2018年11月06日更新

おなかいっぱいお菓子の家!

  • 難易度:★★|
  • 人数:1人~3人|
  • プレイ時間:1時間(ボイスセッション)

お遊びのつもりが思ったよりえげつないシナリオになってしまいました。

短い夢オチ系クローズドです。
ヘンゼルとグレーテルをベースにした、邪神のお遊びシナリオ。
お菓子の家の中で15分置きに空腹対抗ロールが発生し、食べてしまうと確率で発狂の火種を抱えます。
ロスト率は低・・・くはないですね。

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ストック

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※基本持ち物なしですが、KPの裁量で自由にしてください。

【導入】

探索者はいつも通りに眠りにつき、目を覚ますとそこは森の中。倒れている探索者に見知らぬ男の子が駆け寄り「大丈夫?」と声を掛けてくる。
男の子は7歳くらいの年頃で白い肌に金髪。白いシャツにサスペンダーのついたハーフパンツ姿。どう見ても日本人には見えない。しかし、話す言葉はしっかりと日本語に聞こえる。
男の子は自らを「ハンス」と名乗り、近くにお菓子の家があり、自分がそこに住んでいるのだと話す。
この話を聞いた探索者の腹が鳴り、異様な程の空腹感に襲われる。そんな探索者をハンスが笑い、ご馳走するからと家に誘う。探索者は彼について行く。

【訪問】

壁はこんがりと焼かれたクッキー、扉は細かな細工がされたチョコレート、屋根にはたっぷりのクリームが塗られた上に色とりどりのマカロンが並べられていた。甘い香りが探索者の食欲を刺激する。
ハンスが家の中に案内すると、すぐさまテーブルに置いてあったヘーゼルナッツが可愛らしく盛り付けられたタルトを差し出し、「召し上がれ!」と言う。有難く頂戴しようとすると、部屋の奥から黒いマントを頭からすっぽりと被った、魔女のような出で立ちの子供が出てくる。
「食べるな、この家のものを!」
その声は女の子で叫ぶように言った。
その子に対し、ハンスは子供らしく少しむくれて見せると
「あの子は自分がお菓子が嫌いだからあんな事を言うんだ。でもここのお菓子は本当に美味しいんだよ!」
と探索者に再びナッツタルトを勧めてくる。

※ここで探索者がこれを食べた場合、カウント1を取る。用意されたお菓子(壁や窓枠などはセーフ)を食べる度にカウントし、カウントが3になったら少女がナイフで襲い掛かり、戦闘になる。
少女の正体とステータスは別項参照。

※探索者が食べないと宣言した場合は、POW×5で空腹との対抗ロール。成功で空腹に耐えられる。失敗で手近なお菓子を食べる。(ハンスにお菓子を持ってこさせるもよし、お菓子の家具に噛みつかせるもよし。最高にクレイジーな描写をしましょう)
なお、成功してお菓子を食べなかった場合、空腹補正の全技能-10が付与される。
空腹ロールはリアル時間15分毎に発生させる。

ハンスが用意するお菓子や、冷蔵庫、棚にあるお菓子を食べてしまった場合は幸運を2回振る。両方失敗してしまった場合は食べたお菓子の中から血の味がするソースが出てくる。見た目は完全なフルーツソースなのだが、味は鉄臭い……。SANチェック0/1。

【探索】

屋内を見たいと言うと、ハンスは簡単な地図をくれる。そして「屋内は自由に見てくれて構わないが、今のままでは外には出られない」と言う。
玄関のドアを開けようとしてもビクともせず、破壊や鍵開けは自動失敗する。
'画像'

【広間】

今いる広間は大きめの丸テーブルに、椅子が2つ、ソファーがあるだけの簡素なインテリアだ。四方の壁や窓枠、ドアがいずれもお菓子で出来ていることを除けば。

〇少女
少女に話し掛けると、俯いたままボソリと何かを呟く。『聞き耳』で聞き取り可能。
「用意されたのを食べちゃダメ……」

〇ハンス
ハンスに話し掛けると、どうして外に出られないのか教えてくれる。
「かくれんぼが始まったんだよ。君たちが鬼!さぁ、隠れてるひとを探してみて!」
と言う。

〇テーブル
テーブルにはカラフルにデコレーションされたカップケーキがいくつも置いてある。
カップケーキに『目星』→その中の一つに動物の毛のようなものが付着している事に気づく。
※この毛は猫の毛。
※カップケーキに目星をすると空腹対抗ロールが発生する。

【キッチン】

広い流し台、よく使い込まれたかまど、オシャレな食器が並んだ食器棚、この家に似つかわしくない業務用の大きな冷蔵庫がある。

〇流し台
手入れが行き届いており、汚れがまるで無い。台の下の戸棚にはナイフが2本入っている。

〇かまど
黒く煤けた大きなかまど。人ひとりくらいなら余裕で入れそうな大きさ。重たい鉄扉を開けると、その中には黒く焼け焦げた塊が入っている。
焼け焦げた塊を見てしまった全員『アイデア』→その塊は見方によっては人の形に見えるのではないか?あの球体は頭、崩れ落ちかけたあれは首、落窪んではいるが、あれは胴体ではないか?……気づいてしまった探索者はSANチェック1/1d3。
※この死体は魔女。童話でグレーテルに殺された魔女そのもの。

〇業務用冷蔵庫
銀色で両開きの冷蔵庫を開けると、中にはクリームがたっぷりのケーキがいくつも入っていた。白いクリームに苺の赤が映えるショートケーキ、渋皮が入った茶色いモンブラン、美しくチョコレートコーティングされたザッハトルテ、飴色が光るクロカンブッシュ、フルーツたっぷりのロールケーキなど、色とりどりのケーキがずらりと並べられている。中から漂う甘い香りが鼻腔を擽り、落ち着きを見せていた腹の虫が騒ぎ出す。
空腹対抗ロール発生。
食べてしまった場合は幸運×5。
冷蔵庫内に『目星』→ケーキの裏から金貨を見つける。キンキンに冷えたそれは持ち上げると異様に軽い。

※この金貨はチョコレート(よくある金貨チョコ)正体がヘンゼル。持ち歩かせる場合は行動に注意しておくこと。

〇食器棚
食器棚の中には今やアンティークと呼ばれるような繊細な絵や柄の皿やティーカップが並んでいる。棚の奥には磨かれたスプーンやフォークもあった。

【2階 書斎兼寝室】

階段を上がると壁際をぐるりと囲む天井まである本棚、キルティングが可愛らしいベッド、側には小さな丸テーブルと椅子。南側の壁には大きなガラスキャビネットがあり、その手前に大型犬が入るくらいの大き目な鉄の檻がある。

〇本棚
分厚く、古めかし外装の本がぎっしりと詰め込まれた本棚の中に、所々ノートのような薄い本が何冊かはめ込まれている背の高い本棚。
『図書館』で以下の本を見つけることが出来る。
・「ヘンゼルとグレーテル」
ある森のそばに、貧しい木こりとおかみさん、その子であるヘンゼルとグレーテルの兄妹が暮らしていた。その日のパンに事欠くほど貧しかった一家は、あるときからまったくパンが手に入らなくなり、どうしようもなくなった。そんな夜、おかみさんは木こりに子供を森の中に捨ててくるように提案する。驚き、ためらう木こりをおかみさんは責め立て、ついにきこりも承知してしまう。
両親の会話を漏れ聞き、妹のグレーテルは泣き始めるが、兄のヘンゼルは自分がなんとかするからと妹をなだめ、ひとり外に出て月の光を受けて光る白い石をポケットいっぱいに集めた。
翌日、両親に連れられて兄妹は森の中へ入っていくが、帰りの道しるべとしてヘンゼルは道々白い石を落としていった。森の真ん中で両親はあとで迎えに来ると言い残して去って行き、そのまま夜となった。泣き出すグレーテルの手を引いて、白い石を辿りながら夜通し森を歩き、朝になってふたりは家にたどり着いた。
おとうさんは子供たちの帰還を喜ぶが、おかあさんは表面では喜んだものの心中では怒っていた。パンが底をつきかけた頃、おかみさんはきこりにふたりが家に戻って来られないほどの森の奥まで連れて行こうと持ちかけ、きこりは一度やってしまったことだから、とそれを承諾した。両親の会話を聞いていたヘンゼルはまた小石を拾いに行こうとするが、戸口が閉められていて拾うことができなかった。
翌朝、両親に連れられて兄妹は森に入った。ヘンゼルは小石の代わりに弁当として与えられたパンをポケットの中で粉々に砕き、道しるべとして道々落としていった。ふたりは生まれてから来たことも無いほど森の奥に連れて行かれた。おかあさんたちは夜になったら迎えに来ると言い残して去って行ったが、昼が過ぎ、夜になっても誰も現れなかった。
月が昇り、ヘンゼルは目印となるはずのパンのかけらを探したが、パンのかけらは森の何千もの鳥がついばんでしまったため、見つけることができなかった。ヘンゼルとグレーテルは野いちごで飢えをしのぎながら3日間森の中をさまよった。
3日目の昼頃、森の中で屋根がケーキ、壁がパン、窓が砂糖で作られた小さな家を見つけた。ふたりが夢中でその家を食べていると、中から老婆が現れた。老婆は驚くふたりの手を取って家の中に誘い、食事やお菓子、ベッドを提供した。しかし、この老婆の正体は子供をおびき寄せ、殺して食べる悪い魔女だった。
翌朝、ふたりが目覚める前にベッドに現れた魔女は、ヘンゼルを掴むと狭い家畜小屋に押し込んだ。次いでグレーテルを大声で起こし、おまえの兄さんを太らせてから食うから、そのための食事を作れと命じた。グレーテルは泣きながらも魔女の言うことを聞くしか無かった。それから毎日のようにヘンゼルは上等の食事を与えられた。魔女はヘンゼルの指を触って太り具合を確かめようとしたが、ヘンゼルは指の代わりに骨を差し出したため、一向に太らないヘンゼルを不思議に感じた。
4週間たったある晩、グレーテルは魔女から、ヘンゼルが太っていようといまいと、明日殺して煮て食うから大鍋の準備をしろと命じられる。翌朝、グレーテルに大鍋を火にかけ湯を沸かすように言いつけ、魔女はパンを焼くかまどを準備しはじめた。グレーテルは兄を煮るための鍋を沸かすに至った自分の運命を嘆き、神に苦しみからの解放を祈った。
そのとき、魔女がグレーテルを呼び、目の悪い自分の代わりにパン釜に入ってパンの焼け具合を確かめろと言いつけた。内心、魔女は中に入ったグレーテルを閉じ込めて、焼いて食べるつもりだった。ところが、神がグレーテルに魔女の意図を教えたため、グレーテルは釜に入るやり方が分からないふりをして、魔女に手本を見せるように促した。魔女が釜に入った途端、グレーテルは魔女を押し込み外からかんぬきを掛けた。釜の中から魔女のうめき声がし始めたところでグレーテルは台所から逃げ出したので、魔女はそのまま焼け死んだ。
グレーテルはヘンゼルを助け出し、ふたりは喜び合った。魔女の家には多くの財宝があり、ポケットにいっぱいの宝石や真珠を詰めたふたりは家路についた。帰ってきたふたりの姿を見ておとうさんは喜び、子供たちが持ち帰った財宝で金持ちになった。けれどもおかあさんは死んでいた。
斜め読み→母親に森に捨てられるが、老婆が住んでいるお菓子の家に招かれる。その老婆は悪い魔女で二人を食べようとする。ヘンゼルを捕らえた魔女は、グレーテルにヘンゼルを太らせるための食事を作らせられる。4週間後、グレーテルは釜への入り方が分からないふりをして魔女を釜へ閉じ込めてヘンゼルを解放し、魔女の家の財宝をもって逃げた。家に帰ると父は二人の帰りを喜んだが、母は死んでいた。
by.wiki

・「手記」
ここに閉じ込められてもう3週間経つ。そろそろ腹を空かせた魔女に殺されるかもしれない。
魔女でもない、グレーテルでもない。あれは誰だ?
あいつが猫をケーキに変えるのを見た。あいつも魔女なのか?
今度は誰か知らない人間がケーキに変えられていた。あれを、食べるのか……?
目が合った。次は自分かもしれない。
SANチェック1/1d3。お菓子を食べてしまっていた場合は1/1d6。

・「誰かの日記」
この家にきてもう3週間経った。今日も家事をするだけ。逃げられない。
どうにかしてヘンゼルを助けないと。あの魔女は目が悪い。
やった!あの魔女をかまどで焼いてやった!!これで帰れる!
ヘンゼルがいない、いない!
どうして……?
あいつはヘンゼルじゃない!ヘンゼルはどこ!?
私じゃヘンゼルが見つけられないって、’お客さん’じゃないとヘンゼルを見つけられない。
それまで私は’お客さん’を守らないと。あいつから守らないと。

それぞれ読むには30分、斜め読みなら10分。

〇ガラスキャビネット
こちらにも多くの焼き菓子が並んでいる。厚くカットされたバームクーヘン、シナモンが香るアップルパイ、ケシの実がたっぷりのモーンクーヘン、こんがりと焼けたガレットデロワ、しっとりと焼き上げられたチーズケーキ……。どれも食欲をそそり、つい目移りしてしまう。
このキャビネットに近づいた探索者は空腹対抗ロール。

〇檻
空の檻の中には重そうな手枷が落ちており、閉められた扉には頑丈そうな南京錠がぶら下がっており、中に入ることはできそうにない。中で何かが飼われていた痕跡だけが残されている。

【回答】

1、ハンスに金貨を持っていく。(ベストエンド)
ハンスの許に金貨チョコを持っていき、それがヘンゼルであることを告げると、ハンスは嬉しそうに笑って
「よく見つけたね!そうだ、それが本物のヘンゼルだよ!」
と言う。すると少女が駆け寄ってきて手を差し出す。その手に金貨チョコを乗せてやると嬉しそうに微笑み、小さく「ありがとう」と言って難なく家のドアを開け、外に駆け出して行く。探索者もそのあとに続いて家を出たところで視界が暗転。シナリオクリア。

2、ハンスに金貨以外のお菓子を持っていく。(バッドエンド)
ハンスは「本当にこれだと思う?」と確認する。それでもこれだと言い張るなら「もう一度だけチャンスをあげる」と追い返す。
二度目も間違うと、ハンスはにっこり笑って「お腹空いたでしょ?どうぞ」と金貨チョコを差し出す。探索者の空腹ロールは自動失敗。金貨チョコを噛み砕いたところで後ろから少女が「お兄ちゃんを返して!!」と叫んでナイフで刺してくる。SANチェック1d3/1d6。このチョコレートの正体が彼女の兄だとわかる状態なら更に+2の減少。のち、目を覚ます。

【解説】

〇少女
正体はグレーテル。ハンス(にゃる)によってお菓子に変えられた兄ヘンゼルを探していた。どのお菓子がヘンゼルなのか分からず、ハンスの言う通り、客人がヘンゼルを見つけ出すのを待ちながら、客人が誤って兄を食べてしまわないように見張る役目を持っていた。グレーテルは金貨チョコというものを知らないため、それがお菓子であると気づかなかった為、兄を探し出すのが困難だった。
・ステータス(あくまで例)
STR 8
CON 10
POW 8
DEX 4
APP 15
SIZ 6
INT 12
EDU 5
SAN 40
幸運 40
アイデア 60
知識 25
耐久 8
MP 8
DB -1d4
・戦闘技能
ナイフ 40
こぶし 55
回避 60

〇ハンス
正体は暇邪神ニャルラトホテプ。魔女が一階でグレーテルの監視をしている間、書斎で生き物をお菓子に変え、魔女が死んだ後にヘンゼルも金貨チョコの姿に変えた。兄はお菓子にしてやったとグレーテルを巻き込み、姿を変え、自らがヘンゼルであるかのように振舞って探索者を招いて楽しんだ主犯。
「ヘンゼル」は男性の洗礼名ヨハネスの短縮形「ハンス」の愛称であり、邪神の名前はそこからきている。

〇ヘンゼル(金貨チョコでした)
金貨チョコというチープなお菓子に変えられてしまった哀れな兄。時代的に金貨チョコが存在していなかったため、幼い妹にお菓子だと気づかれず、冷蔵庫に放置されていた。

【報酬】

シナリオをクリアした SAN回復1d3
ヘンゼルを見つけた SAN回復1d3

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クトゥルフ初心者。シナリオメモ書き程度のクオリティです。 何かございましたら、ご連絡はこちらまで→Twitter @saki_zaki200572

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