私立菜ノ花学園高校オカルト研究部員が杉並区にやってきた邪悪に立ち向かうシナリオです。
邪神の力を借りてとある独立種族を討ち滅ぼす壮大な戦闘が想定されています。
ロスト有り、難易度高め。
※何か質問等ございましたら気兼ねなくコメントして下さい。非ログインユーザーの方は、当垢プロフィール欄にTwitterアカウントも載せておきますので、そちらへのDMでも構いません。
※本シナリオのリプレイ化等は無許可でしていただいて構いませんが、一声おかけしていただければ喜んで宣伝させていただきます。
探索者は東京都杉並区にある私立菜ノ花学園高校オカルト研究部に所属する高校生(学年は問わない)となる。よって、探索者の職業は自動的に『学生(オカルト研究部員)』となり、職業技能は以下に示すものから選択となる。
また、KPは選択ルールとして、年齢≦EDU+6のルールを撤廃しても良い。
【学生(オカルト研究部員)職業技能】
オカルト、心理学、図書館、博物学、目星、
+(得意科目に関する技能を以下から3つ選択) 化学、考古学、芸術、生物学、地質学、物理学、他の言語
【推奨技能】
目星、図書館、オカルト、ほかの言語(英語)、ナビゲート、精神分析、隠れる
東京都杉並区にある、私立菜ノ花学園高等学校。本シナリオの探索者たちはこの学校オカルト研究部に所属する高校生となる。
物語は、オカ研の部長である篠原怪斗の様子がおかしくなったところから始まる。数日前、父親である篠原正志の急死の報を受けて依頼学校を休んでいた怪斗だが、一週間ぶりに顔を見せた彼の振る舞いは、同一人物のそれとは思えないほどに変わってしまっていた。この変化は休学期間中にシャッガイからの昆虫(以下、シャン)に寄生され、脳と人格を支配されたために起きたものである。
このシャンは、仕事の都合でイギリスのブリチェスター地方を訪れていた正志の脳に入り込み、日本にやってきた個体である。シャンはアザトースを崇拝する邪悪な種族であり、正志は自身の脳に潜むこの忌まわしき生命体がアザトースを召喚してしまうことを心から恐れた。悩んだ結果、正志は自身を道連れにシャンを絶命させる道を選んだ。ブリチェスターより持ち帰った『グラーキの黙示録』に記載されていた呪文を用いて、シャンを自らの身体ごとアイホートが暮らす迷宮の中に送り込もうとしたのだ。
その作戦内容を正志の脳から読み取ったシャンは驚き、神経ムチを用いて正志の脳に強い衝撃を与え、殺してしまった。
術者である正志が死んだことにより、半ば開きかけていた〈門〉は閉じてしまうが、アイホートはそれを良しとしなかった。自身の安息の地につながる〈門〉を勝手に開かれたと思ったら、すぐに勝手に閉じられたことに怒りを覚えたからである。アイホートは〈門〉が閉じる寸前、自身の雛を少しだけ〈門〉の向こう…博物館の地下倉庫に送り込んだ。送り込まれた雛たちは集合、合体し、小さなアイホート『ミニホート』として活動を開始する。ミニホートの目的は、逃がしてしまったシャンを殺すこと。そのために、地下倉庫に入ってきた博物館の職員や、正志の死亡現場を取り調べに来た警察官たちに雛を寄生させ、シャンを探させることにした。
また、正志という宿を失ったシャンは次に操る人間を探してしばらくさまよった結果、正志の息子である怪斗に行き着いたという。現在シャンはアザトースを召喚するために、菜ノ花学園の文化祭を利用した計画を企てている。果たして探索者たちはシャンの忌まわしき野望を阻止することができるのか…
篠原怪斗(シノハラ アヤト) (18) 男
STR:9 DEX:10 INT:15
CON:8 APP:10 POW:10
SIZ:12 SAN:0 EDU:16
〈オカルト〉90% 〈図書館〉70% 〈目星〉60% 〈博物学〉50%
私立菜ノ花学園高校3年。オカルト研究部部長。
黒縁メガネが特徴的な優等生だったはずだが、父親の死をきっかけにシャンに脳と精神を支配され、アザトースを崇拝する狂信者になってしまう。
菜ノ花学園の文化祭のステージで巨大な魔法陣を掲げ、パフォーマンスに見せかけて観客の力を借り、アザトースを召喚するという計画を企てている。
篠原正志(シノハラ マサシ) (47) 男
故人。東京杉並区で一番大きな博物館である欧州歴史博物館の館長を務めていた男。新たな展示物を手に入れるためにイギリスのブリチェスター地方を訪れていたところ、魔導書『グラーキの黙示録』の噂を耳にする。興味本位で近づいた結果、付近にいたシャンに襲われて脳や精神を半分支配されてしまう。アザトースに対する信仰心に精神を侵されていくなか、正志は『グラーキの黙示録』を手に日本に帰国。各地の寺や神社を回ってお祓いをしてもらおうとするが、そのたびに神経ムチで攻撃され、痛みに耐えかね断念するといったことを繰り返していた。その後、藁にもすがる思いで『グラーキの黙示録』を読み漁っていたところ、アイホートの存在を知る。この時点で正志は『自らの死』や『アイホートの驚異』が小さく見えるほど『アザトース』のことを大きく恐れるようになっていた。そのため正志は迷わずアイホートの元に赴き、自分もろともシャンを殺してもらおうと考えた。
しかし、この作戦を知って驚いたシャンが神経ムチによる過剰攻撃で正志を攻撃してきたため、アイホートの元へと続く〈門〉が半開きになったまま正志は絶命してしまう。結果として、この男のせいで杉並区にシャンとアイホート。2つの怪異が持ち込まれることとなってしまった。
種島実乃里(タネシマ ミノリ) (16) 女
STR:8 DEX:12 INT:12
CON:10 APP:15 POW:12
SIZ:12 SAN:60 EDU:12
〈目星〉60% 〈図書館〉60% 〈製作(新聞記事)〉75%
菜ノ花学園高校2年。オカルト研究部員。ヒロイン枠。かわいい。
一人称は「私」だが「我」「我々」といった言い方も好んでおり、語尾によく「~なのです」が付く。
元気で活発なムードメーカー的JKだが、本シナリオでは地獄を見ることとなる…
篠原文子(シノハラ フミコ) (43) 女
STR:6 DEX:9 INT:11
CON:7 APP:11 POW:8
SIZ:10 SAN:20 EDU:14
怪斗の母で正志の夫。一週間前に夫を亡くし、一人息子は性格が豹変して以来家に帰ってこないという状況下で自分まで殺されてしまうという不憫な立場の女性。
多田忠宏(タダ タダヒロ) (17) 男
STR:9 DEX:10 INT:15
CON:8 APP:10 POW:9
SIZ:12 SAN:45 EDU:16
〈図書館〉90% 〈物理学〉50% 〈経理〉50%
菜ノ花学園高校の生徒会長。文武両道容姿端麗才色兼備。シナリオ中で重要なポジションにあるわけではないが、探索者の行動によっては会わないこともないかと思われるので一応記載しておく。
警察官
STR:12 DEX:10 INT:13
CON:12 APP:10 POW:10
SIZ:12 SAN:0 EDU:13
〈警棒〉70% ダメージ:1D6+db 耐久力:8
〈拳銃〉50% ダメージ:1D6 攻撃回数:2回 装弾数:6
本シナリオに登場する警察官は全員、地下倉庫のミニホートによって、雛に寄生されている。
故に、シャンを探し出すこと以外の目的で動くことはない。
博物館の警備にあたっている者のみ、例外的にミニホートを守ることを目的としている。
シャンの奴隷2人
データなし。詳細は任意で良い。
シャッガイからの昆虫(シャン)
STR:2 DEX:31 INT:16
CON:2 APP:- POW:18
SIZ:1 SAN:- EDU:-
〈神経ムチ〉50%(当たると1D6時間の間STRとDEXに-1)
正気度喪失0/1D6
本シナリオの黒幕。アザトースを召喚することが目的の独立種族。本シナリオに登場する個体は、アイホートのことを非常に恐れている。
アイホート
STR:44 DEX:12 INT:25
CON:80 APP:- POW:30
SIZ:50 SAN:- EDU:- 。
〈引力〉強力な引力を発生させ、対象を自分のもとに引き寄せる魔術。この引力に逆らうためには、引力の値にSTRで抵抗する必用がある。〈引力〉の値は(ラウンド数×5)点となる
正気度喪失1D6/1D20
イギリスの地下迷宮に住む邪神。本シナリオにおけるこの邪神は、8/29日にシャンを逃してしまったことを酷く悔やんでおり、シャンを殺したくて殺したくてウズウズしている。人間にはさほど興味はないが、シャンを探すために利用している。
自身が使役する雛を人間に寄生させる能力をもっており、人間を見つけると、「雛を身に宿すかこの場で死ぬか」二択を迫る。その答えによって、アイホートは人間に雛を宿したり、押しつぶしたりする。
アイホートの雛
アイホートに使役されている白い蜘蛛のような生物。弱いので叩き潰せば死ぬが、この雛に寄生された人間はアイホートに幻惑を見せられ、操られ、たっぷり利用された上で死んでしまう。
ミニホート
・9/6(木)22:30以前
STR:11 DEX:12 INT:6
CON:20 APP:- POW:7
SIZ:10 SAN:- EDU:-
〈パンチ〉65% 1D8+1点ダメージ
正気度喪失:1/1D6
・9/6(木)22:30以後
STR:22 DEX:12 INT:12
CON:40 APP:- POW:15
SIZ:30 SAN:- EDU:-
〈パンチ〉85% 2D6+2点ダメージ
正気度喪失:1D3/1D10
多数のアイホートの雛が合体することによって出来上がる、小さなアイホート。アイホートと同じように、人間に雛を寄生させる能力を持つ。シナリオ中で成長した雛を取り込むタイミングがあるため、データを2つ所持している。
本シナリオ中は常に欧州歴史博物館の地下倉庫にいる。
アザトース
万物の父。無限の魔王。この神が召喚されると世界が滅びる。
8/22(水):正志、イギリスのブリチェスター地方に出張。
8/24(金):正志、セヴァン谷の方に希少な書籍を集めている老人が住んでいるという噂を聞く。
8/25(土):正志、セヴァン谷でシャンと遭遇。脳に入られ、精神を操られる。
8/26(日):正志、日本に帰国。すぐに神社へ行ってお祓いを頼もうとするも、シャンに妨害され叶わず。
8/27(月):正志、シャンに操られるまま9月からの特別展の準備をさせられる。
8/29(水):正志、グラーキの黙示録の内容から、アイホートにシャンを殺してもらうことを思いつき、博物館の地下でアイホートの地下迷宮へと続く〈門〉を創造しようとするも、アイホートを恐れたシャンが正志を殺害してしまい、〈門〉はほんの少し開いただけで止まってしまう。しかしその不完全な〈門〉は、近くに放置されていた『グラーキの黙示録』の魔力を吸い上げ、消えること無く維持されてしまう。
8/30(木):シャン、次の宿主を正志の息子の怪斗に決定し、彼の脳に侵入。精神を操る。
8/31(金):アイホートの雛に寄生された警察官が篠原家を襲撃。文子が殺害される。
9/1(土):シャン、怪斗の知識の中にあった『麻橋稲成神社の裏境内』に興味を示し、調査を開始する。
9/3(月):シャン、『裏境内』にたどりつく。
9/4(火):シャン、『裏境内』と『杉並区カルト板』を絡めたアザトース復活計画を立案。
9/5(水):16:30~ …シャン、怪斗を操り部室へ。オープニングシーン。
9/6(木):菜ノ花学園高校、文化祭準備期間中につき、授業は午前のみで、午後は放課となる。
0:00~…シャン、怪斗を操り部室へ。『カルト板』に宇宙を思わせる壮大な絵を描く。
11:00…シャン、適当な人間を2人捕まえ、奴隷にする。
12:00…菜ノ花高校放課 以後探索者は自由に行動できる。
22:30…ミニホート、雛を吸収してパワーアップする。
23:00…実乃里、ミニホートと遭遇。アイホートの雛に寄生される。
9/7(金):菜ノ花学園高校、文化祭準備期間中につき、授業全休。
0:00~…シャンの奴隷2人、学校に潜入し、絵の描かれたカルト板を持ち帰る。
4:00~…実乃里、メールを送る。
9/8(土):菜ノ花学園高校文化祭当日。
18:00頃…シャン(怪斗)、体育館ステージにて、アザトース召喚のための儀式を行う。
※このスケジュールは探索者たちへの公開情報である。
9/5(水):授業日。放課後(16:30)から探索可能。
9/6(木):文化祭準備につき授業は午前のみ。午後から探索可能。
9/7(金):文化祭準備につき授業なし。1日中探索可能。
9/8(土):文化祭当日。オカ研の展示スペースで展示を行うことになっている。
9/5(水):オープニングシーン。部員に自分がステージを開くから、その宣伝をしておくように命じる。
9/6(木):0:00~4:00まで、部室でカルト板に宇宙を描く。以降ずっと裏境内にいる。
11:00頃 奴隷を2人調達する。
9/7(金):0:00 奴隷2人を学校に潜入させ、カルト板を裏境内に運び込ませる。
9/8(土):17:55 奴隷2人にカルト板を学校に運び込ませる。
18:00 ステージを開演し、アザトースを招来する。
※以下に示す実乃里の行動は、探索者の動きによっては変わることも考えられる。KPは柔軟に対応すること。
また、雛に寄生された実乃里は、テレパシーによってアイホートの目的が「シャンを殺すこと」であることを理解できるし、アイホートが体験したことを全て知っている。KPは実乃里を通して探索者たちに本シナリオの背景を全て説明してしまっても良いだろう。その場合探索者は正気度ロールを行う。
○正気度ロール1/1D6
9/5(水):探索者たちと共に探索する。
9/6(木):午前中は授業を受ける。
午後から探索者と共に探索を開始。
20:00までには帰宅する。この時、カルト板用の原稿を明日までに作成しておくと豪語する。
22:30原稿のネタが切れてしまったため、白蜘蛛を探して外に出たところで、警察官たちが博物館に向かっているのを目撃する。
23:00警察官らに捕まり、ミニホートの元へ運ばれ、雛に寄生されてしまう。
9/7(金):4:00 探索者の1人に・実乃里のメールを二件送る。
これ以降、実乃里はシャンを探して麻橋稲成神社周辺を歩き回っている。探索者は神社に来れば実乃里を見つける事ができる。
着信:9月6日(木) 4:02
件名:
本文:白い蜘蛛にこれ以上関わっちゃ駄目。
あれは関わっちゃいけない存在だった。ネットの噂は本当だったんだ。
カルト板はあきらめて、この件からは手を引いて。
私みたいに、手遅れになる前に…
着信:9月6日(木) 4:04
件名:さよなら
本文:私のこと、探しちゃダメなのですよ
・PC全員登場。部室内にいるのはPC全員+種島。
・種島の口から『カルト版』が完成していないことを説明する。
・『カルト版』の内容として最近巷で噂の白蜘蛛について調べることを提案する。
・適当なタイミングで篠原怪斗を登場させ、ステージ企画について話す。
実乃里「ピンチです!!ピンチなのです~!!」
文化祭の開催を3日後に控えたこの日、私立菜ノ花学園高校オカルト研究部の部室には、1人を除き、全部員が集っていた。
騒いでいるのは2年生部員の種島実乃里。その背後には真っ白な巨大看板が立てかけられている。
実乃里「今年の文化祭は3日後に迫っているのです…なのに!!我が部のメインの展示物である『杉並区カルト板』が見ての通り、未だに真っ白なのですーーーっ!!!」
『杉並区カルト板』とは、毎年菜ノ花学園のオカ研が文化祭で展示している、杉並区のオカルト話を新聞形式で纏めた巨大看板のことである。
実乃里「『麻橋稲成神社(まばしいなりじんじゃ)の裏境内』を題材にした去年のカルト板はめちゃくちゃ評判がよかったというのに、今年はまだどの怪談をテーマにするかも決まっていません!!ぶっちゃけ超ヤバイです!!」
実乃里「…というわけで、我々は今、大至急カルト板を完成させなければならない状況にあるのです!!」
実乃里「私の方で今年のテーマにできそうな怪談…というかウワサを1つ調べてきました。」
実乃里「『白蜘蛛』のウワサなのです。最近区内でよく目撃情報が上がる、少し大きめの白い蜘蛛にまつわる話なのですが…ちょっとこの資料を見てみてください」(と言って実乃里は探索者たちに『実乃里の資料』を配る)
実乃里「ここ数日で急激に広がっている、とても話題性のあるウワサです。制作が遅れたことを逆手に取って話題性重視で攻めていこうかと。きっと今から調べれば、ギリギリ間に合うのです!」
(このあと適当なタイミングで怪斗が部室に入ってくる)
ガラッ 突如部室のドアが勢いよく開け放たれ、黒縁メガネをかけた1人の男子生徒が入ってきた。
探索者たちはこの男子生徒のことをよく知っている。オカルト研究部部長の篠原怪斗だ。
怪斗は温厚かつ真面目な性格の優等生で、オカ研の部員たちからはいつも頼りにされていた。ただし、一週間ほど前に父親が急死した影響でここ数日は学校に登校していなかったようで、部室に来るのは久々である。カルト板の制作が遅れたのも、彼の不在が大きな要因の1つと言って過言ではない。
実乃里「あ、部長!お久しぶりなのです!!」
怪斗(そっけない感じで)「あぁ…」
実乃里「そうだ部長、すみません。実はこの一週間、我々は大した活動もせずにのんびり過ごしてしまいまして、カルト板がこの通り、未だに真っ白なのです!!」
怪斗「…カルト板か、いや、いい。むしろ好都合だ。この巨大看板は僕の方で預からせてもらおう」
怪斗「今年はカルト板は用意しなくていい。そんなことより…先程、生徒会に文化祭のステージを貸してもらうように頼んできた。この巨大看板はそこで使うことにする」
実乃里「ちょ、今から新しいことに手を付けるのはさすがに無理かと思うのですが… それに、展示の方はどうするのですか?」
怪斗「どうでもいい。種島、君に任せる」
(ステージで何をやるのかと聞かれたら)
怪斗「ショーを開演しようと思ってね。とびっきりのオカルトショーを。…まぁ、このショーは準備も本番も僕1人で進めるから、君たちは気にしなくていい」
怪斗「じゃあ、僕はさっそく準備に取り掛かる。土曜日の夜に枠を取ったから、それまでに宣伝だけしておいてくれ」
言うと怪斗は部室から出ていってしまう。
実乃里「うーん、こうなったら仕方ないのです!部長も不幸なことがあって精神的に疲弊しているのかもしれないですし、我々だけでカルト板を完成させるのです。幸いなことに、巨大看板のスペアはまだ残っているのですから!」
《某SNSに投稿された『白い蜘蛛』にまつわる話》
●最近杉並区でよく白い蜘蛛大量発生してね?めっちゃ見るんだけど。
●さっきでっかい白い蜘蛛に足噛まれた。すぐ踏み潰したけど、なんか生き物じゃなくてゼリーみたいな感触で、マジきもい
〉でっかいって、どんくらい?
〉〉こぶし大くらいはあったと思う
●杉並区の住民は白い蜘蛛に気をつけろ、見つけてもぜったいに関わるな。俺みたいに寄生されちゃ、もう手遅らななあ
〉は?
〉寄生されて頭おかしくなったとか?ww
〉なにこれ。まじ気味悪いからやめてほしい。
オープニングシーン(水曜16:30頃)から、最長で文化祭オカ研ステージ終了(土曜18:00過ぎ)までを探索可能時間とする。KPは以下に示すイベントの発生時刻に気をつけながら、探索者の行動に合わせて、該当する項目を参照すること。
・9/5(水) 通常授業日
16:30~:オープニングシーン。怪斗は部室を出ていった後、『裏境内』に向かう。
・9/6(木) 菜ノ花学園高校、文化祭準備期間中につき、授業は午前のみで、午後は放課となる。
0:00:怪斗が夜の学校に潜入し、部室に行って『カルト板』に宇宙を思わせる壮大な絵を描く。
4:00:絵が完成し、怪斗は部室から出ていく。
11:00:シャンが『麻橋稲成神社』の近くを通りかかった適当な人間を2人捕まえ、奴隷にする。
12:00:菜ノ花高校放課 以後探索者は自由に行動できる。
22:00:アイホートの雛らに寄生されていた警察官らが一斉に欧州歴史博物館へと向かい始める。
22:30~:博物館敷地内にて、ある程度まで成長していた雛たちが、警官たちの腹を食い破って外に出てきて、ミニホートの元に集合、合体する。以後、ミニホートは本体のアイホートを杉並区に呼び出すため、〈門の創造〉の呪文の準備に着手する。これ以降、博物館から警察官がいなくなることに注意。
23:00:実乃里、博物館へ行き、ミニホートに発見される。以降、実乃里には雛が寄生してしまい、シャンを探しだすことを第一目標とする点に注意。
・9/7(金):菜ノ花学園高校、文化祭準備期間中につき、授業全休。
0:00~…シャンの奴隷2人、学校に潜入し、絵の描かれたカルト板を裏境内へ持ち帰る。
4:00~…実乃里、探索者にメールを送る。
・9/8(土):菜ノ花学園高校文化祭当日。
18:00頃…シャン(怪斗)、体育館ステージにて、アザトース召喚のための儀式を行う。
①聞き込みを行う場合
時間をかけて聞き込みを行うことで、〈幸運〉で判定できる。成功すると以下の情報が手に入る。
・欧州歴史博物館の周辺での白蜘蛛目撃情報が多い。
・何かの物陰や、タンスと壁の間など、通常人の目に触れないようなところにいることが多い。
②図書館で調べる場合
虫の図鑑等を調べるのであれば〈生物学〉に+1D3してよい。情報は何も出ない。
③ネットで調べる場合
〈図書館〉の1/2に成功することで以下の情報が手に入る。時間はさほどかからない。
・8/29日のSNSの書き込み「欧州歴史博物館来てみたら展示スペースになんか白い団子みたいなのがあった。なんだろうと思って近づいてみたら動いた。蜘蛛だった。展示物じゃなかった。最悪。タヒね。(白いダンゴのような蜘蛛の添付画像付き)」
この博物館の館長は篠原正志。部長(怪斗)の父親であり、一週間前(8/29)に急死している。
また、それから一週間の間、博物館はずっと休館しているらしい。
名前の通りヨーロッパの歴史にまつわるものを展示している。
8/29(水)に館長が亡くなったことを理由に、暫くの間休館することと、再開時期は未定であるということが記載されている。それ以降、サイトが更新された形跡はない。
また、公式サイトには博物館事務棟につながる電話番号も記載されているが、この番号に電話をかけても誰も出ない。
入口を始め、施設内の至るところに警察官が立っている。〈心理学〉ロールに成功すると、この警察官らがなにかに怯えていることがわかる。
警察官たちはアイホートの雛に寄生されており、弱体化しているミニホートの命令で、部外者を中に入れないように警備しているが、恐怖に怯えて集中力は散漫であるため、探索者が〈隠れる〉〈忍び歩き〉等で施設内に侵入しても気づかないかもしれない。
展示室ではなく、業務員が働いている建物。詳細はマップ参照。建物の入口には鍵がかけられている。トイレにはとくに目立つものはない。
入ると、上半身のみがなにかに押しつぶされたかのようにミンチになっている死体を嫌でも発見してしまう。この死体を見た者は正気度ロールを行う。
○正気度ロール1/1D6
デスクの上に一冊の本が乗っている。本のタイトルは『グラーキの黙示録Ⅳ』
〈ほかの言語(英語)〉ロールに成功すると、二時間ほどで内容を斜め読みできる。失敗した場合は、斜め読みでも6時間以上かかってしまう。
これを読んだ者は正気度ロールを行い、クトゥルフ神話技能に+5%する。
○正気度ロール1/1D6
また、この本と『正志の日記』の両方を読んだ者は〈アイデア〉ロールを行う。
成功した場合、正志が〈門の創造〉を用いてアイホートと接触し、アイホートに自身の中にいる何らかの邪悪を殺してもらおうと考えていたことがわかる。この事実を知った者は、狂気を孕んだkの考えに恐怖を覚えることだろう。正気度ロールを行う。
○正気度ロール0/1
イギリス、ブリチェスター地方の地下迷宮に住む邪神。『アイホートの雛』と呼ばれる、白い蜘蛛のようなものを使役している。
雛を人間の中に寄生させることができ、寄生された人間は雛が見せる厳格によって苦しむこととなり、アイホートの命令に逆らえなくなる。
POWとマジックポイントを1D2点消費することで、アイホートの地下迷宮へとつながる門を創造することができる。この時失われたPOWとマジックポイントは永久に回復しない。
また、自分が開けた門は好きなタイミングで閉じることができるが、他人が開けた門は〈門の創造〉を習得している者がマジックポイントを1D3点消費しない限り閉じることはできない。術者が死んだ場合、その次のラウンドの終了時に門は自動的に閉じられる。
〈門の創造〉には魔法陣が必要だが、黙示録にはその魔法陣の描き方も記載されている。魔法陣を描くのに必要な時間はおよそ2時間である。
〈門の創造〉を使用し、魔法陣と地下迷宮がつながると、アイホートは魔法陣側にいる者を迷宮に引きずり込むため、強力な〈引力〉を発生させる。この〈引力〉に逆らうためには、〈引力〉の値にSTRで抵抗する必要がある。
〈引力〉の値は(ラウンド数×5)点となる。
長机の上にはたくさんの企画書や宣伝ポスターがある。具体的には9月から開催する予定だった特別展の目玉となる展示品らしい『欲物のコンパス』に関する情報が主のようだ。
ここで〈図書館〉ロールに成功すると、以下の情報が記載された資料が発見される。
欲物のコンパス:納品済み
地下倉庫N-5ブロックに保管
広くてでかい展示スペースを有する。ヨーロッパの歴史に関する貴重な資料が数多く展示されているが、シナリオ的にめぼしいものはない。
マスターキーを使わないと中に入ることはできない。
地下倉庫につながる業務用エレベーターはマスターキーを使用することでここから動かせる。
大きな柱が数本天井を支えており、その柱1本1本に『N-1』『S-3』といった番号が振られている。
〈ナビゲート〉+20%に成功することで、目的の区画に行く事ができる。
また、9/6(木)22:30以降にこの場所を訪れた者には、嫌でも身体を内側からえぐられたような、大量の警察官の死体が目につくだろう。この光景を見た探索者は正気度ロールを行う。
○正気度ロール1/1D6
《ラウンド進行の発生条件》
この空間にはミニホートが存在している。ミニホートは常に地下倉庫内を徘徊しており、足音が響いているため、探索者が気をつけていればまず遭遇することはない。しかし、探索者が一箇所で止まって作業をしたり、エレベーターの起動音やシャッターを開ける音、狂喜に陥った際の叫び声などの大きな音を響かせてしまった場合には〈幸運〉ロールに成功しなければならない。もし誰か一人でもこのロールに失敗したら、即座にラウンド進行に入る。
第1ラウンド目の間は、探索者に恐怖を与える暴力的な足音が近づいて来ることがわかるだろう。探索者はその間に〈隠れる〉に成功しなければならない。もし失敗したら、2ラウンド目に姿を表すミニホートに発見されてしまうだろう。
ミニホートに発見された最初のラウンドでは、ミニホートは探索者に「自身の雛を身に宿すか、ここで死ぬか」どちらか片方を選択するように迫る。前者を選んだ場合は、探索者の身に雛を植え付けた後にまた地下倉庫内を歩き回り始める。後者を選んだ場合は、そのまま戦闘に入る。
KPは、探索者が相応の判定に成功すれば、ミニホートから逃げることができるとしても良い。
9/6(木)22:30以前は、雛を人間に寄生させて育てつつ、シャンの居場所を探っていたが、それ以降は博物館の地下倉庫にある資材を使用して、自身の本体であるアイホートの元へとつながる〈門〉を創造しようとする。まったく邪魔をしなかった場合、〈門〉が出来上がるのは、9/8(土)18:00頃になるだろう。
〈目星〉に成功することで『欲物のコンパス』を発見することができる。
探索者が進むべき方向を示す、魔法のコンパス。
9/8:17:30以前は麻橋稲成神社の方角を指し、神社の境内に入るとまた別の方角を示す。(詳細は【麻橋稲成神社】参照)
9/8:17:30以降は菜ノ花学園高校の体育館ステージの方向を示す。
一般的な2階建て家屋。正志、文子が死に、怪斗が家に帰らないため、家の中には誰もいない。
鍵は開けっ放しとなっている。
1Fにある
文子の死体がある。家の中を探索していると嫌でも目についてしまう。
この死体を見た探索者は正気度ロールを行う。
○正気度ロール0/1D4
2Fにある
部屋全体に、人が暴れたような形跡がある。
デスク:〈目星〉ロールに成功すると『怪斗の日記』を発見できる。
ベッド:情報なし。酷く荒らされている。
本棚:オカルト本が多い。〈図書館〉ロールに成功すると『杉並区の地図』を発見できる。
8/26(日) お父さんが日本に帰ってきた。何か酷く疲れている様子だったけれど、仕事がうまくいかなかったのだろうか?
8/27(月) 昨晩、お父さんが部屋で「痛い痛い」「助けてくれ」と喚きながら暴れていた。途中なんとか落ち着いたみたいだけど、大丈夫だろうか。一応病院に行くことを勧めてみたが、聞く耳を持ってくれなかった。
8/29(水) お父さんが死んだ。お医者様は脳卒中だって言っていたけれど、本当にそうだろうか。最近のあの苦しみ方は明らかに異常だった。まさか、心霊的な呪いでないとは思うけど… お父さんの出張先だったイギリスのブリチェスター地方には興味深い都市伝説も多い。もし、お父さんが世界の裏側の一端に触れてしまっていたのだとしたら…
それより後の日付のことは、日記には記載されていない。
地図上には、おおよそ地球上に存在するとは思えないような禍々しい文字がびっしりと書かれていた。その中に一語だけ、日本語で『裏参道』と書かれている。
この地図に書かれている禍々しい、正体不明の文字を見た探索者は正気度ロールを行う。
○正気度ロール0/1
2Fにある
部屋全体に、人が暴れたような形跡がある。怪斗の部屋のそれよりも数段酷い荒れ方をしている。
デスク:〈目星〉ロールに成功すると、欧州歴史博物館の『マスターキー』を手に入れることができる。
ベッド:とくに酷く荒れている。
本棚:倒れており、本は床に崩れている。〈図書館〉ロールに成功すると、『正志の日記』を発見できる。
博物館のすべての扉のロックを解除することができるカードキー。
8/15(水) 今日からブリチェスター入りだ。我が欧州歴史博物館の発展のため、よりよい展示品となるものを譲っていただけると良いが…
8/17(金) 交渉は難航している。きっと目的の、大航海時代初期の羅針盤は手に入らないだろう。しかし代わりに興味深い噂話を耳にした。セヴァン谷の方にある森の奥に骨董品を集めているご老人が住んでいるらしい。興味深いことに、そのご老人はイギリスでも稀にしか見かけない貴重な書籍を所持しているという。是非一度お会いしてみたいものだ。
8/20(月) 交渉は決裂した。羅針盤は断念だ。手ぶらで日本に帰るのも悔しいので、明日、ダメ元でセヴァン谷へ行ってみることにする。
8/22(水) (以降、筆跡が酷く荒れている)なんということだ、最悪だ!まさか噂の正体がこんなにも忌々しいものだったなんて!本は手に入れたが、代償に私の中に奴が、奴が…!! …頭が割れそうだ。とにかく、急いで帰国して、有名な神社や寺でお祓いをしてもらおう。
8/26(日) ダメだ。神社に行こうとしても私の中に潜む悪が邪魔をする。奴が使うムチを受けると思うように身体が動かない。このままでは私自身の手によって無限の混沌が… 何か、何か阻止する手立てはないか…
8/27(月)あった、あったぞ!!答えはブリチェスターから持ち帰った本の中にあったんだ!!この本に書かれている神ならば私の中に潜む悪を滅ぼすことができるだろう。その代償として私の命は潰えることになるが、この耐え難い苦痛と言い表せないほどの恐怖から開放されるというのならむしろありがたいことだ。さっそく準備にとりかかろう。場所は…そうだな。博物館の地下倉庫ならば他に人も来ないし、きっと適しているだろう。
この日記を見た者は正気度ロールを行う
○正気度ロール1/1D4
カルト板を作るための白い巨大看板のスペアや、去年のカルト板が置かれている。
また、9/6(木)の間は宇宙の絵が描かれたカルト板が放置されており、9/7(金)にはそれが消えている。
宇宙の絵が描かれたカルト板を見た者は、そのあまりの禍々しさに恐怖を覚え、正気度ロールを行う。
○正気度ロール0/1
去年の文化祭でオカルト研究部が発表したカルト板。主に杉並区の小学生の間で噂になっていた心霊スポット。杉並区内で有名な麻橋稲荷神社の境内にあるらしい、目には見えない『裏参道』を一直線に進むと、この世界とは別の時空に存在する『裏境内』に入れるらしいという噂。
オカルト研究部員はこの噂の真相を突き止めるため、まる1日神社の境内を歩き続けたが、だれも裏境内に入ることはできなかったという。
生徒会長の多田や、他の生徒会会員がいる。いくら交渉してもステージは中止にはならないので注意。
ちょっとした山の頂上にある神社。山の麓からおよそ50段の階段をのぼることでたどり着ける。階段には、稲荷神社らしくたくさんの鳥居が設けられている。山には木が生い茂っており、階段以外の場所から登るのは困難。
〈目星〉の1/5に成功した者には、もしかしたら逃げていく狐の姿が見えるかもしれない。(このロールは、この神社の神様である狐がシャンから逃げている様をフレーバー的に演出するためだけのものなので、スルーしても構わない)
また、殆どの場合この神社の裏境内には怪斗(シャン)が居り、9/6(木)昼頃からは、シャンの奴隷となった男2人もいる。
9/7(金)4:00以降は、シャン(怪斗)を探して実乃里(雛寄生)もこの付近を歩き回っている。
9/8(土)17:30以前に欲物のコンパスを持った状態でこの神社の境内に入ると、針は拝殿の方を指し示す。
拝殿に向かうと、こんどはあらぬ方向を指し示す。その方角にはなにもないように思えるが、この針が示す方角に『裏参道』がある。ここをまっすぐ進むと、赤い空と赤い針葉樹に囲まれた不気味な空間『裏境内』に入ることができる。裏境内に入った探索者は、自身が体験した摩訶不思議な現象に対して正気度ロールを行う。
○正気度ロール0/1
9/8(土)17:30以前の時間に裏境内に入ることができれば、探索者は、怪斗(シャン)と対面できるだろう。
9/8(土)17:55に怪斗(シャン)が奴隷2人に宇宙の絵が描かれたカルト板を運ばせながら学校にやって来る。怪斗(シャン)はそのまますぐにステージに上がり、パフォーマンスを始める。
怪斗「この度は、私共、オカルト研究部のステージにお越しいただき、誠にありがとうございます。今宵お見せするのは、世にも珍しきオカルトショー。皆様が一生のうちで一度しか体験しないであろう恐怖と驚きがもたらされることをお約束いたします」
言うと怪斗はカルト板に描かれた宇宙に客の注目を集める。
怪斗「この絵が示しますは、父なる混沌、無限の魔王、宇宙と等しき存在…我々はこの絵が示す存在に、畏怖と敬意を持って祈らなければなりません」
客席から苦笑が漏れる。観客は完全にパフォーマンスだと思いこんでいる。
怪斗「それでは、いまから私が祈りの呪文を唱えますので、皆様もあとに続いてご唱和ください…いあ!いあ!あざとーす!!」
観客「いあ いあ あざとーす」
これが何度か繰り返された後に、宇宙の絵が揺れ動く。観客達は他に例えようのない恐怖に呑まれることとなるが、もう遅い。シャンの手によってアザトースが召喚されてしまう。
本シナリオの正規攻略ルートである【トゥルーエンド】にたどり着くために必ず必要となる、〈門の創造〉を用いたシャンとの戦闘ルールをここに記載する。この戦闘を行う場所は、シナリオの展開上『麻橋稲成神社裏境内』か『菜ノ花学園高校文化祭ステージ』のどちらかになると思われるが、どちらの場所でも同じルールを使用すること。
この戦闘は、探索者が〈門の創造〉を使用してアイホートの地下迷宮と日本をつなげ、アイホートの〈引力〉によってシャンを〈門〉の向こうへ吸い込ませることを目的としている。
・探索者たちが『グラーキの黙示録』を入手し、その内容を理解していること
・探索者たちと怪斗が対面していること(場所は裏境内でも学校でも構わない。ステージ上でも良い)
・探索者たちが〈門の創造〉に使用する魔法陣を準備していること
・DEX順にラウンド進行を行う。探索者は自身の行動が回ってきたら用意した魔法陣を使用して〈門の創造〉を使用する事ができる。
・〈門の創造〉が発動すると同時に、アイホート(DEX:12)がラウンド進行に参加してくる。探索者の元にやってくるわけではなく、〈引力〉だけでの参加となるが、この邪神が発する禍々しいオーラは門の向こうからでも確実に探索者たちの正気を蝕んでくる。
○正気度ロール1D2/1D8
また、門の奥に吸い込まれた者は死ぬ。
・アイホートは毎ラウンドの自分の行動で〈引力〉を発動し、それ以外の行動は起こさない。
・〈引力〉の抵抗判定を行う際、怪斗とシャンは別々に判定を行う。シャンのみが失敗した場合はシャンのみが門の奥へと吸い込まれ、怪斗のみが失敗した場合は怪斗のみが門の奥へと吸い込まれる。
強力な引力を発生させ、対象を自分のもとに引き寄せる魔術。この引力に逆らうためには、引力の値にSTRで抵抗する必要がある。
〈引力〉の値は(ラウンド数×5)点となる。
もしもこのラウンド進行の場に、雛に寄生された実乃里がいた場合、実乃里は〈門〉が閉じる寸前に自ら門の奥へと消えていく。
実乃里「私はもう、こっちにはいられないのです。バイバイ、みんな。シャンを倒してくれて、ありがとう…」
本シナリオに想定されるエンディングは以下の6種類である。このうち【トゥルーエンド】と【アナザーエンド】の2つのみが、このシナリオをクリアできるエンディングとなる。ただし、これらのエンディングに辿り着く以前に、探索者が『アイホートの雛』に寄生されていた場合は、探索者はシナリオクリア後に死亡してしまう。
シャンがアザトースを召喚してしまうエンディングである。
・アザトースが召喚される
気が狂うような太鼓の音と、噛み殺すように単調なフルートの音色が響く
暗い暗い深淵の中から、冒涜的な言辞を吐き散らす無限の魔王がその姿の片鱗を顕にする。
怪斗「あぁ、王よ!偉大なる我らが魔王よ!!その溢れんばかりの力で、この矮小なる青き星を踏みつぶし、我らを宇宙へと解き放ち給え!!いあいあ!あざとーーーす!!!!」
広い広い宇宙の端の、小さな小さな青い惑星が、今、終わりを迎えた。
地球滅亡につき、探索者全員死亡
ミニホートないしアイホートに殺されるエンディング
・雛を宿すかこの場で死ぬか迫られた際に、「この場で死ぬ」を選択する もしくは 〈門〉を開いた際に探索者全員が〈引力〉で吸い込まれる
死ぬ。
アイホートの雛らがシャンを発見するエンディングである。雛たちは1つに集まり、ミニホートとなって、強大な魔力で結界を形成し、シャンを逃さないようにするため、探索者たちも逃れる事はできない。
・多数のアイホートの雛(に寄生された人物)と怪斗(シャン)と探索者たちが同じ場所にいる(雛の数が20匹以下であればこのエンディングに進む条件には値しない)
・【オールエンド】の条件を満たしていない
べりりりりり。ぐちゃ、べちゃべちゃべちゃ
不快な音を立てながら、人肉を食い破り、忌々しい白蜘蛛が姿をあらわす。
その蜘蛛たちは1つに集まり、巨大な白入道の姿を形どり、邪悪を宿す怪斗の身体を踏み潰した。
(その後探索者に向かって選択を迫る)
ミニホート「矮小なる者よ、選択せよ。我が雛をその身に宿すか、この場で死を選ぶか…」
この選択は君たちにとって意味をなさない。なぜなら、どちらの道を選んでも、結局その先にあるのは『死』のみだからである。
ミニホートに迫られた選択は、どちらを選んでも結局は死んでしまうため、このエンディングで探索者が生き延びる道はない。
バッドエンドAの派生エンディングである。正規の攻略ルートではないが、これでもシナリオはクリアできる。地下倉庫にいたミニホートは、自身の雛らがシャンを殺したことをテレパシーで感じ取ってから、〈門〉を想像してアイホートのもとへ帰っていった。
・多数のアイホートの雛(に寄生された人物)と怪斗(シャン)が同じ場所にいる(雛の数が20匹以下であればこのエンディングに進む条件には値しない)
・その場に探索者たちが居合わせていない
・【オールエンド】の条件を満たしていない
文化祭から数日が経過した。いま杉並区では、欧州歴史博物館の地下での警察官の大量死の原因を調べるため、全国から大量の警察官が動員されている。地下倉庫にいた、小さなアイホートはいつの間にか消えてしまったようだ。ともあれ、これ以上杉並区が宇宙的な恐怖に脅かされる心配はないだろう。
シナリオクリア!
〈門の創造〉の準備をせずにシャンと対決しようとした場合に進むエンディング。探索者たちはシャンの神経ムチによって気絶させられてしまう。
《このエンディングに進むための条件》
・〈門の創造〉の準備をせずにシャンと対決しようとする
・【オールエンド】【バッドエンドA】【アナザーエンド】の条件を満たしていない
怪斗は探索者の姿を認めると、めんどくさそうに顔を歪める。
怪斗「興ざめだな…全く、君たちごときが何をしようっていうんだ」
瞬間、怪斗の頭から黒い何かが飛び出してきて、目にも止まらぬ速さで君たちの眼前に迫る。
バチッ
君たちの意識はここで途切れてしまった…
このあと探索者たちは、シャンがアザトースを召喚するまでずっと気絶している。結末は【オールエンド】と同じになる。
本シナリオの正規の攻略ルート。シャンをアイホートに殺してもらうエンディング
・◎本編(VSシャン)に記載されている戦闘ルールを用いて、シャンを〈門〉の向こうへ吸い込ませた後に、門を閉じること
・他のエンディングに進むための条件を満たしていないこと
(このエンディングに辿り着くために、探索者が全員生き延びている必要性はない)
このエンディングに進んだ時点で、もし怪斗が生きていたら、彼は多少正気を取り戻しているかもしれない。
また、実乃里が雛に寄生されていなかったら、きっと生き延びていることだろう。
しかし、探索者が少なからず死んでしまっている可能性も否定はできない。
よって、KPはそのとき探索者が置かれている状況を客観的に分析して、その場に合った演出を行うこと。
シャンの野望は打ち砕かれた。アイホートは、シャンを滅ぼすことに成功したので、博物館の地下にいたミニホートを撤退させる。こうして、杉並区には平和が戻ってきた。 シナリオクリア!
以下に示すのは本シナリオをクリアした際にもらえる報酬である。
ただし、死亡した探索者はこの報酬をもらうことはできない。
・【トゥルーエンド】を迎えた場合:1D8正気度回復
・【アナザーエンド】を迎えた場合:1D6正気度回復
・種島実乃里が雛に寄生されなかった場合:1D4正気度回復
・篠原怪斗が死亡しなかった場合:1D4正気度回復
・他探索者が死亡していない場合:1D10正気度回復
・グラーキの黙示録Ⅳ
・欲物のコンパス
①篠原家探索。『正志の日記』『杉並区の地図』を読み、『マスターキー』を手に入れる。
②欧州歴史博物館探索。『グラーキの黙示録Ⅳ』を読み、『欲物のコンパス』を手に入れる。
③部室にあるスペアのカルト板等に〈門の創造〉に必要な魔法陣を描く。
④シャンのいる場所(裏境内/文化祭ステージ)にて、〈門の創造〉を発動し、シャンを門の向こう側へ吸い込ませた後、門を閉じる。
最低でもこの4行程は踏まなければならない。
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