2024年11月05日更新

【CoCシナリオ7版対応】黄昏

  • 難易度:★★★★★|
  • 人数:4人~6人|
  • プレイ時間:8時間以上(ボイスセッション)

或る日、探偵事務所に見眼麗しい女性が仕事の依頼に来た。その依頼内容は娘を捜すこと。しかし、その依頼者には不可解な点が見受けられる。不安を感じながらも娘の捜索を開始した探索者に待ち受ける者とは・・・

ヨグ=ソトースとミゼーアの代理戦争を描いた物語

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ストック

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シナリオ設定

時代:現代
場所:北アイルランド-ヴァン川付近
敵対カルト集団:Vanargand(ヴァナルガンド)
表向きの活動:化粧品会社
リーダー:ヴァル
目的:尖った世界と曲がった世界を接続しティンダロスの大君主(ミゼーア)を召喚する

シナリオ概要

本シナリオは【ティンダロスの混血種】である「ヴァル」が【ミゼーア】招来のために誘拐した【ヨグ=ソトースの息子】である「ニコラ=ウェイトリー」が捜索対象である。
ニコラの母親で、同じくヨグ=ソトースの息子である「アンジェリカ=ウェイトリー」は若返り効果が得られるとして近年人気を誇るヴァナルガンド社製化粧品「T」を使用していた。これは時間遡行を応用した化粧品であり、【ティンダロスの猟犬】による追跡マークが徐々に濃くなっていくものである。通常の人間であれば副作用である猟犬からの襲撃を封じ込めることが出来るが、ヨグ=ソトースの息子であるアンジェリカは追跡マークが過剰に付与されてしまい、封じ込めの効果が決壊し顕現した猟犬に襲撃されてしまう。猟犬の顕現を検知したヴァルはアンジェリカの調査を行い、ヨグ=ソトースの血を引く者であると確信を得た。ここでヴァルはニコラの誘拐を決行する。この誘拐は夜中で娘が寝入っており、母親が猟犬に対応している最中に行われた。娘を奪われ精神が摩耗し、度重なる猟犬との戦闘で肉体的にも限界に近付いてきた彼女は探偵に全てを託すのである。これ以降ヴァルはヴァナルガンド本社の地下で儀式の準備を行う。探索者は最終的にこの地下へと向かい、ミゼーア招来を食い止めるとともにニコラの救出作業を行うこととなる。

推奨技能

●各種探索技能
●各種戦闘技能
●火器技能をもつ探索者はクトゥルフ神話または数学または物理学を合わせて習得すること
●精神分析、運転、応急手当など

注意

非常に苛烈な戦闘が連続して発生する場合があります。
数回シナリオを潜り抜けある程度成長した探索者がいることを想定しています。
非常に難しいギミックが存在します。コメントを頂ければ説明文や図を追加させていただきます。

探索の流れ

・導入
・ウェイトリー家探索
・(中学校で聞き込みや公園の探索、失踪事件およびヴァナルガンド化粧品についての検索など)
・中盤(ヴァナルガンド支店へ、警察との対話、ヴァナルガンド本社への侵入を試みる)
・終盤(ヨグ=ソトース村へ)
・クライマックス(ヴァナルガンド本社へカチコミ)

NPCについて

●ヴァル(年齢不詳):時の魔術師 ティンダロスの混血種
STR 105 CON 110 SIZ 60 INT 90 POW 500
DEX 105 APP該当せずEDU 125 正気度0 耐久力 15
ダメージボーナス:+1D6
ビルド:2
移動:9
1ラウンドの攻撃回数:1
装甲:2ポイントの皮膚、1ラウンドに耐久力を3ポイントずつ再生
攻撃
1:〈かぎ爪〉 45% ダメージ 1D6+DB
2:〈噛みつき〉 38% ダメージ 2D6+飲み込み(大成功時飲み込み発動、毎ラウンド1D6)
3:〈舌〉 70% ダメージ 1D2のPOW+1D6のCONを吸収
※特殊攻撃:死体安置所の腐敗と死のにおい 100% ダメージ 吐き気 対象から3マス以内にいる者は毎ラウンドCONロールを行い、失敗した者は吐いて1D3ラウンド全技能-10%
※特殊攻撃:空間を曲げる 100% 火器の命中率が50%減少 〈クトゥルフ神話〉または〈数学〉および〈物理学〉のハードに成功し、正気度を1ポイント支払うことでこれを無視することが出来る。
技能:〈マーシャルアーツ〉80% 〈回避〉42%
呪文:時空に関する魔術全て
SANチェック 1D2/1D12
'画像'

<プロフィール>
 元々は人間だったが、事故により時間軸に干渉してしまい、ティンダロスの猟犬につけられるようになる。時間軸に干渉するとティンダロスの猟犬に襲撃される事実を知った彼は猟犬から逃れるすべを魔導書によって習得する。猟犬の封じ込めに成功したものの、彼は既に時間に関する概念に魅入られており、ミゼーアの崇拝者となってしまう。その後、ミゼーアを招来しようとするが、儀式の途中で探索者が現れ招来に失敗する。ヴァルは時間跳躍を行い、辿り着いた時間軸でミゼーアを再び招来しようとするが、悉く探索者が現れ招来を妨害される。度重なる失敗によって、ミゼーアに対する信仰心は薄れていき、ミゼーア招来の目的は徐々に探索者達の命懸けで招来を食い止めようともがく様を見て楽しむことへ遷移していった。
 シナリオ中ではヴァルは時の魔術で権力者を若返らせ、延命することと引き換えに、カルト団体へ帰属させ、継続的な支援を得た。儀式に必要な人体を集める為の誘拐事件の証拠隠滅やかく乱を行い、ヴァナルガンド本社ビルの地下に魔術研究施設や戦闘訓練施設、ミゼーア招来の広間などの建設を行ったのである。彼は猟犬の体液を摂取し、ティンダロスの混血種となることで不死の肉体を手に入れているため死に非常に疎く、クライマックスでも戦闘などそっちのけで神経を逆なでするような行動をとるだろう。また、時間跳躍によって辿り着いた世界に対して好奇心旺盛で現代の物品に関しても強い関心を抱いているだろう。

性格としてはロボティクスノーツの君島コウに近いのではないかと考えている。

●ウィリアム=ヴァナルガンド(ワルキューレ)(年齢不詳):時の魔術により身体の時間軸の進みが3倍速となった兵士
STR 80 CON 65 SIZ 70 INT 35 POW 80
DEX 210 APP 60 EDU 95 正気度 0 耐久力 13
ダメージボーナス:+1D4
ビルド:2
移動:9
1ラウンドの攻撃回数:2(2回目はDEX70として扱う)
攻撃
1:〈こぶし〉 95% ダメージ 1D6+DB
2:〈キック〉 95% ダメージ 1D8+DB
3:〈組み付き〉 95%
技能:〈マーシャルアーツ〉95% 〈回避〉84%

装甲
・打撃攻撃に対して衝撃を緩和するような身のこなしによりダメージを半減する
・肉体の保護により6ポイント分の装甲
※特記事項
回避及びマーシャルアーツによる受け流しを2回ずつ合計4回行うことが可能である。更に銃撃に対してもアーティファクトを用いて弾丸をマーシャルアーツによって受け流すことをしても良い。

このチートじみた性能は正攻法では倒せないことを示唆し、PLが倒した場合に達成感を得るための設定である。中盤の戦闘ではプレイヤーが脱落しないよう調整すること。

<プロフィール>
ヴァナルガンドの社長を肩書としている、白髪交じりの男性。
元は地下の違法格闘技選手や、傭兵として肉体と精神をすり減らすことを生きがいとしていた。ヴァルにその戦闘能力をかわれて仲間となった。それからは人間相手ではなくヴァルが召喚した神話生物を相手に戦い、楽しんでいた。ただ、ミゼーアの召喚に関して頓着はそこまでないので、探索者を手助けするような行動も平気で行う。

<時間軸の進み方が速いことによる影響>
・肉体への負担が大きい為、打撃攻撃、着地などの衝撃により自傷ダメージを受ける。(アーティファクトにより影響を無効化している)
・睡眠のローテーションが早い。2時間睡眠6時間活動を繰り返す。
・外界から聞こえる音声は1/3、外界へ発する音声は3倍となる。通常時はやや早口程度で人が聞き取れる程度に話すが、感情が高ぶると聞き取れないほど高音で喋るのが早くなる。
・毒の影響は人の3倍速となる
・首を絞めれば3倍速で落ちる
・3倍速で動いているが、3倍速状態の体を制御しているわけではない、つまり、通常の運動を制御して、これが3倍速となっているため、時速20kmの助走をつけた約4~5mのジャンプを3倍速にしているだけである。時速60kmで助走をつけて12~15mのジャンプを行うことが出来るわけではない。

能力としては衛宮切嗣の固有時制御・三重加速と同じと思ってもらえればよい。
性格としては亜人の佐藤に近いものと思ってもらってよい。

<所持しているアーティファクト>
ビヤーキーの革手袋や靴等 耐久力 無限
衝撃を遅延する魔方陣が付与されている。一定以上の衝撃は魔方陣が吸収し、手袋であれば手袋内部に衝撃が30分後に放出される。装着し、使用するには正気度を10減少させなければならない。適切な技能で受け流しに成功すればいかなる攻撃も受け流し可能。

このアーティファクトを管理するためワルキューレは左腕に30分00秒からカウントダウンする腕時計を身に着けている。戦闘前に腕時計を作動させる。これは時間間隔が狂っていおり、身につけていなければ時間が把握できないためである。
'画像'

●アンジェリカ=ウェイトリー(38歳):ヨグ=ソトースの息子
STR 80 CON 140 SIZ 65 INT 75 POW 90
DEX 55 APP 80(35) EDU 80 正気度 80 耐久力 20
ダメージボーナス:+1D4
攻撃
こぶし 75% ダメージ 1D3+DB
技能:〈回避〉22%
呪文:ヨグ=ソトースの招来 INTと同数の呪文
変質部を目撃した場合のSANチェック1/1D2
※特記事項
12時間に1度耐久力を1D6回復させる(アンジェリカが化物であることを強調する、アンジェリカに序盤で死なれないようにするための措置なのでもっと回復させてもよい。ここはKPの裁量次第である)

彼女はウェイトリー(H.P. ラブクラフト氏の作品にヨグ=ソトースの息子として登場する人物)の血を引く人間である。しかし、その血は非常に薄く怪物的な特徴は背中側に存在する一部分のみとなっている。これを隠すため普段は包帯を上半身に巻いている。幼少期に記憶を曇らされ、ウェイトリー製薬会社(詳細は別途記載)を脱出してからは、執事が親代わりに育てていた。この執事は既に寿命のため死亡している。また、追跡マークの濃度に比例して効果が上昇するため異常に若返り効果が発生し、見た目は20代前半に見える。
色々含むところはあるが、最後まで子供が心配な心優しい母親を演じよう。

●ニコラ=ウェイトリー(13歳):アンジェリカ=ウェイトリーの娘 ヨグ=ソトースの息子、ミゼーア召喚の生贄
STR 40 CON 70 SIZ 35 INT 65 POW 45
DEX 30 APP 85(40) EDU 40 正気度 ? 耐久力 10
ダメージボーナス:+1D4
呪文:ヨグ=ソトースの招来
変質部を目撃した場合のSANチェック1/1D2
変質部は遺伝し、アンジェリカとニコラと儀式用の少女3人は背中に変質部が存在する。

アンジェリカの娘。小学生までは変質部を隠して生活できていたが、中学生になり、不運にも変質部を見られてしまう。それをきっかけにクラスメイトからのいじめが発生した。多感な時期であったため、リストカットを繰り返していた。またこの時期にヴァルにより、誘拐され、ヴァナルガンド本社地下の研究施設に監禁された。ヴァルはニコラの時間軸を加速させることで、身体の成長を促進し、切断と再生を繰り返すことで儀式用血液を採取した。更に5人の子供を無理やり犯され出産させられている。そのため、探索者が彼女を発見した場合廃人と化している。しかし、記憶を曇らせることにより、摩耗した精神をカウンセリングによりある程度回復させることが可能である。

●ティンダロスの猟犬
STR 95 CON 145 SIZ 100 INT 95 POW 130 DEX 65 耐久力 24
ダメージボーナス:+1D6
装甲:物理ダメージは最低値となる
攻撃
1:〈前脚〉 90% ダメージ 1D6+DB+膿汁
2:〈舌〉  90% ダメージ 1D3のPOWを吸収
※特殊攻撃:死体安置所の腐敗と死のにおい 100% ダメージ 吐き気 対象から3マス以内にいる者は毎ラウンドCON×5を行い、失敗した者は吐いて1D3ラウンド全技能-10%
技能:〈回避〉 32%
呪文:6種類の呪文を知っている
正気度喪失:1D3/1D20
※特殊ルール
12点ダメージを受けた時点で退散する

●ヴァナルガンド社の手下
DEX 45
耐久値 10
ダメージボーナス:+1D4
攻撃
〈こぶし〉 50% ダメージ 1D3+DB
技能:〈回避〉22%

●若返りや延命を見返りにヴァナルガンド本社で働いている元老人達

●アンジェリカの両親
ウェイトリー製薬会社を築き上げ、世界の危機を回避するためにクトゥルフ神話について研究を行っていたが、非人道的な情報が漏洩してしまう。この情報漏洩をきっかけとして探索者、警察、軍による襲撃が行われ会社は解体、研究データは消滅した。また、両親はアンジェリカの身元を隠蔽し、【記憶を曇らせる(CLOUD MEMORY)】を施したため、アンジェリカは両親の死の間際をうまく思い出すことが出来ない。この記憶を解除するための呪文【記憶を晴れさせる(SUNNY MEMORY)】等を記載したUSBを忍ばせた神具(対時間魔術師用拳銃)をアンジェリカに託している。また、他のヨグ=ソトースの血を引く者も何人か逃がしており、宿敵ティンダロスについての研究成果だけは残っている。

●3人の少女
ニコラを犯して作製した詠唱用のヨグ=ソトースの息子。外見はニコラに似ているが、変質部がニコラと異なっている。ニコラが最終的に変質部の無い人間の老婆となっているうえ、3人の少女がニコラに似ているため弾丸の扱いをどうすればいいか迷わせるためのフェイクとなっている。因みに少女に撃つと少女は元の時間軸では存在しない為、消滅する。

失踪者について

●著名人
若返りや延命を見返りに、失踪事件の隠蔽を行う契約をヴァルと行っている。

●老人
若返る代わりにヴァナルガンド本社で働いている

●民間人
ここにヒャバダヒャバダ・シューヤが含まれる。
実験の被験者として用いられ、繰り返し実験に用いた人体は猟犬が顕現しないように処理を行い、儀式用の挽肉にしている。

●ヨグ=ソトース村のヨグ=ソトースの息子達
ウェイトリー製薬会社襲撃事件において研究成果および銀の弾丸(対時間魔術師用拳銃にセットで用いることで効果を発揮する弾丸)を持ち出し、数十年かけて山奥で生活基盤を整え、ティンダロスとの代理戦争を終結させるための研究を行っている。

導入

 あなた達は探偵事務所でいつものように仮眠をとったり、くつろいだり、休憩したりしています。テレビやラジオで連日のように取り上げられている失踪事件を聞くのに最近はうんざりしていることでしょう。
 探索者達がしばらくRPをしていると若い女性がやってくる。アンジェリカ=ウェイトリーである。
「こちらは探偵事務所で間違いなかったですか?」
彼女はやや不安そうな面持ちで声を掛けてくる。
本題に入ると彼女はこのように話す
「娘を捜して欲しいんです。ただ、他の人には色々と話せない事情があって…こうして探偵の方に捜してもらおうと思ったんです」
そういって彼女はかなり分厚くなった封筒を2つ手渡してくる。中を確認すると20ポンド札が300枚と700枚入っているようだ。日本円に直すと合計でおよそ300万円である。
「お金ならあります。どうか警察には内密に娘を捜しだしてくれませんか…少ない方が前金、多い方が達成報酬です。私の唯一の家族なんです。よろしくお願いします」
彼女はある程度の情報は正直に話すが、自身や娘が怪物であることを話そうとはしない。

〈目星〉に成功すると、彼女の肌が色白にしては異常に白いということに気が付くことが出来る。

女性に質問すると帰ってくる内容

〇娘について
・ニコラ=ウェイトリー 13歳 A中学校に通う1年生
・顔写真を手渡してくれる
・勉強に関しては真面目だったが、やや引きこもりがち
消えた理由に思い当たることはないかと聞くと
「そう、ですね。もしかしたら学校でのいじめが原因かもしれません」
・何故いじめられていたのかと問うと
「申し訳ありません...それについては詳しくは...分かりません」
〈心理学〉に成功した場合、彼女は思い当たる節があるようだが話すことを躊躇っていることが分かるだろう。
・最後に目撃したのはいつかと尋ねると
「夜中に...声がして部屋に行った時にはもう...」

イベント

●ティンダロスの猟犬による襲撃
母親と同行しているならティンダロスの猟犬による襲撃が定期的にある。KPはクライマックスが近いなら2体か3体出してもよいだろう。ただし、探索者をティンダロスの脅威には巻き込ませたくないため、探索者に羽交い締めにされても泣き叫びながら「お願いします!逃げてください」と猟犬を自力で倒そうとする。このティンダロスとの戦闘はティンダロスに12点のダメージを与えるか、アンジェリカを部屋から脱出させることで終了する。アンジェリカを部屋から出すにはSTR対抗ロールでアンジェリカに2、3度連続で勝つ必要がある。また、猟犬は基本的にアンジェリカを集中的に攻撃するが、妨害や攻撃を行えば猟犬からの攻撃が探索者にも向くだろう。

猟犬顕現時の文面
唐突に、アンジェリカの体が凄まじい異臭を放つ霧に包まれる。徐々にそれは、アンジェリカから離れてゆき、何かを形作っていく。探索者達はその存在を形容する言葉を持たない。だが、それは辛うじて四足歩行を行う生物に近い何かであった。そして、目の前に現れたその存在は明確な殺意を持って動き始めた!!ティンダロスの猟犬を目撃したことによるSANチェック1D3/1D20

●ヴァナルガンドの襲撃
警察にニコラについて話したり、本社に1度目行けば手下からの襲撃が開始されるだろう

●ワルキューレの調査
探索者がウェイトリー製薬会社に赴く前にワルキューレが調査をしに来る。タイミングとしてはウェイトリー製薬会社に行こうかどうかの話し合いをしている頃合いが良い。探索者達に突然〈目星〉を振らせよう。〈目星〉に成功した探索者はこちらを見ている白髪交じりの男性が視界に入るだろう。しかし、気になってもう一度そちらを見ても既に誰もいない。これはワルキューレがヴァルから依頼され再度アンジェリカの様子を確認しに来たのである。このイベントが終了するとワルキューレは先回りしてウェイトリー製薬会社に行く。

各探索場所での情報

●ウェイトリー宅
'画像'
アンジェリカに現場を見たいと伝えれば、家まで連れて行ってくれるだろう。アンジェリカが探索者をリビングに通すと
「あの・・・いなくなってからそのままにしていますので、どうかよろしくお願います。ただ、冷蔵庫には見られたくないものが入っていますので、出来れば冷蔵庫だけは見ないでください」
と言ってくる。
〇アンジェリカの部屋
ベッド、クローゼット、化粧台など
・ヴァナルガンドの化粧品一式が大量に見つかる

〇ニコラの部屋
ベッド、クローゼット、勉強机、本棚
部屋に入った時の描写
・ニコラが7歳の時(6年前)の写真つまり、アンジェリカが32歳の時の家族写真を見つけることが出来る。→アンジェリカもニコラも年齢相応の顔に見える。
・部屋のあちらこちらに血の染みがあり、それに交じって緑色の染みを発見することができる。しかし、部屋の壁や床に最近血が飛散した痕跡が残っていることに気付く。
・鉛筆立てが倒れてそのままになっており、布団もぐしゃぐしゃになっている。
〈目星〉に成功すると、赤と緑の染みに交じって更に青っぽい膿のような粘液をごく微量、発見することが出来る。

{古い血の染みは思春期に入った娘が変質部に対して過剰に嫌悪感を持ち、自傷行為を行っていたためである。新しい血の染みはヴァルがニコラ誘拐時に抵抗を受けたため、ニコラに対して攻撃を行った時にできた傷口から噴き出した血液である。また、鉛筆立てや布団などもニコラが抵抗したときに生じた痕跡である。青っぽい膿はティンダロス特有の体液である。}

・教科書をパラパラとめくるとあちらこちらに落書きがされていることに気が付くことが出来る。幾何学的な文様とそれに付随した文章の様だ。しかし、その落書きを注視しているとなぜかその落書きから目を離したくないような感覚に陥ってしまう。意図せずに、更に深くそれを見つめると意識がその落書きだけに向いてしまい、同時に軽いめまいと吐き気を催してしまう。このような不可解な現象にあった探索者はSANチェック0/1
これはニコラが生来から生まれ持って習得している呪文の鱗片である。ただし、落書きであるため呪文を習得することは出来ない。

〇リビング
アルバムの写真を見ることが出来る。35歳ごろから若さが逆行していき、38歳の頃には20代の若さになっている。

〇キッチン
・異臭とまでは言えないが、仄かに生臭い臭いが漂っていることが感じ取れる。
・冷蔵庫の中を見ると生肉、冷凍庫には冷凍された肉のみが入っている。(ヨグ=ソトースの息子は新鮮な生肉が主食であるため、このような内容となっている)
・調理器具や調味料などがほとんどなく、とても綺麗な状態で保たれていることが分かる。
〇物置部屋
・様々な荷物が整頓され、置かれている。中でも目を引くのは何やら宗教的な物品であろう。
この物品について質問すると
「あれは、オーディン様に関連する神具です」
〈知識〉に成功するか、オーディンについて調べると以下の情報が手に入る。
北欧神話の主神にして戦争と死の神。詩文の神でもあり吟遊詩人のパトロンでもある。魔術に長け、知識に対し非常に貪欲な神であり、自らの目や命を代償に差し出すこともあった。特にこの地に関連することとして、ヴァン川上流に封印されたフェンリルとは深い因縁があり、オーディン率いるアース神族はグレイプニルという魔法の紐で災いをもたらすと予言されたフェンリルを騙し、封印を施した。それでも激しい抵抗を続けたため、神々はゲルギャと呼ばれる足枷から綱を伸ばしギョッルと言う平らな石にフェンリルを縛り付け、石を地中深くに落とし、スヴィティと言う巨大な石を打ち込んで綱をかける杭にした。更に神々は下顎に柄が上顎に剣先がくるように剣を押し込んでつっかえ棒にした。開きっぱなしになったフェンリルの口から大量の涎が流れ落ちて川となった、これはヴァン川と呼ばれている。しかし、神々の黄昏(ラグナロク)においてはその封印が解かれ、オーディンを食い殺したという。
以上の情報を得た探索者は〈クトゥルフ神話〉を振ってよい。成功すると以下の情報を思い出す。
オーディンの正体はヨグ=ソトース、フェンリルの正体はミゼーアと呼ばれるティンダロスの大君主である。ヨグ=ソトースは人間が住む世界いわゆる「曲がった時間」が適用された世界の管理を受け持っており、ミゼーアは人間が住む世界とは異なる世界「尖った時間」が適用された世界の王である。ミゼーアは「尖った時間」の世界に存在する時空都市ティンダロスに封印されており、曲がった時間に侵入することを渇望している。そのため、ヨグ=ソトースとミゼーアは対立しており、これらを元に北欧神話が形作られている。
〈図書館〉や宗教関係者の〈知識〉などで成功すれば、
近年アイスランドではネオ・ペイガニズムと呼ばれる古い信仰を復活させようとする動きがあり、これにオーディンが含まれている。非常に珍しいが少なくとも信仰自体は存在する神であるということが分かる。

〈目星〉に成功すると、ざっぱにおかれている荷物の中に丁重に梱包された箱を見つける。
探索者が箱を開けた場合、中には6発装填式のリボルバーが入っている
〈アイデア〉〈聞き耳〉に成功すると、拳銃の中に小さいUSBが入っている。
拳銃について質問すると
「これは私が物心ついた時には既に持っていたものです。大切なものなので触らないようにしています。他の神具については見かけた時にどうしても欲しくなっていまい、収集していました。」

・父親について
「すぐ離婚してしまったので、今は娘と2人で暮らしています」
(酒の勢いで一夜を過ごしたが、翌日変質部を発見してしまった男に捨てられてしまった。このときにできたのがニコラである。)

・祖父母について
「いた、と思うんですけど、何も思い出せないんです。物心ついてからは両親との思い出がないので、それまでには亡くなっていると思うんですけど。」

・化粧品について
「ここ数年、流行していたので愛用しています」

●A中学校
聞き込みを行うと
・生徒によってニコラに対する考えが異なっている
「身体に変質部があって気持ち悪いと楽しそうに喋る(典型的ないじめっ子)」
「いじめられているのを偶に見かけます(別のクラスの子)」
「・・・(同じクラスだが、いじめを黙認している子)」
など、の返答を行おう。
・最近公園で遊んでいたらなんか臭いところがあって、思わずゲロを吐いてしまった。

●聞き込み
最近ウェイトリー宅の隣の公園で強烈な吐き気を催す臭いが漂っていたことがある。

●公園
公園を歩き回ると異臭が漂っている場所を発見することが出来る。また、周辺を捜索する又は〈目星〉に成功した場合、青っぽい膿が散らばっているのを発見することが出来る。
〈アイデア〉などに成功すると、ウェイトリー宅の中をよく見ることが出来ることに気が付くだろう
(これはヴァルが透明化し、家の中を監視していたためである)

●ウェイトリー製薬会社跡地
ビル周辺は立ち入り禁止の柵で覆われている。

至る所に焼け跡があり、窓ガラスは飛散し、おおよそ20階~25階建てのビルである。非常にさびれた雰囲気を探索者は感じるだろう。

〈目星〉に成功すると、屋上でタバコを吸っている人を見つけることが出来る。

立ち入り禁止の看板を横目に中に入ると非常におびただしい量の血痕、弾痕や爆発物が爆発した痕跡、獣が切り裂いたと思われる爪痕などが見受けられ、部屋にあるデスクや椅子などは砕け散っており、過去にここで凄惨な出来事が起きたことを探索者達は想像できるだろう。

探索者が階段を1階ずつ上がっても同じような光景がただただ続いているだけである。しかし、屋上付近についた時、あなた達の鼻腔を煙の臭いがくすぐることだろう。

屋上に立ち入ればすぐにその根源に辿り着く。そこに彼はいた。探索者達に背を向けて煙草を吸う彼が。振り向くと同時に、探索者達は背中から冷や汗が滲み出す感覚が嫌なほど伝わってくる。彼は大量に捨てられた吸い殻に向けて新しく手に持っていた煙草を投げ捨てると、ニヤリと微笑み
「やあ、よく来たね。最近我々のことを嗅ぎまわっているのは君たちかな?」
「さあ、お手並み拝見といこうじゃないか!ヴァルのいうところの今回の主人公諸君!!エンディングまで死ぬんじゃないぞ!君たちの残機は1つしかないのだから!!」

彼は左腕につけた腕時計に触れ、両手の革手袋を引っ張りながら、こちらへと歩いてくる。
しかし、その歩調はあなた達の生存本能を逆撫でするほど奇妙なモノであった。確かに彼は歩いている。歩いているが早すぎる。まるで走っているかのような速度で歩いてくるのだ。突如として彼は耳をつんざくほど高音域の咆哮をあげ、突撃を開始した。車ですらアクセルを思い切り踏まねばここまでの速度は出ないだろう。このような恐るべき現象を目撃し、それに命を狙われる状況に陥った探索者は1/1D6のSANチェック

ここからウィリアム=ヴァナルガンド(ワルキューレ)との戦闘が始まる。ただし、ワルキューレはマーシャルアーツ無し(マーシャルアーツ宣言すると探索者が死んでしまうので受け流しにしか使用しない)のノックアウトパンチやノックアウトキック(ダメージ半減の代わりに相手にショックロールを行わせる)を宣言し、手加減して力量を見る。KPの裁量で耐久力が多い者や、この戦闘中に気に入ったものにはノックアウトせずにそのままダメージを入れてもよい。また、この戦闘中で強烈な活躍をしたものをplayer1と見定め、執着する。
〈目星〉に成功するとワルキューレの走り方が非常に大きい歩幅で飛ぶように走るのではなく、ただ単に足のサイクル数が以上に多い走り方になっていることに気付くことが出来る。
〈聞き耳〉に成功すると異常なほど早口で暴言を吐いているのを聞き取ることが出来る。
セリフ例
「君はァ!中々やるじゃないか!!少し本気を出すぞ!!」
「〇〇!死ぬのはまだ早すぎるぞ!」
「銃火器を使うのは興覚めじゃあないか?君から倒れてもらおうじゃないか(やや高音で早口)」

KPはワルキューレに明確な意思を持たせて戦闘を行わせること。
・火器を使用する者には不快感を示し、最初にノックダウンしようとする。また、弾丸をあえてマーシャルアーツで受け流し、不快感を示す。
・ターゲットをとったものが遠い場合には跳躍ロール(95%)を振って接近し攻撃する
・素手格闘で2ラウンド以上タイマンした場合は非常に楽しそうに殴り合い、イクストリーム成功した探索者は確定で気に入る。(大体こんな感じの活躍をしたものを気に入る)

ルート分岐
①探索者がアンジェリカの記憶を再生させていない場合
ワルキューレは2つの弾丸を持ってビルの屋上にいる

ワルキューレを撃退すると
「ただの人間にしてはなかなかやるじゃないか!これはいわゆるドロップアイテムさ!真相に辿り着くまでくたばるんじゃないぞ!」
と叫びつつビル屋上の外縁に探索者達の方を向きながら立つ。彼はポケットから弾丸を2発取り出し、外縁に並べ、そのままビルから飛び降りる。ビルの外縁から下をのぞけば5階ごとにビルの引っ掛かりに手を掛け降下していき、凄まじい速度で走って消えていくのを見ることが出来るだろう。

②探索者がアンジェリカの記憶を再生させている場合
アンジェリカはウェイトリー製薬会社地下へと続く道を思い出し、呪文を唱えて解除する。
そこはかつてアンジェリカが遊んでいた場所であり、弾丸2発が隠されている場所でもある。

ワルキューレを撃退すると
「ただの人間にしてはなかなかやるじゃないか!これはいわゆるドロップアイテムさ!真相に辿り着くまでくたばるんじゃないぞ!」
と叫びつつビル屋上の外縁に探索者達の方を向きながら立つ。彼は両手の肘当てを取り外し、探索者の方へ投げるとそのままビルから飛び降りる。ビルの外縁から下をのぞけば5階ごとにビルの引っ掛かりに手を掛け降下していき、凄まじい速度で走って消えていくのを見ることが出来るだろう。

探索者が肘当てを装着した場合、正気度を10喪失する。また、戦闘開始から30分以内に肘当てを装着した場合、肘当てから衝撃が放出され装着した人物の肘にダメージが入る。肘のみへの強いダメージのため片肘につき1D6を振り、1は1、2は2、3~6は3ダメージを探索者は受ける。

●Vanargand支店
化粧品紹介を行う店員の手は若々しく非常に白い(魔方陣が沈着しているため)
(何かイベントなどを入れても面白いかもしれない)

●ヴァナルガンド本社へ(ヨグ=ソトースの息子達を連れてきていない場合発生するイベントで出来るだけ発生させたいので社内見学が出来ることや、KPからのメタ情報としてシナリオが詰むことはないことを伝えてもよいかもしれない)
道中山道となっており、銃撃を受け、血まみれの男性を発見する。また、しばらくして奥から車のライトがちらりと見える。
〈聞き耳〉に成功すると、雨の中奥から数台の車の音がする
〈目星〉に成功すると、ライトに照らされ車と並走する人間の影のようなものを目撃する。
ここで敵は逃げた男にばれないように先頭車両のみのライトをつけているのである。また、それを先導するようにワルキューレが走っている。

この男性はトライアスロン選手のヒャバヒャバダ・シューヤである。誘拐され、本社へ運ばれている最中麻酔が切れ、銃で撃たれながらも、川へ飛び込んで逃げたのである。麻酔が切れた原因として彼は以前ドーピングを頻繁に行っていたため、薬物耐性が強く、常人より早く切れてしまったのである。

カーチェイス
ほぼ一本道であるため先頭車両およびワルキューレとのカーチェイスになる
基本ルールに従う
追加の特殊ルール
・ワルキューレに追いつかれると車の上に乗り、運転手への妨害を開始する(運転技能-20%)
・乗員が可能な行動
〈こぶし〉または〈組み付き〉等の腕による戦闘技能に成功すればそのラウンドに限りワルキューレの運転手への妨害を軽減することが出来る。(運転技能-20%が-10%に減少)
・運転手が〈運転〉で大成功または乗員が戦闘技能に大成功するとワルキューレを車から引きはがすことが出来る。

〈目星〉に成功するとワルキューレの走り方が非常に大きい歩幅で飛ぶように走るのではなく、ただ単に足のサイクル数が以上に多い走り方になっていることに気付くことが出来る。
〈聞き耳〉に成功すると異常なほど早口で暴言を吐いているのを聞き取ることが出来る。

●ヨグ=ソトース村へ
車でおよそ2時間半かけて移動し、途中からは車から降りて徒歩で1時間半ほどは歩くこととなる。
〈聞き耳〉に成功すると、何かの気配に気づくことが出来る。しかし、振り向いてもそこには何もいない。
話しかけるなど、存在に気付いた挙動をとると、何処からともなく「何者だ?ここに何をしに来た?その足取り、明らかに迷い人ではなかろう?」と聞こえてくる。
ここではウェイトリーの名前を出すまでは信用されることはない。
彼らは何もないところから突然現れる。彼らの体の節々に緑色に変質した部分が見受けられる。SANチェック1/1D6

「アンジェリカお嬢様…やはり来られてしまいましたか…」
「詳しいお話は村にてお聞きしましょう」
そう言ってヨグ=ソトースの息子達は村まで案内をしてくれる。

●ヨグ=ソトース村
・現在は主に時間跳躍についての研究を行っている
・弾丸についての更なる研究は行っていない
・持ち出すことが出来たのは実物1発と製作法のみであるので他の効果についてはわからない

拳銃と銀の弾丸について詳細を尋ねると、地下に隠蔽されている研究所の所長室に通され、話を聞くことが出来る。
「これは我々が開発した、対時間魔術師弾です。ウェイトリー製薬会社勃興以来、開発に文字通り数多の命を捧げてきた、弾丸です。会社から何とか持ち出した弾丸が1発、我々が研究成果を元に新しく生成した弾丸が3発。併せて4発ここにございます。我々もお供させていただきますので、我々ひいてはこの宇宙の命運はあなた様にお任せいたしますぞ。」
ヨグ=ソトースの息子達に申し入れれば、ヴァナルガンド本社への突撃の際、子供と老人を残してほとんどの者がついてくる。車やトラックなどに人員と武装を積み込んで先陣を切ってくれるだろう。

【対時間魔術師用拳銃】
・被弾者の時間軸を正常に戻す効果を持つアーティファクト(弾丸を受けた時間軸上で本来あるべき姿に戻る)
・専用に開発された弾丸を込めて、セットで効果を発揮する
・ダメージロールはない
・猟犬のマークを除去することが可能
・はるか先の未来に時間跳躍を行った場合、その未来では死亡しているため消滅する(死体が分解されたあとの粒子になり、飛散する)

●時に関する研究成果
①時間軸に干渉したもの(以降干渉者と呼称)は猟犬から死ぬまで襲撃される。時間が経過するにつれ襲撃頻度や同時顕現数が増加する。
②干渉者が鋭角の存在しない部屋に入る、猟犬の封印を行う、時間に干渉した影響を消滅させることで猟犬からの襲撃を防ぐことが出来る
③干渉者に物理的な影響を与えても時間軸を正すことで干渉前の状態に戻る
④元が同一個体であっても、時間軸が異なる場合、同一個体として扱われない
⑤時間軸を進めるのは簡単だが、巻き戻すのはかなり複雑である。この難易度の違いにより、時間を進める場合はティンダロスによるマーキングはあまり濃くないが、巻き戻すとかなりの濃度でマークがつくと予想している。

所長はここで念押ししてくる
「3番目の項目および4番目の項目について具体的に説明を行いますが覚悟は宜しいですか?これ以上の踏み込んだ情報は常人には精神的なショックが大きいものとなります」
③について
干渉者を切断し本体と腕に分け、本体に弾丸を撃ち込んだ場合
→本体を起点として腕が復元し、切断されていた腕が消滅した。

干渉者を切断し本体と腕に分け、腕に弾丸を撃ち込んだ場合
→腕を起点として被験者が復元し、本体が消滅した。

片方の時間軸を干渉前に戻すと、同一個体として扱われるためもう片方は消滅し、質量の整合性が保たれる。
'画像'

④について
干渉者を切断し本体と腕に分け、もう一度本体に時間干渉させ、本体と腕の時間軸をずらした状態での実験

本体に弾丸を撃ち込んだ場合
→本体を起点として腕が復元し、切断されていた腕は消滅しなかった。

腕に弾丸を撃ち込んだ場合
→腕を起点として本体が復元し、本体は消滅しなかった。

時間軸に干渉する場合は同一個体かどうかの確認は必要ないが、時間軸を正常にする場合は同一個体の確認が発生する。この現象が発生する理由は時間軸への干渉はティンダロスとの接触点が出来る、つまり、この世界の理を無視して行われる行為であるため矛盾解消のための同一個体の確認が発生しない。しかし、時間軸を正常にする場合いくら切り刻まれたとしても、同じ時間軸に“同一の物質”が存在することが許されないため、同レベルの時間遡行を行った物質は全て同時に時間軸が正常となる。

要はテレビの巻き戻しであれば今まで流れた映像が何の変化もなく逆再生されるが、頭出しをする場合は頭出しを行った状況から逆算し、物質的に矛盾が起きないような状態になるため、逆再生した場合とは違う結果となる。

以上の説明を受け、理解してしまったものは1/1D10のSANチェック

クライマックス

オフィスは深夜にもかかわらず、明かりがついている。また、その明かりに照らされ、武装した人間が数えきれないほどいるのが分かる。普通車やトラックに同乗しているヨグ=ソトースの息子達を見渡すと本社ビルに近づくほどに目には憎悪の念が宿っていくのを感じるだろう。どちらが放ったかは分からないが、1発の発砲音を皮切りにヨグ=ソトースの息子達もヴァナルガンド社の社員も悍ましい叫び声をあげながら本社ビルへ突撃していく。
戦場に立ち会わせたことによるSANチェック1D3/1D6
まだ理性のあるものがアンジェリカ含む探索者に対し
「彼らが先陣を切り、最も戦場に慣れている我々があなた方のお供をさせていただきます。では、参りましょう。この命に代えてでもあなた方をお守り致します。これが、ウィンストン社長の主命を果たすことひいては我がヨグ=ソトース一族の敵討ちとなるのですから。」

ここからは戦闘ラウンドとして処理を行っていきます。
移動または技能ロール、その他時間の消費が考えられる行動を宣言するとラウンドが進みます。
また、10面ダイスを振ってもらい、出た目分のラウンドが進んだ時点でヨグ=ソト―スの息子による庇うが失敗し、あなた達に攻撃が迫りますので、マーシャルアーツ又は回避を振り、失敗した場合、ダメージ1d3+1を受けることになります。
探索可能場所は随時開放していきます。
また、アンジェリカの正気度が削れていくような描写をいれるといい(アンジェリカはヨグ=ソトースの息子達と同じ種族であるため)
〇1階
・地下へのエレベーター
行先にはB1しか書いていない。扉に魔方陣が付与されており、パスワードを音声認証で解除されるシステムとなっている。物理的にこじ開けるなどして作動させるのは難しいだろう。
・上階へのエレベーター
1ラウンドごとに1階上に行ける。
1番〈幸運〉の低い人が〈幸運〉を振り、失敗すると開いて味方が減る。4階は必ず停止し、ショットガンを構えた人間が待ち構えている。
ここで残っているNPCと探索者達を分離する。
「皆様、ここはお任せください!残り1階、先に上がってください!私達もすぐ追いかけますので!」
ただし、エレベーターが止まるごとに入ってこようとする社員を食い止めるためにNPCがエレベーターから降りて、リンチされるため毎回SANチェック1/1D3
・階段
2ラウンドごとに1階上に行ける
この場合も4階でショットガンを構えた人間が待ち構えており、NPCが突撃していく

1.2.3階は激戦エリアのため、10面ダイスのダメージイベントが発生するが、4.5階では無効化される。

〇5階
社長室でワルキューレとの戦闘に入る

戦闘中、エレベーターのパスワードを教えてくれる。
●ワルキューレは銀の弾丸を撃ち込まれ時間軸を正常にされるとその場で戦闘状態を解除し、ハンズアップして降参する。
「非常に心が躍る戦いだった。だが、俺はここでゲームオーバーだ。煮るなり焼くなり好きにしろ。」
銀の弾丸を撃ち込んで無力化した場合は、以降ワルキューレはヴァルとの最終戦闘に参加しない。

●もし探索者が銀の弾丸を撃ち込まずにワルキューレを倒した場合、ワルキューレに対してどのような処置をとるか確認すること。
死亡させた場合→探索者達が戦闘を始めてから暫くして時間の逆再生によって復活し、地下に乱入する
気絶させた場合→復活までかなりの時間がかかるので、任意のタイミングで地下に乱入させて良い(気絶した場合、戦闘開始して30分後にビヤーキーの革手袋や靴の副作用で手足が爆発し、意識を取り戻す。その後動けないことを悟ったワルキューレは舌を噛み切り自害し、復活する)
ワルキューレの装備を外し、気絶させた場合→ワルキューレはこの場を去り、新たな人生を歩む。

デスクの引き出しに乱雑に
・ミゼーア招来について
・エレベーターのパスワード
が書かれた用紙があるのを発見することが出来る。

〇4階
全員が死亡している。時間をかければ弾が残っているショットガンと弾薬が見つかる。
ただし、間近でぐしゃぐしゃの死体を見る為、SANチェック1/1D3
〇1.2.3階
降りる場合はヨグ=ソトースの息子側が優勢であるため、攻撃が飛んでくることはない

パスワードを入力し、エレベーターで地下へ侵入する

●地下
'画像'
〇肉解体場
精肉機、大量の人骨と宙にぶら下げられた人肉、まとめられた挽肉、袋詰めされ苦悶の表情を浮かべている異形の人体、血まみれの刃物などが乱雑に置いてある
SANチェック1/1D3+1
((さらってきた人間を用いた実験を行う施設で、繰り返し実験に用いた人体はティンダロスの猟犬が顕現しないように処理を行い、挽肉にしている。))
〇魔術研究室
膨大な量の書籍が収められている。ざっと目を通しただけであれば時間に関する書籍が多く収められていることが分かるだろう。
〇魔術実験室
あまり広くはない部屋で牢獄のような仕組みになっている部屋である。腹に腕が埋まっていたりメモの様なものとともに右腕が陳列されてあったり、首が3本生えていたりと、明らかに道徳を無視した実験が行われていることが分かる。このような異常な光景を目撃した探索者はSANチェック1/1D3+1
また、ひと際設備がそろった部屋に年老いた女性(ニコラ)を発見することが出来るだろう。
身体を確認すると変質部はない。また、ニコラか確認してもほとんど反応を示さない。ただし、アンジェリカはニコラの面影があると言う。
更にこの部屋には大量のノートやお菓子やカップ麺などが乱雑に置かれている。また、吐き気を催すような強烈な激臭が漂っている。(これはヴァルが現代の物品で好んだものである。激臭はヴァルの体液に由来するものである)
〇人体保管庫
ガラス張りの小さな部屋にペットショップのような形で生きた人間が閉じ込められている。あなた達に気が付くと必死にガラス戸を叩くが防音加工がなされているのか全く声は届かない
〇戦闘訓練、トレーニング室
血まみれになったリングがある。また、刀剣やバールのようなものなどある程度の近接武器がそろっている。
〇儀式部屋
探索者達がゆっくりと扉を開くと、激臭が鼻を突く。先ほどまでの部屋で感じた臭いの記憶すら上書きされるほどの。そして探索者達は直感する。この先は人間が立ち入ってはならない、禁断の領域であるということに。

底知れぬ恐怖で息が詰まっている中、あなた達はゆっくりと入っていく、この世界とあちら側の世界の狭間へ。

そこはもはや常識の世界ではなかった。おおよそ四面体と認識できるそれは脈打つ緑色の何かでかたどられていた。その緑色の何かはあらゆる場所がゼリー状にぶよぶよとしており、絡み合ったローブをよじり合わせたようになっている。そこら中におおよそ人間大の眼球があり、それは揺れながら開いたり閉じたりしていた。その冒涜的な四面体へ祈りを捧げるかのように跪いている3人の少女がいた。否実際に祈りを捧げているのだ。彼女らはそれへ向けて人間の声とは思えない音を出している。そこまで確認したところで、四面体の背後から耳をふさぎたくなるような冒涜的な音声と共に声が聞こえてくる。

「やはり来たね。待っていたよ。今回の主人公諸君。」

その声を発した者は明らかに人間ではなかった。その生物の体にはおよそ生き物らしい曲線が存在せず、それは積み重なり繋ぎ合わされた歪な鋭角の集合体だった。探索者達は理解してしまう。あの犬のような化物を構成した物質で造られた、明確な意思を持つこの世界に存在してはならない忌まわしき怪物であると!

ヨグ=ソトースの血により生成された血を這うだけの存在とティンダロスの混血種と、悍ましい儀式を目撃した探索者はSANチェック1D6/1D20
ここから戦闘ラウンドに入る。
〈クトゥルフ神話〉に成功する6ラウンドで詠唱が完了することが分かる。
上述したように、銀の弾丸を使用せずワルキューレを殺害していれば3ラウンド経過した時点で、復活したワルキューレが乱入する。また、4ラウンド経過した時点で時間の逆再生を用いて復活したワルキューレを殺害するために猟犬が顕現する。(猟犬はワルキューレが死亡するか、12ポイントのダメージを受けると退散する)

戦況によりもう少し早めに顕現させるか、ヴァルが即死しそうならもう少し早めに乱入させてもよい。

ワルキューレが気絶している場合は探索者に褒美?として必ず5ラウンド以上が経過してから顕現させること。

散らばったヴァルの体液に弾丸を撃ち込むとプレイヤーが提言した場合
突如、周辺に散らばっていた体液がヴァルにむけて吸収され始める。
「今何をしようとした?俺の体液に向けて弾丸を撃ち込もうとしたな?アーティファクトか?確かに魔力を感じるな・・・」
とつぶやく。
体液の操作に気をとられてしまうため、ヴァルの全技能に-15%のマイナス補正をかける

戦闘中のヴァルのセリフ
「僕にはたくさん時間と残機があるからね。ここで負けたってリトライすればいいのさ」
「いまここで完成しそうな儀式は僕にはとってはどうだっていいんだ。むしろ失敗すればエンディングを見ることが出来ないからね。未来に飛んでまた挑戦できるのさ。」
「僕がこうやって悪巧みをするとね。どこからか嗅ぎつけて必ずここにやってきて僕の悪巧みを阻止しようとする正義のヒーローがやってくるのさ。僕はそれがたまらなく楽しいんだよ。アハハハハハハハハハハ!!!!!!」
「エンディングは誰も想像が出来ないような、そんなものであるべきだろう?」
「ほら、ヒーローは味方が倒されてからが本番だろう!!!!!そんなに僕が憎いなら僕を倒してみろよ!!!前回のシナリオの方がまだ苛烈で楽しかったぞ!!!」
「こういうことをすると盛り上がるんだろう!?」といい、祈りの詞を詠唱している少女の左腕をもぎ取る。少女は凄まじい絶叫をあげ、隣の2人の少女は恐怖で体が一瞬硬直するが、3人とも必死に祈りの詞の詠唱を続ける。(この行動に1ラウンドを消費する)

ヴァルが弾丸を撃ち込まれた場合の演出
探索者の放った弾丸がゆがんだ空間を潜り抜け、ティンダロスの混血種の肉体に直撃する。その瞬間、肉体が着弾部位から消滅していくのがはっきりと見える。
「中々の貫通力を持ったアーティファクトじゃないか…。しかし、時間を巻き戻せば僕の体は治…???」
彼はそう呟きながら、着弾部位に手をかざすが、何も起こる気配はない。ただ肉体の崩壊が進行するのみである。
「何故だ?計算段階に入っていて干渉不能だと!?概念的に僕の肉体が消滅状態だと?ふざけるな!まだ時間跳躍の用意が出来てない!!!クソクソクソ!!!!」
ほぼ半身が消滅した段階で魔術行使の素振りをやめ、探索者達に襲い掛かろうとする。咄嗟な行動で反応できなかった探索者達であったが、そのこぶしは探索者の肉体を貫通する。もはやこの世界にもあちらの世界にも彼は存在していないのだから。
「どれだけ俺が時間遡行したと思ってるんだ!それを誤差無しに逆行させるなんて、俺でも不可能だ!こんなチートアイテム許され…」
そう、絶叫しながら彼の肉体はある程度の時間をかけて消滅した。

これで、神々の黄昏は免れたのだ。世界にこの偉業が知らしめられることはないだろう。しかし、この世界、そして何よりも怪物だった少女と、それをただ愛している怪物、否母親を救ったのだ。探索者は恐怖から解放され緊張の糸がほどけ、同時にやりぬいたという満足感を感じるだろう。

各種情報(PL用)

●失踪事件
民間人に合わせて、著名な人物も失踪にあっている
民間人の失踪者は特に老人が多いことが分かる。
最近では有名なトライアスロン選手ヒャバヒャバダ・シューヤも失踪しており、警察も調査しているが行方はつかめていない。
〈コンピューター〉か〈図書館〉に成功すると
ヒャバヒャバダ・シューヤについて調べると、以前ドーピング検査に2度引っかかり、出場停止を受けていたが、ここ数年は更生しドーピングは行っていないようである。
〈コンピューター〉か〈図書館〉に成功すると
財政界の重鎮や博士などについて調べると、主に政治、警察、医学関係者や富裕層が失踪している傾向にあるという。

●ヴァナルガンド社について
・ここ数年にかけて大ヒットしている会社である。本当に若返る!ということで爆発的に売れているらしい。
・本社をヴァン川上流の山の上に構える会社である。大ヒットする少し前から本社をここに移している。
・支店は至る所に展開しており、店舗販売を行っている。
・ウィリアム=ヴァナルガンドという名前の白髪交じりの男性が社長である。HPには顔写真も乗っている。{PLがアンジェリカに対してワルキューレがニコラの父親や執事であるか確認をした場合、アンジェリカはこのような人物に心当たりはないと答える。記憶を曇らせる呪文によって、ワルキューレが父親や執事であることを消去されていると勘違いさせるためのフェイクとなっている。}

 顕微鏡などによって観察を行うと、涙型の粒子の先端に魔方陣のような幾何学模様が白色の線で描かれていることが分かる。
〈化学〉に成功した場合、この化粧品に含まれる成分に該当する論文は発表されていないことが分かる。{いわゆるネット上にはびこっている健康用品の怪しい説明程度しか情報が出てこないのである}
〈クトゥルフ神話〉に成功した場合、これが【吸魂】の魔方陣であることが分かるだろう。
{涙型粒子の先端が鋭角となっており、ここを起点にティンダロスの霧が発生する。この先端に改良した吸魂の魔方陣を刻印することで猟犬から生命力を奪い、ティンダロスの顕現を抑えるとともに、若返り効果を発揮する。また、白色の微小な魔方陣が皮膚に沈着するため、副次作用として肌が白くなるのである。}

〈経理〉に成功すると、ここ数年のヴァナルガンド社の決算などを確認すると、失踪した富裕層は失踪前にヴァナルガンド社に融資していることが分かるであろう。

●ウェイトリー製薬会社について(〈薬学〉に成功すると、ロールに+20%の補正)
・ウェイトリー製薬会社という大手企業がおよそ35年前に倒産している。
・当時は本社が炎上し、立て直す資金を失ってしまったことが原因である。
・上層部の人間は軒並み失踪扱いになっている。
・ビル自体は焼けたが、解体に莫大な費用がかかり、やや田舎にあることもあってか、未だに残っている。

〈コンピューター〉〈図書館〉で成功すると、ウィンストン・ウェイトリー社長はアンジェリーナ・ウェイトリー(旧姓アンジェリーナ・アボット)という妻がいたが、息子や娘などはいなかったことが分かる。

〈コンピューター〉〈図書館〉で成功すると、このウェイトリー製薬会社は難病患者を救うために利益にならないような薬剤の研究まで行っていた。しかし、襲撃事件後に説明責任が果たされることがなかったため、当時は再建を望む署名活動や暴動が起こったという。

〈知識〉などで成功すると、このような当時最先端技術で特許をとり続けていた会社が本社の炎上だけで倒産してしまうほどリスク集中をさせているはずはなく、そもそも立て直すだけの資産は十分にあったはずだということが分かる。

〈オカルト〉で成功すると、当時深夜だったが火事の騒ぎに交じって激しい銃声や悲鳴、怒号が聞こえてきたということが分かる。

ウェイトリー製薬会社呪文研究・開発部門
●記憶を曇らせる(CLOUD MEMORY)の研究成果について
説明
この呪文の対象になった者は、ある特定の出来事を意識的に覚えていることが出来なくなる。この呪文を掛ける為には1D6MPおよび1D2SANを支払う必要がある。呪文の効果は即時に表れる。呪文の使い手は対象が目に見えていなければならず、対象は呪文の使い手の指示が受け取れるような状態でなければならない。MP抵抗ロールで呪文の使い手が勝利した場合、対象は1つの特定の出来事に関して頭が働かなくなってしまう。

注意点
・その出来事が非常に恐ろしいものであった場合には、その後になってもそのことに関する漠然とした悪夢を見る可能性が高い。
・呪文が失敗した場合には、その出来事は対象の心にかえって鮮やかな記憶となって残る。
・呪文の使い手は呪文を掛けようとしている出来事を知っていなければならない。すなわち「昨日やったことは忘れろ」というような曖昧な命令を出すことは出来ない。「昨日行った殺人については忘れろ」というように、具体的な出来事を示さなければならない。

●記憶を曇らせる(CLOUD MEMORY)の改良について
・呪文が作用する脳の部位を洗い出し、作用した場合に起こる物質的な異常を検知した。呪文の内容によって記憶をつかさどる部位でも局所的および選択的に異常が発生していることが確認された。呪文の音節を変更することで局所的であった部分を拡張し、より曖昧に記憶を曇らせることに成功した。

注意点
・その出来事が非常に恐ろしいものであった場合には、その後になってもそのことに関する漠然とした悪夢を見る可能性が高い。
・呪文が失敗した場合には、その出来事は対象の心にかえって鮮やかな記憶となって残る。
・呪文の使い手は呪文を掛けようとしている出来事を知っていなくてもよい。また、曖昧な内容でもよい。例えば術者が「お前の昨日の記憶は忘れろ」などと命令しても効力を発揮する。

●記憶を晴れさせる(SUNNY MEMORY)の開発について
・記憶を曇らせる呪文を逆詠唱することにより、この異常が逆再生され記憶が戻るのではないかと研究チームにより提唱された。結果途中まで物質が逆行したが、脳への負担が大きく被験者は死亡した。
・音節の改良を施し、脳への負担が軽減され、曖昧なイメージでも記憶を解除する呪文の開発に成功した。

注意点
・非常に恐ろしい出来事に関する記憶を解除した場合、初めて体験したときと同様のショックを受ける。
・非常に膨大な量の記憶を解除した場合、脳への負担は相応の大きさで対象にかかる。

呪文1つを習得すると正気度を1D3喪失し、クトゥルフ神話を1%獲得する

●記憶を解除した場合
金切り声をあげ、頭を抱え、その場で倒れこみ、嗚咽を漏らしながら吐瀉物を撒き散らす。幾度となく吐瀉物を出し、次第に血が混じるようになる。しばらくしてそれが落ち着いたと思えば、虚空を見つめ同じ数字の羅列を繰り返し、その場で動かなくなる。この状態のアンジェリカは24時間の間行動不能状態となる。〈精神分析〉に成功した場合、①ある程度の会話を行うことが出来る②行動不能の時間を3時間減少させることが出来る。精神分析に挑むことが出来る回数は6回、消費時間は1回につき1時間。{強烈な精神的ショックおよび膨大な情報量の流入により脳への負担が大きかったためこのような状況となる}
〈アイディア〉に成功した場合、アンジェリカが復唱している数字の羅列は経度および緯度と考えると、ここから近いことに気付くことが出来る。これを検索にすると北アイルランドの山間であることが分かる。

●ミゼーアの招来について
・人肉を立方体に成型したものをピラミッド型に並べる ※この作業は必須項目である
100kgの肉塊1つにつき成功率が1%上昇する
・銀製の紐でこれらを縛り、固める ※この作業は必須項目である
・ヨグ=ソトースの血を浴びせる ※この作業は必須項目である
濃度5%につき成功率が1%上昇する
・術者がティンダロスを讃える詞を詠唱し、支払うMP20につき成功率が1%上昇する ※この作業は必須項目である
・ヨグ=ソトースの息子で生物学的にメスと分類される個体が祈りの詞を詠唱することで1人につき成功率が10%上昇する

●警察について
警察の失踪事件に関する進展がほとんどないことから炎上が始まっていることが分かる。
{警察は内部分裂により重要な証拠が消滅し、事件発生現場予測や、それに合わせたおとり捜査などを行っても情報の横流しによりなかなか進展しないのである。}

各種情報(KP用)

●母親が同行している場合
→好感度ポイントが最も高い探索者は致命的なダメージを受けるとき、母親が肩代わりする

●ニコラを急激に成長させて行うこと
・誘拐した挽肉用の人間と交配させ、ヨグ=ソトースの息子を作製する
・変質部の切除、再生を繰り返し、ヨグ=ソトースの血を絞り出す

これにより起こる副作用
・ニコラが人間になる
・延命作業はある程度しか行わないので寿命はほとんど残らない
・廃人に陥る
'画像'

●警察の二極化
失踪した警察のトップからの指示を受けて行動する派閥、これを懐疑的にみる派閥で二極化が発生。前者は証拠の隠滅、情報の横流し等、後者は調査を行っている。警察にニコラについて話せば妨害が発生するであろう。これは母親の頼みを裏切ったいわばペナルティである。

●ミゼーアの招来について
人肉を立方体に成型したものをピラミッド型に並べる(100kgの肉塊1つにつき成功率が1%上昇する)+50%
銀製の紐でこれらを縛り、固める
これにヨグ=ソトースの血を浴びせる(濃度5%につき成功率が1%上昇する)+20%
術者がティンダロスを讃える詞を詠唱し、支払うMP20につき成功率が1%上昇する
ヨグ=ソトースの息子で生物学的にメスと分類される個体が祈りの詞を詠唱することで1人につき成功率が10%上昇する

NPCのルート

●ヴァル
弾丸を撃ち込まずに耐久力を0にして放置する場合→生存し未来へ跳躍
弾丸によって消滅

●アンジェリカ
弾丸を撃ち込まずに生存→ティンダロスの猟犬による襲撃で死亡する
弾丸を撃ち込んで生存
死亡

●ニコラ
弾丸を撃ち込まない→老人で生存
記憶を曇らせるを使用→カウンセリングによってある程度精神が回復するが、寿命が短いため、間もなく死亡する
弾丸を撃ち込む→少女で生存するが、精神の回復は一切行われず死ぬまで廃人として生活する
弾丸を撃ち込み、記憶を曇らせるを使用→1人の少女として生存し、精神が回復、本卓では後にアイドルとして活躍するエンディングとなった。

SAN値および幸運の回復

ヴァルを倒した 1D10
ヴァルを消滅させた 1D20
ニコラが生存している 1D4
ニコラに弾丸を撃ち込む 1D6
ニコラの忌まわしい記憶を曇らせる 1D6
アンジェリカが生存している 1D6
アンジェリカに弾丸を撃ち込む 1D4
ヨグ=ソトースの息子達が生存している 1D4
ヴァナルガンド社員、ティンダロスの猟犬、ワルキューレを撃退した 1D10
幸運の回復 1D20

技能成長

・幾度となく繰り返された死闘を潜り抜けた探索者達だ。面構えが違う。
マーシャルアーツ含め、今回使用した戦闘技能をそれぞれ1D10成長させて良い

・応急手当ファンブルは戦闘技能
応急手当をファンブルした者は応急手当を1D10+5成長させて良い

・あいつは追いかけるよりも、追われる時の方が格段に速い
カーチェイスで運転手だったものは運転技能を1D10+5成長させて良い

・俺はSAN値回復マシーンじゃねえ!
アンジェリカに精神分析を行ったものは精神分析を1D10+5成長させて良い

・敵も味方も全部化物
クトゥルフ神話技能を1D8成長させて良い

エンディング

A-Best end(全てのギミックをクリアした)
「世界の夜明け」
ヴァナルガンド社の陰謀を打ち砕き、更にはヨグ=ソトースの息子達の数千年に渡って続いた時の魔術師(ヴァル)との戦争に終止符を打つことに成功し、神々の黄昏を回避した。また、あなた達は本来の目的であるニコラの奪還を達成し、弾丸によって人間の少女とした。更に精神の摩耗した彼女の忌まわしい記憶を封印することに成功し、死ぬはずであった母親の運命を改変した。これによって母親の親身な看病により、ニコラは早い段階で元の活発な少女へと戻るだろう。亡くなった母親すら思い浮かべることなく、ベランダで独り黄昏る老人のニコラという最悪の結末をあなた達は弾丸によって消滅させたのだ。

B-end(ニコラの記憶を曇らせることを行わずに救出した)
「ニコラの黄昏」
 ヴァナルガンド社の陰謀を打ち砕き、更にはヨグ=ソトースの息子達の数千年に渡って続いた時の魔術師(ヴァル)との戦争に終止符を打つことに成功し、神々の黄昏を回避した。また、あなた達は本来の目的であるニコラの奪還を達成し、弾丸によって人間の少女とした。しかし、アンジェリカの親身な看病にもかかわらず、ニコラは依然として精神的な回復の兆候を見せることはない。なぜならば彼女は体感時間で60年前後の間身体を切り刻まれる拷問を受け続けてきたのだ。これから彼女は人としての人生を送ることは出来ないだろう。死ぬまで自宅のベランダで椅子に腰を掛けながら外を見つめ黄昏続けるのだ・・・。

C-end(ニコラに弾丸を撃ち込まず、老人のまま救出した)
「アンジェリカの黄昏」 
ヴァナルガンド社の陰謀を打ち砕き、更にはヨグ=ソトースの息子達の数千年に渡って続いた時の魔術師(ヴァル)との戦争に終止符を打つことに成功し、神々の黄昏を回避した。また、あなた達は本来の目的であるニコラの奪還を達成した。しかし、人間となり既にほとんどの寿命を使い果たしたニコラはあと数年・・・運が悪ければ数か月で息を引き取るかもしれない。残りの短い間をその親子が何を考えながら過ごすかはわからない。だが、探索者達が墓参りに行けば墓前で黄昏るアンジェリカの姿を目撃するかもしれない。

D-end(アンジェリカがシナリオ中に死亡した場合)
「探索者の黄昏」
 ヴァナルガンド社の陰謀を打ち砕き、更にはヨグ=ソトースの息子達の数千年に渡って続いた時の魔術師(ヴァル)との戦争に終止符を打つことに成功し、神々の黄昏を回避した。また、あなた達は本来の目的であるニコラの奪還を達成した。しかし、母親のアンジェリカは戦いによって激しく体が損壊し、生命維持機能が活動しなくなってしまった。見るに堪えない母親の遺体を回収し、探索者達はニコラを連れて帰路につく。数日後、探偵事務所に封筒が届く。差出人はアンジェリカ=ウェイトリーのようだ。中には手紙と、更に封をしてある小さい包みが入っていた。

 おそらく、私の命はもう長くありません。ニコラの捜索を手伝ってくださった皆様を信頼してこの手紙を差し出します。ニコラのことをよろしくお願いします。もし、お願いできるのであれば、ニコラに同封した包みをお渡ししていただけないでしょうか。

探索者達は文面に従って、ニコラにその包みを渡すだろう。ニコラがどのタイミングでその封を開けるかは探索者のRP次第だ。ニコラが探索者達の前でそれを開封するなら、目線が下に行くにつれて中に入っている紙を持つ手は震え、涙はとめどなくあふれてゆく。感情が噴出したニコラの横に探索者達は優しくついてあげるだろう。しばらくすれば目をはらしたニコラは家に帰ってゆく。これで探索者達の依頼はすべて達成されたのだ。この数日に起きた出来事は普通の人間が果たせることではなかった。本来なら胸を張って仕事を終えたと言っても称賛を受けことはあれども非難を受けることは決してないだろう。だが、探索者達は胸の奥に残るつかえが取れぬまま日常に戻ることとなる。

E-Bat end(クライマックスでミゼーアが召喚されてしまった場合)
「神々の黄昏」
 詠唱が終了する。脈動を続けていた地を這う存在は溶けるように人肉ピラミッドとまじりあい始める。徐々にその人肉ピラミッドは鋭角を形成してゆく。それは今まで見た怪物と似たような形となっていく。だが、規模が違う。恐ろしさが違う。生物としても防衛本能が決壊した。理性が、本能が働かなくなってしまった。探索者達はただ茫然と立ち尽くすのみであった。化物と化した人肉ピラミッドを縛る銀色の紐が軋み、悲鳴を上げ始める。化物が上を向き咆哮をあげると同時、探索者達の身体は壁に叩きつけられる。再び目を開けば既に銀の糸は千切れ、化物が自由を手に入れていた。更に人肉ピラミッドを起点に今まで探索者を襲ってきた化物が数えきれないほどに生まれ出てゆく。始まったのだ。神話に描かれた神々の黄昏が。化物は忌まわしそうに飢えた眼差しを探索者達へ向け、捕食しようとする。だが、地下室の空間に凄まじい速度で魔方陣が描かれていく。一瞬で完成した魔方陣は扉と認識できる物体へ変化し、爆発音とともに扉が開かれ、玉虫色の球体が化物へ飛来する。それを皮切りに扉から人知を超えた異形の生物がなだれ込んでくる。
 「ゲームオーバーだあああああああああああ刮目せよ!!!!!!世界の終わりをなァァァァァ!!!!!」
ヨグソトースの軍勢とミゼーアの軍勢の戦争による宇宙の崩壊を目撃した探索者はSANチェック1D100/1D100×1D100

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