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※この作品はフィクションであり、実在する人物・団体・地名等とは一切関係ありません。
また特定の地域・宗教・職業・病気・身体的特徴などを擁護、あるいは非難する目的で作成されたものではありません。
砂漠地帯からの帰還
☆☆☆ ないとクリアが厳しい技能
戦闘技能/【医学】/【地質学】or【博物学】/【アラビア語】or【英語】/【ナビゲート】
☆☆ なくても構わないが、あったほうがいい技能
【天文学】/【目星】/【歴史】or【考古学】/【精神分析】/【製作(料理)】
☆ あると楽しい技能
【聞き耳】/【写真術】/【人類学】/【運転】
サハラ砂漠のど真ん中にある遺跡は〝暗黒のファラオ団〟の支部の1つである。
暗黒のファラオ団は、遺跡の地下にある鉄鉱石と引き換えに〝ミ=ゴ〟の宇宙的技術を借りて〝2本の笏〟の改良と量産を目的に活動していた。
しかし、人の手によって創られた2本の笏は不安定で、信者たちだけでは体力と精神に限界があった。
そんな矢先、とある冒険家の4人組がその遺跡を発見してしまう。(名前は以下のNPCを参照)
冒険家たちは捕らえられ、実験台となる。
1人の青年が最初の実験台になると、あまりに過酷な実験に危険を察した仲間の1人が身を挺して他の2人を逃がす。
その時、不安定な2本の笏が暴走し、仲間を含む何人かの信者に攻撃魔法を撃ってしまう。
これでパニックになった青年は、自身のMPを使い果たすまで魔法を撃ち続け、支部は壊滅。
命からがら逃げだした2人も砂漠で彷徨ってしまい、最終的にミ=ゴに脳を取られてしまう。
今や遺跡はミ=ゴが鉄鉱石を掘るためだけの空間になっている。
以上が探索者がエジプトへ向かう1週間前までに起こったことである。
一方、支部が壊滅したことを知ったニャルラトテップはこの状況を利用した余興を思いつく。
適当に選んだ人間と共に遺跡へ向かい、砂漠で彷徨わせる。
人間たちの窮地に追いやられた時の絶望と葛藤、そこから生まれる希望を踏みにじるため彼はさっそくランダムに人間を選んだ。
こうして不幸にも選ばれてしまった探索者達の物語が始まるのだった……
探索者に聞かれたときの参考にしてください。
東京→エジプトまで約18時間
エジプト→東京まで約15時間
日本との時差は約7時間
季節にもよるが、大体の日の出は5~7時、日の入りは17~19時
モルテザー・ハーディ
エジプト人の男性。自称33歳。
依頼人で、遺跡への案内人でもある。
口調は「~です。~ます。」軽めの敬語。
スキンヘッドで背の高い細マッチョ。掘りの深く若々しいその顔は気品に満ちている。少し冷酷な印象のある金色の目も特徴的だ。
若いころから遺跡や遺産の調査で世界各国を飛び回っていたが、ここ数年は出身でもあるエジプトを中心としたアフリカ諸国で活動。
その経験から地質学・博物学はもちろん語学も堪能。幅広い知識を持っている。
前半は探索者たちをサポートする立ち回りのキャラであるが、その正体は暗黒のファラオ(ニャルラトテップの姿の1つ)である。
彼を倒すことが今回のシナリオの最終目標である。
モルテザーの身体能力は以下の通り。原則、人の姿をしたニャルラトテップと同値とする。
KPはモルテザーの技能判定をするときは基本的にSDを使用すること。
STR 12
CON 19
SIZ 11
INT 86
POW 100
DEX 19
APP 18
移動 12
db +0
装甲なし
HP 15
MP 100
ヌビア村の少年たち
所謂バクシーンと呼ばれる子供たち。
モルテザーに大金を支払われ、今回の旅の用意をしてくれた。
ヌビア村での生活はモルテザーがいる限り彼らが保証してくれるだろう。
冒険家一行
リーダーのジェフ、カメラマンのセシール、用心棒のヴェンデル、研究者のイアニス。
未踏査地域調査のため砂漠にやってきた。
ちなみに、ジェフは英、セシールは仏、ヴェンデルは独、イアニスは希の出身。
ミ=ゴ
クトゥルフ神話おなじみの下級独立種族。
遺跡の地下にある鉄鉱石を掘っている。
暗黒のファラオ団とは協力関係にあったが、彼らがいなくなってからは真の崇拝の対象であるシュブ=ニグラスのために動く。
一番の大きな目的は黒曜石でできたファラオ像であるが、ニャルラトテップのまじないによって持っていくことができないでいる。
そのため、ミ=ゴに何らかの対価(今回は道中落ちているデザートローズ)を渡せば、ニャルラトテップをなんとかするために探索者達に協力してくれるかもしれない。
STR 8
CON 8
SIZ 7
INT 10
POW 12
DEX 18
装甲なし(ただし、ミ=ゴの体は地球上の生物ではないためすべての貫通する武器は最小限のダメージしか与えない)
HP 8
MP 12
db +0
武器・ハサミ 30% 1d6または【組みつき】
砂に棲むもの
ニャルラトホテプに召喚された下級奉仕種族。
STR 10
CON 12
SIZ 15
INT 10
POW 11
DEX 13
装甲 3ポイントの固い皮膚
HP 15
MP 11
db +1D4
武器・かぎ爪 30% 1d6+db
技能 【隠れる】 60%
【忍び歩き】 50%
【目星】 50%
今回のシナリオは、砂漠からの生還を目指すものである。
そこで、探索者達の生命力や団結力をまとめて〈チームワーク〉という値で表す。
初期値は5で、最大値は10、イベント時の探索者達の行動により増減する。
また、誰かが発狂すると-1、誰かが戦闘不能になると-2される。
KPはこの値をサバイバル開始時に説明し、それまではPLに秘密でこの値を管理すること。
サバイバル開始後に〈チームワーク〉が4以下になった場合のペナルティ
4 【幸運】【正気度】の判定を除くすべての判定にー5%
3 〃 -10%
2 〃 -15%
1 〃 -20%
0 行動不能で力尽きる。→探索者ロスト
ロスト描写
探索者達は必死で歩くが、空腹と疲労で足が上がらない。
もう駄目だ。視界が霞み、意識が遠のく。
最後に感じたのは熱い(冷たい)砂の感触だった。
「所詮こんなものか。」
冷笑を浮かべた男が独り、探索者達に声を落とした。
探索者は様々な理由により、エジプトの遺跡調査に行くことになる。
研究目的だったり、補助や用心棒のためによばれたり、はたまたお金のためか知的好奇心を満たすためか。
とにかく何らかの目的があって遺跡に行くのだ。
探索者は以下のことを、上司や知り合いに言われるだろう。
・砂漠のど真ん中に遺跡が見つかったが、何者かに占拠されてしまったらしい
・目的は分からないが、まだほとんど調査できておらず荒らされては困るため、追い払ったうえで調査をしたい
・詳しいことは現地の案内人がいるので、その人に聞くこと(案内人であるモルテザーの名前と顔写真を得る)
・何やら大変そうなので気をつけて行くこと
※質問されたときのみ出る情報※
・遺跡を占拠したのは何処かの宗教団体らしき集団らしい
・報酬はかなりの額が出ること
探索者たちがエジプトへ向かうことに同意すれば、導入は終わりとなる。
探索者達がカイロ国際空港へ到着すると、暑い日刺しが照りつける。
入口の近くに案内人のモルテザーらしき人物をすぐに発見できるだろう。
彼はメンバーが全員揃うのを確認し、自己紹介を始める。
ここで探索者達も各々目的と自己紹介をするだろう。
全員の紹介が終わったところで、モルテザーが今回の遺跡調査の概要を説明する。
・今回の大きな目的は「遺跡を占領している団体の撤退」と「遺跡の調査」である
・また遺跡荒らしによって持ち去られる前に、貴重なアイテムを発見した場合は回収し、保管することになっている
・各々の目的(観光や取材目的の者がいたら写真撮影等)は、調査の邪魔にならなければ好きに行ってよい
・まずは車で移動し、ヌビア村へ。そこで食料・武器・キャラバンを調達し、遺跡のある砂漠へ向かう。
砂漠ではラクダに荷物を乗せて歩いていく。
※質問されたときのみ出る情報※
・ヌビア村とは
小さい村だがいい所である。行けばわかる。
・武器について
武器は護身用である。こちらに敵意がなくても向こうにないとは限らないため持っていく。
・移動について
現在地からヌビア村までは約半日、そこから遺跡までは約2日かかる。
・モルテザーについての質問は、正体やストーリーの核心に関わらないものであれば素直に話す。
(基本的には上記のモルテザーの紹介の通り)
自己紹介が終わると、モルテザーの説明通り車で村へ向かうこととなる。
運転はモルテザーが行うが、探索者のなかで運転したいという者がいればそちらに譲る。
車を走らせ、探索者達はカイロの市街地を離れていく。
大きなビルや緑が減っていき、寂寥とした大地が広がる。
あれだけ車ですし詰め状態だった道路も、だんだんと細く狭くなり、走っている車もいまや探索者の乗るものだけである。
探索者の1人が運転している場合、この先は足場の悪い道を進んでいくため【運転】の技能を振ること。
《成功orモルテザーの運転の場合》
ガタガタと走りづらい道が続いていく。
車内は時折大きく揺れることはあったものの、運転手のテクニックにより無事に走り進めることができた。
探索者の運転の場合のみ〈チームワーク〉+1
《失敗》
〈チームワーク〉-1
舗装されていない不慣れな道を進む探索者達。
ガッコン。
車が小さめの岩に乗り上げてしまったらしく、車内は大きく揺れるだろう。
※強制※
全員が【幸運】判定をして失敗した探索者は、体を車のどこかしらにぶつけてしまい、1ダメージを受ける。
足場の悪い道が続く中、徐々に日が暮れ、星が見えてくる。
モルテザーはヌビア村まではもう少しかかるため、少し眠ることを探索者達に勧める。
運転をしている探索者にも、自分が代わりに運転するから休んだ方がいいということを提案する。
◎眠ると答えた探索者
慣れない地へ来た疲れか時差ボケなのかは分からないが、どっと眠気がやって来る。
君たちは揺れる車内で安眠とまではいかないが、休息をとることができるだろう。
車の中でダメージを受けていた者はここで回復してよい。
◎眠らないと答えた探索者
各々が車内で好きなことをして過ごしている間に日はもう落ちかけ、空には無数の星々が見え始める。
※強制※
【目星】判定を行う。
《成功》
ふと窓の外をみると砂漠の遥か彼方の方で星とは違う、いくつかの小さな光が点滅するのが見えた気がした。
※クリティカル※
暗闇の中、砂漠の遥か彼方の方でいくつかの小さな光が点滅するのを見る。
どことなく人工的でモールス信号にも似たその光は規則的に点滅したのち消えてしまった。
※成功・クリティカルの時かつ聞かれたときに出る情報※
・光の数はそんなに多くはない。3つくらい。
・モルテザーは見ていない。
・モルテザーに光のことを話しても「流れ星でも見たんじゃないですか?だとしたらラッキーですね。」と返される。
・光の方に行きたいと言う探索者がいたらモルテザーが何かしら理由をつけて止めること
《失敗》
特に何もない。
・自分がしていることに夢中で外の様子に気付かない。
・外を見ていた探索者も、日本ではあまり見ることのできない星空に心を奪われている。
「そろそろヌビア村に到着しますよ。」
そんなモルテザーの声を聞き、探索者たちは顔を上げる。眠っていた者も目を覚ますだろう。
外はすっかり暗くなり、先ほどより星が一層強く輝いているのが分かる。
進む先を見ていると、徐々にヘッドライトに照らされてパステルカラーで彩られた石造りの建物が見えてきた。
村に入ると、モルテザーは車を止めて、探索者達を1つの建物に案内する。
かなり広めの部屋は、区画で分けられたようになっており、それぞれ、ラクダ・食料品・武器が置いてある。
また、3人の少年がそれぞれの場所にいて荷物の整備をしていた。
「出発は次の夜ですので、それまでに準備と十分な休息をとってください。」
そう言ってモルテザーは自身の荷物を揃え始めた。
ここから探索者達は遺跡へ行くための準備をする。
部屋の中は自由に探索することができる。
外にも出ることができるが、夜はほとんどの人物が眠っている。
起きている人に声をかけたり、昼に声をかけても、得られる情報は3人の少年たちから得られるものと同じである。
◎ラクダ
ヒトコブラクダが人数分いる。
ラクダは草を反芻しながら優しい目をこちらに向けている。
◎食料
水の入ったタンクと食料が4日分×人数分置いてある。
食料は、ラクダの負担にならないような軽いものばかりだ。
主に、ナッツや水分の少ないパンのようなものが目立つが、中には日本でよく見かけるスナック菓子の類もあるようだ。
◎武器
様々な武器がおいてある。
手で持つことのできる、軽めの武器は一通りある。
また、遺跡を破壊しうる武器はない。
例として、拳銃・ナイフ・スタンガン・手斧などはあるが、マシンガン・バズーカ砲・地雷・手りゅう弾などの爆発物はない。
その他で探索者から何か要求された場合【目星】【幸運】のどちらかの判定に成功したらあったことにしてよい。
◎少年たち
ヌビア村に住んでいるであろう少年たち。
大体中学生くらいだろうか。
【知識-15】もしくは【人類学】
・彼らは普段、バクシーンという物乞いに近い行動で生活しているのではないか
・バクシーンとはイスラム五行の1つザカート(制度喜捨)のようなもの。
ざっくり言うと「アンタ金持ちなんだから少しは貧乏人にも分けてくれよ。そうすることでアンタの徳にもなるしいいだろ?」という考え。
【アラビア語】を取得していれば、彼らと話ができる。
持っていない場合は、モルテザーが通訳をしてくれるだろう。
以下、想定される質問と回答
Q:遺跡について何か知ってるか
A:モルテザーから話を聞いただけ。特に興味ない。
Q:どうやってこんなに武器や食料を揃えたの?
A:街で買ったんだよ。
Q:なぜそこまでしてくれるの?
A:お金のため。
Q:ここにあるものを買うお金はどうしたの?
A:モルテザーがくれた。
Q:最近変わったことない?
A:最近地震が多い。君たちがここに来る前にも地震が起きた。
(車内だったため探索者は気づかなかった)
Q:点滅する光について。
A:1度だけ見たことあるけど、特に興味ない。
(詳しく話を聞くのであれば、探索者がみたものと同じようなものであることが分かる)
また、探索者達はモルテザーから今後の話を聞くこともできる。
以下、想定される質問と回答
Q:少年たちとの関係は?
A:お金で雇いました。それだけの関係です。
Q:心は痛まないのか
A:その生き方が彼らの生活であり、文化なら私が口を出すべきことではありません。
Q:なぜ夜に行くの?
A:体力の水分の温存のためです。また、夜に移動した方が星をみて動けるので迷いにくいんです。
また、出発前までに
PTの過半数が食事をとると〈チームワーク〉+1
〃 睡眠をとると〈チームワーク〉+1 される。
準備や休憩等が終わり日が落ちる頃、探索者達はいよいよ砂漠の遺跡へと向かうことになる。
この時点で受けたダメージはすべて回復していてよい。
ヌビア村から遺跡までは以下のように進む
〈チームワーク〉-1
探索者達は柔らかい砂の上を踏みしめながら歩いている。
砂。砂。砂。
どこを見ても砂しかない。
空には月と星が輝き、白い砂丘と相まって幻想的な雰囲気ではあるが、そんな状況に見惚れている暇はない。
ずぶずぶと埋まっていく砂の足場と肌に堪える寒さが探索者達に疲労をもたらす。
寒さを少しでも和らげるために、疲れに耐えて必死に足を踏み出していく。
ここで代表者、もしくはKPが1D6を振り、出た目のイベントが発生する。
1・2 白骨死体
探索者達が砂の上を歩いていると、突如大きな風が吹き荒れる。
砂が舞い上がり、さっきまであった地形を変えていく。
ふと砂のなかに、ひときわ白い塊が覗く。
目を凝らしていると、徐々に砂が飛ばされいき、塊の全容が現れる。
あれは……石、だろうか。
いや、骨だ。
そうだ、頭蓋骨だ。
あれは人間の頭蓋骨だ!
突如姿を現した頭蓋骨に探索者達は驚愕する。
【正気度】判定0/1D3
頭蓋骨を見つけると、何かに気付いたモルテザーがそれに近寄り掘り起こす。
砂の下には身体も埋まっている。
◎死体の状況
死体はほとんど骨しか残っていないが、服は着ていてカメラが首にかかっている。
近くに死体の持ち物らしき鞄があり、中には様々な小道具が入っている。
【目星】
カメラに小さく「Cecile(セシール)」と書いてある。この人物の名前だろうか。
【医学】
骨格などから見て、死体はおそらく女性のものだと思われる。
白骨化の様子から死後約1週間程だろうか、割と新しい。
【知識】【人類学】
服装と、ナイフやロープなどの持ち物から見て、この死体の職業が探検家や冒険家の類であることが分かる。
◎カメラ
中には100枚ほどの写真のデータが入っている。
【目星】
風景写真がほとんどだが、人物が写っているものもあり、4人は同じようなデザインの服を着ている。
どうやら男性3人、女性1人の4人グループのようだ。
どの写真も綺麗だが、直近の5枚だけ他の写真と雰囲気が違う気がする。
【写真術】
中々に性能のいいカメラだ。
手ぶれ補正はもちろん、高性能なフォーカス機能などの様々なカスタマイズがされており、カメラだけみれば余程腕利きのカメラマンに見える。
どの写真も構成がしっかりしているが、直近の5枚だけおかしな構図で撮られている。
【目星】【写真術】に成功かつ聞かれた時のみ出てくる情報
・違和感のある5枚を含めたすべての写真に、ピンボケや逆光のようなミスはみられない。
・5枚の写真はすべて夜に撮られている
・5枚の違和感は、構図が変、というより「なぜこんなところの写真を撮ったのだろう」というような写真である
3・4 怪しい光
探索者達が歩いていると、奥の砂丘で幾つかの小さな光が点滅するのが見えた。
その場にいた全員がその奇妙な光景を目撃するだろう。
車内で【目星】成功している者は、あの時と同じあることが分かる。
しかし光の数は明らかに増えていることに気付く。
(光が3つほどだと知っていれば、5つに増えたことが分かる)
謎の光が増えたことにより、探索者達は言い知れぬ不安と恐怖に襲われる。
【正気度】判定0/1
光についてモルテザーに聞いても「何もわからない。」と答える。
光を追いかけようとする者がいた場合、「もう見えなくなってしまったし、下手に道を逸れるのは危険だ。」と止められる。
5・6 行きの砂漠の薔薇
探索者達が歩いていると、一面砂地であった風景に変化が出る。
ほとんど枯れ草のような、しかしまだ生気を感じる草が群生して、草原とは言わないまでも点々としていた。
【知識】【地質学】【博物学】もしくはモルテザーにここは何か尋ねると
ここはかつてオアシスだった場所であることが分かる。
モルテザーが「少し疲れたでしょう。あのあたりで休憩しましょう。」と探索者達に提案する。
◎休憩する場合
ラクダたちが、辺りに生えている草を食べている。
【幸運】の値が最も高い探索者が、ふとした拍子にその草の根元に変わった形の石を見つける。
近寄ってみると、直径5cmくらいのその石は、砂でできた薔薇のような形をした石であった。
【知識】【地質学】【博物学】もしくはモルテザーに尋ねる
それが「砂漠のバラ」と呼ばれる鉱物であることが分かる。
以後、この石を誰が持っているか決めておく。
◎休憩しない場合
※強制※
【目星ー30%】【幸運-30%】に成功すれば、草の根元にある石に気がつく。
(成功者が2人以上いた場合は、最も値が低かったものが発見する)
失敗すれば、特に何もなく先に進む。
2夜連続で同じイベントになる場合は以下の描写をする
例:1日目の夜→2、2日目の夜→1 が出た場合
探索者達は月明かりに照らされ白く光る砂の上を歩いていく。
こうも寒いとまるで雪国を歩いているかのようだが、探索者達はこの地の昼の姿を既に体験していることだろう。
経験と体験のギャップに苛まれながらも、幸か不幸か何事もなくこの砂地を進むことができる。
砂の丘の向こうから、日が昇ってくるのが分かる。
太陽に照らされ、空と足元を明るく色づけていく。
モルテザーが「では暑くなる前に野営の準備しましょう。」と探索者達に呼びかける。
※強制※
【DEX×5】の判定
探索者の過半数が《成功》
皆で協力して素早く野営地を作ることができる。〈チームワーク〉+1
探索者の過半数が《失敗》
使い慣れないテントの作りに悪戦苦闘するも、モルテザーのフォローでなんとか完成。
野営地の設置が終わると、モルテザーが食事を準備してくれる。
【製作】などで料理に関する技能を持っていた場合、手伝うことができる。
《成功》
美味しくて精のつく料理が完成する。〈チームワーク〉+2
《失敗》
慣れない異国の料理に戸惑うものの、モルテザーの手助けにより料理が完成する。
食事の終えた探索者達は、寝るためにテントに入っていく。
横になると、夜通し歩いたせいもあってか、だんだん眠気がやってくる。
しかし暑い。
一応日陰にはなっているものの、じりじりと蒸すような熱気はサウナにでもいるかのようだ。
服が汗ばみ、不快感が募る。
熱気と乾燥は探索者達を苦しめるだろう。
※強制※
【CON×5】の判定
《成功》
暑さの中でもなんとか眠り、しっかりとした休息がとれる。
《失敗》
暑さにうなされ、なかなか寝付けない。
PTの過半数以上が《成功》して眠ることができれば〈チームワーク〉+1
しばらく歩いていると、少し空がオレンジがかってくる。
ああ、もう夜明けか。そろそろ野営の準備をするべきだろうか。
そんなことを思っていると、モルテザーが足を止める。
「着きました。あれが、遺跡です。」
彼の指をさした方を見ると、確かにこの砂漠に似合わない大き目の石の塊が、やけに綺麗に並べられている所がある。
「正確には遺跡の入り口です。あそこから地下へと向かいます。」
そう言って彼は遺跡の入り口らしきところへ歩を進める。
探索者達もそれに続くだろう。
※強制※
【聞き耳】の判定を行う。
《成功》
砂のにおいに混じり、ぷん、と何か鼻を突くような臭いがする。
それは遺跡に近づく程強くなることが分かる。
《失敗》
砂が鼻に入ってくしゃみがでる。
遺跡の入り口に着くと、石塊で四角く区切られた内側に、地下へと続く階段が見えた。
このあたりまで来るとよっぽど鈍感でない限りは、地下から漂う悪臭を感じるだろう。
モルテザーはラクダを繋いでいた紐を近くの石で固定する。
「では、行きましょうか。」
さて、いよいよ遺跡の中に入っていく訳だが、何を持っていこうか?
持っていけるもの
・水や食料(1人1食分まで)
・明かり(懐中電灯でもランタンでも基本的に何でもよい)
・ヌビア村で調達した武器
・携帯端末(スマートフォンやタブレットも可)
持っていけないもの
・ラクダ
・野営道具(寝袋くらいなら持っていけるかもしれない)
荷物を揃え、探索者達は地下へと続く階段を下りていく。
コツ、コツ、コツ。
何日かぶりの硬い感触が足の裏から伝わる。
降りていく階段の先に少しの明かりが覗く。
一段、また一段と明かりに向かって下りていくが、むっとする悪臭はどんどん強く耐え難いものになる。
この臭い、この臭いはもしかして……
※強制※
【アイデア】
《失敗》
臭くて頭が回らない。今にも吐きそうだ。
《成功》
獣臭のような、しかしもっと不快で汚らしいこの悪臭に1つ思い浮かぶものがある。
だが、もしそれの臭いだとしたら、こんな濃く強い悪臭を放つ臭いの元は確実に1つでは……
B1
明かりの漏れ出ていた空間に辿り着く。
壁に埋め込まれた照明によってその空間が照らされる。
予感していたものが、いやそれ以上のものがそこにはあった。
床の上にまばらに倒れているいくつものそれは、腐乱死体だ。
そう、1つではない。ぱっと見、5体以上の死体がバタバタと倒れている。
ところどころの肉は腐り落ち、腐乱臭を放つそれに軽く眩暈がする。
あまりに凄惨なこの状況に探索者達は大きな精神的ダメージを負うだろう。
【正気度】判定1/1D4+1
◎部屋の様子
広さ12畳程。
四方を白っぽい石で囲まれた空間である。
壁には間接照明のようなものが嵌っていて、部屋自体はそれなりに明るい。
壁や天井のあちこちには、直径30cm程の謎の窪みがある。
床には7体の腐乱死体がある。
部屋の右奥にはさらに地下へと続く階段が見える。
【知識-30%】【電気修理】【電子工学】
間接照明がどのような仕組みになっているかは分からない。
様々な電気の供給方法が浮かぶが、どれもピンとこない。
◎7体の遺体
5体は黒いマントのようなものを羽織っていて、どれも似たような恰好である。
2体はまた違う格好をしている。
この2体のうち片方はガタイがよく、もう片方はどちらかというと瘦せ型でメガネをかけている。
メガネをかけている方のそばに、形の違う杖のようなものが落ちている。
【医学】
死後1週間以上は経過している。
ほとんどの死体はあちこちに打撲痕や痣がみられる。
メガネの遺体に打撲痕はないが、杖を持っていた手のひら全体に火傷のような跡がある。
【目星】【地質学】
黒いマントやガタイのいい男の服は砂のようなもので汚れている。
この砂のようなものは壁や天井の石と同じものであることが分かる。
【目星】
・遺体はメガネの男を中心にまばらに倒れている。
・探索者は遺体のかけているメガネが気になる。
調べてみると、メガネのテンプル部分にSDカードが入っている。
パソコンやタブレットのようなものがあれば、録画データが見れるかもしれない。
※白骨死体を発見している場合強制※
【アイデア】
2体の遺体が来ている服は、白骨死体が来ていた服と同じようなデザインである。
この2人が同行者であったことが分かる。
◎メガネカメラのデータ
どうやら、ビデオのようだ。
パソコンなどで再生させると録画された映像が流れる。
(会話は英語でしている)
石造りの部屋の中心にいる。
部屋には黒いマントを着た男たちがうろついている。
そのうちの一人正面に立つ。
「これを持て。」
男の口から低く強い声が出る。
持て、と言われ半ば強引に持たされたそれは、に落ちていた2本の杖だ。
「体の正面で交差させるように持て。」
言われた通りに、杖を交差させる。カチャリ、と静かに金属のこすれる音が響く。
ふと視線の動いた先には3人の男女。険しい表情でこちらの様子を窺っている。
黒いマントの男が低く言う。
「今から言う言葉を繰り返せ。いいな。」
言われた側は頷いているのか画面が上下に激しく揺れる。
「ニャル=シュタン」
「にゃ、にゃる……?」
「言え。ニャル=シュタン」
「に、にゃる、しゅたん!」
「ニャル=ガシャンナ」
「にゃる……がしゃんな」
男の低い声に、青年の震える声が続く。
「ニャルラトテップ=ツガー」
「にゃるらとてっぷ……つがー」
「クトゥルフ=フタグン」
「くとぅるふ、ふたぐん」
男が言い終えると、杖が光を放つ。
「あ、ああ……あ!」
光る杖を持つ手が震え、カチンカチンと高い音が鳴る。
「放すな!そのまま持っていろ!!」
「う、うわあああ……!!」
青年が悲鳴をあげると、あたりが騒然とし始める。
「待て!捕まえろ!!」
「どけぇ!お前ら逃げろッ!!」
振り向くと、ガタイのいい男が他の2人を逃がし、黒いマントの男たちと戦っている。
「ヴェンデル……っ!?」
「腕だ、腕を上げろっ!」
「え……?」
黒いマントの男に腕をつかまれ、青年は腕を高く上げさせられる。
キュピーーーーン……ドゴオッ!
光の塊が前方に勢いよく発射され、男たちに激突。
男たちは吹っ飛び、四方の壁に叩きつけられ、動かなくなった。
「え、あ……うそ……」
「魔力の放出はうまくいったか。あとはどれほど持ちこたえるかだが……」
黒いマントの男が何人か集まり話しているようだが、画面には映らない。
聞こえてくるのは呟き声だ。
「違う違う俺じゃないんだ許してくれ戻って助けてそうじゃないんだ俺はどうしてごめんなさい神様……ああああああああああっ!!!」
映像が大きく乱れ、光の玉が飛び交う。
「おい、待て!止めろ!!放せ!!!」
「うわあああああああああああ!!!!!」
吹き飛ぶ黒い人影と白い光。
叫び声と悲鳴と衝撃音。
「あああああ!……あ、ああ…」
暫くして、画面の揺れが少し落ち着く。
青年が肩で息をしているのが、音と画面の動きでわかる。
彼は杖を落とす。カランという音とともに青年はその場に崩れるように倒れた。
その衝撃で画面は真っ暗になる。
あまりに現実離れした映像をみた探索者たちは【正気度】判定0/1D4
◎杖について
およそ30cm程の金属でできた杖状の何か。
2種類あって、1つは棒の先に♀を逆さにしたようなものがくっついていて、もう1つは逆さアンクにひも状の金属が巻き付いている。
【知識ー30%】【地質学】【博物学】
触ったり軽く叩いたりしてみるが、材質は分からない。
見たことのない金属だが、特殊な合金か何かだろうか。
◎階段
さらに地下へと続いているようだ。
地下へ進もうとすると、モルテザーに声をかけられる。
「こんな状況はあまりにおかしい。非常事態につき、応援を呼びます。」
そう言って彼は携帯端末を片手に地上へ向かう。
探索者のうち、誰かが付き添う場合はそれでも構わない。
B2
◎部屋の様子
先ほどの部屋と同じくらいの大きさ・造りであるが、正面には茶色い土壁がむき出しになっている部分がある。
左側には扉、右奥にはさらに奥へと続く階段が見える。
◎土壁
そこだけ石の壁がなく、よく見ると簡易的な祭壇のようだ。
壁には文字が彫られていて、その下にはさらに土が削れた空間があり、そこに黒い石像がある。
◎文字
少々かすれてはいるが、その言語を知っていれば読むことはできそうだ。
下の文字は何かの象形文字のようだ。
【知識-20%】【歴史】
象形文字は古代エジプト語であることが分かる。
『古代エジプト語翻訳』を持っている場合
手元の資料を基に、壁に書かれた古代エジプト語を一音ずつ当てはめていく。
探索者は自然とその音を口に出している。
「ナイ……ハル……ル、ト……ホテ……ップ」
そこには確かに「ナイハルルトホテップ」と書かれている。
事前に『我らが偉大なる暗黒のファラオ様』を読んでいる場合
ナイハルルトホテップ、恐らくこの団体が信仰している神〝ニャルラトテップ〟のことではないかと思う。
◎黒い像
高さ20cm程の黒い石造。
とても抽象的だ。
像は底が固定されているらしく動かすことはできない。
【アイデア】【歴史】【考古学】【オカルト】
抽象的ではあるが、古代エジプトのファラオを模したものではないかと思う。
【地質学】
この像は黒曜石でできている。
像の前で呪文をいう
呪文とは『にゃる・しゅたん にゃる・がしゃんな にゃるらとてっぷ・つがー くとぅるふ・ふたぐん』である。
これを言うと、像が置いてある所の真下の石壁が開く仕組みになっている。
探索者が呪文をいうと、石の像がずずっと下に埋まる。
そしてゴゴ……と前方から低い音がする。
ガゴッ!
なんと、像が置いてあるところの真下の石壁が勢いよく飛び出してきた!
【回避】に失敗しすると、石壁に激突して1D3のダメージを負う。
飛び出した石壁は、引き出しになっていたようで、中には赤くて柔らかい布に包まれた短剣が1本入っている。
◎短剣
長さ20cm程の短剣。
真鍮でできたつかは、トキのような形をしていてその目には赤い石がはまっている。
また、刃は純銀製で、刃の両側には象形文字が彫られている。
この短剣を誰が持っておくのか明確にしておくこと。
【アイデア】
象形文字は、壁に書かれているものと同じであることがわかる。
【歴史】【考古学】【知識-20%】
トキがエジプトの知識の神トートの聖動物であることを知っている。
◎左側の扉
木製。鍵はついていない。
金属製の丸いノブを回せば普通に開く。
扉の中は広さ5畳ほどの部屋になっている。
机と棚が2つ置かれている。
◎机
机の上には箱と紙の資料が乱雑に置いてある。
◎箱
木製の箱。
幅15cm、高さ20cm、厚みは5cm程。
鍵や装飾などは一切なく、開けようと思えば簡単に開けられる。
中には死体たちが持っていた2本の杖と同じようなものが、綿や布で包まれたりと懇切丁寧に入っている。
【目星】【アイデア】【地質学】
この2本の杖は死体が持っていた者とは何か違う感じがする。
もちろんこんな丁寧な保管をされているからというのもあるが、なにか雰囲気が、質が、異なる気配を感じる。
◎資料
とにかく乱雑に置かれているため、一枚一枚見ていくのには時間がかかるだろう。
資料には挿絵が入っていたり、大きな見出しがついているため、まずはまとめてから読んだほうがよさそうだ。
【図書館】
大体の内容に分けることができる。
資料は【アラビア語】のものと【英語】のものがある。
(【英語】は【EDU×2】でも振れるものとする)
(アラビア語版も英語版も書かれている内容は同じ)
『古代エジプト語翻訳』
これを見れば、古代エジプト語の文字が読めるかもしれない。
『〝2本の笏〟の量産計画』
・我ら暗黒のファラオ団の力の象徴でもあるこの2本の笏は、神より与えられしただ1つのアーティファクトである。
・2本の笏によって我々は有難い効果を得ることができる。
使用者の正面で交差させることで1日に1度、精神力を加えることができる。
ただし、笏の交差が外れると、追加分のうち使用されなかった精神力はすべて消える。
これらの効果が起きるとき、2本の笏は光り輝く。
第二の効果として、使用者の体の上で交差させることで、魔術的攻撃を受けた際に精神力への変換を行う。
・これらの効果は我々にとって素晴らしきことこの上ないが、回数制限や消費精神力など、いくつかの難点がある。
・我々の目的はこのただ1つしかないアーティファクトである2本の笏の改良と量産である。
・ミ=ゴ達の協力によりユゴスの金属が手に入った。この金属を成形し、祈りによって魔術の付与を行い試作品を作った。
・我々の作った試作品は実に不安定である。魔術のいくつかを試すが、精神力の消費量は、大量に失われることもあれば、ほとんど失われないときもある。このことの法則性を見つけ、問題を解消するにはより多くの実験が必要になるだろう。
【知識】【天文学】
ユゴスとは冥王星であることが分かる。
『ミ=ゴについて』
・我らの同志でもある下級独立種族である。
・彼らの生態の多くは謎に包まれる。人間の脳みそを欲しがることから、外科技術が発達しているのだろう。
・また、ユゴスにはなく、地球にある鉱石が欲しいようだ。
・そこで、我々はこの遺跡の地下にある鉄鋼石を渡す代わりに彼らの技術を利用することにした。
・鉄鉱石の他にも鉱石を欲しているようだが、現在ここには鉄鉱石の他には黒曜石の像しかない。
あの像には我らが神の特殊なまじないがかかっているため、ここから持ち出すことはできない。
・また、彼らの体の成分である物質は、地球の物質とは電子の動きが違うため、写真や映像に残すことは難しいためスケッチで記録する。
そこにはミゴウと思われる生物の白黒の挿絵が入っている。
昆虫のような生物がそこには描かれている。
甲殻類のような胴体からは膜のような翼らしきものと、はさみのついた間接肢が複数組生えている。
普通なら頭があるだろう部分には短い触手に覆われた渦巻き状の楕円体がついている。
異形の地球外生物の挿絵をみた探索者は【正気度】判定0/1D3
『我らが偉大なる暗黒のファラオ様』
・我々〝暗黒のファラオ団〟はその名の通り暗黒のファラオ様を崇拝する団体である。
・暗黒のファラオ様は、這い寄る混沌と称される外なる神〝ニャルラトテップ〟の1000ある御姿のうちの1つである。
・我々の力の象徴として〝2本の笏〟があり、これらは本来カイロの本部に保管するものである。
・また、我々団体の象徴として、この度我が主暗黒のファラオ様より特別なまじないがかかった暗黒のファラオ像を授かった。
像の前で我らが主への称賛の言葉を贈ることで、我が主の象徴たるアーティファクトを納めた、かの扉が開く仕組みとなっている。
・あのまじないは、我が主がいる限り消えることなく、我々のお傍にいてくださることだろう。
などなど、その他にも彼らが崇拝する神についての説明と畏怖と尊敬の言葉が書かれている。
ただ宗教団体とは違う、異質で狂ったその邪神についての文章に、探索者たちは本能的に恐怖を感じる。
【正気度】判定1d3/2d4
B3
洞窟のようなその空間は、これまでの2つの部屋より圧倒的に広い。
先ほどまで壁に埋まっていた電気は地面に埋まっている。
【地質学】
壁は鉄鋼石でできている所がある。
人通り調べ終わった所で、モルテザーが帰ってくるのがあまりにも遅いことに気づくだろう。
様子を見に地上へ出るのであれば、以下の描写を行う。
(また、探索の途中でモルテザーを呼びに地上へ向かうのであれば同じ描写を行う。)
モルテザーに付き添った探索者がいる場合、以下の付き添い探索者用の描写を先に入れる
地上に出ると、モルテザーが携帯端末で連絡を取り始める。
今まで様々な場面で手助けをしてくれていたモルテザーに、探索者もそれぞれ思うところがあるだろう。
それにしても外は暑いな……そんなことを思っていると、ふと眩暈がする。
長旅のせいか、暑さのせいか、そんなことを考える余裕すらなくなるほど猛烈に視界が霞み、意識が遠のいていく。
(今後他の探索者に発見されるまで目は覚めない)
探索者たちが地上にでると、太陽の光が眩しくて、思わず目を細める。
細目のまま、あたりを見るが、そこにモルテザーの姿はない。
いや、モルテザーだけではない。
水や食料を積んでいたラクダが1頭も見当たらない。
何度も瞼をしぱたかせても、明るさに順応した目には黄色い砂漠が延々と続いている景色しか映らない。
モルテザーやラクダに何があったのかは分からない。
しかし、自分たちに何が起きたかは分かる。
もしかして、いや、もしかしなくても、自分たちは取り残されてしまったのではないか?
この過酷な死の砂漠のど真ん中に。
自らの身に降りかかった残酷な真実を認識した探索者は【正気度】判定1D5/2D8
付き添った探索者は入り口の近くで倒れている。
遺跡の外の状態を確認した探索者達の状況をまとめると
・食料・水は探索者たちが各々持ち込んだ1日分しかない。
・携帯端末はもちろん圏外(ただし、電池がもつ限りネットを使用しないアプリは使えることとする)
・野営道具はないが、来るときに着ていた防寒具はある。
・遺跡調査が全て人通り終わっていれば夕方前くらい
・2回までなら連続して移動できる。
・野営は回数制限なし。
以上の状況を確認して、探索者達が砂漠を超えて帰ることを選択すれば、サバイバルが始まる。
ここで、KPは〈チームワーク〉について説明し、現在のポイントを開示する。
それを踏まえて、PL達に以下の昼と夜の違いを説明すること。
◎昼の移動
〈チームワーク〉-2
【ナビゲート】を使っての移動
体力を消費する分、明るいうちの移動のため危険はほとんどなく、視界も明るいため色々なものが見つけやすい。
見つけやすい分見つけられやすいことにも注意。
◎夜の移動について
〈チームワーク〉-1
【ナビゲート】もしくは【天文学】を使っての移動
体力の温存ができ、星を見ながらの移動のため迷いにくいが、視界が暗い中ため少々危険。
動物は寝ていることが多いため、昼間よりは捕まえやすいだろう。
◎昼の野営
来るとき同様、睡眠をとる際に【CON×5】の判定が必要。
PTの過半数が成功で〈チームワーク〉+1
PTの過半数が食事をとることで〈チームワーク〉+1
また、【料理】判定に成功すると〈チームワーク〉+2
◎夜の野営
睡眠をとる際にCONの判定を行わない。
それ以外は昼の野営と同じ。
移動の際は、最初に【ナビゲート】【天文学】の判定をする。
この判定に2回成功、もしくは4回失敗するまで、1D10を振り、出た目のイベントを行う。
(ミ=ゴのイベントは1回のみ。2回目以降は振り直し)
(ジェフとセシールを見つけた後の白骨死体イベントは振り直し)
(すでに鉱石を持っている場合は鉱石イベントは振り直し)
1・2 オアシス
運良くオアシスを発見する。
水の供給が可能。
【DEX×4】もしくは戦闘技能-10%でフェネックなどの哺乳類を狩ることができる。
1人でも成功すれば全員分の食事が確保できる。
3・4 トカゲ・蛇
【目星】に成功すればトカゲや蛇などの爬虫類を見つけることができる。
【DEX×3】もしくは戦闘技能-15%で捕まえられる。
1回成功につき1人分の食事が確保できる。
5・6 帰りの砂漠の薔薇
デザートローズを持っていれば、1d10振り直し。
持っていなければ【目星】を振って、成功者の中で【幸運】の値が最も高い者が草の下にある砂でできた薔薇のような石を発見する。
【知識】【地質学】【博物学】
その石が「砂漠のバラ」と呼ばれる鉱石であることがわかる。
7・8 白骨死体
セシールの白骨死体を見つけてない場合は、それが見つかる。
既に発見している場合には、別の白骨死体が見つかる。
暑い日刺しの下、探索者達が歩いていると、少し離れたところに人が倒れているのを見つける。
慌ててかけ寄る。が、そこには既に骨と皮だけになった死体があるだけであった。
アイデアを振るまでもなく、それがあの4人組のうちの1人であることが分かるだろう。
彼の持っている鞄を調べると、以前見つけた女性の遺体が持っていたものと同じような荷物であった。
【目星】
手帳を発見する。手帳には写真が挟まっており、4人の男女と彼らの名前が書かれていた。
「Jeff」「Cecile」「Wendel」「Iannis」と書かれている。
また、手帳の中身は英語で書かれている。
【英語】【知識-30%】
「人類未踏査地域探索記録」と書かれている。
今までも、人類がまだ歩んだことのない山や島などを探索し、記録してきたようだ。
今回はサハラ砂漠の未踏査地区を探検中に、偶然遺跡を発見したことが書かれていた。
9 オアシス跡地
【目星】判定に成功すれば、小さな爬虫類は見つかるだろう。
【DEX×3】もしくは戦闘技能-15%で捕まえられる。
2回成功で1人分の食事を確保できる。
10 何も起きない
恐ろしい生き物がいたわけでもなければ、食料となる生き物がいたわけでもない。
ましてやオアシスなんて見つからず、あるのはただ黄色い砂だけである。
探索者達は体力を大きく削りながら灼熱の砂漠を歩き続けた。
1 オアシス
奇跡的にオアシスを発見する。
水の供給が可能。
【幸運】に成功すれば動物が草陰で眠っているのを発見する。
【DEX×5】もしくは戦闘技能で狩ることができる。
1回成功で全員分の食事を確保できる。
2 トカゲ
【目星-20%】に成功すればトカゲや蛇などの爬虫類を見つけることができる。
【DEX×5】もしくは戦闘技能で捕まえられる。
1回成功で1人分の食事を確保できる。
3・4 謎の光
探索者達が歩いていると、手前の砂丘で幾つかの小さな光が点滅するのが見えた。
そんなに距離は遠くなく、その場にいた全員がその奇妙な光景を目撃するだろう。
(出てくるミ=ゴの数はデザートローズを持っている場合5体、持っていない場合は3体である)
行きで謎の光と遭遇していない場合、車内で【目星】成功している者は、あの時と同じものであることが分かる。
しかし光の数は明らかに増えていることに気付く。
(光が3つほどだと知っていれば、5つに増えたことが分かる)
謎の光が増えたことにより、探索者達は言い知れぬ不安と恐怖に襲われる。
【正気度】判定0/1
光に近づくのであれば以下の描写をする。
チカチカと、規則的に光を放つそれはブウウーン、ブウウーンと羽音を立ててこちらに向かってくる。
あれは、あれは!
薄桃色の甲殻類を思わせる胴体に、膜のような翼と昆虫のような足が数組ついている。
この生物を既に遺跡で知っている探索者も既にいるだろう。
身の丈1m程の巨大な昆虫に似た生物が、頭部を光らせる。
異形の生物を見た探索者たちは【正気度】判定0/1D6
(ただし、遺跡でミゴウの挿絵を見ている者の減少ポイントは出た目の半分でよい)
◎デザートローズを持っていない場合
ミ=ゴ×3体との戦闘になる。
ミ=ゴのパラメータに関しては~NPC~を参照。
戦闘が終了すると以下の描写を入れる。
ミゴウと思われる謎の甲殻生物は、でろでろとその場に溶け出し、跡形もなく消えてしまった。
夜の砂漠は元の静寂に包まれた。
〈チームワーク〉-1
◎デザートローズを持っている場合
ミ=ゴ×5体との会話になる。
ミゴウと思われる謎の甲殻生物の動きが止まる。
キュイーンという機械の擦れる音がした後、ブウウーンブウウーンと再び空気の振動音がする。
そしてその振動音の中に人間の声が混ざる。
「コウセキ、コウセキは持っているナ?」
ロボットのような声としゃべり方で話しかけてくる。
1匹が、デザートローズを持っている探索者に近寄る。
「そレ、欲ㇱい。クれさい。」
探索者が鉱石を渡すのであれば、ミゴウ達は羽音と機械音を響かせる。
聞いててあまり心地のいい音ではないが、何となく喜んでいるようなのは分かるだろう。
「感謝。感謝。本当ハ『黒曜石』が欲ㇱかっタだガ、アレには這イ寄ル混沌のマジナイがあル。ヮレヮレには触レれれヌ……ンん!?」
ミゴウが1匹、短剣を持つ者に近づき言う。
「オ前、いイモのヲ持ってゐる。」
それに続くように他の4体も近づいてくる。
「そレで、ブスリ。」
「心の臓を、ブスリ。」
「マジナイ、バイバイ!」
「ノロイ、バイバイ!!」
「バイバイ!!!」
そう言うとミゴウ達は天高く飛び立っていった。
6・5 白骨死体
セシール・ジェフの遺体を発見していなければそれが見つかる。
どちらも見つけている場合は振り直し。
7・8 オアシス跡地
【目星-20%】の判定に成功すれば小さな爬虫類を見つけられる。
【DEX×5】もしくは戦闘技能を振ることで捕まえられる。
2回成功で1人分の食事を確保できる。
9・10 何も起きない
恐ろしい生き物がいたわけでもなければ、食料となる生き物がいたわけでもない。
ましてやオアシスなんて見つからず、あるのはただ白い砂だけである。
探索者達は寒さに耐えながらも着実に前に足を出し続けた。
トートの短剣を持っている者は夢を見る。【CON×5】の判定に失敗していても夢を見る。
ぼんやりとした視界が広がる。
かろうじてわかるのは、石造りの部屋。松明の灯る薄暗い部屋で、誰かが縛られ、吊るされている。
そこに、ゆっくりと人影が近づく。
炎に照らされ、人影の全貌が見えてくる。
男だ。鳥の……トキの頭をした男が、手に刃物を持ってゆっくりと近づいてくる。
男が握るその刃物を探索者は知っている。
あれは、あの遺跡で手に入れた短剣だ。
トキの頭をした男は、吊るされている男に向かって大きくその短剣を振り上げ――
そこで探索者は目を覚ます。
悪夢を見た探索者は【正気度】判定0/1D4
再びトートの短剣を持っている者は夢を見る。
探索者はまた、石造りの部屋にいるが、前回より幾分鮮明に見える。
部屋には相変わらず誰かが縛られている。
トキの頭をした男が縛られている人物に近づき、その手を振り下ろす。
短剣は、縛られた人物を貫き、部屋に絶叫が響く。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」
その声に探索者は聞き覚えがある。
炎が揺らめき、叫びをあげる人物の顔が照らされる。
見間違うものか。あれは、自分だ。
自らが生贄となる悪夢を見た探索者は【正気度】判定0/1D6
【ナビゲート】【天文学】に2回成功、もしくは4回失敗した
※強制※
【アイデア】
《成功》
何かおかしい。確かに自分たちは来た道をしっかり戻っている。
少し脇へそれたり迷ったりはしたが、そんなに大きく道を外れていることはないはずだ。
こんなにも一向に景色が変わらないのはおかしい。
《失敗》
不安だ。
このままこうして歩いていてもどこにも着かないかもしれない。
砂漠でのたれ死んで、あの冒険家たちのように自分も白骨死体となってしまうのだろうか。
そんな暗い気分で心がいっぱいになる。
PTの過半数が失敗すると《チームワーク》-1
最後に移動をしたのが
昼ならば、夕方前
夜ならば、夜明け前 である。
立ち止まって、自分たちの位置を確認しようとすると、探索者たちの前方に人影立っているのが見える。
人影に向かって走っていくと、そこにいるのはあの時遺跡で消えたモルテザー・ハーディである。
「おや、こんな所で会うなんて奇遇ですね。」
静かに笑みを浮かべてこちらを見る彼の姿に探索者たちは軽く混乱を覚えるかもしれない。
彼に駆け寄りたい者や、殴りかかりたい者がいたとしても、探索者達はその場から足を踏み出すことができない。
言いたいことはたくさんあるが、喉が張り付いて声が出せない。
「……おや」
モルテザーはちらりと、探索者の持つ短剣に目をやる。
「それは、“私のもの”です。……返してください。」
彼の金色の目が冷酷な光を帯びる。空気がピリつき、皮膚を掠める。
「それを渡してくれるなら、この砂漠から帰してあげますよ。」
◎短剣を渡す
「ありがとうございます。では、彼らを倒して帰ってください。」
そう言うと、モルテザーが指を鳴らす。
◎短剣を渡さない
「そうですか。では、さようなら。」
そういうと、モルテザーが指を鳴らす。
パチン
その瞬間、探索者達の周囲に砂嵐が立ち込める。
げほげほと、舞い上がる砂にせき込んでいると砂嵐が収まる。
そこにはモルテザーと、砂の化け物がいた。
砂の化け物は、PTの人数÷2体(端数切捨て)である。
体長180cmを優に超えるその化け物は全身砂にまみれている。
やつれたような体はザラザラとした皮膚にい覆われ、大きな目、大きな耳はどこかコアラに似たところもある、歪んだ恐ろしい顔をしている。
不気味な砂の化け物を見た探索者は【正気度】判定0/1D6
ここから対モルテザー・砂に棲むもの戦になる。
それぞれのパラメータは~NPC~を参照。
◎砂に棲むものはトートの短剣を持っている人物を優先的に狙うこと。
◎モルテザーの行動
モルテザーは毎ラウンドの一番最後に行動をする。
5ラウンド目の最後までに倒さないと、どこかへ逃げてしまう。
1ラウンド目の最後 詠唱
2 〃 ミ=ゴ×PTの人数体の召還
3 〃 詠唱
4 〃 詠唱
5 〃 ワープ
◎2ラウンド目の最後
空から、ミ=ゴがPTの人数分飛んでくる。
初めて本物のミ=ゴを見た場合、【正気度】判定をする。
もし、ミ=ゴに鉱石を渡していた場合、空からはピンクの粘液がぼたぼたと落ちてくるだけ。
その様子を見てモルテザーは一瞬驚いたような表情をするが、再び詠唱に入る。
◎モルテザーの倒し方・その1
普通の重火器で倒すことができる。
モルテザーのHPが0になった場合以下の描写をする。
探索者の攻撃によって、モルテザーは砂の上に倒れる。
すると、倒れた体が震えながら膨らみ始める。
ぶくぶくと、沸き立つように大きく膨れ上がった死体はぼこりぼこりと音を立てながら破裂していく。
中から、黒く大きなかぎ爪を持ったモンスターが現れる。
ズシリと立ち上がったその化け物は、みるみるうちに巨大に成長していく。
その場を治める圧倒的な気迫と存在感に、その生物が遺跡の奴らが崇拝していた外なる神〝ニャルラトテップ〟の真の姿であることを本能的に理解する。
恐ろしく邪悪で強烈な畏怖の念に駆り立てられた探索者は【正気度】判定1D10/1D100
這い寄る混沌は、探索者達を一瞥して消えていく。
気がつくと、砂の化け物が見当たらない。
おや、と思ってあたりを見渡と、すぐ近くにパステルカラーの村が見える。
ヌビア村だ。
終わった。そう、終わったのだ。
夕日(朝日)に照らされ寂しく色づくその村に向かって歩き出す。
そんな探索者の手元で、短剣の目が妖しく光った気がした。
◎モルテザーの倒し方・その2
トートの短剣で心臓を刺す。
そのためには【DEX】×〈チームワーク〉の値 に成功した後、さらに【こぶし】に成功することで狙って心臓を刺すことができる。
仲間のフォローをもらいながら探索者は素早くモルテザーの前方に入り込み、握った短剣を心臓に向かって突き刺す。
「う、ぐ……ぎあ゛ア゛ぁーーーーーっ!!!」
モルテザーの口から叫び声が上がる。
それは空気を振動させ、空をも切り裂かんとばかりに周囲に轟く。
獣の喚き声が、鳥類的なものかいずれにせよ人間の発声ではない音が探索者たちの耳に入り、頭を引っ掻き回す。
人ならざるものの凄まじい声を聞いた探索者たちは【正気度】判定1D5/1D50
モルテザーだったものは光に包まれ天へと上り、弾けた。
探索者達に光の粒が降り注ぐ。
短剣と、2本の笏がすうっと消える。
気がつくと、砂の化け物がいなくなっている。
はっと思い辺りを見渡すと、すぐ先に見覚えのあるパステルカラーが見える。
ヌビア村だ。
終わった。そう、終わったのだ。
夕日(朝日)に照らされ、明るく色づくその村に向かって歩き出す。
この数日を過ごした仲間と共に。
【クトゥルフ神話】に+10%
モルテザーを武器で倒した +1D10
モルテザーをトートの短剣で倒した +2D10
全員生還した +1D6
冒険家4人組の死体をすべて見つけた +1D4
◎モルテザーをトートの短剣で倒さなかった場合
所持者にはトートの短剣の呪いにかかる。
このままだと長くとも1カ月後には、悪夢によって永久的狂気に陥るため、継続してそのキャラクターを使うことは難しいだろう。
(詳細は『クトゥルフ神話TRPG キーパーコンパニオン』参照)
また、トートの短剣・2本の笏はアーティファクトとして持っていることができる。(どこかに寄贈したり、誰かに譲渡してもよい)
CoC中心に、アマデウス・パラノイア・ダブルクロス・キルビジ・ドラクルージュのルルブを所持しており、いつかプレイしたいと夢見る日々。
https://twitter.com/Argoooooooon_18
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