2024年01月08日更新

冒険王の宝

  • 難易度:★|
  • 人数:3人~5人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

冒険者にあこがれる若者、あるいは新米冒険者であるPCたちはある日一枚の羊皮紙を見つける。
そこには「建国の冒険王」が「新米冒険者に贈る」「宝物を隠した遺跡の場所」が記されていた。
と、いう導入で始まるダンジョンシナリオです。
探索がメインになります。セージ、スカウトが重要技能であることはあらかじめPLに伝えておいて下さい。戦闘は(ダイス目にもよりますが)回避も可能です。
初心者向けの場合は、GMかPLに進行を引っ張る人がいないと停滞する可能性があります。
経験者を入れての運用を推奨します。
シナリオ内にあるダンジョンの見取り図はこのシナリオ以外でも、自由に使ってもらって構いません。

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ストック

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【シナリオの舞台】
※重要な部分は「100年ほど前の」「高名な冒険者が」「新米冒険者に向けて書いた手紙」であることなので、下記の地方である必要は全くありません。お好きな地方・人物に変えて下さい。ルールブック1などに記載のあるザルツ地方のルキスラ、冒険者の店は蒼き雷の剣亭などが適当でしょう。
オリジナル地方であるエーリス地方の北部、大森林の南に位置する「森の国」が舞台です。
100年ほど前に「冒険王」ボードレッド・アーウィンらが蛮族を追い払い建国しました。
この国の周辺にはまだ未探索の遺跡が多く残っており、また大森林がどこまで続くのかもわかっていません。新米からベテランまで冒険者のあこがれの拠点といえるでしょう。大きな国ではありませんが、遺跡から発掘される貴重な物品は大きな富をもたらしており、今でも拡大を続けています。
【シナリオ本編】
導入
PCの一人が「冒険王の書き置き(※1)」を発見して店に持ち込み、仲間を集める。
あるいはすでにPTを組んでいるPCたちが、冒険者の店の掃除を手伝わされていると、偶然羊皮紙を発見する。といった導入が考えられます。プレイヤーと相談して決めてください。
決まらない場合は、すでにPTを組んでいる方でいけばよいでしょう。
開始時点での時間は朝とします。
羊皮紙を発見したら、以下の文を読み上げてください。
「冒険王の書き置き」
あなたたちが見つけた羊皮紙は古びていて、そこには交易共通語で以下のように書かれている。

「今これを見つけたということは君はとても運のいい冒険者だろう。
大いなる冒険へと旅立つ君たちへ(もし君がベテラン冒険者なら今すぐこれをもとの場所へ隠しなおしてくれ!)
こっそりと隠した宝の場所を教えよう。もちろん、宝のありかには危険がつきものだ。仲間を集め、準備を整えたならさあ、旅立ちたまえ。
ボードレッド・アーウィン(※冒険王の名前。適宜好きな名前を入れよ)
追伸:ダンジョンに行くときは、酒を一瓶持っていくことをお勧めする。」

その下には遺跡の場所を示した地図が描かれています。街の南、徒歩で半日ほどの場所で、地図があれば迷わずに行けます。
今から出発すれば昼頃にはつくでしょう。
PCたちが行きたがらない場合、店の主人から「他にもこのような羊皮紙を見つけて冒険に出かけて宝物を得た冒険者がいる」ということを伝えてあげてください。それでも行きたがらない場合は、「シナリオ始まらないんでGMとしてお願いします」と言ってください。

_ダンジョン_
外観:半ば傾いて地面に埋もれている。すり減ってはいるが細かな彫刻が施された柱や壁が見て取れる。
→〈セージ+知力〉で構造物解析判定 目標値8 成功すれば魔動機文明時代の物であるとわかる。
地面の上に出ているのは石扉の閉じられた窓だけ。埋もれていて、少なくともここ10年は誰かが入った跡はない。
カギはかかっておらず、掘れば簡単に開けられる。
※ここから先の探索パートで、PCたちが自分から動きにくいようだと感じたら、GMは適宜選択肢を提示してください。
例:「廊下を調べるならスカウト+知力で探索判定、部屋の内部の音を聞くならスカウト+知力で聞き耳判定、扉に罠がないか調べるなら同じくスカウト知力、もちろんそのまま開けて中に入ってみてもいいし、階段を降りることもできるね。」

内部
2F
'画像'
一番右の部屋からa,b,c
選択肢として
a:PCたちが一番最初に入る部屋
中は薄暗い。入ってきた窓から差し込む光のほかに光源はなく、松明をともすと5m四方ほどの部屋の内部が見える。
残念ながらすでにいろいろなものが持ち去られた後のようで、空っぽの棚が並んでいる。

遺跡は昔探索された後のようですが、PCたちのメインの目的は冒険王が隠した宝です。奥へ進むよう伝えましょう。
部屋を出ると、廊下につながっています。
b:真ん中の部屋
完全に埋まってしまっていて、ドアを開けることはできない。
c:左端の部屋
※部屋の前に落とし穴。廊下を探索して発見していない場合、上を通ったら〈スカウトorレンジャー+知力〉で罠感知(目標値12)
成功すると落とし穴に気が付いて落下を回避できる。失敗すると3m落下して1階に落ち、9点の落下ダメージ。スカウトかレンジャー知力の達成値分軽減できる。さらに防護点でも軽減できる。
落ちた先は鉄格子に囲まれている。上からロープを下ろしてもらうか、〈冒険者+筋力で登攀(とうはん)判定〉

部屋の前に曲がったプレート:魔動機文明語で「ブロブ飼育室」と書いてある。ブロブが魔法生物であることくらいは知っていてもよいだろう。PLはこの時点で魔物知識判定を行ったり、データを見ることはできない。
PCの全員魔動機文明語が読めない場合、〈セージ+知力〉で読めたか判定してもよい。目標値は10。成功すると「ブロブ………」と読める。

部屋の中:扉に罠やカギはない。
部屋の中にはたくさんの水槽が並んでいるが、ほとんどは壊れてしまっている。
他には本の詰まった本棚もある。
水槽:一つだけ中身の入った水槽がある。水槽には黒い石でできた蓋が付いている。
蓋を開けて不用意に覗き込んだ場合、〈危機感知判定〉目標値12→失敗すると、中の水がまるで生き物のように動き出して顔に触れる。
酸による攻撃で5点の魔法ダメージを受ける。
すぐふたを閉めたなら水槽内に戻るが、しめない場合はブロブ×1(1改訂版399)と戦闘になる。
黒い石のふたはブロブが嫌がる物質でできているため、蓋があればブロブは出てこない。
本棚:〈探索判定〉目標値8/10
8→読める状態の本は1冊のみ。「ブロブの飼育」とある。タイトルが読めなくても写真や挿絵で内容は大まかにわかる。
10→状態の良い本が3冊。「ブロブの飼育」「石のふたの説明書」「液状魔法生物図鑑」タイトルが読めなくても写真や挿絵で内容は大まかにわかる。
本はそれぞれ100G で売却できる。

1F
'画像'
左からe,f
e:丸テーブルと椅子が並んでいる。部屋のあちらこちらに人物から幻獣、神々など様々な石像が立っている。談話室的な場所。
(※GM情報:ここには地下への隠し扉とスイッチ、ガーゴイル(1改訂版396)が2体配置されている。不用意に像に近づけばガーゴイルに不意打ち(→1改訂版194)を受けるだろう)
〈センス・マジック〉を使った場合、ガーゴイル2体を発見できる。
調べる場合、〈探索判定〉目標値10/12
12→隠し扉とスイッチになっている像を発見できる。宝石がはめ込まれた翼とカギづめを持つ石像が2体あるのにも気が付くが、そのかぎづめが石の材質にしては鋭すぎるように感じる。宝石を取ろうと近づいた場合、ガーゴイル2体と戦闘になる。不意打ちは受けない。
10→12とほとんど同じだが、かぎづめが鋭すぎることには気が付かない。宝石を取ろうと近づいた場合、〈危険感知判定〉目標値12。失敗すると不意打ち、成功すれば通常戦闘でガーゴイル2体と戦闘。
9以下→探索中にガーゴイルの感知範囲に入ってしまう。〈危険感知判定〉目標値12。失敗すればガーゴイル2体に不意打ちされる。成功した場合、ガーゴイル2体と通常戦闘。戦闘後、隠し扉とスイッチの像を発見する。
ガーゴイルに勝利すれば、追加で宝石50G×4(2つずつ2体に入っている)を得られる。

床についている隠し扉の下は縦穴になっていて、鉄のはしごが伸びている。高さは5メートルほど。
→g:地下室 へ

f:受付みたいなところ
入口のプレート(魔動機文明語)
「来客の方はまず受付で来客用カードを受け取ってください。職員は帰宅時に認証キーを必ず返却すること!」
魔動機文明語が読めない場合はセージ+知力で8→「受付」とだけ、10→「受付」「認証キー」12→内容がほぼわかる
探索目標値12(読めた場合+3、受付とだけ分かった場合補正なし、10の場合+1、12の場合+2の補正が付く)
成功すれば銀色のカギを発見できる。(→地下室のカギ)

g:地下室
降りた先には金属製の扉。これは〈鍵開け スカウト知力〉目標値12か、銀色のカギで開けることができる。
扉を開けると壊れたタンクみたいなものが転がっている。
大量のブロブでできた池があり、その奥に少し高くなった場所がある。そこにはいかにもな宝箱と、褐色でブドウの絵が描かれたラベルの付いたビンが1本置いてある。
ブロブ池にはところどころ高くなっていて途切れている場所があり、そこを飛び移っていくならば
〈軽業判定、スカウトかレンジャー敏捷〉目標値は12、失敗するとブロブ池に触れてしまい、2d6点の物理ダメージ。何回でも挑戦可能。
一回判定するごとに2目標値が下がる。(自分や仲間の経験から、飛び移りやすいルートを見つけることができるため)
成功すると宝箱と瓶を持って戻れる。

宝箱:罠:解除しないまま開けると毒針が飛び出し、毒属性魔法ダメージ12点。生命抵抗力判定を行い、成功すれば半減できる。
解除の目標値は12〈罠解除判定、スカウト知力〉
中身は、金貨と銀貨:1000G、500G相当の宝飾品。(※PC人数によって調整してください) 宝箱の底には羊皮紙がある。
羊皮紙の内容:「おめでとう。君たちの冒険の始まりを心から祝福する」と交易共通語で書いてある。
瓶:ワイン。ただし100年前のワインなので中身は水になってしまっている。

PCたちが宝箱を手に入れて帰ったら、山分けシーンなどをやって、冒険者の店の親父さんが喜んでくれたりして、シナリオ終了。

宝箱の底の羊皮紙の内容を読み上げていれば経験点1000点、そうでない場合は500点を得る。
その他に無力化した魔物の経験点(合計レベル×10点)、1ゾロを振った人はその回数×50点を得る。
宝箱の中身はPCたちの任意で分配すること。特になければ等分する。

おつかれさまでした。

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SW2.0をメインで書いていこうかと。 セッションに使う際の改変・調整は歓迎します。 改変したものの再公開も改変したことを書いていればおっけーです。

https://twitter.com/nananoha778

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