2024年05月19日更新

【CoCシナリオ】神話生物:確保・収容・保護 1話 SCP財団就職編

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~6人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

H.P.ラブクラフトが現実改変能力者で執筆した文章が世界に適用され、神話生物を生み出すSCPであったら?
一応ですが、前作「黄昏」の続きとして作成中です。導入を少し変更すれば普通のシナリオをクリアした探索者もシナリオに参加できると思います。
今回のシナリオは一般人から財団職員になるまでの過程をシナリオとして作成しています。次回から本格的に確保・収容・保護を行うシナリオに入ると思います。

0

11

ストック

0

コメント

シナリオ概要

日本生類創研がショゴスを確保し、研究を開始した。その後人間1体から特殊ショゴスを作ることに成功する。性質は接触した物質を吸収し、吸収した量に比例して物質の吸収速度が増加するというもの。物質を吸収しても特殊ショゴスの質量は変化しない。また、特定の周波数(We will rock youの歌)に数秒間曝露させることで吸収した物質を全て放出する。元の人間の意識は残っており、物質を吸収するほど特殊ショゴスは悲鳴に似た音声を発生させる。(これは元の人間が体内に悍ましい量の物質を詰め込まれたことによる痛みで絶叫をあげているためである)日本生類創研のカタログには嫌いな人間を掃除機に変えて部屋のお掃除をしましょう!と銘打ってある。なんやかんやでこのショゴスが研究中にWe will rock youに曝露し日本生類創研の研究施設が破壊、質量を放出して音を発生しなくなった特殊ショゴスを日本生類創研が発見することが出来ず、どこかへと消えてしまう。
奇妙な音がする非常に深い穴という事案が発生したことから探索者の特殊ショゴス確保が始まる。
特殊ショゴスを運搬し、建物に入ろうとすると日本生類創研のスパイであるジョイが流していたWe will rock youに曝露してしまい、再度質量放出が発生し、財団と死体石鹸製品社に甚大なダメージが発生する。
 ここから特殊ショゴスの実験を行い収容方法を確定させるパートと特殊ショゴスの発生源の調査が始まる。
 キーとなるのはジョイの家であり、質量放出によるジョイの死亡で日本生類創研に信号が送られ、日本生類創研の制圧部隊がジョイの家を監視することとなる。探索者達はジョイの家を探索し、ジョイが日本生類創研にも秘密にしていた隠し通路を使い、制圧部隊から逃れ、無事生還シナリオ終了となる。
計画としてはここまで2話で終了し、3話からは神話生物の存在が橋渡しとなって日本生類創研の影を追っていく物語となる予定である。

導入

前作シナリオ「黄昏」をクリアし生存した探索者の下に以下の内容が記された手紙が届く。


○○様
先日のヴァン川上流で発生した事件についてお話したいことがございます。
ご都合がよろしければ10月1日午後3時より弊社ビル3Fにお越しいただけないでしょうか。お帰りの際に、交通費および謝礼1000ポンドをお渡しします。
死体石鹸製品社(Soap from Corpses Products Inc.)より


探索者が手紙に記された場所へ行くと、部屋には探索者達とスーツに身を包んだ男が入室しているだろう。探索者達が全員入室し終え、軽い挨拶を交えるとスーツの男が喋り始める。
「皆様方、ようこそいらっしゃいました。まずは自己紹介を。私は死体石鹸製品社の事務を担当している、デイビッドと申します。何の説明もないお手紙を差し上げてしまい誠に申し訳ございませんでした。皆様困惑されていると思われますので、さっそく本題に入らせていただきます。皆様は以前異常現象や異常生物に関わられた・・・と把握しております。我々はそれについてお話をしたいと思っております。ここから先は機密事項のため、黙秘していただけるのであれば謝礼を2倍の2000ポンドをお渡しいたします。このことについてお聞きいただくことが難しいようであればお帰り頂いて構いません。謝礼の方はご足労頂いたということで約束通り1000ポンドをお渡しいたします。」

探索者達が話を聞き、それを黙秘することについて同意するとデイビッドは説明を始める。
「まず弊社はSCP財団と呼ばれる秘密組織のフロント企業です。といいますのもSCP財団はあなた達が遭遇された異常現象などの保護および研究を世界各国の政府から委託されており、全権を担っております。また、この組織は一般人に知られてはならず、存在が完全に隠蔽されています。そして、今回我々がご連絡したのはほかでもございません。先日の異常物体、以降SCP-1939-α(詳しくはシナリオの最後の方をお読みください。要はこの世界では神話生物が一塊の認識災害生物のようなSCPとして扱われています)と呼称します。これに関するSKクラスシナリオを皆様は防がれました。本来であれば記憶処理を行うところですが、SCP財団役員の会議により皆さまに意志があればSCP財団が特別採用Eクラスエージェントという形で雇用することが決定されました。ですので、1か月以内にSCP財団のエージェントとして働くかどうか考えていただきたいのです。」

雇用に同意すれば財団のエージェントとして働くこととなりシナリオ開始となる
雇用に同意しない場合、帰り際に確保され記憶処理を施される。気が付くと前作シナリオの記憶が消滅し自宅のベッドで穏やかな朝を迎える→トゥルーエンド

 探索者達が書類の記入を済ませ、契約手続きを済ませると、デイビッドによる説明を受けることとなった。以下にその概要をまとめる。
・性質上SCP-1939-αによる事案が発生するのは北アメリカ大陸であり、探索者達はSCP-1939-αを専門として担当することとなるため、SCP財団アメリカ支部に配属されることとなる。
・SCP-1939-αに関する情報の閲覧は認識災害を引き起こし、この認識災害に曝露した人間は新たな事案を発生させるため閲覧は基本的に禁止されているが、担当の職員は正当な理由があれば限定的に閲覧が許可されている。
・アメリカ支部の中でも認識災害を引き起こす事案を受け持つことが多い支部に配属されることになるが、その支部では事案処理前に対ミーム予防措置を受けることが基本的に義務付けられている。
・給料に関しては通貨がドルとなるため、同様の金額となるようにドルに変換されて支払われることとなる。
 以上の説明を受け、探索者達は各々の居住地を離れSCP財団アメリカ支部での勤務が始まることとなる。

http://scpincjp.wiki.fc2.com/
死体石鹸製品社
https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP財団

本編

探索者達はデイビッドから手渡された航空チケットで航空機に搭乗し、北アメリカ大陸へ上陸した。空港を出ると伝えられていた通り、死体石鹸製品社のロゴが入った車が探索者を出迎えた。そこから数時間、アメリカンジョークの一つも飛ばさない生真面目なタクシー運転手しか居ない車内にどこか居心地の悪さを感じながら新天地の風景を窓越しに眺めることだろう。
「後10分で到着します。」
 運転手が言った通り、7~8分もすれば視界には緑に包まれた灰色の巨大な工場が目に入るだろう。看板にはタクシーに入っていたロゴと同じものが大きく描かれていた。
 機械的に運転手に見送られ、探索者は事務所と思しき建物へと入っていく。自動ドアが開くと同時、
「We will, We will rock you!!sing it!! We will, We will rock you!!yeah!!」
と、受付カウンターにいた男性が立ち上がり、流れていた音楽に合わせ歌いながら探索者へ向けて指を向ける。恐らく隣に置いてある黒い旧型のラジオから流れていたのだろう。彼は両腕を開きつつ{ハグをしようとする}
「Well come!!」
と笑顔でこちらへと歩いてくる。
「君が新しく配属された職員か!話は聞いてるぜ!俺はここで受付と一応警備員的な役割を任されてるジョイだ!」
周りを見渡してみれば数人の職員が苦笑いをしながらこちらを向いていることが分かる。探索者は彼が普段からこのような立ち振る舞いをしているのだと感じることだろう。
 ジョイは「書類はめんどくせえ、ロックにいきてえよな」などと言いながらいくつか探索者に書かせる。その割には仔細に書類作成の説明をしてくれるだろう。SCP財団はこと書類に関しては非常に厳しく、適当に書類を提出しようものなら上司から叱責を受けるためだ。
 ある程度ジョイと話を終えると
「書類は事務室の姉ちゃんに提出しといてくれ。あぁ、そういや支部長が、お前らが来たら部屋に来いって言ってたぜ。入口までは案内してやるから、そっからは中で地図見ながら行きな。」
 そう言われ探索者達はジョイに連れられて建物の奥へと向かう。やや複雑な道を抜けると、頑丈な鉄扉には【関係者以外立ち入り禁止】とペイントが施され、2名の武装した男性が鉄扉の両脇に沈黙を保ったまま直立している。
「あの2人に首から下げた職員証を見せて、支給されているカードキーを鉄扉横にかざせば入れるようになっから、あとは任せたぜ。これからよろしくな」
ジョイはそう言いつつ、グッドサインをぶちかましながら帰っていく。
その姿に唖然としながらも探索者達はジョイの説明通りの手順をこなし、SCP財団施設内部へと入り、支部長室へと向かうだろう。

●支部長室
 支部長室へ向かうとデイビッドが座っている。
「やあ、少し驚いたかい?こうして会うのは久しぶりだね。やや気疲れしているところをみると入口のジョイが原因かな。まぁ彼も職員の中では若手だからね、仲良くしてあげてほしい。では、前置きはここまでにしておいて初勤務にあたってもらおうか。といっても今から財団施設の案内をするだけなんだけどね。」
彼が導入で面接官を担当したのは自分の部下となる探索者達を見定めるためである。支部長の役職を隠したのは支部長の個人的な遊びであり、他意はない。

●財団施設案内
 財団施設はすべての施設が地下に存在し、死体石鹸製品社を隠れ蓑として隠蔽されている。施設に入るにはカードキーが必要となり、施設内でもクリアランスレベルによって立ち入り制限が敷かれている。従って、本支部で最高クリアランスレベルの支部長が案内することが効率的であり、伝統ともなっているためデイビッドが案内する。
デイビッドが案内するのは以下の区画である。
○事務室
 「まずは書類の提出からしに行こうか」とデイビッドは事務室に連れて行くだろう。
事務室には白人で黒髪の美しい女性が作業をしている。名前はデイビッドから聞いている。マイヤ=イスカリオテというらしい。
マイヤ「あら、こんにちは。支部長。それと新しく入ってきた方たちですね。」
デイビッド「あぁ。そうだ。書類はジョイからもらったものを既に記入済みだそうだから提出しに来たよ。」
マイヤ「そうでしたか。丁度休憩時間に入ったので、この箱に入れておいてください」
財団のデータベースに個人情報は保管されているが、情報災害も発生することがあるため、紙媒体も併せて管理することになっている。
 マイヤは仕事中やや感情の起伏が少ないが、オフや休憩中などであれば男性を(もしくは女性も)ドキッとさせるような仕草をとるだろう。
彼女はランダムに選んだ探索者の目を見ながら以下の様に発言する
「色々と常識と違うところがある職場ですから慣れるのに時間はかかると思いますが、お仕事頑張ってくださいね!」
その後ややこちらに顔を近づけながら、ニッとほほ笑む。
選ばれた探索者はSAN値を1回復する。

○食堂
「ここが食堂で、職員は無料で好きなだけ食べられるシステムになっているんだ。ここの券売機のボタンを押して出てきた食券を渡せば食事がもらえるよ」
「あぁあと、この下3つは事案処理前に対ミーム予防措置用に食べるものだから普段は食べないようにしておいてね。薬と同様あまり繰り返すと体が慣れて効果が薄くなってしまうからね。まぁそんなに食べる機会が多いわけじゃないからたまには食事として食べても大丈夫だよ。飲み物はそこにSCP-294があるから、警備員の指導の下注文して貰って構わないよ」

以下にメニューを記載する
・普通のメニュー(ある程度の料理ならあることにして良い)
・ダゴン汁(一時的に水中技能10%増加+対ミーム予防措置完了)
・トマトソースパスター(SAN値1減少+一時的に戦闘技能10%増加+対ミーム予防措置完了)
・ショゴステーキのヨーグルト=ソース和え(SAN値2減少+一時的に装甲が2増加+対ミーム予防措置完了)

ちなみに下3つの料理は対ミーム予防措置を行うときに用いられるものであり、これを摂取することで対ミーム予防措置が完了する。対ミーム予防措置はシナリオ内時間で8時間を目安に効果を失わせてもよい。

SCP-294について:大体なんでも液体を出せる自販機で50セントを入れると注文が可能
警備員は人間が摂取可能な飲料以外の液体の注文は差し控えるように注意を促してくる。
http://ja.scp-wiki.net/scp-294

○財団神拳修練施設
上司紹介として神野拳二の下に案内される。
「君たちが今回配属された特別Eクラスエージェントかね。特別といっても他のエージェントと比較して劇的に装備などが良いわけではない。仕事の性質上、運が悪ければ明日には生きていないかもしれない。そうならない為に必要なのは知識と技術だ。知識があれば判断を即座に行うこができ、技術があれば冷静に判断通り行動できる。とまぁ説教はここまでにしよう。これからいろいろと関わることになるだろう。よろしく頼む。」
「俺は普段ここでトレーニングをしているから何かあったら気軽に聞いてくれ。稽古も要望があれば付けるぞ。」(稽古には万能薬の使用が許可されており、瀕死になった場合は使用されている)
※財団神拳についての技術は彼の稽古によって習得することとなる。

○研究施設
デイビッドはこそこその息をひそめながら案内しようとする。
「研究施設の奴らは悪い奴ではないんだが、こう一癖二癖あるものが多くてなあまり騒がしくして触発してしまうと絡まれてしまうかもしれないから気を付けてくれ。あまり案内する気が乗らないんだが・・・。さっさと終わらせてしまおう。」
「では、まずは」
といったところで白衣を着た男性がタイミングを見計らったかのように前に飛び出してくる。何よりも目立つのは白衣が舞うと同時に揺れた巨大な首飾りである。中央に巨大な赤い宝石が埋め込まれ、周辺にはいくつものダイヤモンドらしき宝石がちりばめられている。彼こそがお待ちかねの(待ってない)生命工学と異常遺伝子学の権威であるブライト博士(本名:ジャック=ブライト)である。彼はSCP-1939-αの担当研究員として派遣されている(無理矢理乗り込んできている)
〈目星〉に成功すれば職員証にジャック=ブライト博士と書いてあるのが分かるだろう。
「支部長、彼らが新しい職員かね」
彼の姿を見たデイビッドは眉間にしわを寄せながら、諫めるように言った
「あぁ・・・やっぱりか・・・。新人を苛めるような真似はくれぐれもやめてくれと伝えたはずだが・・・。」
ブライト博士はその言葉に畳みかけるようにして返す。
「別に苛めてなどいないがね。SCPの情報について説明するときにセキュリティクリアランスのことを時たま忘れてしまったり、ちょっとした出来心で少しからかっているだけだ。禁止リストを破ってしまうのはいいかえれば事故・・・ハプニング・・・ケアレスミスだ。」
「それよりもだ。今日そこにいる新人が来ると聞いたので研究施設だけでも私が案内しようと思ったのだがね。」
それに対してデイビッドは毅然とした態度でこのように返す。
「いや、君の禁止リストには新しい職員との面接は禁止されていたはずだ。業務でもないのに積極的にコンタクトをとるのは好ましくないと思うが。」
ブライト「いや、面接は禁止されているが、まだ案内については禁止されていない。とにかく案内役を変わってもらえないのならこちらにも考えがあるぞ。」
デイビッド「ちょ、ちょっと待ってくれ。禁止リストに抵触しなければ新しく混乱を招くようなことをやっていいというわけではないんだ。君はいつになったらそれを理解してくれるんだ。この前のダゴン汁にしたって、そもそもSCP-1939-αの体液や細胞を食料に転用するなど、摂取量の調節を行えば略式ミーム予防措置になるという結果は得られたが、何人のDクラス職員が犠牲になったと思っているんだ。君の考えることは極稀に奇跡的な結果を生み出すが大抵は結果に見合わぬ犠牲しか生まない。少しは考えて行動してくれ・・・。」
ブライト「わかっているさ。案内さえさせてもらえれば先ほどまで考えていたことは先送りにしよう。非常に残念ではあるが。」
デイビッド「わかった。出来るだけ手短に頼むよ。全く・・・。これだから研究職員は・・・。」

このようなやり取りが交わされた後、渋々デイビッドは案内役をブライト博士へと委託する。

ブライト博士のワクワク施設案内1
Dクラス職員(主に死刑囚などがなる職員で、実験の被験者として使い捨てされるクラス職員である)が武装した職員2名の付き添いで施設内を誘導されている。しかし、どうも様子がおかしい。そのDクラス職員は壁に張り付きながら廊下をゆっくりと移動しているのだ。武装した職員も辟易した様子で時折力ずくで移動させようとする。しかし、壁から手が離れそうになると非常に激しい抵抗を行い意地でも壁に張り付こうとする。
ブライト博士はこのように説明する。
「彼は昔SCP-261-JPっていう、まぁ日本にあるSCPなんだが、その被験者として採用され、その時の後遺症で通路恐怖症に陥ってしまってね、壁に張り付かなければ狂気に陥ってしまうんだよ。」
SCP-261-JPとは一見普通の通路に見えるが向かい合ってすれ違おうとすると必ず対面の相手と衝突してしまう場所型のSCPである。詳しくは財団のデータベースにアクセスして読んでいただきたい。

ブライト博士のワクワク施設案内2
「SCP-096について説明しようか。SCP-096通称シャイガイというんだが、名前の通りシャイな男でね。顔を見られた人間は地獄の果てまで追いかけて必ず殺すっていう奴なんだが、これは写真でも見るとと殺されてしまう。そこで我々財団職員が考えたのが似顔絵だった。似顔絵ならば見ても殺されないということが判明してね。見てみたいだろう?」
ブライト博士はそう言うと探索者が反応を示す前に1枚の似顔絵・・・ではなく写真を見せる。その写真には玉虫色の人間の体躯で背中には羽が生えており、人間でいうと頭部に該当する部分にはグロテスクな頭部がついていた。目は複眼で鼻と耳はなく、唇と歯はの部分には吻針の付いた短い口吻が存在していた。
昆虫人間シャッガイの生チェキを見てしまった探索者は0/1D2のSANチェック
更にシャッガイの写真をシャイガイと誤認し、これから殺されてしまうかもしれないという恐怖を覚えた探索者は1/1d3のSANチェック
「おや、すまない。間違ってシャッガイの写真を出してしまったようだ。安心してくれたまえ、本物のシャイガイの写真はこっちだよ。おや、ないぞ・・・。どこかで落としたか。あとで探しておくか」
と言いつつ、次の説明に移る。
ここでPLに〈目星〉を振っても振らなくても良いと宣言する。〈目星〉にクリティカルした探索者は植木鉢に先ほどのシャッガイのチェキと同質の紙が白い面を上側にして落ちているのを目にするだろう。これはブライト博士製シャイガイの生チェキである。折り曲げるなど特別な宣言をしないかぎり入手し保管してから裏表が分からなくなる為、取り出す際に〈幸運〉で裏表がどちらに向いているか判定しよう。

以上で施設の案内は終了となる。これから探索者達は6か月の訓練期間を経て本格的にエージェントとして勤務することとなる。

「確保・収容・保護!確保・収容・保護!確保・収容・保護!確保・収容・保護!」
あなた達は毎朝スピーカーから流れる以上の文言を耳にタコが出来るほど聞くこととなり、またそれを同じ回数だけ復唱するだろう。あなたはもう立派な財団職員となった。

報酬

Eクラス職員の地位およびレベル3セキュリティクリアランスカードキー
クトゥルフ神話技能+10%
技能ポイント50ポイント
段位クリアランス1の財団神拳を1つ習得

契約内容

職種:フィールドエージェント[1]兼収容スペシャリスト[2]
・本人の能力を考慮し、Eクラス[3]およびレベル3セキュリティクリアランス[4]を付与する。
・6か月の訓練[5]の後、フィールドエージェントとして現地で勤務を行う
・SCP-710-JP-Jの習得を許可する[6]
・給与 月2000ポンド 危険手当 月3000ポンド 特別職員手当 5000ポンド
・住居、自動車など生活必需品は財団が負担する

[1] フィールドエージェントは財団の目と耳であり、異常な活動の兆候を見つけ出し、調査し、そしてしばしば地域の法執行機関と秘密活動を行ったり、救急サービスや行政組織のような地域のサービス機関に潜伏します。秘密部隊として、フィールドエージェントは基本的には異常物体を確認するのに必要な装備がありません。そのような事態が発生し孤立している場合は、フィールドエージェントは原則として安全に安全確保と収容をするために近隣の収容チームの救援を要請します。

[2] 収容チームからの依頼を受けて初期の収容を確立するべく、異常存在の活動を確認し、付近の財団施設へ移送する。また、収容エンジニアや技術者の依頼を受けたうえで収容設備や収容計画の考案、精緻化、維持に携わる。

[3] Eクラス職員は暫定的な分類で、新たに指定された異常物体・存在・現象に対して安全を確保し初期の収容を確立する際に危険に曝される可能性のあるフィールドエージェントや収容担当者に適用されます。Eクラス職員はできる限り迅速に検疫を受け、監視され、行動や人格、精神に有害な変化が無いか検査され、ひと通りの事情聴取を受けた後、心理療法士と医療スタッフによって完治できた場合のみ、職務に復帰することになります。

[4] レベル3セキュリティクリアランスは収容されている異常物体・存在の起源、回収状況、長期的な計画に関するより深いデータを必要とする、上位のセキュリティ担当者、研究職員に与えられます。多くの上位の研究職員やプロジェクト責任者、セキュリティ担当者、応答チームや機動部隊隊員はレベル3セキュリティクリアランスを付与されています。

[5] 高効率の訓練により、探索者は〈クトゥルフ神話〉に+10%、任意の技能に合計50ポイントを割り振ってよい。

[6] 詳細はSCP-710-JP-Jを参照 http://ja.scp-wiki.net/scp-710-jp-j

H.P. ラブクラフトについて

アイテム番号:SCP-1939
オブジェクトクラス:Keter Neutralize
特別収容プロトコル:
SCP-1939は死亡により無力化されたため特別収容プロトコルは削除されました。

旧特別収容プロトコル:
SCP-1939は現在サイト-■■に収容されています。SCP-1939が執筆活動を行う際は、内容をSCP-1939に発話させることで確認してください。内容に脅威が含まれる場合、出来るだけ脅威が軽減されるような内容とするよう交渉を続けてください。ただし、SCP-1939の周囲で異常物体発生の兆候が出た場合は、交渉を終了し執筆活動を許可してください。SCP-1939による執筆活動が完了した場合、機動部隊H-P(”編集者”)によって検閲・改変され、本として出版されます。

説明
SCP-1939は現実改変能力を持つ■■■■州■■■■市出身の白人男性です。外見は通常の人間と変わりませんが、SCP-1939が執筆した文章は現実改変能力を有しており、執筆された文章と同様の行動および執筆活動の妨害は新たなSCP-1939-αの具現化を引き起こします。現時点で■■■件の神話生物(以降SCP-1939-αと表記)の具現化を確認しています。具現化したSCP-1939-αは総じて強力な認識災害を引き起こすため、SCP-1939-αに関わる全ての職員は認知抵抗値(Cognitive Resistance Value:CRV)が13以上である必要があります。SCP-1939が最初に出版した『ダゴン』は財団が回収し、内容を改変したうえで再版することでSCP-1939-αに関する情報の拡散を防ぎました。カバーストーリー『改訂』が現在は流布されています。また、SCP-1939の執筆活動を防ぐためのあらゆる試みはSCP-1939-αの具現化によって全て失敗に終わっています。

我々は現在■■■件のうち48%の収容方法を確立しています。また、SCP-1939-αが発生した場合、エージェントによって情報収集を行い、機動部隊H-P(”編集者”)によって最終的に収容されることが最善であると考えられます。

SCP-1939およびSCP-1939-αインタビューログ及び実験記録(3890件)
※記録が膨大なため外部ページで管理しています。

SCP-1939-αの新たな収容を行う前に可能であれば対ミーム予防措置[6]を経由するようにしてください。

[6] 認識災害曝露ロール(SANチェック)が1軽くなり、アイデアロールに2回成功しなければ発狂しなくなる。ただし、対ミーム予防措置は認識災害曝露ロールを数度繰り返すか一定時間経過すると効果を失う。

財団神拳について

●段位クリアランス1/710-JP-Jが習得可能な財団神拳(初期値は50%)
解放礼儀:素手格闘時、与えるダメージに+1、受けるダメージに-1、戦闘技能に+10%する (コスト:1D3MP)
開いた左手と握った右手を合わせ、45度きっかりの礼をする。この姿勢を5秒間とることで自身の身体能力をある程度引き出すことが可能となる。

共振パンチ:ダメージ1D10+DB (コスト:1D6MP)
共振現象を引き起こすことでより硬い物体を破壊する

共振遠当て:ダメージ1D6+DB (コスト:1D6MP)
手を振動させて音波を発し、共振現象で離れた場所にある物体を破壊する

爆風キャンセリング:爆発ダメージ無効 (コスト:1D10MP)
正拳突きにより発生する衝撃波の波形を爆風と合わせることで、衝撃を相殺する

確率論的回避:回避自動成功 (コスト:1D10MP)
確率的に軌道を予測することで銃弾を回避する

●段位クリアランス2/710-JP-Jが習得可能な財団神拳(初期値は50%)
明鏡歩法:水泳自動成功(コスト:1D4MP)
水に右足を上げ、その右足が沈む前に左足を上げる。またその左足が沈む前に右足を上げる。これを繰り返すことで水上を歩行することができる。

元素功法:耐久力を1D10回復 (コスト:1D10MP)
大気中の微粒子や構成元素を選択的に消化器官に取り込み胃腸での吸収を促進、加えて負傷部位の修復のために血流に乗せて素早く患部に送り込むための腹式呼吸法。

鰒猫拳:直線的に10マスまで移動可能 (コスト:1D4MP)
身体を大きく丸めながら、全身の体毛を逆立てることで、地面との電磁的反発力を生み出し、超高速で戦場を駆け抜ける術。

●段位クリアランス3/710-JP-Jが習得可能な財団神拳(初期値は50%)
量子歩法:KPが許可した現象 (コスト:1D20MP)
特殊な歩き方でトンネル効果を発生させ、壁をすり抜けたり物体を回避したりする

力学的反射拳:受け流しとして使用可能。自身が受けるダメージを相手に与える。または無効化する。(コスト:1D10MP)
鋭い正拳突きを繰り出し、相手の攻撃の運動エネルギーの向きを逆転させ、向きを反転させる奥義。

天殺・認識災害の構え:見た者を1D3ラウンド行動不能にさせる(コスト:1D10MP)
一定の手順に従って1秒間に4種類以上の型を構えることでこれを視認する対象の眼球内外の複数の筋肉に特定の動作を強制し、その結果としてSCP-■■■-JPと同質の麻痺性の認識災害を発生させる。

●段位クリアランス5/710-JP-Jが習得可能な財団神拳(初期値は50%)
臨界パンチ:ダメージ1D20(コスト:1D20MP)
自身の拳の生体組織を原子核分裂させ、対象の原子構造ごと爆砕する。

Default dc97b68ac5e45fe6e796100df0104bd212cb6cb56de14e1772ab29062c337ef0

Twitter @shumiyouacc1 今後過去シナリオや新作シナリオをBOOTHを通じて頒布予定です。誤字脱字の訂正、読みやすさを意識した階層、キーパリングを円滑に行う上でこれまで作成してきたデータシートなどを付与することで有料にする予定です。シナリオを気に入ってくださった方は応援のほどよろしくお願いします。

Post Comment

ログインするとコメントできます。