2019年12月28日更新

魔を求む者

  • 難易度:★|
  • 人数:2人~3人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

比較的一本道で、初心者であってもやりやすい(と私が思う)シナリオです。物語を楽しむ感じでいいと思います。なお、謎のまま終わる部分が多いです。

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ストック

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『魔を求む者』
〈導入〉
・探索者1はオカルト的な物品に興味がある。それは職業柄なのかもしれないし、ただの趣味かもしれない。ともかく、彼または彼女は友人または家族である、氷川梨音(ひかわりおん)から魔導書と呼ばれる代物である『無名祭祀書』を隣の桔梗市という町の古物商から買うのでついて来てほしい、と頼まれる。彼女は方向音痴で放っておけないと知っている探索者1は同行することになる。

氷川梨音(ひかわりおん) オカルト好きの女子大生 19歳 女

STR 11 DEX 5 INT 13
CON 8 APP 13 POW 11
SIZ 13 SAN 55 EDU 13

耐久力 11 マジックポイント 11 正気度 55

〈技能〉
運転(自動車) 40 オカルト 45 聞き耳 45 芸術(絵画) 35 経理 60 考古学 21 人類学 31 目星 35

・探索者2は桔梗市に住む人間であり、梨音と探索者1の友人である。彼または彼女はある日近所の古物商店である『佐々木古物店』にて探索者1と梨音が店主から魔導書とかいうものを購入すると聞いて、二人の案内を買って出ることになる。

〈古物商店での事件〉
・店長の佐々木は小太りの中年オヤジである。彼は無名祭祀書をある人物から買ったものだ、と探索者たちに話す。そういった長ったらしい自慢話の後、いよいよ金を払う段階になった時に、それは起きた。
〈描写〉
それは、黒い影だった。突然襲来したその影は、鴉でもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、また蟻でもない、というものだった。人間よりも少し大きなそいつは、その体から腐ったような臭いをまき散らしながら一切の躊躇なく佐々木の背中をその爪で何度も引き裂いた。二度、三度、四度……佐々木の血が、肉が、骨が舞う。いつしかその攻撃は止み、その時には佐々木の体は最早原型をとどめていなかった。そいつは最後、あなたたちを一瞥したのち、無名祭祀書を持ち去ってしまった。

・佐々木は最期に、探索者たちに「木崎……木崎を探せ……」と伝えて息絶える。怪物の襲来と佐々木の死によって探索者たちは大きなショックを受ける。正気度ロール1D3/1D6+1

〈佐々木古物店〉
・この店は一軒家を改造した店である。探索の開始は午後二時とする。一階が店舗スペースで、二階が居住スペースとなっている。一階で怪しいのは奥のカウンターくらいである。
・カウンターに対して『目星』に成功すると、古びた鍵付きの木の箱が見つかる。
・二階で怪しい部屋は書斎と寝室だけである。
・寝室は比較的物が散乱している、ベッドとクローゼットだけの簡素な部屋である。ここのクローゼットの中には四桁のダイヤル式金庫がある。
・書斎で気になるのは机と本棚だけである。机の中には帳簿が入っている。また、机の裏側を見ると、『1989』という数字の書かれたメモが透明なテープで張り付けられている。本棚に対して『図書館』に成功すると、読み込まれてよれよれのオカルト雑誌が見つかる。雑誌には『奇妙な事故! 消えた自動車!』という見出しがついていて、内容としては三年前に桔梗市内の交差点の交通事故で女性が死亡したが、なぜかその様子がすべての防犯カメラに映っていなかった、という話である。なお、この話にはあとは嘘くさい陰謀論ばかりが書かれている。
・帳簿を読むには一時間かけるか、経理に成功する必要がある。経理に成功すれば時間をかけずに必要な情報が見つかる。これについては梨音に読ませるといいだろう。ここには木崎洋平(きざきようへい)という人物から無名祭祀書を1000万円で買い取ったと書いてある。
・金庫の中には、小さい鍵と、一冊のノートがある。ノートには多くの顧客の住所などが書かれている。一番上には木崎のことが書かれている。
・木箱を開けるとペンダントが入っている。これに対して『オカルト』で成功するとこれが北欧の魔よけのペンダントだとわかる。

〈木崎の居場所〉
・木崎の家は高級住宅街の一角にある。周囲の人間によれば、おかしくなったのは3年前に妻が交通事故で死んでからのことだと聞ける。また、梨音のことを「なくなった奥さんの若いころに非常によく似ている」という。
・木崎の家は留守である。近所のアパートの住人によると、彼はここ一週間帰ってきていない、という。
・探索者は不法侵入を試みるかもしれない。その際には、鍵がしっかりかかっているので不可能だと告げること。
・木崎の家に来る、または一日が経過すると探索者たちに三十代くらいの野性的な目つきの男性が話しかけてくる。なお、彼に触られたりすれば彼の右腕が義手だとわかる。
〈男の話〉
「俺は……そうだな、仮にリッパーとでも言っておこうか。ともかく、こいつのことが知りたいのならば手伝ってやる」
と言って深夜にもう一度ここに来い、と探索者たちに指示をする。

〈木崎の家〉
・木崎の家へはリッパーが窓を外れるように細工しているため、侵入が可能である。彼は木崎の家の探索には協力せず、いつの間にか立ち去っている。梨音は彼に対して懐かしい感覚を覚える、という。
・怪しい場所は木崎の寝室、妻の寝室、キッチンである。
・木崎の寝室には妻と二人で写っている写真と日記が置かれている。

〈日記〉
八月十五日 彼女の霊と出会った。きっと戻ってきてくれたのだ。ああ、しかし長くはいられない。ならば、留める方法を探さねばならない。

十月四日(導入の一週間前) 無名祭祀書などという祖父の残した本、最早必要ないと思い売却してしまっていたが、なんとしても必要だ。取り返さなくては。

十月五日 佐々木とかいう男。何が3000万で取引が成立している、だ。元は私のものなのだから、おとなしく渡せばいいものを。あの海辺の倉庫ですべて準備しているというのに。

十月六日 これをかつての私の最後の記録とする。港湾倉庫ですべてを十月十三日に終わらせる。親愛なる殺人者よ。私を止められるのであれば止めてみよ。

なお、アイデアに成功するとこの日記につい最近触られた痕跡が残っているのがわかる。この内容を読んだ探索者は正気度ロール0/1D3

・妻の寝室には、化粧台に梨音が違和感を覚える。調べてみると、鏡がはずれて中から一冊のノートが見つかる。ノートには、『亡霊の楔』についての記述がある。

〈亡霊の楔〉
亡霊の楔とは、亡霊を現世に留める方法である。必要なものは人の血と金のナイフ、食塩水、それに亡霊に所縁のある触媒が必要である。亡霊は触媒が壊れるまで留まり続ける。

そして、最後に、「妹とその友にすべてを任せる。亡霊はあの本を研究していた。俺は外側から終わらせる。これを使ってくれ」とあり、ルーンの刻まれた首飾りが入っている。これは梨音のみに効果を発揮し、神話的な存在の攻撃の対象にならない、というものである。説明もまたノートに書かれている。

〈トラブル〉
・キッチンへ向かうと、突然窓ガラスが割れて、四体のビヤーキーが現れる。正気度ロール1/1D6+1。そして同時に、リッパーが助けにきてくれて、銃を持って立ちふさがる。よって、逃亡は可能である。もし逃げない場合は、リッパーが隠し持っていた短剣に刻まれたルーン文字を目撃するだろう。

リッパー

STR 16 DEX 17 INT 15
CON 18 APP 14 POW 19
SIZ 15 SAN 95 EDU 11

耐久力 17 マジックポイント 19 正気度 80

回避 74 拳銃 70 ライフル 65 こぶし 80 キック 65 組み付き 55 ナイフ 85 (戦闘で使用するもの)

装備:グロック17
   ルーンの刻まれたナイフ ダメージ 1D4(神話生物に対してはさらにダメージ4ポイント増加と装甲無視を与えるが、使用するたびMPを1D2ポイント消費する)

〈港湾倉庫〉
・港湾倉庫というのは桔梗港第五倉庫のことである(第六まであるが、住民は皆第五を思い浮かべる)。これについては探索者2は知っているだろう。木崎の家からは車で二十分ほどだ。辿り着けば、十二日であれば儀式の準備段階であるが、十三日では儀式のさなかである。
・どちらであっても木崎と思わしきスーツの痩せた男が怪しげに光る魔法陣の中で呪文を唱えている。怪しげな光景に正気度ロール1/1D3。探索者たちを見ると、「もう来たのか……リッパーではないか。だが、邪魔だ。消えてもらおう」と言って戦闘になる。だが、心理学に成功すれば梨音を見て非常に動揺していることがわかる。理由としては梨音が彼の妻に非常に似ているからである。

木崎洋平 狂人 37歳 男

STR 9 DEX 11 INT 15
CON 7 APP 14 POW 13
SIZ 14 SAN 65 EDU 17

耐久力 11 マジックポイント 13 正気度 30

回避 32 こぶし 65

魔術 肉体の保護(9ポイント)

・彼の保護を破るのは難しいだろう。よって、『こぶし』や『キック』などで彼が持っている魔導書を叩き落とすことが基本である。なお、梨音に戦闘能力は基本的にはない。そして、四ラウンドが経過すると、一ラウンドに一体のビヤーキーが現れるようになる。

〈結末〉
・木崎の持つ魔導書を焼いたり破いたりすれば魔法陣は光を失う。その後、リッパーが現れて、最後の悪あがきで梨音に襲い掛かった木崎を銃撃するが、最後に魔法陣から何かが飛び出してくる。
〈描写〉
それは、一本の触手だった。あなたたちの本能はそれに対して過剰なほどに警鐘を鳴らす。あれを見続けてはいけない、と。あなたたちが顔を背けると、木崎は最後に笑って、それを賛美した。いあ いあ はすたー!と。そうして彼はその触手に引きずり込まれていったのだった。

正気度ロール1/1D10

・その後、探索者たちは平穏な日々を取り戻す。彼らは元の日常へと帰っていったのだ。よって、正気度を1D10ポイント獲得する。

・なお、リッパーの元ネタは当然ジャック・ザ・リッパーである。

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残念な学生。ごくたまにシナリオを投稿したりしています。動画はコチラ→http://www.nicovideo.jp/watch/sm28266833 不明なことのあるキーパーなどはツイッターへどうぞ。

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