PC達は、とあるダムの底に沈んだ村の元住人で幼馴染。
ある夏の日の干ばつにより、ダムの底に沈んだ村が出てきたとの話を聞く。
懐かしく思ったPC達は、その村を遠目からでも見てみようとそのダム近くの沢へキャンプを張りに行く。
だが、それと時期を同じくして、現在住んでいる村の住人が神隠しに遭うという噂も流れていた……。
本当は怖い現代日本
プレイヤー:3人
リミット:2サイクル
シナリオタイプ:協力型
使用ルールブック:基本、デッドループ
PC達は、とあるダムの底に沈んだ村の元住人で幼馴染。
ある夏の日の干ばつにより、ダムの底に沈んだ村が出てきたとの話を聞く。
懐かしく思ったPC達は、その村を遠目からでも見てみようとそのダム近くの沢へキャンプを張りに行く。
だが、それと時期を同じくして、現在住んでいる村の住人が神隠しに遭うという噂も流れていた。
・GM向け概要
村には、1柱の土地神が存在した(PC2の昔の姿)
その神には参拝する者も少なく、祀る社もほぼ忘れられていたが、時折、人の子供の姿を取り、
村の子供と共に遊ぶことを喜びとしていた。
そして10年前、村がダムの底に沈むことになってしまう。
村人たちは次々と移動していき、閑散としていく村を見た神は悲しむが、
土地神であるためにここから離れることができないでいた。
その惜しむ心が神より分かれ、人の子となって村人とともに離れていった。
残された神は一人、暗く冷たいダムの底で眠りについた。
楽しかった過去の日々を夢に見ながら。
そして、干ばつの続いたある日、ダムの底から村が現れる。
目を覚ました神は変わり果てた村を見て、もう一度楽しかった日々を取り戻したいと願い、
残された力のすべてを使ってあの頃の村の姿を作り出す。
そして夜が来るたびに自らの幻影を飛ばし、過去の村の住人を招いているのだ。
ただ、この村の場所は結局はダムの底なので、雨が降って水が流れ込んでしまえばまた水没することになる。
今のところは、神の結界により水の侵入は防がれている。
本当は怖い現代日本
プレイヤー:3人
リミット:2サイクル
シナリオタイプ:協力型
使用ルールブック:基本、デッドループ
・特殊ルール
秘密の中には『Lock』されているものがあります。
『Lock』された秘密を知るには、『Key』となる秘密を取得しなければいけません。
『Lock』された秘密を取得した後に『Key』となる秘密を取得する、
もしくは『Key』の秘密を取得した後に『Lock』された秘密を取得する。
どちらの場合でも『Lock』は解除され秘密の内容を見ることができます。
○PC1
あなたはPC2、PC3の幼馴染であり、村の子供達のリーダー的存在だった。
昔暮らしていた村がダムの底から顔を出していると聞いて、懐かしさに駆られ見に行こうと提案した。
あなたの【使命】は
「ダムに沈んだ村を見る」
ことである。
秘密
ショック:なし
あなたは、時折夢を見る。
あなたの幼いころの夢だ。
そこには、仲良く遊ぶあなたと、PC3、そして狐の面をかぶった子供。
いつもその3人が出てくるのだ。
PC3はともかく、狐の面をかぶった子供……これが誰なのか、思い出せないが非常に気になる。
あの村を見れば、なにか思い出せるだろうか……。
あなたの本当の【使命】は
「狐の面をかぶった子供が何者なのか突き止める」
ことである。
○PC2
あなたはPC1、PC3の幼馴染であり、村の老夫婦の孫である。
ダムの底から村が出てきたとの話を聞いたあなたは懐かしさを覚えた。
そういえば祖父母はあの村に居た頃、古い社にお参りに行っていた気がする。
あそこは今どうなっているのだろうか。
あなたの【使命】は
「古い社がどうなっているか見る」
ことである。
秘密
この秘密は『Lock』されています。
とあるハンドアウトの秘密が『Key』になります。
『Lock』(Key=NPC:狐面の子供の秘密+農家の秘密)
秘密
ショック:全員
あなたはダムに沈んだ村に居た神の半身である。
この村に並々ならぬ思いを持ってしまったあなたは土地神となり、ここより移動することができなくなってしまった。
そのため、あなたは2つに分かれ、一つは神としてこの地にとどまり、
もう一つは人として、老夫婦の孫となり村人達と共に行くことを決めたのだ。
この現象は、残された半身によるものかもしれない。
あなたの【本当の使命】は
「戻る」
ことである。
これについての解釈は自由に行って良い。
あなたは「プライズ:半分の木札」を入手する。
○プライズ:半分の木札
半分に割れた木札。
もう片方はどこに……?
秘密
ショック:なし
これは、この村を守護していた土地神の御神体である。
なぜ割れてしまったのか。
もう片方は何処にあるのか。
もう片方の「プライズ:半分の木札」を手に入れた場合、
「民俗学」を指定特技として計画判定を行い、木札を一つに戻すことができる。
※GM向け補足
PC2と狐面の子供の所持している「プライズ:半分の木札」は同じものなので、
片方でショックを受けた場合、もう一つの方では受けなくて良い。
○PC3
あなたはPC1、PC2の幼馴染であり、村の古物商夫婦の子供である。
噂の神隠しに遭った人が「ダムに沈んだ村があった」と話していたのを耳にした両親に、
「おまえが神隠しに遭ったらなんかいいもの拾ってこい」などと言われている。
いや、まずいだろそれ。
あなたの【使命】は
「あわよくば使えそうなものを持ち帰る」
ことである。
秘密
ショック:なし
あなたは家から、何かのお守りになるかもしれないと思い、
店から「真実を映し出す鏡」とやらを持ってきた。
とても胡散臭いし、本当に効果があるものかどうかは分からない……。
まあ気休めにはなるだろう。
この秘密が公開された場合、PC3は「プライズ:真実の鏡」を取得する。
○プライズ:真実の鏡
プライズ:真実の鏡
見た目は古めかしく小さな丸い鏡。
秘密
ショック:なし
この鏡を掲げると、まやかしは打ち払われ真実の姿を露わにするという。
クライマックスの儀式に
EX:真実の姿 指定特技:魔術 参加条件:「プライズ:真実の鏡」を所持しているPC ペナルティ:狂気を1枚得る
が追加される。
PC達は、ダムの底に沈んだ村を見に行くために、キャンプに出かける。
ダムのすぐそばのキャンプ場にテントを張り終えて貯水湖に向かうと、
そこにはすっかりと干上がった湖の底に幾つかの朽ちた建物が見える。
(この時点では古い社は見えない)
キャンプ場へ戻り、夕飯を食べて就寝しようと寝袋に入り、うとうととし始めたところに「あそぼう?」と誘う声が聞こえる。
テントを出てみると、暗闇の先に狐の面をつけた子供が一人、まるでついておいでと言いたげに
こちらをみながらどこかへ歩いて行く。
PC達は怪しがると思うが、何かに憑かれたようにその子供が向かう先へと進ませる。
向かった先には、見覚えのない小さなトンネル。
そこを抜けると、かつてPC達が暮らしていた、あの村の在りし日の姿がある。
村はたしかにダムの底に沈んだはず……。
「情景」で恐怖判定を行う。
導入が終了したら、以下のハンドアウトを公開する。
「NPC:狐面の子供」「古民家」「農家」「店舗」「古い社」
マスターシーン
シーン表(1サイクル目)
1:あそぼうよ。どこからか声が聞こえる。気のせいか……?
2:湿った風が吹き抜ける。一雨来そうだ……。
3:虫の鳴き声だけが聞こえる。静かな夜だ……。
4:空を見上げる。星がきれいだ。
5:懐かしい景色。昔を思い出してしまう。
6:山間の向こうに黒い壁のようなものが……。ダムの止水壁だ。
・久しぶりの雨
1サイクル目の最後に挿入。
探索を続けていくPC達は、ぽつぽつと雨粒が体に当たっていることに気がつく。
空を見上げてみれば、月明かりに照らされて大きな雨雲が近づいてきている。
これは強い雨になりそうな気がする……。
シーン表(2サイクル目)
1:あそぼうよ。どこからか声が聞こえる。気のせいか……?
2:強い雨が体を打つ。すっかりびしょ濡れだ……。
3:耳を澄ませても、聞こえるのは雨音のみだ。
4:見上げれば黒く分厚い雲が空を覆っている。
5:雨で景色が烟る。こんな光景、子供の頃にも見た気がする。
6:山間の向こうに黒い壁のようなものが……。ダムの止水壁だ。
◯クライマックスその1
雨の中、狐面の子供が現れる。
「一緒に遊ぼうよ。昔みたいに」
その子は手招きをして、古い社へとPC達を招き入れる。
そこには懐かしいおもちゃが並べられていた。
狐面の子供は、戦闘に入ってもPCに対して攻撃はしない。
狐面の子供は、すべての特技を取得しているものとし、生命点と正気度は無い。
戦闘の終了条件は
「1~8すべての儀式の達成」「EX:真実の姿の達成」「EX2:真実の姿の達成」のいずれか。
リミットはなし。
GMは戦闘終了までにかかったターン数を記録しておく。
1~8の儀式はどの順番でクリアしても構わない。
※注意事項:以下の儀式の「ペナルティ」は、判定に失敗したときに適応されるものとする。
判定に成功した場合は「ペナルティ」を負わなくてよい。
儀式「遊戯対決」 リミット:秘匿
1:けん玉 指定特技:手触り 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
2:メンコ 指定特技:射撃 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
3:あやとり 指定特技:緊縛 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
4:オセロ 指定特技:戦争 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
5:あっちむいてホイ 指定特技:第六感 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
6:ルービックキューブ 指定特技:整理 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
7:だるまさんがころんだ 指定特技:我慢 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
8:知恵の輪 指定特技:分解 参加条件:全PC ペナルティ:一回休み
(一回休み:次のラウンドの自分の手番で行動することができなくなる)
EX:真実の姿 指定特技:魔術 参加条件:「プライズ:真実の鏡」を所持しているPC ペナルティ:狂気を1枚得る
(「プライズ:小箱」の秘密を取得していた場合に追加)
EX2:真実の姿 指定特技:破壊 参加条件:「プライズ:真実の鏡」を所持しているPC ペナルティ:狂気を1枚得る
EXとEX2はどちらを選んでも構わない。
EX、EX2は、儀式判定のどの順番で行っても構わない。
EX2を行う際には、判定に+4のボーナスを得る。
ミドルフェイズでPC3の秘密が開かれていない状態のとき、クライマックスで回想を行えば
PC3は「プライズ:真実の鏡」を入手することができる。
・1~8すべての儀式の達成を行った場合
狐面の子供は満足してまた眠りにつくが、同時に村にかかっていたまやかしと結界が解け、
雨でダムの水位が上がってくる。
戦果を聞いてクライマックス2へ。
・EX、またはEX2 真実の姿で戦闘を終了させた場合
村の姿が元に戻る。
狐面の子供は、慌ててまやかしを元に戻そうとするが、もうその力も残っていないため諦める。
同時に結界も解け、ダムの水位が上がってくる。
戦果を聞いてクライマックス2へ。
◯クライマックス2
「君たちのまわりには、もうあの頃の村の姿はない。
あるのはダムの底で朽ち果てていた、村の残骸だけだ。
山に降り注いだ雨はここに集まり始め、今や君たちの命を脅かす死のタイムリミットになっている」
《埋葬》で恐怖判定を行う。
「襲い来る水」と戦闘になる。
リミットは4。クライマックス1で、儀式1~8すべて達成していた場合、リミットは5になる。
戦闘終了条件はPC全員の脱落。
PC達には逃げるよう誘導すること。
クライマックス1でかかったラウンド数により、逃走判定にペナルティが発生する。
1~2:ペナルティなし
3~4:マイナス1
5~6:マイナス2
以下2ラウンドごとにマイナス1づつ増えていく。
これは自分の手番の時に《情景》の判定に成功すれば打ち消すことが出来る。
狐面の子供から「プライズ:木札の半分」を入手しており、PC2が秘密を解除していた場合、
戦闘中に計画判定を行うことができる。
成功したら、社に木札を収めて、PC2と狐面の子供は融合して土地神に戻る。
PC2が土地神に戻った場合、すべての特技を取得しているものとし、ラウンドに1回、神の力を使用することができる。
目標1人を選び、目標が判定を行う前に使用できる。その判定にプラス4のボーナスを与える。
襲い来る水 脅威度:9 属性:自然/現象 生命点:∞
好奇心:暴力 特技:《破壊》《埋葬》《物理学》
アビリティ
・通常攻撃 指定特技《埋葬》
・大暴れ 指定特技《破壊》
・足元を掬う 指定特技《物理学》
ランダムに目標一人を選んで命中判定を行う。命中判定が成功し、目標が回避判定に失敗した場合、
ダメージを与える代わりに、次に目標が行う逃走判定にマイナス2のペナルティを与える。
村に入ってきたトンネルを戻ることになる。
PC2が土地神に戻っていた場合、トンネルの入口より先に行くことができない。
トンネルを抜け、振り返るともうトンネルはなくなっている。
PC達と相談をして、後日談などを演出すると良いだろう。
PC2が天に還る選択をしていた場合、新しい村で祀られて、そこの土地神になるのもいいだろう。
■NPC:狐面の子供
PC達をここへと誘った子供。
一体何者なのだろう……。
秘密
ショック:全員
あなたはこの村の土地神だ。
その性質上、この村を離れることができなかったあなたは、水の底で眠りについていたのだ。
だがここ最近の干ばつにより目を覚ました。
変わり果てた村を見たあなたは、昔の楽しかった時に戻りたいと願い、
残った力のほぼすべてを使い、村を元の姿に戻した。
あなたの【使命】は、
「昔のように楽しく暮らす」
ことである。
『時間』で恐怖判定を行う。
あなたは「プライズ:半分の木札」を所持している。
■古民家
昔、PC1の家だったところ。
秘密
ショック:なし
PC1の使っていたらしき勉強机がある。
引き出しを開いてみると缶バッチ、キャラクターのシール、四葉のクローバーなど、
どれも懐かしいものが出てきた。
それらに混じった一冊の絵本。
「情報:タイトルのない絵本」を入手する。
絵本を読み進めていくと、終わりの方は白紙になっている。
最後まで開くと、一枚のメモが挟まっていた。
「土地神がその土地にて役目を終えれば、天へと還る。そのためには完全なる姿が必要となる」
なんだこれ。
■情報:タイトルのない絵本
「むかしむかし、あるむらにひとりのかみさまがおりました。
そのかみさまは、にんげんのこどもがだいすきなので
じぶんもにんげんのこどものすがたをして、むらのこどもとあそんでいました。
あるひ、かみさまはこのむらがなくなってしまうことをしりました。
つぎつぎとむらをでていくむらびとたちをみて、かみさまはとてもかなしみました。
いっしょについていきたくても、かみさまはこのばしょをはなれることができないのです。
「ああ、ぼくはひとりになってしまうのか」
かみさまのさびしさは、もうひとりのかみさまをつくりだしました。
ひとりじゃないとよろこんだかみさまですが、にんげんとはなれるかなしさがつくったもうひとりのかみさまは
そのからだをにんげんにかえて、むらびとたちといっしょにいってしまいました。
ふたたび、ひとりになったかみさま。
はんぶんになったからだでは、てんにかえることもできません。
なにもなくなったばしょで、ひとりぼっち。ながいねむりにつきました。
たのしくあそんでいたころを、ゆめにみながら。」
書いてあるのはここまでで、あとのページは白紙になっている。
■農家
昔、PC2の家だったところ。
秘密
ショック:全員
棚の中から一枚の写真が出てきた。
そこには、古い社を背景に、PC1、PC3と狐の面をかぶった子供が写っていた。
確かにいつも3人で遊んでいた記憶はあるのだが……。
なぜPC2ではなく狐面の子供が……?
「驚き」で恐怖判定。
■店舗
昔、PC3の家だったところ。
秘密
拡散情報
ショック:なし
陳列棚の中に一つだけ、簡素ながらも上品な意匠を施した小箱を見つけた。
シーンプレイヤーは「プライズ:小箱」を入手する。
■プライズ:小箱
上品な意匠の施された箱。
それなりに価値がありそうだ。
秘密
ショック:なし
開けてみると、一冊の古い文献が入っていた。
なんとか読める部分を解読してみると、
「この鏡の効果をより強く使うには、まやかしの元凶を映した後に地面に叩きつけて割るべし」
と書いてある。
『この鏡』ってなに???
秘密2
この秘密は『Lock』されています。
とあるハンドアウトの秘密が『Key』になります。
秘密2(Key=PC3の秘密)
PC3の秘密が明らかになっていた場合、
クライマックスの儀式に
EX2:真実の姿 指定特技:破壊 参加条件:「プライズ:真実の鏡」を所持しているPC ペナルティ:狂気を1枚得る
が追加される。
この儀式判定には+4のボーナスを得る。
■古い社
古びた小さい社。
何が祀られていたのか、知る者も居ない。
秘密
この秘密は『Lock』されています。
とあるハンドアウトの秘密が『Key』になります。
秘密(Key:農家の秘密)
ショック:なし
そういえば農家で見つけた写真には、社の中に木札が祀られているのが写っていた。
だが今ここには何もない。
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