2024年02月05日更新

【Coc】非日常はすぐ近くにある

  • 難易度:★|
  • 人数:1人~3人|
  • プレイ時間:

【シナリオ作成コンセプト】
このシナリオは、「新クトゥルフ神話TRPG クイックスタート・ルール」でもプレイできる範囲の初心者用シナリオを目指しています。
付属シナリオも難しいって人向け。
新クトゥルフ神話TRPGルールブック(第7版)でもプレイ可能。
テストプレイなどはしておりません。
自己解釈の部分がありますので、正式とは異なる場合があります。

【内容】
非日常はすぐ近くにある。
それは日常に溶け込むように入り込み、突然気づいた人間に牙を向いてくるのだ。

探索者たちの非日常は、猫を探してほしいという簡単な願いから始まった。
探索者たちは猫を追う内に非日常の世界の片りんに遭遇してしまう。

2269

5

ストック

0

コメント

☆プレイするにあたって

もし、クイックスタート・ルールで行う場合は、全員がクイックスタート・ルールで行うことを確認した上で行うことを推奨します。
ルルブとは全然別物なので、混合すると意味不明になります。
 
 

◯探索者作成時の所持品とお金

このシナリオでは、その探索者が日常的に持っていてもおかしくない物は最初から持っていても構いません。
また、お金に関しても日常的に持っていても不思議ではない程度のお金は持っていても構いません。
もし初心者でお試しと言うことならば持っているお金は気にせずに、商店の商品は買えるとしても構いません。

◯時代背景

このシナリオは、猫探しを行うことができるであろうシチュエーションならば、どの時代でも構いません。
だたし、探索者は全員同時間軸の探索者にしてもらってください。

◯登場するエネミー(敵)データ

◇猫の異形
探している猫と同じ毛足の長い猫の形をしていますが、所々歪な形に筋肉質に盛り上がり、棘のように骨が飛び出しています。
手足は猫にしては遥かに大きく、先にある黒い爪は鉤爪のように地面を捉えています。
尻尾は二本にわかれ、先は尖り突き刺せるような形状になっています。
口は大きく裂け、そこから零れて見える牙は獰猛な肉食獣であるライオンのようです。
 
STR60 CON 50 SIZ 40 POW 50 DEX 70
耐久力:9
ダメージ・ボーナス:0
ビルド:0
移動:12
攻撃回数:1ラウンド1回
攻撃方法:牙で噛みつき、爪で引っ掻き(近接戦闘 50% ダメージ 1d6、 回避 40%)
装甲:なし
特殊設定:人間よりも的が小さく素早いため、飛び道具などは当たりにくい傾向にあると思うので、飛び道具系を当てるためにはハード判定とする。
設定:探している猫「ルビー」が居る同じ場所で死んでいる猫の幽霊のような存在で、「ルビー」に共感と親近感を持っています。
   「ルビー」を人間に取られたくないと思っている反面、「ルビー」が死んでしまうのも嫌な様子です。
 
※このエネミーは、動物エネミーを参考に作成したオリジナルエネミーです。クトゥルフ世界に、同様の神話生物は存在しません。
 また特殊設定は、オリジナル設定なので、クトゥルフにこのような設定は存在しません。
※このシナリオに出てくる敵エネミーは、この「異形の猫」のみです。
 なので、1人探索で戦闘を行っても、普通にクリアできるはずです。
 「異形の猫」は途中の戦闘で耐久力が0になっても、幽霊の類なので何度でも耐久力を回復して最後に登場します。

 

◯導入

場所は、キーパーが適切であると思えばどこで行っても良いです。
探索者たちは、共通の知人か依頼者から、「飼っている猫が逃げたので、報酬は払うからできるだけ早く見つけ出して欲しい」という願い事を引き受けました。
その猫の特徴は、アルビノで赤目に白い毛色のペルシャ猫です。首には「ルビー」と言う名前の首輪がされているので、見つければ間違えることはないはずだとのことです。
現代が舞台ならば、写真などを渡してください。
 

<GM用補足>

  • 猫の飼い主は、その猫を子猫の時から大切にしており、本当の家族のように思っています。  その猫を探してくれるなら何でもしそうな雰囲気です。
  • 報酬は何でも払うと依頼者は言うが、その内容はGMが依頼者が用意できる範囲だと思う範疇で良いです。  1920年アメリカであるなら10ドル(現代の価値で2万円くらいですが、体感的には4,5万円に相当)、現代ならば500ドル(5万円くらい)程度はお金で出せるでしょう。もし、探索者が多い場合は、裕福な依頼者として依頼額を上げてください。

 
☆GM様へ
これ以降に登場する情報は、出来れば参加者にメモとして渡すか、共有メモなどでいつでも閲覧できるようにしておくと良いでしょう。
 

情報① 猫の特徴

アルビノで赤目に白い毛色のペルシャ猫。
首には「ルビー」と言う名前の首輪がされている。


◯探索

このシナリオは、探索者が猫が行きそうな場所に探しに行けるシティシナリオです。
キーパーは以下の場所の内、探索者が探すと言った場所に近い場所に行けたことにしても良いですし、最初からこの街で猫が居そうな場所と思いつくのはこことここですねと、依頼者が言っている態で伝えても良いです。
1つの場所につき判定を1つずつで書いてありますが、キーパーや探索者の好みにより、もっと細かく情報を得るために判定を使用しても構いません。
 
また判定に使用する技能もあくまで参考で、キーパーは探索者がどういうことをしたいのかによって、使用技能を指定する権利を持っていると考えます。
(同じことを調べるのにも、複数の選択肢と技能を書いてあるのもそのためです)
なので、特別な状況や聞かれない限りは、先に探索者が何をしたいのか聞いてから指定技能を判断しましょう。
 
 

・時間経過

1か所の場所を探すごとに3時間程かかり、他の場所に移動するたびに休憩や食事なども含み1時間程かかるとします。
なので、大体1回目の行動は10~13時で終わる頃には昼ご飯とお腹が減ったりし、2回目の行動は14時~17時で終わる頃には夕方となって日が沈んでしまったりし、3回目の行動は18~21時で終わる頃にはすっかり夜も更け街も閑散としてしまい探索も出来なくなるでしょう。
なお、運転技能で何かしらの移動手段を持っていた場合、移動するための時間を省略でき、1日に4回行動を行えたとしても良いです。
この時間ですが何が関係あるのかと言うと、2日目終了時には探している猫が死んでしまいます。3日目以降に猫を見つけた場合、死んだ猫を依頼者に届けることになってしまいます。
4か所しか調べる場所はないので、1日3回行動でも2日目の朝の内には全部を回れる計算です。
 

<場所の選択肢>

  1. 住宅街。依頼者の家の周辺。  まだ家の近くに居るのならば、この辺で情報が集まるかもしれません。
  2. 市場。人が多く、食べ物の匂いもする場所。  猫がお腹が空いていれば、食料の匂いにつられて居るかもしれません。
  3. 裏路地。ゴミやネズミなどがある場所。治安が良くはありません。  雨露が凌げる軒下が多く野良猫が集まる場所です。猫同士のコミュニティがあれば、そこにいるかもしれません。
  4. 雑木林。街中にポツンとある手入れされていない雑木林。木が鬱蒼と生えていて見通しが悪い。  人の目がないため野良猫や野良犬などが出てくるのを見かけることがある。ここに迷い込んでいる可能性もあるかもしれません。

 
 

◯住宅街

依頼者の家の周辺です。
まだ家の近くに居るのならば、この辺で猫の目撃情報などが集まるかもしれません。
 
ここで会うことができるのは、依頼者と近所の住人たちです。
依頼者に会うには判定は必要ありませんが、近所の人たちに会えるのかは判定で判断しましょう。
ただし、夜になると猫を探すのは困難になったり、外を歩いている人を探すのは困難ではないかとキーパーが感じた場合は、ハード判定やイクストリーム判定を使用しましょう。

  • 誰かをたまたま見つけられるかや近くのチャイムを押して誰かが出てくるかなどなら「幸運」。
  • 一見誰も居ない道を見渡して隠れている住人を探すなどなら「目星」。
  • 猫好きの人を見つけたいなどなら「心理学」。

上記の技能の他にも、判定の技能はGMの判断やPCがどの技能を使ってどうしたいですと言われた状況によって、柔軟に変更しても良いです。
また猫自体を直接探したいと言う探索者が居た場合は、「目星」で行い、「猫は居ませんが、話が聞けそうな人がいましたね」と近所の人に話を聞くように促してください。
この判定は誰か1人でも成功すれば成功です。
 
もし、判定が全員失敗した場合は、「話を聞けそうな近所の住人(または猫)は、今は周辺に見当たりませんでした。また時間を改めれば誰か見つかるかもしれません」と言って、依頼者ならば判定なしに会うことができる旨を伝えて誘導しましょう。
ファンブルを出した場合は、依頼者も留守とするなどしても良いでしょう。
失敗などして依頼人の元ではなく他の場所に移動したい場合は、移動手段の運転技能に成功すれば時間経過なく次の調査を行えるとしたら良いでしょう。
 
☆依頼人から情報を聞き出す
 依頼者に会いに行くと、「もう見つけてくれたのか」と少し期待の眼差しで見られます。
 しかし、情報を聞きに来ただけと返せば、少しだけ残念そうな顔をするでしょう。
 「それなら何を聞きに来たのか。伝えられることはもう全て話した」と言われてしまいます。
 
 依頼者からさらに何か有益な情報を得られたかは、判定で判断しましょう。

  • 部屋からなにか猫探しに関係する物を探すなどなら「自然」。
  • 依頼者になにかさらに情報を聞き出すために言葉を尽くすなどなら「INT(知能)」。

 
 ピンポイントに猫の餌や、猫を捕まえるのに役立ちそうな物はありませんかと聞かれた場合は、判定なしに教えても構いません。
 依頼者から聞けるのは、探している猫の好物がチーズだということです。
 部屋を探したのならたくさんの猫用のチーズの袋を見つけましたと言ったり、依頼者から聞き出すのならば依頼者は少し考えたあと猫の居る場所はわからないが好きな物はわかると、好物のチーズの話につなげましょう。
 依頼者はチーズや猫の餌の話になると「警戒心が強く知らない人が近づくと威嚇したり逃げ出したりするが、普段食べているチーズを与えれば大人しくなる」と教えてくれ、そのチーズを役立つはずだと少しだけ分けてくれます。
 ※チーズを渡された場合は、渡された探索者の持ち物に、猫用チーズを加えてもらってください。なお、現代だと猫用チーズは減塩仕様の物が売られていますので、探索者が食べたら塩気のないチーズだと思います。
→もし、そこから近所の住人に話を聞きに行きたいと提案された場合、先に判定で失敗していない限り、そのまま同じ時間帯として探索にいけることとします。なので、依頼者と近所の住人は、1回行動で情報を入手可能です。
 一度失敗してしまって依頼者の元に誘導した場合は、住人に聞きに行くのは次の時間帯扱いです。
 

情報② 猫の好物

探している猫の好物。
探している猫は警戒心が強く知らない人が近づくと威嚇したり逃げ出したりするが、普段食べているチーズを与えれば大人しくなるそうだ。
これを使えば逃がさずに捕まえることができるかもしれない。
 
☆近所の住人からの情報を聞き出す
 近所の住人を見つけて声をかけると、見たことがない人だと少し不審そうな顔をしてきます。
 大体の人は猫を探しているとロールプレイをするところですが、明らかに怪しい風貌の探索者や態度の探索者が居た場合「信用」や「言いくるめ」で判定を行っても良いでしょう。
 
 近所の人に話を聞いてもらえ猫の話をしたら、なにか有益な情報を得られたかは、その人物が猫の情報を持っているのか「幸運」判定で判断しましょう。
 この判定は誰か1人でも成功すれば成功です。
 聞かれた近所の人はうーんと唸りながら考えた後、「そう言えば、一昨日に近道だから雑木林を突っ切っていたら、毛足が長めの真っ白い猫が雑木林の奥の方にある廃屋の近くに居たのを見たな。一瞬だったんで、本当にその猫だったかは自信はないんだが」と見かけた場所を教えてくれます。
 この情報を入手すると、雑木林に行った時に「廃屋」の場所を判定なしで見つけ出せるようになります。
 キーパーの判断で、他の場所でこの目撃情報を入手できるとしても良い。
→もし、そこから依頼人に話を聞きに行きたいと提案された場合、同じ時間帯として探索にいけることとします。なので、依頼者と近所の住人は、1回行動で情報を入手可能です。
 

情報③ 猫を見かけた場所

探している猫だと思われる猫の目撃情報。
見かけられたのは一昨日だからまだいるかはわからないが、雑木林の奥にある廃屋の近くで見たらしい。
廃屋の場所は教えてもらえた。
 

情報④ 雑木林の廃屋

雑木林の奥にある廃屋の情報。
雑木林はもともと公園に使用としていた場所らしく、その時に作られた物らしい。
しかし、公園にするには地盤が脆く地盤沈下などの問題が発生したため本当に使用されることはなく、廃屋も手入れがされず放置されている。
※情報④は、住人に更に聞いたり、依頼人に聞いたり、市場や裏路地に居た人などから入手しても良いです。
 その際に、「地盤が脆く崩れたりするらしいので行くなら気を付けた方が良い」と忠告を付け加えてください。
 
 

◯市場

飲食店や屋台など様々な店がある市場です。
もし探索者がそこに来た時点で、猫探しの情報が落ちているかという判定を行いましょう。
ただし、夜になると商店の人もまばらになり閉店している店も多いだろう、猫を探すのも困難だろうとキーパーが感じた場合は、ハード判定やイクストリーム判定を使用しましょう。

  • 忙しくなく話しかけられそうな人を探す場合は「心理学」。
  • 猫が習性的に居そうな場所がどこか探す場合は「自然」。
  • 猫自体の姿を探す場合は「目星」。

 
☆商店の人間に話を聞く
 話しかけられそうな人で判定を成功する、または猫探しを失敗した場合商店の人間はいますよと促しましょう。
 話しかけられそうな人を見つけた場合、成功しても失敗しても猫は知らないと言われて、何か買わないかとすすめられます。
 この市場で買える物は普通の市場に売っていておかしくない物のみです。
 例えば食料などや猫が喜びそうな玩具、懐中電灯や包帯、縄やハンマー、包丁や鍋などです。値段については、キーパーが妥当だと思う金額で構いません。
 判定を使いたい場合は、「信用」「言いくるめ」「説得」「魅惑」「威圧」などで値切りやツケをできるか判定で判断すると良いでしょう。
 なお、探索者がよく欲しがる物として、銃とかは置いてありません。(1920年代でガンショップに入るとかいうロールプレイがあった場合はあるかもしれませんが。それはキーパーが判断してください)
 この場の探索が終わったら、「時間は消費しますが、いつでも探索に必要な物をここで買うことができます」と伝えておきましょう。
 
☆猫を探して、猫らしき姿を見かける(これは遭遇しない方が良い展開です)
 猫探しに成功すると、毛足の長い白い猫が目の端を走り去るのを見かけます。
 
 猫を追いかける場合は「追跡」判定を行ってください。
 成功すれば、猫に導かれて人気のない行き止まりの道へと到着し猫を追い付くことができます。
 なお、判定に失敗したら、猫を見失います。
 
 追い詰めた猫は、探索者たちの方を飛ぶように向き直りました。
 毛色は白、探索者を見る目は影になって暗い路地でも赤く光り、そのシルエットは探していた猫「ルビー」のように、その時までは見えていました。
 それは突然バキバキと不気味な音を立てて異形へと形を変えていきます。
 毛足の長いふんわりとした毛並だと思われた体格は、歪な形に筋肉質に盛り上がり、ところどころ棘のように骨が飛び出しています。
 手足は猫にしては遥かに大きく、先にある黒い爪は鉤爪のように地面を捉えています。
 威嚇するように立てられた尻尾は二本にわかれ、ゆらゆらと揺れる先は尖り突き刺せるような形状になっています。
 唸り声が聞こえる口元は大きく裂け、そこから零れて見える牙は獰猛な肉食獣であるライオンのようです。
 牙を剥き出しにした口から、猫の断末魔の金切り声とも、肉食獣の咆哮とも取れるような声が、その猫並みの大きさの体から放たれたとは思えないほどの大きな声で放たれました。
 その鳴き声は、脳を割らんばかりに揺らします。
 
 猫だと思っていたそれがあり得ない化け物であると気づいた探索者たちは、咆哮に脳を揺らされながら恐怖を感じました。
 正気度ロール(俗にいうSANチェック) 減少値1/1D3を行いましょう。
 
 対戦する場合は、最初の方に書いてある「猫の異形」のステータスを使用してください。
 戦わず逃げる場合は、判定なしで逃げても良いでしょう。
 もし、途中で逃げる場合は、猫の異形は臨戦態勢を取っているとして、「DEX(敏捷性)」で走って逃げるや「隠密」で隠れるや「威圧」で猫の方を逃げさせるを、ハードで1人でも成功させたら逃げ出せるとする。また、何かを投げて「猫の異形」の注意を引いていたから逃げやすいや攻撃して弱らせてからの「威圧」など逃げやすくなっていたなどしていたら、その判定はレギュラーとしても良い。
 この戦闘は、「猫の異形」の耐久力が5以下になった時に、「猫の異形」は行き止まりだった家の壁を三段跳びで飛び上り逃げて行きます。もし、一度に「猫の異形」の耐久力が0になった場合、「猫の異形」は姿が掻き消えていなくなりますが、死亡することはありません。
 →2回目以降に猫探しをしても、「猫の姿は見つかりません」と言ってください。
 
 

◯裏路地

ゴミやネズミなどの食料が多くおり、雨露が凌げる軒下があるため野良猫が沢山たむろしている場所です。
野良猫が多く集まる場所であるのは、着いた瞬間に分かります。
薄暗く汚れた路地のそこかしこから、探索者たちを監視するように光る猫の目が感じられます。
 
ここでは主に猫を探すことになります。
その場所はハッキリと言って、猫が多すぎて一匹の猫だけをピンポイントに探すのは困難で、それらしき猫をよく見ようと近づいただけで暗がりに逃げ込む場所も豊富で、猫を観察するだけでも時間がかかりそうです。
その時、「にゃあ」と背後で猫の声が聞こえます。(この鳴き声が聞こえたか、「聞き耳」で判定しても良いでしょう)
振り返ると、毛足が長く赤い目をした探している猫「ルビー」に似ている猫が探索者たちを観察するように路地の真ん中に座り込んで見上げています。
そこに猫が現れた気配を探索者たちは感じられませんでした。突然現れた猫に戸惑っていたり、捕まえようとすると猫は「にゃあ」と小さく鳴いてから素早く道の先に逃げて行きます。
しかし、すぐに立ち止まり、探索者を待つように見てきます。その様子は導くような動きです。
 
猫を上手く追いかけられたかは、判定で判断しましょう。
猫を追う為には、「ナビゲート」か「追跡」、「幸運」の技能を使います。
「ナビゲート」は猫を見失っても目的地に着くための技能で、「追跡」は猫の後を追うための技能です。ニュアンスの違いでどちらが相応しいかはキーパーが決めて良いでしょう。
ただし、夜になると小さい猫の姿を暗い路地の中追うのは困難だろうとキーパーが感じた場合は、「追跡」はハード判定やイクストリーム判定を使用しましょう。
1人でも成功すれば追いつけます。
 
猫が導くように到着したのは、路地の奥まった場所にあった鍵のかかった錆びた鉄格子の扉だった。
錆びた鉄格子の隙間からみえる階段はどうやら地下へと続く道のようで、周囲を注意深く調べればかすれた文字で「水道局管轄」や「防空壕」や「地下道」等と書かれており、古くて閉じられている地下への扉だと分かります。
この扉は開くことは鍵がないとできませんが、探索者から提案されれば「近接戦闘」で鍵を叩き壊す、「鍵開け」「機械修理」で鍵を開けることができても構いません。
→この扉は、雑木林の地下道に繋がっており、最終的にここから脱出できるようになっています。
 鍵開けに成功し、ここから入ることもできます。雑木林の地下道、光源を持っており地下道内で猫を探索するへ。
 
 

◯雑木林。

街中に突然現れる手入れされていない雑木林です。
鬱蒼と茂る木々は人の目を遮り、野良猫や野良犬には居心地が良く複数の群れが住みついているようです。
 
「情報③ 猫を見かけた場所」を入手している場合は、判定なしに「廃屋」の場所を特定することができますが、
「情報③ 猫を見かけた場所」を入手していない場合は、「ナビゲート」や「幸運」の判定に成功しないと「廃屋」を見つけることができません。
 
☆廃屋
 廃屋は朽ち果てて壁なども一部が崩れており全体が一続きの一間となっています。
 さらりと覗き込んだところ猫は何匹か見えますが、お目当ての探している猫のような姿は見つかりません。
 中には技能判定などをしても何もありません。
 
 廃屋の周辺を探ってみることで、情報が入手できます。
 廃屋の周辺を探ると宣言した探索者全員に「幸運」によるロールを行ってもらい、幸運ロールに失敗した探索者全員もしくは、失敗した中から一番出目が高い探索者1人にハプニングが発生します。
 ハプニングが発生した探索者は、突然足元が崩れ落ちるのを感じます。
 その窮地を何とかできるかは判定で決めましょう。
 「跳躍」で咄嗟に飛びのく、「回避」で崩れた瞬間に避けた、落ちる前に「近接戦闘」でナイフを地面に突き立てて落ちるのを防いだなど、キーパーと探索者で落ちない方法を考えましょう。
 何もしなければ、真っ暗な水が溜まっている地下へと落下して1d3のダメージを受けてしまいます。
 下は沼と言うか泥が溜まった下水道のトンネルのような場所で、地上までの高さは3m程ですが暗闇で階段なども見つからず上に上がる方法がなければ、暗闇の地下道を進むことになります。
 「幸運」ロールに全員が成功した場合は、足元に穴が開いていることに気付き、落ちることはありません。
 
 地面に穴が開いた後、「登攀」を成功させることで上り下りができます。ただし、この「登攀」は上り下りする1人のみが対象で、1人が判定に成功したからと言って全員ができるものではありません。
 
 他の人が落ちた人を引き上げる場合は、引き上げられる探索者のSIZ(体格)と引き上げる探索者のSTR(筋力)を比較し、差によってキーパーがその難しさをレギュラー、ハード、イクストリームから判断し、引き上げる探索者がSTR(筋力)で判定を行ってください。
 2人で協力して引き上げる場合は、引き上げる探索者のSTR(筋力)が大きい方が代表して判定を行ってください。
 縄を使用したら、上り下りの「登攀」に修正値を与えたり、ハードからレギュラーに引き上げて良いです。また、上にいる探索者は引き上げるのではなく、縄を投げて登ってもらうこともできるでしょう。
 
☆地下道
 廃屋から落ちた水が溜まった下水道のようなトンネルは真っ暗で手元に明かりがあったとしても少し先は闇に包まれています。
 何か光源がない場合は、本当に何も見えませんので、「ナビゲート」によって闇雲に地上を目指すことしかできません。
 「ナビゲート」が成功したら、裏路地の錆びた鉄格子の場所に出ます。この状態で来た場合は、扉が壊せるということにして外に脱出してもらいましょう。
→「ナビゲート」は1回使用すると1時間半かかるとし、2回で1か所を探す行動分の時間を消費してしまいます。
 この事態が発生してしまい他の人が商店に急いで懐中電灯などを買いに行き戻ってきて渡したいという場合は、素早く行動できたとし、同じ時間帯の間に「落ちた」「買いに行った」「渡した」までは行って良いとします。
 ただし、そこから「ナビゲート」で道を探すのは、別の時間に移ったとします。
 もし、「ナビゲート」がいつまでも成功しない場合は「幸運」ロールしてください。成功した場合は川にある下水道の所に出て来ることができ次の時間帯には合流することができます。失敗した場合はどこかわからない場所に出たとし、誰かが探しに行き「幸運」や「ナビゲート」に成功させて見つけるか、1日経過してからしか合流できないなどのペナルティが発生することとします。
 なお、スマホの電波などは通路内とわからない場所に出た場合は圏外です。が、あまり迷うようなら電波の入る場所になったでも構いません。
 
 光源を持っており地下道内で猫を探索する場合は、何らかの判定を行い猫の情報が見つかるか判断しましょう。
 間違えないで欲しいのは、猫を探すと明確に行動した時のみ発生し、出入口を探している場合は、猫は見つかりません。
 地下道で猫を探すことに気づけない場合、「INT(知能)」の判定を行い成功したら「廃屋の近くに居て、見つからない。猫ももしかしたら穴に落ちたのかもしれないと思いました」とヒントを出しましょう。
 
 「自然」「聞き耳」「追跡」「目星」などいずれかで成功すれば、弱弱しい消え入りそうな猫の鳴き声がどこかから聞こえてきます。
 弱弱しい猫の鳴き声に導かれるように辿り着いたそこには弱りきってうずくまる毛足の長い白い猫「ルビー」が居ます。
 近づこうとした探索者の前に、威嚇する猫のような肉食獣のような低い「にぁぁああ!!」という咆哮が探索者の鼓膜を破りそうな音量で響き渡ります。
 素早く探索者が「ルビー」に近づくのを阻むように、それは探索者の前に立ちはだかりました。
 
 毛足の長いふんわりとした毛並だと思われた体格は、歪な形に筋肉質に盛り上がり、ところどころ棘のように骨が飛び出しています。
 手足は猫にしては遥かに大きく、先にある黒い爪は鉤爪のように地面を捉えています。
 威嚇するように立てられた尻尾は二本にわかれ、ゆらゆらと揺れる先は尖り突き刺せるような形状になっています。
 唸り声が聞こえる口元は大きく裂け、そこから零れて見える牙は獰猛な肉食獣であるライオンのようです。
 「異形の猫」に遭遇した探索者は、正気度ロール(俗にいうSANチェック) 減少値1/1D3です。
 
 「異形の猫」は立ちふさがり、探索者をこれ以上進ませないと臨戦状態となっています。
※市場などで一度戦闘している場合は、耐久力は5で開始としても良いです。市場で耐久力を0まで削っていたとしても、ここでは回復しています。
 
▽「異形の猫」の突破方法
 ・戦闘に勝利する。(それ程強くはないので、戦闘をしても勝てます)
 ・条件2日目終了までに到着し「ルビー」が生きている場合、「猫用のチーズ」を使用することで「ルビー」が反応して足を引きずるように起き上がり、戸惑う「異形の猫」の横を通ってよろよろと探索者に近づきチーズを食べ始めます。
 「ルビー」はどうやら足を怪我していて、動くのが大変そうです。
 怪我に加えお腹が減って衰弱していたようで、「ルビー」はチーズを一通り食べ終えると「異形の猫」にすり寄りに行き、「異形の猫」は毒気が抜かれてしまいます。
 

 

◯結末

▽グッドエンド 条件2日目が終了するまでに「ルビー」の元に到着する
 最終戦闘で「異形の猫」をどの方法で退けても、最後は光のチリとなって消えてしまいます。
 「ルビー」はその姿を悲しそうに見送った後、探索者たちを弱い力ながらある場所に導こうとします。
 そこには、僅かにミイラ化した皮膚に残った白い毛並だったのだろうと分かるものの、殆どが腐り骨がむき出しになった猫の死体がありました。
 それがどういうことか探索者が知りたがった場合、INT(知識)にて判定を行い成功すれば、その死体が「異形の猫」の正体ではないのだろうかと気づくことができます。
 
 そして、その猫の死体の近くには、鍵が落ちています。この鍵は、裏路地の錆びた鉄格子を開けるための鍵です。拾った時に、裏路地で鉄格子があった場所に書かれていた「水道局管轄」や「防空壕」や「地下道」などと同じ文字が読み取れると良いでしょう。
 
 死んでいる猫が「ルビー」でないとわかるのは生きている方が、「ルビー」の名前入り首輪をしているのでわかるでしょう。

 裏路地の錆びた鉄格子から出た探索者たちは依頼者に猫のルビーを届けて、シナリオは終了です。
 
▽バッドエンド① 条件3日目以降に「ルビー」の元に到着し、「異形の猫」を倒す
 最終戦闘で「異形の猫」を倒し、「ルビー」の元に辿り着いた探索者たちは、「ルビー」の名前入りの首輪をした猫が死んでおり冷たくなっていることに気がつきます。
 どうやら間に合わなかったようです。
 その近くには、寄り添うにもう一匹の猫らしき死体が転がっています。それは僅かにミイラ化した皮膚に残った白い毛並だったのだろうと分かるものの、殆どが腐り骨がむき出しになった無惨な死体です。
 探索者たちは、亡骸だけは依頼者に持ち帰ることに成功し、悲しみに暮れる依頼者にそれでも感謝はしてもらい依頼は達成し、シナリオが終了します。
 
▽バッドエンド② 条件「ルビー」の元に到着できたが、「異形の猫」を倒すことを諦めて逃げ帰る
 最終戦闘で「異形の猫」から逃走ができたり、戦闘開始前にキーパーが許すならば逃げる選択肢もあります。
 逃げ帰り「ルビー」が居るかもしれない場所だけを依頼者に教えた探索者たちの冒険はそこで終わりを迎え、シナリオは終了します。
 

 

◯シナリオの解説 「ルビー」が居なくなった真相
 
依頼者が依頼をしてくる2,3日前に「ルビー」は散歩に出かけました。
好奇心が勝ったのでしょう、その日は少し遠くに足を伸ばし、迷子になっていました。
雑木林の奥にある廃屋を見つけたのも偶然でした。
情報③ 猫を見かけた場所を教えてくれた住人が見かけたのは、この時の話でしょう。
廃屋の周りをうろうろしていた時、「ルビー」は探索者たちと同じように突然崩れた穴に足を取られて落ちてしまいました。
猫は落下に強いのですが、落ちる時にどこかでぶつけたのか足を怪我してしまい、飛びあがって上がることもできなかった「ルビー」は地下道を進むことにしました。
鼠や虫などは居ますが生まれた時から飼い猫である「ルビー」はそれを食べようとも思わず、また足を怪我していて捕まえることも困難でした。
歩いている内に次第に体力が尽きてしまい、水に浸かった体を少しでも乾かせるように地下道の横道にある空間へと身を寄せ、眠りにつきました。
疲れ切り朦朧とした意識の「ルビー」の前に現れたのが、先客であった幽霊の「異形の猫」でした。
「異形の猫」は偶然にも同じような容姿の「ルビー」に興味を抱き、死んでからも長い間暗闇に閉じ込められて久々に会った同類に親近感を抱きました。
そして「異形の猫」は「ルビー」に対して保護欲と独占欲を抱くようになって、「ルビー」を探し奪い取ろうとする探索者たちの気配を感じてその姿を現し威嚇していたというのが、このシナリオでした。
 
 

Default dc97b68ac5e45fe6e796100df0104bd212cb6cb56de14e1772ab29062c337ef0

ルルブは読んでいるが、未プレイヤーのド素人。 シナリオもイメージで書いているため、破綻してたり、ルール間違っている可能性あり。 実卓する場合は、勝手に改造・修正推奨。 あまり世界観であったり、敵の情報までは読み込んでおりませんし、テストプレイ等もしておりません。 苦情やクレームは受け付けておりません。 2作品1000閲覧超えありがとうございます。ストックもありがとうです。