1時間半から2時間程度でセッション出来るクトルゥフ神話TRPGシナリオです。
人数は1人から3人くらいまで(GMのキャパと応相談)。
あなたは山河町という架空の舞台でオカルト探偵事務所に入って(もしくは、オカルト探偵事務所の関係者として)依頼者の依頼を解決します。
自称凄腕、自称オカルト探偵、名実ともに認められない我妻市橋と共に山河町の異変に挑もう。
クトゥルフ神話TRPG
シナリオ
「呪いの債権者」
1:基本情報
対応人数:1人~2人
プレイ時間:1時間半
推奨技能:図書館、目星、言いくるめ
時代設定:現代日本(2010年ごろ)
推奨職業:探偵
シナリオ特徴:
本作は1時間半ほどで終了するショートシナリオで、散りばめられたヒントを拾っていけば難なくクリア出来るシナリオとなっている。
シナリオを進めると、PLは「映画監督を頼る」選択に迫られるが、KPは出来るだけ「映画監督を頼る」方向に誘導してあげるとバットエンドにはならないでしょう。
シナリオには私立探偵が登場するため、探索者の職業は探偵や、それに連なるものだと探索者の導入がしやすいだろう。
2:導入A
ごく普通の中小企業で働く三田美樹(さんだ みき)は、ストーカー被害に悩まされていた。
そんなある日、三田が住むXXアパートに少年が訪れ、「ストーカーを退ける方法を教える」と言ってきた。
三田はこの少年はいきなり私の自宅を訪れて何の世迷言を宣っているのだろうと思ったが、警察にも協力を打ち切られたこのストーカー被害から解放されるならなんでもいいと少年を自宅に招き入れる。
少年を招き入れた時、三田はその少年が何故私のストーカー被害の事情を知っているのか、そして、何故怪しげな少年を自宅へ入れてしまったのか、疑問にも思わなかった。
いや、正確に言うならば少年が「三田が何の疑問も持たないように何らかの手段を用いた」のだが。
また言い変えるならば、少年の持つ怪しく不思議な、つかみどころのない、もはや妖気と言って良い程の雰囲気に充てられたともでも表現しようか。
少年の放つ言葉は、まるで民衆を傅かせる王の様な、その細い体躯には見合わない貫禄があり、少年が言ったことならば何の根拠もなく安心できる、信じられるような、すべてを包み込む安堵感があった。
そして、少年から教えられた手段を実行した三田は、間接的とはいえストーカーの加害者である金田新太郎(かねだ しんたろう)を殺害してしまう結果を招いた。
金田を殺してしまったことを知った三田は、その事実を警察に言うわけにもいかず、しばらく震えながら毎日を過ごしていたが、ある夜にまた少年が自宅に訪れた。
少年が言うには、金田に用いた手段は結果的に金田を殺すに至ったが、その呪いと言ってもいいほどの強力な力は、今度は自分に向けて戻ってくるらしい。
まさに「人を呪えば穴二つ」。
金田を殺した力の源は、次はその代償として自分を殺しにやってくる。
そんな最悪な状況を招いた少年に、避難の言葉をいくらぶつけても状況は改善しないと考えた三田は、地元にあるオカルト的な事案を解決してくれる探偵事務所があるという噂を聞きつけ、その事務所へと駆け込んだ。
3:NPC紹介
◆三田 美樹
女性 27歳
職業 中小企業会社員
耐久値28
STR9 CON13 POW10
APP16 SIZ15 INT11
EDU12 SAN50 DEX13
技能:
幸運50 アイデア55 知識60
応急手当88 信用60 回避26
人物特徴:
ストーカー被害に悩まされてか、病的なまでに白い肌はもはや青白いといってもいいほど血色は悪いが、被害に悩まされる以前の彼女は、会社やプライベートでは一目置かれるような美人であり、彼女自身それを実感しているためか、常に気丈に振る舞い強気だが、実は怖がり。
◆財前 透
性別不明 ?歳
職業 不明
耐久値28
STR15 CON15 POW15
APP18 SIZ13 INT18
EDU15 SAN0 DEX15
ナイアラルホテプの化身。シナリオ中、導入以外で財前が三田と出くわすことがあったり、探索者が三田から財前の情報を聞き出そうとしても、三田は記憶に欠如が起きていて財前に関して情報提供できないし、三田は財前のことをほとんど覚えてない)
人物特徴:
年齢や職業が不明で、その中性的で幼い顔立ちから男性であるか女性であるかも判別がつかないが、透という名前から男性かもしれない。
三田にストーカーを退ける手段を提示した張本人であり、探索者たちに助言を与える。
◆我妻 市橋
男性 45歳
職業 オカルト探偵
耐久値24
STR11 CON10 POW14
APP12 SIZ13 INT13
EDU14 SAN70 DEX8
技能:
幸運55 アイデア65 知識70
回避16 言いくるめ70 信用70
応急手当25 心理学25 追跡20
人物特徴:
白髪交じりの自称オカルト探偵でガサツ。
山河町の小さなビルの1室に事務所を構え、事務所前には、オカルト探偵事務所と我妻直筆の看板がおいてあり、そもそも人目につかないビルの中という最悪の立地に、人目についたとしても怪しすぎて誰も入ろうとしないため、言わずもがな客は少ない。
年に入る客の数は両手で数えるほどであり、収入源が他にないと家賃も払えないはずなのだが、何故か潰れずに今年でオカルト探偵事務所は7周年を迎える。
4:導入B
(KPは以下を必ず読むこと)
私は、毎日何者かに後をつけられている。
それは何日ごろからなのか、後をつけてくる者は男性なのか女性なのかもわからない。
だが、後をつけられているのは確実だ。実際に自分が被害にあうなんて夢にも思わなかったが、私くらいの容姿になると不思議ではないとも思えた。
私は、プライベートでは勿論、仕事場でも一目置かれる美人だという自覚がある。
これは勘違いや妄執などではなくれっきとした事実だ。
学生時代にスカウトされたことなんて両手で数えられないし、会社では異性から告白されることなんて慣れっこだ。
待ち合わせで駅にいるだけで何度声をかけられたことか、数えるのも億劫になるほどだ。
そんな私だからこそ馬鹿な奴にストーカーくらいされてもおかしくないと思えると同時に、その辺にいる有象無象の安い女と同列に見られていることに不快感を覚えた。
私は、そんな日常に嫌気が差して警察に相談することに決めた。
相談した警察は、私が住むアパートの周りの巡回と、電話をすればすぐに駆けつけてくれるよう約束をしてくれた。
その時を境に私は、安心しきって毎日通勤退勤を繰り返していたが、協力を約束してくれた警官が行方不明になり、私と警官との協力関係が終わりを告げた。
私が協力を求めた警察署は、人員も少なく、行方不明になった警官は、銃を持ったまま行方知らずとなり警戒態勢と捜査で忙しく、私のストーリー案件に構っている暇はないのだという。
どうにも納得がいかず抗議をしたものの、まともに取り合ってはくれずに、結局、私は再びストーカー被害に頭を悩ませる生活に戻ったのだ。
時は流れて行方不明になった警官の居場所は掴めずに捜査は打ち切られて、これで私のストーカー被害案件にも手を回してくれるだろうと、再び警察署に相談を持ち掛けるが、生返事が返ってくるだけで取り合ってくれることはなかった。
私がストーカー被害に悩まされ続ける日は続き、もう1カ月が過ぎようとしていた。
その頃には私も相当疲弊しきってしまい、血色の良かった顔には青みがかかってきたようにも思える。
これ以上はノイローゼで倒れてしまう。何とかしなければならないと思っていた時に、自宅にインターホンの鐘の名が鳴り響いた。
ドアを開くとそこには男性かも女性かも判別つかないが、髪の短さから恐らく男性だと思われる少年が立っていた。少年は疲れ切った様子の私の顔を見やりながら、「ストーカーを退ける手段をあなたに教えきました。」と言った。
最初、私は近所の子供のいたずらかとも思ったが、何故か私の中でその思考は打ち切られた。
目の前にいる少年の言葉はすべて正しく思え、その言葉1つ1つには神聖ささえ感じられるような気がした。
とにかく私は、このストーカー被害から解放されるならなんでもいいと思い、ストーカー被害を解決してくれると言った少年を自室へと招いた。招いてしまった。
私は、毎日何者かに後をつけられている。
それは何日ごろからなのか、後をつけてくる者は男性なのか女性なのかもわからない。
5:探索開始
◆変死体殺人事件
我妻市橋(がさい いちばし)が勤務するオカルト探偵事務所に置かれている地デジ対応しているかも怪しい薄汚れたテレビから、変死体殺人事件の報道がされている。
「朝から物騒なことで。まあ、こんなのはうちの事務所では取り扱えねえ。うちは専らオカルト専門。ただの殺人事件なんてどうでもいいな。天下の日本警察様がなんとかするだろうよ。」と自分しかいない事務所で呟くように独り言を漏らす。
◆招かれざる訪問者
まずPLたちは自称オカルト探偵事務所に所属する我妻の元を訪れて、会話しているところから始めるのが導入としてはやりやすいだろう。
得られる情報(KPは必ず以下の情報をPLに提示する)
・三田はストーカー加害者の金田新太郎(かねだ しんたろう)を間接的に殺害してしまった。
・殺す手段は謎の少年から教わったが、殺すつもりはなかった。
・金田を殺した方法は少年曰く「1人かくれんぼ」というオカルト的儀式を応用したもの。
・その「1人かくれんぼ」という呪術は、呪いの代償として今度は三田を殺しにくる。
我妻と適当な会話を暫く続けた後、叩かれることのほうが珍しい事務所のドアがノックされる。
ドアを開けると、そこには顔の血色が悪い女性が立っている。
女性の名は三田美樹(さんだ みき)。
探索者たちは女性と会話をして、事情を聴く。
追加NPC情報:金田新太郎
三田をストーカーしていた加害者。
変死体殺人事件で報道されていた人間。
以上の情報を聞き出した探索者は、明らかに危険なその案件を飲むかどうか迷うが、オカルト的事件を久しぶりに聞きつけてやる気になった我妻は、三田の依頼を受諾してしまう。
かくして探索者は、ぬいぐるみに命を狙われた三田を救うために情報収集を始める。
「1人かくれんぼ」情報
・適当なぬいぐるみの腹を裂いてワタを取り除き、代わりに米を詰める。
その後、裂いた腹を赤い糸で縫いとめて、呪文をぬいぐるみに言い聞かせるようにして唱える。
最後に、ぬいぐるみに包丁を突き刺す。
「腹を裂き、その腸に罪を流しこんだ者の名は金田新太郎。
その男を刺し殺す権利は汝にあり。
殺せ。殺しつくせ。その男の一切を殴殺しろ。
満たせ。満たせ。満たせ。満たせ。満たせ。満たせ。満たせ。
唱える事七つ。
その布地を男の血で染め上げろ。
満たせ。その怒りを。
満たした後に汝の怒りは私の血で償おう。」
・この呪文を唱えて、呪術をかけたぬいぐるみを、呪いをかける対象者の自宅へ置く。
すると、その人形は対象者に包丁を突き立てて殺す。
その後、呪いをかけた代償にとして、この呪術を起動した者の元へと帰っていき、呪術を起動した者を殺す。
◆呪いを退けるために
我妻が請け負ってしまった依頼をこなすために、探索者はシナリオの舞台である山河町で情報収集を始めることになる。
▼山河町
まだ昭和時代の古めかしい作りの建物が多く残っており、現代風の新しい建物の方が少ないぐらいだ。
そういった情緒が残る町並みを評価され、雑誌に記事として取り上げられることもあり、映画撮影の舞台となることも多い。
そのせいか、有名な映画監督がこの町に居を構えることも珍しくないという。
▼山河町 公立図書館
古めかしい木造つくりの図書館。
山河町の自治体が、公共の建物という観点からも古い木造から、現代風の強度の強い鉄筋コンクリートを使ったものに改築しようという計画があったが、山河町に住む映画監督らが署名を募り、木造建築の情緒ある町並みの景観を崩さないという名目の元に講義をして、未だに木造建築から改築できずにいる。
探索者は、この場で呪いの類いが記された書物を探すことが出来る。
KEYPOINT:映画監督
どうやら山河町には、映画監督が多く住んでいるようだ。
映画監督ならば、仕事の伝手を使い、撮影で使用する「クッション」や、「衣装」等を借りることが出来るかもしれない。
(以上の情報は、探索者が映画監督について説明を求めてきたとき等に提示するといい。
この情報に関しては、真エンドに繋がるヒントになるため、積極的に提示していきたい。)
得られる情報
・山河町に伝わる呪術というタイトルの本
(使用技能:図書館)
「1人かくれんぼ」
この呪術を使用した者は、最終的にはこの呪いをかけた代償として呪いに殺される。
基本的に呪いの解呪法はないが、呪いという概念に「呪いの代償を償わせたと思わせることが出来れば、この呪いから逃れることが出来るかもしれない。」
▼古めかしい百貨店 「あけぼの」
あけぼの店主である曾我部西野(そかべ にしの)は、度々オカルト的情報を我妻の事務所に流しているせいか、我妻とは仲が良く、もしかしたら探索者たちとも面識があるかもしれない。
追加NPC情報:曾我部西野
あけぼの百貨店の店主。男性。年のころは今年で70を迎えるご老体。
どこから仕入れてくるのか、オカルト的事情に詳しく、探索者たちに情報を提示してくれるだろう。
探索者が三田からの依頼を話して情報を求めると、曾我部のご老体は、そのしわがれて水分を失った唇を動かす。
「ああ、そんな呪いの話を聞いたことがあったなあ。確か、町の公立図書館にもそんな本があったような気がしたなあ。
遠い昔の記憶だが、その呪いを使用して死んだ男を知っているよ。」
そう言いながら紡がれる言葉には、長寿の樹木を彷彿とさせる。
曾我部曰く、昔その呪術を使用した男は、その呪いに殺される前に、曾我部の元へ訪れ、助けを求めたようだ。
死に物狂いで助けを求めたその男になくなく協力することになった曾我部だが、結局呪いを退けることは出来ずに、男は呪いに殺されてしまったのだという。
呪いが宿る人形は所詮器に過ぎず、人形自身を処分しても意味がないらしい。
呪いはあくまで概念的なもので、その概念を消し去らない限り、呪いの力がなくなることは無いと言う。
得られる情報
・呪いは概念的なもので、呪いの宿主たる人形(またはぬいぐるみ)は器に過ぎない。
・最終的に、「一人かくれんぼ」という呪いの概念を消し去らない限り、呪いの力は消えない。
◆行き詰まり
呪いという概念を消し去らない限りは、その呪いの力から逃れることは出来ないと知った探索者一同は、概念を消す手段など知る由もなく解決手段に行き詰まってしまう。
この案件は暗礁に乗り上げたかと事務所にいる全員が、そう思いかけた時に、事務所のドアからノックの音が響き渡る。
我妻がドアを開けると、そこには男性とも女性とも判別できない顔立ちの17歳くらいの子供が立っていた。
我妻は「ガキが来るところじゃないぞ。迷子センターはここにはねえ。」と子供相手に冷たく言い放ち、ドアを閉めようとすると、中性的な顔立ちの子供は信じられないことを口にする。
「どうやら君たちの依頼は暗礁に乗り上げてしまったみたいだけど。大丈夫?」
「何が言いてえんだ。何を知っているガキ。」
我妻は眉間にしわを寄せながら重圧な、それこそ聞くものによっては失神してしまいかねないほどの威圧感で言葉を口にする。
声質から恐らく男性であると思われる少年は、我妻の重圧に怯むことなく話を続ける。
「そんなに怒らないでよ。僕は君たちにとっての救世主なのだから。」
訳のわからないことを宣う少年であったが、我妻は自分の威圧にも負けずに強情に立ち向かった少年を少し見直したのか、事務所へ入るよう少年に促した。
ある程度話し終えると少年は満足したような表情で帰っていく。
あの少年はいったい誰だったのか。事務所にいる探索者たちは不気味に思いながらも、一つの手がかりを掴んだ。
(心理学:
成功→少年が言ったことが本当なのか甚だ疑問が残るところだ。どこから来たともしれない少年の言葉を鵜呑みにするべきなのか。
失敗→少年が言ったことを信じるしかない。何故だがあの少年からは厳かで神聖な雰囲気すら感じ取れるのだ。)
得られる情報
・少年曰く、呪いという概念が消せないのなら、呪いが起動した事実をなくしてしまえばいい。
・呪いが起動した事実をなくすためには、その方法を調査する必要があり、ヒントは山河町のはずれの廃墟にあるという。
◆もう一つの頼り
謎の少年が去った後、事務所の中に沈黙が訪れる。
少年が言っていたことを探索者それぞれが頭の中で思い浮かべ、これからの行動指針を決めあぐねていた。
そんな空気感の中、静寂を切り破ったのは我妻の言葉だった。
我妻が言うには「もう一つ伝手がある。」とのこと。
「ガキの言っていたことも調べるが、選択肢は多いに越したことはないだろう。」
▼現役映画監督 自宅
我妻が「もう一つ伝手がある。」と言い、探索者たちを案内した先は、レンガで作られた、まるで「3匹の子豚」の童話に出てきそうな外観をした一軒家であった。
レンガ造りの一軒家の表札には「財田武則(さいた たけのり)」の文字が刻み込まれていた。
我妻が言うには、この一軒家の家主である財田という人物には、過去に貸しがあるそうで、協力してくれるだろうとのこと。
我妻が表札横にあるインターホンを押すと、レンガ造りに似つかわしくない灰色の扉が開き、中から小太りの男が顔を出す。
「借りを返す時がきたぞ。財田。」
と、一言我妻が言い放つと、小太りの男は苦虫を噛み潰したような顔で一言「入れ。」と言った。
追加NPC情報:財田 武則
現役映画監督。
我妻に並々ならぬ借りがあるようで、本意ではないが協力してくれる。
財田が監督した有名タイトルで「バター・ウォーズ」が挙げられる。
各方面へ伝手があるようで、映画で使用する道具や衣装を用意することが可能だろう。
探索者たちがある程度話し終えたところで、我妻が口を挟む。
「呪いとやらの概念を騙すことは出来ないか?お前映画監督なんだろ?なんとかできねえかな。」
探索者は「無理を言う。」と思ったが、ガサツな我妻らしい提案だとも思えた。
(言いくるめ:
成功→財田はこの件を承諾する。概念的なものを騙せるかはわからないが、準備だけは進めてくれるという。
失敗→概念を騙すことなんてできるはずがないと言い、提案を突っぱねる。)
ここでPLが言いくるめに失敗した時、我妻の信用を振って、成功した後にもう1度言いくるめを振りなおしても良い。
得られる情報
・道具の貸し出しが可能。
・映画監督という職業柄か、何かを演じさせたり、舞台設定をしたりするのは得意であり、その用意もできる。
全ての言いくるめに失敗した場合→「2つの選択肢」へは行けない。
言いくるめに成功した場合→「2つの選択肢」へ行ける。
◆廃墟
少年が言っていた町はずれの廃墟へと訪れた一行。
少年の言うことが正しければここに今回の依頼を解決するヒントがあるというのだが。
▼町はずれの廃墟
いつかの時代では栄えていただろう2階建ての宿の廃墟。
宿の壁にはツタが張り巡らされ、屋根の上ではカラスが鳴いている。
窓ガラスは全て割れており、宿の看板らしきものには、まだ辛うじて読める字で「憩いと安らぎの宿 サンタマリア」と書かれている。
最も、その看板のうたい文句も、今の廃れきった外観では皮肉にしか聞こえないのだが。
▼1階
ボロボロになった宿の1階。
家具は風化しきっていて、調べられるところは少なさそうだ。
本当にこんなところにヒントがあるというのだろうか。
得られる情報
・薄汚れたメモ1(受付の引き出し)
使用技能:目星
「妻が死んだ。
もう生きる気力もない。
私はここで首をつって死ぬつもりだ。宿には申し訳ないが、妻との思い出が詰まったこの宿を死に場所としたい。
あの世があるならば、妻に会えるだろうか。会えるなら地獄でもなんだっていい。」
▼2階
1階と同じように壁や床がボロボロに朽ち果てている。
客室のほとんどが天井が崩れて入ることも叶わないが、1室(客間4)だけ辛うじて入れそうな客室がある。
目ぼしいものは誰かが残したメモだけだが、少年が言っていたヒントとはこれの事だろう。
探索者一行は、その薄汚れたメモを手に、一度事務所へと戻るのであった。
得られる情報
・薄汚れたメモ2(机上)
使用技能:目星
「ある情報を耳にした。
山河町にある2つの寺の清め塩を足で崩し、深夜の3時に山河駅に行くと過去へ連れて行ってくれる「きさらぎ駅」行きの電車が迎えに来てくれるらしい。
もっとも、きさらぎ駅なんてのは、この日本に存在する駅ではない訳だが。
ああ、ただの都市伝説だなんてわかっている。
だけど、今は藁にでもすがる思いだ。
生きて妻に会えるのなら、それにこしたことはないだろう。
死ぬのはこれを試してからでも遅くはないだろう。」
・薄汚れたメモ3(机上で目星を成功させれば薄汚れたメモ2と一緒に渡す)
「肝心のきさらぎ駅から方法だが、これも過去の世界に行く時と同じ手順を、過去の世界でも踏めばいいらしい。
と言っても、もう戻る気はないのだが。」
◆呪いの到達
探索者たちは、廃墟へ向かったのち、日が暮れてきたこともあり、一度事務所へと帰ってきた。
映画監督からの協力が得られなかったため、最早頼れるのは少年が言ったヒントから見つけたメモ用紙のみとなってしまった。
本当に少年が言っていたこの方法を試していいものかと探索者一同、行動に移すか迷っていると、事務所の電話が鳴り響く。
電話をかけてきたのは依頼主の三田だったそうで、進捗を聞かせて欲しいとのことだった。
電話で詳しいことを話すには大分煮詰まった話だから、事務所へ直接来てほしいと我妻が三田と約束をとりつけた。
しばらくすると、事務所のドアが叩かれ三田が中へと入ってくる。
探索者は三田に今までの経緯と「きさらぎ駅」の情報を提示する。
戦闘開始―死の狼煙―
しばらく三田と話していると、本日2度目の電話が鳴る。
普段はかかってくることが珍しい電話が、1日に2回も鳴った。
我妻は珍しいこともあるものだと思いながら受話器を取る。
すると、受話器を耳に当てたまま我妻の表情が強張っていく。
その様子を探索者たちがすることもなく、なんとなく見守っていると我妻は突然、受話器を叩き置いて叫んだ。
「逃げるぞ!呪いの源のお出ましだ!!」
そう叫ぶが早いが我妻は事務所のドアを蹴り開けて、事務所内にいる全員へ逃げるように促す。探索者達はいったい何が起こったのかわからなかったが、促されるままに事務所から逃げ出す。
奇妙な共闘
まず、得体のしれない異形の者に追いかけられ、襲われたことによるSANチェック。
SANチェック→3/1d6
耐久値を減らし切るか、3ターン経過で財前が戦闘に参加する。
戦闘開始
場所:山河町 路地裏
・呪いの根源「1人かくれんぼ」
(何故かローマ字のフォントが変わりますご了承ください)
ぬいぐるみ耐久値:17
STR12 CON8 POW12
APP0 SIZ5 INT11
EDU14 SAN0 DEX4
使用技能:
包丁:28 1d4ダメージ
(以下描写)
包丁を握った熊のぬいぐるみが、探索者たちへ襲い掛かる。
それぞれなんとか攻撃を避けるが、このままではじり貧であることはだれの目にも明らかであった。
そんな絶体絶命のピンチへ訪れたのは、意外な人物だった。
「また力の均衡が保たれなくなったか。ここは僕が少しだけ手を貸そうかな。」
声がした方向を見るとそこには、中性的な顔立ちをした少年が立っていた。
「またてめえか。今度は何しにしやがった。」
我妻が嫌味っぽく呟くと、数メートル離れているはずの少年は、その嫌味が聞こえていたのか。
「そういうなよ。これでも一応、僕は強いんだよ。」
そう言いながら少年は近くにあった「駐車禁止」の標識をへし折った。
そして、左手で標識をぶんぶんと素振りした後、その姿が消える。
いや、正確には消えたのではなく目にも止まらない速さで呪いのぬいぐるみの元へと
移動したのだ。
まさに音速ともいえるようなスピードで駆け抜けた少年は、ぬいぐるみへ向かって、重厚な鉄の塊を振り下ろす。
耳をふさぎたくなる轟音を立てて、標識がぬいぐるみをバラバラに引き裂き、そのまま地面に突き刺さる。
探索者一同が、その信じられない、とても人間業と思えない所業を、唖然と目に焼き付けていたところに少年の言葉が届く。
「早く逃げて。ぬいぐるみはあくまでも器。呪いはまだ生きている。」
その言葉がスイッチとなり、探索者たちはバネに跳ねられたかのようにしてその場から逃げ出す。
背後に、2匹の化け物を残して。
◆2つの選択肢
オカルト探偵事務所で、最後の話し合いが行われようとしている。
少年が言ったヒントから見つけ出したメモを信じて、きさらぎ駅なるところへ向かうのか。
映画監督の財田を頼って、できるかもわからない「概念への詐欺」をやってのけるか。
どちらにせよ迷っている暇はない。
いつまた呪いの根源である概念が探索者たちを襲ってくるかわからない。
ひとつだけわかるのは、もう残された時間がないということ。
探索者は2つの選択肢に迫られる。
(PLたちで話し合い、きさらぎ駅へ行くか、それとも映画監督を頼るか、どちらかを決める。)
◆山河駅
町はずれの宿にあった薄汚れたメモに記された「きさらぎ駅」へと至る方法。
探索者はこれを試すことに決めた。
メモに記されていることを実行に移すにあたり、きさらぎ駅へ行く方法を試す班と、呪いが本当に消えたか結果を観測する班に分かれる。
▼参紺寺(さんこんてら)
山河町に古くからある寺。
縁結びの神様がいると伝えられ、恋を成就させたい者であったり、就職活動中の者が良い会社に巡り合えますようにと、度々参拝者が訪れる。
▼清めの塩
きさらぎ駅へと至るためには、この塩を崩さなければならない。
▼外反寺(がいはんてら)
参紺寺と同じく、山河町に古くからある寺だが、こちらの寺の方が参紺寺が建てられるより少し後に建てられたためか、参紺寺に比べると境内や寺が少し綺麗だ。
▼清めの塩
参紺寺の塩と同じようにして、塩を足で崩さなければきさらぎ駅への道は開かれない。
▼「山河駅」→「きさらぎ駅」
少年が言っていたことが正しければ、2つの寺にある清めの塩を足蹴にして、深夜の3時に駅へ行けば、きさらぎ駅へ行けるはずだ。
2つの寺にあった塩を足蹴にした探索者は、あとは深夜の3時を待ち、駅へ行くことで、きさらぎ駅へ行けるかどうか試すだけだ。
メモの内容が正しければ、深夜3時の山河町にきさらぎ駅行きの電車が来るはずだ。
その電車に乗れば信じられないことに過去の山河町へ行けるらしいのだ。
探索者がすることは1つ。過去の山河町へたどり着いたなら、呪いを起動しようとしている三田に会い、呪いの起動を辞めさせることだ。
今は、深夜の2時45分。そろそろ山河駅へと向かうために支度をする。
外はすっかり暗くなり、深淵の闇から守るように事務所の弱い人工的な電球の光が探索者一同を照らしている。
探索者は我妻たちに目だけで合図を送る。我妻も探索者が行動を起こすと察したようで、頷きだけで返してくる。
得られるアイテム
・ライブチケット当選票(探索者がきさらぎ駅へ向かう前に、三田が探索者に未来から来たという信憑性を持たせるために、過去の三田からしたら未来の日付の当選番号が記されているチケットを渡してくる。)
過去の三田を言いくるめ、または説得する際に、技能の値を+20して振ることが出来る。
→「きさらぎ駅」へ
◆きさらぎ駅
探索者は信じられない光景を目にする。
終電が終わり、活動している筈がない電車が、山河町の駅へとやってきたのだ。
これで少年が言っていたことが真実となってしまったわけだ。
最後の望みともいえる蜘蛛の糸より細い希望を辿り、ここまで来た。
目の目で停車した電車に恐怖がないわけではないが、これを逃せばもう打つ手はないだろう。
意を決して電車の中へ入り込む。
しかし、電車の仲は存外普通であった。何度も乗ったことがある山河町の普通の電車。
ただの一人も乗車している人間がいないということを除けば、何の変哲もない車内だ。
そんな見知った車内を見て、少し安堵したのもつかのま、ひび割れたノイズが車内に響き、アナウンスが耳朶を打つ。
「つぎ・・は、つぎ・・・・は・・きさらぎ駅・・・です。」
枯れた樹木を思わせるしわがれた声が車内に響き、探索者は背筋を凍らせる。
背中を嫌な汗伝い、全身の肌が粟立つ。
座席に座ることも忘れ、しばらく電車に揺られていると、電車はゆっくりと減速し、やがて止まる。
アナウンスの内容が正しければここはきさらぎ駅のはずだ。
やがて、ドアが開かれ、冷たい冷気が車内へ入り込んでくる。
降りると、そこは山河町の風景と変わらない普通の駅であった。
だが、山河町の駅とは決定的に違う文字が駅の表札に記されていた。
「きさらぎ駅」
どうやらメモの内容に記された方法は間違いでは無かったようだ。
今いるところが本当に過去の世界なのか甚だ疑問が残るところだが、ひとまずはメモに記してあったことが正しいとわかり、少し安堵すると同時に、しかし探索者は気づいてしまうだろう。
自分は、すでに今までの日常へは戻れないということに。
SANチェック→2/1d6
http://www.okorudaikazan.com/?p=3416
↑出典「きさらぎ駅の真相とその後の発展」
駅から出るとそこはいつもと変わらない山河町だった。
古めかしい建物が立ち並ぶ見知った町並み、町全体の光量が少ないためか、はたまた空気が澄んでいるのか、空を見上げると数えきれない星が暗闇のキャンパスに散りばめられている。
そう、いつもと変わらない山河町の景色のはずだ。背後にそびえ立つ、山河町にあるはずもない駅を除けば。
しかし、迷っている暇はない。今こうしている間にも、未来の山河町に残った我妻たちが呪いに襲われているかもしれないのだ。
とにかく、三田に会いに行き、この事件を起こした元凶である呪いの起動をとめなくてはならない。
このシーンで探索者がすること
・呪いを起動しようとしている三田に会って言いくるめをする。
成功→三田は呪いの起動を辞める。
→「異世界」へ。
失敗→三田は呪いの起動をしてしまうだろう。失敗した場合には、探索者は呪いが起動する間に、言いくるめの値を、-20してもう1度振りなおしても良い。それでもなお失敗した場合は、
→「失踪」へ。
◆異世界
探索者は、無事に三田と会って呪いの起動を辞めさせることに成功する。
探索者は安堵し、あとは元の世界に戻るだけだと思っていた時、探索者は酷いめまいを覚える。
やがて立っていることもできずに地面に倒れ伏してしまう。冷たい床に右頬の温度が奪われていくのを感じながら意識が遠のいていく。
探索者が呪いの起動を止めた瞬間、世界では決定的な矛盾が生まれた。未来では呪いが原因で金田が死んでいるというのに、その死因である呪いで金田が殺されていないという矛盾が。
その矛盾を世界は許さない。
世界は矛盾を正すために、過去、そして未来を歪めて全人類に干渉を行う。
しかし、世界による干渉を人類は観測することが出来ない。今まで過ごしていた日常が全く違う異質なものへと変わろうと、気づくことは出来ない。
ただ、されるがままに世界の干渉を受け入れるしかないのだ。
探索者が目を覚ました時、そこは天を穿つようにビルが立ち並ぶオフィス街だった。
しばらく惚けた表情でその場に立ち尽くしていた探索者であったが、やがてガラス張りの自動ドアに映された自分の姿を見て、自分が何をしている最中だったのか思い出す。
身を包み込む黒いスーツに、少しだけ緩まってしまったネクタイ。
そう、自分は今会社に出勤するところだったのだ。
右腕につけられた時計を見ると、今は朝の9時。
会社には9時半に到着しなければならないというのに、自分はいったい何を惚けていたのだろう。
さあ、遅刻するわけにはいかない。会社へ向かおう。
ノーマルエンド
「いつもと変わらない日常」
報酬→全ステータス回復
◆失敗―呪いの起動―
三田の呪いの起動を止めることが出来なかった。これでもう未来は変わらない。
探索者は、目の前で熊のぬいぐるみに呪いが宿っていく光景をただ眼前にしてたちつくすことしかできなかった。
バッドエンド
「果たされなかった依頼」
報酬→クトゥルフ神話技能+1
「きさらぎ駅へといたる方法」
◆映画監督を頼ろう!
我妻たちとの話し合いの結果、謎の少年の言うことを信じることは出来ないという結論へと至った。
そうなると残る道は一つ。我妻に借りがあるという映画監督を頼るしかなくなった。
探索者一行は映画監督の財田の家へとむかうことになる。
(呪いをビルの屋上までおびき寄せて、映画撮影で使うクッションを利用し、呪いの前で三田にビルから飛び降りてもらう。
そうすることで呪いに三田が死んでしまったと思いこませて、三田を殺すことをあきらめてもらう。
飛び降りをする際に、何か起きた時すぐに対処できるように、探索者たちは三田と一緒にビルの屋上へと行く。
KPはこの結論に至らせるためにPLと話し合うこと)
このシーンで探索者がすること
・映画監督財田と話し合い、概念を騙す方法を見つける。
(KPは財田に扮してヒントを与える事。財田が出来る事の情報を与える)
財田ができること
・映画で使用する道具の用意。
→クッション・照明・衣装など
・映画撮影の装い
→一般人から見たら、あたかも映画を撮影しているがごとく見えるように演出できる。
◆飛び降り自殺のすゝめ
探索者たちが導き出した答え。それは、呪いの前であたかも三田が飛び降り自殺をして死んだと思わせることで、呪いを騙すことだ。
どうやらそれに必要な手回しは財田が既に完了しているようで、後は呪いをビルの屋上へおびき出すだけだ。
呪いがどのような方法で三田を見つけ出しているかは不明だが、呪いもそろそろ痺れを切らしている頃だろう。
飛び降りるビルの屋上にその身を晒して呪いからこちらを発見してもらうしかないという結論に至った。
呪いとの戦闘を世間の目から誤魔化すために、協力に応じてくれた鮮花ビルと山河町の警察庁には映画の撮影という名目で話を通したようだ。
こうして、鮮花ビル周辺の交通を止めての大規模な作戦が今始まる。
▼鮮花ビル
木造の建物が立ち並ぶ山河町では珍しい8階建てのビル。
ビルの許可については財田が話を通しており、屋上が解放されている。
戦闘開始―概念への詐欺―
三田と我妻率いる探索者たちがビルの上で呪いを待つこと1時間。
早くも作戦の成功が危ぶまれ始めた時、探索者たちの間の前の空間が歪み始める。
歪みの奥から姿を現した者は、黒い泥のような何かであった。
ぬいぐるみという器を失った呪いの概念は、形容できない泥の異形として、この現世に権限したのだ。
異形の泥には、目の様な感覚器官はついているはずもなく、視覚が存在するのかわからないが、三田の姿をその視界に捉えたのか、泥の異形は迷いなく三田へ向かって進行を始める。
6回に至る三田の説得にようやく終わりの兆しが見える。
探索者の必死の説得にようやく三田の決心が固まる。
「あああああああああ・・・・!!!」
喉が張り裂けんばかりの嬌声を挙げながら三田がビルから飛び降りた。
財田や警察、どこからか騒ぎを聞きつけてきた野次馬たちが見守る中、三田の身体が映画撮影用のクッションへと落下。
その瞬間、探索者の眼前にいる泥の異形が奇声のような冒涜的で不気味な声をあげた。
泥の異形からしたら命を奪おうとしていた対象人物が自ら命を絶ったように見えるはずだ。
これで自分が行おうとしていたことが無意味になり、呪いは殺害対象を失ったことで、その存在意義を失う。
泥の異形は不気味な奇声をあげながら、その姿を消失させていくのだった。
映画の撮影だと思っている野次馬たちからは歓声が上がり、拍手が巻き起こる。
野次馬たちを横目にしながら、財田は疲れ切った安堵の溜息を漏らした。
VS泥の異形
・概念という泥の異形に対して物理攻撃、魔術的攻撃は通用しない。
探索者は三田が飛び降りるまで時間稼ぎをしなければならない。
・三田はビルの8階から飛び降りる勇気が出せずに、飛び降りという行動に移すことが出来ない。
そのため、探索者は泥の異形の攻撃を掻い潜りながら、三田に対して「言いくるめ」もしくは「説得」を行い、判定を6階成功させる必要がある。
6回の判定に成功した時、三田は飛び降りる決意をすることが出来る。
・泥の包丁30 1d4ダメージ
◆エンディング
後日、探索者は三田から依頼の報酬を受け取ってこの件は一応の決着を見た。
誰に行っても信じる者はいないであろう恐怖と戦った探索者は、オカルト的事件を久々に解決したと満足げにコーヒーを啜る我妻を他所に、事務所で書類の山の処理に追われていた。
映画撮影に関して山河町の自治体へ対する報告書から始まり、撮影に参加した感想を求める取材記者への返答など様々な書類に埋もれながら、一切手伝おうとしない我妻を恨みつつもなくなく作業を進める。
そんな、忙しい業務に胃を痛めながらペンを走らせていると、年に3回訪問者があるかどうか怪しい事務所のドアにノック音。
我妻が気怠そうに返事をすると、ドアの向こうから走ってここまで来たのか、汗だくの中年男性が姿を現した。
「・・・・・助け・・てください!!」
事務所に入って突然、荒々しい息継ぎと共に発せられる助けを求める言葉。
また、非日常が始まりそうな予感がした。
報酬→SAN値10回復
クトゥルフ神話技能+1
「きさらぎ駅へと至る方法」
三田からの報酬金(金額は話し合って決めてください)
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