あらすじ
性別を逆転させたり、猫耳を生やしたりといった冗談災厄を起こす禁書〈始まりの神様〉。
その回収任務についての説明を受けているとき、〈理想郷〉の書籍卿が現れる。
彼女曰く、それはもともと〈理想郷〉が保管していたものだという。そして、無断で持ち出した〈書籍卿〉を捕まえてほしいと頼んできた。
さて、彼女と協力すべきか否か?
推奨階梯:3 PL数:3~4 リミット:12/PL数
基本ルールブックだけで遊べます。戦闘難易度は高め。
平成26年、秋。また、祭りの時期がやってきた。
血と暴力、死と生命、歓喜と慟哭に酔いしれる、最悪の宴。
これは、宴が始まる、少し前のお話。
――世界のルールに、抗え。
1年ほど前、柳生キョウイチロウは、娘のヤエが次の花嫁狩りの花嫁に選ばれる未来を予知します。
花嫁の仮面をつけられてしまうと、死を免れることはできません。
そこで彼は、彼女を失わないために、彼女を〈永遠〉にすることを決意します。
〈理想郷〉の保管庫から禁書〈始まりの神様〉を無断で持ち出し、断章〈神様〉をヤエに憑依させ、受胎告知を行います。
禁書は何でもよかったのですが、なるべく〈愚者〉に危害を加えたくなかったため、冗談災厄を起こすものを選びました。
ここまではうまくいきましたが、問題が発生します。憑依深度の上昇が彼の想定より遅いものでした。
このままでは、〈永遠〉になるより先に、花嫁狩りが始まってしまいます。
そこで彼は、【墓標】による憑依深度の上昇を試みます。
舞台は六分儀市、時期は平成26年10月です。
通常のシーン表と運命変転表「コミカル系災厄」を使用します。
ヤエをシナリオアンカーにするPCをPC①、タダシをシナリオアンカーにするPCをPC②、
コルネリアをシナリオアンカーにするPCをPC③、「浄化計画」をシナリオアンカーにするPCをPC④と記します。
PC①とヤエ、PC②とタダシは、セッション開始時点ですでに面識がある状態です。
マスターシーンです。
描写
平成26年10月、満月の出ている深夜。六分儀市のとある一軒家の一室で、ひとりの少女がすやすやと寝息を立てています。
「……王子さま、また来てくれたのね……むにゃむにゃ……」と寝言をつぶやいています。
その少女を、壮年の男性がベッドのそばで見下ろしています。
彼は少女に手をかざし
「……だめだな。浅すぎる。これでは、間に合わない」
「やはり、私自ら、手を下さねばならないか」
とつぶやきます。
彼は少女の頭をやさしく撫でると、転移魔法で部屋から消えます。
GM向け注釈
男性はキョウイチロウ、少女はヤエです。
憑依させた〈断章〉の憑依深度が低すぎること(この時点では1)を確認し、【墓標】の効果を発動させねばならないと判断しています。
このシーンとシーン2の間で、サキとの魔法戦が行われます。この魔法戦でサキが一度死亡し、【墓標】の効果が発動しています。
そのため、〈神様〉は一時的魔力を3点獲得しています。
なおこのシーンでの出来事を、PCは知りません。
PC②の導入シーンです。
PC②が「表の顔」として過ごしているところ、携帯電話にタダシからの着信があります。
(PCが出なければ、出るまでかけ直すか、留守電を残します)
タダシは、市立近代美術館のスタッフです。
PCが電話を受けると、タダシは、自分が次の企画展を任せられたことについて話します。
会話例
「お、PC②か? ちょっと聞いてくれよ!」
「おれ、美術館の次の企画展示、任されることになったんだよ!」
「いやー、館長ずっと『お前にはまだ早い』の一点張りだったのに、急だよ」
「ダ・ヴィンチに焦点を当てようと思ってるんだ」
「時期とか決まったらまた連絡するから、来てくれよな、じゃあな~」
「林家 タダシ」のハンドアウトを公開してください。
PC②はタダシに運命を1点獲得します。属性は任意です。その後、魔力決定を行います。
PC①の導入シーンです。
ヤエが、PC①の家に遊びに来ています。ヤエは、東雲小学校に通う6年生です。
彼女が、自分が見た夢の話をします。
会話例
「それでね、昨日も王子さまが夢に出てきたの!」
「これって、運命の出会いの暗示じゃないかしら?」
「ええ、きっとそうよ!」
「もう6年生だもの、恋の1つや2つ、しないといけないわよね!」
「柳生 ヤエ」のハンドアウトを公開してください。
PC①はヤエに運命を1点獲得します。属性は任意です。その後、魔力決定を行います。
PCたちが合流するシーンです。
〈大法典〉支部である市立図書館に呼び出され、戸口の魔法使い、影原文子から説明を受けているとき、コルネリアが現れ、協力をもちかけます。
会話例
「今回の任務は、禁書〈始まりの神様〉の回収です」
「起こっている魔法災厄は冗談災厄……まあ、悪戯のようなものです」
「性別が逆転したり、猫耳が生えたり……」
「とはいえ、看過するわけにもいきません。速やかに――」
バン、という大きな音とともに扉が開かれ、セーラー服を着た少女が現れます。
彼女は元気よく、あなたたちに話しかけます。
会話例
「こんにちは~、〈大法典〉のみなさん! あたしはコルネリア・カークランド、〈理想郷〉の魔法使いだよ。気軽にコルちゃんって呼んでね!」
「コルちゃん、お願いしたいことがあるんだぁ」
「今あなたたちが話していた禁書〈始まりの神様〉。それはもともと〈理想郷〉がもってたものなの」
「それを勝手に持ち出したクソ野郎、『浄化計画』を捕まえてほしいの!」
「もちろん、あたしも協力するし、なんだったら、禁書はそっちにあげるよ?」
「『浄化計画』は、こっちに引き渡してもらうけどね~」
「どう? 悪い話じゃないでしょ?」
コルネリアと協力関係を結ぶと、以下の効果が発生します。
・コルネリアが猟鬼の責務の対象外になる。
・調査判定に+1の修正が付く。
・魔法戦にて分科会側に立ち会う。(PLが3人のときのみ)
・「浄化計画」にトドメをさせなくなり、封書にしたあとコルネリアに渡さなくてはならなくなる。
これらを説明した上で、コルネリアと協力関係を結ぶかどうかを訊ねてください。
会話例
「やった~。よろしくね、〈大法典〉のみなさん。あたしたち、いいパートナーになれるよね!」(協力関係を結んだとき)
「ちぇー、つまんないの。いいよ、コルちゃん一人で探し出すから。じゃね!」(協力を断ったとき)
その後、影原が天涯の予言について説明します。
会話例
「……こほん。ともあれ、禁書回収、よろしくお願いします」
「魔法災厄は深刻なものではありませんが……天涯から、気になる予言が報告されています」
「『命を粗末にすると、取り返しのつかないことが起きる』……とのことです」
「くれぐれも、お気をつけて」
GM向け注釈
天涯の予言は、PCかハンドアウトを持つNPCが1人でも死亡すると、【墓標】が発動し、後述のマスターシーンによってヤエが〈永遠〉になってしまうことの暗示です。
「コルネリア・カークランド」「浄化計画」のハンドアウトを公開してください。
PC③はコルネリアに、PC④は「浄化計画」に運命を1点獲得します。属性は任意です。その後、魔力決定を行います。
メインフェイズに移ります。リミットが[12/PL数]であること、時間経過による憑依深度上昇は起こらないことをPLに伝えてください。
断章〈神様〉に魔法戦を挑んだときに、「浄化計画」が生きていて行動不能でなければ発生します。
「浄化計画」が、代理として現れます。
描写
「悪いが、まだそれを回収されるわけにはいかない」
PCの背後から、野太い声が聞こえます。振り返ると、壮年の男性が立っています。
「〈神様〉の代理をさせてもらおう。……来い、〈大法典〉」
「浄化計画」との魔法戦が発生します。
コルネリアと協力関係にある場合、「浄化計画」を封書にしたあとに発生します。
コルネリアが「浄化計画」を手にします。
描写
「おー、やるじゃん〈大法典〉。コルちゃん、感心しちゃったよ」
「それじゃー、約束通り、『浄化計画』はもらうよ?」
もしPCが渡すことを拒んでも、意思とは無関係に体が動き、封書にした「浄化計画」をコルネリアに渡します。
魔法的な約束であり、破ることはできません。
「禁書編纂、頑張ってねー、じゃあねー」
コルネリアは転移魔法でその場から去ります。
マスターシーン「見せしめ」が発生します。
コルネリアが「浄化計画」を手にしたシーンの次のシーンに挿入されます。
コルネリアが「浄化計画」を痛めつけます。
描写
とある屋敷の地下室。コルネリアは、「浄化計画」を封書から解放します。
「おはよう~『浄化計画』さん。これからコルちゃん、あなたのこと、ボッコボコにいためつけるね」
「なんでって? とぼけたってだ~め。あたしたちの大事なお祭りにちょっかい出そうとしてるの、お見通しだから」
「ま、見せしめってやつだね! 撮影してるから、いい悲鳴あげてね!」
「それじゃ、最初は軽めに、焼きごてからいこっかー」
「浄化計画」の苦悶に満ちた悲鳴と肉の焦げる音が地下室に響き渡ります。
PCかハンドアウトをもつNPCが死亡し、【墓標】の効果が発動したシーンの次に挿入されます。
ただし、「浄化計画」が死亡か行動不能になっていれば、発生しません。
ヤエが〈永遠〉になります。
描写
「浄化計画」が、柳生家の呼び鈴を鳴らします。
数秒後、ヤエが扉を開け、
「あっ、お父さん! おかえり! こっちに帰ってきてたんだ!」
と嬉しそうに言います。
「浄化計画」が
「ああ、ただいま。ヤエは、一人で留守番か?」
と尋ねると、
「うん。私、もう6年生だから。留守番できるし、そろそろ恋もするよ」
とヤエは答えます。
「浄化計画」は家に上がり、
「すまない……ヤエ」
と小声でつぶやくと、ヤエにとびかかり、首を絞めます。
ヤエは何が起きたのか分からないという表情で、うめき声をあげます。
「お……おとうさ……やめて……」
「やだ……わたし、死にたくない……」
「浄化計画」はそれを聞くと、ヤエの首から手を離します。
「……我が名は『浄化計画』。〈神様〉、手筈通りに」
と「浄化計画」がつぶやき、彼はバタンと倒れます。
次の瞬間、ヤエの体が枯れるように崩れます。崩れた体から、真っ青な「種」がこぼれ落ち、残った肉体は塵となって消えます。
「種」ははじけ、羊水とともに、人の体――〈永遠〉となったヤエがでてきます。
ヤエは自分の部屋へと戻ります。
その後、「浄化計画」は〈神様〉の助けを借りて、復活を試みます。
復活の判定をしてください。
GM向け注釈
受胎告知の目標が「死の回避」を願っていた場合、憑依深度が4点以上になった時点で〈永遠〉になる、という性質を「浄化計画」は利用しました。
「死の回避」を願わせるため、ヤエの首を締め、彼女がそれを願ったのを確認してから〈神様〉に魔法戦を挑み、即座に敗北宣言し、〈神様〉にトドメをささせました(【不滅】によるトドメの禁止は任意効果なので、これは可能です)。
これによって「浄化計画」は死亡、【墓標】の効果で憑依深度が4点以上になり、ヤエは死亡して〈永遠〉になりました。
ヤエの死亡により、もう一度【墓標】の効果が発動することに注意してください。
ヤエはこの時点では「疵」にはなりません。「浄化計画」も【不滅】を修得しているため、「疵」になりません。
「花嫁狩り」の秘密が公開されたときに発生します。
擬人化した「花嫁狩り」がPCの前に現れます。
描写
一陣の風が吹き抜け、あなたたちの前に突如、真っ白な毛並みの馬にのった少年が現れます。
彼は温和に微笑み、あなたたちに話しかけます。
「やあ。もうぼくにたどり着くなんて、たいしたものじゃないか」
「そう、ぼくは『花嫁狩り』そのものだ」
「きみたちは、花嫁を助けたいのかい?」
彼は空を見上げます。
「もうすぐ新月だ。晦の夜に遊んであげよう」
再び一陣の風が吹き抜け、凪いだときには、すでに「花嫁狩り」の姿はありません。
最終サイクル開始時に、コルネリアと協力関係になく、
「浄化計画」が生きていて行動不能になっていなければ発生します。
コルネリアが「浄化計画」を倒し、封書にします。
人気のない路地裏を「浄化計画」が歩いています。
その背後にコルネリアが転移し、「浄化計画」に声をかけます。
「やっほー、やっと見つけたよ、『浄化計画』さん」
「けっこう時間かかっちゃったし、てっとりばやくいかせてもらうね」
「『生命天秤』があなたの魂、測ってあげる」
「生命天秤」と「浄化計画」は魔法戦を行い、「生命天秤」が勝利します。
彼女は「浄化計画」を封書にし、彼が持っていた〈始まり〉を解放します。
〈始まり〉は〈愚者〉には憑依せず、単独で存在し続けます。
これ以降、PCは〈始まり〉に魔法戦を挑むことができるようになります。
マスターシーン「見せしめ」が発生します。
「浄化計画」は、魔法戦の最初の召喚ステップで、【異境召喚】を使用し、「因果不変」を追加します。
判定に失敗したら、成功するまでこれを行います。
「浄化計画」との魔法戦に勝利すると、プライズとして断章と封書の両方を獲得できます。
コルネリアに魔法戦を仕掛けると、協力関係が解除されます。
「花嫁狩り」の秘密が公開されていたら、各PCに、〈禁書〉と「花嫁狩り」のどちらと戦うかを訊ねてください。
ただし未回収の〈断章〉がある場合は、〈禁書〉と戦うことはできません。
未回収の〈断章〉があり、「花嫁狩り」の秘密が未公開なら、クライマックスは発生しません。
禁書と戦うことを選んだPCは、影原から封印儀式の準備ができた連絡を受け、図書館へもどります。
描写
図書館の奥の一室に、〈大法典〉の魔法使い数人が集まっています。
床には円と五芒星が描かれ、薄く光っています。
魔法使いが呪文を唱えると、〈断章〉が結界の中央に転移し、それらが融合して、〈禁書〉が実体化します。
禁書〈始まりの神様〉の外見は、猫耳を生やした幼い男女の双子です。
集団戦を行ってください。禁書の領域は「星」です。
「花嫁狩り」と戦うことを選んだPCの前には、擬人化した「花嫁狩り」が現れます。
その姿は、イベント3のときと同じく、白馬に乗った少年です。
会話例
「やあ、待たせたね。」
「ぼくを楽しませてくれることを、期待しているよ」
集団戦を行ってください。PCが先攻になります。
GM向け注釈
禁書編纂と「花嫁狩り」戦は同時刻に起こっていますが、順番に処理したほうがやりやすいでしょう。
どちらを先に処理してもかまいません。
クライマックスフェイズでの展開により、変化します。以下の記述にて、敗北した場合というのは、戦わなかった場合を含みます。
魔法災厄は終結します。戸口の記憶操作により、人々は事件のことを忘れます。
「花嫁狩り」は封印されます。とはいえ、世界法則そのものであり、強大な力をもつ存在をいつまでも封印できるとは限りません。
ただ確かなこととして、今年は花嫁狩りが始まりませんでした。ヤエも王子さまの夢を見なくなります。
魔法災厄は終結します。戸口の記憶操作により、人々は事件のことを忘れるでしょう。
ですが、禁書編纂の翌朝。ヤエが自室で目を覚ますと、ベッドのそばに、純白の仮面が落ちているのを見つけます。
ヤエはそれを拾い上げ、まじまじと見つめた後、何気なくそれを顔につけます。
すると部屋の中にもかかわらず、一陣の風が吹き、それが凪いだときには、もうヤエの姿はありませんでした。
花嫁狩りの、始まりです。
魔法災厄は終結します。戸口の記憶操作により、人々は事件のことを忘れるでしょう。
ですが、禁書編纂の翌朝。ヤエが自室で目を覚ますと、ベッドのそばに、純白の仮面が落ちているのを見つけ……ません。
そんなものは、落ちていません。
ヤエは男の子になったため、花嫁ではなくなりました。では、誰が花嫁になったのでしょう?
それを知るのは、王子さまだけ。花嫁狩りが、始まります。
魔法災厄が世界中に広がり、世界は大混乱に陥ります。
「花嫁狩り」は封印されます。とはいえ、世界法則そのものであり、強大な力をもつ存在をいつまでも封印できるとは限りません。
ただ確かなこととして、今年は花嫁狩りが始まりませんでした。ヤエも王子さまの夢を見なくなります。
代わりに、犬耳や猫耳の生えた人物がよく夢に現れるようになりましたが。
魔法災厄が世界中に広がり、世界は大混乱に陥ります。
そして、禁書編纂の翌朝。ヤエが自室で目を覚ますと、ベッドのそばに、純白の仮面が落ちているのを見つけ……ません。
そんなものは、落ちていません。
寝ぼけまなこでもそもそと着替えると……ふと、違和感を覚えます。
ヤエは、男の子になっていました。
では、誰が花嫁になったのでしょう?
それを知るのは、王子さまだけ。花嫁狩りが、始まります。
人物
〈理想郷〉の書籍卿、「生命天秤(ライフバランサー)」。
〈理想郷〉が保管していた禁書〈始まりの神様〉を無断で持ち出した「浄化計画」の確保を〈大法典〉に依頼してきた。
その際、「浄化計画」は引き渡してもらうが、禁書は〈大法典〉に譲るという。
果たして信用してよいものか……。
秘密
彼女は〈理想郷〉に潜入したスパイで、本当の所属は〈闇の心臓〉だ。
「浄化計画」が「花嫁狩り」に干渉しようとしていることを予知したため、確保を目論んだ。
捕まえられたら、見せしめに残虐に痛めつけるつもりでいる。
〈始まりの神様〉は「花嫁狩り」とは無関係な禁書のため、興味がない。
ハンドアウト「花嫁狩り」が公開される。
ランク:4
「生命天秤」
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:5
特技:《黄金》《光》《幻》 領域:夢 魂の特技:《拷問》 真の姿:天馬(精神集中)
蔵書:【緊急召喚】【精霊召喚《幻》】【精霊召喚《黄金》】【検閲】【天秤《黄金》】【祖霊】
人物
東雲小学校6年生。父親は単身赴任しており、母親と2人暮らし。父親とは、半年に一度ほどしか会えないようだ。
最近、白馬の王子さまが出る夢を何度も見る。
運命の出会いがもうすぐ起こる暗示ではないかと彼女は思っている。
秘密
彼女には断章〈神様〉が憑依している。この〈断章〉と夢に出た王子さまに、直接の関係はないようだ。
しかし因果の流れを読んで、無関係でもないと分かる。
また、〈神様〉は誰かのアンカーになっている。
〈神様〉
憑依深度:2
攻:1 防:4 根:3
魔力:6-1 一時的魔力:3
蔵書:【彗星】【墓標】
特技:《天空》(領域:星)
人物
市立近代美術館のスタッフ。次の企画展を任され、はりきっている。
その企画展はレオナルド・ダ・ヴィンチに焦点を当て、『受胎告知』や『最後の晩餐』のレプリカも展示されるという。
秘密
彼は以前、帰宅中に、「浄化計画」から魔法戦を挑まれた。
その際、彼をアンカーにしていた魔法使い「夢の渡り手」が代理で魔法戦を行ったが、敗北してしまった。
幸い復活は成功し、その際タダシの「企画展示を担当したい」という願いを受諾している。
彼自身は記憶を操作され、そのことを覚えていない。
ハンドアウト「夢の渡り手」を公開する。
人物
夢魔の魔法使い。タダシにとっては、幼少期からの親友。
タダシを守る為、「浄化計画」と魔法戦を行ったが、敗北した。
かりそめの名前は「風贄 サキ」、表の顔は銀行員。
秘密
「浄化計画」はサキとの魔法戦にて、【異境召喚】で「因果不変」を追加していた。
タダシに魔法戦を仕掛けたのも、サキをおびき出すためであり、彼に危害を加えるつもりはなかったようだ。
また、サキは死ぬ間際、「浄化計画」が「まずは1人。あと1人……」とつぶやいていたのを聞いた。
サキから聞いた情報をもとに対策を練る。セッション中1度だけ、「浄化計画」が振ったサイコロを振りなおさせることができるようになる。
調査者は、サキに対する運命が1点上昇する。
人物
〈理想郷〉の書籍卿。〈始まりの神様〉を無断で持ち出した。
このハンドアウトの調査判定は、公開済みの「浄化計画」を含む秘密の数だけプラス修正がつく。
情報鍵:《未来》
秘密
彼のかりそめの名前は「柳生 キョウイチロウ」。ヤエの父親である。
1年ほど前、ヤエが次の花嫁狩りの花嫁に選ばれるという未来を予知した。
この未来が現実になってもヤエが死なないように、ヤエに受胎告知を行った。
だが、〈断章〉の憑依深度が一向に上がらないため、魔法使いを殺すことを決意。
これは、ヤエに憑依させた〈断章〉が【墓標】を修得しているためである。
〈書籍卿〉としてはかなりの穏健派で、〈愚者〉を傷つけることを極力避けようとする。
彼は断章〈始まり〉を所持している。
ランク:4
「浄化計画」
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:6
特技:《異界》《太陽》《自由》 領域:星 魂の特技:《決心》 真の姿:圧倒的な光(受胎告知)
関係:〈神様〉(支配・1)
蔵書:【緊急召喚】【異境召喚】【書剣召喚】【浄化】【不滅】【幸運】
〈始まり〉
攻:4 防:2 根:3
魔力:6-2
蔵書:【黒本】【加勢《自由》】
特技:《自由》(領域:力)
概要
約三年に一度、秋の夜長に始まる宴。
仮面を授かった〈闇の心臓〉の構成員が、花嫁の仮面で装われた〈愚者〉の少女を探して争い合う。
花嫁の少女は見つかれば殺され、見つからなくとも祭りの終了時に死ぬ。
秘密
次の花嫁狩りの花嫁はヤエである。
彼女の夢に出てくる「白馬の王子さま」は、世界法則「花嫁狩り」が擬人化した存在だ。
この秘密が公開されると、クライマックスフェイズで、擬人化した「花嫁狩り」に魔法戦を仕掛けられる。
クライマックスフェイズにて各PCは、〈禁書〉と「花嫁狩り」、どちらと戦闘を行うか選ぶこと。全員同じほうを選んでもよい。
「花嫁狩り」は〈越境者〉として扱う。
「花嫁狩り」に魔法戦で勝ったなら、少なくとも今年の祭りは中止になるだろう。
ランク:5
「花嫁狩り」
攻撃力:3 防御力:3 根源力:3 魔力:8
特技:《偶然》《恋》《死》 領域:闇 魂の特技:《宴》
蔵書:【魔剣召喚《偶然》】【魔剣召喚《恋》】【魔剣召喚《死》】【触手《恋》】【無心】【乗騎《肉》】【破滅】【速読】
セッションの展開によって、これらがそぐわないと感じたなら、変更してもかまいません。
コルネリア・カークランド:「浄化計画」を捕まえること
柳生 ヤエ:運命の相手に出会うこと
林家 タダシ:任された企画展が成功すること
風贄 サキ:願い表でランダムに決定
柳生 キョウイチロウ:ヤエが死なないこと
「花嫁狩り」:自分を楽しませること
〈神様〉:世界を面白おかしくすること
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