SW2.5シナリオ。推奨LV4
ハーヴェス王国首都の近くに、魔法文明時代の遺物が住み着いたようで...。
使用ルールブック
SW2.5基本ルールブック1、2、3
ブルライト地方南部に位置するハーヴェス王国の首都、ハーヴェス。冒険者であるPC達はこの街で依頼を求めていた。
ハーヴェスのギルドに依頼求めてやってきたPC達(知り合いかどうかは問わない)。ギルドの店内は、酒場と受付が7:3程の割合で作られており、大樽をつかったテーブルなど野性味が溢れた内装となっている。
ここでは食事と、ギルドの受付の両方を行えるだろう。
そんなPC達に筋骨隆々の受付が一つの依頼を勧める。
「ようてめえら。依頼探しか?だったらこれなんかやっつけといてくれねぇか。街近くの、およそ半日程度で行ける廃墟に、どっから現れたのか、ホムンクルスが住み着いたようでな。そのくせ、現れたり何時の間にかどっかに行っちまったりしやがる。どうだ?」
この情報を聞いた後、PC達はホムンクルス(1P462)に対して魔物知識判定を行う。
また、現在は6:30とし、朝食は済んでいるとする。
首都ハーヴェスから東に存在する森中の廃墟に、敵対的なホムンクルスを確認した。また、ホムンクルスを指揮系統とする各種低級の魔法生物も発見されている。ホムンクルス並びに、その指揮下の魔法生物の討伐を求める。
また、他の冒険者に依頼を任せた時、ホムンクルスが廃墟内に見つからないということも合ったようだ。ホムンクルスは巡回している、もしくは退避場所が存在している可能性がある。
必要事項として、廃墟への地図を用意してある。ギルドより受け取るように。
前渡し報酬として、ひとりにつき一つ、魔香草を渡す。
報酬として、一人当たり1500Gを払う。失敗の場合はなし。
通りかかる一般人やLV3程度の冒険者が襲いかかられたという事例が数回ある。ホムンクルスの襲撃条件は不明だが、廃墟から遠方には出現せず、廃墟近辺で襲撃があったようだ。
望むならPC達は何時でも出発ができる。
ハーヴェスの東門から外に出たPC達は、目的の廃墟のある森を目指し、道を進んでいく。
また、道中は遭遇戦を行う。GMは1D6を振り、その目に合った敵と即座に戦闘となる。
1か2が出た場合はアナコンダ(3P356)と遭遇した。アナコンダ×1と戦闘。
3か4が出た場合はパックリーダーの率いる群れと遭遇した。パックリーダー×1体(1P452)とウルフ×(PC人数-1)体(1P450)との戦闘。また、パックリーダーが倒された場合、ウルフは逃走する。
5か6が出た場合、特に何も起こらなかった。
およそ6時間ほどを歩き通したPC達は、お腹の空き具合を話したりしながら森の入り口へとたどり着くだろう。
木漏れ日の気持ちのよさそうな森で、木々を掻き分ける風の音が涼しさを醸し出す。絶えず鳥の鳴き声が聞こえ、危険であるとはあまり思えない。
地図を確認しながら森の中を進んでいくと、整理もされていなかった森に、明らかに人工の手によってできた道が見え始めた。
ここでPC達は目標値11の足跡追跡判定を行う。成功すると巡回するガストナイト(1P462)の部隊を発見する。失敗するとガストナイトの部隊とかち合い、戦闘となる。
PC達が判定に成功した場合、部隊を避けて廃墟へ向かうか、部隊に戦闘を仕掛けるかを選択できる。戦闘を仕掛ける場合、先制値判定に+2の修正を得る。
前線:ガストナイト×1体、ガスト×(PC人数-1)体(1P460)
PC達は更に森の奥へと進んでいくと、ようやく件の廃墟が目に入った。
廃墟はどうやら縦に長い長方形のような建物で、隣に耕された畑や、石煉瓦で作られた高い塀と壁の様相は森には到底似つかわしい。その上、廃墟であるにも関わらず手入れがしっかりされている。
幸いにも、塀と塀を繋ぐ門が半壊しているので中に入れそうだ。
PC達が廃墟内を目指す上で、侵入可能と思しきルートは以下の通りだ。
・真っ直ぐ玄関へ向かう
・裏口を探す
・目標値10の登攀判定を行うか、何かしらの足場を用意して、屋上からの侵入を目指す
#### 見出し4【廃墟の探索】
・真っ直ぐ玄関へ向かう
玄関は詳しく調べずとも、最近使用した形跡がある。開閉も問題はなさそうだが、鍵かかかっている。
錠前を無理に開ける場合、目標値11の解除判定を行う。
・裏口を探す
廃墟の裏手にまわってみると、窓らしい窓はなく、二階程の位置には隙間らしきものがいくつか見れる。しかし裏口は見当たらない。
PCは目標値9の見識判定を行う。成功すると以下の情報を得る。
あの隙間は狭間と呼ばれる、弓を射掛ける隙間で、ガンの流通以前の防御施設によく見られたものである。そのため、この施設はかなり小規模の砦のようなものであると思うかもしれない。そう考えると、あの隙間のある方向に意識を割いていたということだろう。
・目標値10の登攀判定を行うか、何かしらの足場を用意して、屋上からの侵入を目指す
およそ15mの壁を登る。そのため、判定に-4の修正を加える。目標値10の軽業判定、もしくは跳躍判定に成功すると、登攀判定を行うときに+2の修正を加える。
もし、裏手側から登攀判定を行った場合、狭間から中にいる魔法生物と目が合い、躊躇無く弓を射掛けられる。
PCは目標値13の跳躍判定を行い、失敗すれば2d+4点の弓のダメージを受け、もう一度目標値10の登攀判定を行う。失敗すると10m分の落下ダメージを受ける。
廃墟内の構造は一階と二階に屋上である。データ上の情報はないが、地下一階も存在する。また、PC達が侵入した場所より描写を行う。
・玄関
一面飾り気のない石煉瓦の壁で、左右と奥に道が続いている。左右共々一部屋ずつあるようだ。奥の部屋には梯子がみえる。
・左の部屋
そこそこの広さを持つ部屋。60人程は入ることができるだろう。保存食を樽一杯に、調味料は小樽に詰め込んであるようだ。毛布であったり、僅かな生活用具も置いてある。だが、それだけでこの部屋には特に何もないようだ。
・右の部屋
中へ入ると、二体の石像が両側へ位置どり出迎える。どうやら武器庫であるようだ。手入れされ続けた、おそらく年代物の武器が並ぶ。
ここでPC達は目標値12の危機感知判定を行う。成功すると、この二体の石像が魔法生物であることに気づく。失敗するとランダムに選んだキャラクター二体が不意打ち(回避不可の通常攻撃)をくらう。
魔法生物の倉庫番と即座に戦闘を行う。
前線:ガーゴイル×2体(1P461)
戦闘終了後、武器庫内を散策すると未だに使用可能である以下の物品を発見する。
先端が捻れた朱色の杖×1、魔晶石×3点
目標値10の宝物鑑定判定に成功すると、この杖がイフリートの髭×3回(1P306 333)であることを見分けられる。
また、この部屋で探索判定の達成値が12以上で成功すると地下室を発見する。だが鍵がかかっているようだ。鍵は魔法の扉となっており、アンロック13か「『祖国の勝利のために。偉大なる父母のために』」を魔法文明語で喋ると合言葉で解除できる。鍵を開け中に入る場合、後述の地下室を参照されたし。
・奥の道
上へと伸びていく梯子がある。これを昇ることによって二階へと向かえる。
・昇降所
梯子を昇る、あるいは降りた場所は、窓も何もない空間であった。しかし、同じ階層には他にも部屋があるようである。
・中央
一階の上に位置するこの空間には左右に一つずつ部屋があるようだ。また、壁には一定間隔毎に隙間が明いている。
もし、裏手側から登攀判定を行い、発見されたキャラクターがいた場合、後述の左の部屋に存在するガストナイト達はこの場所に移動し、PC達に不意打ちを行う(戦闘終了後、左の部屋には誰もいない)。
そのため、PC達は目標値12の危機感知判定を行う。成功、失敗を問わず即座に戦闘となる。また、失敗すると、先制値判定に-2の修正が加わる。
・左の部屋
広い間取りの部屋で、壁にはいくつもの隙間がある。また、幾つもの簡素な弓が用意されてもある。
そして、この部屋には弓を構えて警戒する魔法生物がいた。彼らはPC達に気づき、武器を弓から手元の武器に切り替えて襲いかかってきた。
前線:ガストナイト×2体、ガスト×(PC人数-2体)
この部屋の弓立ての隣にはヒーリングポーションが三つ見つかった。
・右の部屋
円卓を一つ置いた会議室のようだ。棚や武器立ても置いているが、めぼしいものはさしてない。しかし、円卓の上には古び、何度か補修された羊皮紙のメモが置いてあるようだ。
魔法文明語の読文ができるキャラクターがいる場合、このメモが読めるだろう。
「創造主によって自我がはっきりとしたため、もし私が破壊された場合、もしくは次代の私達に任務を代わりに遂行できるようにするために、日記を残すことにする。
来たるべき防衛戦のため、武器庫地下で兵の生産につとめる。
中略
ーーー国の軍は未だに現れない。創造主から連絡もなく、私がこの場を離れるわけにも、兵に伝令を勤めさせる程の練度はない。敵国の情事がわからないのは防衛戦において優位が崩れているに変わりない。兵の生産装置は、まだ何とか稼働するが、新たに資源を獲得する必要がある。私の稼働期間ももう僅かである。次の私に託すため、準備を進めねばならない。兵よりも、将となる私を定期的に作成できるように、つとめる必要があるやもしれない。まだ工場は故障していないが、何十、何百も作れば間違いなく故障する。それまでに敵国が滅ぶことを望む」
それから羊皮紙の最初のページの後ろに小さく文字があります
「新たなる同士へ、作られる同士のために 『祖国の勝利のために。偉大なる父母のために』」
第一代目の「私」のメモが終わった後も、何百体もの「私」が取り留めておくことを細々と記し続けていたようだ。だがしかし、一部齟齬があるようで、それがどんどんと酷くなっていく。何百年ものズレが有ったように見える。
屋上は東屋のような屋根と手すりがあるだけの簡素な空間だ。下の階へは梯子で向かうようである。
真っ暗な部屋だ。
見慣れない装置が大量に放置されている。大量の埃がのっており、そのどれもが稼働していない。
また、辛うじて人型であることがわかるものが数体転がっている。しかし、かなり痛んでおり、資料になるかは疑問だ。しかし、ギルドか、知り合いの有識者に報告すれば追加で報酬が得られるかもしれない。
一階から屋上まで見終わった後、あるいは屋上から一階まで見終わった程度でホムンクルスが帰還する。
廃墟の扉が開く音がした。
複数の足音が聞こえ、それはこの誰かが漁ったような状況を確認し、声を発するだろう。
「誰かいるのでしょう。出てきなさい。どこの国の者ですか、今ならば命は助けましょう」
それの声音はとても冷淡であり、落ち着きをはらっていた。また、その容貌を見た者がいた場合、人間の姿でありながら、冷たいガラス玉のような目に感情を感じ得ることはない。
魔法文明時代の遺物との戦闘。語り掛けには応じず、PCを捕縛し、情報を集めた後殺害すること以外を考えていない。
前線:ガストナイト×(PC人数-2)体、オークハウンド×1体(2P460)
後方:ホムンクルス×1体
オークハウンドは《虎目石の鋲(小)》、《虎目石の金鋲(小)》、《柘榴石の活力(小)》で強化されている。
ホムンクルスは、PC人数+4の数分の剣の欠片で強化されている。
ホムンクルスの命令はこの施設、ひいては本国(倒壊済み)を襲撃する者に対して防衛をすること。また、どうやらこのホムンクルスは製造時から異常をきたしており、命令に対する冷静な思考は行えるが、最初の命令以外に応じることはない。その上、時間という概念が欠けている。
報酬一人当たり1500G、あるいはなし
また、地下室の存在とかなり古びた手記をギルドに伝えれば追加で800Gの追加報酬を払う。
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