概要
少人数のテキセでもサクッと遊べるDX3シナリオになります。
難易度もサンプルキャラで十分楽しめるようになっているので突発でも遊べるシナリオです。
~あらすじ~
君は先日FHが企てた大規模なレネゲイド拡散作戦のせいで大量発生したジャームを掃討したばかりだった。その次の日、取りこぼしがないか見回りしていたそのとき実体のないジャーム化した少女にとりつかれ、人質にされてしまう。
彼女は君に言う「復讐の手伝いをしろ」と。
これは全てが終わった後の物語―
シナリオの改変は構いませんが自作発言、無断転載などはおやめください。
*シナリオアップデート
22/06/13 シナリオ公開
23/01/20 レイアウト修正、情報:「PC①の心臓について」追記
プレイヤー人数:1~2人
プレイ時間:8時間~
消費経験点:初期作成経験点130点
PL必須ルルブ・サプリ
・基本ルルブ①②
・上級ルールブック
准必須
・エフェクトアーカイブ(エフェクトはEA準拠)
・ヒューマンリレーション
※その他ルールブックは相談して追加
UGNの協力者であるPC①はつい先日発生したFH事件で発生したジャームの少女“曙 アザミ”を処理する。
しかし、事件はそれで終わらなかった。
復讐の念を持ったまま死んだ彼女はレネゲイド体となってPC①に憑依する。
彼女はPCに自分を蘇らせるために復讐対象に自分の記憶を思い出させる。
このシナリオは実体化したジャームの少女、“ルシフェル”曙アザミを倒すことで終了となる。
ごきげんよう、正義の味方さん
毎日毎日正義を後ろ盾に邪魔者掃除、忙しそうにご苦労様です
真実を歪めて隠してすり替えて、偽造工作もお手の物ですね
経験値のお味はどうでした?
振りかざした正義の切れ味はいかがでした?
そのたびに、刃にこびりついた血の色をお覚えですか?
…あぁ、懺悔の言葉や手向けの謝罪など不要です
役立たずの講釈も、うわべだけの詭弁も、今ではただのご都合な言い訳にしか聞こえません
呪詛を欠かさず唱えています
あたしが来るまでせいぜい、祈り続けてお待ちください
それではまた、お会いしましょう―
ダブルクロスThe 3rd Edition「Adios」
ダブルクロス――それは、裏切りを意味する言葉。
東京都日暮市という架空の町。
その町はほかの町と比べると自殺者や事故の発生率が少し多いという点を除けば東京の中でも少し田舎なだけの普通の町である。
曙(あけぼの) アザミ
日暮高校に通うごく普通の女学生…だったが、ひょんなことからいじめの対象となってしまう。日に日にエスカレートしていくいじめ、助けを求められない状況、追い詰められた彼女のもとに偶然、FHのレネゲイド拡散作戦によりジャーム化してしまう。
手に入れた力で復讐を果たそうとしたところでPC①に討伐されてしまうが、彼女の強い憎悪を纏ったレネゲイドはそのまま尽きることはなく地縛霊のようにこの世に留まり続けていた。
PC①:UGNのエージェントorチルドレンor協力者である。シナリオ開始時点では“曙アザミ”のことを覚えていない。
PC②:UGNのエージェントorチルドレンである。
PC① ワークス:UGN関連 カヴァー:指定なし
ロイス:曙 アザミ P:任意/N:任意
※シナリオ開始時点では未取得
君は先日FHが企てた大規模なレネゲイド拡散作戦のせいで大量発生したジャームを掃討したばかりだった。
その次の日、取りこぼしがないか見回りしていたそのとき―
『やっと見つけた』
恨みがましいその一言と同時に、君は「あんたに殺された」と言う実体のないジャーム化した少女、“曙アザミ”に人質されてしまった。彼女は君に言う「あたしを地獄に落とした連中全員を…地獄へ道連れにしてやる…!そのために、あんたには動いてもらうわよ」
PC② ワークス:UGN関連 カヴァー:指定なし
ロイス:霧谷雄吾 P:任意/N:任意
PC①とともに街の見回りをしていた時のことだった。
突然、PC①の様子がおかしくなる。どうやら得体の知れないジャームにとり憑かれ人質にされてしまったようだ。一刻も早く解決しなければPC①の命が危ない。
君はUGN日本支部支部長霧谷雄吾と協力して事態の解決を試みる。
解説
PC①が見回りの道中で“曙アザミ”に憑依される。
描写
夕暮れが輝く日暮市の郊外。
遠くから家路につく人々の生活音がかすかに聞こえてくる。
先日FHが企てた大規模なレネゲイド拡散作戦のせいで大量発生したジャーム。
町全体にばら撒かれたレネゲイドが原因のため、取りこぼしなどが上層部の方で懸念された。
その経緯もあって、“リヴァイアサン” 霧谷雄吾の指揮下の元君たちは今日、残党狩りへと駆り出されたのだった。
(PC達のやり取り)
大勢のエージェントが出動した事件なだけあってか街中にジャームらしきものは見当たらない。
君たちは続けて残党を探し、最後に町はずれの古い教会へと訪れた。
人々から忘れ去られ、見放され、神が消え去った教会。
周囲を散策したところ閑散としていてジャームの姿は見られないが、念には念を入れて調査をする。
君は教会の礼拝堂に足を踏み入れる。
壁画は色あせて崩れかかっており、床はひび割れ隙間から草の芽や木々が顔を出している。
埃をかぶった祭壇へと近づく。
見上げるとこの教会が崇拝していたと思われる聖人を象った像が鎮座していた。
純白の石膏は黒くくすみ、所々欠けた石膏像…崇拝する神も信者もすべてが去った後もここに居続け、少しずつ朽ちていく像はどこか寂しそうな印象を受けた。
セリフ:??
「今更懺悔でもしに来たの?ロストシープ…」
描写
ほんの少し、像に見とれていたその時だった。
どこからともなく声が響き、穴の開いた天井から一筋の光が君の心臓を貫いた。
セリフ:??
「やっと見つけた…!」
「アハハ!犯人は現場に戻る…とはよく言ったものね」
描写
直後、目の前の像が蹴り飛ばされ、ひび割れたコンクリートの上に叩き落される。
ガシャンッ!
偶像は罰当たりな破砕音を響かせてバラバラに砕け散る。
現れたのは高校生くらいの少女。
しかし、君を見るその瞳は煮えたぎる憎悪の炎を宿しており、足元は少し透けていた。
セリフ:??
「…あたしを見てわからない?」
「なら、名乗ってあげるわ…」
「あたしは“曙 アザミ”…ついこの間、あんたに殺された!」
セリフ:曙 アザミ
「その顔…忘れるはずもない」
「待っていたわ、あんたがいつかあたしの前に現れるのを…」
「何年…何十年経とうが待つつもりだったけどこんな早く来てくれるとはね!」
「あんたは…あたしと一緒に地獄に引きずり込んでやる!」
「今あんたの心臓にあたしの剣を刺した。時間が経てば内側から侵蝕してあんたを殺してくれるでしょうね」
Eロイス【歪んだ囁き】
対象:PC①
効果:エンディングフェイズまでに曙アザミが存在していた場合、そのロイスを取得している者の侵食率が即座に+100%され、ジャーム化する。
描写
その言葉を証明するかのように君を貫いた光の筋は君の心臓に溶け込む。痛みはない。
だが、それと同時にドクン―と君の体内のレネゲイドを大きくざわつかせる。
セリフ:曙 アザミ
「フン、すぐに殺しはしないわ…あんた以外にも復讐したい相手はいるもの」
「そう…あんただけじゃない、全員よ…あたしを地獄に落とした連中全員を…地獄へ道連れにしてやる…!」
「そのために、あんたには動いてもらうわよ」
描写
教会から破砕音が鳴り響く。
振り返るとPC①が入って行った教会の屋根から一筋の光が貫いていた。
急いで駆けつける。
異常事態だ。君は急いで端末を取り出し、霧谷雄吾へと連絡を急ぐ。
セリフ:霧谷雄吾
「お疲れ様ですPC②さん。急に連絡を入れて何かあったのですか?」
「…なるほど、霊体のオーヴァード…」
「あまり資料がないので対処法など今のところ何とも言えません」
「こちらでも情報を集めておきますのでPC①さんのフォローをお願いします」
「何かわかり次第随時連絡を入れさせていただきます」
描写
町はずれの教会、形を保っていた偶像は粉々に散らされ、神聖な礼拝堂の天井には穴があけられてしまっていた。
セリフ:曙 アザミ
「死んだせいかあたしはここから動けない。さっきの剣も一回使ったら消えちゃったし…」
「妙な真似をしないでよね…あんたの心臓はあたしが握っているんだから」
「あたしは!どんな手を使ってでもあんたにも!アイツらにも!復讐をする…!」
「ここであんたが死んでも…絶対に蘇って復讐を果たす!」
「力の取り戻し方はわかった…あたしがあんたに結び付いた時少しだけど力が湧いた」
「あいつらの前にあたしが現れればきっとまたあの力を使うことができる…」
「今日は平日よね?それなら、あの3人も全員学校にいるはずよ」
描写
PC①の心臓が握られてしまった手前、君たちには彼女の言う通り日暮高校へと向かうほかなかった。
結末
教会で曙アザミに憑依され、異常を霧谷雄吾に連絡を入れ、アザミを連れて学校へ向かったところでシーン終了。
解説
アザミがPC①を連れて復讐相手のもとへと向かう。
描写
君たちはアザミに引き連れられ、日暮高校へと訪れた。
学校の関係者や生徒にはすでにUGNによる記憶処理が施されており、FHによるレネゲイド拡散事件は集団幻覚事件だったと認知されている。
まるであの日などなかったかのような何でもない日常の光景を見たアザミは驚愕し、呆然としていた。
セリフ:曙 アザミ
「?…あいつら、あたしのことを覚えてないの?」
「…どうして、街は…あんなにバケモノで溢れていたのに…?」
「は…?UGN…?FH…?それに記憶処理…?何よそれ…」
「……よくわからないけど、そういう連中があいつらの記憶を書き換えてあの日をなかったことにしたってこと…?」
「…思い出させなきゃ…あいつらがあたしに何をしたのか…」
「あたしは、あいつらに日常を壊された!だから…今度はあたしがあいつらの平穏を壊してやるんだ…!」
「この街にまだ色々証拠が残っているはず、それを集めてあいつらに見せれば思い出すでしょうし、早くしなさい!」
「……ふん、そいつらの名前くらいは教えるわよ」
結末
アザミといじめの証拠を集めるよう促されたところでシーン終了。
今回のシナリオでは情報を獲得するために判定ではなく【情報ポイント】を消費して情報を獲得する。
・「曙アザミ」〈情報ポイント〉1
・「復讐対象について1」〈情報ポイント〉1
・「復讐対象について2」〈情報ポイント〉1
・「復讐対象について3」〈情報ポイント〉1
・「PC1の心臓について」〈情報ポイント〉2
・「復讐対象について3(追加情報)」〈情報ポイント〉3
・「曙 アザミ」〈情報ポイント〉1
曙 アザミ 女性 享年16歳
死因:(PCのイメージに合うもの)
日暮高校2年B組
日暮市郊外の線路沿い付近でエージェントと交戦し(PCのイメージに合うもの)されて死亡しているのを確認。
回収した遺体から規定値を超えるレネゲイドが検出された。FHが散布したレネゲイドと一致したため、今回の事件が原因でジャーム化したと推測される。
レネゲイド隠ぺいのため周囲の関係者への記憶処理を施し、彼女は通り魔に殺害されたと改ざんした。
(日暮市支部UGN職員の報告書より)
・「復讐対象について1」〈情報ポイント〉1
名前「不知火 ベリル」
日暮高校2年生B組
成績優秀、運動神経もよく、クラスの委員長を務めるクラスの人気者。
しかし、裏では自分の気に食わないやつの弱みをネット上にばら撒いたり周囲を吹聴したりしていじめさせる陰謀家。
彼女の陰謀で不登校や自殺に追い込まれた生徒も少なからずいる。
・「復讐対象について2」〈情報ポイント〉1
名前「山岸 ヨウ」
日暮高校3年生C組
明るく爽やかで人当たりの良い男子生徒という良い印象をクラスメイトや先生からはよく聞く。
しかしその実、ベリルの取り巻きの一人である。
ベリルから面白そうだから助けられて良い気になっているアザミの声を盗聴しろと命令されてアザミに優しいフリをして近付いた。
・「復讐対象について3」〈情報ポイント〉1
名前「三又 アスモ」
日暮高校2年生B組
アザミの小学生の頃からの幼馴染。
気の弱い性格で常に自信なさげにおどおどしているためか、小学生のころからいじめられっ子で、そのたびに親友のアザミに助けられていたという話を彼女の同級生から得た。
先日のレネゲイド拡散事件の被害で両目を負傷しており全盲となっている。
本人は事故により目を怪我したとUGNの記憶改ざんを受けている。
・「PC1の心臓について」〈情報ポイント〉2
霧谷雄吾から情報が送られてきた。
PC達の身に起きた事象から以下のことが予想される。
アザミは死亡時に高濃度のレネゲイドを保有していたためか思念が形を保ち、まさしく亡霊のようにそこに存在している。
この状態では物理的に彼女を傷つけることができない。また、彼女からもPC達に物理的な危害を加えることができない。
そして先ほどPC①の心臓を貫いた光の剣。あれは自らの体を構成しているレネゲイドの一部をPC①に埋め込み、アザミと感覚を共有しているような状態である。もちろん、侵蝕率も共有しつつある。高濃度のレネゲイド体である彼女と感覚を共有し続けることはPC①の侵蝕率を危険な状態にさらさせることと同じである。
解決方法の一案としては彼女が力を取り戻し、実体化することでリンクを切ることができる。
しかし、実体化した彼女を即座に討伐しなければ周囲に危険が及ぶのは想像に難くない。
・「復讐対象について3(追加情報)」〈情報ポイント〉3
日暮市支部UGN職員の報告書より三又 アスモの記述を発見した。
事件当時、日暮市郊外の線路沿い付近でワーディングの影響で意識不明の状態となり倒れているところを保護。
保護時、両目を傷つけられていた。現代医療では完治不可のため記憶を改ざんさせることで対処。
しかし、両目の負傷については保護当時に簡易的な治療が施されていた。失明している割にはしっかりと手当てされていることから彼女自身が手当てしたとは考えにくいが真相は不明。
解説
いじめっ子の記憶を蘇らせるためにいじめの証拠を集める。
リバイバル判定を行うとアザミと一部の感覚を共有しているPCの頭に“曙アザミ”の記憶が流れ込む。
アザミの復讐対象が彼女を思い出すために必要な“証拠”を集めるための判定。
*ルール解説*
1. PCは3点の侵蝕率を上昇させることで判定ができる。3DX10を初期値とし、判定を行う(この判定は〈技能:-〉となる)。
2. 判定のダイスは侵蝕率2点を代償とすることでダイスを一つずつ増加させることができる。
3. 判定を行い、その判定で出た達成値を加算していく。
4. 上記を繰り返して合計達成値が難易度以上であれば判定成功となる。
5. また、各判定には上限値を設けている。上限値を超えた値は無効となる。
描写
アザミに言われるがまま、証拠というものを探しに来た君たち。
とりあえず彼女が通っていたという学校の周辺から探ることにした。
難易度:20 上限値:30
調査をしているとある噂を耳にする。
『曙アザミはいじめをしていて罪の重さに耐えかねて線路に身を投げて自殺した』
という噂だった。
皮肉にもUGNが施した記憶処理によって、より一層真実味が増してしまっている。
噂の出所を調べたところSNSに投稿された書き込みが波紋を呼んで噂を広げたらしい。
君たちはそれが証拠となると感じ、アカウントと書き込みを保存した。
描写
君がそれに触れた途端、頭に電撃が走るようにあるビジョンが流れ込む。
ここは…2年B組の教室、休み時間のようだ。
アザミと気の強そうな少女が口論をしている。
一瞬ブラックアウトして次の日と思われる教室、クラスメイトがアザミをこそこそと避けだす。
じわじわと日を重ねるごとに避けられ、嫌がらせを受け、孤立していくアザミの寂しそうな背中が目に焼き付いた。
セリフ:曙アザミ
「見つかった?」
「…クソッ…あの上っ面女、死体遊びしやがって…」
「これでなかったことにするつもり?」
「…さっさと次を探しに行くわよ」
→ビジョンについてアザミに話す
セリフ:曙アザミ
「は…?何よそれ!?」
「あたしの記憶を勝手に見るな!」
結末
リバイバル判定を行い、“曙アザミ”の記憶が流れ込んだところでシーン終了。
解説
いじめっ子の記憶を蘇らせるためにいじめの証拠を集める。
リバイバル判定を行うとPCの頭に“曙アザミ”の記憶が流れ込む。
描写
2つ目の証拠を探すために君たちは再び学校を捜索する。
難易度:20 上限値:30
描写
君たちは教室を捜索するとアザミの復讐対象の机の引き出しにICレコーダーの忘れ物を発見する。
恐る恐る中を聞いてみるとアザミと男子生徒のものだろうか?仲良く話している声が聞こえてくる。ただ聞いただけでは仲の良い会話に聞こえるが、その会話をこうして録音していることに違和感を覚える。
君たちはそれが証拠となると感じ、ICレコーダーを回収することにした。
描写
君がそれに触れた途端、再び頭に電撃が走るようにあるビジョンが流れ込む。
ここは…日暮高校の図書館、放課後のようだ。
相変わらず避けられているアザミ。
その隣に腰かける男子生徒、嫌がらせをする生徒とは別に笑顔で話しかける男子生徒。
初めは頑なに無視し続けていたアザミだが、次第に心を開いて会話が増えていく。
だが次の日の朝、アザミが教室に入ると彼女の机の上に置かれたICレコーダーから男子生徒との図書室の会話が大音量で流されている。
それを聞いてニヤニヤと笑うあの少女とクスクスと嘲笑うクラスメイト。
そしてその中に、あの男子生徒もいた…。
セリフ:曙アザミ
「見つかった?」
「フンッ…信じたあたしが馬鹿だった」
「同じくらい、騙したあいつも馬鹿なのよ」
「…さっさと次を探しに行くわよ」
結末
リバイバル判定を行い、“曙アザミ”の記憶が流れ込んだところでシーン終了。
解説
いじめっ子の記憶を蘇らせるためにいじめの証拠を集める。
リバイバル判定を行うとPCの頭に“曙アザミ”の記憶が流れ込む。
描写
最後の証拠をつかむために君たちは捜索を続ける。
難易度:20 上限値:30
描写
君たちはアザミのかつての親友だったという少女の家へと侵入する。
整頓された机の引き出しの奥底から古びたネックレスが現れた。
比較的新しいものが多い中で一つだけこのネックレスが目を引いた。
他にめぼしいものはなく、とりあえず証拠品かもしれないのでこのネックレスを持っていくことにした。
描写
君がそれに触れた途端、再び頭に電撃が走るようにあるビジョンが流れ込む。
教室で孤立しているネックレスを付けた少女、見ていると通りすがりの生徒からチクチクと嫌がらせを受けている。
丁度、クラスメイトから嫌がらせを受けていたときだった。
アザミが駆けつけ、少女を助け出す。
…しばらくの意識の揺れ、おそらく時間が経過したと思われる。
仲良さげにする二人の少女。
しかし、アザミがいじめの対象になってから状況が一変する。
アザミを避けだすクラスメイトの一団に助け出された少女の姿があった。
その首元にあのネックレスはかかっていなかった。
セリフ:曙アザミ
「見つかった?」
「よくわかったわね。それよ」
「…別に、もう、いいわよ。そいつは、裏切り者だから」
「これで…全部、そろったはず」
「そろそろ日が暮れちゃう…早くこれを学校の教室に持っていきなさい」
「そこであいつらを呼び出して…思い出させるのよ!」
結末
・リバイバル判定を行い、“曙アザミ”の記憶が流れ込んだところでシーン終了。
・判定が終わると曙アザミから集めた証拠品を学校へもっていくよう促される。証拠品を持っていくことでトリガーイベントが発生する。
条件:集めた証拠品を学校へもっていく。
解説
冒頭はイベントとなる。PC達は教卓などの後ろから隠れて教室の様子をうかがっているシチュエーションを想定している。
いじめっ子がアザミの記憶を取り戻すとアザミのDロイス【黄泉還り】が発動し、アザミが実体化することができる。
描写
夕日差し込む無人の教室、机に並べられた証拠品の数々。
ガラッ、と教室の扉が開かれる。
教室に入ってきたのは男女3人。
アザミが心底復讐したいと言い続けていた3人だ。
セリフ:不知火 ベリル
「誰よ?こんな時間に呼び出すなんて」
「まったく、バイトの時間もあるっていうのに」
セリフ:山岸 ヨウ
「ハハ、夕焼けが見える教室で秘密の告白って感じでもなさそうだね」
「それにしても変わった組み合わせの呼び出しだなぁ」
セリフ:三又 アスモ
「誰なんだろう?見たことないアドレスだし…」
「先生でもなかったし…私たちの教室だったから来ちゃったけど…」
描写
3人は教室に入ってしばらくして、机の上に並べられた証拠品に気付き、硬直する。
セリフ:不知火 ベリル
「ちょ、ちょっと…なんでこんなものがここに…」
「あ、あぁ…!そう、確か…私、あの日線路のところで…アザミのやつに襲われて…」
セリフ:山岸 ヨウ
「う、嘘だろ…アザミは…自殺したんだろ…?」
「ま、まさか…亡霊にでもなったっていうのか?」
セリフ:三又 アスモ
「な、なに…?何が起きているの…?」
「二人とも何が起きたの…?」
描写
3人が衝撃を受け、その場に釘付けになったその瞬間、君の背後のアザミからどす黒く、強いレネゲイドの波動が放たれる。
アザミは君たちが身を隠していた教卓を蹴り飛ばす。
セリフ:”ルシフェル”曙アザミ
「ふ、アハハハハハ!!!」
「やっと…やっとこの時が来たのよ…」
セリフ:三又 アスモ
「え…この声…アザミ…ちゃん…?」
セリフ:”ルシフェル”曙アザミ
「思い出した?あんたたちがあたしにしたことを…」
「後悔している?あたしを、こんな姿にしたことを…」
「もう何もかも遅いのよ!」
「懺悔も、謝罪も、手向けも…もう、届きはしない!」
「ジャッジメントをするのは…このあたし、地獄から蘇った“ルシフェル”が裁く!!」
描写
直後、耳を劈く轟音が響く。
教室の天井が突き破られ、辺りに土煙が舞い上がる。
煙が晴れるが、あの3人も曙アザミ…“ルシフェル”もいない。
おそらく彼女らとともに屋上へと向かったに違いない。
直後、PC②の端末が震える。通信の相手は霧谷雄吾。
セリフ:霧谷雄吾
「PC②さん、ご無事ですか!?」
「日暮高校に強力なレネゲイド反応を探知しました。そちらで何が起きたんですか?」
「そんなことが…事実から推測すると、今の彼女の体は高密度のレネゲイドで構成された非常に不安定な状態です。長くは持たないでしょう」
「しかし、そんな高密度のレネゲイド体が存在していると辺り一帯にレネゲイドの影響が広がる可能性があります」
「…解決するには、広範囲に拡散する前に元凶である彼女を打破する…それしかありません」
「…彼女の悲しみに寄り添えなかった私にこんなことを言う資格はないのかもしれませんが…」
「PC②さん、彼女を…止めてください」
結末
実体を得たアザミが復讐のためにいじめっ子たちを屋上へと連れていき、PCがそれを追いかけるところでシーン終了。
解説
レネゲイド拡散事件の際のアザミ視点の回想。
アザミは事件の際オーヴァードに覚醒した。その際はまだ理性が残っており、傍にいたアスモを安全なところに送ろうとしたが、その際に力を酷使しすぎてジャーム化してしまう。
避難場所まであと少しというところでいじめっ子たちが目に入り、わずかに残されていた理性も消え去った。
描写
じわ、じわ、じわ…
電車も人気もない線路沿いを歩いている。
古い線路からゆらゆらと陽炎が立ち昇っている。
でも、身体が熱いのはそのせいじゃない。
何体、殺してきた?
街に蔓延る有象無象…襲い掛かってくる人間だったバケモノたち。
斬って、刺して、飛んで…
熱い…血が、頭が、理性が、沸騰しそうだ。
―アザミちゃん…
握りしめていた手が握り返される。
ここまで繋いできた手のひら。
でも少しずつ、憎たらしい仇敵の手のひらに変っていく。
―アザミちゃん…
懐かしいはずの声が聞こえる。
でも少しずつ、耳障りな苛立ちの声に変わっていく。
―ごめんね、私弱くて…今度こそアザミちゃんを守れるくらい強くなるから…
楽しかった思い出が、望んでいた未来が、少しずつ壊れていく。
どす黒い憎しみに塗りつぶされていく。
―だから、二人で助かろうね…
本能が告げている。あたしはもう、帰れないのだと―
…ぼやけた視界の先に何かが見える。
動物?いや、人だ、どこかへ逃げようとする人の後ろ姿、その輪郭に見覚えがある。
ぼんやりとした意識が少しずつはっきりとしていく。
その後ろ姿が誰かわかった瞬間、脆く、僅かばかりにつながっていた理性の楔は千切れとんだ。
そして、曙アザミは死んだ。
ここにいるのは…復讐のため地獄から蘇った“ルシフェル”だけっだ。
怒りのままに、衝動のままに剣を振り上げる。
憎たらしいあいつ等の悲鳴が聞こえる。
そのまま奴らの肉を裂く感触が手のひらを伝う…はずだった。
だが、それは叶わなかった。
あたしの剣が、誰かに弾かれた。
咄嗟にその“誰か”の方に視線を向ける。
オレンジ色の夕日に照らされたその姿は―
結末
PC①がアザミと交戦を始めるところで回想は終了する。
条件:学校の屋上へ向かう
解説
PCが望むのならこのシーン前アザミのロイス感情を変更することができる。
マスターシーン後、学校の屋上で“ルシフェル”との最終決戦となる。
描写
鉄さびた、施錠された屋上の扉を鍵ごと弾き飛ばす。
開け放たれた出入口から目を焼くほどのオレンジ色が降り注ぐ。
屋上の中央、夕日を背に、翼を広げる少女。
そのとき、君は思い出した。
あの日、次々と報告されるジャームの発生に追われ、夕日が沈みかけていた。
陽炎が揺らめく暑い、暑いあの線路沿い。
一人の“怪物(ジャーム)”と鉢合わせたことを―
沈みかけた夕日を背に紅く輝く両翼、灰色にくすんだ天使の輪、そして煮えたぎる憎悪の炎を瞳に携え君を見るその少女を―
あのときの君にとって、力に目覚めたばかりの怪物を始末することなど造作でもなかった。
そう、あのときは―…
爛々と輝く夕陽をバックに純白の天使が佇んでいる。
その手には白く、淡い輝きを放つ一筋の光のような剣。
その姿はさながら地獄に堕とされた大天使、ルシフェルに相応しかった。
“ルシフェル”は君たちを静かに睨みつける。
その両の瞳にはあの…憎悪の炎が揺らめいていた。
セリフ:“ルシフェル”曙アザミ
「…なに?また、邪魔をしに来たの?」
「復讐はやめろって?」
「そんなものなにも意味はないって?」
「あたしを地獄に叩き落としておいて…そんな言葉、ただの命乞いにしか聞こえない」
「邪魔をするというのなら…あんたから!地獄に叩き落してやる!」
描写
“ルシフェル”は君たちの猛攻を受ける度キラキラとレネゲイドの粒子を飛ばしながらも溢れ出る業火で無理矢理つなぎ止め、君たちへ剣を掲げ斬りかかる。
しかしそれも長くは持たない。
脆く、霞かける“ルシフェル”に最後の一撃を叩き込もうとする。
セリフ:“ルシフェル”曙アザミ
「終われるか…このままで、終われるかぁあああああ!!!」
描写
光の剣が最後の力を振り絞って君の心臓を貫く。
刹那の一閃、そして一瞬の痛み。
君を貫いたその輝きはとどまることなく辺りを光で埋め尽くす。
…そこで、君たちの意識は途切れた。
結末
勝利条件:“ルシフェル”曙アザミの撃破
敗北条件:3ラウンド目のクリンナッププロセスまでに勝利条件を満たさない
曙アザミと最後の一撃を交わし、周囲がホワイトアウトしたところでシーン終了。
“ルシフェル”曙アザミ(HP:88)
“ルシフェル”曙アザミ(HP:68)(PCが一人の場合)
PCたちで一つのエンゲージ、その5m先に“ルシフェル”のエンゲージが存在する。
現在“ルシフェル”はDロイス【黄泉還り】の効果により、彼女に対する記憶を持つ者への強い憎悪によって身体を再構成されている状態である。
この状態は非常に不安定で3ラウンド目のクリンナッププロセスまでに勝利条件を満たさない場合、“ルシフェル”を構成しているレネゲイドが霧散し、彼女は強制的にHP0となる。同時にEロイス【衝動侵蝕】が発動し、シーン内のキャラクター全員の侵蝕率が+100%され、ジャーム化してしまう。
性別:女 種族:人間(霊体)
一人称:あたし
二人称:あんた
◆データ
ブリード:クロスブリード
シンドローム:サラマンダー/エンジェルハイロゥ
【肉体】3 〈白兵〉5 〈回避〉1
【感覚】6 〈知覚〉1
【精神】2 〈RC〉2
【社会】1 〈情報:噂話〉1
【HP】88 【行動値】14
ガード値:3
侵食率:120%(ダイス+3個)
取得エフェクト
▼サラマンダー
《炎の刃》5
《エネルギーマイスター》5
《クロスバースト》3
《燃える魂》4
▼エンジェルハイロゥ
《C:エンジェルハイロゥ》3
《光の指先》4
《主の右腕》5
《光の剣》5
《光の舞踏》1
《鏡の盾》5
▼エネミーエフェクト
《蘇生復活》1
《生命増強Ⅱ》3(2)
《加速する刻》3(PCが一人の場合は使わない)
※レベルは侵蝕値修正済み
▼Dロイス
【光使い(ライトブリンガー)】《光の指先》取得
【黄泉還り(デッド・メモリー)】(+8D)(PC1が結んでいる分も含む)
▼Eロイス
【歪んだ囁き】
【衝動侵蝕】
▼明けの明星①
《C:エンジェルハイロゥ》+《光の舞踏》+《主の右腕》+《光の指先》+《炎の刃》+《エネルギーマイスター》+《クロスバースト》
タイミング:メジャー
技能:〈白兵〉 ダイス:21
クリティカル値:7 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
攻撃力:32
❖マクロ
21DX7+5 明けの明星
(x+1)d10+32 ダメージ
解説:
ガード時HP15点失う。
“ルシフェル”は光の中から剣を生み出し、その剣に炎を纏わせる。
灼熱の憎悪の剣が君を貫く。
解説
バックトラックに成功したPC①が戦闘直後に見た白昼夢。
描写
頬を撫でる心地よい風で君は目を覚ました。
君はなぜか学校の屋上の長椅子に寝そべっていた。
君は確か“ルシフェル”と戦っていたはずだ。
勝敗は?自分はどうなった?
辺りを見渡しても戦いの痕跡はない。
空を見上げれば雲一つない澄み渡る青空が広がっていた。
セリフ:曙アザミ
「そのまま目を覚まさなければよかったのに」
描写
聞き覚えのある声が背後からかけられる。
どこから?周囲を見渡すと君が寝そべっていた長椅子に“ルシフェル”…いや、天使の輪も翼も消え去った曙アザミが腰かけていた。
今隣に居る彼女は戦った時の憎悪に満ちた姿ではなく、燃え尽きたような落ち着いた印象を受ける。
セリフ:曙アザミ
「また、あんたに邪魔された」
「最後のは…ちゃんとあんたの心臓を捉えたと思ったんだけどな」
(しばらくPCとのやり取りをする)
描写
カシャン、と不意に金属の音が響く。
ハッと顔を上げると隣に座っていたはずの曙アザミがいない。
後ろを振り向くと、屋上のフェンスの向こう側に彼女が立っていた。
セリフ:曙アザミ
「あたしは、今でもあんたのこと殺したいほど憎んでる」
「でも、今はやめだ」
「せいぜい、“そっち”で散々苦しんでからこっちに来なさい」
「Adios(地獄で、また会おう)」
描写
タン、と靴音を響かせてアザミは屋上を蹴り、青空に別れを告げる。
君は呆然としたまま虚空に吸い込まれていった羽を眺めていた。
結末
アザミが屋上から飛び去ったところでPCの意識がまどろみ、シーン終了。
解説
戦闘直後、PC達が屋上で気が付いたシーン。
描写
戦いの爪跡が残る屋上で君たちは目が覚めた。
屋上にはすでに霧谷が配備したと思われる医療班や修復班が到着していた。
見計らったようにPC②の端末が震える。通信の相手は霧谷雄吾だ。
セリフ:霧谷雄吾
「PC②さん…ご無事ですか?」
「日暮高校で発生したレネゲイド反応の消滅を確認しました」
「避難の対処にあたっていたエージェントからも報告を確認しました」
「今回もお疲れ様でした。…被害にあった一般市民への記憶処理などの後始末はこちらで手配します」
「心苦しいことですが私たちが彼らの日常を護るためにもレネゲイドは秘匿しなければなりません」
「私たちはレネゲイドから世界を守護する組織…それなのに、守り切れない日常があるというのはどうしようもなくもどかしい現実です」
「それでも、私たちがしていることが正しいと信じてこの日常を守っていかないといけません」
「この先も、このような悲劇が生み出されてしまうかもしれない」
「それでも、手を貸していただけますか?」
(PCの応答)
「…ありがとうございます。私は仲間に恵まれていますね」
「そちらに派遣しました医療班から治療を受け、今はゆっくりと休んでください」
「詳しい報告はまた後日お願いします」
描写
それを最後に通信は途絶える。
屋上から空を眺める。
真っ赤な太陽が空の隙間へと吸い込まれていく。
沈みゆく夕日を眺めながら君たちはまた、いつも通りの日常へと帰っていく。
結末
霧谷雄吾への報告が完了したところでシーン終了。
解説
事件後、PCがアザミの墓参りに行くシーン。墓参りの最中三又アスモと遭遇する。
描写
昼下がりの青い、青い空の下。
君たちは日暮市の墓地へと訪れていた。
ずらりと真新しい墓石が並ぶ中、一つの墓石で立ち止まる。
『曙アザミ』
墓石に刻まれた名前を君たちは眺める。
人間だった者を葬る…初めてのことではない。
日常を護る者として避けては通れない現実…それでも弔いは必要だ。
持っていた花を添え、手を合わせたのち君たちはその場を去ろうとしたその時―
セリフ:三又アスモ
「ひゃん!」
描写
ドンッ、と小走りで駆けてきた少女とぶつかってしまう。
その少女に君は見覚えがあった。
アザミが復讐をしたいと言っていた一人、三又アスモだ。
ぶつかった拍子でアスモが持っていた線香や花が散らばる。
アスモは「すみません」と謝りながら見えない目で散らばったものをたどたどしく拾い集める。
アスモは事件の後記憶処理を施されている。
あの日のことは何も覚えていない。
君たちのことはもちろん、蘇ったアザミのことも―
セリフ:三又アスモ
「す、すみません…私目が見えなくて…」
描写
散らばったものを拾い集め彼女へと手渡し、立ち去ろうとした君たち。
すると、その背をアスモが呼び止める。
セリフ:三又アスモ
「ありがとうございます」
「あの…もしかしてアザミちゃんを知っているんですか…?」
「もし、もしも…アザミちゃんを知っているなら…その、伝えたいことが…あって…」
「あ、あの…!」
「あの…あの…アザミちゃんの変な噂…もしかしたら聞いているかもしれないです、が…」
「絶対…信じないでください!!」
描写
変な噂…あの事件を調べるためにアザミの記録や記憶に触れた君たちに思い当たる節がある。
そう、いじめっ子たちが流したあのでたらめな噂…。
君たちがそういう事情であることも知らず、アスモは堰を切ったように言葉を続ける。
セリフ:三又アスモ
「アザミちゃんは…そんなことをする人じゃない…!」
「強くて、弱い者いじめをする人を許さなくて、ちょっと頑固で怖いところもあるけど、でも優しくて…」
「私は…小さい頃からずっとアザミちゃんに守られていた…でも、私…ずっと弱くて…」
「私…アザミちゃんに何も言えないままお別れしちゃった…もう少し強かったら…何か変われたのかもしれないのに…」
「もう、後悔したくないの…だから、私…アザミちゃんが安心できるくらい…強くなる」
「アザミちゃんの変な噂…聞いても…信じないでください!」
「親友の私が…保証しますから…!」
描写
唇を震わせ、震える手を握りしめるアスモ。
首元には古いネックレスがかけられている。
アスモが噂の払拭を図ろうとしていることがいじめっ子たちの耳に入ればただでは済まないはずだ。
なんの力も無い少女にとって君たちに放ったその一言がどれだけの覚悟と勇気が必要だったものかは考えるまでもない。
(PC達が受け答える)
セリフ:三又アスモ
「…!ありがとうございます」
「…あ…す、すみません、ぶつかっておきながら呼び止めちゃって…」
「私もお線香を焚きに来たんだった…あの、話を聞いていただきありがとうございます」
描写
ぺこりとお辞儀をし、アスモは君に拾ってもらった花と線香を抱えて墓参りへ向かう。
…日常を脅かす怪物の排除、それは人々のあるべき日常を護るために誰かがしなくてはならないことだ。
それでも、忘れてはいけない。
彼らにも彼らの日常があったということを―
結末
アスモと別れ、墓地を後にしたところでシーン終了。
経験点配布時の「シナリオの目的を達成した」は5点になる。
ボーナスポイント : +(【現在情報ポイント】-【未クリア情報の情報ポイント合計】)点
Eロイス: 【歪んだ囁き】【衝動侵蝕】+2点
Dロイス: 【黄泉還り(デッド・メモリー)】【光使い(ライトブリンガー)】+2点
最終侵蝕率による経験点 : 各々宣言
セッションに最後まで参加した : +1点
よいRPをした : +1点
他のPLを助けるような発言や行動を行った : +1点
セッションの進行を助けた : +1点
場所の手配、(ry : +1点
このシナリオはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
『ダブルクロス』は有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチの著作物です。
この度は『Adios』のシナリオを閲覧いただきありがとうございました。
今シナリオを作成した月影アトと申します。
今作は1シナリオを終えた後のような雰囲気と復讐に身を燃やした"アザミ"という少女の軌跡を辿る全てが終わった後の物語となっております。
実はこのシナリオ一度完成してから没にしようかなと思っておりました。
具体的な理由は私のNPCへの造詣の浅さ、及び修正前シナリオの後味の悪さが原因です。
完成して一度回した際、UGNであるPCたちがジャームを倒すことを否定するような内容でした。
もちろんそういったシナリオが存在し、そのような内容を求めているPLが存在することも事実ですが、自分が作りたかったシナリオじゃないなと感じて没にしようと思っておりました。
その矢先、偶然にもこのシナリオ登場NPCを私自身がPCとしてセッションに参加させていただく機会がありました。
そこで私がこのシナリオで描きたかった事とは何か、ジャームと言う存在はどういうものか、なぜ倒さなくてはならないのか、PCはどうしてアザミを倒したのか…という事柄を考え直して今回の形に仕上げました。
その機会を与えてくださった卓の主催者さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。おかげで自分でも納得のいくシナリオを仕上げることができました。
私がこのシナリオで描きたかったことは「ジャームはなぜ倒さねばならない存在なのか」「倒されたジャームにもそれぞれの日常があったことを忘れないでほしい」ということです。
とはいえ、このシナリオを回す際は各々の解釈でアザミやNPCを動かしていただければと思います。それもまたTRPGの楽しさだと思うので。
ちなみにシナリオタイトルの『Adios』はスペイン語のさよなら。今生の別れのような場面でよく使われるサヨナラの言葉だそうです。
復讐相手の3人は悪魔の名前で統一、アザミの苗字はルシフェルが”明けの明星”と呼ばれる存在から取りました。
アザミは花の薊です。花言葉は「独立」「報復」「厳格」「触れないで」となっております。
是非、最終決戦時はPC1にトドメを刺させてあげてください。
皆様がこのシナリオで楽しいDX3セッションを開催できることを望んでいます。
重ね重ね閲覧いただきありがとうございます。
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