ちゃんがいなくなったってきえて、いてもたってもいられなくなって」
「……オラ」
「オラ、あんな強えやつを倒せるだなんて、おままで考えたこともなかった」
「オラも、オラも冒険者さんたちみたいに強い男になりたい!」
「オラがバルバロスの本陣におめさんたちを案内する!」
「オラも戦うんだべ!!!」
崖の隣の少しだけ窪んだ空き地に草木で粗末な屋根を作って、そこでゲヒャゲヒャと汚い笑い声を上げながら蛮族達がたむろしている。
あなたたちの姿に気がついたボルグハイランダー達は、蛮族語で何事かギャアギャア喚く。
奥歯を噛み締めた村人・モルグは「ギギギ」と蛮族語で言い返し、まっすぐに前を向いている。
※※※蛮族語の会話ができる場合は、「弱虫モルグが来たぞ!」「ボコボコにしてやれ!」「紐に繋いで引き摺り回すのもいいぞ!」と蛮族達が囃し立て、モルグが「…いくぞ!」と返しているのがわかる。
※※※もしPCが不意打ちする場合はこの会話は発生しない
レッサーオーガ×1
ボルグ×(プレイヤー人数-1)
村人・モルグも真の姿を見せてあなたたちの仲間として戦闘に参加する。
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=HGNYMu
【成長】
もし操霊魔法を教えてもらっていたら操霊魔法Lv1を一個だけ使える
もし真語魔法を教えてもらっていたら真語魔法Lv3を一個だけ使える。
使える魔法はプレイヤーが自由に決めて良い。
村娘のものと思われる衣服と肉と骨の混ざったものが散乱している。
どうやら蛮族にやられてしまったらしい。
中から比較的綺麗な首飾り(水晶の首飾り:3000ガメル、毒・病気に対する精神抵抗判定+1)が発見できたので、それを売るか家族に返すかはあなたたちの自由だ。
「…………」
「……行、く…べさ。姉ちゃんの両親には、オラが話をしとくべ」
「……姉ちゃん……」
娘が死んでいたと報告し、首飾りを返した場合、金一封として1人200ガメルを渡してくれる。
「娘は……もう帰ってこないのですね」
「すみません、もう、私どももどうことばにしていいのか、わからなくて」
「……ありがとうございました。娘の無念を晴らしていただけたこと、娘に代わって感謝いたします」
こうして、村は平穏を取り戻した。
村人達は安堵に胸を撫で下ろし、各々の家へと帰っていく。
そこにあって、一人村人・ボルグと村長だけは最後まで冒険者達を見送りに来ていた。
「本当にありがとうございました。この村はあなた方のおかげで救われたました」
「ありがとうだべ」
「………」
「オラ、この村を出たら冒険者になるだよ」
「おめさん達みたいな立派な冒険者になって、たくさんの人を救うだ。その勇気を、オラにくれて」
「本当にありがとう」
そうして、多くの冒険譚を持つあなたたちはいつも通り帰途につき。
また新たな依頼を受けるべく、ギルドへと足を向けるのだろう。
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