2023年06月04日更新

CoCシナリオ 『伊那鳴の』

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~4人|
  • プレイ時間:1~2時間(ボイスセッション)

※本シナリオはマリコロ様の『稲荷の村』をクリアしたPLがいる前提の話となります。
一人しかプレイ済みPLがいない場合でもなんとかなります。

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クトゥルフ神話TRPG自作シナリオ【伊那鳴の】

※このシナリオは稲荷の村をクリアしている前提の話です。クリアしていないPLはクリアしたPLに付き添うか、エンド分岐が減るけどクリアしてないPLのみでやってください。

『稲荷の村』


【導入】

舞台は「伊那鳴村」です。探索者は村の問題を解決した後、数ヶ月に一回はこの村に来るようになります。1月、探索者がいつものように伊那鳴村へ行こうと駅に行くと、偶然他の探索者2と出会います。(探索者同士が知り合いではない場合はどうにか話を合わせる)探索者2は出掛けてきたところで、これから暇だというので一緒に伊那鳴村へ行くことにしました。

【伊那鳴村下調べ】

探索者が今の伊那鳴村のことを知りたい場合は、〈コンピューター〉や〈図書館〉で調べることができます。成功した場合、伊那鳴村は農業が盛んな村であり、ここ十数年は不作が続いたものの、最近からまた作物がよく採れるようになってきていると言うことが分かります。

【伊那鳴村】

伊那鳴村は、駅の付近には繁盛する商店街があり、駅から離れると田んぼや畑があり、よく作物が育っていることが分かります。探索者達はおばあちゃんの家まで移動しました。(車などでも可)

【祖母の家】

祖母の家は相変わらず手入れが行き届いている古い日本家屋でした。探索者のおばあちゃんは、数ヶ月ぶりに来てくれた孫達にとても喜びます。探索者達がおばあちゃんの家でしばらく休んでいると、「稲荷神社でお祈りしていきなさい。あなたは稲荷大明神様に好かれてるんだからねぇ。本当なら私も行かなきゃいけないのに、もう歳だからねぇ…歳は取りたくないもんだよ。」そうおばあちゃんはいって探索者達を家から追い出します。

探索者達は神社に行ったことのある探索者の先導で稲荷神社へ向かいました。

【稲荷神社】

稲荷神社の階段を登っています。ここで〈アイデア〉に成功すれば誰かの視線を感じます。クリティカルならそれが人間のものじゃないことも。階段を登りきり、賽銭箱に賽銭をいれて探索者はそれぞれ願い事を祈ります。祈ることは他の探索者には内緒でGMに報告。GMはその中から一つだけ願いを叶えることが出来ます。全部叶えなくてもいいです。探索者達がお祈りをしてると、社の側の木の裏から、(狐のキーホルダーを首にかけた)美しい毛並みの狐が出て来て、探索者1にすり寄ってきます。この狐の名は稲荷。元稲荷大明神で探索者1(達)達を凄く気に入っています。探索者達が稲荷を撫でようとすると、稲荷はその手をかわし、社の裏へ歩いて行きます。探索者達はそれを追いかけて行きます。

【神社裏の本倉庫】

探索者達が狐を追っていくと、簡易的な小屋が有るのが目に入ります。ここで稲荷の村経験者が〈知識〉に成功すれば、前にここに来たときには、こんなものは見なかったことに気付きます。探索者達が小屋の中に入ると、テーブルと本棚があり、テーブルの上にはいくつかの本が散乱しており、本棚には多くの本があるのが分かります。ここで〈目星〉に成功すればテーブルの上に開いてある本がいくつか目に入ります。それを覗いて見ると、今までに出会ったことのあるおぞましい姿の生物の絵が描かれています。それを見た探索者達はSANチェック1/1D4と、クトゥルフ神話技能+1です。と、ここで奥に何かがあるように仄めかし、〈幸運〉を振って貰います。全員成功or失敗すれば全員が、それ以外なら失敗した人が、小屋の奥に進んでいき、何やら表紙が真っ黒の本があります。と、ここで、GMは稲荷もついてきているという描写をします。そこにいる探索者は、1D100をしてもらって、一番出目が大きかった探索者がその本に触ってしまいます。その瞬間!本が勝手に開き、何か黒いタールのような液体状のものが本に触った探索者に向かって飛び出してきます。それを見ていた稲荷は、咄嗟に探索者を突き飛ばします。探索者はダメージ1です。稲荷のお陰で探索者は助かったものの、稲荷がその異形に取り込まれしまいます。ここで探索者はSANチェック0/1D2です。稲荷を取り込んだ異形は狐の形になったかと思えば、耳と尻尾が生えたヒトの形になります。(稲荷の村経験者は稲荷の神の時の姿だったことを思い出します。)そして稲荷の姿をした異形は、テケリ・リ、テケリ・リという奇怪な鳴き声を発しながら狐の姿になり小屋から飛び出していきます。探索者達は、異形が向かった先が、おばあちゃんの家の方だということに気がつきます。ここでRPで黒い本を見ようとすれば、その異形の名前、「ショゴス」というものと、ショゴスの弱点の部位、ショゴスについて書かれた文が記してあるのが分かります。見てしまった探索者はSANチェック2/1D6です。RPをしなかった場合は、本に触れた探索者に〈アイデア〉をしてもらう。失敗してもストーリーには影響無し。難易度は上がる。
弱点を知っている場合はショゴスとの戦闘でdbが+1D4増える。
探索者達は異形を追い、おばあちゃんの家へ向かいます。

【おばあちゃんの家】

おばあちゃんの家に着くと、おばあちゃんが倒れています。しばらくするとおばあちゃんは意識を取り戻し、探索者達に気づくと、「大明神様が、大明神様が…」と、虚無に向かって呟いています。話を聞くと、どうやら黒い体の大明神様が自分の首を絞めてきたが、知り合いが家のドアを開けたのに気付き駅の方へ逃げていったらしい。それを聞いた探索者達は、駅に向かいます。

【電車】

駅に着き、辺りを見渡すと、神の時の稲荷の姿の異形が電車に乗るのを見ました。それを追いかけるも電車は発進し、探索者は仕方なく何分間後かに来た電車に乗って追いかけます。電車内、今電車は辺りが雪のところを走っています。〈目星〉をして成功すれば雪に足跡がいくつかついているのが分かります。しかもそれには転々と黒い液体も落ちています。ここで失敗したら【事件勃発】へ。足跡を見つけた探索者達は電車から途中で降りようと、鍵明けor格闘技能を試します。成功で、電車のドアが外れ、探索者達は足跡を追って走っていきます。【森】へ

【事件勃発】

街へ戻り何か情報がないかテレビを見ていると、稲荷の姿の異形がヒトを殺している姿が出てきます。探索者達は異形を探すため、〈幸運〉&〈目星〉をし、どちらも成功で森近くで異形を見つけます。失敗で【END5】へ。探索者達を見つけた異形は、森の方へ逃げ出していきます。ここで〈追跡〉、失敗で【END5】、成功で【森】へ

【森】

異形(の足跡)を追っていくと、雪の積もった木が沢山生えてる森に入ります。ここで〈目星〉を振り、失敗で【後悔】へ、成功で木の影に血がついているのに気がつきます。それを辿って【ギリギリ】の戦闘へ

【後悔】

森を闇雲に探した探索者達は、時間はかかりましたが異形の姿を見つけます。そこには膝から崩れ落ちている稲荷、稲荷から離れた異形、そして、首から上がない惨殺死体でした。稲荷は異形に侵食された影響か、まだ神の姿を保っていて、自分が殺してしまったことに気付き、口から声にならない悲鳴をあげます。誰が見てもわかる。ーー発狂ーー稲荷は異形に侵食されながらも意識はあったのでしょう、体が自分の意思に反して動き、ヒトを惨殺するということを体験してしまったのだ、こうなってしまうことも仕方ありません。ここで〈目星〉、成功で異形が稲荷に向かって何かをしようとするのに気がつき、稲荷を避けさせます。さっきまで稲荷がいた場所には、硬質化した針のように鋭い異形の体の一部が通り抜けて行きました。それに腹をたてたのか、異形はまた稲荷を取り込み、探索者達に襲いかかります。【ギリギリ】へ、失敗では、いきなり動き出した異形は、自分の体の一部を硬質化させて、稲荷へ突き刺します。稲荷は声もあげられずに倒れます。そして異形は稲荷と死体を取り込み、戦闘態勢に入ります。SANチェック2/1D6クトゥルフ神話+2

ショゴス

STR63
CON39
SIZ35
INT9
POW11
DEX5
耐久力56
まとわりつく 80%相手行動不能、ダメージ1D4
突き刺す 65%ダメージ1D8
自爆 10%ダメージ1D20、自分は死

見事迫り来る異形を消し飛ばした探索者達。しかし探索者達は少しも喜ばない。そして誰がいうでもなく自分の家へ帰っていく。【END4】

【ギリギリ】

血を辿っていくと、異形がヤクザのような人を殺そうとしているのが見えました。探索者達はそこに割り込み、異形の前に立ちます。

ショゴス(稲荷)

STR15
CON19
SIZ15
INT7
POW5
DEX7
耐久力25
突き刺す 60%ダメージ1D4
キック 72%ダメージ1D3

探索者達は異形を弱らせることに成功しますが、ここで〈アイデア〉or〈目星〉+〈生物学〉or{〈幸運〉+〈ライフルなど〉}
クリ補正+10
をし、成功で【最終決戦】へ、失敗した場合は、探索者達は異形を倒すために攻撃を何回も当て、倒しましたが、ダメージは異形に取り込まれていた稲荷にも入っていました。そして最後に異形は稲荷から分離して死に、稲荷はもう既に命を落としていました。【END3】

【最終決戦】
探索者達は稲荷を気絶させることで異形との分離に成功。異形は怒り狂い探索者達へ襲いかかります。SANチェック0/1D2クトゥルフ神話+1

ショゴス(弱体化)

STR31
CON45
INT7
POW6
DEX1
耐久力35
まとわりつく 80%相手行動不能、ダメージ1D2
突き刺す 35%ダメージ1D8

止めの一撃を異形へさし、異形は奇怪な叫び声をあげて消滅します。ここで〈アイデア〉+〈目星〉+〈幸運〉。全部成功で【ありがとう】へ。失敗の場合。探索者が稲荷を見ると、もう既に神の姿ではなくなっていました。しかし稲荷は探索者達に感謝を伝えるように、探索者の回りを走っています。すると突然稲荷の体から光るものが飛び出してきて、探索者達の体に入っていきます。探索者達はその様子を見て、満足そうに笑みを浮かべながら稲荷を連れて伊那鳴村へと帰っていきます。【END2】

【ありがとう】
探索者達は稲荷の村経験者(その中でGMが1人選ぶ)のポケットが光っているのに気付く。それを探索者が取り出すと、それはいっそう光を増す。それは宝珠の欠片であった。宝珠の欠片は稲荷に近付いていき、稲荷の中に入っていった。その瞬間、稲荷の体から強い光がでる。堪らず目を閉じ、光が収まった頃に目を開くと、

彼女が、綺麗な笑みを浮かべていた。

「ありがとう。」

…そう言って笑った彼女の姿を、探索者達は一生忘れないだろう。
【END1】

【伊那鳴の】のEND処理

【END5】

あれから異形を探したが、見つからなかった。何週間かして、ふとテレビを見てみると、狐の変死体が発見されたニュースが流れていた。その狐は腹に大きな穴を開けられて即死。そして更に奇怪なのはーー。記者が続ける。

ーー首に狐のキーホルダーをかけているのです。

この件に関して探索者達は一生罪悪感を背負い続けて生活するのだろう。ずっと…ずっと…。

「テケリ・リ♪」

【END4】

探索者達は数ヶ月に1回、とある村へ行く。しかし探索者達は自分のおばあちゃんの家があるというのに、最初その村の神社に寄っていきます。そこにある小さな墓に祈ってるのです。

後悔の感情を感じながら。

【END3】

探索者達が伊那鳴村に行くことは殆ど無くなりました。あの事を思い出してしまうからです。自分のしてしまったことへの後悔、罪悪感、様々な感情が渦巻き探索者達は行くのをやめてしまいます。

あの事件に関して探索者達は一生罪悪感と後悔を背負って生きていくのだろう。ずっと…ずっと…。

【END2】

探索者達は数ヶ月に1回伊那鳴村という村にいく。しかし探索者達はおばあちゃんの家より先に村の神社へと向かいます。

あの稲荷様と会うために。

【END1】

「あ、そう言えば商店街も大盛況で、人が一杯いたのじゃ!後で一緒にいこうではないか!」稲荷はあの日から大明神へと戻り、神格を取り戻した。しかしまだ信仰が少ないようで見た目は小さい。探索者達は数ヶ月に1回、ここに来て稲荷と話している。「なあ…あの化け物は、なんじゃったのだろうか。我らが戻ってきたときには小屋は消えていたが…」そういう稲荷。探索者達が稲荷神社に戻ってきたときには、小屋が消えていたのだ。「まあ…よいか!あそこのお陰で我もこの姿を取り戻せたし、小屋の持ち主には感謝をせねばな!」探索者達は稲荷の言うことにそれはどうかとは一瞬思ったが、間違ってはないだろうと思考を放棄した。

そうして伊那鳴村には稲荷大明神が戻ってきて、探索者達は生きることへの楽しみが増えたのだった。

「伊那鳴村!ただいまじゃー!」

【クリア特典】

シナリオクリア:SAN+1D10
弱点を叩いた:アイデア+1D6
狐を発狂させなかった:DEX+1D4
ダイスロールで失敗を出さなかった:幸運+1D20
END5でクリア:INT-1D2、SAN+2
END4でクリア:HP+1D12、SAN+1D4
END3でクリア:HP+1D6、知識+5
END2でクリア:HP+1D12、好きなステータス1つを+1D4、SAN+1D10
END1でクリア:HP+1D20、好きなステータス2つを+1D4、SAN+1D10

あとがき

稲荷の村のシナリオPLしたかったのにGMやることになってムシャクシャしてやった。反省はしている。後悔はしていない。

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