2020年07月13日更新

九龍城砦放浪記

  • 難易度:★★★|
  • 人数:2人~4人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

 2020年某日、PLは香港の九龍寨城公園を訪れ怪しげな男から、一冊の本を渡される。
 本を開いた途端、意識を失うPL。意識が途切れる寸前に聞こえたのは、男の楽しげな声だった。
「悔いのない、良き旅を!」
PLが目を覚ますとそこは、1985年の九龍城砦の中だった。

 PS1の怪作『クーロンズゲート』が好きなので作成しました。
 行ってみたかった場所No.1でもあります。
 時代考証などあまりしてないです。なので、KPは事前に九龍城砦を調べてください。
 写真などあるとプレイしやすいです。
 実在の人物や団体などとは関係ありません。

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ストック

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推奨技能

〈目星〉〈聞き耳〉〈鍵開け〉〈言語(中国語)〉〈精神分析〉など
※PLのうち一人は〈中国語〉60%以上を取得させたほうがいいかもしれないです。

導入

 香港九龍寨城公園で寛ぐPL。
 公園には、太極拳をする老人や走り回る子供たちの姿がある。
 そこにマスクをした怪しげな男が現れ、馴れ馴れしく日本語でPLに話しかける。
「今は公園になっちゃいるが、昔はここに巨大な違法建築群があったんだ。悪の巣窟、無法地帯、一度入ったら二度と出てこられないスラム街、色々と呼ばれてたんだぜ?」
お近づきの印にと男はPLに一冊の本を無理やり渡す。
 PLが渋々と本を開くと、意識が段々と薄れていく。意識が途切れる寸前に聞こえたのは、男の楽しげな声だった。
 「悔いのない、良き旅を!」

九龍城砦・道端

 PLは、誰かに声をかけられて目を覚ます。
 そこに居たのは頬に傷のある、10歳くらいの少年だった。
 少年は日本語で自身を海老剝き屋の息子、と名乗りこんな所で眠り込んでいては身ぐるみを剥がされてしまうと注意する。

1. 少年と会話が可能。
2. 少年や周囲への目星も可能。

少年〈目星〉
 頬に横にのびた切り傷がある。かなり深い傷跡で、恐らく大人になっても消えない。

周囲〈目星〉
 狭い通路で天井の豆電球が等間隔で灯を照らしている。しかしそれでも夜のように暗い。
 ゴミが所々に散乱しており、床も滑っていて衛生的ではない。
 そして、PLの側に男から渡された本が落ちていた。

本〈目星〉
日本語で九龍城砦の歴史が書かれている。
『1993年に九龍城砦は取り壊された』
最後のページには、『銀の鍵を使うこと』『犬には気をつけること』『良き旅を!』と書かれている。

〈中国語〉
中国語で『一つ貸しにしといてやる。じゃ、あとは頼んだ』と書かれている。

『少年との会話で得られる情報』
・現在は1985年であり、ここは九龍城砦の内部。観光客でもこんな所まではこない。
・自分は散歩の途中で倒れているPLを見つけた。
・昔よりは治安が良くなってきているが、それでもここで倒れているのは不味いと思い声をかけた。
・頬の傷は昔、強盗によってつけられた傷。
・母親が日本人だっため、日本語で意思疎通ができる。

その他の行動
 携帯を確認すると圏外になって使えないことに気づく。

 35年前の、解体されたはずの九龍城砦内部に自身が居るという事実にPLは驚愕する。
【SANチェック 1/1d3】

 PLの持っている本のページの間から封筒が一枚落ちる。中身はPL人数×1万円分の香港ドルが入っていた。
 少年は目を輝かせ、そこからをお金を少しだけ抜き取り自分のポケットへ入れ、強引にPLたちの案内役を申しでてきた。
 
「安心してくれ、俺はこの辺りには詳しいんだ。給料分仕事はしっかりとするよ!」

 以降、海老剝き屋の息子(以降、少年表記)が仲間になります。
 ここから、少年がいる場合のみ中国語による弊害がなくなり、〈中国語〉の判定がなくなります。
 また、九龍城砦内で迷子になることもないです。

風水師の家

 PLが未来からきた、銀の鍵、犬、怪しげな男、という単語を聞き少年は風水師の家に行くことを提案する。
 少年の案内で風水師の家についたが、風水師本人は不在だった。
 少年は鍵開けをし、家に入った。
 「ちょっと家探ししてやろうぜ」
 少年は意地悪そうにPLに提案した。

 風水師の家は散らかっている。
 全体を目星することで、なにが調べられるかがわかる。

全体〈目星〉
 大小様々な本が置かれた本棚。大量の紙束と地図が乱雑に置かれた机を見つけることができる。
 不思議なことに部屋の四隅や縁を何かで塗り固めているのがわかる。(ティンダロスの猟犬除け。この部屋ではティンダロスの猟犬は出現しない)
(クリティカル情報)
どう見ても、1985年には存在し得ないオーパーツ的な道具が転がっている。どれも壊れているか、使用方法がわからない。

机〈目星〉
本や書きかけの手紙、その中から『報告書』を見つける。
『報告書』
 ...形容し難い魑魅魍魎がそこかしこに蠢いている。ここが他所と比べて特殊な環境にあるのを差し引いても、近頃のこれは目に余る。
 ...誰かが得体の知れないことを企んでいる。理由はやはり、九龍城砦の解体阻止か?

本棚〈図書館〉〈目星〉
大小様々な本が並んでいる。
PLが一冊本を手に取ると異様な寒気がした。
表紙には『De Vermis Mysteriis』(=妖蛆の秘密)と書かれている。
PLが中身をみると宣言した場合、
【SANチェック1/1d3】

 全ての捜索が終わったところで風水師が帰宅。不法侵入をしていたPL達に中国語で詰るが、PL達が日本人だとわかると日本語で詰り始める。
 しかし、すぐに眉をひそめた。
 「お前、未来からきたな?」
 PLの持っていた九龍城砦について書かれた本を奪い取り、最後のページ(中国語で書かれたメッセージ)を凝視した後口をへの字に曲げ、PLに話しかける。

『風水師との会話から得られる情報』
・時間遡行をしたPL達は犬(=ティンダロスの猟犬)に襲われる危険性がある。有料で犬から身を守る護符を渡される。
・PL達を元の時間に戻す方法はあるが、必要なもの(=粗悪品の銀の鍵)が盗まれてしまった。探すのを手伝ってほしい。
・持っている本はここの住人には見せるな。(1993年に九龍城砦が解体される、という事実が載っているため)

 最後に風水師は少年に「父親はどこに行った?」と尋ねますが、少年はここ数日姿を見てないと不機嫌そうに答える。
 風水師はPLに怪しいのは『歯医者』『床屋』『自警団リーダー』の3名だと答え、自分は用事があるからとどこかへ去ろうとします。

風水師へ〈聞き耳〉
「これでアレ(=粗悪品の銀の鍵)を処分できる」

【少年は、PLたちが未来から来たことに対してあまり深追いしません。風水師の戯言だと本気にしてないからです。】

ここから、『ティンダロスの猟犬の出現』判定をKPの気分次第で行います 
 風水師の護符がある限り、ティンダロスの猟犬はPLの目の前に現れることはできませんが、KPが判定に成功し、PLも判定に成功した場合、その気配を感じ取ってしまいます。
 その都度、SANチェックをします。

〈目星〉
『あなたは、あなたを今にも喰らおうとする異形のなにかの姿を捉えてしまいます。それは瞬きをすると消えましたが、あなたの脳裏に焼きつくには十分すぎました』
〈聞き耳〉
『あなたは、耳元で獣の荒い息遣いを聞いてしまいます。それは餌であるあなたを目の前にして興奮しているようでした。形容しがたい何かがあなたの傍を通り過ぎました』
〈アイディア〉
『あなたは、気付いてしまいます。どこにいようと何をしようと、それは常にあなたの側で、あなたを狙い続けていることを』

歯医者

マスクをした男が暇そうにしている。

全体〈目星〉
様々な医療器具があちこちに置かれている。誰のものかわからない歯も無造作に置かれており不衛生だと感じる。
探し物はなさそう

『歯医者から得られる情報』
・また歯医者が増えて、暇な時間が増えた。自警団のほうを本職にするか迷っている。
・風水師の家どころか本人にも近づきたくはない。あれはここでもかなり浮いた存在だ。
・空き巣に入られたのは知っているが、自分ではない。
・数日前に少年の父親を見かけたが、かなりやつれていたが大丈夫か?

床屋

男が客の髪を切っている。
常連客なので、会話しても構わなさそう。

全体〈目星〉
鏡、回転する椅子、道具一式が置かれている。客は今床屋が相手をしている人以外にはいない。
探し物はなさそう

『床屋から得られる情報』
・香港返還前にこの九龍城砦が取り壊されるという噂が流れている。恐らく、本当のことだろう。
・自警団、裏社会の人間共がごそごそと何かをしている。
・風水師はどうも胡散臭い。が、あれは恐らく本物だ。あいつの家に侵入するなど、命がいくつあっても足りない。
・そういえば、もうすぐ少年の母親の命日だ。墓参り前に父親を誘って髪を切りにおいで。

自警団リーダー

 ドアをノックをするが誰も出てこない。
〈聞き耳〉に成功すると誰もいないことがわかる。
また、〈鍵開け〉に成功すれば室内の探索ができる。(失敗した場合、少年が鍵開けに成功する)
 室内の探索をする場合、少年から見張りをたてたほうがいいと言われる。少年が見張りをする場合、〈中国語〉の判定が必要となる。少年が室内を探索した場合、何も見つからなかった、と答える。

全体〈目星〉
片付けられた室内。
机の上に中国語で書かれた日記とポスター、写真立てがあった。
探し物はなさそう

日記〈中国語〉
 この九龍城砦は『無法地帯の悪の巣窟』と呼ばれているが、それは昔の話である。確かに我々は中国、イギリスどちらの法にも従わない。しかし、自分たちが作り上げた規律を守りながら生活をしている。
 我々自警団も、その安寧を守る一助となっている。
 我々の故郷はここ、九龍城砦だ。
 しかし、外の連中は香港返還前に我々の故郷を滅ぼすつもりだ。なんとかしなければ。
 例え、どんな力に頼ろうとも、我々は故郷を守らなければならない。
 そういえば、噂では風水師が未知なる力を持ち合わせていると聞いたことがある。奴に協力を仰ごう。

ポスター〈中国語〉
『解体に反対!』『今こそ団結の時!』と書かれた九龍城砦解体反対のプロパガンダポスター。

写真立て
笑っている男二人と女の写真。
〈目星〉
女の顔つきがどことなく少年と似ている。

 部屋を出ようとすると、外側から鍵がかけられていることに気づく、話し声とのぞき窓から少年が少し柄の悪い男と話しているのがわかる。
〈中国語〉に成功すると内容がわかる。

『少年と男の会話』
・男は自警団リーダーに会いに来た。九龍城砦解体阻止に向けた話し合いをするためだ。
・お前の頬に傷をつけた強盗を捕らえた時の父親の姿は正に鬼神そのものだった。
・少年の父親が自警団を辞めたのは我々にとっても大きな損失だ。けれど、いまの腑抜け面ではまともに働けはしないだろう。

 そこで少年が怒鳴り声をあげ、男は去っていった。
 少年が部屋の鍵を開け、中に入ってくる。
PLたちが聞き耳を立てていたことに気づき、さっきの男は裏社会人間で関わらない方がいい、と話す。

 PLが写真について聞くと少年は、自警団リーダーと自分の両親の写真だ、と答える。

『少年から得られる情報』
・母は3年前に死んだ。父はそれ以降、がんばって自分を育ててくれた。しかし昨年頃から何に対しても無気力になった。
・父は昨年まで自警団に所属し、皆から慕われていた。あんなに無気力な父の姿を見たくないから一日中散歩をしている。
・数日前から気味が悪いほど精力的に活動している。家にも帰ってきてない。本当は父のことをとても心配している。
・ここはとても居心地が良い。けど、過去に囚われるぐらいなら、こんな所とっとと壊れてしまえばいい。

ここで少年から腹ごしらえをしようと雑貨屋へ行くことを提案します。
自警団のリーダーは今の段階で探しても見つからないです。

雑貨屋

中年の女性が店番をしている。
少年とは顔見知りで、ご飯を食べさせてほしいと頼むと『昨日の残り物』を出してくれる。(『昨日の残り物』はPLから食べたいものを聞きましょう)
【SAN値回復 1d3】

『雑貨屋から得られる情報』
・九龍城砦解体が噂になっているが、娘のことを考えるとこんな暗い所、とっとと壊して明るい新天地で頑張るほうがいいかもしれない。
・風水師は本物だがツメが甘い。あれは後先考えずに行動するタイプだね。
・自警団リーダーは本当にここを愛している。それが暴走しなければいいけど。

 ご飯を食べ終わると、雑貨屋は少年に食べ物を包んだ袋を渡し、『あまり気張るんじゃないよ』と伝えます。
 少年は頷き、風水師の家へ戻ることを提案します。

道中、少年は
『さっきはあんなことを言ったが、本当はみんなと離れ離れになるのが怖い』
と伝えます。

風水師の家

 風水師の家の前で一人の女の子が佇んでいる。少女はPLの姿を見て少し萎縮したようだが、少年の姿を見て安堵の笑みを浮かべたが、すぐに困った顔をした。

『女の子から得られる情報』
・風水師の家に空き巣が入ったと聞いた。空き巣が入った日、私はこそこそと辺りを伺い風水師の家に入る二人組を目撃した。一人は自警団のリーダーだった。

女の子に〈目星〉〈アイディア〉
少年のほうを横目でチラチラと見ていて、落ち着かない。もう一人の名前を言いづらそうにしている。

少年を遠ざけるか、女の子に耳打ちをお願いすると女の子がもう一人は、少年の父親だったと教えてくれる。

自警団本部

リーダーを本部で見かけたという女の子の情報で自警団本部へ。
本部は扉に鍵がかけられていた。
「いつも鍵なんてかけてないのに...」

〈聞き耳〉
男の小さな呻き声が聞こえる。

〈鍵開け〉または〈CON×5〉でドアが開く。

室内では、男が頭から血を流しながら倒れていた。呻き声をあげており、意識を失っているようだ。
【SANチェック 0/1】

PLと少年の声で目覚める。

『自警団リーダーから得られる情報』
・風水師に協力を仰いだが断られた。状況を打開する力が欲しかったので空き巣に入った。
・本当は一人でやるつもりだったが、少年の父親と風水師の部屋の前でかち合った。奴は既に部屋の鍵を外していた。
・そこから本一冊と銀色の鍵を盗んだが、少年の父親が調べると言って今でも所持している。
・先ほどそのことについて聞くと、パイプで頭を殴られた。少年の父親はどこかへ去ってしまった。
・自分のことはいいから、父親の後を追ってくれと頼まれる。

全体〈目星〉
本棚と机とパイプ椅子、部屋の隅には警棒やパイプなどといった武器が置かれている。

本棚〈目星〉
横にずらせることがわかる。
〈CON×5〉を成功させると、隠し通路を発見することができる。

隠し部屋

 部屋の内部には、風水師と倒れている父親がいる。風水師は少し顔色を悪くしながら少年とPLを見て眉を潜める。
「そういえば、鍵開け使えたなお前」
 父親の元へ駆け寄る少年に風水師は気絶しているだけだと告げ、PLに父親とリーダーを病院へ連れて行くから手伝えと頼まれる。
 部屋の壁には、赤い文字でなにかの魔法陣と〈la! la! Cthulhu fhtagn!〉と殴り書きされていた。
【SANチェック 1/1d3】

病院

父親とリーダーは病院に入院した。
風水師は、『銀の鍵』と『螺湮城本伝(中国語で書かれたルルイエ異本)』『日記』をPL見せ、元の時代に戻す手順が整ったと告げる。
そして、『日記』をPLに渡し自身は父親とリーダーの病室に戻った。

『日記』〈中国語〉
・最初は妻が亡くなった悲しみと苦しみが書かれている。しかし、徐々に住人や息子の楽しい出来事や悲しい出来事が書かれるようになっている。
・一年前の中英連合声明で香港返還が確定した時期から、妻との思い出が残る九龍城砦が取り壊されると予感、奔走する。
・しかし、相手は中国、英国、香港。圧倒的な物量を前になす術がないと落ち込み無気力になり、死んだ妻を回想する時間が増えた。
・数日前、夢の中で妻と再会し風水師の部屋から鍵を奪取すれば生き返ることができると言われた。
・リーダーとかち合ったものの、無事鍵と本を奪い、リーダーを言いくるめて本部の隠し部屋で研究を始めた。息子には苦労をかけたが、妻さえ生き返れば元の生活に戻れる。
・最後のページにはクトゥルフを称讃する言葉が書き連ねてある。
【SANチェック 0/1】

屋上

風水師と共にPLは屋上へ昇った。
アンテナが所狭しのようにたてられ、まるで墓標のようだ。
風水師は『銀の鍵』を取り出し、PLに伝える。

『風水師との会話』
・これは『銀の鍵』の粗悪なレプリカで、一度使えば消え失せる。本来なら金を取るが今回はタダで使わせてやる。
・本物ではないので、厄介な奴に会わないといけないがお前達なら大丈夫だろう。ただし、絶対に「門の中へ入ってはいけない」
・少年のことは気にするな。自分がなんとかする。

 風水師は何かの呪文を唱え、鍵を空に向けて回した。
 PLの耳には、カチャと何かが開く音がしたかと思うと徐々に意識が薄れていく。
 意識が途切れる寸前に聞こえたのは、風水師の慌てた声だった。

???

 PLが目を覚ますと、不思議な空間にいること気づく。そして、なぜか側に少年がいることにも気付く。
 少年は風水師とPL会話を盗み聞きし、慌てて屋上まで追いかけてきたのだと話した。
 少年は泣き腫らした目でPLに
『給料分の案内をしなくて悪かったな』
と謝った。

「人間が何のようだ?」
 PLが声のする方へ向くと、そこには大きな玉座に座る小さな人型のなにかが居た。ヴェールに覆われて顔は見えないものの、一眼でそれは人智を超えたなにかだということにPLは気づく。
【SANチェック 1d3/1d6】

小さななにかは自身を「タウィル・アト=ウムル」と名乗り、少年に顔を向けた。
「なんだ、またお前か」
困惑する少年にウムルはああ、と納得し今度はPLに話しかけた。

「人間如きが銀の鍵を複製しようとするなど烏滸がましい。そう思わないか?本来ならあの忌々しいペテン師ごと消してやるところだが、今は少しだけ気分が良い。望みを言えば叶えてやろう。それとも、この門に入り我らの偉大なる神への謁見を望むかね?」

→元の時代に帰りたい
・ついでにティンダロスの猟犬をなんとかしといてやると言われ、少年も元の時代に帰そうと言われます。

→事件の詳細を聞きたい
・解説にある『一連の騒動について』を話してください。SANチェックのありなしはご自由にどうぞ。

→謁見を望む
・ヨグ=ソトースと会えます。SANチェックです。ついでに気に入られて元の世界に帰れなくなります。
 この場合、他PLはロストしたキャラを忘れ元の時代に戻りエンディングを迎えます。
 元の世界に戻るキャラがいなくなった場合のエンディングは、【公園には煙草を吸いながら『悔いのない、か』とどこか寂しげに呟く男の姿があった】で締めてください。

帰る寸前、少年はPLに大きく手を振り「またな!」と笑顔でお別れを言います。

エンディング

PLが目を覚ますと、元の公園にいることに気づく。その側には、自分たちに本を渡したマスクの男がいた。
マスクの男はPLが目を覚ましたことに気づき、語りだし始める。

「君たちが過ごした九龍城砦はその本の記述どおり、数年後には解体された。みんな反対したが、それでもどうすることもできなかった。それでも私はあそこで生活していた人々を鮮明に覚えている。私たちの故郷は、今でも心の中にある」

男はマスクを外した。
その頬には深い切り傷があった。

「貰った給料分の案内をしなくちゃな。安心してくれ、私はこの辺りに詳しいんだ」

そういうと男は笑った。
その笑みは、35年経っても変わっていない朗らかなものだった。

解説

『一連の騒動について』
 大元の原因は風水師が『銀の鍵』の複製に成功したことです。そしてそれをヨグ=ソトースの化身でもあるタウィル・アト=ウムルに見つかったことが事件の発端です。
 風水師が『銀の鍵』の粗悪品を作り出したことが面白くないウムルは、たまたま夢を繋げた少年の父親に会い、彼の妻になりすまして『銀の鍵』を盗むよう頼みました。
 当初の計画では父親に『銀の鍵』を使用させて、風水師を自身の場に連れてこさせる予定でした。
 しかし、父親が『螺湮城本伝(ルルイエ異本)』も盗み、結果、正気を失い本の研究に没頭してしまったことで計画は失敗に終わりました。
 が、ウムルはそれが大層愉悦で滑稽なものに見え、PLの望みを素直に叶えようとしたのも、一連の騒動に満足したからでした。

『風水師について』
 中国に九龍城砦の内部を探るよう命令された魔術師。
 『銀の鍵』の粗悪品を奇跡と偶然によって作り出したことに満足感を得ながらも、邪神のちょっかいを恐れていました。銀の鍵を使用すれば必ずウムルに会うはめになると思い、厳重に封印していました。
 PLに会った時は既に父親が犯人であることを突き止めており、少年に父親が発狂している様を見せないよう寄り道をさせていました。
 本のメッセージが何者からなのかはわかりませんでしたが、銀の鍵をなんとかするチャンスだということはわかりました。
 騒動後は、罪悪感と責任感から少年を弟子に迎え入れ世界中を珍道中するはめになります。

『少年について』
 父親の無気力さに嫌気がさしながらも、いつかまた気力を取り戻すと信じていました。
 PLが未来人であると聞いてもあまり信じていませんでしたが、最後の最後で信じPLとの再会を心待ちにしていました。
 PLに渡した本とお金は自前。とくに本は自身で著作したもの。メッセージは当時最大のピンチに陥っていた風水師を助けるために書いていました。
 騒動後は父親の回復を待ちましたが、死亡してしまい以後は責任を感じた風水師に育てられます。
 その後、何度かタウィル・アト=ウムルと会っており、タウィル・アト=ウムルが「なんだ、お前か」といったのもそのためです。

『父親について』
 妻の死去、九龍城砦の解体に心が病んでしまった人。そこをタウィル・アト=ウムルにつけこまれ、風水師の家から鍵と本を盗みました。
 厳重に隠された鍵を見つけられたのは、加護を与えられていたから。『螺湮城本伝』を盗んだのは、偶々目に入ったのと中国語で読めたから、でした。
 本部で研究をしていたのは、息子にこれを見せてはならないと本能的に感じていたからです。
 リーダーに危害を加えた時は既にSAN値0 でした。また、九龍城砦解体阻止など頭の片隅になく、あるのは妻と息子と一緒に笑い合う幸せな未来とそれを叶えてくれる大いなる神のことだけでした。
 騒動後、回復することなく死亡しました。

『自警団のリーダー』
 九龍城砦を愛するリーダーシップに富んだ人。父親とは、昔馴染みでした。彼の妻が死んでからはそれなりに父親のことを気にかけていました。
 故郷を愛するあまり風水師の家に空き巣に入り、鍵と本を盗みます。
 父親が自分と同じもの思いを抱いていることを純粋に喜んでいました。なので、簡単に言いくるめられました。
 日が経つにつれ、おかしくなっていく父親を問いただし危害を加えられました。
 騒動後は、後悔と羞恥心から自警団のリーダーを辞し成り行きに身を任せ、解体後は毎日跡地を訪れていました。

『住人たち』
 九龍城砦の解体について達観しているような書き方になってしまいましたが、彼らも後に抗議活動に力を入れていくことになります。
 彼らに共通しているのは、少年と父親の身を心配し見守っていることでした。

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