2018年12月11日更新

【SW2.5チュートリアル】新人冒険者のための探索指導塾

  • 難易度:★|
  • 人数:3人~5人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

ソードワールド2.5の世界観とルールを初心者に把握してもらうためのシナリオです。

シナリオ本編は[描写][セリフ]〔GM用メモ〕に分けられており、順番通りにシナリオを読み上げるだけでセッションを進めることが可能。そのため初心者GMにも優しい仕様となっており、基本ルールブックⅠさえ持っていれば誰でも気軽に回すことができます。

チュートリアルの他、布教用にも是非。

シナリオに関する質問等がございましたら、当シナリオの感想欄か弊垢プロフィール欄に記載されているTwitterアカウントのDMまでお寄せください。

※SW2.5はグループSNE様の著作物です。

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ソードワールド2.5初心者チュートリアル用シナリオ『新人冒険者のための探索指導塾』

【概要】

ソードワールド2.5の世界観とルールを初心者に把握してもらうためのシナリオです。チュートリアルの他、布教用としても使うことができ、GM難易度も高くなく、気軽に回すことができます。フェローシートが必要となる点のみ注意してください。

【レギュレーション】

初期作成PC3~4人用(+フェロー1人)
PC共通ハンドアウト有り。

【使用ルールブック&サプリメント】

[必携] ソードワールド2.5基本ルールブック1
[選択] その他のルールブック&サプリメント

【あらすじ】

 新人冒険者であるPCたちは、ベテラン冒険者のガルファングが開いている冒険者育成用の私塾に通うことにした。私塾で学ぶ期間は二日間。一日目は座学で冒険者として必要最低限の基本知識を学び、二日目は実戦として森を探索する。
 PCたちと人間の少女クローイは、パーティを組んで二日目の探索を共に行うことにしたのだが、突然目の前に現れた《奈落の魔域(シャロウアビス)》に吸い込まれてしまい、他のパーティから孤立してしまう。
 ガルファングに助けを乞うこともできず、頼れるのは己の実力のみ。果たして一行はこの《奈落の魔域》から脱出することができるのか!

【登場人物】

◎クローイ 人間/女/16歳

赤髪とそばかすが特徴的な村娘。冒険者に憧れて街まで出てきた。戦闘時はフェローとして、PCたちの指示に従いながらプリースト技能の神聖魔法を使用する。平時は敬語で会話するが、慌てると村の訛りが出る。一人称は「わたし」又は「おら」 訛り時は語尾に「~だべ」が付く。

◎ガルファング リカント/男/69歳

年老いた狼のリカント。昔は蛮族共を蹴散らし大暴れしていた一線級の冒険者だったが、今は現役を退き、私塾を開いて新人冒険者の育成を行っている。尚、現役時代のゴリゴリな肉体は今も衰えていない。一人称は「俺」

◎ビピルベック グレムリン(蛮族)/男/?歳

PCたちが吸い込まれた《奈落の魔域》に住む蛮族たちのボス。ボルグとゴブリンを従えている。通常のグレムリンよりも賢く、交易共通語を扱える他、部下に指示を出しながら戦闘を行うことが可能。また、真語魔法の扱いにも長けている。一人称は「おれさま」 語尾は「~ッピ」 笑い方は「ビーッピッピ!」

【PC共通ハンドアウト】

君たちはまだ一度も冒険に出たことのない新人冒険者である。冒険者の殉職率は新人が圧倒的に高く、その理由として、『冒険のいろは』をまだよく知らないことが上げられている。
 そんな未来ある若者を死なせないため、この街には新人冒険者に教育を施す『ガルファング探索指導塾』という私塾があった。数々の優秀な冒険者を排出してきた実績のある、国内でも有名な私塾だそうだ。堅実な君たちは、はじめての冒険に出る前に、その私塾で勉強していくことにした。

【本編】

◎場面1:入塾

[描写]
 君たちは新人冒険者に必要な教育を受けるため、『ガルファング探索指導塾』にやって来た。その門前には自分を含め(PC人数+1)人の人が集まっていた。服装からして、全員自分と同じ新人冒険者の受講生だろう。
[セリフ1]
クローイ「あ、あの、みなさんも受講なさるんですか?」
クローイ「私、クローイっていいます。短い間ですけど、よろしくおねがいします!」
クローイ「あの、さっそくですけど、中に入りませんか?」
[描写2]
 塾の中に入ると、筋骨隆々としたスキンヘッドの老リカントが待ち構えていた。その手には木刀が握られており、君たちが入ってくるなり鬼のような威圧感を放ちつつ、君たちを睨みつけてくる。
[セリフ2]
 ガルファング「なんだ小童共。ここへ何をしに来た」
 ガルファング「受講生か…。こんなモヤシ共が冒険者とは、先が思いやられる」
 ガルファング「俺の名はガルファング。言わずともわかるたァ思うが、この塾のボスだ。この塾で学ぶのならば、俺の言うことには絶対服従してもらうぞ。返事は『イエス・サー』だ!!」
 クローイ(&PCたち)「いえす、さー!」
 ガルファング「声が小さい!!」
 クローイ(&PCたち)「イエス・サー!!」
 ガルファング「うむ。開講までまだ少々時間がある。それまで奥の講堂で待っていろ!」
〔GM用メモ〕
PCたちが入塾する様子を描写する。門前に集まっているのはPC全員+クローイ。可能なら、GMはクローイを利用して皆で自己紹介をするように促すと良いだろう。
 私塾に入ると、ガルファングが威圧してくる。あまりの怖さに逃げ出してしまうPCがいるかもしれないが、うまく対処して次の場面につなげてほしい。(丸投げ)
 尚、PCの中に数人「イエス・サー」と返事しない者がいても、気にせずに進めてしまって構わない。そのPCが言いたくないことを無理やり言わせる必要はないのだ。
 受講料等は前もって支払っているということにしておくと良い。

◎場面2:一日目、座学

〔セリフ1〕
 クローイ「ふぇぇ、塾長えげつなかったべ~。おらもう膝がガクガクだべ…」
 (訛りを指摘されたら)クローイ「!? …いや、その、なんでもないですよ…?」
[描写1]
 そんなことを言いながら、一行は講堂にやって来た。講堂と言ってもあくまで私塾。広さはギリギリ30人が入れるかどうかといったところだ。既に他の受講生が10人ほど集まっていた。
 一行が席についてしばらく待つと、「キーンコーンカーンコーン」と鐘が鳴った。その瞬間、講堂の扉がバン!と勢いよく開け放たれ…
[セリフ2]
 ガルファング「時間だァ!!全員席に着け!!」
 受講生「イエス・サー!!!」
[描写2]
 受講生たちが一斉に起立し、規則に則った返事をした。
[セリフ3]
 ガルファング「まず、この塾のルールについて説明する。この塾の講義は二日間にまたがって行われる。一日目は座学。この講堂で冒険者に必要な知識を脳みそにシミができるまで叩き込んでもらう。二日目は実戦。少人数でパーティを組んで森の探索を行い、規定の探索物を持ち帰ってもらう。わかったか!?」
 受講生「イエス・サー!」
 ガルファング「よろしい。では、講義を始める!!」
[描写3]
 ガルファングは黒板に板書をしつつ、「冒険者のいろは」とでも言うべき基本的な知識の解説を始めた。冒険者は基本的チームを組んでにパーティ単位で行動すること。怪しいものを見つけたら『探索判定』をすること。魔法を行使するときは射程や形状に気をつけること。蛮族などと戦闘になった場合は前衛が敵に接近する前に支援をかけること。それらは言い換えれば、冒険をする上で欠かせない心得のようなものであった。
 一通りの心得の解説が終わった後、「最後に」と付け足す形で、ガルファングは今後君たちが出会うことになるであろう脅威について少しだけ語ってくれた。
[セリフ4]
 ガルファング「俺たちが暮らす、この『アルフレイム大陸』には、時折《奈落の魔域(シャロウアビス)》っつーもんが現れる。《奈落の魔域》の中は蛮族共がうようよいる異世界に通じていて、お前らみたいなモヤシ共が入っちまうとそう簡単には帰ってこれねえ。万が一《奈落の魔域》に入っちまっても《奈落の核(アビスコア)》を探し出して破壊すれば外に出ることができるが…まぁ、可能なら関わらねぇのが一番だ」
ガルファング「北の空にオーロラが浮かび上がったら注意しろ。そのオーロラは、次に《奈落の魔域》が現れる場所を指し示す。もし近くに《奈落の魔域》ができるようなら、一目散にその場から遠ざかるこったな」
[描写4]
 そう言うガルファングの表情は、今日の講義の中で最も真剣であった。
「キーンコーンカーンコーン」…再び講堂に鐘の音が鳴り響いた。
[セリフ5]
 ガルファング「よぉし。今日の講義はここまで!受講生には寝泊まりできる部屋を用意してある。雑魚寝だが、明日の実戦に向けてしっかり身体を休めておけよ。では解散!!」
 受講生「イエス・サー!」
[描写5]
 鐘の音が鳴り終えると同時に、ガルファングは講堂から退室した。
〔GM用メモ〕
一日目の講義の様子を描写する。とくに描写3とセリフ4は今後の展開の伏線にもなっているため、確実に演出してほしい。
場合によっては、PCが講義中にガルファングに質問をすることもあるだろう。その場合、GMは適切な答えをガルファングの口から返してやると良い。ガルファングは経験豊富な元冒険者であるため、大抵の質問には答える事ができる。

◎場面3:夜の談笑

[描写1]
 夜。受講生たちはガルファングに案内された大部屋で、武器を磨くなり本を読むなり、この一日で親しくなった者と談笑するなど、各々自由時間を過ごしている。君たちも、クローイを交えての談笑を楽しんでいた。
[セリフ1]
 クローイ「こうして夜までみんなでわいわいするのも楽しいものですね」
 クローイ「明日は実践かぁ。わくわくするなぁ」
クローイ「そうだ! 皆さん、明日の実戦探索で、一緒にチームを組みませんか?」
クローイ「ガルファングさんも、冒険者はチームを組んで行動するものだっておっしゃっていたじゃないですか」
(PCたちが皆でチームを組むことを承諾したら)クローイ「やった!よろしくおねがいします!」
〔GM用メモ〕
 夜に寝静まる前のクローイとPCたちの会話を描写する。この場面の目的は、翌日の実戦でPCたちとクローイがチームを組むことにあるため、その障害となりそうなPCの設定や発言には注意しておくと良い。
 尚、男女共同の大部屋での雑魚寝となっており、かなり騒がしくしているが、ガルファングが注意しに来ることはない。何故ならガルファングは現在、2日目の実戦演習の準備のために夜の森に入っており、塾内に不在だからである。

◎場面4:二日目、森へ

[描写1]
 翌朝。早朝4時。
[セリフ1]
 ガルファング「起きろモヤシ共!!森に行く時間だ!!さっさと支度しろォ!!!」
[描写2]
 まだ日の昇らないうちにガルファングに叩き起こされた君たちは、眠い目をこすりながら朝食をとり、意識が覚醒しないままに塾を出発。4時間ほど歩いて、午前9時頃に森に到着した。
[セリフ2]
 ガルファング「到着だ。整列しろモヤシ共!!」
 受講生「イエス・サー!!」
[描写3]
 流石に眠気は覚めていた受講生たちがお決まりの返事をし、二列に分かれて整列した。
[セリフ3]
 ガルファング「昨日も言ったとおり、ここから先は実戦形式の演習になる。この森には予め俺がいくつかの『コイン』を隠しておいた。お前らにはこの『コイン』を1人1つ以上探し出してもらう。…ただし、当然だが生半可な隠し方はしていない。見つけるのは至難の業だと思っておけ」
 ガルファング「昨日の講義で学んだことを思い出し、各自、自分にできることをよく考えて行動することだ。わかったな!?」
 受講生「イエス・サー!」
 ガルファング「では解散!」
[描写4]
 こうして二日目の実践演習が幕を開けた。
〔GM用メモ〕
 森へ移動した様子を描写する。この場面はPCたちに『コインを探す』という目的を与える重要な場面である。PCたちは目的がないとGMの想定通りに動いてはくれない。ここでしっかりと目的を設定しておこう。

◎場面5:森の宝箱

[描写1]
 木々が鬱蒼と茂る森の中を、君たちとクローイは進んでいた。そう広い森では無いはずだが、既に周囲に他の受講生の気配はなく、皆森の中へバラバラに散っていったであろうことが伺える。
 そんな中、クローイがあるものを発見した。
[セリフ1]
 クローイ「あれ?あそこに宝箱がありますよ?」
[描写2]
 見ると、本当に宝箱があった。見渡す限り木々しかない完全な自然環境の中に、明らかな人造物が鎮座しているその光景に、君たちは大きな違和感を覚えるだろう。
〔判定1:宝箱について〕
 宝箱にはトラップ『爆弾』が仕掛けられている。難易度8の『探索判定』及び難易度8の『解除判定』に成功していない状態で開けると、トラップが作動し、宝箱起点、半径2m以内にいるすべてのキャラクターに〈威力表10〉+5点の物理ダメージを与える。
 宝箱を開けた(又は宝箱が爆発して壊れた)場合、中に入っていた『森の地図』が手に入る。
[描写3]
 宝箱の中に入っていた森の地図を見ると、地図の端にガルファングのサインと、暗号と思われる謎の文字列が書かれていることがわかる。どうやらコインが隠されている場所のヒントらしいが…
〔判定2:森の地図について〕
 森の地図に書かれた暗号を解くには、難易度10の『暗号解読判定(セージ技能+知力ボーナス)』に成功する必要がある。暗号の解読に成功すると、森の東端にコインが隠されていることがわかる。
もしもPC全員がこの判定に失敗した場合は、PCは〈威力表0〉点のHPロスを受けた後に、再度同一の判定にチャレンジしなければならない。
[セリフ2]
 クローイ「なるほど。森の東側に向かえばいいんですね!」
 クローイ「でも、東側ってアバウトすぎるような…。もう少し目印のような物があってもいいと思うんですけどね」
 クローイ「それとも何か、目印が付けられない理由でもあるのでしょうか。例えば…そう。コインの位置が常に動き続けているとか…」
 クローイ「まぁ、とにかく東に向かってみましょう!」
〔GM用メモ〕
 森の中で探索を行う様子を描写する。宝箱に仕掛けられている爆弾には射程があるので、各PCの立ち位置に注意すること。
 ちなみにこの宝箱に対する探索判定は、場面2の描写3においてガルファングが説明していたことを実戦する形となっている。

◎場面6:VSウルフの群れ

[描写1]
歩くこと、およそ1時間。森の東端が近づいてきた。その時、不意に茂みから物音が聞こた。
[セリフ1]
 クローイ「何かいるの!?」
[描写2]
 クローイが言うと、茂みから「グルルルル」と唸る数匹の狼が姿を現した。その狼たちの首には首輪が取り付けられており、その首輪にはコインが取り付けられている。
 狼たちは腹を空かせているのか、よだれを垂らしながら君たちに襲いかかってきた。
〔戦闘:詳細は下記【戦闘データ】を参照すること〕
 尚、この戦闘はPC側が勝利することしか想定されていない。
 戦闘に勝利した後は、セリフ2に進む。
[セリフ2]
 ウルフ「キャゥン!!」
[描写3]
 君たちの強烈な攻撃を受けたウルフたちは、全員地面に倒れ伏した。
[セリフ3]
 クローイ「ふぅ、なんとか倒せましたね。」
 クローイ「それでは、コインを回収しましょう」
[描写4]
 君たちはコインを回収しようと、狼の首輪に手を伸ばした。その時
[セリフ4]
 クローイ「あ」
[描写5]
 何かに気づいたらしいクローイが、空を見上げて固まった。クローイが仰いでいる北の空には、色鮮やかなオーロラが浮かび上がっていた。
 突然、オーロラから一筋の光が放たれた。天の上まで伸び上がった光は徐々に膨れ上がり、どんどん巨大化しているように見え……否。巨大化しているのではない。徐々にこちらに近づいてきているのだ!
[セリフ5]
 クローイ「みんな!早く逃げ…」
[描写6]
 クローイが声を上げるが、もう遅い。その場にいた全員が、すぐ近くに着弾した光に、為す術無く飲み込まれた。
〔GM用メモ〕
 ウルフとの戦闘と、PCたちが《奈落の魔域》に飲み込まれる様子を描写する。
ウルフとの戦闘は、普通にやればPC側に死者が出ることはまずないので、心配する必要はない。
 セリフ4以下の展開はPCにとって逃れようのないものである。こういう新人冒険者たちがメインのシナリオにはトラブルがつきもの。こうでもしないとシナリオ的に盛り上がる場面が生まれないとか言ってはいけない。

◎場面7:《奈落の魔域》

[描写1]
 光に飲まれた君たちは、一瞬の浮遊感の後に、暗くじめじめとした沼地に投げ出された。
[セリフ1]
 クローイ「こ、ここは…?」
 クローイ「えーと、確かおら達はオーロラから伸びてきた光に巻き込まれて…ってことは、ここ、もすかすて《奈落の魔域》の中だべか!?」
 (口調を指摘されたら)クローイ「こほん。…って、んなこと気にしてる場合じゃないべ!!」
 クローイ「ともかく、早く《奈落の魔域》から出たほうがいいべ!」
[描写2]
クローイの言う通り、《奈落の魔域》は新人冒険者には危険な場所。君たちもガルファングに「新人のうちは近付くな」と言われているはずだ。
だから、即座に逃げようとしたクローイの判断は正しい。正しいのだが…
……………そう簡単に逃げられるような場所ではなかった。」
[セリフ2]
 ビピルベック「あれれれれ~?なーんでこんなトコに人族どもがいるんだッピかぁ?」
[描写3]
 君たちの目の前に、複数の蛮族が現れた。その中の一匹、コウモリのような羽の生えた小型の蛮族が「ビーッピッピッピ!」と小気味よく笑う。
[セリフ3]
 ビピルベック「さては貴様ら、この《奈落の魔域》に迷い込んできたんだッピな!?ビーッピッピ!マヌケな奴らだぜ!!」
 ビピルベック「よく聞くッピ人族ども!おれさまの名はビピルベック!この《奈落の魔域》を支配するボスだッピ! おれさまのナワバリに足を踏み入れた以上、お前らを生きて帰すわけにはいかないッピ! 全員揃ってここで死ぬッピ!!」
〔戦闘:詳細は下記【戦闘データ】を参照すること〕
 PCがこの戦闘に敗北した場合、場面8-LOSEへ進む。
 PCがこの戦闘に勝利した場合、場面8-WINに進む。
〔GM用メモ〕
本シナリオのボス、ビピルベックとの戦闘の様子を描写する。ビピルベックは見ての通り雑魚感を漂わせている小物キャラである。そんなビピルベックのことを馬鹿にしてくるPCもいることだろう。ビピルベックは馬鹿にされた場合、当然ブチ切れる。戦闘中、馬鹿にしてきたPCを集中攻撃してみるのも面白いかもしれない。

◎場面8-LOSE:最期の記憶

[描写1]
目の前が真っ暗になった。『絶望』とは、きっとこのような状態のことを言うのだろう。
[セリフ1]
 クローイ「みんな! きゃあっ!!」
 ビピルベック「ビーッピッピッピ!オマエも仲間と一緒に屍になるッピ!!」
[描写2]
 ビピルベックが放った無残な一撃が、クローイの命の灯火を吹き消した。
 この日、君たちの冒険は、幕を開けるまでもなく、終りを迎えた。   -BAD END-
〔GM用メモ〕
PCたちがビピルベックに敗戦した様子を描写する。この場面にたどり着いた場合、ここでシナリオは終了となる。

◎場面8-WIN:《奈落の核》

[セリフ1]
 ビピルベック「馬鹿な!馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!このおれさまが人族なんぞに負けるなんてありえないッピ!!こんな…ことが……あって……いいはず……な………ピ」
[描写1]
 最期まで「信じられない」といった表情のまま、ビピルベックはその命の残火を散らした。
[セリフ2]
 クローイ「よかった。倒せた…」
 クローイ「たしか最後、ビピルベックが《奈落の核》を落としてましたよね?きっと、それを破壊すればこの《奈落の魔域》から出られるはずです」
〔注釈:《奈落の核》の破壊について〕
 《奈落の核》は10点以上のダメージを与えれば破壊されることとする。《奈落の核》を破壊したら、描写2に進むこと。
[描写2]
 パキッーーー 《奈落の核》にヒビが入るのと同時に、《奈落の魔域》にもヒビが入る。ヒビは瞬く間に広がって行き、やがて広がっていた暗い沼地は消滅し、元の爽やかな森の中へと景色が戻っていった。
[セリフ3]
 ガルファング「無事か!モヤシ共!!」
[描写3]
 君たちの元に、大斧を担いだガルファングが駆け寄ってきた。どうやら突然現れたずっと君たちのことを探してくれていたらしい。
 ガルファングは君たちの足元に転がっている《奈落の核》の破片を見ると「ほぅ」と感心したように唸った。
[セリフ4]
 ガルファング「そいつは《奈落の核》の欠片…《奈落のかけら(アビスシャード)》だな。てことは、さっきまであった《奈落の魔域》をぶっ壊したのはお前らだな!?」
 ガルファング「ガハハハハ!なかなかやるじゃねぇか!!もうモヤシだなんて呼べねぇな!!!」
[描写4]
 ガルファングは豪快に笑い、君たちの生還を喜んだ。
〔GM用メモ〕
 PCたちが戦闘に勝利した様子を描写する。きっと誰も死なずに全員生還したと信じている。
 万が一PCの中に死者が出てしまった場合でも、ソードワールドの世界観では死者蘇生が可能であるため、ガルファングはひとまず生き残ったPCやクローイの生還を喜んでくれるだろう。

◎場面9:卒塾

[描写1]
沈みかけの夕日が、空を朱く染める頃、君たちは他の受講生らと共に塾へ帰ってきた。
[セリフ1]
 ガルファング「これで全講義日程が終了した。全員、コインをゲットできたようで何よりだ」
 ガルファング「今この時を以って、お前たちを『ガルファング探索指導塾』の卒業生とする。手元にあるそのコインが卒業の証だ!後生大事に持っていろ!!」
 受講生「イエス・サー!」
 ガルファング「これから先、お前たちを待ち受けているのが一体何なのか、俺にはわからない。だが、過去の文明の遺産や未知の大陸、まだ見ぬ財宝など、この世界は数々の”ロマン”に満ちあふれている。冒険者たるもの、探究心を忘れるなかれ。危機への対処の方法は、この二日間で十分に学んだはずだ。ならば恐れるものはもうなにもない。この広い世界の果てまで、その希望に満ちた翼を羽ばたかせて行け。それでは…解散!!」
 受講生「ありがとうございました!/イエス・サー!」
[描写2]
 (PCたちの返事が揃った場合)晴れ渡った夕空に、受講生たちの声がこだました。
 (PCたちの返事が揃わなかった場合)最後の最後に返事を揃えられなかったことで、一斉に顔を見合わせる卒業生達。そんなちぐはぐな新人冒険者たちの様子を見て、ガルファングは楽しそうに大声で笑った。

◎場面10:別れ。そして新たなスタートへ。

[描写1]
君たちとクローイは、出会ったときのように、塾の門前に集まっていた。
[セリフ1]
 クローイ「ここでお別れですね」
 クローイ「《奈落の魔域》に入っちゃったときはどうしようかと思いましたけど、私、皆さんと冒険できてよかったです」
 クローイ「同じ冒険者としてこのアルフレイム大陸で冒険していれば、きっとまた、会うこともできますよね」
 クローイ「皆さん、本当にありがとうございました!またいつか、会いましょう!!」
[描写2]
 「またいつか、きっと」 約束を交わし、この日冒険者となった若者達は、各々が目指す道へ一歩を踏み出した。   -HAPPY END-
〔GM用メモ〕
PCとクローイの別れの様子を描写する。セリフ1や描写2は一例である。PCが何か気の利いたことを言った場合、必ずしも上記のような流れにする必要はない。
ちなみにクローイはこの後、大陸中を旅しながら定住する場所を探すらしい。何か話のタネになるかもしれないのでここに追記しておく。
これは、アルフレイム大陸で活躍する冒険者の物語のほんの序章。これがゴールではなく、むしろスタートラインに立ったつもりでシナリオを終了させると良い。

【シナリオクリア報酬】
 無事HAPPY ENDにたどり着いた場合にのみ、この報酬を受け取る事ができる。
①成長点:PC1人あたり1500点獲得
②《奈落のかけら》:実は一個200Gで売れる。PC一人につき1D6個手に入れたものとする。

【戦闘データ】

◎場面5/中間戦闘

[戦闘概要]
ウルフ(データは基本ルールブックⅠp.450参照)×(PC人数+1)匹と5m離れた位置から戦闘が始まる。勝利条件は敵の全滅である。
ウルフの知能は「動物並み」であるため、作戦行動は取らない。よって、GMはウルフの攻撃対象をランダムで決定すること。
尚、戦闘にはクローイも参加する。フェローデータを活用すること。
〔GM用メモ〕
 すべてのウルフには首輪が取り付けられており、首輪にはガルファングが用意したコインが取り付けられている。ちなみにこの狼の群れは野生であり、ガルファングのペットというわけではないので、遠慮なく倒してしまって大丈夫だ。
 戦利品判定の際に、通常の戦利品とは別にシナリオアイテムの『コイン』を取得できる。合計でPC全員とクローイのぶんのコインが手に入るはずだ。

◎場面7/最終戦闘

[戦闘概要]
 ビピルベック×1、ボルグ×1、ゴブリン×2と5m離れた位置から戦闘が始まる。勝利条件は敵の全滅である。
ビピルベックは知能が人間並みであり、作戦行動を取る事ができる。ボルグとゴブリンは知能が動物並だが、ビピルベックからの命令に忠実に従って動くので、作戦行動を取ることができる。よってGMは、今回の戦闘に登場するすべてのエネミーに対し、戦略的な行動を取らせて良い。
尚、戦闘にはクローイも参加する。フェローデータを活用すること。
 また、本戦闘では、『剣のかけら』がビピルベックに2つ、ボルグに1つ仕掛けられている。
ビピルベックのデータ
知能:人間並み  知覚:五感(暗視)  反応:敵対的  穢れ:2
言語:交易共通語、汎用蛮族語、魔法文明語、妖魔語
知名度/弱点値:9/12 弱点:風属性魔法ダメージ+3点
先制値:12  移動速度:16/32(飛行)  生命抵抗力:2(9)  精神抵抗力:5(12)

攻撃方法:牙  命中力:4(11)  打撃点:2D-2  回避力:4(11)  防護点:1
HP:26  MP:20

[特殊能力]
真語魔法2レベル/魔力7(14)
○ターゲッティング:基本ルールブックp.438『グレムリン』参照
○飛行:基本ルールブックp.438『グレムリン』参照

[戦利品]
自動:《奈落の核》×1
4~7:奇妙な首飾り(160G)×1
8~:魔域の主のマント(320G)×1

〔GM用メモ〕
 ビピルベックから取れる戦利品の《奈落の核》は、シナリオアイテムである。これを破壊すると《奈落の魔域》の外に出ることができる。
 また、ボルグの判定と、ビピルベックとボルグの戦利品ロールの際には『剣のかけら』を忘れないようにしよう。

【用語集】

《奈落の魔域》:蛮族が暮らす異空間。詳しくは基本ルールブックⅠ p.377を参照のこと。読み方は「シャロウアビス」

《奈落の核》:こいつを破壊すると《奈落の魔域》も破壊される。詳しくは基本ルールブックⅠ p.377を参照のこと。読み方は「アビスコア」

《奈落のかけら》:1個200Gで売れる。詳しくは基本ルールブックⅠ p.377を参照のこと。読み方は「アビスシャード」

コイン:ガルファング探索指導塾特注のコイン。表面にはガルファングのサイン、裏面には塾の門が描かれている。塾の卒業生に記念として渡されるコインであるが、何故か二日目実践演習時にはこれを探し出すことが課題となることが多い。持っていても特に効果のある物ではないが、塾での二日間の思い出が詰まっている。

【フェローデータ】

名前:クローイ
技能:プリースト(フルシル)2
MP:25
[行動]
想定出目7:ウィンド・サーキュレイション(p.270参照)
想定出目8:キュア・ウーンズ(p.261参照)
想定出目9:バニッシュ(p.260参照)
想定出目10:アウェイクン(p.261参照)

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Twitter企画の結果、シナリオ21本投稿キャンペーンをすることになってしまった。 現在3本投稿済み。 小説家になろう様にてアリアンロッド2Eのリプレイを連載しておりますのでそちらも是非。 URLから読みに行けます。 Twitterアカウント:@Gurumayu_76min

https://ncode.syosetu.com/n0515dx/

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