2024年03月01日更新

【CoCシナリオ7版対応】○ ○

  • 難易度:★★★★|
  • 人数:4人~4人|
  • プレイ時間:5~6時間(ボイスセッション)

シナリオタイトルの読み方は「失われた環」
あなた達はルームシェアをしており、比較的仲の良い生活を送っている。大晦日に除夜の鐘を聞きに近くの神社まで訪れた。帰宅してからは夜更けまで家で思い出話を肴に酒でも飲んでいるかもしれない。

貴方は夢を信じるのか?

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シナリオ設定

時代:現代
場所:序盤→日本、終盤→ドイツ
敵対神性:ゾスラ
目的:ドイツのハイデルベルグに設立された欧州分子生物学研究所本部を襲撃し、DNAデータベースを解析・吸収することで飢えを凌ぐと共に急激に進化を行う。

敵対神性:ニャルラトテップ
目的:探索者に擬態して本シナリオに参加し、楽しむ。結末を不確定にするためにいくつかの干渉を行う。

シナリオ概要

 天使は存在していた。人類史以前より、ダーウィンの進化論に基づいて進化を遂げてきた地球内生命体は常に冒涜的な地球外生命体によって脅威に晒されてきた。人類が誕生し、食物連鎖の頂点に立つと言語を用いて一部でその上位存在の知識を共有した。抗うことの出来ぬ理不尽な存在であると。だが、共有された経験則と知識は遺伝子に急激な変化を与えた。
 天使が生まれたのである。人類史の消滅を危惧し、誠に恐れた一部の人類の変異によって生まれたそれはジャンヌダルクやマザーテレサ、ヘレンケラーとして人類の希望の旗となり、命を賭した。全ての地球外生命体を殲滅するという使命を背負って。
 天使は抗っている。地球外生命体の悪意に。人類の悪意に。遺伝子の変遷に。

 2020年現在、天使は活動を続けている。SNSという驚異的な情報共有システムが広まった今ではその活動を隠蔽せねばならない。天使と各国政府はこの点について情報共有と協力を行っている。真実が広まってしまえば人類の遺伝子変異は可及的速やかに行われるからである。これはキリスト教において人類に害をなす存在が悪魔として描かれ、救いを与える存在が天使として描かれ、架空のものとされていることからも明らかである。このような時代背景が続いてきた世界をもとにシナリオは展開される。

 事の発端は欧州分子生物学研究所(EMBL)で起こったイドラ襲撃である。様々な遺伝子情報である塩基配列をデータバンクとして有しているため、この塩基配列を吸収するため、地下を通じて研究所内にイドラが侵入を試みた。結果としてイドラは侵入に成功し、生成した様々な生物を用いて、職員を殺害しデータバンクに到達した。塩基配列吸収および解析のためにその場を離れられなくなってしまったイドラは迫りくるドイツ軍と1体の天使への対処のために次々に遺伝子組み換え生物を生成した。この天使こそヌトセ=カームブルである。彼女は夢抜きという能力を有しており、万全の体制でイドラへ挑んだが、本体目前にして数の暴力によって堕ちてしまう。これにより最も重要である天使の遺伝子を吸収されつつあるヌトセ=カームブルは地球の最期を悟った。この時ヌトセ=カームブルは妊娠中であり、娘を強引に出産し、天使の象徴であり夢抜きの能力の根源でもある天使の環を剥奪し、探索者のもとへ人間として生きられるように送り出した。

 ここからシナリオの本編が開始する。
 ヌトセ=カームブルの娘であるαは門の創造という呪文によって探索者のもとに転移させられる。αの夢抜きの能力は完全に消え去ったわけではなく、しばらく続くためヌトセ=カームブルがαを送る探索者の条件としてはPOWが高く、夢抜きに耐えられる精神構造を有しているのに加え、夢抜き中の情報を真実と受け取り、行動を起こす可能性が低く、INTが低いということである。ヌトセ=カームブルの一つの誤算として適切な探索者がルームシェアをしていたため、夢抜きに参加する探索者の人数が多く、行動を起こしてしまうということである。探索者たちは日中、夢抜きによって得た情報から調査を行い、睡眠時には夢抜きによってEMBLハイデルベルグ本部の探索を行う。最終的に探索者達はイドラを打倒するためにαを連れてEMBLへ乗り込むこととなる。

推奨技能

〈図書館〉〈オカルト〉〈科学(生物学)〉〈精神分析〉〈目星〉

注意事項

好奇心は#$■を壊す。

探索の流れ

シナリオ序盤
起床時:夢抜きによるEMBL探索によって得た情報の精査・調査
睡眠時:夢抜きによるEMBL探索
シナリオ終盤
EMBLへの突入およびイドラとニャルラトテップによる地球内生命体の最後の審判

登場NPCおよび神話生物

ヌトセ=カームブル【世界を打ち砕くもの、能天使】
STR 350 CON 225 SIZ 100 INT 350 POW 500 DEX 125 APP 105 耐久力 33
ダメージボーナス:+5D6
装甲:25ポイントの盾とかぶと
正気度喪失:ヌトセ=カームブルを見て失う正気度ポイントはない
攻撃
1:〈槍〉 100% ダメージ 4D6+DB
2:《夢抜き》 対象の敵対神性(地球外生命体)を己の夢へ引き込み、仮想現実上で戦闘を行う。(一種の戦闘シミュレーションと思ってよい)
3:《光と闇の目》 周囲に存在する敵対神性のMPを1時間に1ポイント吸収する。
呪文:旧き神と大いなるもの、外なる神、グレート・オールド・ワンの《招来》と《接触》の呪文。《旧き印》、《光と闇の目》。ノーデンスのように、彼女は1MPを支払って1ポイントの耐久力を再生できる。
 ヌトセ=カームブルは、長い緩やかなロープを身に纏い、ギリシャ風の兜を着け、大きな盾と槍を持った美しい女性の姿をしている。彼女の盾は旧き印で飾られている。
 ヌトセ=カームブルはグレート・オールド・ワンとの戦争のきっかけとなった強力な女神である。恐ろしい神々を墓の中に封じ込めた強力な旧き印を創造したのは彼女であった。彼女は時間が許す限り、積極的にグレード・オールド・ワンと異形の神に敵対している。彼女の武器は通常の槍として機能するだけでなく、《萎縮》の呪文に似た強力なエネルギーの奔流を放つことが出来る。放つごとに1MPがかかるが、彼女の現在のPOWに等しいダメージを与える。彼女の盾は旧き印として機能し、その背後にあるもの全てを保護する。
 ヌトセ=カームブルは人類に対しては全くの無関心である。彼女の唯一の関心事は外なる神とグレート・オールド・ワンの究極の敗北である。彼女はこれらの汚れた神々に対する戦いのために彼女を求める人々を支援することもある。これらの存在がはっきり物理的な姿をとっている場合にのみ、彼女は直接介入する。脅威が大きいときには、彼女とともに戦う旧き神の仲間を目覚めさせることが出来る。
 本シナリオ中では、ヌトセ=カームブルを能天使として設定し、人類に関心がないのではなく、人類の兵器として生み出された遺伝子変異体として取り扱っていることに留意していただきたい。また、キリスト教を主軸として設定を付与しているため、天使の身体的特徴として能天使には体表や内臓などの体の一部に円を有する五芒星が刻み込まれている。これはクトゥルフ神話においてはエルダーサイン(《旧き印》)と呼ばれている。また、多くの世代を経て旧き神と大いなるものとの《接触》を応用し、外なる神やグレート・オールド・ワンとの《接触》を可能とした。これがヌトセ=カームブルの特殊能力「夢抜き」である。敵対神性を夢の中に引き込むことで戦闘シミュレーションを繰り返し、確実に駆逐することが可能と判明してから実地に赴く。ただし、ゾスラの場合は遺伝子合成パターンが量子力学に基づいており、同じパターンが存在せず、日を追うごとにゾスラの遺伝子解析が進行し手遅れになる前に性急に決着を付けるため、偶然うまくいった日に実地に赴くという手法を採用し、敗北を喫した。また、この個体は吸収されるにあたり遺伝子変異が始まっており、本個体は気づいていないがゾスラの遺伝子合成パターンを固定する能力を獲得している。そのため、シナリオ中では同様の夢が連続的に発生することとなる。
 また、この個体は母親としての側面が強く表れた個体であるため、ドイツに乗り込んでこないよう、人間として生きてもらえるよう、夢抜きが始まってからは追い返そうという行動をとる。(人類の敗北を悟っているため、これ以上の敵対神性の殲滅が意味を為さないと考えている。)

α(探索者が名前を決定してよい)【天使の環を失ったヌトセ=カームブル、人間と天使のミッシングリンク】
STR 100 CON 65 SIZ 50 INT 100 POW 150 DEX 60 APP 90 耐久力 22
ダメージボーナス:+1D4
装甲:なし
正気度喪失:ヌトセ=カームブルを見て失う正気度ポイントはない
攻撃
1:《滅びゆく夢抜き》 対象の敵対神性(地球外生命体)を己の夢へ引き込み、仮想現実上で戦闘を行う。(一種の戦闘シミュレーションと思ってよい)ただし、環を持っていないため、シナリオ進行につれて夢の世界は不安定になってゆく。
 イドラに吸収されつつあるヌトセ=カームブルが産み落とした娘である。天使の身体的特徴である円を有する五芒星ではなく、円が欠落した五芒星を胸元に有する。金色の髪と白い肌をしており、異常ともいえる美貌をその身に宿している。夢抜きでは1度目は精神の繋がりが弱いため、探索者と別の場所から探索が開始し、クマキメラに摂食されるが2度目からは探索者とともに探索を行う。

ゾスラ(覆い隠すもの)【イドラの化身】
STR 355 CON 535 SIZ 395 INT 125 POW 300 DEX 70 APP 該当せず 耐久力 93
ダメージボーナス:+8D6
装甲:10ポイント
正気度喪失:ゾスラの姿を見たものが失う正気度ポイントは1/1D20
攻撃
1:〈融合〉 95% ダメージ 緩やかな死
2:〈鉤爪〉 88% ダメージ 2D6+DB
3:〈丸呑み〉76% ダメージ 8D6
呪文:《召喚》と《従属》の呪文すべて、精神に影響を与える呪文全て。ほかにキーパーの望む呪文。 
 この外なる神は本質的に変幻自在の巨大アメーバのような生き物であり、あらゆる生き物から遺伝子素材を吸収して常に進化し続けて生き延びている。イドラは時にみだらな結合の最中に犠牲派を吸収し、彼らの遺伝子構造を再配列して奇怪な外見で完全に発狂した新しい姿のクリーチャー(遺伝子組み換え生物)として生み出す。
 イドラは進化の持つ生存第一主義な面の権化といえる。定期的な生贄は、その終わりなき進化に必要な新鮮な遺伝子素材の供給に必要なのだ。生贄に飢えた化身はしなびて退化し、最終的に不活性状態の遺伝子素材のプールにまで溶融してしまう。飢えた化身の崇拝者も同じ運命をたどる。
 ゾスラとしての説明:桁外れに大きい地を掘り進むもの。目がないが、大きくて幅広い口を持つ。ゾスラは爪で叩き潰すか、犠牲者を一息に丸呑みにして攻撃する。
 本シナリオ中におけるゾスラの説明:本シナリオにおけるゾスラは生贄に飢えたためにEMBLハイデルベルグ本部を襲撃した。ドイツ軍とヌトセ=カームブルの奮闘にもかかわらず、ゾスラの生成するクリーチャーに対処出来ず、敗北を喫してしまう。人類の切り札であるヌトセ=カームブルの遺伝子を吸収したゾスラは最早敵はなく、永遠の命を得るに至ったはずであった。しかし、ヌトセ=カームブルが産み落とした娘は探索者とともに夢抜きを行い、再びゾスラの下へ現れ、地球内生命体がゾスラのプールになるか、これからも進化を続けるかの最後の審判を下すこととなる。

以下は中国の五情に基づいた5種類のキメラである。

インコ・熊・アルマジロ・食屍鬼のキメラ【ゾスラに生み出された怨みのキメラ】
STR 140 CON 90 SIZ 140 INT 55 POW 55 DEX 55 耐久力 23
ダメージボーナス:+2D6
装甲:非常に厚い贅肉とアルマジロの鱗甲板によって10ポイントの装甲をもつ
正気度喪失:冒涜的なキメラを見た者が失う正気度ポイントは1/1D6
攻撃
1:〈鉤爪〉 70% ダメージ 2D6+DB
2:〈環境音の模倣〉 100%
 インコの頭と鳴管を有しているため、過去に聞いた音を模倣することが出来る。胴体内部は熊の肉体を有しているため、全体的な耐久力は高く筋肉量も多いため、凄まじい破壊力を有する。体表はアルマジロの鱗甲板で覆われており、銃弾に対する装甲を有している。魂は食屍鬼で作られているため、人間に対する殺意は尋常ではない。

ヒト-タコキメラ【ゾスラに生み出された哀しみのキメラ】
STR 10 CON 15 SIZ 15 INT 35 POW 25 DEX 10 耐久力 3
ダメージボーナス:-2
装甲:なし
正気度喪失:
冒涜的なキメラを見た者が失う正気度ポイントは1/1D3
タコキメラであることを知った者が失う正気度ポイントは1/1D6
 頭部が幼児で体がタコのキメラ。頭部を失った死体にタコの体を侵食させることで神経細胞を接続し、動くことが出来る。彼は家族3人でEMBL見学ツアーに来ている最中だったが、ゾスラ襲撃に巻き込まれて遺伝子を取り込まれてしまう。この姿になってからは父親の体に接続し、母親を探している。そのため、「ママ・・・、ママ・・・」と呟きながら徘徊を続けている。探索者が身体に衝撃を与えると危険を察知して頭部の接続を切断し、首からタコの体を抜き取りゆっくりと逃げていく。頭部にダメージを与えると「イイイーイイイー」と金切り声を上げながら頭部が脱し、しばらく悶えると死亡する。

アリと無数の楽器のキメラ【ゾスラに生み出された喜びのキメラ】
STR 5 CON 5 SIZ 5 DEX 5 耐久力 1
ダメージボーナス:該当せず
装甲:なし
正気度喪失:
悍ましいアリの姿を見て、演奏を聞いた者が失う正気度ポイントは1/1D6
 ベートーヴェン交響曲第9番の第4楽章「歓喜の歌」を餌の回収中に演奏する背中に楽器が埋め込まれた軍隊アリ。音楽が聞こえた時点で部屋に隠れなければ飲み込まれて死亡する。

ウイルスと狼とハリネズミのキメラ【ゾスラに生み出された怒りのキメラ】
STR 65 CON 55 SIZ 40 POW 55 DEX 65 耐久力 9
ダメージボーナス:触れた生物を殺害するウイルスを保菌している。
装甲:1ポイントの毛皮と2ポイントの厚い針層
正気度喪失:冒涜的なキメラを目撃した者が失う正気度ポイントは1/1D6
攻撃
1:〈体当たり〉 60% ダメージ ラウンド毎に1ダメージを受ける致死性の毒。
2:〈噛みつき〉 40% ダメージ 1D4+DB+ラウンド毎に2ダメージを受ける致死性の毒。
3:〈追跡〉 50% 成功するたびに探索者のもとに現れる。これは他の探索者を犠牲に逃げた探索者を追跡するためのものである。定期的に振って怒りのキメラを開放するとまともな探索にならないことを示そう。
狼は怒りの象徴として描かれる生物である。これにウイルスとハリネズミが合成したキメラ。触れるだけで針の先端からウイルスに感染してしまい、時間が経過することで死に至る。また、非常に敏捷性が高く、追跡も行ってくるため、天使と人間のミッシングリンクになっているαを犠牲にしてアナフィラキシーショックを発症させ殺害するか、夢見によって強力な武器を生み出さない場合基本的に対処は不可能となる。そのため、夢抜きによって一度死亡し、実際の探索では閉じ込められている怒りのキメラを開放しないことのみが対処法となる。

ニャルラトテップ【ゾスラを踊らせる楽しみの&ヒ%蛾イ】
【HO2】の探索者はこのシナリオに人間として参加している。【HO2】を参照のこと。
今回のニャルラトテップはシナリオの全貌を知らず、人間として参加したいという思いからこのようなハンドアウトとなっている。更に、本シナリオはαを捧げるという解決手段がなかったことから、魔導書を作ることで、マルチエンディングとなるように遊び心を加えた。また、自分に敵意を向けさせるために日本語のゴシック体で異物感と違和感を持たせるようにしている。

PCを創造するときの注意点

シナリオ開始前に探索者同士でどういった繋がりを持っているか設定してください。仲の良いという設定から始まるため、円滑に会話を進行するRPをしやすくするためです。

ハンドアウトについて

【HO1】貴方は並外れた精神力の持ち主だが、ややぽんこつだ。POWは(1d4+15)×5、INTは(2d6+3)×5で決定する。
【HO2】貴方はニャルラトテップだ。貴方は完全に自らを人間として再構築して探索者たちの中に入り込んでいる。しかし、貴方がニャルラトテップとしてシナリオに干渉するためにシナリオに関する断片的な情報が開示される。この情報を用いて探索者を困難に陥れる行為を行うことで、自らが毒であることを示してもよい。全くもって干渉しなくてもよい。手助けすることで、安寧を授けてもよいだろう。更に貴方は自らに開示しない情報を1つだけ定めている。その時に後悔しないように。シナリオを楽しむと良い。

ニャルラトテップが自らに開示する情報
本シナリオはキメラを作ることが出来る怪物が黒幕である。天使はその身を削り、怪物を倒す宿命を負っている。母親が奪い取った天使の環を娘に戻すことで完全な天使とし、その身を捧げることでこの目的は達成される。
出現するキメラ

【インコ・熊・アルマジロ・食屍鬼のキメラ】
装甲・ダメージ共に非常に高い。環境音をコピーして発生することが出来る。人間に対する殺意は尋常ではない。人間では太刀打ちできないだろう。

【ヒト-タコキメラ】
人の頭部とタコの触手で構成されたキメラ。その触手を様々な生物の体に侵入させ、神経を接続し、操ることが出来る能力をもつ。また、物理的な衝撃を与えることで真の姿を垣間見ることが出来る。

【アリと無数の楽器のキメラ】
ベートーヴェンの交響曲第9番4楽章を演奏しながら餌を回収する軍隊アリ。飲み込まれればひとたまりもないだろう。音が聞こえてきたら部屋に隠れることで回避することが出来る。

【ウイルスと狼とハリネズミのキメラ】
触れた生物は致死性のウイルスに感染する。執着心が強く、追跡能力も高い。地図上で左上の部屋に閉じ込められている。

【裏HO2(探索者たちが天使を捧げずに魔術を用いてゾスラを打倒しようとする提案を行った場合に開示される)】
天使を捧げずにゾスラを打倒するためには探索者たちは大量の能力値を捧げる必要がある。疑うこともしなかった貴方たちは4名で能力値を分配して支払おうとするだろう。だが、貴方はここで能力値を支払わない。協力的な会話のみを行って儀式を行うのだ。貴方がここまでに全員から敵と疑われた場合、儀式に干渉することはできないが、疑わなかった探索者1人につき1d10ポイント儀式の成功値を下げる。貴方は、1度儀式が失敗に終わり人間性を失いかけた探索者がもう1度同じ儀式を行うのかどうか見たくてたまらない。貴方は1度目の儀式が失敗に終わっても自らについて明かしてはならない。常に真剣に儀式に参加する振る舞いを行おう。

本シナリオにおける夢抜き中の特殊ルール

技能値を1度使用するたびに探索者はMPを1失う。MPが0に達した時点で夢抜きからの強制退場となり、MPを1/4獲得してから目覚める。また、発狂した場合も強制退場となり、ハッと目覚め一時的発狂なら起きてから1時間程度、不定の狂気なら次に寝るまで現実と夢の境が分からなくなり発狂状態が続く。これは現実世界での精神分析によって回復可能である。また、肉体的ダメージは全てMPに入る。更に、この夢抜きの世界はドリームランドと同質のものと考えてよく、〈夢見〉の能力によってある程度探索者が必要とするものをMPの消費によって作り出させてもよい。〈夢見〉の能力値は50%。更に〈夢見〉を他の技能の代わりに使用する際にはコストは2MPになる。(翻訳など)このルールは開示せずに、KP側が状況に応じて適宜処理を行うこと。

導入

 あなた達はルームシェアをしており、比較的中の良い生活を送っている。大晦日に除夜の鐘を聞きに近くの神社まで訪れた。帰宅してからは夜更けまで家で思い出話を肴に酒でも飲んでいるかもしれない。プレイヤーとキーパーの望む限りRPを行ってよい。卓を行う余裕があれば神社にゆく場面から、余裕がなければ帰宅してからでもよい。

シナリオ本編

 目が覚めるとあなた達は見知らぬ建物の廊下にいた。目星のない範囲で情報を開示すると、壁には無数の弾丸が衝突した弾痕が残され、夥しい量の血痕が上から被さる様に垂れ、乾いていた。そこであなた達は気が付く。足元の違和感に。床には想像を絶する光景が広がっていた。白い布と黒みがかったプレートのような何か。そしてバラバラになった銃と人間であったであろう肉。それらが沼のように足元に広がっていた。SANチェック1/1D6。ここでマップの一部を公開する。
KP側が管理する地図(EMBL研究棟地下1階)
'画像'
PL側が管理する地図(EMBL研究棟地下1階)
'画像'
エレベーターは死体で埋め尽くされており、ゾスラの侵入によって衝撃が走り機能が停止している。また、階段を用いて夢抜き中に上がろうとすると1段上がるごとにMPが1減少する処理を行おう。ただし、限界までMPを使い果たしたPLには報酬として外の景色を見ることが出来たという風に伝えよう。この景色は実際に赴いた際にどの建物に入ればよいかの指標となる。

1度目の夢抜きで得られる探索情報として以下を開示する。
散らばっている死体に対して
〈目星〉に成功すると、落ちている名札を見る限りドイツ語の名前の人間が多いようにみられる。
〈医学〉に成功すると、各死体の創傷についての情報を得ることが出来る。一つ目は割創で、あまり切れ味の良いものではないものが力押しで引き裂いた跡が見られる。二つ目は挫創で、激しく被害を受けており、外部から凄まじい衝撃が加わったことが分かる。三つ目は咬創で、かなり強い力で噛まれたような跡が見受けられる。更に、四つ目として刺創で何らかの生物の針であることが分かる。また、五つ目として咬創と刺創に付随して現れている創感染で、非常に激しい腐敗が進んでおり、触れるのも危ないと感じるだろう。また、咬創と刺創は主に下半身に多く表れていることが分かる。また、六つ目および七つ目として誤射と思われる銃創およびグレネードに巻き込まれたと考えられる爆創も散見されるだろう。
〈医学〉に成功したうえで〈科学(生物学)〉〈自然〉に成功すると、多くが何らかの生物による怪我であることが分かる。挫創についてはあまり検討が付かないが、割創は斧などに比べて直線的な跡ではなく、爪のような形をしていることが分かる。また、咬創は生物ではないと付くことはなく、刺創も針山のようなものに刺されたように、広がっており、ヤマアラシやハリネズミなどによるものであると考えられる。また、創感染を伴っていることから、有毒動物であることにも見当がつくだろう。ただし、これらのハリネズミやヤマアラシは通常針に毒を有していないため、未知の生物であると考えることが出来る。

〈射撃(拳銃)〉などの火器技能に成功すると、多くがドイツ軍の装備品であることが分かる。
凄惨な壁に対して〈目星〉に成功すると、EMBLとそのロゴが書いてあることが分かる。

 暫くその場でうろうろとしていると「Help Me!!」「Holy Shit!!」といった甲高い人間の叫び声と銃声のようなものが遠くから聞こえる。ここで強制イベントが発生する。探索者たちは皆音のする方向へ行く欲求に駆られる。探索者達が警戒を続けながらゆっくりと音の方へ行くと、そこには奇妙な光景が広がっていた。鳥のような頭をしており、胴体はクマのように大きく、分厚い鱗に覆われ、腕と思わしきものの先には巨大な爪が付いていた。そのような謎の生命体はくちばしをパクパクと動かし、人間の叫び声と銃声を鳴らし、金髪の女性を咀嚼していた。SANチェック1/1D6
 ここで、〈隠密〉に失敗した探索者がいた場合、存在を感知されてしまう。ただし、ここでMP0になれば夢抜きからの存在が消失するため音だけ鳴らして探索者はふといなくなる。MPをまだ有している探索者はここから戦闘になる。
戦闘中〈科学(生物学)〉に成功すると、アルマジロの鱗甲板を有し、セキセイインコ特有の頭部を有していることが分かってよい。また、爪は食肉目クマ科のものであるということも分かる。しかし、技能の使用や逃走によるDEX対抗ロールによってMPを削られるため、ここで1度目の夢抜きが終了する。ここで最後に夢抜きを離脱する者のみ、頭部に発疹が現れ、もがきながら自らの爪で切り裂いている場面を目撃してよい。(これは天使の遺伝子を2度接種することでアナフィラキシーショックに陥り、死に至ることを描いた場面である。すでに母体がヌトセ=カームブルを吸収しており、免疫獲得していることから娘のαを取り込むことで2度目の接種となっている。ただし、αは人間と天使のミッシングリンクであるため、天使の遺伝子は薄く、母体を打倒するだけのダメージはない。)
 基本的に熊キメラの立ち位置はDNAデータベースの左側辺りに初位置を取り、特に干渉しなければ徐々に右側に歩いていくという流れでよい。

 あなた達が目覚めるとそこは住み慣れた家だ。ありえないほどに疲弊した状態であなた達はベッドで寝そべっている。更に【HO1を持った探索者】は違和感を覚える。誰かと寝ているのだ。あなたが酔った勢いで誰かと寝たか?と思いながら目を開けると、そこには一糸纏わぬ金髪の美少女がいた。

 これ以降の夢抜きについて
 探索者が望むなら4回から5回に渡って夢抜きによる探索を行わせてもよい。ただし、夢の世界が崩壊してゆく様を描写すること。更に今回のシナリオは非常に特殊で、探索者がハイデルベルグ本部へ行かないという選択肢がある。2つ用意されたベストエンドのうちの一つである。

動物管理室(グンタイアリ、狼セーフティールーム)
実験用マウスを保管するゲージが多く存在しているが、その中にマウスの姿は見当たらない。また、ここには数名の研究員が横倒れになって死んでいる。更に作業用デスクの上には培養した細胞を保管するシャーレ、光学顕微鏡や報告書らしきものが乱雑に置かれている。
この部屋では、シャーレ、報告書、研究員の死体、壁について調べられる。
 シャーレについて〈目星〉を行うと、シャーレ内に細胞が入っていることに気が付く。光学顕微鏡に目を通すと宣言した場合、電源がついており、試料がセットされている状態になっていることに気が付く。更にシャーレ内の細胞に目星を行っている場合、加工され試料になっている細胞はシャーレ内の細胞だということがわかる。
光学顕微鏡をのぞき〈科学(生物学)〉に成功した場合、細胞が死んでいることがわかる。
 報告書について〈英語〉又は〈夢見〉及び〈科学(生物学)〉に成功することで、翻訳文を読むことが出来る。〈英語〉の代わりに〈夢見〉を用いた場合はMPを追加で1消費する(通常の技能使用で1、夢見の場合追加で1の合計2MP減る)。


アナフィラキシーによる未知の生命体の根絶

アナフィラキシーは、アレルギー反応によって引き起こされる全身性の疾患である。本研究では、未知の生命体のアナフィラキシー反応の誘導経路を発見することを期待している。

はじめに
緊急のため省略

アナフィラキシーとは
アナフィラキシーショックの原因
食べ物の摂取、虫さされ、薬物、ラテックスがあげられる。また、運動や寒冷、日光といった刺激によってもアナフィラキシーを生じることがある。アナフィラキシーの症状はさまざまだが、代表的なものに全身性のじんましん・呼吸困難・血圧低下等がある。特にショック状態に陥った場合は、急激な血圧低下や意識障害を引き起こし、最悪の場合死に至る可能性がある。

実験動物(天使)を用いたアナフィラキシー研究の意義及び方法
現在EMBLは未知の生命体による襲撃を受け、壊滅状態にある。物理的に隔離することで現在、筆者は生存中であり未知の生命体と敵対的な行動を取っていた1体の人型生物(ヒトが有する運動能力を遥かに逸しており、ヒトであるか不明である。また、身体的特徴として円を有する五芒星が体表にあったため、便宜上天使と呼称する)の細胞の確保に成功した。社内ネットワークを通じて、未知の生命体の行動が鈍くなっており、天使が原因ではないかとの推測がなされていたため筆者はこの細胞を用いてアナフィラキシーの反応の誘導経路を発見し、被害の拡大を防ぐことが出来ると考えられる。

アリ型生物の誘導経路模索
摂食 ○
体表への接触 ×
体液への直接注入 △

摂食のみ生命維持活動の停止がみられた。

天使の細胞の培養に失敗した。最悪だ。サンプルはもうない。

神よ。どうか。私は敬虔な信者ではありませんでしたがどうか。これからも生きる者、ここに踏み込む者に救いを。
Our Father, who art in Heaven
Hallowed be Thy name.
Thy kingdom come,
Thy will be done on earth as it is in Heaven

Give us this day our daily bread.
And forgive us our trespasses
as we forgive those who trespass against us;
And lead us not into temptation,
But deliver us from evil;
Amen

天におられる私達の父よ、
御名が聖とされますように。
御国が来ますように。
御心が天に行われるとおり
地にも行われますように。

私達の日ごとの糧を今日もお与えください。
私達の罪を御赦しください。
私達も人を赦します。
私達を誘惑に陥らせず、
悪からお救いください。
アーメン


壁や床、天井について調べると宣言した探索者は、「信じるな。疑え。」「毒をその身に宿すものに気をつけろ」「希望はある。絶望とともに」「祈りは神に通じない。叛逆せよ」「その身を捧げよ。」とゴシック体で壁に刻印され、瞬きをすると同時に消えていることに気が付く。この警告は各探索者に対して1度から2度行われる。これは再構築前のニャルラトテップからの警告文であり、不自然な挙動をする探索者に猜疑心や敵意を沸かせるための警告文である。

休憩室
休憩室はウイルスと狼とハリネズミの怒りのキメラが存在している。外部から鍵が掛けられているため、基本的には〈夢見〉による鍵の創造を行い、解錠することとなる。解錠が行われ次第、怒りのキメラとの戦闘が開始される。

出現描写
「探索者が解錠すると、ペタペタ・・・という音とともに目の前に体表が赤く染まり、針を全身に生やし、牙を剥き出しにした狼のような生物が現れる。探索者達を視認するとソレは突然目を血走らせ、こちらに向かってきた!!冒涜的なキメラを目撃した者が失う正気度ポイントは1/1D6。ここから戦闘ラウンドが開始されます。逃走する場合はDEX対抗ロールを行い、失敗した探索者は、狼に追いつかれます(触れられる)。2回成功すると戦闘から離脱できます。」
この後は、離脱した者は探索を続けられるものの、狼による追跡が開始され、まともな探索にはならない。

ここで得られるメモ紙
ヴールの印の呪文が書かれた日本語のメモ用紙。ニャルラトテップからの贈り物。
コスト 1MP 1SAN
詠唱時間 即座に発動可能
詳しい効果の説明
術者は直後に発動するクトゥルフ神話系の呪文の成功率が5%高くなる。この効果は術の効果発動に関わるパーセンテージであれば何にでも適用可能である。ただし、複数名が参加する呪文では1名分しか効果は発動しない。
習得するには1D3を行い出た目の数だけSAN値を失い、クトゥルフ神話技能を得る。

DNAデータベース
(この部屋はEMBLが有する全ての遺伝情報を保管するデータベースである。コンピュータによる保管がなされており、重要なものは印刷され紙媒体としても保管されている。現在はゾスラが巨体を侵入させ、コンピュータを侵食し解析を行っている。更に迫りくる人類を退けるため、新たなキメラの製造を続けている。しかし、ヌトセ=カームブルの猛攻により、部屋内部の時間進行速度は低下しており、ゾスラの活動は非常に遅くなっている。更にヌトセ=カームブルを吸収したことにより毒に侵された状態になっており、免疫の完全構築まで時間がかかっている。計算リソースはこちらにも割かれているため、行動は非常に鈍い。部屋内部に侵入しなければキメラに攻撃されることはないだろう。)

探索者が扉を開けようとすると、脳内に凄まじい量のテレパシーが干渉を始める。「来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな」
探索者はあまりの勢いに扉を開けることに忌避感を覚える。

これはヌトセ=カームブルが探索者に真実を見せたくない。娘を連れてきてほしくないという感情がテレパシーとして伝わったものである。ノイズが掛かった声でどういった音質のものかわからなかったという風にはぐらかしてよい。ロケットランチャーなど適切な道具でテレパシーの干渉なしに壁や扉を破壊することが可能な場合は何度か警告を行った後、クライマックスフェイズにおけるゾスラのSANチェックと〈目星〉による天使の発見を行うことが出来てよい。ただし、この場合は全員が強制的に夢抜きから退出させられる。

更衣室
更衣室はロッカーが横倒しになっており、多くの遺体が下敷きになっていることがわかる。

・研究員のメモ書き

〈英語〉又は〈夢見〉に成功することで、翻訳文を読むことが出来る。〈夢見〉を用いた場合は追加でMPを1消費する。

ここへ足を踏み入れた者へ

私は様々な場所を移りながらも運よく生きている。物音にビクビクしていたからだろう。正直早く逃げるか楽に死んでしまいたい。

これを見ているということは、貴方はこの状況を何とかしようとしているのだろう。先に命を散らす者としてアナログでメモ書きを残しておく。

アレは不意に床を突き破って現れたようだ。恐らくコンクリートなどの硬質なものも破壊する力を持っている。

アレは未知の生命体を生み出す能力を持っているようだ。悪意に基づいて生み出すものが多い。接触を避けろ。人間にはどうしようもない。

一目見ただけでおぞましい程の頭痛と吐き気が襲ってきた。

美しい女の人が居た。あの人がアレに対峙してから周囲の活動が鈍くなったと思う。恐らく、アレが母体で生み出したものは自我を有するものの、基本的な行動メカニズムは母体に依存しているのではないか。

書庫(グンタイアリ、狼セーフティールーム)
書庫は人が横倒れまたは座った状態で死体となっていることがわかる。また、本が大量に開かれており、ホワイトボードやノートには様々な事が書かれており、会議をしていたような痕跡が見受けられる。
〈目星〉に成功すると、「(HO2の探索者が名前を決めてよい。)Un■e■■e■ ■pe■■oo■」という名前の本がテーブルの上に置かれていることに気づく。これはニャルラトテップが特別に用意したゾスラを打倒するための呪文が書かれている魔導書である。探索者が夢抜き中にこれを手に取った場合、MPをすべて失う。
会議がなされていた内容について〈英語〉又は〈夢見〉に成功することで、概要を把握することが出来る。〈英語〉の代わりに〈夢見〉を用いた場合はMPを追加で1消費する(通常の技能使用で1、夢見の場合追加で1の合計2MP減る)。
・クマ、インコ、アルマジロの特徴を持った生物が闊歩していた。
・人間の頭部が動いていた。
・ベートーヴェンの交響曲第9番4楽章が聞こえた方向に向かったが、何もなかった。
・ドイツ軍による救出作戦が始まったが、ほとんどが失敗に終わっており、脱出できた人がいるのかどうかわからない。
・通信障害が続いており、社内ネットワークしか接続することができない。

食堂
 食堂は多くの死体が散乱しており、食事だったものと体液などが交じり合い粘質な物質となり果てている。強烈な腐臭が漂っており、不快に感じるだろう。更に、探索者は歩く男性らしき影を見つける。遠くからその姿をはっきりと確認したいのであれば〈目星〉に成功する必要がある。更に何かを呟いており、聞き取るためには〈聞き耳〉に成功する必要がある。〈隠密〉を用いて近づいて確認したりするのも手の一つだろう。
 姿を確認できたものは異常なものを見てしまう。30代~40代の男性の体躯をしているのは遠目からでも分かったが、ありとあらゆるところが世の摂理に反していた。首から上は男児の頭部で構成されており、およそつなぎ目と思われる部分は血液が激しく流れ出た痕跡が残っていた。更に左膝は折れ曲がっており、強制的に立たされているといった動き方をしていた。
 発話中の内容を聞き取れた者は「ママ・・・、ママ・・・」と言っていることがわかる。
 探索者が特に何もしない限りしばらくすると床に落ちている肉をキメラは拾い集める。テーブルの上にそれを人間の形に近づくように並べ「ママ・・・、ママ・・・」と抱きしめるような行為を続けるだろう。
 異常な光景を目撃した探索者はSANチェック1/1D6
また、ここでは包丁などの刃物類が完備されているため、探索者が望むなら与えてもよい。

探索者が身体に衝撃を与えると危険を察知して頭部の接続を切断し、首からタコの体を抜き取りゆっくりと逃げていく。頭部にダメージを与えると「イイイーイイイー」と金切り声を上げながら頭部が脱し、しばらく悶えると死亡する。

細胞培養室
大量の不可解な生物の死体が詰め込まれている。これはヌトセ=カームブルが鎮圧行動に出た際に殺害したキメラを出来るだけ人類が直視しないように片づけたものである。ムール貝の翼を持つ魚とエビのキメラ、人間の腕が生えた巨大な芋虫、魚の怪物、卵の詰まった腹を開く怪物などありえない生物の死体が存在していた。悍ましいその姿を見た探索者はSANチェック1/1D6。

各種イベント

 基本的にランダムで行ってよい。クマキメラの場合は悲鳴などが聞こえる描写を入れ、〈聞き耳〉などを行わせることで位置を把握させるとともに、MPを削る。アリキメラの場合は交響曲第九番四楽章を、狼キメラの場合は遠吠えなどを入れるとよい。ただし、狼キメラはペナルティのため、頻度は高めに設定しよう。
アリキメラの出現描写
「探索者はここで〈聞き耳〉を行ってください。成功した人はオーケストラのような音楽が聞こえます。〈芸術・音楽〉に成功すると、それがベートーヴェンの交響曲第九番四楽章『歓喜の歌』であることが分かります。特に行動がなければ処理を進めますが、よろしいですか?」

探索者達が死体が荒らされていない部屋に入らなかった場合
「あなた達が廊下又はその部屋で待機していると、時間と共にオーケストラの音楽が大きくなっていくことが分かります。〈聞き耳〉に失敗した人にもそれは勿論聞こえています。更に、目の前に黒い壁がなだれ込んできます。それは波のように蠢きながらあなた達を飲み込んでゆく!!あなた達は直前に気づく。体の穴という穴から潜り込んでいく生物が楽器を背負ったアリの群れだったということに。恐ろしいグンタイアリの群れに飲み込まれた探索者達はSANチェック1/1D6。更に致死ダメージによって強制的に夢抜きから退場となります。皆さんMPを1/4まで減らしてから起き上がってください。」

探索者達が死体が荒らされていない部屋に入り過ぎ去るのを待った場合
探索者達は部屋の前をオーケストラが過ぎ去るのを待った。廊下に出れば、落ちていた死体は全て無くなっており、乾いた血とドイツ軍の装備、そして衣服のみが残されていた。どうやら何者が過ぎ去ったようである。

各種情報

αについて技能なしで得られる情報
身体的特徴は金髪で肌は白く、全体的にやせ型であることがわかる。身長は約130cmで、小柄である。身体的特徴からヨーロッパ系の人種であると判断できるであろう。また、外見が異常に美しく、見ているだけで吸い込まれそうな根源的な魅力を感じるだろう。
〈目星〉に成功すると、胸元に薄く五芒星(円はない)が刻まれていることに気が付く。
また、能力値は通常のヌトセ=カームブルの半分以下となっているが、人間と比較するとそれでも筋力が非常に高く、探索者から手渡されたものの扱いがわからずに1度目は握りつぶしてしまうかもしれない。また、言語もシナリオ開始時点ではほとんど習得していないため意思疎通を図ることが出来ないが、1日経過すれば探索者と高い水準での会話が可能となるだろう。ただし、夢抜きに関して、彼女は能力を無意識に使用しており、人間として生きるための防衛本能として日中パートへの記憶の持ち越しは不可能である。また、母親が居たような気がすることと何かしなければならないという能天使としての一面も見せる。
会話によって得られる情報
・何でここにいるの?
「分かりません。別の場所にいたと思うんですけど。意識が戻った時にはここにいました。」
・何か覚えていることはある?
「私には生物的に親と呼ばれる存在が居たというぼんやりとした記憶が残っているんです。」
「何か、大事なことを忘れている気がするんです。どこかに行かなければという気持ちだけはあるんです」

欧州分子生物学研究所について 〈図書館〉などで調べると宣言することで情報を得ることが出来る。〈図書館〉に成功する必要はない
欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory : EMBL)は、欧州19か国の出資により1974年に創設された分子生物学の研究所である。研究所の本部はドイツのハイデルベルクにあり、他にイギリスのケンブリッジ近郊のヒンクストン、フランスのグルノーブル、ドイツのハンブルク、イタリアのローマ、スペインのバルセロナに研究施設を有する。欧州分子生物学研究所の下部組織である欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)は、EMBL Nucleotide Sequence DatabaseというDNAデータベースを提供しているが、これも一般には単にEMBLと呼ばれることが多い。EMBLデータベースは、米国のGenBank、日本のDDBJと並び、「DDBJ/EMBL/GenBank国際塩基配列データベース」を構成する三大国際DNAデータバンクのひとつである。

欧州分子生物学研究所について 〈図書館〉などで調べることで情報を得ることが出来る。
ドイツのハイデルベルグのEMBLにあるセーフティーレベル2の研究室において病原体の漏洩が発生し、現在研究所を全面封鎖し、物理的封じ込め措置によって事態の収拾に当たっているというニュースを発見することが出来る。

バイオセーフティーレベル(BSL)について(上述した情報を得た場合無条件で開示してよい)
細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付けのことである。微生物・病原体などはその危険性に応じ、各国により次の4段階のリスクグループに分類される。病原体などの危険性は地域の環境に左右されるため、病原体などのリスク分類は、地域ごとに定めることになっている。
グループ1
ヒトあるいは動物に病気を起こす可能性の低い微生物。
グループ2
ヒトあるいは動物に病気を起こすが、実験者およびその属する集団や家畜・環境に対して重大な災害を起こす可能性はほとんどない。実験室感染で重篤感染を起こしても、有効な治療法・予防法があり、感染の拡大も限られている。インフルエンザウイルスなど。
グループ3
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こすが、有効な治療法・予防法がある。黄熱ウイルス・狂犬病ウイルスなど。
グループ4
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルス・マールブルグウイルス・天然痘ウイルスなど。

円を有する五芒星について 〈図書館〉などで調べることで情報を得ることが出来る。
五芒星は5画で描かれた5つの点を有する星。古代ギリシャ、バビロニアにおいて象徴として使用されていた。現在でもキリスト教やユダヤ教において用いられている。信者の多くはこのシンボルを取り入れた装飾品を身に着けることが多く、イエスの5つの傷を表すために使用される。また、古代中国においては五行思想と呼ばれる自然哲学の思想において用いられており、5つの元素が「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。

五芒星を有する人間について 〈図書館〉などで調べることで情報を得ることが出来る。
天使には伝承としてその身に円を有する五芒星が刻まれているというものがある。

堕天について 〈図書館〉などで調べることで情報を得ることが出来る。
堕天(The Fall)→天使が堕落すること
人間に近くかつ悪魔との戦いで最前線に立つため堕天しやすい能天使という階級がありとキリスト教においては身近な概念である。

能天使について 〈図書館〉などで調べることで情報を得ることが出来る。
神の掟を正しく実行にうつす働きを司る能力の天使。神に対して加えられた侮辱をつぐなう方法を教える。第6ヒエラルキー。人間よりも4段階高次の霊的な意識を持っており、天地創造にかかわった。全人類を導く霊的存在である。

天使の死体について 〈図書館〉などで、天使などで調べることで情報を得ることが出来る。
※この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
Michael Coverは米国を拠点とする匿名のストリートアーティストです。現在までに確認されている彼の作品は凄まじいまでのリアリティを追求した天使の死体を模したもののみです。タイトルは一貫して「The Fall(堕天)」としています。

特徴
ボディアートと呼ばれる人体を媒介としたものおよびパブリックアートを融合したもののみが確認されている。経歴や過去の作品が不明なため、その意図も不明である。(スポークスパーソン(代弁者)の発言により、宗教芸術ではないかとの指摘もされています)英国政府による公表ではノッティンガム・トレント大学の研究者リチャード・アーム氏との協力で天使の死体の制作に取り組んでいる。また、現在公表されている2例の作品についての共通してみられる特徴として円を有する五芒星が彫り込まれていることが挙げられており、天使の死体の都市伝説[1]を模倣したものではないかとの見方がなされている。

作例
2008年5月にアメリカ合衆国マサチューセッツ州エセックス郡に属すマニューゼット川の河口にある港町インスマスの砂浜に雑巾絞りのようにひしゃげた天使の死体を設置した。あまりの悲惨さに住民は混乱に陥り、SWATが出動する事態となった。Michael Coverのスポークスパーソンはこの事態について、「正に堕天に慄いた脆弱な人間を見たようだ」と述べている。
2015年3月にオーストリアのウィーン宮廷歌劇場前のリング通りに粉砕された天使の死体を設置した。この時、熱狂的なキリスト教信者(カトリック)が世界滅亡の前触れとして騒ぎ立て地元警察が事態を収拾するまでに8名が自殺した。

[1] 天使の死体の都市伝説について 上述した情報を調べた場合は無条件で開示される。未調査の場合は〈オカルト〉で天使の死体について調べることで情報を得ることが出来る。

※この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
『天使の死体』(てんしのしたい)は都市伝説の一種。空から墜落するその身に円を有する五芒星が刻まれている天使の死体で、疫病や災害などが発生しているまたは発生前の地域に現れると伝わっている。
同種のものと考えられるものに天女がある。
日本では通常「堕天」と呼ばれている。「堕ちる」と「墜ちる」を掛けて「墜天」と呼ぶ地域も存在する。海外においては、「The Fall」と主に呼ばれる。

伝承
 以下の文章は天使の死体の内容を書き起こしたものですが、完全ではありません。
 日本の鹿児島県奄美大島に伝わる天女。天降女子とも呼ばれ、小雨を降らせることで男性の命を奪い、死神的存在として語られている。
 世界中に伝わる天使の死体と生きている天使の同時目撃。天使の死体発生後、生きている天使を目撃することがある。この伝承には、発生していた疫病や災害などは生きた天使の目撃後すぐに収束するという共通点がある。

天使の死体の都市伝説の情報を得た探索者には〈図書館〉〈オカルト〉〈コンピュータ〉などを振らせてよい。成功すると以下の情報を得る。

叛逆天使の墜落(The Fall of the Rebel Angels)
ルネサンス期フランドル地方の画家ピーテル・ブリューゲル(1525年? - 1569年)による1562年作の油彩画である。叛逆天使の転落とも邦訳される。ベルギー王立美術館所蔵。本作はキリスト教の世界観に基づく宗教画であり、高慢や嫉妬のために神に逆らい、天界を追放された叛逆天使(堕天使)達と、それを追い払う大天使ミカエルに率いられた天使の軍勢との戦いを描いた作品である。この主題そのものは伝統的な画題で、従来は天使を強調して善の圧倒的勝利を描くものであったが、ブリューゲルの本作は混沌とした画面構成で乱戦の様相を呈し、善と悪、美徳と悪徳のせめぎ合いを描いたものとなっている。画面上部中央に円形の至高天が描かれ、そこからもつれ合い墜落するにつれて悪魔と化していく堕天使達は、人間・獣・爬虫類・魚・貝・昆虫・植物・楽器など無数の生物・無生物を合成した怪物として描かれている。

クライマックスフェイズ

 ここからは探索者にドイツに向かうかの選択を行ってもらう。向かわない場合はA-Best Endとなる。向かう場合は最後の探索が開始される。
最後の探索について
探索者達がドイツへ向かった場合、探索者達は異様な態度のドイツ軍と接触することとなる。立ち入り禁止の立て札やビニールテープを無視して横を過ぎ去っても一目見るだけで何もなかったかのような反応をするのだ。話しかけても、反応することはない。暴力的な行為に出ると、「私には抵抗の権限がありません。何も見ていません。」と一言呟くだろう。銃を奪うのも自由だ。
 これはニャルラトテップが事前に探索者への接触を禁止する通達を出しているため、不自由なくEMBLに侵入することが出来る。αの国籍やパスポートも用意されているだろう。このあり得ない現象も何らかの外的要因が働いているということを探索者に示すものである。

探索者は夢抜きによってEMBL内のDNAデータベースおよび書庫の魔導書以外のほぼすべての情報を獲得しているはずなので、キメラを避けつつ書庫を経由してDNAデータベースへ直行することになる。
書庫
書庫は夢にあった状況と酷似したものになっている。更に魔導書も同じ位置にあり、モヤが無くなり、新品の本になっている。表紙に刻まれている文字は「解放の魔導書」現物をニャルラトテップが視認した時点でセッションを一旦停止し【HO2】を持つ探索者に【裏HO2】をLINEなどで渡す。読み込み終わった時点でセッションを再開する。

DNAデータベース
探索者達は夢抜きとは違い、扉を開放することができる。出来てしまう。探索者はそこに死ぬよりも悍ましい現実を垣間見てしまう。コンピュータルームと思われるその部屋は巨大な肉の塊が埋め尽くしていた。目、口、嘴、牙、鼻、羽、爪、耳、舌、首、鱗、胸、腕、触手、男性器、女性器、足、毛皮、体毛、内臓、筋肉、生物のありとあらゆる部位がその体表に生えていた。それは定期的に脈動し、生物であるということを物語っていた。更に周囲には複数体の怪物がおり、重力に逆らっているように非常にゆっくりとした動きをしていた。
イドラの化身―覆い隠すもの、ゾスラの姿を見た探索者はSANチェック1/1D20。
〈目星〉に成功すると、ゾスラの体躯に埋もれる女性を見つけることが出来る。その顔はαが年齢を重ねたような顔をしており、目からは涙が流れていた。

探索者が声をかけると、弱弱しい声でテレパシーを行ってくる。
「来てしまったのですね・・・嗚呼、これが天使の定め・・・。」
「私たちは人類が進化した所謂天使と呼ばれるものです。我々は人類史に紛れて敵対生物を打倒してきました。しかし、毎日状況が移り変わる夢の中、唯一成功した日に私は侵入し、敗北しました。人類はこれで終焉を迎えます。天使がこれを打倒する手段はもうないのです」
「もう天使として活動する必要はありません。娘の環を剥奪し、人間としての生を謳歌してもらおうと考えていました。あなた方にはしばらく続く悪夢に突き合わせてしまい、申し訳ありません。このまま帰っていただけないでしょうか。まだ人類史は少なくともあと数百年は続きます。」

ヌトセ=カームブルに対してαに五芒星の環を戻せないか提案した場合
「私の右腕の五芒星に環が2つあります。1つは娘のものです。ですが、どうしても戻したくはありません。もう戦う必要はないのです。このゾスラが最も人類史に終止符を打つのが早いと夢抜きで分かっています。他の敵対生物を駆逐しても未来は、変わらないのです。」

ヌトセ=カームブルに対してαに五芒星の環を戻すことでゾスラを打倒することが出来ると提案した場合
「夢抜きで、本当に、娘の命だけでゾスラを倒すことが出来るというのですか・・・?あなたは・・・それを本当にできるというのですか・・・?」
αはこれに対し
「お母さん・・・私は、私にはわからないんだ・・・。夢で見たことは何も覚えてなくて・・・。でも、皆さんの言っていることが嘘だとは思えなくて・・・私一人だけで全てが丸く収まるのなら・・・。私はやりたいよ。」
〈説得〉に成功するか、KPが納得できるだけのRPを行った場合、ヌトセ=カームブルはαに対して環を戻す。そしてαは夢で経験したことを思い出し、探索者にお別れを告げてから、ヌトセ=カームブルの横に吸収されるために自ら身を寄せる。→C – Good End

エンディング

A - Best End 【命あっての物種】
 探索者がドイツに向かうことを提案しなかった場合このエンディングとなる。【HO2】の探索者は生を終えるまで自身がニャルラトテップであることを思い出すことが出来ず、穏やかな一生を過ごす。また、αも日本語能力や日本に関する知識を有していたことから就籍許可申し立てにより日本国籍を取得し、人間としての生を全うする。探索者もしばらく続く悪夢に苛まれていたが、時とともにそれもなくなり、ドイツでのバイオハザードが数十年経っても収束していない現実に目を背けて過ごすこととなる。

B – Best End 【命は鴻毛よりも軽し】
 探索者がドイツへ向かい、≪天使の呪い人形の創造≫を1度で成功させ、ゾスラを打倒する。余すところなくその身を犠牲にする覚悟に感動したニャルラトテップは探索者が支払ったコストを戻し、心づけとして自らが創造した人間に魂を与え、ニャルラトテップは人知れず次の場所を求めて去っていく。ゾスラを打倒したことで、周辺のキメラも活動を停止し、全てが丸く収まり、日本国籍を取得したαは人間としての生を全うする。

C – Good End 【死命を制する】
探索者がドイツへ向かい、αに天使の環を与え、完全な天使としてゾスラに吸収させ、アナフィラキシーショックによって打倒する。探索者たちは人類史を繋ぎ止め、日本に戻り、余生を過ごす。ニャルラトテップは面白みのない終わり方に興味を示さず、人知れず次の場所を求めて去っていく。そのため、【HO2】の探索者は魂の抜け殻となり、植物人間と化しロストとなる。探索者は【HO2】の探索者に関する植え付けられた記憶が不安定になり、徐々に記憶から消え去ってしまうが、問題なく余生を過ごすことが出来る。

D – Normal End 【命を知るものは天を怨みず】
探索者がドイツへ向かい、≪天使の呪い人形の創造≫を1度失敗し、2度目で成功させ、ゾスラを打倒する。探索者の保身を感じたニャルラトテップはその中途半端さを嫌い、ほとんど人間性を喪失した探索者のことを面白がり、日本へ帰国し、数十年という短い間ではあるが、探索者をペットとして余生を共にする。人類史を救い、知性を失った探索者たちは友に縋って生きていくのだろう。

E – Bad End 【命は天にあり】
探索者がドイツへ向かい、αを捧げず、≪天使の呪い人形の創造≫を何度も失敗し、シナリオ進行不可能となった場合。コストを払うために滅びゆく探索者たちの肉体を嗤うように鑑賞するニャルラトテップは良いものを見ることが出来たと満足する。時間経過とともにαも食い殺され、見るものが無くなったニャルラトテップは人知れず次の場所を求めて去っていく。そのため、【HO2】の探索者は魂の抜け殻となり、同様に食い殺されロストする。ゾスラも打倒できなかったため、人類史は時間経過とともに崩壊する。

報酬

SAN値回復
ゾスラを打倒した SAN値回復 1D20
αを人間として生還させた SAN値回復 1D10
キメラを殺害した SAN値回復 殺害した数×1D6
天使の呪いの人形の創造を詠唱した SAN値回復 1D6
ニャルラトテップに負の感情を抱いていた SAN値回復 1D6
生還した SAN値回復 1D3
幸運の回復 1D20

技能成長(成長判定は行わなくてよい)
〈科学(生物学)〉 1D10
〈精神分析〉 1D10
〈夢見〉 1D10
〈クトゥルフ神話〉 1D10+5

生還した探索者に贈られるもの
天使の呪いの人形の創造を1度目で成功させた 支払った能力値が回復する
天使の呪いの人形の創造を1度目で成功させた 【HO2】を持つ探索者は通常の探索者として活動を続けることが出来る。
Unsealed Spellbook「解放の魔導書」 任意の呪文が記載されている。日本語のため技能ロールは必要ない。魔術を1つ習得するごとに1D3の出た値分のSAN値を喪失し、クトゥルフ神話技能を得る。

アーティファクトについて

Unsealed Spellbook「解放の魔導書」(魔導書名はHO2の探索者が事前に決めてよい。)

ニャルラトテップが用意した魔導書。αを捧げる以外の攻略法として特別に用意した。実際の探索において【HO2】の探索者がこの魔導書を確認した際に【裏HO2】が解除される。
呪文を行使できるようにするためには1D3を行い、出た値分のSAN値を喪失し、出た値分のクトゥルフ神話技能を得る必要がある。

≪天使の呪い人形の創造≫
概要 人形に円を有する五芒星を刻むことで天使の依り代を創り上げ御霊を降ろす呪文。複数名で参加することができる。参加したものは五体満足の人形に自らの血を垂らし、呪文を唱え、コストを支払う。呪文の詠唱終了時に体表に円を有する五芒星が刻まれていれば呪文は成功となる。

コスト 任意の能力値
詠唱時間 5ラウンド
成功率 呪文を行使するものがコストとして支払う能力値の合計の半分

(また、他の探索者が【HO2】の探索者に負の感情を抱いていない場合、探索者1人につき1d10ポイント儀式の成功値が下がる。)

このアーティファクトは日本語のゴシック体で書かれており、これを強調すること。また、シナリオ終了後の報酬として貰うことが出来る。更に、KPとPLが望むのであれば任意の魔術が書かれていることにしてよく、1つ習得するごとに1D3の出た値分のSAN値を喪失し、クトゥルフ神話技能を得る。探索者は擦り減れば擦り減るほど良い。次回のシナリオ崩壊に繋がらない程度に探索者を擦り減らすとよい。

シナリオタイトルに込めた意味

・失われた環は、Missing RingとMissing Linkという英語で表される。○ ○というタイトルはこの○と○の間の何もないスペースのことである。
・Missing Linkとは科学(生物学)上で取り扱われる専門用語であり、生物の進化過程を連なる鎖として見た時に、連続性が欠けた部分(間隙)を指し、祖先群と子孫群の間にいるであろう進化の中間期にあたる生物・化石が見つかっていない状況を指す語である。繋ぐ環が失われているという状態と言われているためこのような語となっている。
・Missing Ringとは天使の環が失われた娘のことであり、Missing Linkとは人間と天使の間に属する遺伝子情報を有する娘のことである。
・本シナリオはシナリオ中盤という概念が欠落している。序盤と終盤を並列進行し、中盤はドイツの研究所に赴くという行動のみである。このシナリオの半ばが欠落した部分を指して失われた環とした。

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Twitter @shumiyouacc1 今後過去シナリオや新作シナリオをBOOTHを通じて頒布予定です。誤字脱字の訂正、読みやすさを意識した階層、キーパリングを円滑に行う上でこれまで作成してきたデータシートなどを付与することで有料にする予定です。シナリオを気に入ってくださった方は応援のほどよろしくお願いします。

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