「ソード・ワールド2.5」のⅠ巻のみを使用しています。
pixivに投稿した、タイトル通りシンプルなダンジョンシナリオ。
遺跡を探索して蛮族を討伐しよう。
pixivのリンク先「https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10611195」
2021/4/10 一部テキストを加筆修正(フレーバーや参照頁のみ。データ部分の変更なし)
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA
アルフレイム大陸で冒険者になったばかりの貴方が「冒険者ギルド」で手頃な依頼を探していると、丁度店にやってきた学者から依頼を持ちかけられる。話によれば最近、町の外れで小規模な遺跡が発見されたそうだが、遺跡には「守りの剣」の結界を通り抜けた蛮族が既に侵入しており、調査を行う前に冒険者達に追い払ってもらいたいという。駆け出し冒険者達は、無事に蛮族を追い払うことが出来るだろうか?
タイプ:討伐
構成:戦闘メイン
PCレベル:2~4
推奨人数:3~5
難しいギミックはない、至ってシンプルなダンジョンシナリオ。
戦闘が重め。
舞台はアルフレイム内であればどの町でもよい。
使用ルールブック
「ソード・ワールド2.5 Ⅰ」のみ。
地図作成に使用したツール
「Gridmapper」
PL用マップはマス目対応。マップサイズは30×30。
初期経験点を増やしたり、敵を減らしたり強くしたりなど、シナリオ改変等はご自由にどうぞ。引用元を明記してくだされば、本シナリオを元にリプレイを作成しても構いません。
連絡先
twitter ろに@airil_irony
Discord ハト頭#8570
【】内は描写。
【冒険者になったばかりの貴方は、依頼を探しに「冒険者ギルド」へ立ち寄る。夕方で酒場も兼ねているためか店内は賑やかで、見るからに屈強そうなベテラン冒険者から自分と同じような新米冒険者まで、客層は様々のようだ。ギルド内の各所には店員がおり、カウンターで冒険者から注文を受けて料理を作ったり、依頼の仲介を行ったりしている。カウンターの向かいの壁には掲示板があり、その掲示板には十数枚の張り紙が張ってあった。】
PL達は全員同じ酒場に居る。面識がない場合は同じテーブル席に通された、たまたま同じ張り紙を見ていた、等のテキトーな理由で合流させるといい。
以下、PC達の合流例。
PC1:掲示板を見る
とりあえず掲示板に張られた依頼の張り紙を見るが、如何せん冒険者になったばかりなのでどれが自分に合っているか分からない。悩んでいると近くの店員がPCの経験にあった依頼を探してくれるそうで、そのあいだテーブル席で待機することに。
PC2:ベテランっぽい冒険者に話しかける
新入りかどうか尋ねられたあと、「あっちのテーブルに居る奴も新入りっぽいから話してきたらどうだ?」とテーブル席に連れて行かれる。
PC3:カウンターで料理を注文する
料理が来るまで待っていると隣の席に冒険者ではなさそうな人族の男性がやってくる。
男性はカウンター越しの店員に依頼を持ってきたと伝え、程なく他の店員と共に席を離れていった。PCが料理を食べ終えた頃、先ほど男性と共に席を離れたギルド員がカウンター越しのギルド員へと話しかけていたが、程なくしてPCに依頼を持ちかけてくる。テーブル席の方へ移動。
PC4・5:自由枠
どうしたら良いか分からず店内でそわそわしていたらテーブル席に案内されそのまま依頼を受ける流れになった、外でごろつきと喧嘩していたら腕を買われて依頼を受けることになった、など。
発注者:魔動機文明期の遺跡を調査している学者
依頼内容:町の近くで発見された小規模な遺跡に蛮族が侵入しており調査が行えないため
冒険者に蛮族を追い払ってもらいたい。余裕があれば調査の足掛かりになりそうな物品を探してほしい。
報酬:一人当たり500G
期限:3日以内
場所:この街から半日の距離にある。「守りの剣」の結界のおかげで道中の危険は無い。
買い物についてはセッション前に購入を済ませておくか、依頼受注後に町で消耗品の購入を促すと良い。
【地図で示された場所は草原と森を抜けた先にあるらしく、途中で街道を外れたものの、特に何事もなく目的地付近へ到着した。木々をかき分けたその先には、今にも草木に飲み込まれそうな石造りの建物が存在している。遺跡の壁面に窓は無いものの、殆ど崩れている石扉の向こうはほんのり明るく、天井も部分的に崩壊している事が窺える。そのまま蛮族よろしく中へ入る事も出来るようだ。】
文明鑑定判定(目標値5)で魔動機文明期の建物であること、壁が分厚い石材で出来ていることが分かる。
文明鑑定判定の達成値が9以上だった場合、およそ1000年前に建てられた建物であること、苔むした壁にうっすらと文字が彫られていることが分かる。
文字は魔動機文明語で「魔…研……設……支部」と書かれている。
(GM情報:魔神研究施設○○支部。○○にはPCの活動地域を入れる)
文明鑑定判定後の見識判定(目標値7)で、魔動機文明期の遺跡は多重階層建築が多いが、この建物は高さが低いことに気づく。
探索判定(目標値10)で入り口の石扉は最近壊れたこと、また力任せに壊された事が分かる。
探索判定(目標値5)で足跡が見つかる。
足跡追跡判定(目標値7)で足跡が最近のもので、遺跡内部へ続いていることがわかる。
見識判定(目標値9)で3種類の足跡があり、その中でもフッドの足跡が一番多い事が分かる(追加で魔物知識判定を行う場合、目標値に+4の修正が入る)。
【天井が所々崩れており、青空が見える。本棚などの家具は存在しているが損傷や劣化が激しく、書類だったと思われる紙片が所々に散乱している。】
昼間は明かりが無くてもペナルティはつかない。
「最初の部屋」「5番目の部屋」「7番目の部屋」に隣接する箇所や通路側を除く扉の両脇には「翼の生えた石像」が設置されている。
(GM情報:「4番目の部屋」で不意打ちをかける際に必要な要素)
日没は午後6時。日没後は「暗視」を持っていないPLに-2の視覚ペナルティが付く。
GMはPLが遺跡内部へ入ったタイミングで以下の「PL用MAP」を提示する。
はじめからMAPを全部開示しても良いし、一部をマップタスクなどで隠しても良い。
【入り口から入って正面に扉があり、扉の両脇の石像は破壊されている。床には瓦礫や朽ちた木材等が散乱している。】
扉は僅かに開いており、聞き耳判定(目標値5)で向かいの部屋から物音が聞こえる事が分かる。
聞き耳判定の達成値が9以上だった場合、物音に混じって更に複数の声を聞き取る事が出来る。
(フッド達が向こうの部屋で「タカラ、タカラ」「モノ、トル」などと汎用蛮族語で騒いでいる)
探索判定など(目標値9)で部屋全体を調べた場合、床の瓦礫類は「経年的に朽ちて出来たもの」と「最近になって人為的に壊され出来たもの」が混在している事に気づく。
達成値が11以上だった場合は更に、金目の物は一切無いことがわかる。
※この部屋で大きな音を出した場合、2番目の部屋に居る蛮族が物音を聞きつけてこちらの部屋にやってくる。
【向かいの壁に石扉が2カ所ある。】
右の扉は3番目の部屋のみにつながっている。
最初の部屋で大きな音を出さず入った場合、
「ゴブリン」
「アローフッド」
「ダガーフッド」
「サーベルフッド」
「シールドフッド」
各一体ずつとの戦闘になる。
(PLが3人だった場合は敵の数を1体減らすと良い)
ゴブリンは敵を1体以上倒すか自身が攻撃を受けると逃走行動をとる。
※具体的には「(乱戦エリアからの離脱準備を行って)乱戦エリアから離脱し、次のラウンドに戦闘から離脱する」行動をとる。乱戦エリアからの離脱準備についてはルールブックⅠ150頁を参照。
逃走したゴブリンは戦闘中であれば1ラウンドごとに、戦闘以外のタイミングでは10分ごとに
「2番の部屋」「T字路の突き当たり」「T字路の右端」「3番の部屋」「6番の部屋の前」「6番の部屋」の順に移動する。
6番の部屋へ到着後して2ラウンド(もしくは20分)経過後、ゴブリンは部屋の魔物を全て引き連れ、往路と逆の順番で2番目の部屋へ戻ってくる。
【天井の一部が崩れて瓦礫の山になっている箇所がある。】
探索判定(目標値11)を行うと、瓦礫の隙間から風の流れを感じられる。
腕力判定(目標値13)で瓦礫を動かすと、地下へ続く階段が存在していること、素人目で見ても「全ての瓦礫の撤去には相当の時間と労力を要するため現実的でない」ことが分かる。
(GM情報:地下部には「奈落の魔域」が存在しており、本シナリオにおけるフレーバー要素。キャンペーンシナリオを作るときに利用すると良い)
通路への扉は閉ざされているが、鍵はかかっておらず聞き耳を立てても何も聞こえない。
ゴブリンが6番の部屋に到着していない状態で通路内に入った場合、PCに隠密判定を行わせ、GMは6番目の部屋に居る蛮族達が気付くかどうか聞き耳判定を行う。
(PCが「物音を立てないように通路に入る」を宣言した場合、隠密判定に+2のボーナス修正を加え、どの蛮族が聞き耳判定を行うかはダイスで決定する)
PC全員が隠密判定に成功した場合、PC側の不意打ちが成功する(ルールブックⅠ156頁『魔物からの不意打ち』参照)。
【部屋に入ると正面に血まみれの死体が転がっており、床には大量の血痕が残っている。
また、向かいの壁には金属製の錆びたプレートが埋め込まれている。】
見識判定(目標値5)で蛮族の死体であることが分かる。
達成値が9以上であった場合、死因は頭部の損傷によるものと判断できる。
探索判定または宝物鑑定判定(目標値5)で金目の物を一切持っていないことが分かる。
探索判定(目標値5)で血痕が入って横の石像や扉に付着していることが分かる。
達成値が9以上であった場合、血痕は2、3日前のものである事に気づく。
文献判定(目標値7)でプレートに文字が彫られていること分かる。
プレートには魔動機文明語で「非常時以外……に触れるべからず」と掘られている。
【その扉や石像は今まで通り抜けてきたものとは少し違った印象を受ける。君は不用意にも扉に近づく。直後扉は独りでに動き出し、ものすごい勢いで君に襲いかかってきた。】
入って横の扉や石像に触れた場合、擬態した敵の不意打ちを受ける。
不意打ちの詳細はルールブックⅠの156頁や各魔物のデータを参照。
「ドアイミテイター」
「ガーゴイル」2体
「チープストーン」2体
との戦闘に勝利すると5番目の部屋へ侵入可能になる。
【天井の崩落は無いため部屋は暗い(視覚ペナルティ-1)。蛮族に荒らされた形跡はなく、前方に棚と本棚がある。】
棚には魔動機文明語で非常用と書かれており、魔香水が1D3個、ヒーリングポーションが1D4個保管されている。
文献判定(目標値9)でアンロックキーの挟まった本を見つける事が出来る。
また、鍵の挟まったページには魔動機文明語で以下の文章が綴られている。
「『非常時の……プロトコル』当……が蛮族達の大規模な襲撃、地下の……が想定を超えて……するなどした場合、職員は………に上級……の指示に従って避難されたし。万が一脱出が困難な場合はこの…を用いて大部屋の…にある……ルターに避難し、……信号を発して待機すること。また、……の調査のためにも保管されている……を一緒に持ち出すべし」
【大部屋になっており、中央には蛮族達がかき集めた金品が雑に積まれている。】
(以下、ゴブリン到着前の描写)
【その金品の山の周りには蛮族達が集まっており、何やら話しているらしい。その中に、これまで倒してきた蛮族達よりも一回り体躯の大きい蛮族が一体存在している事に君達は気付くだろう。しかし同時に体躯の大きい蛮族もこちらに気付き、敵意を顕わにけたたましい叫び声を上げて此方へ向かってきた。】
ゴブリン到着前に部屋へ侵入した場合、
「ボルグハイランダー(剣のかけら4個)」
「シールドフッド」
「サーベルフッド」2体
との戦闘になる。
PCのレベルや人数が少ない場合は、
・サーベルフッドを1体減らす
・剣のかけらを2個減らす
・ボルグハイランダーをボルグへ変更する
など、必要に応じて調整すると良い。
宝物鑑定判定(目標値7)で総額1000G相当(魔動機文明期の物品)が集められている事がわかる。
探索判定(目標値13)で隠し部屋の扉を発見できる。
5番目の部屋で文章を読んでいた場合、達成値に+2のボーナス修正を加算する。
隠し扉には魔術的な施錠がされており、真っ当な解錠にはアンロックキーを用いた解除判定(目標値7)やソーサラーのアンロックが必要。
腕力判定(目標値13)で物理的に開けても良い。
天井の崩落はなく、部屋は暗い(視覚ペナルティ-2)。
奥には棚と机があるが、物理的に扉を開けた場合は開けた衝撃で棚が倒れている。
探索判定など(目標値5)で壁や天井はどの部屋よりも頑丈に作られており、シェルターのような働きをしていることが分かる。
棚には魔動機文明語で「サンプル」と書かれており、中には
「消魔の守護石(HP:1D6点)」と「悪魔の血盤」が1個ずつ入っている。
ただし棚が倒れていた場合、消魔の守護石は使い物にならなくなっている。
机には魔動機文明語で書かれた「日記」と「遺跡の地図」が置かれている。
「日記」内にはこの建物がかつて「奈落の壁」について研究していた施設で、ある日施設の地下部に偶然「奈落の魔域」が形成されたこと、内部調査に行った職員は戻ってこなかった事が綴られている。保存状態も良好で、調査の足掛かりとして持ち帰れば追加報酬を得られるだろう。
「遺跡の地図」には地上部と地下部の建物の構造が記載されている。
【遺跡探索を終えた冒険者達はその後依頼を受けた冒険者ギルドへ向かう。帰ってきた冒険者達を見て受付のギルド員は「おかえりなさい、まずは一杯どうですか?」と冒険者達をテーブル席へ案内し、注文をとりながら君達の冒険について訪ねてくるのであった。】
「4番目の部屋」以外で出現する全ての魔物を討伐すると依頼達成となる。
経験点
達成:経験点1000点、一人あたり500G
未達成:500点
「日記」もしくは「遺跡の地図」を店員に渡すと一人当たり250Gの追加報酬を得られる。
冒険者達にはそのうち遺跡内の探索依頼がやってくるかもしれない。
その他、GMは道中討伐した魔物の経験点や戦利品を加算し、上乗せする。
各種敵データ等はルールブックⅠを参照。
・初期経験点:3000点(ルールブックの初期作成)
・出現する魔物を各部屋1~2体減らす
・「シールドフッド」を「サーベルフッド」へ変更
・「ボルグハイランダー」を「ボルグ」へ変更、剣のかけらを1~2個減らす
※更にシナリオ難易度を下げる場合:「ゴブリンの逃走」を無くす
・初期経験点:5000点
・初期経験点:7500点
・「アローフッド」または「ダガーフッド」を「ゴブリン」へ変更
・4番の部屋の死体を「シールドフッドレブナント」「ドライコープス」各1体に変更し不意打ち
・6番の部屋の「サーベルフッド」を「ボルグ」へ変更
・3番の部屋で腕力判定に成功した場合、地下部へ侵入可
侵入直後に
「ブルドルン」1体
「ドルン」2体
との戦闘を行う。
地下部の探索判定(目標値5)で地下部は大部分が崩壊していて奥には進めないこと、蛮族達が居ないにも関わらず何故かとても恐ろしい気配を感じることが分かる。達成値9以上で瓦礫の隙間に魔動機文明語で「…落調査に…き……禁止」と書かれていることが分かる。
また、この場所で悪魔の血盤を使用すると悪魔の血盤は粉々に砕け散る。
(GM情報:「奈落の魔域」は幸か不幸か瓦礫に埋もれているため、本シナリオではPL達が「奈落の魔域」内部へ入ることは無い)
「ゴブリンの逃走」にてゴブリンを最短経路で逃走させる、「ボルグハイランダー」の剣のかけらを増やす、などを行う
今から約1000年前、魔神研究施設○○支部ではその名の通り魔神に関係する研究を行っていた。建物は一見一階建ての低層に見えるが、地下に何層もの階層が広がっていた。
地下部に突然「奈落の魔域」が発生、調査のために職員が内部に入るも消息不明に。
その後、魔域は拡大を続け、地下部の大部分を飲み込んで手が付けられなくなり施設は破棄され、時間と共に忘れ去られていった。
そして1000年が経過した現在、一人の物好きな学者によって発見され、本シナリオに至る。
前回のシナリオは制作中のテンションがおかしかったのと色々詰め込み過ぎたせいで煩雑になってしまった感があるので、今回はシンプルなダンジョンシナリオに挑戦。
なお、前回のシナリオを実卓で回したところ、
最終的には建物の半分が吹っ飛んだ上に神父の下着がポロリしました。
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