・初期作成ドール使用
・基本ルールブックのみ使用(サプリメントの導入はNCの任意とする)
・推奨PL人数…3~4人
・『暗示』『記憶のカケラ』『たからもの』はランダムで決定する。
・特殊ルール…全てのドールは〈こぶし〉または〈めだま〉を損傷した状態でシナリオを開始すること。ただし、〈こぶし〉の損傷は指の数が足りないだけで物を掴むことは可能とし、〈めだま〉の損傷は片目のみであり、視界はあるものとする。(シナリオの進行に支障を来す恐れを排除するための措置である)
・カルマは「〈こぶし〉または〈めだま〉を修復する」こととする
ネクロマンサー。見た目は20代の男。職業は科学者で、粘菌技術と自我次元論に精通していた。
核戦争で世界が終末へと向かっている中、クローバーは来る終末世界では自分がこの世の神となると宣言し『クローバー教』を開く。これには数多くの信徒が集まって来たが、中には興味本位で近づいてきただけの者も多かった。クローバーは、そのような者たちを自分の権力下から逃さないために『四つ葉の契』という儀式を生み出した。クローバーはこの儀式を行うことによって信徒の自我次元に接触することができ、自身への信仰心を信徒に無理やり植え付けることができた。
しかし、クローバーは神になることに対して特別な執着を持っているわけではなかった。そのため、何百年と時が経つに連れ、クローバーは何も起こらない終末世界に退屈するようになってきた。今回ドールたちを作り上げたのは、クローバー教団とドールたちを激突させ、その戦闘を眺めて楽しむためである。ちなみにドールたちは『四つ葉の契』に応じず、拷問を受けた末に死んでいった者たちの死体からできている。
サヴァント。見た目は70代の女性。クローバー教の修道女。クローバー様のことで頭がいっぱい。信徒たちのリーダー的存在となっている。背教者への拷問は主にこの女が行う。
元は勇敢な若者だった死体。訳あってクローバー教に捕らえられたが、拷問を受けても最期までこの忌々しい宗教に屈することなく、『人』として死んでいった。名前すらつけていないが、製作者はこの男の生き様がカッコよくて好きである(聞いてない)
《このシナリオの読み方》
・場面ごとに《》で分けて記述している。
・判定を行う箇所には◎記号と判定内容を記述している。
・()内はNCが参照するメモのようなものである。シナリオの補足が書いてあるので注意すること。
荒野に吹く、乾いた風に全身を撫でられ、少女たちは不快感と共に目を覚ますだろう。覚醒した少女たちはまず、自分の身体が自分の知っているそれとは違い、異形の姿となっていることに気がつくだろう。記憶と違う自身の姿に、少女たちの正気が蝕まれる。狂気判定を行う。
◎狂気判定
周囲を見渡せば、視界いっぱいに広がる干からびた荒野の中に、ポツンとひとつ、珍しい構造の建物があることに気がつくだろう。
(以降、ドールたちの行動に合わせて該当する項目を参照すること)
(外周を調べる場合、探索判定を行う)
◎探索判定(視覚に関わるパーツ使用可)
(成功すると建物全体が、トランプの「♧」の形をしていることに気がつくだろう)
この奇妙な形をした建物の入口は、どうやら一箇所しかないようだ。
両開きの大きな木製の扉のみが、君たちがこの建物内に入るための唯一の道となるだろう。
(扉を開けると、廊下がある。《十字廊下》を参照すること)
扉を開けると、そこには建物の構造に合わせるように広がる、十字形の廊下があった。廊下の中央には、修道服を着た女性のアンデッドが立っていた。
(女性アンデッド(マザー・タンポポ)がドールたちに話しかける)
マザー「神に祝福されし者たちよ。ごきげんよう」
(名前を聞かれたら)マザー「私はタンポポ。皆からはマザーと呼ばれて親しまれております」
マザー「我らが神、クローバー様があなた方を待っておられます。心の準備ができましたら、どうぞ、奥の部屋へお越しください」(言うとマザーはCathedralへと入っていく)
十字形をしている廊下の四端には、君たちが入ってきた入口の他に三つの部屋がある。(ここでNCはPLに以下のマップを渡すこと)
廊下側から聴覚に関わるパーツを使用した行動判定を行うことで、部屋の中の様子を伺う事ができる。
◎行動判定(聴覚に関わるパーツ使用可)
Libraryに対して成功した場合:物音は聞こえない。
Prisonに対して成功した場合:物音は聞こえない。
Cathedralに対して成功した場合:人の声が聴こえる。かなり人数が多いようだ。
ドールたちがCathedralに入ったら、バトルパートへ進む
大量の本棚がある。そこにある本の殆どが、ゾンビが登場するパニックホラー系の小説であった。本棚を詳細に調べたい場合、行動判定をすることができる。
◎行動判定(視覚に関わるパーツ使用可)
成功:日記帳を見つけることができる。(詳細は《ある男の手記》参照。この手記を読んだ者に記憶のカケラを与え、狂気判定を行わせることに注意)
部屋に入ると、右側に棚、左側に巨大な牢屋があることがわかる。牢屋の中には動かない死体があり、その手には一枚の紙が握られている。(牢屋の外から手を伸ばしても、その死体に手は届かない)
棚を開けると、中に入っていたものが雪崩のようにがガラガラと崩れ落ちてくる。入っていたのは、血の跡がこびりついている拷問器具と、無数の鍵。そして、ちぎれた人間の指と、ホルマリン漬けの目玉が入った瓶だ。これを見たドールは、直感的にそれが自分の指や目玉であることを理解するだろう。狂気判定を行う。
◎狂気判定
ドールは、出てきた指や目玉を使って、〈こぶし〉〈めだま〉を修復しても良い。
(崩れ落ちた物の中から牢屋の鍵を探し出したい場合は行動判定を行う)
◎行動判定(頭脳に関するパーツ使用可)
成功:牢屋の鍵を発見できる。
(牢屋の鍵を使用することで、牢屋の中に入る事ができる。死体が持っている紙を調べると、そこに書かれている文章を読むことができる)
(詳細は《メッセージ》参照)
(数百年前のクローバーの記述が残されている)
自我次元に関する『知識』と『粘菌技術』 そして、強靭な肉体を持つことにより得られる『強さ』は、私という存在を構成する三つの『葉』として数えられる。
これほどまでに完璧な能力を備えた人間は他に存在しないだろう。いや、既に私は人間ではないのかもしれない。事実、私が持つ『葉』は既に限界を超え、神の領域に届こうとしている。しかし、神の次元に届くためにはまだ『葉』が足りない。神には『信徒』が必要だからだ。
故に私は、いずれ訪れるであろう終末世界を生き延びる術を説く『クローバー教』を立ち上げた。まだ小さい宗教だが、焦る必要はない。『四つ葉の契』を交わした者の自我には私に対する強い信仰心が根付くため、一度信徒となった者が離れていくことはない。故に、『信徒』の数は増えていくばかりとなる。
数が増えれば『信徒』は私にとって欠かせない、『四枚目の葉』となってくれることだろう。そうすれば、私は終末世界を統べる神となることができるのだ!
今はまだ夢見の段階だが、可能性は十分にある。長い永い年月をかけ、この『四枚目の葉』をじっくり育てていこう。
(この手記を読んだ者は、記憶のカケラ『クローバー教団』を取得する。詳細は下記、記憶のカケラの項目を参照すること。この記憶のカケラを取得した者は狂気判定を行うことに注意)
◎狂気判定
※書かれた文字は異常に歪んでおり、ところどころに黒く滲んだ血の跡が残っている。これを書いた者がまともに文字もかけないほど衰弱していたことが容易に想像できるだろう
クローバー教団に目をつけられた不運な者に告ぐ。
修道女に気をつけろ。『四つ葉の契』に安易な返事をするな。
奴の思考はクローバーのことで埋め尽くされていて、説得や言い逃れは決してできない。
もし君がクローバーの意向に背くようであれば、奴は君のことを捕縛し、クローバーの意向に従うまで人道的でない拷問を繰り返すことだろう。
私はもう助からない。せめて、これを読んだ者が無事に家へ帰れることを祈るばかりだ。
両開きの扉を開けると、無数のアンデッドが1人の若い男に向けて頭を垂れ、祈りを捧げている光景が目の前に広がった。(ここで、記憶のカケラ『クローバー教団』を未取得のドールは行動判定を行うこと。これに成功すると、記憶のカケラ『クローバー教団』が強制的に入手される。詳細は『記憶のカケラ』を参照すること。この記憶のカケラを入手した者は狂気判定を行うことに注意)
◎行動判定(頭脳に関係するパーツ使用可)
→◎狂気判定(修正:出目-1)
この光景は君たちの記憶にあるそれとほとんど一致しているが、しかし、ひとつだけ記憶との相違点が見られた。アンデッドに囲まれている男の目。かつては冷たさを感じたその眼光が、今は虚ろとなっている。そう、まるで、生きる楽しみを失った廃人のような目に…。
「…心の準備はできましたか?」
部屋の奥からマザー・タンポポが姿を表し、君たちに話しかけてくる。
「…では、早速、『四つ葉の契』の儀式を始めるとしましょうか」
マザーは、恍惚な笑みを浮かべると、大仰な仕草で天井を仰ぎ、祈りを捧げるような格好であの文言を言い述べた。
「クローバー様の名の元に『四つ葉の契』を交わしなさい。さすればあなたにも『神の祝福』が授けられるでしょう……さぁ!」
(ここでのドールたちの返事によって、進むルートが分かれる。『四つ葉の契』を交わす場合は《√クローバー》へ、それ以外(返事をしない場合も含む)は《√タンポポ》へと進むこと)
「つまらん」
怒気を孕んだ男の声が、カセドラルに響き渡る。見ると、先程まで虚ろな表情をしていた男の目には、明らかな怒りと、少しばかりの落胆の色が浮かんでいた。
「実につまらん。何故人間は有りもしない神の祝福などに頼ろうとするのか」
言うと男はパチンと一度、指を打ち鳴らした。すると、男を囲んでいたアンデッドたちが一斉に業火に包まれた。その中には、マザー・タンポポも含まれていた。
「熱い!熱い熱い熱い苦しい苦しい苦しい!!クローバー様、お慈悲を!お助けを!!」
辺りをのたうちまわりながら、男に助けを求めるマザー。しかし、クローバー様と呼ばれたその男はマザーに見向きもしない。マザーの目から一粒の雫が流れ落ちたような気がした。
(この地獄のような光景を見たドールたちは狂気判定を行う)
◎狂気判定
そして、男は君たちの前に立ち、その肉体を異形へと変化させた。
「貴様らも不要だ。暇つぶしになると思ったのだが…まったく、期待はずれだったな…」
(戦闘開始)
※勝利条件:クローバーが完全解体されること
※エネミーの初期位置
煉獄:クローバー(データ下記)
「…今、なんとおっしゃいましたか?」
マザーの顔が歪む。その目には君たちに対する明らかな敵意が宿っていた。
「…契を交わさない。それはあなた方が背教者であることを意味します」
その言葉に、部屋の中にいるアンデッドたちがピクリと反応した。
「ハイキョウシャ?」「カミヲシンジヌモノドモ?」「ソレハイケナイ」「サバキヲ」「サバキヲ」
立ち上がったアンデッドたちが、一斉に君たちを睨みつける。
マザーは、一振りの巨大な剣を掲げると、アンデッドたちを鼓舞するように宣言した。
「さぁ、神の意向に背く背教者に『裁き』を与えましょう。『聖戦』の始まりです!」
(戦闘開始)
※勝利条件:敵の全滅
※エネミーの初期位置
地獄:スナイパー×2(ルールブックp130) ナイトメア10匹(ルールブックp129)
煉獄:ゾンビ10匹(ルールブックp129) マザー・タンポポ(データ下記)
花園:ゾンビ10匹
・戦闘に勝利した場合
「ハハ…私も衰えたものだ。いっときは神にも届くほどの力を保持していたというのに。…栄枯盛衰とは、古い東洋の言葉だっただろうか。この終末を迎えた世界でも、道理は通るものなのだな…」
クローバーは感慨深げにそう言い残すと、ゆっくりと目を閉じ、永い眠りへとついていった…。
(この後、ドールたちが対話判定を行うなどして、区切りの良いタイミングになったら、本シナリオを終了する)
☆シナリオクリア!
・戦闘後のパーツ修復ができる。(基本パーツ6個、改造パーツ3個)
・クリア報酬として、各ドールに寵愛点が与えられる。尚、エネミーの合計悪意は24点である。
・戦闘に敗北した場合
「…つまらぬ。実につまらない」
完全解体された君たちを見下ろし、クローバーは深く嘆息した。
「この荒廃した終末世界で信者が増えていく訳でもなし。あのまま待っていても『四枚目の葉』は未完成に終わるだろう。私は、神にはなれなかった…」
言うとクローバーは、バラバラになった君たちの身体に火を放ち、そして自分の身体にも火をつけた。
「世界はとうに終わっているのだ。私もそろそろ、終わりを迎えるとしよう」
生命の気配を感じない殺風景な荒野の中に、この日、幾筋もの狼煙が上がった。
★ゲームオーバー
・戦闘に勝利した場合
「ハハハ!!ハハハハハハ!!!」
部屋の中央、玉座に座る若い男(クローバー)が、バラバラになったマザーや他の信徒たちの姿を見て、楽しそうに笑った。
「愉快だ!実に面白い!!そうだ、最初からこうしておけばよかったのだ!」
(ドールたちの方を見て)
「最高のショーだったよ。良い退屈しのぎになった。礼を言おう」
(自分の信徒が死んでなんとも思わないのかと聞かれた場合)
「それは、どういう意味かね?彼らは私の『退屈しのぎ』に貢献できたのだからきっと幸せだったに違いない」
(最後に)
「さて、『四枚目の葉』も散ったことだし、私はここから離れるとしよう。神として祝福されるのにはもう飽きた。そもそも、完全な神にはなれなかったことだしな」
言うと男(クローバー)は、「フハハハハ」と高笑いしながらカセドラルから出ていってしまう。
(以下分岐)
→後を追う場合
「付いてくるのか? …まぁ良いだろう。君たちがいれば退屈はしないだろうからな」
(こうして、ドールたちとクローバーが共に荒野を歩むシーンをバックに、シナリオを終了する)
→後を追わない場合
(ドールたちが対話判定を行うなどして、区切りの良いタイミングになったら、本シナリオを終了する)
☆シナリオクリア!
・戦闘後のパーツ修復ができる。(基本パーツ6個、改造パーツ3個)
・クリア報酬として、各ドールに寵愛点が与えられる。尚、エネミーの合計悪意は24点である。
・戦闘に敗北した場合
「ハハハ!!ハハハハハハ!!!」
部屋の中央、玉座に座る若い男(クローバー)が、バラバラになったドールたちを見て楽しそうに笑った。
「愉快だ!アンデッド同士の戦闘がこれほどまでに面白いものだったとは。これは良い退屈しのぎになる。いずれまたやろう」
玉座の上で、おもちゃを与えられた子供のように無邪気にはしゃぐ男の笑い声を聞きながら、君たちの意識は暗転していった。
★ゲームオーバー
『クローバー教団』
両開きの扉を開けると、無数のアンデッドが1人の若い男に向けて頭を垂れ、祈りを捧げている光景が目の前に広がった。
人を見下すような冷めた目をしたその男は、暗い影のかかった笑顔を浮かべ、君にこう言った。
「クローバーの名の元に『四つ葉の契』を交わすことをここに誓え。さすればそなたにも『神の祝福』を授けよう」
この記憶のカケラを入手した者は狂気判定を行う。
総パーツ数:29
総パーツ数:17
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