2024年03月01日更新

【CoCシナリオ】神話生物:確保・収容・保護 3話 真相編

  • 難易度:★★|
  • 人数:3人~4人|
  • プレイ時間:2~3時間(ボイスセッション)

H.P.ラブクラフトが現実改変能力者で執筆した文章が世界に適用され、神話生物を生み出すSCPであったら?
本作は続き物であるため、1話および2話のご一読をよろしくお願いします。
シナリオの最後の方の画像に不快感を感じるかもしれません。閲覧にはご注意ください。

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ストック

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導入

探索者達が特別収容プロトコルを”編集者”に引き継いでから、しばらくしてデイビッドが探索者達を招集する。
「現在、情報源と考えられるジョイの周辺を”編集者”の狙撃手部隊が包囲している。報告によるとジョイの家に辿り着くのが出遅れたことが幸いし、ジョイの家の周辺ビルで所属不明の狙撃手や不審な人物を複数発見したそうだ。侵入せず、監視を行っていることから恐らくジョイの家ではなく、ジョイの家に近付く者が目的であると考えられる。そこで、君たちには囮になってもらう。まず、君達がジョイの家に侵入し、敵に捕獲されるまでの間にジョイの家の情報を収集してもらう。敵が侵入を開始した場合は狙撃手がマークしている分の敵を射殺するが、屋内に潜んでいる可能性もある。それらに関しては後追いという形でこちらも部隊を侵入させる。最善は尽くすが、敵が君達を殺さない可能性はないとは言えない。可能なら自力での脱出も試みてほしい。また、調査に関して家の見取り図は確保してあるが、地下室などの隠し部屋が存在する可能性もある。その時のために物理的および電子的ロック解除のスペシャリストを一人つける。ただし、彼はCRVが13未満の為SCP-1939-αとの接触は出来るだけ避けさせるようにしてくれ。以上で説明を終了する。命懸けのミッションとなるが、最善を尽くしてくれ。」

・カタログの1枚がジョイの家にあるのはプロトタイプ用であり、未だ発売には至っていない。
・日本生類創研は定期連絡なしにジョイが死亡したため、特殊ショゴスが原因と判断できなかった。したがって慎重にならざるを得ず、ジョイがスパイであるとばれているのであれば、SCP財団からジョイの家へ人員が派遣されると踏んだため、特殊部隊を用いて職員を拉致しようとしている。

ジョイについて

 偽名 ジョイ=ウォーカー
 年齢 26歳
国籍 イギリス

本名 ジョイ=久能
 国籍 日本
 年齢 26歳

両親ともに日本人でどちらも日本生類創研に所属する研究者である。父親は「が-B-0134 ファーテリティ・ダウンフォール施術」の開発者である久能尚史で、母親も助手として研究チームに参加していた。しかし、研究中に父親は勃起不全、母親も精子に対するアレルギーを発症し、子供が出来なくなってしまった。そこで養子として引き取られたのがジョイであり、幼いころから日本生類創研に対する忠誠を誓っていた。日本生類創研に所属し、その忠誠心を買われ他の要注意団体に対するスパイとして育成された。もともとイギリスの血であるジョイはクイーンを代表とするロックバンドの熱狂的なファンであり、財団で違和感なくロックバンドを流し続けるという仕事とマッチングしていたことから、名前や国籍を偽って財団職員として潜入した。また、今回のレコード掃除機の開発者である。財団で働くにつれ、スパイ活動で知り合いの職員を大量虐殺することに恐怖を感じ始め日本生類創研を退職したいと考えていた。しかし、両親の圧力のために退職できずに苦しんでいた。

ジョイの家の調査開始

ジョイの家は街中に構える2階建ての一軒家である。周辺にはビルやホテルなどが散在しており、非常に監視しやすい立地にあることが地図からも、実際に見ても分かるだろう。
 ジョイの家について調査すれば、地下に埋まっている下水道などの管が何かを迂回するかのように明らかに効率の悪い経路で本管に繋がっていることが分かる。これは地下室を迂回して下水管などが取り付けられているためである。また、事前に報告書によってどこが何の部屋かわかっている状態で探索が開始する。

1階

〇キッチン
拳銃が3丁、スタングレネード2個を発見することが出来る。
食器の類は綺麗な状態が保たれている。
冷蔵庫には飲み物とスーパーの買い置きが栄養バランスよく入っている。見かけによらず不摂生な生活を送っていないことが分かるだろう。

〇ダイニング
絨毯が敷かれ、簡易的な食事用の高い机と椅子が1つ置かれている。
拳銃が10丁出てくる。更にスタングレネードが6個出てくる。また、壁に生体認証の解錠システムが備え付けられている。
〈目星〉に成功すると、部屋の上側に妙な違和感を感じる。
これはジョイの防衛装置であり、これをアンロックすることで2階の壁を構築する硬い部分が落ちてくる。これにより、地下室へ続く部屋であるダイニングを封鎖し、その間に絨毯下の地下室へ隠れこむことが出来る。しかし、迂闊に解除すれば閉じ込められてしまい、探索の継続が不可能になってしまうだろう。また、ここをアンロックした時点で日本生類創研の特殊部隊制圧を開始する。アンロックはウォルターに頼めば10分程度で行ってもらうことが出来る。
絨毯を捲るなどの宣言を行うことで、<目星>を振ることが出来る。
床の木目にずれがあるのに気づくことが出来る。ウォルターに頼むことで板を外してもらいアンロックを行ってもらうことが出来る。ただし、これには異常物体の力がかかっており、アンロックには1時間程度を必要とする。

〇リビング
拳銃が5丁、スタングレネードが3個出てくる。
薬学や生物学、情報工学などに関する本が多くみられる。(薬学・生物学に関しては引き抜きでSCP-1939-αの担当になる可能性があるため、勉強を行っていた。情報工学に関してはクラッキングなどの技術書の比率が異常に高いことが分かる。これは財団のデータベースにアクセス出来るジョイがセキュリティのシステム情報を足を付けずにダウンロードし、日本生類創研に委託することでセキュリティ突破システムを構築するために勉強していた。
また、探索者達との集合写真を見つけることが出来る。
〈目星〉に成功すると「Help me」と写真の裏側に書いてあることが分かる。

〇客室
拳銃が4丁、スタングレネードが2個出てくる
ロックに関するCDおよびポスター、写真集などが陳列されている。

〇浴室・洗面
 鏡が割れている。また、周辺には飛び散って乾いた血痕がある。これは鏡を見ることで自分と向き合ってしまい、財団とニッソ(日本生類創研)の狭間にいる自分のどうしようもなさを痛感してしまい、衝動的にたたき割った跡である。

2階

〈追跡〉〈目星〉などに成功すると、
階段を上がる時に埃がやや溜まっているのに気が付く。恐らくジョイは暫く2階に踏み入っていないと分かるだろう。

〇部屋1
〈目星〉に成功すると扉の対面にある壁の張り紙がやや歪んでおり、若干色も違うことに気が付く。
この壁を触ると他と比べ明らかに柔らかくなっており、叩けば空洞があることに気が付くだろう。適切な処理を行うことで壁に埋められた拳銃を無力化することが出来る。
何の処理もせずに扉を開くと扉の反対側から壁を抜いて拳銃の弾が飛来する。(各プレイヤーに対して1d8ダメージの弾丸が3発

〇部屋2
扉を開くとグレネードが爆発する
ダメージ4d6
装備でダメージ半減なので、最前列の人間のみ2d6。他は威力減衰によって1d6となる。

地下室への侵入フェーズ
●壁落としの生体認証を先に行った場合、日特が侵入を開始し、後追いで財団による制圧が開始される。財団優勢で進むが、日本生類創研がショゴスの能力を応用して作製した自己修復機能付与手術によって改造された日特は致死ダメージを受けても再生するため、制圧にかなりの時間を要することとなる。したがって、以下の様な描写となる。

 探索者がウォルターに指示を出し、壁に備え付けられた生体認証を解錠させると部屋を囲むように重厚な金属板が落ちる。暫くすると建物の入り口と思われる場所が同時に開き、大量の足音が聞こえてくる。更に間髪を入れずに落ちてきた金属板の一部が溶融し始める。恐らく映画などでみるようなガス切断機であろう。壁が頑丈なおかげか、遅々として作業は進んでいないが、ある程度時間がたてば切断は完了するだろう。

ここでDEX×5を振り、失敗した者は日特の一人が下半身のない状態でガス切断機を手に持ち、他の人員と共に這いずりながら突入してくるのを目撃する。SANチェック1/1D3。
また、探索者達は日特の突入と共に地下へ入り施錠に成功する。

●地下室
地下室へ入るとこぢんまりとした部屋に辿り着く。真上からは激しい発砲音が鳴り響いている。この部屋にはデスクが1つと本棚がいくつかあり、コンピューターと様々な書類および本が乱雑に置かれている。ベッドの上の布団もたたまれずにおかれている。特に目を引くのは壁に刻まれた「日本生類創研に栄光あれ」「財団に正義の鉄槌を」「我々は神である」という文言である。
 〈目星〉に成功するたび(各プレイヤー失敗するまで振り続けてよい)ランダムで以下の書類および情報を獲得する。
・部屋の側面にナンバーロック式の強固な施錠が成された扉を見つける。触れれば数字10桁のパスコードが必要であることが分かるだろう。
・デスクの引き出しの裏に10桁のパスコードが彫ってあることに気が付く。
・「ショゴスゲノム解読計画」
・「ショゴスの異常性を発現するゲノムの解析」
・「ヒト―ショゴスキメラ体の骨格の形成の制御について」
・「ヒト―ショゴスキメラ体の再生能力について」
・「ヒト―ショゴスキメラ体の知能および精神状態について」
・「ヒト―ショゴスキメラ体の兵器運用に関する感覚器の制御について」
・「ヒト―ショゴスキメラ体による疑似的な“死した神の体”の製造について」
・「ヒト―ショゴスキメラ体を用いた“死した神の体”の量産と"サムサラ"を模倣した軍隊の製造および運用について(仮題)」
・「ヒト―ショゴスキメラ体の蓄積データの入出力について」
・「SCP財団アメリカ支部異常生物収容サイトに保管されている異常生物の異常性および収容プロトコルに関する文書」
・「何かについてのカタログ」

また、ノートパソコンはヒトゲノムで構成された記憶媒体で構成されており、32エクサバイトのデータが保存できる様になっている。持ち帰ることが出来るが、解錠するにはSCP財団による長期間の実験が必要になる。また、実験データを閲覧できず、論文には日本生類創研の専門用語が多く用いられているため、概要しか理解することが出来ないため応用は難しいだろう。

全員が〈目星〉に失敗すると先ほど入ってきたドアが解錠され、銃撃を開始する。ここで日特は2人入ってきており、一人は片腕をもう一人は片足を失っている。また、足を狙う部位狙いで射撃を行うため、技能値は20%で6発分ダイスを振る。

この間、探索者は、〈組み付き〉を行うか、パスコードを探すか、パスコードを入力するか、迎撃を行うなどの行動をとることが出来る。

パスコードを入力して逃げ出すと、細い通路を通って広い空間へ出る。ここには量産されたヒト―ショゴスキメラが20体制御下にあり、拘束された状態である。通電して筋肉系統の成長を制御しているため、身体が常にあらゆる方向に激しく痙攣している。
広間へ出た瞬間「侵入者を確認。被験体を解放します。」というアナウンスと共にヒト―ショゴスキメラの拘束具が外れ、20体全てが解放される。
SANチェック1/1d3

ここで、〈目星〉に成功した者は床にマンホールが設置してあるのに気づく。ここで、DEX×5を振り、3回連続成功した者はヒト―ショゴスキメラをかいくぐって所持していた荷物を無傷で保持したままマンホールへたどり着くことが出来る。1度失敗した者は書類の一部が欠損してしまう。2度失敗すると全ての書類を失い、2D6のマーシャルアーツキックを受ける。3度失敗した者は拘束される。拘束されたものだけはマンホールから脱出できない。
ただし、鰒猫拳を取得している者は鰒猫拳1度の成功(〈財団神拳〉でロールする)でDEX×5を3度成功したこととなる。

エンディング

〇マンホールに辿り着くことが出来た者。
マンホールに辿り着くと同時に5名の日特がなだれ込み、掃射を開始する。探索者達は財団からの残酷な指示に従って、下水道を通り、ある程度遠くのマンホールから外に出ることになる。また、財団は探索者に付属したカメラによるデータを解析して回収役として神野拳二を含む数名をヘリコプターで送り込んでいる。ここで探索者は回収され、神野拳二は単独で拘束された探索者の救出に向かう。

〇ヒト―ショゴスキメラに拘束された者
 通信機から耳に流れる
「これ以上の待機は作戦に支障をきたします。迅速にマンホールから退避してください」という音声を耳にしながら四肢を破壊され、死の恐怖を味わうこととなる。ダメージ4D3(ただし、即時生命にかかわる外傷ではない為、体力は最低でも1となる。更に日特による掃射が開始され、ヒト―ショゴスキメラが日特によって無力化される。日特が探索者を背負うと脱出の準備を始める。

ここで探索者は気絶していなければ〈目星〉を振ってよい。成功すると、日特の作戦行動や挙動がマイヤ=イスカリオテと同じように感じるだろう。

ここでマンホールが粉砕される。破裂音に反応して日特が銃を構えるが、衝撃によって副次的に破砕されたコンクリートの粉塵に紛れて神野は接近を開始する。「確率論的回避」を使用して弾丸を避けようとするが、3発が重要な神経系に着弾する。「元素功法」によって被弾部位を回復させながら、両手を振動させ「共振遠当て」を用いて日特の2人の下半身を破壊する。流れるように探索者のもとへたどり着くと、共振パンチを応用した指先による精密な動作で、探索者を縛り付けた紐を切ると探索者を回収する。
「回収対象を確保。直ちに帰還する。よくやった、あとは財団に任せておけ。」
探索者の意識は安堵とともにここで途切れることとなる。

 全員が回収され、ヘリコプターに乗り込む。
「作戦を終了。帰還します。[ログ終了]」

●報酬
 探索者達は囮として採用された作戦において生還した。SAN値回復1d10。
更にジョイの家の地下に隠された日本生類創研についての重要書類を持ち帰ることができた。回収時に探索者が持っていた書類1つにつきSAN値回復1d5(チームで所有していた数ではなく、個人ごとに依存)。本件において回収された書類の参照の許可。段位クリアランス3までの財団神拳を1つ習得

シナリオ終了後にPLに見せる情報

[補遺1]
本作戦が終了した翌日から事務員兼銃火器指導員・マイヤ=イスカリオテが行方不明となりました。財団神拳伝道者・神野拳二および特殊採用Eクラスエージェント収容チームの職員が日本生類創研の軍事行動の振る舞いと、マイヤ=イスカリオテの振る舞いに類似性が見られたと報告しています。現在、財団はこれらの関係性について調査中です。

[補遺2]
日本生類創研の日本以外での積極的な活動は今まで報告されていませんでしたが、本事案により世界中での大規模な活動が行われている可能性が示唆されるため、日本生類創研を要注意団体-jpのリストから要注意団体のリストへ移動することを要請します。-Cクラス職員

[補遺3]
"編集者“による追加実験により、胃袋を主とする神経系から脳へ発痛物質が生成および伝達されていることがわかりました。また、未知の手段で発痛物質が消滅し、脳からその他の器官および全身を通して外部に悲鳴のような振動が放出されていることがわかりました。現在、発痛物質の生成を止める試みは全て失敗しています。

[補遺4]
倫理委員会によってscp-1939-α-357の無力化が決定されました。現在、サイト-238(探索者の所属するサイト)においてジャック=ブライト博士の管轄の元無力化の方法が検討されています。

[補遺5]
ジャック=ブライト博士が申請したヒト=ショゴスキメラ体の軍事応用がO5評議会によって承認されました。日本生類創研との軍事的衝突は出来る限り避ける必要がありますが、万が一に備え有効な無力化手段の検討も行うようO5評議会によって命令が下されました。
―O5-■ 我々は収容違反を防ぐため常に軍事的優位を確保しなければならない。

ジョイの自宅から発見された文章

!!!警告!!!

以下の文章は認識災害に曝露する危険性があります。対ミーム予防措置無しの閲覧は禁止されています。担当者は必ず、サイト238で対ミーム予防措置を受けてください。

以下の文書は魔術書と同様の効力を持つため、1つ読むごとにSANチェック1/1d3が1回行われる。
「ショゴスゲノム解読計画」および「ショゴスの異常性を発現するゲノムの解析」
【次席研究員による発案】
 回収したショゴスの遺伝子情報は15%が現在の遺伝子工学では考えられない組み合わせをしており、5%が日本生類創研のデータベースにも存在しない組み合わせをしています。ショゴスは生物学的に異常な再生能力を保持していることから、ゲノム解読は我々にとって非常に有益であると考えられます。

【遺伝子工学グループによる確認実験】
 回収したショゴスの遺伝子情報の解読に成功しました。また、異常な再生能力を発現する組み合わせ順列を発見しました。これは他の生物に組み込むことで発現させることが可能であると考えられます。以上により、目的は最低限達成されたと考えられます。

「ヒト―ショゴスキメラ体の骨格の形成の制御について」
【医学部門による発案】
ヒト―ショゴスキメラ体のヒトの外形を保つための骨格の形成はショゴスの無脊椎動物固有の影響を受ける為、これらは大抵骨の欠損や軟化といった影響を受けます。従って、完全に無脊椎動物とするまたは脊椎動物とすることでクローン製造時、遺伝子的に強固な個体となると考えられます。

【医学部門による確認実験】
異常な配列を有する遺伝子の一部を組み変えたところ、骨格形成の不安定性の制御を行うことが出来るようになりました。無脊椎動物および脊椎動物としても製造することが可能となりました。以上により、目的は達成されたと考えられます。

「ヒト―ショゴスキメラ体の再生能力について」
【次席研究員(ジョイ=久能)による発案】
 ショゴスの再生能力は明らかに質量保存則に反しており、その原因の解明は我々の技術力を大幅に進歩させる基礎学術的な知識となります。また、■■■次元から■■■■の駆動力を得ることで■■■次元のエネルギーを物質化し3次元空間における見かけ上無限の再生を可能にしていると考えられます。従って、■■■次元空間干渉装置および干渉計を用いて3次元空間と接続し、同等の再生能力を有するたんぱく質の作製を行うことで原因の解明を目指すことを提案します。

【主任研究員による警告】
 次席研究員による発案は有益であるものの、想定できない危機に陥る危険性を孕んでいます。医学部門またはそれと同等以上の職員の承認を得るようにしてください。

【医学部門による承認】
 ゴミ箱(SCP財団のこと)から回収したスクラントン現実錨を安全装置として用いることを条件に承認します。

【次席研究員(ジョイ=久能)による確認実験】
 再生能力を有するたんぱく質の作製に成功しました。これにより■■■次元からの無限のエネルギーを得る方法を開発することが可能であると考えられます。また、この再生能力を有するたんぱく質は培養に特殊な方法を必要としないため、冷蔵庫で保存して食用に転用することなどが可能です。
―主任研究員 彼を昇任することを申請します。
―■■■■■■ 却下。

「ヒト―ショゴスキメラ体の知能および精神状態について」
【主任研究員による発案】
 ヒト―ショゴスキメラ体の脳細胞の活動は現段階で不安定であり、ショゴスの特徴を持ったヒト種が出来てしまいます。また、精神状態についても重度の認識災害によって汚染されており、不安定な状態にあります。したがって、再生能力を発現する遺伝子情報の差し替えをより最小限に抑え、何世代にもわたって交配し、認識災害に対する抵抗を持つ個体を厳選することで、現在の欠点を抑えることが可能であると考えられます。

【遺伝子工学グループによる確認実験】
理想的な個体を生み出すことに成功しました。また、人型クローンを製造する技術を応用することで遺伝子的に欠損のない同様のクローンを製造することに成功しました。以上により、目的は達成されたと考えられます。

「ヒト―ショゴスキメラ体の兵器運用に関する感覚器の制御について」
【一般研究員による発案】
 通常、生物は損害を最小限に食い止める為、痛覚を有し、痛覚の反応を避けるように構築されています。従って、生物は回避運動を行いますがヒト―ショゴスキメラ体は損害が修復されるため、痛覚を必要としません。そこで、ヒト―ショゴスキメラ体の痛覚を除去することを提案します。

【一般研究員による確認実験】
 痛覚を除去した結果、回避運動能力が40%低下しました。副次的に装備品の損傷が大きくなることが判明しました。従って、ヒト―ショゴスキメラ体が非常に不快と感じる固有の周波数を破壊時に発生させる特殊な塗料を作製し、塗布しました。結果として装備品への損傷に対する回避運動能力が発現するようになり、目的は最低限達成されたと考えられます。

「ヒト―ショゴスキメラ体による疑似的な“■■■■■■”の製造について」
【日本生類創研研究・開発統括責任者による発案】
 現在、SCP財団は”■■■■”と呼ばれる機動部隊を有しており、SCP財団の最終手段として用いられていることが確認されています。我々はプロメテウス研究所から■■■■■■の確保に失敗しており、ヒト型兵器の開発において先んじられています。したがって、■■■■■■を疑似的に開発することで、軍事的優位を取り戻すことが可能であると考えられます。

【日本生類創研研究・開発統括グループによる確認実験】
 [データ削除済み]に成功しました。目的は完全に達成されました。知能指数も安定していることから、製造した被験体の一部をマイヤ=イスカリオテに譲渡し、被験体の脳に戦闘技術データの蓄積を行うことを申請します。
―■■■■■■ 承認。
―日本生類創研研究開発統括責任者 我々は近いうちに全ての兵士をこのサイボーグ兵士に置換することが可能になるかもしれない。

「ヒト―ショゴスキメラ体を用いた“■■■■■■”の量産と”■■■■”を模倣した軍隊の製造および運用について(仮題)」
【次席研究員(ジョイ=久能)による発案】
 “■■■■■■”の製造技術が確立されましたが、時間・金銭的コストがかかりすぎるため[倫理に著しく抵触する文書のため削除済み]によって量産体制が可能であると考えられます。また、”■■■■”模倣のため、特殊装備の開発が必要と考えられます。特に、魔術や非実体などの非物理な攻撃に対する防御手段は作戦中の行動不能の原因となることが考えられるため、早急に開発することを提案します。

【日本生類創研研究・開発統括責任者による承認】
 魔術部門および軍事部門との共同研究を要請します。また、カオス・インサージェンシーによる情報および金銭的援助が届いているため、定期的な報告会を行うことを要請します。

「ヒト―ショゴスキメラ体の蓄積データの入出力について」
【軍事部門による発案】
 ”■■■■”と同様、認識災害などによって脳情報に甚大な破損が生じた際の対策および再訓練のコスト削減方法としてバックアップデータの保管が必要となります。したがって、人間と同様に脳情報の入出力を行えるシステムの構築を提案します。

【■■■■■■による承認】
 承認。マイヤ=イスカリオテの脳情報をコピーすることを許可します。

「SCP財団アメリカ支部異常生物収容サイトに保管されている異常生物の異常性および収容プロトコルに関する文書」
 セキュリティクリアランスレベルが4以上の職員のみ閲覧が許可されています。

ジョイの自宅から発見されたscp-1939-α-357について書かれていると思われる文章

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Twitter @shumiyouacc1 今後過去シナリオや新作シナリオをBOOTHを通じて頒布予定です。誤字脱字の訂正、読みやすさを意識した階層、キーパリングを円滑に行う上でこれまで作成してきたデータシートなどを付与することで有料にする予定です。シナリオを気に入ってくださった方は応援のほどよろしくお願いします。

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