2024年10月29日更新

DX3『黄昏の花火』

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~2人|
  • プレイ時間:6~7時間(テキストセッション)

概要
少人数でテキセでも丸1日ほどでサクッと遊べるDX3シナリオになります。
難易度もサンプルキャラで十分楽しめるようになっているので突発でも遊べるシナリオです。
シリアステイストになります。

~あらすじ~
夏休み最終日、親友と花火大会に行く約束をしたPCたちはその道中不思議な空間へと迷い込み親友と離れ離れになってしまう。
ここはどこなのか、そしてそこで待ち受ける真実とは…?

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ストック

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コメント

*シナリオアップデート
19/05/25 シナリオ公開
23/01/04 レイアウト一新、誤字脱字の修正
23/01/12 レイアウト修正


☆プリプレイ☆

シナリオデータ

プレイ人数 : 1~2人
初期作成経験点 : 130点(ボーナス無し)
プレイ時間 :  6~8時間
使用ルールブック
・基本ルールブック1,2(必須)
・上級ルールブック(必須)
・エフェクトアーカイブ(エフェクトはEA準拠)(必須)
・リンケージマインド(推奨)
・ヒューマンリレーション(推奨)


キャラクター作成における諸注意

・キャラクター作成はクイックスタートもしくはコンストラクションを推奨します。クイックスタートは支援型以外のキャラであればどのデータを使用しても構いません。
・キャラメイク時PCは基本ルールブックp.180に記載されている『思い出の一品』を所持すること。これに経験点や常備化ポイントは必要ない。この思い出の一品はPCがレイからもらった『ミサンガ』である。
・本作は少人数シナリオのため、PCは攻撃だけでなく、ある程度情報収集も行えるようにキャラメイクを行うこと。しかし、RP重視のためキャラクターデータは支援型以外であれば問題なくプレイできる。
・PC同士はシナリオ開始時点で知り合いという設定になる。


ストーリー

PCは親友のレイとともに近所の神社で開催されている花火大会へと訪れる。しかし、親友のレイはすでに亡くなっており、レイはPCと花火を見られなかったという未練のせいでPCを異空間へと連れ込んでしまう。PCの目的はレイと別れを告げ、もとの世界へと帰ることである。


トレーラー

黄昏や 夕日溶けてく 境界線
思い出すは あの日の契り
 
黄昏は昼と夜の境界線。
日常と非日常の境界線。
夏の終わり、黄昏の空に上がったあの花火は何を告げるのだろうか。
 
ダブルクロスThe 3rd Edition「黄昏の花火」
ダブルクロス――それは、裏切りを意味する言葉。


ステージ

基本の現代ステージ
東京都日暮市という架空の町。その町はほかの町と比べると自殺者や事故の発生率が少し多いという点を除けば東京の中でも少し田舎なだけの普通の町である。


登場人物(ネタバレ含む)

・蛍川レイ
本作のヒロインでPCの大切な親友であるが、夏休みを迎える前に自殺してしまう。しかし、アイセキ様の力により黄泉がえり、PCたちを黄泉の世界へ連れ込もうとする存在にされてしまう。明るい性格で辛いことがあっても自分なりに前を向こうとする頑張り屋でもある。
 
・栗太
レイの飼っている愛犬。少し臆病なところがあるが主人やその友人であるPCたちを慕っている。
 
・アイセキ様
街で最も高い山に佇む神社に祀られている鈴に宿るレネゲイドビーイング。近しい人が亡くなった際、この神様に祈ると死人を正しい道へと導いてくれる神様だったが、神社が廃れジャーム化している。未練を残した死者を蘇らせ、親しい人の死を受け入れられない人を誘い込み、共に黄泉の世界に送る存在となってしまった。
※データ的な解説
アイセキ様は未練をもって死んだ人間を蘇らせ(Dロイス【黄泉還り】を取得させ)、Dロイス【怪人】で周囲の人間からその人が死んだという記憶を書き換えている。
そして四十九日を境に死者は未練を成就させ天へと昇る。そのサイクルを永遠と続けていく存在。


ハンドアウト

共通HO
PC ワークス:指定なし カヴァー:高校生
ロイス:蛍川 レイ 推奨感情 P:友情 N:隔意
君たちは親友のレイとともに近所の神社で行われる花火大会へと訪れていた。
しかしその道中、見覚えのない場所へと迷い込み、レイと離れ離れになってしまった…


☆オープニングフェイズ☆

マスターシーン:風鈴の音

解説
・レイが死ぬ瞬間を描いたマスターシーンである。
 
描写
開けられた窓からオレンジ色の日差しとじわじわとセミの鳴き声が、生ぬるい風とともに入り込んでくる。
 
―チリン
 
明かりもつけていない小さな部屋で、あなたは風鈴のように揺れていた。
 
―チリン
 
風に吹かれて揺れていた。
 
―チリン
 
音のならない風鈴が揺れていた。
 
結果
・以降、シーンに現れるレイは死んだ状態である。このシーンを回避する方法はない。


OPENING1:最後の日(PC)

解説
・PCが親友のレイとともに花火大会へ行く約束をするシーンである。
・サンプルとして街でブラブラ歩いていたらバッタリ…というのを想定しているが、各PCに合わせて自由に夏休み最後の日を描写していい。
 
描写
8月31日。
長い夏休みが終わろうとし、あれだけ鬱陶しく鳴り響いていた蝉の声も聞こえなくなってきていた。
明日からまた学校が始まるのかと思うと少し憂鬱な気持ちにもなるが、いつも通りの日常を過ごせることに心のどこかでそっと安堵する。
そんなけだるい気持ちを吹き飛ばすように明るい声で駆け寄ってくるのは友人のレイ。
 
セリフ:蛍川 レイ
「PC!」
「あのさ…PC…今日、花火大会があるんだけど…一緒に行かない?」
「実は花火を見るのに絶好のポイントを見つけてね、街の中心にある裏山の神社なんだけど」
「街が見渡せるくらい高いところでね、花火大会の会場もばっちり見えるし建物とかに邪魔されない場所なんだよ」
 
→了承する
「ほんと!?やったぁ嬉しい!」
「それじゃ、約束ね。ほら」
 
→渋る
「え~いいじゃん。綺麗な花火、見に行こうよ!」
「それじゃ、約束ね。ほら」
 
描写
そういってレイは右手の小指を差し出してきた。君も右手を差し出して指切りをする。
君はなんだか懐かしい感じがした。
 
結果
・シーンのその後はレイと一緒に過ごしてもいいし、用事があるといって別れてもいい。とりあえず、次のシーンでは約束した場所に訪れるという展開にすれば問題はない


OPENING2:逢魔が時(PC)

解説
・花火大会へ行くために神社の前で待ち合わせをしているシーンである。前のシーンでレイとともに行動しているのなら場所取りをするために訪れたということにしてもいい。
 
描写
日が落ち始めた頃、君は待ち合わせという神社へと訪れた。
 
セリフ:蛍川 レイ
「ここだよ。この街で一番高い場所!ここからなら花火がきれいに見えるよ」
「栗太も連れてくればよかったなぁ…」
 
描写
花火を見るために、神社の階段を上っていく。長い石階段とそれに沿うように並んでいる鳥居。随分と古い神社のようで立ち並ぶ鳥居はボロボロだったり色褪せたりしている。
しかし、何かおかしい。もう随分と階段は登ったはずだが、到着するどころか景色すら変わっていないような気がする。
少し前を歩くレイもその異常さを感じ取ったのか少し不安げな表情で君を見る。
 
セリフ:蛍川 レイ
「…なんか…全然着かないね…?」
「あれ…?もう夜になってもいい頃なのに…」
 
描写
君は何気なしに後ろを振り返った。
…おかしい。登り始めたのは日の入りだったからどう考えてももう辺りは暗くなっているはずだ。しかし、振り返ってみれば爛々とオレンジ色を放つ夕日が君たちを照らしていた。
 
直後、階段の上から金属をこすり合わせたような甲高い耳障りな音が聞こえてくる。その音は徐々に近づいてくる。
―キシャァァアアア!
西日に照らされたそれは巨大な蜘蛛。鳥居をくぐるのにもギリギリなその巨体は長い8本の脚を器用に動かし、君たちへと襲い掛かる。
 
→ワーディングを展開する
ワーディングを展開しようとしたが、その力はまるで霧のように霧散してしまった。
※この空間の支配者であるアイセキ様の空間ではワーディングが無効になる。
 
→攻撃する
君はとっさに襲い掛かる蜘蛛に対して攻撃を放つ。君の攻撃に蜘蛛は傷一つ付かないが、一瞬だけひるむ。
 
→逃げる
君は突然の出来事に呆然としているレイの手を引き、一目散に階段を駆け下りた。
階段を降り切ったが、蜘蛛はまだ追いかけてくる。君はあらん限りを尽くして走り出す。
 
セリフ:蛍川 レイ
「きゃあ!!」
 
描写
手を引いていたレイが突然悲鳴を上げ、動きが止まる。振り返るとレイの手にあの蜘蛛が出したと思われる赤い糸が絡みついていた。
君も必死にレイを手繰り寄せるが、パッと繋いだ手が離れ蜘蛛の足元へと引きずられる。君は彼女を取り戻そうと駆け出すも、蜘蛛はレイを連れて街に溶けるように消えてしまった。


※ここでアイセキ様がPCに対してEロイス【予告された終焉】を宣言する。
Eロイス【予告された終焉】
タイミング:オート
対象:PC全員(本来の【予告された終焉】は対象:単体ではあるが、今シナリオではPCの数によって対象が増えることになる。)
効果:解除条件を満たさない場合対象はエンディングフェイズになった際に必ず死亡する。
解除条件:通常は使用者を戦闘不能することによって解除されるが、今回は別の解除条件を用意している。解除条件を明らかにするためにはすべての情報収集項目をクリアする必要がある


描写
レイを助けなければ、困惑するもそう思った君は一歩踏み出す。
―ドクンッ
すると突然、心臓をわしづかみされる感覚に襲われる。
冷汗が噴出し、手足がしびれる感覚…
もしかしたら、知っているかもしれない…何者かの呪詛にも似た強いレネゲイドによる―
死へのカウントダウン―
…ここから出なければ。
得体のしれない感覚に頬を伝う汗をぬぐいながら君はそう強く思う。
 
結末
この時点でアイセキ様の正体は明かされていないため誰のEロイスかは明かさないでおく。


☆ミドルフェイズ☆

情報収集

☆最初に提示されるのは以下の2つ
・「街の様子」〈意志〉達成値7
・「神社」〈情報:噂話〉達成値5/7
 
★特定の情報を入手することにより解放される情報
・「神社」〈情報:噂話〉達成値7 を入手→
「アイセキ様」〈知識:レネゲイド〉達成値6 開放
 
・「街の様子」〈意志〉達成値7
街を見渡してみるが、いつまで経っても夕方であることと人がいないだけで自分の良く知る街の風景と変わらなかった。しかし君は、その風景をとても懐かしく感じるような気がした。何かを忘れている…そんな気がした。
 
・「神社」〈情報:噂話〉達成値5
神社の名前は『岐の神(くなど)』神社という名前である。『黄昏』神社とも呼ばれており、『アイセキ様』という御神体が祀られていることがわかる。アイセキ様は魔除けや厄除け、道中安全のご利益があるといわれている神様である。
 
・「神社」〈情報:噂話〉達成値7
黄昏神社は参拝客などの減少によって近々神社の取り壊しが決定したという話を耳にしたことを思い出した。また、アイセキ様が祀られている山には『山にいるときは呼びかけられたり肩をたたかれたりしても絶対に振り返ってはいけない』という都市伝説が囁かれていることも思い出す。
 
・「アイセキ様」〈知識:レネゲイド〉達成値6
アイセキ様はかつて亡くなった人を正しい道へ案内するといわれている神様であり、親しい人が亡くなった際アイセキ様にお参りをすると故人を然るべき場所へ導いてくれるという存在だった。UGNの見立てによると、そこに納められた鈴からレネゲイド反応があったという報告の資料を発見する。


☆トリガーイベント☆

イベント1:終焉を告げる者

条件:「神社」〈情報:噂話〉達成値5/7を両方ともクリアする。
 
解説
PCが神社の調査とレイを探すために街の情報機関(図書館等)に訪れたことを仮想としている。
 
描写
連れ去られたレイの居場所を探るためにも事の始まりである神社について調べることにした君は街の図書館に訪れていた。
そこで資料を読んでいるうちに君は奇妙な視線を感じる。あたりを見渡しても誰もいない。


*視線の正体は…?

※この判定に失敗しても登場ダイスを振りなおすことで毎回でも挑戦することができる
〈RC 6〉
 
→成功
君は突然心臓をわしづかみにされたような感覚に陥る。誰かが自分を見ている…。
そのことに気が付くことができる。


※この判定に成功することで以下の情報収集項目が発生する。
・「この空間について」〈RC/知覚:9〉
今の光景を通じて何者かの強い思念を感じ取った君はこの空間がその人物が作り出したものであり、管理しているのではないかという仮説にたどり着く。つまりここは現実世界ではないという仮説も作られる。


結果
・判定に成功することで何者かがエネミーエフェクト〈第三の瞳〉を使用してPCの行動を見つめていることに気が付くことができる。


イベント2:あの日見た景色

条件:情報収集項目をすべてクリアし、レイの家へと向かう。
 
解説
PCは夏休みの手前にレイが死んだことを忘れたままの状態である。
そのため、このイベントが発生すると思い出すための判定を行うことができるようになる。
 
描写
街の様子を見るために街を一巡してきた君は、ある一軒の家で立ち止まる。少し古びた一軒家、庭には小さな犬小屋。ここは、レイの家だ。
君はこの家を見つめていると何故だか頭が痛くなってくる。
何かを忘れている。そんな思いが強くなってくる。君は無意識のうちにその家に足を踏み入れる。
 
〈中の様子〉
なんてことはない普通の家、もしかしたら君も何度か訪れたこともあるかもしれない。中は電気が付いていないためか少し薄暗い。
 
〈リビング〉
リビングと思われる部屋はテレビがつけっぱなしになっており、少し散らかっている。新聞紙が床に転がっている。
新聞の日付は7月14日、丁度夏休みが始まった日である。読み進めていくと一つの個所がまるでモザイクがかかったようにぼんやりとしていて読むことができない場所がある。どんなに目を凝らしてもそのモザイクが晴れることはない。
同様に、つけっぱなしのテレビも何か流れていることはわかるが、映像や音声にはモザイクやノイズがかかっている。
 
〈レイの部屋〉
『レイの部屋』と書かれたプレートがかけられた部屋の前に立つ。
…なぜだか君はこの部屋に入ることができない。ドアノブにかぎはかかっていないはずなのに君は恐ろしくてこの部屋に入ることができない。
 
※この部屋に入るためには以下の判定をクリアしなくてはならない。


*忘れていることとは…?

※この判定に失敗しても登場ダイスを振りなおすことで毎回でも挑戦することができる
〈精神:意志 9〉
 
成功する→イベント3へ(PC全員が成功する必要がある)
失敗する→ドアを開けることはできず、何も起こらない。


結果
・判定に成功したところで一度シーン終了。イベント3へと進む。


イベント3:音のない風鈴

条件:イベント2の判定をクリアする
 
解説
・レイが自殺した経緯
1. 7月の頭にレイは母親を亡くし、そのことがきっかけでアイセキ様の声が聞こえてくるようになった。
2. レイはPCに相談しようと思っていたが、PCは都合悪くレネゲイド関連の事件に巻き込まれて不在だった。
3. レイはそのままアイセキ様に誘われて自分の部屋で自殺してしまった。
 
描写
君はゆっくりと扉を開く。
明かりのついてない薄暗い部屋、窓から差し込む黄昏の日差しだけが照らしていた。
女の子らしい家具が並べられた部屋に、一つだけ不釣り合いなものが目に飛び込む。
 
…天井からぶら下がる麻縄、その先端は人の頭ほどの大きさの輪っかが作られている。そして傍らには蹴り倒されたような椅子。
 
―チリン
風鈴の音が聞こえてくる。
 
リビングに置かれたつけっぱなしのテレビが同じ内容のニュースを永遠と吐き続けている。
『次のニュースです。本日未明、日暮市に在住の蛍川レイさんが自宅で亡くなっていることが訪ねてきた同級生からの通報で発見されました。遺書は見つかっていないようですが警察の見解では自殺とのことです。次のニュースです…』
 
広げっぱなしの新聞紙の死亡広告…レイの名前がある。
 
―チリン
再び風鈴の音が聞こえてくる。
その瞬間、君は思い出した。7月14日…夏休みの前日、レイが自分の部屋で首をつっていたことを…。
 
―チリン
君の足元に数枚の紙きれがばらまかれる。一枚拾い上げるとそれは…レイの日記だった。
(レイの日記1を公開する)


レイの日記

※7月9日~13日の間、PCはレネゲイド関連の事件に巻き込まれて不在だった。
6月29日
家の近くにある山の上、古い神社のあるところ。この街が一望できる場所だった。ここから見える花火はすごくきれいなんだろうなぁ…。決めた、PC1とここで花火を見よう!花火大会、誘えるように神社にお参りをした。うまくいきますように!
 
6月30日
勇気を出して今日、PC1を花火大会に誘ったよ!あの神社にお参りしたおかげかな?夏休みの初めの日、一緒に花火を見る約束ができた。今から楽しみ。
 
7月1日
今日お母さんが亡くなった。
 
(この間日記の記載がない)
 
7月8日
お母さんが亡くなってから日記をつけていなかった。お母さんが亡くなったのは悲しいけどPC1も励ましてくれたし、少しずつでいいから元気になろう。
 
7月9日
最近変な耳鳴りがする。疲れてるのかな?…PC1に相談したけど今日は休みみたい。風邪かな?
 
7月10日
寂しい…かわいそう…そんな声が聞こえてくる。不気味でどこか悲しいそんな声が
 
7月11日
声がどんどんはっきり聞こえてくる…怖いよPC1…助けて…
 
7月12日
おかあさんが よんでる いかなきゃ


―チリン
ふと君は背後に気配を感じる。振り返ると、まるでそこに鏡でもあるのかと思い違うほどによく似た…自分自身がいた。
※解説:このPCの影はイージーエフェクト【天使の外套】を使用してPCたちの姿をしたアイセキ様である。
 
セリフ:PCの影
「お前のせいだ…」
 
→お前は誰だと問いかける
「それは…自分が一番よく知っているはずだ」
「私はお前自身だ」
 
→自分のせいではないと答える、もしくはその言葉について言及する
「いいや、あの日…お前は少しでも…ほんの少しでも思ったはずだ。もっと早くレイのそばにいてやれれば…話を聞いてやれば…レイは死なずに済んだんじゃないか…って」
「レイは…お前のせいで死んだ。私のせいで死んだ」
「このままだとレイは…たった一人であっちの世界を彷徨う」
「今度こそ…一緒にいてやらなきゃ…」


※ここでアイセキ様がPCに対してEロイス【歪んだ囁き】を使用
Eロイス【歪んだ囁き】
タイミング:オート
対象:PC全員(本来の【歪んだ囁き】は対象:単体ではあるが、今シナリオではPCの数によって対象が増えることになる)
効果:PCのレイに対するロイスの感情をP執着/N悔悟に変更する。また、この効果によりPCはこのロイスをクライマックスフェイズに入るまでタイタスすることができない。


描写
目を閉じようが耳をふさごうが、“声”が君の頭に響き続ける。君がレイに対する自責の念に苛まれていると、手にしていたミサンガが目に留まる。
ミサンガを見つめると、レイとの温かい思い出がよみがえってくる。そこにふと、一枚の紙きれが落ちていることに気が付く。拾い上げると、レイの日記の一部だった。
(レイの日記2を公開する)


レイの日記2
7月13日
ここ最近悲しいことや怖いことが沢山起きているけど、気持ちで負けちゃいけないよね。私の周りには栗太や学校のみんな、それにPC1がいてくれるんだから。明日は待ちに待った夏休み。PC1…花火楽しみにしているから、早く戻ってきてね!それまで私、頑張るから!
 
レイは自殺する気なんてなかった。何者かが…彼女を死へと導いたのだ。
この日記を手にした君はそう感じ取ったのだ。


結末
・PCはレイがすでに死んでいることを確認する。


※すべての情報収集項目をクリアすると以下の情報が開示される

・Eロイス『予告された終焉』の解除条件

解除条件:この空間はアイセキ様が作り出した生と死のはざまのような空間である。生者は死者やそれに関する想いを持つことでこの空間に彷徨い、あの世へと道連れにされてしまう。つまり、ここから脱出するには《この空間に関するものもしくは死んでしまった者に対するロイスをすべてタイタス化する》ことである。


☆クライマックスフェイズ☆

CLIMAX:永い夏休みに別れを(PC)

条件:PCがアイセキ様の神社へと訪れた時点で発生する。
 
解説
PCがアイセキ様の神社へと訪れた時点で発生する。
 
描写
君は黄昏神社の本殿へとたどり着いた。どこからともなく異様な瘴気があふれている。
君の頭にあの声が響く。
君は本殿の裏へ歩を進める。
…その裏は巨大な洞窟となっていた。入り口には色褪せたボロボロの鳥居が君を迎え入れるように佇んでいた。
君は洞窟の奥へと進んでいく。
頭の中には相変わらずアイセキ様の声が響く。
その声が君を導く。
 
セリフ:脳裏に響くアイセキ様の声
『…おいで…おいで…迎えに……おいで…』
『かわいそう…独りぼっちはかわいそう…一緒にいてあげて……』
『寂しそう…寂しい…かわいそう…』
『おいで…こっち、こっちに居るよ…』
『離れたくない…まだ一緒にいたいよ…』
 
描写
たどり着いたのは洞窟の一番奥、その中央に…レイが倒れている。
駆け寄ろうとした途端、レイから強力なレネゲイドの力を感じ、その姿を変える。
それはまるで…あの巨大な蜘蛛のような姿をしていた。
 
セリフ:蛍川レイ
『PC…PC…どこにいるの?寂しいよ…一緒にいて頂戴…』

【衝動判定】

難易度:9

【戦闘終了】

セリフ:蛍川レイ
「PC…」
 
描写
君たちの攻撃を受け、ふらふらと今にも倒れそうなレイが…君にもたれかかり
 
セリフ:蛍川レイ
「栗太を…よろしくね…」
 
描写
耳元でそう呟く声を最後に、レイの体はボロボロと崩れ去っていく。
洞窟に静寂が訪れる―

【バックトラック】

 
結末
・バックトラック、アイセキ様の【孤独の叫び】はセッション中使用したもののみをカウントする。
・クライマックスフェイズ後、固定演出を入れる。その後、PCが望むのなら個々のエンディングを入れる。


★戦闘★

・PCとアイセキ様で一つのエンゲージ
・PCが移動する際はアイセキ様も同時に移動することになり、アイセキ様が存在することでPCの移動が妨害されることはない
・PCのエンゲージから前方10m離れたところにレイのエンゲージが存在する
 
◇アイセキ様について
エネミーエフェクト《失われた隣人》の効果でPCはアイセキ様を攻撃の対象にすることはできない。
その代わりアイセキ様もEロイス以外のPCへの干渉は不可能とする。
PCが移動する際はアイセキ様も同時に移動することになり、アイセキ様が存在することでPCの移動が妨害されることはない


蛍川レイ
性別:女 種族:人間
一人称:私
二人称:あなた
◆データ
ブリード:クロスブリード
シンドローム:ブラムストーカー/エグザイル
【肉体】4 〈回避〉1
【感覚】3 〈知覚〉1
【精神】8 〈RC〉5
【社会】1 〈情報:噂話〉1
【HP36】 【行動値14】
装甲値:《デモンズウェブ》(ダメージ-3D点ラウンド1回)
侵食率:120%(ダイス+3個)
▼Dロイス
【黄泉還り】
▼Eロイス
【ファイトクラブ】
【不滅の妄執】
▼ロイス
【PC 〇P執着/N悔悟】(PCの数だけ取得)
【アイセキ様 P執着/〇N食傷】
取得エフェクト
▼ブラム=ストーカー
《C:ブラムストーカー》3
《鮮血の鎖》1
《封印の呪》4
《ブラッドコントロール》5
▼エグザイル
《無機なる四肢》1
《螺旋撃》3
《デモンズウェブ》2
▼エネミーエフェクト
《異形への変貌》1
《加速する刻》5
※レベルは侵蝕値修正済み
 
◆コンボデータ
▼こっちにおいで
《C:ブラムストーカー》+《鮮血の鎖》+《封印の呪》+《無機なる四肢》
タイミング:メジャー
技能:〈RC〉  ダイス:8
クリティカル値:7 難易度:対決
対象:単体 射程:視界
攻撃力:-
解説:
この攻撃でダメージを与えることはできない、対象はドッジの際C値+1とD-1、命中した場合次に行う判定のC値+2
 
❖マクロ
16DX7+5 こっちにおいで
 
■戦闘プラン
1. セットアップで《異形への変貌》を使用。侵蝕率ダイスを2倍にする。
2. PCが複数いる場合は《加速する刻》で割り込みをする。
3. マイナーで《ブラッドコントロール》と《螺旋撃》を使用。
4. メジャーでコンボ《こっちにおいで》を使用する。
5. リアクションは基本放棄。ダメージを受ける際は《デモンズウェブ》で軽減する。


アイセキ様
◆データ
ブリード:トライブリード
シンドローム:エンジェルハイロゥ/バロール/オルクス
【肉体】50 〈回避〉200
【感覚】50 〈知覚〉90
【精神】50 〈RC〉200
【社会】50
【HP】170 【行動値】150
装甲値:-
侵食率:315%(ダイス+7個)
▼Dロイス
【怪人】
▼Eロイス
【予告された終焉】
【歪んだ囁き】
【破滅の足音】
【孤独の叫び】×3
取得エフェクト
▼エンジェルハイロゥ
《第三の瞳》1
《ミッドナイトシネマ》1
▼バロール
《時空の裂け目》1
▼オルクス
《失われた隣人》1
 
■戦闘プラン
1. 1ラウンド目のセットアップでEロイス【破滅の足音】を宣言する。
2. PCがレイのロイスを昇華させたタイミングで、まだロイス枠が残っている状態だと【孤独の叫び】でロイスを結びなおしてくる。
 
Eロイス【不滅の妄執】の解除条件
PCがレイに対するロイスをすべてタイタス昇華する。
イベント
条件 : PCがレイに対するロイスをタイタス昇華し、【不滅の妄執】の効果を打ち消したとき
演出:レイはPCに対するロイスをタイタス昇華し、不利な効果の打消しを選択する。これによって【不滅の妄執】の効果が打ち消される。


☆エンディングフェイズ☆

ED1:黄昏の花火(PC)

解説
・シーンは最終決戦直後、PCが洞窟から帰還する様子を描いたもの。
 
描写
君はすべてを終え、あれだけ耳に響いていたアイセキ様の声も聞こえません。
そう、アイセキ様"の"声は
足元も見えないような真っ暗闇、どこからともなく声が聞こえてくる。
 
セリフ:亡者
「寂しいよ…」
「怖いよ…」
「一人はやだよ…」
「一緒にいよう…」
 
描写
老若男女、しゃがれた声から産声まで様々な声があなたの頭に響く。
それでも君は振り払い、出口へ行こうとする。
背中の服の裾や後ろ髪を引っ張られる。力はそれほど強くはないが振り払っても、振り払っても掴まれる。
 
セリフ:亡者
「待って、行かないで…」
「ねぇ…こっち……向いてよぉ…」
 
描写
…不意に、君の手に温かい感触が伝わってくる。誰かが君の手をつないでいる。
顔を上げれば…そこにはレイがいた。アイセキ様に憑かれていたレイとは違う。君の知る、いつもの優しい彼女が
 
セリフ:蛍川レイ
「…こっち、絶対…後ろを見ちゃだめだよ」
「ごめんね、私のせいでPCをこんな目に合わせちゃった…親友、失格だね」
「一緒に花火を見たかったなぁ…」
 
描写
そういって出口へとPCを引っ張る。
光が見えくる。徐々に亡者の声や感触が無くなってくる。
視界が開け、あなたたちは洞窟の外へとたどり着く。
外は暗くなっており、ちらほら星も見えてきている。
パァンと、遠くで何かがはじける音ときらびやかな光が差す
赤、青、緑…色鮮やかな花火が空を彩っていた。
とても大きく、とてもきれいに…
 
セリフ:蛍川レイ
「ありがとう…PC……」
「さ、まだアイセキ様はPCを狙ってる。この階段を下り切ればアイセキ様はもうPCを追ったりしないよ」
「階段を降りるとき沢山PCを呼ぶ声がすると思うけど…最後の鳥居を抜けるまで絶対に後ろを振り返ったりしないでね!」
「約束だよ…」
「PC…私、PCの親友で本当に良かった。生まれ変わっても…また、PCと友達になりたい…」
「…あ、PC…もし迷惑じゃなかったら…これ」
レイは君に千切れた自身のミサンガを差し出す
「さよなら」
 
描写
君はレイと別れを告げ、神社の鳥居をくぐる。
階段を下りる途中、先ほどと同じように亡者の声や感触がする。君はつい、また足を止めそうになるが…
聞き覚えのある鳴き声が聞こえてくる。
最後の鳥居の向こう側、レイの飼い犬栗太の声がする。
「ワンワン!!」
それはまるで君に群がる亡者を払うように声を上げ続ける。
徐々に亡者が手を離す。
君が最後の鳥居を潜り抜けようとしたその時、声がする。
 
セリフ:蛍川レイ
「PC…じゃあね…」
 
描写
「ワンワン!!」
栗太は君を見つけた途端、駆け寄り心配そうにすり寄る。
よく見るとリードは引きちぎられており、必死にここまでやってきたことがうかがえる。
「くぅん……」
寂しそうに鳴くと栗太は山を見上げる。まるで主人との別れを悲しむように…
「ワンワン!」
山から視線を外し『帰ろう』、そう言っているように君に千切れたリードを渡す
パァン、背後で最後の花火が上がった。
少し肌寒い風が吹き込み、地面には泣きつかれた蝉が転がっている。
―夏が、黄昏時が、終わる。
 
結果
PCが望むのであればその後を描いてもよい。また、共通エンディングは、PCのRPによって内容を変えてもよい。
・レイとともに朽ち果てる。(レイのロイスを切らなかった。エンディングでレイにさよならを言わない等…。バックトラックに失敗してジャーム化した時などの展開に)
・レイを無理にでも連れていく(レイはDロイス【黄泉還り】を取得しているので連れていくこともGMが許可をすればできる。しかし、Eロイス【ファイトクラブ】も取得しているので何らかの代償を与えるとよいだろう)


☆アフタープレイ☆

経験点配布時の「シナリオの目的を達成した」は5点になる。
Eロイス【予告された終焉】【歪んだ囁き】【ファイトクラブ】【不滅の妄執】:+4
※アイセキ様の【孤独の叫び】はセッション中使用したもののみをカウントする。
Dロイス【黄泉還り@レイ】【怪人@アイセキ様】:+2
最終侵蝕率による経験点:各々宣言
よいRPをした:+1
他のPLを助けるような発言や行動を行った:+1
セッションの進行を助けた:+1
場所の手配、(ry:+1

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ダブルクロスを中心に自作シナリオを公開しています。 シナリオは基本自作発言をしなければ改変をして構いません

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